JP5769245B2 - 日影シミュレーションシステム - Google Patents
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Description
特許文献1の日影シミュレーションシステムは、検証対象建物周辺の位置情報を含む顧客情報データベースと、指定された位置情報に対応する地図情報を出力可能とする地図情報データベースと、該地図情報データベースに基づいて対象地域周辺の建物立体形状を自動的に生成し、かつ他の建物から延びる日影を生成する日影生成手段と、を備えている。
この場合、建物立体形状の生成に際して、地図情報に付帯する建築規制情報(周辺建物の斜線制限や日影規制、あるいは都市計画図に基づく用途の制限等)に基づいて、近隣高さ情報を算出している。
しかしながら建築規制情報を用いているため、建物高さは対象地域一律に規定されることになる。このため実際の建物高さとは異なるケースが多く、シミュレーション結果も誤差が大きくなるという問題がある。
一方、都市部等ごく一部の地域については、商品化されている三次元地図情報を利用することにより建物高さ情報の取得が可能ではあるが、利用料が高いという問題がある。また、この情報を利用できない地域については適当な代替手段もないのが現状である。
本発明は、以下の内容を要旨とする。すなわち、本発明に係る日影シミュレーションシステムは、
該住宅地図情報を用いて、抽出した周辺地域の三次元地図を作成可能とする三次元地図作成手段と、
該三次元地図作成手段により作成された三次元地図に基づいて、該周辺地域の建造物等が検証対象の建築又は建築予定の建物(以下、検証対象建物という)に与える日影の時間的変化を取得可能とする手段と、
を備えて成ることを特徴とする。
さらに備えたことを特徴とする。
本発明において「太陽エネルギー収集装置」とは太陽熱、太陽光等の太陽から供給されるエネルギーを集めて利用する装置をいう。
本実施形態は、新築予定の検証対象建物(集合住宅)の各戸ベランダ面への太陽熱集熱パネル設置を想定した、日影シミュレーションシステムに関する。
図1を参照して、本実施形態に係る日影シミュレーションシステム1は、主制御部2a、データベース(DB)2b、及びプログラムメモリ部2cを備えた管理サーバ2と、通信回線3を介して管理サーバ2との間で情報の授受を行う各端末装置4と、を主要構成として備えている。
DB2bには、検証対象建物周辺地域を含む公知の二次元住宅地図データD1が格納されている。なお、当該二次元地図データには、地図上の建物ごとの図形ポリゴンデータ及び階数データが含まれている。
また、後述する演算に際して用いる定数データD2(階高設定値(単位階の高さ:例えば3m/階))が格納されている。
(a)二次元住宅地図データD1から三次元地図を作成可能とする三次元モデリング・ソフトA1(例えばGoogle社製 SketchUp(登録商標))
(b)(a)により得た三次元地図に基づいて日照計算を行うプログラムをアドオンしたCADソフトA2(例えばGRARHISOFT(登録商標)社製 ArchiCAD)
(c)周辺地域の標準気象・日照データ(METPV-3)を取得可能とするソフトA3
(d)ソフトの演算を行う表計算ソフトA4(例えばMicrosoft(登録商標)社製 EXCEL)
等を含み、さらに以下の制御に必要なプログラム、アプリケーションソフト等が格納されている。
貯湯ユニット12は、貯湯タンク12aと、補助給湯器12bと、貯湯タンク12a内部に配設される熱交換器12cと、循環配管13内の熱媒を循環させる循環ポンプ12dと、を主要構成として備えている。
集熱パネル11群の両端には、循環ポンプ12dの電源として太陽電池11gが取り付けられており、日射量が循環ポンプ12dの最低駆動電圧Vmin以上の起電力に達したときに、循環ポンプ12dが駆動して集熱管11dによる集熱を可能に構成されている。
最初に3Dモデリング・ソフトA1を立ち上げ、対象建物周辺の二次元地図データD1(含む階数情報)及び階高設定値D2を読み込む(S101、S102)。図4(a)はこの状態を示し、同図において斜線部分が検証対象物件の予定地である。
次に、同ソフトA1の3D化機能を用いて、当該地域の3D化を行う(S103)。3D化は階数情報、階高設定値を用いて同ソフトの機能に基づき自動的に処理され、建物ごとに実際の高さに近似した三次元地図が作成される。結果は、端末装置4側に表示される(図4(b)参照)。
次いで、CADソフトA2上で検証対象建物の各戸ベランダ面に集熱パネルを垂直設置する画像処理(図4(e)参照)を行う(S107)。
さらに、CADソフトA2のアドオン機能を用いて、集熱パネル11の日影部分をビットデータ化して演算処理することにより、各集熱パネル11の日照率の時間的変化データを得ることも可能である。これは後述の集熱量計算に用いることができる。
また、本実施形態では集熱パネルをベランダ面に設置した例を示したが、これに限らず屋上設置の集熱パネルにも適用可能である。さらに、太陽熱集熱パネルのみならず、太陽光パネルに関しても本シミュレーションを適用可能である。
また、本実施形態ではS106−S108の工程についてはCADソフトA2を用いて行う例を示したが、3Dモデリング・ソフトA1を用いて行うことも可能である。
次に、図5を参照して本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、上述の実施形態で得られた集熱装置10の日影画像データを用いた集熱量評価に関する。
演算処理に必要な基礎情報として以下の項目を入力する。
(a)CADソフトA2上で対象建物に集熱パネル設置情報入力(S201)。
(b)CADソフトA2に評価対象地域の標準気象・日射データ(METPV-3)から指定方位角度の垂直面日射量データ読み込み(S202)。
(c1)1日ごとの日射量I(D)と集熱量Q(D)の関係を実測して一次回帰式を求め、これを集熱量推定式((1)式)として用いる。
α、β:回帰係数
次に、日影影響なし条件で集熱装置設置場所における集熱量推定演算を行う(S204)。
上述の垂直面日射量データを用いて、単位時間t(例えば1時間)当たり日射量i(t)を求め、さらに1日単位で積算して年間日射量を演算する。なお、以下の各演算に際して、循環ポンプ12dの最低駆動電圧Vmin以下の日射量は除外する。
1日当たり積算量I(D)、年間積算量I(Y)はそれぞれ(3)、(4)式で示される。
次に、日影影響を考慮して集熱装置単位の集熱量(実質集熱量)推定演算を行う(S205)。
CADソフトA2により得た集熱パネル11の日影画像データを用いて、集熱装置への日影割合の時間的変化を算出する。図5を参照して、集熱部全面積S0、時刻tにおける影部面積S(t)とすると、有効集熱率r(t)は(5)式で推定される。
以上により求めた集熱器設置場所における日照データ、集熱量データ、貯湯温度データ等(表1参照)は、表、グラフ等任意のフォーマットで出力可能である(S206)。
2・・・・管理サーバ
2a・・・主制御部
2b・・・データベース(DB)
2c・・・プログラムメモリ部
3・・・・通信回線
4・・・・端末装置
10・・・太陽熱集熱装置
11・・・集熱パネル
12・・・貯湯ユニット
12d・・循環ポンプ
13・・・循環配管
A1・・・三次元モデリング・ソフト
A2・・・CADソフト
D1・・・二次元住宅地図データ
Claims (1)
- 検証対象地点を含む周辺地域を抽出可能とし、かつ、地図上の各建物に関する図形ポリゴンデータ及び階数データを備えた住宅地図情報と、
該住宅地図情報を用いて、抽出した周辺地域の三次元地図を作成可能とする三次元地図作成手段と、
該三次元地図作成手段により作成された三次元地図、及び、検証対象の建築又は建築予定の集合住宅である建物(以下、検証対象建物という)の方位角情報に基づいて、該周辺地域の建造物等が検証対象建物の各戸ベランダ面に与える日影の時間的変化を取得可能とする手段と、
前記周辺地域の建造物等による日影が、前記検証対象建物の各戸ベランダ面に設置される各太陽熱集熱装置の集熱量に与える影響の時間的変化を取得する手段と、
集熱量の時間的変化に基づいて、各太陽熱集熱装置の所定期間における集熱量データ、貯湯温度データを取得する手段と、
各太陽熱集熱装置の設置可否判定を行う手段と、
を備えて成ることを特徴とする日影シミュレーションシステム。
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