JP5770156B2 - チタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
(連続鋳造装置の構成)
本発明の第1実施形態によるチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法は、プラズマアーク溶解させたチタンまたはチタン合金の溶湯を無底の鋳型内に注入して凝固させながら下方に引抜くことで、チタンまたはチタン合金からなる鋳塊を連続的に鋳造する連続鋳造方法である。この連続鋳造方法を実施するチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造装置(連続鋳造装置)1は、斜視図である図1、および、断面図である図2に示すように、鋳型2と、コールドハース3と、原料投入装置4と、プラズマトーチ5と、スターティングブロック6と、プラズマトーチ7と、フラックス投入装置(図示せず)と、を有している。連続鋳造装置1のまわりは、アルゴンガスやヘリウムガス等からなる不活性ガス雰囲気にされている。
ところで、チタンまたはチタン合金からなる鋳塊11を連続鋳造した際に、鋳塊11の表面(鋳肌)に凹凸や傷があると、次工程である圧延過程で表面欠陥となる。そのため、圧延する前に鋳塊11表面の凹凸や傷を切削等で取り除く必要があり、歩留まりの低下や作業工程の増加など、コストアップの要因となる。そのため、表面に凹凸や傷が無い鋳塊11を鋳造することが求められる。
次に、図3に示すモデルを用いて、各パラメータを変化させて鋳肌の状態を評価した。その結果を表1に示す。
以上に述べたように、本実施形態に係るチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法によると、溶湯12への入熱量および溶湯12からの抜熱量に関係する各パラメータから壁面近傍の溶湯12の温度を推測し、推測した温度が、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点以上になるように、各パラメータを調整する。これにより、鋳型2内の溶湯12の湯面直下であって鋳型2の壁面近傍の溶湯12の温度を測定しなくても、鋳肌の状態が良好な鋳塊11を鋳造することができる。
(連続鋳造装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態に係るチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態の連続鋳造方法を実施する連続鋳造装置201が第1実施形態の連続鋳造装置1と異なる点は、斜視図である図4に示すように、鋳型202の断面形状が矩形であり、角柱状のスラブ211を連続鋳造する点と、鋳型202内の溶湯12の湯面をプラズマアークで加熱するプラズマトーチ7が、複数設けられている点である。本実施形態において、プラズマトーチ7の数は2つであるが、これに限定されない。
本実施形態においても、鋳型202内の溶湯12の湯面直下であって壁面近傍の溶湯12の温度が、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点以上となるように、壁面近傍の溶湯12への入熱量と、壁面近傍の溶湯12からの抜熱量とのバランスを調整することが望まれる。
なお、本実施形態においては、連続鋳造装置201を上方から見たモデル図である図6に示すように、プラズマトーチ7の数が1本であってもよい。この場合、パラメータの1つである距離Lは、鋳型202の内側面上におけるプラズマトーチ7から最も離れたコーナー部からプラズマトーチ7の中心までの水平方向の距離となり、鋳肌状態判定指数Xは以下のようになる。
次に、図5、図6に示すモデルを用いて、各パラメータを変化させて鋳肌の状態を評価した。その結果を表2に示す。
以上に述べたように、本実施形態に係るチタンまたはチタン合金からなるスラブ211の連続鋳造方法によると、溶湯12への入熱量および溶湯12からの抜熱量に関係する各パラメータから壁面近傍の溶湯12の温度を推測し、推測した温度が、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点以上になるように、各パラメータを調整する。これにより、鋳型202内の溶湯12の湯面直下であって鋳型202の壁面近傍の溶湯12の温度を測定しなくても、鋳肌の状態が良好なスラブ211を鋳造することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2,202 鋳型
3 コールドハース
3a 注湯部
4 原料投入装置
5 プラズマトーチ
6 スターティングブロック
7,7a,7b プラズマトーチ
9 フラックス
11 鋳塊
12 溶湯
14 冷却水
15a,15b プラズマ照射範囲
211 スラブ
Claims (6)
- プラズマアーク溶解させたチタンまたはチタン合金の溶湯を無底の鋳型内に注入して凝固させながら下方に引抜くことで、チタンまたはチタン合金からなる鋳塊を連続的に鋳造する連続鋳造方法であって、
前記鋳型の断面形状は円形であって、前記鋳型内の前記溶湯の上方であって前記鋳型の径方向の中心を通る中心線上にプラズマトーチが1本配置されており、
前記プラズマトーチから前記鋳型内の前記溶湯の湯面に投入される投入電力量、前記鋳型の壁面と前記鋳型内の前記溶湯との界面に形成されるフラックスの厚み、前記鋳型の内側面から前記プラズマトーチの中心までの水平方向の距離、前記鋳型の熱伝達係数、前記鋳塊の引抜速度、および、前記鋳型の内側面の半径をパラメータとして、前記鋳型内の前記溶湯の湯面直下であって前記鋳型の壁面近傍の溶湯の温度を推測する推測ステップと、
前記推測ステップで推測した前記壁面近傍の溶湯の温度が、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点以上になるように、各パラメータを調整する調整ステップと、
を有することを特徴とするチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法。 - プラズマアーク溶解させたチタンまたはチタン合金の溶湯を無底の鋳型内に注入して凝固させながら下方に引抜くことで、チタンまたはチタン合金からなる鋳塊を連続的に鋳造する連続鋳造方法であって、
前記鋳型の断面形状は矩形であって、
前記鋳型内の前記溶湯の上方に配置されたプラズマトーチから前記鋳型内の前記溶湯の湯面に投入される投入電力量、前記鋳型の壁面と前記鋳型内の前記溶湯との界面に形成されるフラックスの厚み、前記鋳型の内側面上における前記プラズマトーチから最も離れたコーナー部から前記プラズマトーチの中心までの水平方向の距離、前記鋳型の熱伝達係数、前記鋳塊の引抜速度、前記鋳型の内側面における長辺の長さ、および、前記鋳型の内側面における短辺の長さをパラメータとして、前記鋳型内の前記溶湯の湯面直下であって前記鋳型の壁面近傍の溶湯の温度を推測する推測ステップと、
前記推測ステップで推測した前記壁面近傍の溶湯の温度が、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点以上になるように、各パラメータを調整する調整ステップと、
を有することを特徴とするチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法。 - プラズマアーク溶解させたチタンまたはチタン合金の溶湯を無底の鋳型内に注入して凝固させながら下方に引抜くことで、チタンまたはチタン合金からなる鋳塊を連続的に鋳造する連続鋳造方法であって、
前記鋳型の断面形状は矩形であって、
前記鋳型内の前記溶湯の上方に配置された複数のプラズマトーチから前記鋳型内の前記溶湯の湯面に投入される投入電力量、前記鋳型の壁面と前記鋳型内の前記溶湯との界面に形成されるフラックスの厚み、前記プラズマトーチ毎に設定されたプラズマ照射範囲の各々における前記プラズマトーチの中心と前記鋳型の内側面との間の水平方向の最長距離のうちで最も長い距離、前記鋳型の熱伝達係数、前記鋳塊の引抜速度、前記鋳型の内側面における長辺の長さ、および、前記鋳型の内側面における短辺の長さをパラメータとして、前記鋳型内の前記溶湯の湯面直下であって前記鋳型の壁面近傍の溶湯の温度を推測する推測ステップと、
前記推測ステップで推測した前記壁面近傍の溶湯の温度が、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点以上になるように、各パラメータを調整する調整ステップと、
を有することを特徴とするチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法。 - 前記プラズマトーチから前記鋳型内の前記溶湯の湯面に投入される投入電力量をQ、前記鋳型の壁面と前記鋳型内の前記溶湯との界面に形成されるフラックスの厚みをd、前記鋳型の内側面から前記プラズマトーチの中心までの水平方向の距離をL、前記鋳型の熱伝達係数をh、前記鋳塊の引抜速度をV、前記鋳型の内側面の半径をR、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点をMPとしたときに、
(1930+2.2Q+144.4d−1.1L−11.03h−11.0V−1.17R)/MP≧1
の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載のチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法。 - 前記プラズマトーチから前記鋳型内の前記溶湯の湯面に投入される投入電力量をQ、前記鋳型の壁面と前記鋳型内の前記溶湯との界面に形成されるフラックスの厚みをd、前記鋳型の内側面上における前記プラズマトーチから最も離れたコーナー部から前記プラズマトーチの中心までの水平方向の距離をL、前記鋳型の熱伝達係数をh、前記鋳塊の引抜速度をV、前記鋳型の内側面における長辺の長さをa、前記鋳型の内側面における短辺の長さをb、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点をMPとしたときに、
(2440+1.94Q+163.6d−21.4L−29.5h−50.0V+6.0a−6.2b+380.0)/MP≧1
の関係を満足することを特徴とする請求項2に記載のチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法。 - 複数の前記プラズマトーチから前記鋳型内の前記溶湯の湯面に投入される投入電力量をQ、前記鋳型の壁面と前記鋳型内の前記溶湯との界面に形成されるフラックスの厚みをd、前記プラズマトーチ毎に設定されたプラズマ照射範囲の各々における前記プラズマトーチの中心と前記鋳型の内側面との間の水平方向の最長距離のうちで最も長い距離をL、前記鋳型の熱伝達係数をh、前記鋳塊の引抜速度をV、前記鋳型の内側面における長辺の長さをa、前記鋳型の内側面における短辺の長さをb、前記プラズマトーチの数をM、鋳造対象であるチタンまたはチタン合金の融点をMPとしたときに、
(2440+1.94Q+163.6d−21.4L−29.5h−50.0V+6.0a−6.2b+380.0M)/MP≧1
の関係を満足することを特徴とする請求項3に記載のチタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法。
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JP2012283092A JP5770156B2 (ja) | 2012-12-26 | 2012-12-26 | チタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造方法 |
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