JP5769728B2 - プロピレン重合用固体触媒の製造方法及びそれによって製造された触媒 - Google Patents

プロピレン重合用固体触媒の製造方法及びそれによって製造された触媒 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン重合用固体触媒の製造方法及びそれによって製造された触媒に関するものであって、より詳しくは、環境有害物質が含有されていないながら、立体規則性が優れたポリプロピレンを高い収率で重合できるプロピレン重合用固体触媒の製造方法及びそれによって製造された触媒に関する。
ポリプロピレンは、産業的に非常に有用な物質であるが、特に、自動車と電子製品の関連素材として多様な用途に幅広く適用されている。ポリプロピレンの適用がより拡大されるためには、結晶化度を高めて剛性を改善させることが重要であり、これのためには固体触媒が高い立体規則性を表すように考案されなければならない。
プロピレンなどのオレフイン類の重合においては、マグネシウム、チタン、電子供与体及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒が知られており、該固体触媒と有機アルミニウム化合物及び有機シリコン化合物から成る触媒系を利用してオレフイン類を重合または共重合させる方法が多く提案されている。しかし、このような方法は、高立体規則性の重合体を高い収率で得るには十分に満足なことでなく、このような側面で改善が要求されている。
シラン系化合物は、プロピレン重合時、触媒成分と有機アルミニウムとの反応で内部電子供与体が遊離され、立体規則性が劣ることを防止するために、外部電子供与体として普遍的に用いられ、触媒の製造時、嵩密度を改善させるか、微細な粒子生成を抑制するために使用される例はあるが、本発明の如く触媒製造中に使用されながら活性及び立体規則性を改善した事例は知られたことがない。
一方、触媒活性の増加を通じて原価を低め、立体規則性などの触媒性能を向上させ、重合体の物性を改善させるために、内部電子供与体として芳香族ジカルボン酸のジエステルを使用することは普遍的に広く知られた方法である。これに関する特許として、特許文献1〜3などをその例に挙げることができるし、上記特許などは芳香族ジアルキルジエステルまたは芳香族モノアルキルモノエステルを使用して高活性、高立体規則性を発現する触媒製造方法を紹介している。
しかし、上記特許等の方法は、高立体規則性の重合体を高い収率で得るには十分に満足なものでなく改善が要求される。
特許文献4には、非芳香族のジエーテル物質を、特許文献5には、非芳香族でありながらケトンとエーテル作用基を同時に有する物質を内部電子供与体として使用した触媒製造方法が開示されている。しかし、この二つの方法は、すべて、活性と立体規則性の側面において、大きく改善されるべき余地がある。
米国特許第4562173号明細書 米国特許第4981930号明細書 韓国特許第0072844号明細書 韓国特許第0491387号明細書 韓国特許第0572616号明細書
本発明は、上記の如き問題点を解決するために、案出されたものであって、本発明の解決しようとする課題は、特定のシラン系化合物及びビシクロアルカンジカルボキシレート系またはビシクロアルケンジカルボキシレート系内部電子供与体を使用して、立体規則性が優れたポリプロピレンを高い活性で重合できるプロピレン重合用固体触媒の製造方法を提供しようとすることである。
上記の如き課題を解決するために、本発明は、次の段階などを含むことを特徴とする固体触媒の製造方法を提供する:
(1)有機溶媒の存在下で、ジアルコキシマグネシウムとシラン系化合物を反応させる段階:
(2)上記段階(1)の結果物にチタンハライドを反応させる段階;
(3)60〜150℃の温度で昇温させながら、上記段階(2)の結果物に下記一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)または一般式(VI)で表示されるビシクロアルカンジカルボキシレート系またはビシクロアルケンジカルボキシレート系内部電子供与体中から選ばれる1種または2種以上を投入して反応させる段階、
Figure 0005769728
ここで、R及びRは互いに同一であるか相異し、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基であり;R,R,R5及びRは互いに同一であるか相異し、水素、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基である;及び
(4)60〜150℃の温度で、上記段階(3)の結果物とチタンハライドを反応させ、結果物を洗浄する段階。
上記(1)段階で使用される有機溶媒としては、その種類に特別に限定がなく、炭素数6〜12個の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが使用され得るし、より好ましくは、炭素数7〜10個の飽和脂肪族または芳香族炭化水素、またはハロゲン化炭化水素が使用され得るし、その具体的な例としては、オクタン、ノナン、デカン、トルエン及びキシレン、クロロブタン、クロロヘキサン、クロロヘプタン等から選ばれる1種以上を単独にまたは混合して使用することができる。
上記(1)段階で使用されるジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを塩化マグネシウムの存在下で無水アルコールと反応させて得られる、平均粒径が10〜200μmであり、表面が滑らかな球形粒子であって、上記球形の粒子形状はプロピレンの重合時にもそのまま維持されのが好ましいが、上記平均粒径が10μm未満であれば、製造された触媒の微細粒子が増加して好ましくなく、200μmを超えると、嵩密度が小さくなる傾向があり好ましくない。
さらに、上記ジアルコキシマグネシウムに対する上記有機溶媒の使用比は、ジアルコキシマグネシウム重量:有機溶媒体積で1:5〜50であるのが好ましく、1:7〜20であることがより好ましいが、上記使用比が1:5未満であれば、スラリーの粘度が急激に増加して均一な攪拌が難しくなり好ましくなく、1:50を超えると、生成される担体の嵩密度が急激に減少するか粒子表面が荒くなる問題が発生して好ましくない。
上記(1)段階で使用されるシラン系化合物は、好ましくは、下記一般式(I)で表示される:
Si(OR1)aR2 (4-a)……(I)
ここで、R及びR2はそれぞれ独立的に炭素原子1〜10個のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、R2が2個以上である場合、R2基などは同一であるか相異し得、aは一般式の原子価を合わせるためのものであって、0〜4の整数である。
上記シラン系化合物の具体的な例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、ジノルマルプロピルジメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ノルマルブチルトリメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン、ジtert-ブチルジメトキシシラン、ノルマルペンチルトリメトキシシラン、ジノルマルペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジメトキシシラン、シクロヘプチルトリメトキシシラン、ジシクロヘプチルジメトキシシラン、シクロヘプチルメチルジメトキシシラン、シクロヘプチルエチルジメトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、ノルマルプロピルトリエトキシシラン、ジノルマルプロピルジエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ノルマルブチルトリエトキシシラン、ジノルマルブチルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、tert-ブチルトリエトキシシラン、ジtert-ブチルジエトキシシラン、ノルマルペンチルトリエトキシシラン、ジノルマルペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチルプロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシラン、ジシクロヘプチルジエトキシシラン、シクロヘプチルメチルジエトキシシラン、シクロヘプチルエチルジエトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン及びフェニルプロピルジエトキシシランなどが使用可能である。上記シラン系化合物としては、特にテトラアルコキシシランが立体規則性の向上効果の面で好ましく使用される。最も好ましくは、テトラエトキシシランが使用される。
上記ジアルコキシマグネシウムに対する上記シラン系化合物の使用比は、ジアルコキシマグネシウム1モルに対し、0.1〜1.0モルを使用するのが好ましいが、上記範囲を外れると、固体触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなり得、重合体の嵩密度が減少するか粒子表面が荒くなる問題が発生し好ましくない。
上記固体触媒の製造工程中、段階(2)で使用されるチタンハライドは、好ましくは下記一般式(II)で表示される:
Ti(OR)aX(4-a)……(II)
ここで、Rは炭素原子1〜10個のアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、aは一般式の原子価を合わせるためのものであって、0〜3の整数である。上記チタンハライドとしては、特に四塩化チタンを使用するのが好ましい。
上記固体触媒の製造工程中、段階(2)における反応は、-20〜50℃の温度範囲でチタンハライドを徐々に投入して行なうことが好ましい。
この時、使用するチタンハライドの使用量は、ジアルコキシマグネシウム1モルに対し0.1〜10モル、さらに好ましくは、0.3〜2モルにするのが好ましいが、0.1モル未満であれば、ジアルコキシマグネシウムがマグネシウムクロライドに変化する反応が円滑に進行されないので好ましくなく、10モルを超えると、過度に多くのチタン成分が触媒内に存在するようになるので好ましくない。
上記固体触媒の製造工程において、上記(3)段階で使用される内部電子供与体は下記一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)または一般式(VI)で表示され得る。
Figure 0005769728
ここで、R及びR2は互いに同一であるか相異し、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基であり;R,R,R5及びRは互いに同一であるか相異し、水素、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基である。
上記内部電子供与体の例としては、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸エチルへキシルエステル、ビシクロ「2.2.1]ヘプタン-2,3−ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン‐2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン‐2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン‐2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸エチルへキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸エチルへキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン‐2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]へプタン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルへキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ [2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン−2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、
5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸エチルヘキシルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジオクチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジプロピルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジエチルエステル、5,6-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5-ジエン-2,3-ジカルボン酸ジメチルエステル等があり、このなかで1種または2種以上を混合して使用することができる。
上記段階(3)は、上記段階(2)の結果物の温度を60〜150℃、好ましくは80〜130℃まで徐々に昇温させながら、昇温過程中に内部電子供与体を投入して1〜3時間反応させることにより行われるのが好ましいが、上記温度が60℃未満であるか反応時間が1時間未満であれば、反応が完結されるのが難しく、上記温度が150℃を超えるか反応時間が3時間を越えると、不反応によって結果物である触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなり得る。
上記内部電子供与体は、上記昇温過程中に投入される限り、その投入温度及び投入回数は大きく制限されないし、上記内部電子供与体の全体使用量は、使用されたジアルコキシマグネシウム1モルに対し0.1〜1.0モルを使用するのが好ましいが、上記範囲を外れば、結果物である触媒の重合活性または重合体の立体規則性が低くなり得るので好ましくない。
上記固体触媒の製造工程中、段階(4)は、60〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度で段階(3)の結果物とチタンハライドを2次に反応させる工程である。この時、使用されるチタンハライドの例としては、上記の一般式(II)のチタンハライドを挙げることができる。
固体触媒の製造工程において、各段階における反応は、窒素気体雰囲気で、水分などを十分に除去させた攪拌機が装着された反応器中で実施するのが好ましい。
上記のような方法で製造される本発明の固体触媒は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、シリコン及び内部電子供与体を含んで行なわれ、触媒活性の側面を考慮して見るとき、マグネシウム5〜40重量%、チタン0.5〜10重量%、ハロゲン50〜85重量%、シリコン2.5〜30重量%及び内部電子供与体2.5〜30重量%を含んでなることが好ましい。
本発明の触媒製造方法によって製造される固体触媒は、プロピレン重合または共重合方法に適合に使用され得るし、本発明によって製造される固体触媒を用いたプロピレン重合または共重合方法は、上記固体触媒と助触媒及び外部電子供与体の存在下で、プロピレンを重合またはプロピレンと異なるα-オレフィンを共重合させることを含む。
上記固体触媒は、重合反応の成分として使用される前に、エチレンまたはα-オレフィンで前重合して使用することができる。
前重合反応は、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン)、上記触媒成分及び有機アルミニウム化合物(例えば、トリエチルアルミニウム)の存在下で、十分に低い温度とエチレンまたはα-オレフィン圧力条件で行なうことができる。前重合は、触媒粒子を重合体で囲んで触媒形状を保って、重合後に重合体の形状を良いようにするのに助けを与える。前重合後の重合体/触媒の重量比は、あらまし0.1〜20:1であることが好ましい。
上記プロピレン重合または共重合方法において、助触媒成分としては、周期律表第II族または第III族の有機金属化合物が使用され得るし、その例として、好ましくは、アルキルアルミニウム化合物が使用される。上記アルキルアルミニウム化合物は一般式(VII)で表示される。
AlR3・・・・・(VII)
ここで、Rは炭素数1〜8個のアルキル基である。
上記アルキルアルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム及びトリオクチルアルミニウム等を挙げることができる。
上記固体触媒成分に対する上記助触媒成分の割合は、重合方法によって多少差異があるが、固体触媒成分中のチタン原子に対する助触媒成分中の金属原子のモル比が1〜1000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜300の範囲であることがよい。もし、固体触媒成分中のチタン原子に対する助触媒成分中の金属原子、例えばアルミニウム原子のモル比が上記1〜1000の範囲を外れるようになれば、重合活性が大きく低下される問題がある。
上記プロピレン重合または共重合方法において、上記外部電子供与体としては、次の一般式(VIII)で表示されるアルコキシシラン化合物中1種以上を使用することができる。
R1 mR2 nSi(OR3)(4-m-n)・・・・・・(VIII)
ここで、R1、R2は同一であるか異なり得る、炭素数1〜12個の線形または分枝形または環形アルキル基、またはアリール基であり、R3は炭素数1〜6個の線形または分枝形アルキル基であり、m、nはそれぞれ0または1であり、m+nは1または2である。
上記外部電子供与体の具体例としては、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、ジノルマルプロピルジメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ノルマルブチルトリメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン、ジtert-ブチルジメトキシシラン、ノルマルペンチルトリメトキシシラン、ジノルマルペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジメトキシシラン、シクロヘプチルトリメトキシシラン、ジシクロヘプチルジメトキシシラン、シクロヘプチルメチルジメトキシシラン、シクロヘプチルエチルジメトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、ノルマルプロピルトリエトキシシラン、ジノルマルプロピルジエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ノルマルブチルトリエトキシシラン、ジノルマルブチルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、tert-ブチルトリエトキシシラン、ジtert-ブチルジエトキシシラン、ノルマルペンチルトリエトキシシラン、ジノルマルペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチルプロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジエトキシシラン、シクロヘプチルトリエトキシシラン、ジシクロヘプチルジエトキシシラン、シクロヘプチルメチルジエトキシシラン、シクロヘプチルエチルジエトキシシラン、シクロヘプチルプロピルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン及びフェニルプロピルジエトキシシラン等であり、この中で1種以上を単独または混合して使用することができる。
上記固体触媒に対する上記外部電子供与体の使用量は、重合方法によって多少差異はあるが、触媒成分中のチタン原子に対する外部電子供与体中のシリコン原子のモル比が0.1〜500の範囲であるのが好ましく、1〜100の範囲であるのがより好ましい。もし、上記固体触媒成分中のチタン原子に対する外部電子供与体中のシリコン原子のモル比が0.1未満であると、生成されるプロピレン重合体の立体規則性が顕著に低くなり好ましくなく、500を超えると、触媒の重合活性が顕著に劣る問題点がある。
上記プロピレン重合または共重合方法において、重合反応の温度は20〜120℃であることが好ましいが、重合反応の温度が20℃未満であれば、反応が十分に進行されないので好ましくなく、120℃を超えると、活性の低下が激しく、重合体の物性にも良くない影響を与えるので好ましくない。
本発明の方法によって製造された固体触媒を使用すれば、立体規則性が優れたポリプロピレンを高い収率で重合することができる。
以下では、具体的な実施例を通じて本発明を更に詳しく説明する。しかしながら、これらの実施例等は例示的な目的であるだけで、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例1
1. 固体触媒の製造
窒素で十分に置換された1Lサイズの攪拌機が設けられたガラス反応器にトルエン150mlとジエトキシマグネシウム(平均粒径20μmの球形であり、粒度分布指数が0.86であり、嵩密度が0.35g/ccのもの)20gを投入し、10℃に維持しながら、テトラエトキシシラン2.5mlを投入し、30分間反応させた。四塩化チタン40mlをトルエン60mlに希釈して1時間に亘って投入した後、反応器の温度を110℃まで上げてやりながらビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gを注入した。110℃で2時間維持した後、90℃に温度を下げ、攪拌を止め、上澄液を取り除き、追加にトルエン200mlを使用して1回洗浄した。ここにトルエン150mlと四塩化チタン50mlを投入して、温度を110℃まで上げて2時間維持した。熟成過程が終わった上記のスラリー混合物を毎回当りトルエン200mlで2回洗浄し、40℃でノルマルヘキサンで毎回当り200mlずつ5回洗浄して、薄黄色の固体触媒成分を得た。流れる窒素で18時間乾燥させて得られた固体触媒成分中のチタン含量は2.8重量%であった。
2. ポリプロピレン重合
4Lサイズの高圧用ステンレス製反応器内に、上記の固体触媒10mgとトリエチルアルミニウム6.6mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.66mmolを投入した。引続き、水素1000mlと液体状態のプロピレン2.4Lを順次投入した後、温度を70℃まで上げて重合を行った。重合開始後2時間が経過すると、反応器の温度を常温まで下げながらバルブを開けて、反応器内部のプロピレンを完全に脱気させた。
得られた重合体を分析して、その結果を表1に表した。
ここで、触媒活性、立体規則性は次の如き方法で決定した。
1)触媒活性(kg-PP/g-cat)=重合体の生成量(kg)÷触媒の量(g)
2)立体規則性(X. I.): 混合キシレン中で結晶化されて析出された不溶成分の重量%
実施例2
実施例1の1.固体触媒の製造において、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gの代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は2.2重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
実施例3
実施例1の1.固体触媒の製造において、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gの代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は3.1重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
実施例4
実施例1の1.固体触媒の製造において、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gの代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は3.1重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
実施例5
実施例1の1.固体触媒の製造において、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gの代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジエチルエステル5.3gを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は2.1重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
実施例6
実施例1の1.固体触媒の製造において、テトラエトキシシラン2.5mlの代わりに5.0mlを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は2.5重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
比較例1
1.固体触媒の製造
窒素で十分に置換された1Lサイズの攪拌機が設けられたガラス反応器にトルエン150ml、テトラヒドロフラン12ml、ブタノール20ml、マグネシウムクロライド21gを投入し、110℃に昇温後、1時間維持させて均一溶液を得た。溶液の温度を15℃に冷却し、四塩化チタン25mlを投入した後、反応器の温度を60℃で1時間に亘って昇温し、10分間熟成後15分間定置させて担体を沈め、上部の溶液を取り除いた。反応器内に残ったスラリーは200mlのトルエンを投入し、攪拌、定置、上澄液の取り除き過程を2回繰り返して洗浄した。
このように得られたスラリーにトルエン150mlを注入後、15℃で四塩化チタン25mlをトルエン50mlに希釈して1時間に亘って投入した後、反応器の温度を30℃まで分当たり0.5℃の速度に上げてやった。反応混合物を30℃で1時間維持した後、ジイソブチルフタレイト7.5mlを注入し、再度分当たり0.5℃の速度で110℃まで昇温させた。
110℃で1時間維持した後、90℃に温度を下げ攪拌を止め、上澄液を取り除き、追加にトルエン200mlを使用して同一な方法で1回洗浄した。これにトルエン150mlと四塩化チタン50mlを投入して、温度を110℃まで上げ1時間維持した。熟成過程が終わった上記のスラリー混合物を毎回当りトルエン200mlで2回洗浄し、40℃でヘキサンで毎回当たり200mlずつ5回洗浄し、薄黄色の固体触媒成分を得た。流れる窒素で18時間乾燥させて得られた固体触媒成分中のチタン含量は3.3重量%であった。
2.ポリプロピレン重合
上記の固体触媒10mgを使用して、実施例1と同一な方法で重合を行ない、その結果を表1に表した。
比較例2
実施例1の1.固体触媒の製造において、テトラエトキシシラン2.5mlを投入し30分間反応させる過程を省略して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は3.2重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
比較例3
実施例1の1.固体触媒の製造において、テトラエトキシシラン2.5mlを投入し30分間反応させる過程を省略し、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gの代わりにビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐エン‐2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル6,6gを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は3.1重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
比較例4
実施例1の1.固体触媒の製造において、テトラエトキシシラン2.5mlを投入し30分間反応させる過程を省略し、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gの代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐2‐エン‐2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は3.2重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
比較例5
実施例1の1.固体触媒の製造において、テトラエトキシシラン2.5mlを投入し30分間反応させる過程を省略し、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gの代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,5‐ジエン-2,3‐ジカルボン酸ジブチルエステル6.6gを使用して触媒を製造した。固体触媒成分中のチタン含量は3.0重量%であった。次に、実施例1と同一な方法でポリプロピレン重合を行い、その結果を表1に表した。
Figure 0005769728
上記表1に表したとおり、本発明による実施例1〜実施例6はシラン系化合物、ビシクロアルカンジカルボキシレート系またはビシクロアルケンジカルボキシレート系内部電子供与体を使用して、立体規則性と活性がすべて優れた反面、比較例1は立体規則性と活性がすべて実施例より劣り、比較例2、4、5は立体規則性が劣り、かつ、比較例3は活性が劣ることが分かる。

Claims (5)

  1. 次の段階を含むことを特徴とする、プロピレン重合用固体触媒の製造方法:
    (1)炭素数6〜12個の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素及びハロゲン化炭化水素から選ばれる1種以上の有機溶媒の存在下で、ジアルコキシマグネシウムとシラン系化合物を反応させる段階;
    (2)上記段階(1)の結果物にチタンハライドを反応させる段階;
    (3)60〜150℃の温度に昇温させながら、上記段階(2)の結果物に下記一般式(IV)、一般式(V)または一般式(VI)で表示されるビシクロアルケンジカルボキシレート系内部電子供与体中から選ばれる1種または2種以上を投入して反応させる段階、
    Figure 0005769728

    ここで、R及びRは互いに同一であるか相異し、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基であり;R、R、RおよびRは互いに同一であるか相異し、水素、炭素原子1〜20個の線形、分枝形または環形アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基である:および
    (4)60〜150℃の温度で、上記段階(3)の結果物とチタンハライドを反応させ、その結果物を洗浄する段階。
  2. 上記シラン系化合物は、下記一般式(I)で表示されることを特徴とする、請求項1記載のプロピレン重合用固体触媒の製造方法:
    Si(OR (4−a)・・・・・・(I)
    ここで、R及びRは、それぞれ独立的に炭素原子1〜10個のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、Rが2個以上の場合、2個以上のR基は同一であるか相異し得、aは0〜4の整数である。
  3. 上記シラン系化合物は、テトラアルコキシシランであることを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  4. 上記ジアルコキシマグネシウム1モルに対し、上記シラン系化合物0.1〜1.0モルを使用することを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
  5. 上記ジアルコキシマグネシウム1モルに対し、上記内部電子供与体0.1〜1.0モルを使用することを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン重合用固体触媒の製造方法。
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