JP5767410B2 - ミルプレートを切断するための方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機械加工に関し、より詳細にはミルプレートの機械加工に関する。
工作機械を利用して、より大きな母材または資材から様々な必要な形状の切片を切断することはよく知られている。
一部のケースでは、このような切片は、大きな(例えば20フィート長またはそれ以上の)、平坦な材料、例えば厚みがあり重量のある金属で作製されたミルプレート(mill plate)などから切断される。そのようなサイズによって、こういったプレートが扱いにくいものとなり、さらには処理するのに必要な空間を提供するために施設内にこの工作機械のための大きな底面積が必要となる場合もある。さらに、このような材料を切断するのに必要な工作機械の複雑さとサイズからして、このような用途でこれまで使用されることが多かった工作機械は、プレートの面の1つの軸(Y軸)において移動する工具を提供し、この場合、ミルプレート自体は、垂直軸(X軸)において移動される。
上記に挙げたようなミルプレートは一般に、概ね平坦な側面または縁部を備えたほぼ矩形の形状を有する。しかしながらこの概ね平坦な縁部は典型的に、「平坦な」縁部に対して若干の湾曲を生じ得る公差を有して形成される。
このようなミルプレートの機械加工は典型的には、ミルプレートを移動させる一方で、その「平坦な」縁部の一方を一方向(X軸)に配向させ、このプレートの縁部をプレートの移動の方向(そのX軸)に配向された1つまたは複数のガイドに対して押しつけることによってその配向に維持することによって達成されてきた。しかしながら切断切片に特に高い精度が要求される場合、大きなミルプレートの縁部に若干の湾曲が生じることになるミルプレートの公差によって、図1a−1eおよび図2a−2eに示されるように切断切片にも望ましくない湾曲が生じる可能性があり、これらの図面は、ミルプレート20から矩形の切片を切断する従来の方法を図示している(例示の目的で、ミルプレートの縁部の湾曲は、図面ではかなり誇張されている)。
図1a−1eに示される従来の方法において、ミルプレート20は、水平面内に整列された水平軸を中心に枢動可能な複数の基準ローラ28を有するエントリコンベア24上に支持されており、これによりミルプレート20は、基準ローラ28の軸に直交する水平方向に概ね移動する。
好適な切断工具30が、ミルプレート20の幅(図1a−1eの垂直方向に)を横切るように選択式に横方向に移動するように工作機械(図1a−1eに示されていない)によって支持される。
切断工具30の領域に隣接して、複数の垂直基準ローラ(すなわち、固定式ガイドローラ)34(垂直軸を中心に枢動可能)が、エントリコンベアローラ28の水平面/軸にほぼ直交する垂直面内に配列される。垂直基準ローラ34は、切断工具30の領域内でミルプレート20の側部のための基準位置を規定する。
垂直基準ローラ34の反対側のコンベアの側部にはプッシャ40があり、これは、ミルプレート20の他方の側部または縁部48に係合するように付勢される(例えば、ピストン46によって)ローラ44(垂直軸を中心に回転可能)を有する。プッシャ40は、コンベア24の反対側にある垂直基準ローラ34と係合するようにミルプレート20を押す。これによりミルプレート20は基本的に、ミルプレート20の長手方向が、垂直基準ローラ34に位置するミルプレート20の縁部50の方向であるとみなされるように配向される。
このような従来の方法による矩形の切断切片60(図1eを参照)の切断は、図1a−1eの一連の図によって示されている。ミルプレート20は先ず、切断工具30が切断すべき切片の1つの角の上に位置決めされるように位置決めされる(図1a)。ミルプレート20は次いで、コンベア24によって矢印62(図1b)の方向に水平方向に移動され、切断工具30は、この移動中に切片60の1つの側面60aを切断する。この移動中、ミルプレート20は、プッシャ40が一方のミルプレートの縁部48を押すことで、他方のミルプレートの縁部50を垂直基準ローラ34と接触した状態で(切断工具30と整列した状態で)維持することで、切片60の1つの側面60aを切断するように位置決めされる。
切片60の次の角に到達したとき、コンベア24は停止し、ミルプレート20を所定の位置に保持し、その一方で切断工具30が、ミルプレート20を横方向に横切るように(図1cの矢印64の方向に)移動することで切片60の第2の側面60bを切断する。
コンベア24は次いで、ミルプレート20を反対方向(図1dの矢印66)で水平方向に移動させ、切断工具30は、この移動中に切片60の第3の側面60cを切断する。この移動中、ミルプレート20は、プッシャ40が1つのミルプレートの縁部48を押すことで、他方のミルプレートの縁部50を垂直基準ローラ34と接触した状態で(切断工具30と整列した状態で)維持することで、切片60の1つの側面60aを切断するように配置される。
最後に、矩形の切片60の第4の角に到達したとき、コンベア24は再び停止し、ミルプレート20を所定の位置に保持し、その一方で切断工具30が、ミルプレート20を横方向に横切るように(図1eの矢印68の方向に)移動することで切片60の第4の側面60dを切断する。
2つの側面60aおよび60cは基本的に、ミルプレート20の長手方向に整列した縁部50と同一の配向/形状であることを理解されたい。したがって縁部50が、正確に直線ではない場合(例えば公差または損傷により)、このとき側面60aおよび60cも同様にかつ望ましくない非線形のやり方で切断されることになる。
図2a−2eは、大きなミルプレート20を切断する第2の従来の方法を示しており、この場合図1a−1eに示されるものと同一の要素は、同一の参照番号が与えられ、対応しているが、異なる要素には、プライム符号(”’”)が付された同一の参照番号(例えば、垂直基準ローラ34’など)が与えられる。
この第2の従来の方法の場合、ミルプレート20は、縁部50を垂直基準ローラ34’に向けて押圧することによって移動中に配向されるが、これらの垂直基準ローラ34は、図1a−1eに関連して上記に記載したものより長い距離(例えばコンベア20’の全長に沿って)にわたって位置決めされている。しかしながら典型的にはエントリコンベア24’は、切断工具30の領域において実質的に終端するため、ミルプレート20が、工作機械を通過して前方に移動される際(図2bのように)、前方縁部が、垂直基準ローラ34’を超えて延在する可能性がある。結果として、この第2の方法により、図示の例のように凹面縁部50を有するミルプレート20を切断する際、ミルプレート20の長手方向の配向は、ミルプレート20の後部の角20aおよび最後の(前方)垂直基準ローラ34’aによって確立されることになる。よってミルプレート20は、側面60a’を切断する際前方に移動し(図2b)、側面60c’を切断する際後方に移動されるだけではなく(図2d)、(ミルプレート20の前方の角が最後の垂直基準ローラ34’aを超えたとき、前後運動の間、プッシャ40が、ミルプレート20を横方向に押すことにより)わずかにねじれることにもなることを理解されたい。
縁部50が正確に直線ではない場合(例えば、公差または損傷により)、切断切片60’の2つの側面60a’および60c’(この例では、矩形であることが意図される)、このような側面を第2の従来技術の方法によって切断する際においても同様に、ミルプレート20をねじる作用により直線ではなくなることを理解されたい。
本発明は、これらの問題の1つまたは複数を克服することが意図されている。
本発明は、ミルプレートの側部または縁部が不完全であるにも関わらず、これによりミルプレートを正確に切断することができる切断工具および方法に関する。
本発明の一態様において、X−Y−Z直交座標系のY方向に移動するように支持された切断工具と、支持されたミルプレートをX方向に搬送するように適合されたコンベアとを含む、ミルプレートのための切断デバイスが提供される。切断工具は、Z方向に特定の厚さを有するX−Y面内に概ね横たわるミルプレートを通過してZ方向に切断する。コンベアの第1の部分にある測定デバイスは、支持されるミルプレートの一方の側部に沿ってX方向に可動であるため、支持されるミルプレートの一方の側部のX軸とY軸の位置をマップする。複数の固定式ガイドローラが、切断工具に隣接するコンベアの第2の部分の一方の側部に沿っており、このローラは、Z方向に配向された軸を中心に回転可能であり、この場合、これらの軸は、X−Z面内にある。少なくとも2つの位置決めガイドが、X方向の切断工具の対向する側部のコンベア側に隣接しており、この場合、位置決めガイドは、ミルプレートがX方向に搬送される際、位置決めガイドと整列するミルプレートの一方の側部のX軸の位置においてミルプレートの一方の側部のマップされたY軸の位置をたどるようにローラをY方向に調節する。ミルプレートの反対側の側部にある少なくとも2つのクランプは、ミルプレートの反対側の側部をY方向に押すことでミルプレートの一方の側部を位置決めローラと係合した状態に維持するように適合されている。
本発明のこの態様の一形態において、位置決めガイドローラは、Z方向に配向された軸を中心に回転可能であり、位置決めガイドローラ軸は、選択式にY方向に可動である。
本発明のこの態様の別の形態において、コンベアは、ミルプレートの位置をX方向に制御するように適合されており、各々の位置決めガイドは、そのローラを位置決めガイドに係合するミルプレートの一方の側部のX軸の位置に対応するマップされたY軸の位置に位置決めするように選択式に調節可能である。
本発明の別の態様において、X−Y−Z直交座標系のY方向に移動するように支持された切断工具と、支持されたミルプレートをX方向に搬送するように適合されたコンベアとを含む、ミルプレートのための切断デバイスが提供される。切断工具は、Z方向に特定の厚さを有するX−Y面内に概ね横たわるミルプレートを通過してZ方向に切断する。コンベアの第1の部分にある測定デバイスは、支持されるミルプレートの一方の側部に沿ってX方向に可動であるため、支持されるミルプレートの一方の側部のX軸とY軸の位置をマップする。少なくとも2つの位置決めガイドが、X方向の切断工具の対向する側部のコンベア側に隣接しており、この場合、位置決めガイドは、ミルプレートがX方向に搬送される際、位置決めガイドと整列するミルプレートの一方の側部のX軸の位置においてミルプレートの一方の側部のマップされたY軸の位置をたどるようにY方向に調節される。ミルプレートの反対側の側部にあるクランプは、ミルプレートの反対側の側部をY方向に押すことでミルプレートの一方の側部を位置決めガイドと係合した状態に維持するように適合されている。
本発明のこの態様の一形態において、位置決めガイドは、Z方向に配向された軸を中心に回転可能なローラを含み、位置決めガイドローラ軸は、Y方向に選択式に可動である。
本発明のこの態様の別の形態において、複数の固定式ガイドローラが、コンベア上のミルプレートの一方の側部に隣接しており、複数の固定式ガイドローラは、Z方向に配向された軸を中心に回転可能であり、この場合、これらの軸はX−Z面内にある。
本発明のこの態様のさらに別の形態において、コンベアは、X方向にミルプレートの位置を制御するように適合されており、各々位置決めガイドは、そのローラを位置決めガイドに係合するミルプレートの一方の側部のX軸の位置に対応するマップされたY軸の位置に位置決めするように選択式に調節可能である。
本発明のさらに別の態様において、ミルプレートを切断する方法が提供されており、この方法は、(a)ミルプレートが、X−Y−Z直交座標系のZ方向に一定の厚さを有してX−Y面内に概ね横たわるようにミルプレートをコンベア上に配置するステップと、(b)概ねX方向に延在するミルプレートの一方の側部のX軸とY軸の位置をマップするステップと、(c)Y方向に移動し、概ねZ方向に切断するように支持された切断工具までミルプレートをX方向に搬送するステップと、(d)前記ミルプレートを選択式に切断する際には、ミルプレートをX方向に移動させ、切断工具をY方向およびZ方向に移動させステップと、(e)移動させるステップにおいて、ミルプレートの一方の側部を、ミルプレートの一方の側部に沿って概ねX方向に離間された位置決めガイドに対してY方向に付勢するステップとを含み、この場合位置決めガイドが、位置決めガイドと整列するミルプレートの一方の側部のX軸の位置におけるY軸の位置におけるマップ後の変動に従ってY方向に調節されることで、ミルプレートがX方向に移動する際、ミルプレートをねじる動作を阻止する。
本発明のこの態様の一形態において、ミルプレートの一方の側部のマップされたX軸とY軸の位置は、記憶され、各々位置決めガイドは、ミルプレートの一方の側部のY軸の位置を整列した位置決めガイドとX方向に整列したミルプレートの対応するX軸の位置に適合させるように調節される。
本発明のこの態様のさらに別の形態において、前記付勢するステップは、一方のミルプレートの側部の反対側のミルプレートの側部を位置決めガイドに向かって押すことによって達成される。
本発明の他の目的、特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および図面を含めた全体の明細書を検討することにより明らかになるであろう。
図1a−1eは、ミルプレートから矩形の切片を切断するのに使用される第1の従来技術の方法のステップを示している。
図1aは、最初の切断位置における工具によって切断されるミルプレートを示す図である。図1bは、矩形の切片の第1の側面を切断するのに移動されたミルプレートを示す図である。図1cは、矩形の切片の第2の側面を切断するのに工具が移動されたミルプレートを示す図である。図1dは、矩形の切片の第3の側面を切断するのに移動されたミルプレートを示す図である。図1eは、矩形の切片の第4の、すなわち最後の側面を切断するのに工具が移動されたミルプレートを示す図である。
図2a−2eは、ミルプレートから矩形の切片を切断するのに使用される第2の従来技術の方法のステップを示している。
図2aは、最初の切断位置における工具によって切断されるミルプレートを示す図である。図2bは、矩形の切片の第1の側面を切断するのに移動されたミルプレートを示す図である。図2cは、矩形の切片の第2の側面を切断するのに工具が移動されたミルプレートを示す図である。図2dは、矩形の切片の第3の側面を切断するのに移動されたミルプレートを示す図である。図2eは、矩形の切片の第4の、すなわち最後の側面を切断するのに工具が移動されたミルプレートを示す図である。
図3a−3jは、本発明によるミルプレートから矩形の切片を切断するのに使用されるステップを示している。
図3aは、エントリコンベアに装填される前のミルプレートを示す図である。図3bは、エントリコンベア上に移動される際のミルプレートを示す図である。図3cは、一方の側部がマップされる際のミルプレートを示す図である。図3dは、プレートから切片を切断するために切断工具まで移動される際のミルプレートを示す図である。図3eは、切断作業の最初に切断工具に対して位置決めされたミルプレートを示す図である。 図3fは、最初の切断作業に対してミルプレートのマップされた側部に係合される位置決めガイドを示す図である。図3gは、矩形の切片の第1の側面を切断するために移動され、位置決めガイドが、ミルプレートのマップされた側部がガイドを超えて移動する際、それをたどるように調節される際のミルプレートを示す図である。図3hは、工具が矩形の切片の第2の側面を切断するために移動される際のミルプレートを示す図である。図3iは、矩形の切片の第3の側面を切断するために移動され、位置決めガイドが、ミルプレートのマップされた側部がガイドを超えて移動する際、それをたどるように調節される際のミルプレートを示す図である。図3jは、工具が、矩形の切片の第4の、すなわち最後の側面を切断するために移動される際のミルプレートを示す図である。 図1a−1e、2a−2eおよび3a−3jの方法による切片の比較を示す図である。
図5−13は、本発明による(例示の目的で工作機械の種々の部分が、取り外された)例示の工作機械およびエントリコンベアの頂面図である。
図3bのステップに示されるようにエントリコンベア上に移動される際のミルプレートを示す図である。 図3cのステップに示されるように一方の側部がマップされる際のミルプレートを示す図である。 ミルプレートが工作機械まで移動される際の図であり、図3d−3fのステップに示されるようにプレートから切片を切断する前に、位置決めガイドが、ミルプレートのマップされた側部に係合するように移動される際のミルプレートを示す図である。 切断工具が切片を切断するための準備をする開始地点まで移動された、図7に示されるミルプレートを示す図である。 矩形の切片の第1の側面を切断するために移動される際のミルプレートを示す図であり、位置決めガイドが、図3gのステップに示されるようにミルプレートがガイドを超えて移動する際、ミルプレートのマップされた側部をたどるように調節される図である。 図3hのステップに示されるように、工具が、矩形の切片の第2の側面を切断するために移動される際のミルプレートを示す図である。 矩形の切片の第3の側面を切断するように移動される際のミルプレートを示す図であり、位置決めガイドが、図3iのステップに示されるようにミルプレートがガイドを超えて移動する際、ミルプレートのマップされた側部をたどるように調節される図である。 図3jのステップに示されるように、工具が、矩形の切片の第4の側面、すなわち最後の側面を切断するために移動される際のミルプレートを示す図である ミルプレートから切断切片を除去することを可能にするために、工作機械を通過するように進められるミルプレートを示す図である。 本発明によって使用され得る工作機械の工具/出口側の斜視図である。 図14の工作機械のエントリ側の斜視図である。
本発明は、図3a−15に示されており、ここでは図3a−3jは、ミルプレートから切片を切断する方法のステップを示しており、図5−13は、方法を実施するのに使用され得る例示の工作機械とコンベアの配置を示しており、図14−15は、例示の工作機械を示している。
先ず進歩的な方法を参照すると、図3a−3jは、大きなミルプレート20を切断する方法を示しており、この場合図1a−1eに示されるものと同一の要素は、同一の参照番号を与えられており、対応しているが、異なる要素は、二重のプライム符号(”””)が付された同様の参照番号(例えば、垂直基準ローラ34”)が与えられている。
この新規の方法によると、ミルプレート20は先ず、既知の基準の場所で長手方向の縁部50に沿った少なくとも2つの場所(例えば、対向する縁部にある角)によってエントリコンベア24”上に配置される。例えばベースプレート70(図5および図6)は、エントリコンベア24”の対向する縁部に配置されてよく、2つのプレート70は、X方向に(すなわち、固定式の基準ローラ28の軸に直交する水平方向のラインに沿って)整列される。ベースプレート70はまた、基準ローラ(例えば基準ローラ34(図2a−2e))であってよい。ミルプレート20は、エントリコンベア24”上に装填されてよく、その後Y方向に(すなわち図3aに示される矢印72によって示される基準ローラの軸の方向に)水平方向に押すことができるため、その前方および後方の角が、X−Y面内の既知の位置でベースプレート70に当接する(図3bを参照)。
既知の位置にあるミルプレート20によって(図3b−3dを参照)、マッピング要素またはデバイス(例えば、測定デバイス)80が、長手方向の縁部50に隣接してX方向(図3cの矢印82を参照)に移動される(マッピングデバイス80は、図3cにおいて3つの位置に示される)。マッピングデバイス80は、マッピングデバイス80が移動される際、ミルプレートの縁部50に向かって外向きに付勢されることで縁部50をたどる従動車84を含んでおり、デバイス80は、縁部50の長さに沿った好適な増加分(例えば、インチ毎の)における従動車(84)の位置を記憶するために好適なプロセッサとメモリに接続される。マップされる際のミルプレート20の位置に従って、このようにプレートの縁部50の形状がX−Y面内にマップされる。
ミルプレート20はその後、切断工具30に向かってX方向(図3d−3eの矢印86を参照)に移動される。本発明によると、切断工具30の領域には、ミルプレート20のマップされた縁部/側部50上でX方向に離間された少なくとも2つの位置決めガイド90が存在する。有利には、位置決めガイド90は、工具30が切断するY方向の面には全く達する可能性がないため(すなわち、工具30のY−Z面からエントリコンベア24”に向かってX方向に離間される)、ガイドが、プレート20の前方の角での切断作業を妨げることがなく、切断作業においてプレート20のできるだけ多くの部分を使用することが可能になる。このような位置決めガイド90は各々、垂直軸(前記Z軸)を中心に回転可能なローラ92を含む。
ローラ92は、作業中選択式にY方向に移動される。具体的には、ミルプレート20がエントリコンベア24”を越えてX方向に移動される際、マップされたプレート縁部50もまた、位置決めガイド90を越えて移動する。X−Y面内の記憶された縁部50のマップを利用してガイド90の各々が制御されることで、それぞれのローラ92が、ガイド90と整列したプレートの縁部50のX位置に対応するプレートの縁部50のマップされたY位置まで伸張される。
プレート20の反対側の側部48には、付勢クランプまたはプッシャ94が設けられおり、これらは、そのミルプレートの側部48を位置決めガイド90に向かってY方向に押す。このようなクランプ94は有利には、垂直軸(Z)を中心に回転可能なローラ96を含むことで、ミルプレート20が、拘束されずにX方向にそれらを越えて移動することを可能にすることができ、プレート20のマップされた縁部50が、付勢クランプ94と反対側の側部における位置決めガイドローラ92と接触した状態を確実に維持するのに十分な力によって(例えば、油圧式ピストン構成によって)好適に付勢される。
よって図3f−3jに示されるように、工具30によってミルプレート20を切断する際、プレート20は、X方向にのみ移動され、Z軸の周りにはいかなるねじれ作用も生じないことを理解されたい。
本発明による矩形の切片60”(図3jを参照)の切断作業が、図3f−3jに示されるようにして行なわれる。
ミルプレート20は先ず、切断工具30が、切断すべき切片の1つの角の上に位置決めされるように位置決めされる(図3f)。ミルプレート20はその後、コンベア24によってX方向に(図3gの矢印62”を参照)水平方向に移動され、切断工具30が、この移動の間、切片60”の1つの側面60a”を切断する。この移動の間、ミルプレート20は、クランプ94によって一方の側部48上で押されることで、反対側のマップされたミルプレートの縁部50を位置決めガイドローラ92と接触した状態に維持する。位置決めガイドローラ92は、ミルプレート20がローラ92を越えて移動する際、マップされたミルプレートの縁部50の形状に適合するように調節されるため、ミルプレート20の基本的に全ての地点が、この作業中にX方向のみに移動することになる(すなわち、プレート20は、図1a−1eおよび2a−2eに示される従来技術の作業で生じ得るようにねじれることはない)ことを理解されたい。
切片60”の次の角に到達したとき、コンベア24は停止し、ミルプレート20を所定の位置に保持し、その一方で切断工具30は、ミルプレート20を横切るように横方向に移動して(図3hの矢印64”の方向に)切片60”の第2の側面60b”を切断する。
コンベア24はその後、ミルプレート20を逆向きのX方向(図3iの矢印66”)に水平方向に移動させ、切断工具30は、この移動の間、切片60”の第3の側面60c”を切断する。この移動の間、ミルプレート20は、クランプ94が側部48を押すことによって位置決めされることで、マップされた側部50が位置決めガイドローラ92と接触した状態を維持する。矢印62”(図3g)の方向でのプレートの移動の場合のように、位置決めガイドローラ92は、マップされたミルプレートの縁部60の形状に適合するように調節され、ローラ92は、ローラ92と整列したX軸の位置に対応するようにマップされたY軸の位置に位置決めされる。
最後に、図3iに示されるステップの最後に第4の角に到達した後、切片60”の第4の側面60d”が切断され、プレート20は、静止したまま保持され、工具30は、ミルプレート20を横切るように横方向(図3jの矢印68”の方向)に移動される。
切片60、60”が、記載される従来技術の手法の1つに従って切断される場合、2つの側面60a、60a’および60c、60c’は、正確な直線ではなく、側面60b、60bおよび60d、60d’に対して直角でない場合もある(例えば、公差や損傷によって、プレート側部50が直線ではない場合)ことに対して、本発明に従って切断される矩形の切片60”の側面60a”−60d”は、全て直線であり、互いに対して直角であることを理解されたい。
当然のことながら、上記に記載した矩形の切片の切断作業の例は、例示の目的で使用されており、本発明は使用することで、この切片が様々な所望の形状にも同様に切断されることを保証することができることを理解されたい。
図5−15は、本発明を実施するのに使用され得る機械をより詳細に示しており、図14−15は、本発明を有利に使用することができる例示の工作機械100を示している。
具体的には、図14−15の工作機械100は、ケーブルトラック112に沿ってY方向に移動するように工具スピンドル108を支持する往復台104を含んでおり、この場合工具スピンドル108内の工具は、下にあるミルプレート内に切り込むために垂直方向のレール114に沿ってZ方向に移動させることができる。また回転式の工具交換装置116が、工具スピンドル108に隣接して設けられることで、種々の工具を様々な切断作業で使用する目的でこのスピンドルに装填することを可能にする。付加的に、またガスおよびプラズマトーチ120が、往復台104上に固定されることで、必要に応じてさらに別の形態の切断作業に備えてY方向に移動する場合もある。
工作機械100の出口側に、堆積物テーブル130が設けられることで、切断作業の後のスクラップや切断切片を処理し易くする。知られているように、堆積物テーブル130は、上下に移動させ傾斜させることで、スクラップを、堆積物テーブル130の真下に配設されたスクラップホッパー134に捨てるのを容易にすることができる。スクラップホッパー134を堆積物テーブル130の真下から転がすことでそれを空にすることを可能にすることができる。所望であれば、工作機械100の出口側に、好適なローラ142(図14には示されない、図5−13を参照)を備えた出口コンベア140も設けることで、必要ならばミルプレートおよび/または切断切片のための好適な支持体を提供する場合もある。
車輪またはローラ150(図15を参照)が、工作機械100の入口側に様々に配置され、X軸駆動装置152(図14)によって制御される。車輪150は、工作機械100に進入するミルプレートの底部に係合し、切断作業に必要とされるようにX方向にミルプレートを移動させるように制御可能に回転する。プロセッサとメモリを備えた好適な制御装置156が設けられることで、工作機械100を制御し、同様にエントリコンベア24も制御する。制御装置156はまた、ミルプレート20の長手方向の縁部50のマッピングの際、マッピングデバイス80も制御し、先に記載した切断作業において使用するために縁部50のマップされたX−Y座標を記憶する。しかしながら別個の制御装置、例えばプログラム可能論理制御装置(PLC)などが、マッピングデバイス80および/または位置決めガイド90に使用される場合もあり、これらは、機械制御論理に影響を及ぼすことなく(これにより、マップされたプレートの側部50を補償するためにアップデートする必要なしに、予め作製されたパートプログラムを使用することができる)、バックグラウンドで稼働することができる。
様々な設計であり、様々な機能を有する工作機械を本発明と共に使用することができ、これには、例えば、Peddinghaus社(ノースワシントンアベニュー300、ブラッドリー、イリノイ州60915)およびその関連会社より入手可能な高速プレートシステム(例えば、高速FDB−2500)などが含まれることを理解されたい。
本発明と共に上記に記載されるような工作機械100の作動が、図5−13に示される(上に重なる工作機械100の種々の部分は、図示する目的で取り外されている)。
図5に示されるように、ミルプレート20は先ず、エントリコンベア24上に移動され、Y方向に付勢されることで、それは固定位置に(例えば、ベースプレート/基準ローラ70に対して、凹面の長手方向の側部50の前方および後方の角の2つの地点で)配向される。
その位置に保持される間、ミルプレートの長手方向の縁部50が、この側部の長さに沿って移動し(矢印80)、選択された間隔で(例えばインチ毎に)側部50のY方向の位置をたどり、これを測定するマッピングデバイス80の動作によってマップされる。長手方向の側部50のマップされた位置は、制御装置156に記憶される。
ミルプレートの長手方向の縁部50のマッピングが行なわれている間、工作機械100はまた、ミルプレート20の所望される切断作業のための準備をすることができる。例えば回転式の工具交換装置116を工具スピンドル108まで移動させることで(図6の矢印160を参照)適切な工具を装填することができる。
ミルプレート20はその後、エントリコンベア24に沿って工作機械100内へと進められ(図7の矢印86を参照)、その結果、ミルプレート20の先導する端部が、位置決めガイド90と、クランプ94の間に配置される。ミルプレート20の進行は、いずれの好適な方法で達成されてもよい。例えば、エントリコンベア24”のローラ28”は、プレート20が、エントリホイール150(図15を参照)によって適切に係合されるまで駆動されてよく、この地点で、コンベアのローラ28”は、解放され自由に回転することができ、その後のプレート20のより精密な移動は、エントリホイール150によって制御される。しかしながらX方向のプレート20の移動は、様々な方法で適切に駆動される場合があり、これにはプレート20の側部に係合する駆動ローラも含まれることを理解されたい。
この時点で、作業は、図3f−3jに関連して本明細書に概ね記載したように継続する(簡素化するために、図面は矩形の切片60”の切断作業でもある)。
すなわち位置決めガイド90のローラ92は、ミルプレート20が、X方向にエントリコンベア24”の上を移動する際、選択式にY方向に移動される。X−Y面の縁部50の記憶されたマップを利用して、ガイド90の各々が制御されることで、それぞれのローラ92が、ガイド90と整列したプレートの縁部50のX位置に対応するプレートの縁部50のマップされたY位置まで伸張される。
プレート20の反対側の側部48では、付勢クランプ94が、このミルプレートの側部48をY方向に位置決めガイド90に向かって押すことで、プレート20のマップされた縁部50が、付勢クランプ94の反対側の側部にある位置決めガイドローラ92と接触した状態を維持することを保証する。よって、工具スピンドル108内の工具30によってミルプレート20を切断する際、プレート20は、X方向のみに移動され、Z軸の周りにいずれのねじれ動作も生じることがない。
矩形の切断切片60”を切断するために(図12−13を参照)、ミルプレート20および工作機械100は先ず、図8に示されるように位置決めされ、工具スピンドル108および工具30は、切断すべき切片の1つの角の上に移動される(図8の矢印170を参照)。ミルプレート20はその後、コンベア24によってX方向に水平方向に移動され(図9の矢印62”を参照)、切断工具30が、この移動の間、切片60”の1つの側面60a”を切断する。この移動の間、ミルプレート20は、クランプ94によって一方の側部48上が押されることで、反対側のマップされたミルプレートの縁部50を位置決めガイドローラ92と接触した状態に維持する。位置決めガイドローラ92は、ミルプレート20がローラ92を越えて移動する際、ミルプレートの縁部50のマップされた形状に適合するように調節されるため、基本的にミルプレート20内の全ての地点が、この動作中にX方向のみに移動されることになる(すなわち、プレート20は、図1a−1eおよび2a−2eに示される従来技術の動作の場合に生じ得るようにねじれることはない)。
切片60”の次の角に到達したとき、ミルプレート20は、固定位置に保持され、その一方で工具スピンドル108および工具30は、ミルプレート20を横方向に横切るように移動される(図10の矢印64”の方向に)ことで切片60”の第2の側面60b”を切断する。
コンベア24はその後、ミルプレート20を逆のX方向に水平方向に移動させ(図11の矢印66”)、工具スピンドルおよび工具30は、この移動の間、切片60”の第3の側面60c”を切断する。この移動の間、ミルプレート20は、クランプ94が側部48を押すことによって位置決めされることで、マップされた側部50を位置決めガイドローラ92と接触した状態に維持する。プレートが矢印62”の方向に移動する場合のように(図9)、位置決めガイドローラ92は、ミルプレートの縁部60に適合するように調節され、ローラ92は、ローラ92と整列するX軸の位置に対応するようにマップされたY軸の位置に位置決めされる。
図11に示されるステップの終わりに第4の角に到達した後、切片60”の第4の側面60d”が切断され、プレート20は静止状態に保持され、工具スピンドル108および工具30は、ミルプレート20を横方向に横切るように移動される(図12の矢印68”の方向に)。
切片60”が完全に切断された後、ミルプレート20が、適切に進められることで(図13の矢印176の方向に)、工作機械100から切断切片60”を取り除くことで、それを適切に除去し、必要に応じて持ち去ることができる。
本発明は、たとえミルプレートが不規則な側部を有していたとしてもミルプレートから1つの切片を正確に切断することを可能にすることを理解すべきである。これにより、このようなプレートの凸凹にも関わらず、最小の公差にかなう切断切片が可能になる。

Claims (7)

  1. X−Y−Z直交座標系のY方向に移動するように支持され、Z方向に特定の厚さを有するX−Y面内に概ね横たわるミルプレート(20)を、Z方向に通過する切断を行う切断工具(30)と、
    支持されたミルプレート(20)をX方向に搬送するように適合されたコンベア(24)と、
    前記コンベア(24)の第1の部分にあり、前記コンベア(24)の一方の側部に配置され、支持されるミルプレート(20)の一方の側部(50)に沿ってX方向に可動であるため、前記支持されるミルプレートの一方の側部(50)のX軸とY軸の位置をマップする測定デバイス(80)と、
    前記コンベアの一方の側部に隣接しており、前記ミルプレート(20)が前記X方向に搬送される際、位置決めガイド(90)と整列する前記ミルプレート(20)の一方の側部のX軸の位置において前記ミルプレートの一方の側部(50)の前記マップされたY軸の位置をたどるようにY方向に調節される少なくとも2つの前記位置決めガイド(90)と、
    前記ミルプレートの一方の側部(50)反対側の側部(48)にあり、前記ミルプレートの反対側の側部(48)をY方向に押すことで、前記ミルプレートの一方の側部(50)を前記位置決めガイド(90)と係合した状態に維持するように適合されたクランプ又はプッシャ(94)とを備える、ミルプレート(20)のための切断デバイス。
  2. 前記位置決めガイド(90)が、Z方向に配向された軸を中心に回転可能なローラ(92)を含み、前記位置決めガイドローラ軸が、Y方向に選択式に可動である、請求項1に記載の切断デバイス。
  3. 前記コンベア(24)上の前記ミルプレート(20)の前記一方の側部(50)に隣接する複数の固定式ガイドローラ(34)をさらに備え、前記複数の固定式ガイドローラ(34)が、Z方向に配向された軸を中心に回転可能であり、前記軸がX−Z面内にある、請求項1に記載の切断デバイス。
  4. 前記コンベア(24)が、X方向に前記ミルプレート(20)の位置を制御するように適合されており、各々の位置決めガイド(90)が、ローラ(92)を含み、そのローラ(92)を前記位置決めガイド(90)に係合する前記ミルプレートの一方の側部(50)のX軸の位置に対応する前記マップされたY軸の位置に位置決めするように選択式に調節可能である、請求項1に記載の切断デバイス。
  5. ミルプレート(20)が、X−Y−Z直交座標系のZ方向に一定の厚さを有してX−Y面内に実質的に横たわるように前記ミルプレート(20)をコンベア(24)上に配置し、
    概ねX方向に延在する前記ミルプレートの一方の側部(50)のX軸とY軸の位置をマップし、
    Y方向に移動するように支持された切断工具(30)まで前記ミルプレート(20)をX方向に搬送し、ここで前記切断工具(30)が概ねZ方向に切断するものであり、
    前記ミルプレート(20)を選択式に切断する際には、前記ミルプレート(20)をX方向に移動させ、前記切断工具(30)をY方向およびZ方向に移動させ、
    前記移動の間、前記ミルプレートの一方の側部(50)を、前記ミルプレートの一方の側部(50)に沿って概ねX方向に離間された位置決めガイド(90)に対してY方向に付勢し、前記位置決めガイド(90)が、前記位置決めガイド(90)と整列する前記ミルプレートの一方の側部(50)のX軸の位置におけるY軸の位置におけるマップ後の変動に従ってY方向に調節されることで、前記ミルプレート(20)がX方向に移動する際、前記ミルプレート(20)をねじる動作を阻止する、ミルプレート(20)を切断する方法。
  6. 前記ミルプレートの一方の側部(50)の前記マップされたX軸とY軸の位置を記憶するステップと、各々の位置決めガイド(90)を、前記ミルプレートの一方の側部(50)のY軸の位置を前記位置決めガイド(90)とX方向に整列した前記ミルプレート(20)の対応するX軸の位置に適合させるように調節するステップとをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記付勢が、前記ミルプレートの一方の側部(50)の反対側の前記ミルプレートの側部(48)を前記位置決めガイド(90)に向かって押すことによって達成される、請求項5に記載の方法。
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