JP5774419B2 - チタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置 - Google Patents

チタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置 Download PDF

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Description

本発明は、チタンまたはチタン合金からなるスラブ(鋳片)を連続的に鋳造する、チタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置に関する。
真空アーク溶解や電子ビーム溶解によって溶融させた金属を無底矩形状の鋳型内に注入して凝固させながら下方に引抜くことで、スラブを連続的に鋳造することが行われている。
特許文献1には、円滑な引抜きのために鋳型を引抜き方向に振動させる際に生じる、引抜き方向に直交する方向の振動を位置センサで感知する鋳型振動検出装置が開示されている。引抜き方向に直交する方向の振動量に基づいて鋳造実施の適否を判断することで、スラブの品質を安定させることができる。
特開2004−136368号公報
ところで、チタンまたはチタン合金からなるスラブを連続鋳造した際に、スラブの表面に凹凸や傷があると、次工程である圧延過程で表面欠陥となる。そのため、圧延する前にスラブ表面の凹凸や傷を切削等で取り除く必要があり、歩留まりの低下や作業工程の増加など、コストアップの要因となる。そのため、表面に凹凸や傷が無いスラブを鋳造することが求められる。
ここで、スラブの表面傷は、鋳型の壁面近傍において凝固シェルが成長しすぎて湯面に露出し、湯被りが発生することで生じるものと推測される。そこで、鋳型の壁面近傍において凝固シェルの成長を抑制するには、加熱装置の出力を上げて、湯面への入熱量を上昇させ、凝固シェルを再溶融させる必要がある。しかし、湯面近傍では、鋳型からの抜熱が大きく、またチタンは熱伝導率が低いため、初期の凝固シェルを十分に溶解できない可能性がある。
そこで、溶湯を攪拌させることで、高温の溶湯を鋳型の壁面近傍へ流動させて、初期の凝固シェルを溶融させることが考えられる。しかし、チタンは活性な金属であるので、プロペラ等の装置を溶湯に入れて攪拌したり、溶湯内にガスを吹き込んで攪拌したりするのは困難である。また、電子ビーム溶解においては、電子ビームが磁場の影響を受けやすいので、電磁攪拌も困難である。
本発明の目的は、表面に欠陥が少ないスラブを鋳造することが可能なチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置を提供することである。
本発明におけるチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置は、チタンまたはチタン合金を溶融させた溶湯を無底矩形状の鋳型内に注入して凝固させながら下方に引抜くことで、チタンまたはチタン合金からなるスラブを連続的に鋳造する連続鋳造装置であって、前記鋳型内に注入された前記溶湯の湯面をプラズマアークで加熱するプラズマアーク加熱装置と、交流電流による電磁誘導により前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍を攪拌する少なくとも1つの電磁攪拌装置と、を有し、前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の壁面に衝突する流れを前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせ、前記電磁攪拌装置は、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れを前記溶湯に生じさせることで、前記鋳型の対向する2つの壁面にそれぞれ衝突する一対の流れを前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることを特徴とする。
上記の構成によれば、鋳型内に注入された溶湯の湯面をプラズマアークで加熱する。プラズマアークは、プラズマジェット流の近傍以外では磁場の影響を受けないので、磁場の影響を受けやすい電子ビーム溶解では困難であった電磁攪拌が可能である。そこで、電磁攪拌により溶湯の湯面もしくは湯面近傍を攪拌することで、鋳型の壁面近傍の凝固シェルに熱を伝達する。すると、鋳型の壁面近傍の凝固シェルが温められるので、鋳型の壁面近傍において凝固シェルが成長するのが抑制される。これにより、鋳型の壁面近傍において凝固シェルが成長することでスラブの表面に欠陥が発生するのが抑制される。よって、表面に欠陥が少ないスラブを鋳造することができる。また、鋳型の壁面に衝突する流れを溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることで、鋳型の壁面近傍の凝固シェルへの入熱量を増加させることができる。これにより、鋳型の壁面近傍において凝固シェルが成長するのを好適に抑制することができる。また、鉛直方向に旋回する流れは、鋳型の壁面に衝突する流れを溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。ただし、鉛直方向に旋回する流れが1つであると、鋳型の対向する2つの壁面の一方においては、溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じた壁面に衝突する流れによって凝固シェルへの入熱量が増加するが、鋳型の対向する2つの壁面の他方においては、一方の壁面近傍の凝固シェルに熱量を伝達した後の温度の低い溶湯がその近傍を流れることになり、凝固シェルの凝固が進行してしまう。そこで、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れを溶湯に生じさせることで、鋳型の対向する2つの壁面にそれぞれ衝突する一対の流れを溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。こうすることで、鋳型の対向する2つの壁面の各々において、凝固シェルへの入熱量が増加するから、凝固シェルの凝固を進行させることがない。
また、本発明におけるチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置において、前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の周囲に設けられていてよい。上記の構成によれば、電磁攪拌装置を鋳型の周囲に設けることで、プラズマアークによる加熱を阻害することなく、溶湯の湯面もしくは湯面近傍を攪拌することができる。
また、本発明におけるチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置において、前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の壁面に平行する流れを前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせてよい。上記の構成によれば、鋳型の壁面に平行する流れを溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることで、鋳型の壁面近傍の凝固シェルと溶湯との間の熱伝達係数を増加させることができる。これにより、鋳型の壁面近傍において凝固シェルが成長するのを好適に抑制することができる。
また、本発明におけるチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置において、前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の壁面に沿って下降する流れを前記溶湯に生じさせてよい。上記の構成によれば、鋳型の壁面に沿って下降する流れを溶湯に生じさせることで、鉛直方向に旋回する流れが溶湯に生じる。この鉛直方向に旋回する流れにより、鋳型の壁面に衝突する流れを溶湯の湯面もしくは湯面近傍に好適に生じさせることができる。
また、本発明におけるチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置において、前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の周囲に全周にわたって設けられ、前記鋳型の全ての壁面に沿って下降する流れを前記溶湯に生じさせてよい。上記の構成によれば、電磁攪拌装置を鋳型の周囲に全周にわたって設け、鋳型の全ての壁面に沿って下降する流れを溶湯に生じさせることで、鋳型の全ての壁面に衝突する流れを溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることができる。これにより、鋳型の壁面の全周にわたって、鋳型の壁面近傍の凝固シェルへの入熱量を増加させることができる。
本発明のチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置によると、鋳型内に注入された溶湯の湯面をプラズマアークで加熱するとともに、電磁攪拌により溶湯の湯面もしくは湯面近傍を攪拌することで、鋳型の壁面近傍の凝固シェルに熱を伝達する。すると、鋳型の壁面近傍の凝固シェルが温められるので、鋳型の壁面近傍において凝固シェルが成長するのが抑制される。これにより、鋳型の壁面近傍において凝固シェルが成長することでスラブの表面に欠陥が発生するのが抑制されるから、表面に欠陥が少ないスラブを鋳造することができる。
連続鋳造装置を示す斜視図である。 連続鋳造装置を示す断面図である。 表面欠陥の発生メカニズムを表す説明図である。 電磁攪拌の説明図である。 電磁攪拌の説明図である。 電磁攪拌の説明図である。 電磁攪拌の説明図である。 流速ベクトルの分布図である。 流速ベクトルの分布図である。 電磁攪拌の説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
(連続鋳造装置の構成)
本実施形態によるチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置(連続鋳造装置)1は、斜視図である図1に示すように、鋳型2と、コールドハース3と、原料投入装置4と、プラズマトーチ5と、スターティングブロック6と、を有している。連続鋳造装置1のまわりは、アルゴンガスやヘリウムガス等からなる不活性ガス雰囲気にされている。
原料投入装置4は、コールドハース3内にスポンジチタンやスクラップ等のチタンまたはチタン合金の原料を投入する。プラズマトーチ5は、コールドハース3の上方に設けられており、プラズマアークを発生させてコールドハース3内の原料を溶融させる。コールドハース3は、原料が溶融した溶湯12を注湯部3aから鋳型2内に注入する。鋳型2は、銅製であって、無底で断面長方形状に形成されており、四辺をなす壁部の内部を循環する水によって冷却されるようになっている。スターティングブロック6は、図示しない駆動部によって上下動され、鋳型2の下側開口部を塞ぐことが可能である。
また、連続鋳造装置1は、断面図である図2にも示すように、プラズマトーチ(プラズマアーク加熱装置)7と、EMS(電磁攪拌装置)8と、を有している。プラズマトーチ7は、鋳型2の上方に設けられており、鋳型2内に注入された溶湯12の湯面をプラズマアークで加熱する。EMS8は、交流型であって、鋳型2の周囲に複数設けられており、鋳型2内に注入された溶湯12の湯面もしくは湯面近傍を交流電流による電磁誘導により攪拌(電磁攪拌)する。電磁攪拌の詳細については後述する。なお、EMS8には、電磁誘導により溶湯12を加熱する作用もある。
以上の構成において、鋳型2内に注入された溶湯12は、水冷式の鋳型2との接触面から凝固していく。そして、鋳型2の下側開口部を塞いでいたスターティングブロック6を所定の速度で下方に引き下ろしていくことで、溶湯12が凝固したスラブ11が下方に引抜かれながら連続的に鋳造される。
なお、真空雰囲気での電子ビーム溶解では微少成分が蒸発するために、チタン合金の製造は困難であるが、不活性ガス雰囲気でのプラズマアーク溶解では、純チタンだけでなく、チタン合金も鋳造することが可能である。
(表面欠陥の発生メカニズム)
ところで、チタンまたはチタン合金からなるスラブ11を連続鋳造した際に、スラブ11の表面に凹凸や傷があると、次工程である圧延過程で表面欠陥となる。そのため、圧延する前にスラブ11表面の凹凸や傷を切削等で取り除く必要があり、歩留まりの低下や作業工程の増加など、コストアップの要因となる。そのため、表面に凹凸や傷が無いスラブ11を鋳造することが求められる。
ここで、スラブ11の表面傷は、鋳型2の壁面近傍において凝固シェルが成長しすぎて湯面に露出し、湯被りが発生することで生じるものと推測される。そのメカニズムについて図3を用いて説明する。まず、図3(a)に示すように、鋳型2の壁面近傍において凝固シェル13が成長する。次に、図3(b)に示すように、鋳型2の壁面近傍に溶湯12が供給されない状態で、引抜きにより凝固シェル13が下降する。すると、図3(c)に示すように、凝固シェル13の上端が溶湯12の液面よりも低くなることで、凝固シェル13の上に溶湯12が流れ込む。そして、図3(d)に示すように、凝固シェル13の上に流れ込んだ溶湯12が凝固して凝固シェル13になることで、凝固シェル13に表面欠陥が生じ、これがスラブ11の表面欠陥となる。
(電磁攪拌)
本実施形態では、図2に示すように、スラブ11の表面に欠陥が生じるのを抑制するために、EMS8による電磁攪拌により、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍を攪拌している。プラズマトーチ7によるプラズマアークは、プラズマジェット流の近傍以外では磁場の影響を受けないので、磁場の影響を受けやすい電子ビーム溶解では困難であった電磁攪拌が可能である。
本実施形態では、図4に示すように、鋳型2の長辺側の側方にEMS8を3つずつ配置している。ここで、図4(a)は上面図であり、図4(b)は側面図であり、図4(c)は図4(b)のA−A断面図である。これらEMS8は、コイル鉄心にEMSコイルを鉛直方向に巻回したものであり、電磁誘導によって水平方向に溶湯12を流動させる。
図4(a)の図中上側において、鋳型2の長辺側に並んで配置された3つのEMS8a,8a,8aは、それぞれ図中右側に溶湯12を流動させる。一方、図4(a)の図中下側において、鋳型2の長辺側に並んで配置された3つのEMS8b,8b,8bは、それぞれ図中左側に溶湯12を流動させる。これにより、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、水平方向に旋回する流れBが生じる。その結果、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の壁面に平行する流れが生じる。プラズマアークにより加熱された溶湯12が鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13に触れることにより、凝固シェル13と溶湯12との間の熱伝達係数が増加する。よって、鋳型2の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのが抑制される。
また、プラズマトーチ7は、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍の流れの上流側における溶湯12の湯面を加熱するように配置されている。仮に、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の低い溶湯12が流れると、凝固シェル13の凝固が進行する。そこで、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍の流れの上流側における溶湯12の湯面をプラズマアークで加熱することで、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の高い溶湯12が流れるようにしている。これにより、凝固シェル13と溶湯12との間の熱伝達係数が好適に増加する。
なお、矩形状の鋳型2の四隅においては、溶湯12は短辺と長辺の2面から冷却されるので、他の部分よりも冷えやすく、また、鋳型2の四隅は注湯部3aから離れており熱い溶湯12が届きにくい。しかし、交流型のEMS8は、局所的に力を働かせることができて制御性が高いので、鋳型2の四隅に高温の溶湯12を流動させることが可能である。
また、プラズマアークによる加熱条件や鋳型2による冷却条件が連続鋳造中に変動しても、EMS8の電流や周波数を制御して電磁攪拌の速度や磁場の印加位置をコントロールすることで、常に表面欠陥のないスラブ11を鋳造することが可能である。連続鋳造の初期や末期のように、入熱条件が大きく変わる場合においても同様である。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る連続鋳造装置1によると、鋳型2内に注入された溶湯12の湯面をプラズマアークで加熱する。プラズマアークは、プラズマジェット流の近傍以外では磁場の影響を受けないので、磁場の影響を受けやすい電子ビーム溶解では困難であった電磁攪拌が可能である。そこで、電磁攪拌により溶湯12の湯面もしくは湯面近傍を攪拌することで、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13に熱を伝達する。すると、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13が温められるので、鋳型2の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのが抑制される。これにより、鋳型2の壁面近傍において凝固シェル13が成長することでスラブ11の表面に欠陥が発生するのが抑制される。よって、表面に欠陥が少ないスラブ11を鋳造することができる。
また、EMS8を鋳型2の周囲に設けることで、プラズマアークによる加熱を阻害することなく、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍を攪拌することができる。
また、鋳型2の壁面に平行する流れを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることで、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13と溶湯12との間の熱伝達係数を増加させることができる。これにより、鋳型2の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのを好適に抑制することができる。
また、鋳型2内を水平方向に旋回する流れBを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることで、鋳型2の壁面に平行する流れを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に好適に生じさせることができる。
また、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の低い溶湯12が流れると、凝固シェル13の凝固が進行する。そこで、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍の流れの上流側における溶湯の湯面をプラズマアークで加熱することで、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の高い溶湯12が流れるようにする。これにより、凝固シェル13と溶湯12との間の熱伝達係数を好適に増加させることができる。
[第2実施形態]
(電磁攪拌)
次に、本発明の第2実施形態に係る連続鋳造装置201について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態の連続鋳造装置201が第1実施形態の連続鋳造装置1と異なる点は、図5に示すように、EMS8は、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れD1,D2を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる点である。ここで、図5(a)は上面図であり、図5(b)は側面図であり、図5(c)は図5(b)のC−C断面図である。
図5(a)に示すように、EMS8は、鋳型2の長辺側の側方に2つずつ配置されている。これらEMS8は、コイル鉄心にEMSコイルを鉛直方向に巻回したものであり、電磁誘導によって水平方向に溶湯12を流動させる。図5(a)の図中右側において、鋳型2を挟んで対向する2つのEMS8a,8aは、それぞれ図中右側に溶湯12を流動させる。これにより、図5(a)に示すように、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の図中右側の短辺をなす壁面に衝突する流れD1が生じる。壁面に衝突した流れD1は、その後、図5(b)に示すように、短辺をなす壁面に沿って下降することで、鉛直方向に旋回する流れD1’となる。そして、鉛直方向に旋回する流れD1’は、鋳型2の図中右側の短辺をなす壁面に衝突する流れD1を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。
また、図5(a)の図中左側において、鋳型2を挟んで対向する2つのEMS8b,8bは、それぞれ図中左側に溶湯12を流動させる。これにより、図5(a)に示すように、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の図中左側の短辺をなす壁面に衝突する流れD2が生じる。壁面に衝突した流れD2は、その後、図5(b)に示すように、短辺をなす壁面に沿って下降することで、鉛直方向に旋回する流れD2’となる。そして、鉛直方向に旋回する流れD2’は、鋳型2の図中左側の短辺をなす壁面に衝突する流れD2を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。
溶湯12の湯面もしくは湯面近傍における、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れD1,D2により、鋳型2の短辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が増加する。よって、鋳型2の短辺側の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのが抑制される。
また、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れD1,D2は、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れD1’,D2’を溶湯12に生じさせる。そして、鉛直方向に旋回する一対の流れD1’,D2’は、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れD1,D2を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。ここで、鉛直方向に旋回する流れが1つであると、2つの短辺側の壁面の一方においては、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じた壁面に衝突する流れによって凝固シェル13への入熱量が増加するが、2つの短辺側の壁面の他方においては、一方の壁面近傍の凝固シェル13に熱量を伝達した後の温度の低い溶湯12がその近傍を流れることになり、凝固シェル13の凝固が進行してしまう。そこで、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れD1’,D2’を溶湯12に生じさせることで、鋳型2の対向する2つの壁面にそれぞれ衝突する一対の流れD1,D2を溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。こうすることで、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面の各々において、凝固シェル13への入熱量が増加するから、凝固シェル13の凝固が進行しない。
また、プラズマトーチ7は、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍の流れの上流側における溶湯12の湯面を加熱するように配置されている。これにより、鋳型2の短辺側の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の高い溶湯12が流れるので、鋳型2の短辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が好適に増加する。
なお、鋳型2の短辺側の壁面に衝突する一対の流れD1,D2は、鋳型2の長辺側の壁面に平行する流れを含んでいる。そのため、鋳型2の長辺側の壁面において、凝固シェル13と溶湯12との間の熱伝達係数が増加する。よって、鋳型2の長辺側の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのが抑制される。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る連続鋳造装置201によると、鋳型2の短辺側の壁面に衝突する流れD1,D2を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることで、鋳型2の短辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量を増加させることができる。これにより、鋳型2の短辺側の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのを好適に抑制することができる。
また、鉛直方向に旋回する流れD1’,D2’は、鋳型2の壁面に衝突する流れD1,D2を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。ただし、鉛直方向に旋回する流れが1つであると、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面の一方においては、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じた壁面に衝突する流れによって凝固シェル13への入熱量が増加するが、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面の他方においては、一方の壁面近傍の凝固シェル13に熱量を伝達した後の温度の低い溶湯12がその近傍を流れることになり、凝固シェル13の凝固が進行してしまう。そこで、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れD1’,D2’を溶湯12に生じさせることで、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れD1,D2を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる。こうすることで、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面の各々において、凝固シェル13への入熱量が増加するから、凝固シェル13の凝固を進行させることがない。
[第3実施形態]
(電磁攪拌)
次に、本発明の第3実施形態に係る連続鋳造装置301について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態の連続鋳造装置301が第2実施形態の連続鋳造装置201と異なる点は、図6に示すように、EMS8は、鋳型2の対向する2つの短辺側の壁面の側方に1つずつ配置されて、鋳型2の短辺側の壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせる点である。ここで、図6(a)は上面図であり、図6(b)は側面図であり、図6(c)は図6(b)のE−E断面図である。
EMS8は、コイル鉄心にEMSコイルを水平方向に巻回したものであり、電磁誘導によって鉛直方向下方に溶湯12を流動させる。図6(b)の図中右側に配置されたEMS8aは、鋳型2の図中右側の短辺をなす壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせる。また、図6(b)の図中左側に配置されたEMS8bは、鋳型2の図中左側の短辺をなす壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせる。これらの流れは、図6(b)に示すように、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れF1’,F2’を生じさせる。
図6(b)に示すように、流れF1’は、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍において、鋳型2の図中右側の短辺をなす壁面に衝突する流れを生じさせる。そのため、図6(a)に示すように、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の図中右側の短辺をなす壁面に衝突する流れF1が生じる。また、図6(b)に示すように、流れF2’は、流れF1’とは逆方向に旋回する流れであり、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍において、鋳型2の図中左側の短辺をなす壁面に衝突する流れを生じさせる。そのため、図6(a)に示すように、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の図中左側の短辺をなす壁面に衝突する流れF2が生じる。
溶湯12の湯面もしくは湯面近傍における、鋳型2の2つの短辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れF1,F2により、鋳型2の短辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が増加する。よって、鋳型2の短辺側の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのが抑制される。
また、プラズマトーチ7は、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍の流れの上流側における溶湯12の湯面を加熱するように配置されている。これにより、鋳型2の短辺側の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の高い溶湯12が流れるので、鋳型2の短辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が好適に増加する。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る連続鋳造装置301によると、鋳型2の短辺側の壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせることで、鉛直方向に旋回する流れF1’,F2’が溶湯12に生じる。この鉛直方向に旋回する流れF1’,F2’により、鋳型2の壁面に衝突する流れF1,F2を溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に好適に生じさせることができる。
[第4実施形態]
(電磁攪拌)
次に、本発明の第4実施形態に係る連続鋳造装置401について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態の連続鋳造装置401が第3実施形態の連続鋳造装置301と異なる点は、図7に示すように、EMS8は、鋳型2の長辺側の壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせる点である。ここで、図7(a)は上面図であり、図7(b)は側面図であり、図7(c)は図7(b)のG−G断面図である。
図7(a)に示すように、EMS8は、鋳型2の長辺側の側方に2つずつ配置されている。これらEMS8は、コイル鉄心にEMSコイルを水平方向に巻回したものであり、電磁誘導によって鉛直方向下方に溶湯12を流動させる。図7(c)の図中右側において、鋳型2の長辺側に並んで配置された2つのEMS8a,8aは、それぞれ鋳型2の図中右側の長辺をなす壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせる。また、図7(c)の図中左側において、鋳型2の長辺側に並んで配置された2つのEMS8b,8bは、それぞれ鋳型2の図中左側の長辺をなす壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせる。これらの流れは、図7(c)に示すように、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れH1’,H2’を生じさせる。
図7(c)に示すように、流れH1’は、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍において、鋳型2の図中右側の長辺をなす壁面に衝突する流れを生じさせる。そのため、図7(a)に示すように、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の図中上側の長辺をなす壁面に衝突する流れH1が生じる。また、図7(c)に示すように、流れH2’は、流れH1’とは逆方向に旋回する流れであり、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍において、鋳型2の図中左側の長辺をなす壁面に衝突する流れを生じさせる。そのため、図7(a)に示すように、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の図中下側の長辺をなす壁面に衝突する流れH2が生じる。
溶湯12の湯面もしくは湯面近傍における、鋳型2の2つの長辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れH1,H2により、鋳型2の長辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が増加する。よって、鋳型2の長辺側の壁面近傍において凝固シェル13が成長するのが抑制される。
また、プラズマトーチ7は、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍の流れの上流側における溶湯12の湯面を加熱するように配置されている。これにより、鋳型2の長辺側の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の高い溶湯12が流れるので、鋳型2の長辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が好適に増加する。
(攪拌状況の比較)
ここで、図8、図9に示す流速ベクトルの分布図を用いて、本実施形態の連続鋳造装置401における溶湯12の攪拌状況を、攪拌方向が逆の比較例と比較しつつ説明する。本実施形態の連続鋳造装置401においては、図8(a)に示すように、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れを溶湯12に生じさせることで、鋳型2の2つの長辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせている。図8(a)の部分拡大図である図8(b)からもわかるように、鋳型2の長辺側の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の高い溶湯12が流れ込むので、鋳型2の長辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が増加し、凝固シェル13の凝固の進行が抑制されている。
一方、比較例においては、図9(a)に示すように、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れを溶湯12に生じさせているが、本実施形態の連続鋳造装置401とは逆に、鋳型2の2つの長辺側の壁面からそれぞれ鋳型2の中央に向かう一対の流れを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせている。図9(a)の部分拡大図である図9(b)からもわかるように、鋳型2の長辺側の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の低い溶湯12が流れ込むので、鋳型2の長辺側の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が減少し、凝固シェル13の凝固の進行を招いている。
このように、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れを溶湯12に生じさせる場合には、比較例のように、鋳型2の2つの長辺側の壁面からそれぞれ鋳型2の中央に向かう一対の流れを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせるのではなく、本実施形態のように、鋳型2の対向する2つの長辺側の壁面にそれぞれ衝突する一対の流れを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせる方が、凝固シェル13の凝固の進行を妨げる上で有効であることがわかる。第2実施形態、第3実施形態についても同様である。
[第5実施形態]
(電磁攪拌)
次に、本発明の第5実施形態に係る連続鋳造装置501について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態の連続鋳造装置501が第1実施形態の連続鋳造装置1と異なる点は、図10に示すように、EMS508が鋳型2の周囲に全周にわたって設けられ、鋳型2の全ての壁面に沿って下降する流れを溶湯12に生じさせる点である。ここで、図10(a)は上面図であり、図10(b)は側面図であり、図10(c)は図10(b)のI−I断面図である。
EMS508は、コイル鉄心にEMSコイルを水平方向に巻回したものであり、電磁誘導によって鉛直方向下方に溶湯12を流動させる。これにより、溶湯12には、鋳型2の全ての壁面に沿って下降する流れが生じ、この流れが鉛直方向に旋回する流れを生じさせる。この鉛直方向に旋回する流れは、あらゆる方向に向いているので、図8(a)に示すように、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍には、鋳型2の全ての壁面に衝突する流れJが生じる。これにより、鋳型2の壁面の全周にわたって、凝固シェル13への入熱量が増加する。
また、プラズマトーチ7は、溶湯12の湯面もしくは湯面近傍の流れの上流側における溶湯12の湯面を加熱するように配置されている。これにより、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13に向かって温度の高い溶湯12が流れるので、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量が好適に増加する。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る連続鋳造装置501によると、EMS508を鋳型2の周囲に全周にわたって設け、鋳型2の全ての壁面に沿って下降する流れを溶湯に生じさせることで、鋳型2の全ての壁面に衝突する流れJを溶湯12の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることができる。これにより、鋳型2の壁面の全周にわたって、鋳型2の壁面近傍の凝固シェル13への入熱量を増加させることができる。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、鋳型2内の溶湯12の湯面にフラックスを投入するフラックス投入装置を更に備えた構成にされていてもよい。鋳型2と凝固シェル13との間に入り込むフラックスの潤滑効果により、スラブ11の表面に欠陥が発生するのを一層抑制することができる。
1,201,301,401,501 連続鋳造装置
2 鋳型
3 コールドハース
3a 注湯部
4 原料投入装置
5 プラズマトーチ
6 スターティングブロック
7 プラズマトーチ(プラズマアーク加熱装置)
8 EMS(電磁攪拌装置)
11 スラブ
12 溶湯
13 凝固シェル

Claims (5)

  1. チタンまたはチタン合金を溶融させた溶湯を無底矩形状の鋳型内に注入して凝固させながら下方に引抜くことで、チタンまたはチタン合金からなるスラブを連続的に鋳造する連続鋳造装置であって、
    前記鋳型内に注入された前記溶湯の湯面をプラズマアークで加熱するプラズマアーク加熱装置と、
    交流電流による電磁誘導により前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍を攪拌する少なくとも1つの電磁攪拌装置と、
    を有し、
    前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の壁面に衝突する流れを前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせ、
    前記電磁攪拌装置は、鉛直方向に旋回し、且つ、互いに逆方向に旋回する一対の流れを前記溶湯に生じさせることで、前記鋳型の対向する2つの壁面にそれぞれ衝突する一対の流れを前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることを特徴とするチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置。
  2. 前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の周囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置。
  3. 前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の壁面に平行する流れを前記溶湯の湯面もしくは湯面近傍に生じさせることを特徴とする請求項1又は2に記載のチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置。
  4. 前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の壁面に沿って下降する流れを前記溶湯に生じさせることを特徴とする請求項1に記載のチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置。
  5. 前記電磁攪拌装置は、前記鋳型の周囲に全周にわたって設けられ、前記鋳型の全ての壁面に沿って下降する流れを前記溶湯に生じさせることを特徴とする請求項に記載のチタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造装置。
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