JP5766144B2 - トルクコンバータのパイロットボス - Google Patents

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Description

本発明は、トルクコンバータのパイロットボスに関する。
図8の(a)は、従来例にかかるトルクコンバータとドライブシャフトとの連結部を説明する断面図であり、(b)は、(a)における領域Aの拡大図、(c)は、(b)におけるB−B断面図である。
車両用の自動変速機では、エンジンの回転駆動力が、トルクコンバータ200を介して変速機構部側に入力されるようになっている。トルクコンバータ200のフロントカバー201には、エンジンのドライブシャフト205に固定されたドライブプレート206が連結されており、ドライブシャフト205の回転が、ドライブプレート206を介してトルクコンバータ200に入力されるようになっている。
トルクコンバータ200のフロントカバー201の中央部には、パイロットボス202が、ドライブシャフト205側に突出して設けられており、このパイロットボス202は、トルクコンバータ200とドライブシャフト205(ドライブプレート206)とを連結する際に、ドライブシャフト205の中心に設けられた嵌合孔205aに嵌入されて、トルクコンバータ200とドライブシャフト205の軸心合わせに利用される。
このようなパイロットボスを備えるトルクコンバータとして、例えば特許文献1に開示されたものがある。
特開平05−118408号公報
ここで、軸心合わせに利用されるパイロットボス202を備える従来のトルクコンバータでは、パイロットボス202をドライブシャフト205の嵌合孔205aに嵌入可能とするために、パイロットボス202の外径Daが、嵌合孔205aの内径Dbよりも僅かに小さい径に設定されている。
そのため、パイロットボス202を嵌合孔205aに嵌入してトルクコンバータ200とドライブシャフト205とを連結すると、パイロットボス202と嵌合孔205aとの間に僅少の隙間が生じるため、この隙間に起因して、トルクコンバータ200とドライブシャフト205との軸心ズレが発生することがあった。
特許文献1の場合、トルクコンバータのドライブプレート側に突出するボルトに、先端側に向かうにつれて縮径するガイドピンが取り付けられており、トルクコンバータとドライブシャフトとを組付ける際に、パイロットボスとガイドピンの両方を位置決めに用いることで、位置精度の向上を図っている。しかし、パイロットボスと嵌合孔との間に僅少の隙間があるために、この隙間に起因する軸心ズレを、十分に抑えることはできなかった。
そこで、トルクコンバータとドライブシャフトとを連結する際の軸心ズレを抑えることが求められている。
本発明は、トルクコンバータとエンジンのドライブシャフトとを連結する際に、ドライブシャフトの嵌合孔に嵌入されて、トルクコンバータとドライブシャフトの軸心合わせに用いられるトルクコンバータのパイロットボスであって、
パイロットボスでは、円筒形状の本体部の一端側に、本体部の内側と外側とを連通させる切欠きが形成されて、切欠きが形成された一端側が、嵌合孔に嵌入される嵌合部、他端側が、トルクコンバータとの連結部とされており、
切欠きは、本体部の一端から他端側に延びると共に本体部の周方向に所定間隔で複数設けられて、嵌合部を内側に弾性変形可能としており
本体部の一端側では、本体部の周方向に所定間隔で設けられた切欠きの間が、嵌合部となっており、
嵌合部の各々では、他端側よりも大径の大径部が、一端に設けられており、
嵌合部の一端側を、大径部が嵌合孔に嵌入可能となる外径まで内側に変形させる荷重が、嵌合部の変形が弾性域での変形から塑性域での変形になるときの境界荷重よりも小さくなり、かつ
パイロットボスを嵌合孔に嵌入したあとにトルクコンバータの自重により嵌合部に作用する荷重が、嵌合部に変形を生じさせる最小の荷重未満となるように、
本体部の径方向における嵌合部の厚みと、本体部の周方向における切欠きの幅と、本体部の中心軸線方向における切り欠き長さを設定した構成のトルクコンバータのパイロットボス。

本発明によれば、パイロットボスの嵌合部は、一端側の外径を狭めながらドライブシャフトの嵌合孔に挿入されて、パイロットボスとドライブシャフトとが連結される。
この状態で、パイロットボスの一端側は、その外径を広げて元の形状に戻ろうとする復元力により、嵌合孔の内周面に圧接しており、パイロットボスと嵌合孔との間に軸心ズレを起こし得る隙間が生じない。
よって、トルクコンバータの自重により、軸心ズレが発生することを好適に抑えることができる。
実施の形態にかかるトルクコンバータのパイロットボスを説明する図である。 実施の形態にかかるパイロットボスを説明する図である。 実施の形態にかかるパイロットボスを説明する図である。 パイロットボスとドライブシャフトとの連結を説明する図である。 パイロットボスを構成する材料の応力−ひずみ線図を模式的に示した図である。 パイロットボスに作用する荷重と嵌合部の変形量との関係を模式的に示す図である。 パイロットボスの他の態様を説明する図である。 従来例にかかるトルクコンバータとドライブシャフトの連結状態を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、トルクコンバータ10のパイロットボス14を説明する断面図であって、(a)は、パイロットボス14とドライブシャフト30との連結部の断面図であり、(b)は、(a)における、領域Aの拡大図であり、(c)は、(b)におけるB−B断面図である。
図1に示すように、自動変速機のトルクコンバータ10は、ドライブプレート20を介して、エンジン(図示せず)のドライブシャフト30と連結されており、エンジン側から入力される回転が、ドライブプレート20を介してトルクコンバータ10側に伝達されるようになっている。
トルクコンバータ10は、ドライブプレート20側のフロントカバー12と、図示しない変速機構部側のリヤカバー13とを備えて構成される。
フロントカバー12は、軸線Xに対して直交する円盤部121と、円盤部121の外周縁から、軸線Xに沿ってドライブプレート20から離れる方向に延びる円筒部122とを備えており、円筒部122の先端122aは、リヤカバー13の円筒部131の先端131a側に内嵌している。
リヤカバー13の円筒部131の先端131aは、フロントカバー12の円筒部122に溶接されており、フロントカバー12とリヤカバー13とが、入力軸1の回転中心軸(軸線X)周りに一体回転可能に接合されている。
円盤部121の外径側の連結部121bでは、ボス部材15が、ドライブプレート20側の面に設けられている。
このボス部材15には、ドライブプレート20の外径側の連結部25がボルトB1で固定されている。
ドライブプレート20は、内径側の連結部21に開口22を備えており、この開口22には、ドライブシャフト30の嵌合部31が嵌入されている。
この連結部21には、ドライブシャフト30がボルトB2で固定されている。
円盤部121の内径側の中央部121aには、ドライブプレート20側に突出してパイロットボス14が設けられている。
パイロットボス14は、トルクコンバータ10とドライブシャフト30とを連結する際に、トルクコンバータ10とドライブシャフト30との軸心合わせに用いられるものでああり、ドライブシャフト30の嵌合孔32に、軸線Xの軸方向から嵌入されている。
以下、パイロットボス14を詳細に説明する。
図2は、パイロットボス14の斜視図であり、図3の(a)は、図2における面Aでパイロットボス14を切断した断面図であり、(b)は、(a)におけるA−A矢視図であり、(c)は、軸方向から見た大径部144の外周面144aの形状を説明するために、(b)における一部を切欠いて拡大した拡大図である。
図2に示すように、パイロットボス14では、円筒形状の本体部140の一端側に、本体部140の内側と外側とを連通させる切欠き141が形成されており、この切欠き141が形成された一端側が、ドライブシャフト30との嵌合部142、他端側が、トルクコンバータ10との連結部143となっている。
図1の(b)に示すように、連結部143は、フロントカバー12の内径側の中央部121aに溶接されており、この状態においてパイロットボス14は、トルクコンバータ10の回転中心軸(軸線X)と同軸に設けられている。
図3の(a)に示すように、本体部140において切欠き141は、本体部140の一端140aから、本体部140の中心線(軸線X)に沿って他端140b側に延びており、軸線Xの軸方向に所定長さLで形成されている。
図3の(b)に示すように、軸方向から見て切欠き141は、本体部140の中心(軸線X)を通る直線(仮想線Im1)と重なる位置に設けられており、この仮想線Im1の両側の仮想線Im1a、Im1bに沿って、本体部140を切欠いて形成されている。ここで、仮想線Im1a、Im1bは、仮想線Im1を挟んで対称に位置すると共に、仮想線Im1に対して平行な直線である。
本体部140において切欠き141は、軸線X周りの周方向に等間隔で形成されており、実施の形態では、120°間隔で合計3つの切欠き141が形成されている。
そのため、軸方向から見て切欠き141の各々は、本体部140の中心を通る各仮想線Im1と重なる位置にそれぞれ所定幅Wで設けられている。
本体部140の一端140a側において、軸線X周りの周方向における切欠き141、141の間の部位は、前記したドライブシャフト30との嵌合部142となっている。
実施の形態のパイロットボス14では、軸線X周りの周方向で、合計3つの嵌合部142が設けられている。
図3の(a)に示すように、嵌合部142は、連結部143と同じ外径D2を有しており、この外径D2は、ドライブシャフト30の嵌合孔32の内径D2(図1の(b)参照)と同じ径に設定されている。
嵌合部142は、軸線Xに沿ってドライブシャフト30側に延びており、その先端には、嵌合部142よりも大径の大径部144が設けられている。
実施の形態では、嵌合部142は、連結部143と一体に形成されて、この連結部143で片持ち支持されている。そのため、嵌合部142は、大径部144が設けられた先端側が、軸線X側(内側)に弾性変形可能となっている。
パイロットボス14がドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入されていない状態において、径方向から見た大径部144の外周面144aは、嵌合部142と連結部143の外周面142a、143aと共に、軸線Xに対して平行となっている。
そして、図3の(c)に示すように、軸方向から見た大径部144の外周面144aは、軸線Xを中心とする仮想円Im2上に位置しており、この仮想円Im2の直径D1(大径部144の直径D1)は、ドライブシャフト30の嵌合孔32の内径D2よりも大きい径に設定されている(D1>D2)。
そのため、パイロットボス14とドライブシャフト30とを連結する際に、パイロットボス14は、嵌合部142の大径部144が設けられた先端側を径方向内側(軸線X側)に撓ませながら、ドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入されるようになっている。
なお、大径部144の先端側には、先端側に向かうにつれて縮径する傾斜面144b(図3参照)が設けられており、この傾斜面144bの先端部144b1の外径D3は、ドライブシャフト30の嵌合孔32の内径D2よりも小さい径(D2>D3)に設定されている。そのため、パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入する際に、傾斜面144bが、ガイドとして機能するようになっている。
以下、ドライブシャフト30の嵌合孔32へのパイロットボス14の嵌入を説明する。
図4は、パイロットボス14を、ドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入する場合における嵌合部142の変形を説明する図であって、(a)は、パイロットボス14の大径部144が嵌合孔32に嵌入される前の状態を、(b)は、大径部144が嵌合孔32に嵌入された直後の状態を、(c)は、大径部144が、嵌合孔32内の所定位置に配置されて、パイロットボス14の嵌合孔32への嵌入が完了した状態を、それぞれ示す図であり、(d)は、(a)の領域Aの拡大図であり、(e)は、(b)の領域Bの拡大図であり、(f)は、(c)の領域Cの拡大図である。
パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入させるために、トルクコンバータ10とドライブシャフト30とを互いに近づける方向に移動させると、パイロットボス14の先端側の大径部144が、ドライブシャフト30の嵌合孔32に近づくことになる。ここで、大径部144の外径D1は、嵌合孔32の内径D2よりも大きく、傾斜面144bの先端部144b1の外径D3は、嵌合孔32の内径D2よりも小さいので、大径部144に設けられた傾斜面144bが、嵌合孔32の開口側の端部32pに最初に接触することになる(図4(a)、(d)参照)。
この状態で、パイロットボス14が、嵌合孔32の方向(図中右方向)にさらに押し込まれると、押し込む力が所定の荷重(作業荷重)に達した時点で、パイロットボス14の大径部144側が内側(軸線X側)に撓み始めることになる。
ここで、傾斜面144bの外径は、先端部144b1から離れるにつれ拡径しているので、パイロットボス14は、大径部144が設けられた先端側を徐々に内側に撓ませながら、嵌合孔32に嵌入される。
この際、嵌合部142の先端側(大径部144側)は、最終的に、大径部144の外径が嵌合孔32の内径D2と同じになるまで内側に変形させられることになる(図4の(b)、(e)、矢印F1参照)。
そして、パイロットボス14は、最終的に、嵌合孔32内の所定位置まで挿入されて(図4の(c)、(f)参照)、嵌合部142の外周面142aを、嵌合孔32の開口側の端部32pに当接した状態とされる。
このように、パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入する際に、パイロットボス14は、嵌合部142側を内径側に撓ませながら(変形させながら)嵌合孔32に嵌入されるので、嵌合部142は、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入させようとする力(作業荷重)を受けて変形しており(図4の(b)、(e)、矢印F1参照))、嵌合部142には、変形によるひずみが生じている。
ここで、嵌合部142のひずみと弾性変形について説明をする。
図5は、パイロットボス14を構成する材料の応力−ひずみ線図を模式的に示した図である。
図5に示すように、パイロットボス14を構成する材料(例えば軟鋼)からなる部材にひずみが発生すると、ひずみに対して応力が直線的に上昇したのち、上降伏点を超えると、応力が大きく上昇せずにひずみだけが進行するようになる。この応力−ひずみ線図において、上降伏点を境にして左側が弾性域、右側が塑性域と呼ばれており、弾性域内での変形は、弾性変形であって、ひずみを生じさせている荷重を除荷すれば形状が元に戻るのに対し、塑性域内での変形は、塑性変形であって、ひずみを生じさせている荷重を除荷しても、形状が完全に戻らないことが知られている。
ここで、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入すると、大径部144の外径が嵌合孔32の内径と同じ径になるまで、嵌合部142の先端側が撓む(変形する)ことになるので、このときに嵌合部142に生ずるひずみは、撓む前の嵌合部142の先端側の大径部144の外径D1と、嵌合孔32の内径D2に応じて決まることになる。
嵌合部142を嵌合孔32に嵌入させたときの嵌合部142の変形により生ずるひずみεは、大径部144の外径D1、嵌合孔32の内径D2との関係において、ε=(D1−D2)/D1で表すことができる。
実施の形態では、嵌合孔32に嵌入させたときの嵌合部142の変形により生ずるひずみε(=(D1−D2)/D1)が、パイロットボス14を構成する材料の弾性域でのひずみとなるように、変形前の大径部144の外径D1と、嵌合孔32の内径D2(変形後の大径部144の外径)とが設定されている。
そのため、パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入した際に、内側に変形させられた状態となる嵌合部142の先端側には、その外径を広げて元の形状に戻ろうとする復元力が作用するようになっている。
この復元力は、図4の(c)、(f)において矢印F2で示す方向に作用するので、大径部144の外周面144aは、嵌合孔32の内周面に圧接させられた状態となる。
そのため、従来のパイロットボスのように、軸方向から見たときに、パイロットボス14の外周と嵌合孔32の内周との間に、軸線X周りの周方向の広範囲に亘って隙間が形成されることが好適に防止されるようになっている(図1の(c)、図8の(c)参照)。
なお、パイロットボス14の嵌合部142を弾性変形可能にしたことにより、パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入した後に、トルクコンバータ10の自重でパイロットボス14が変形して、軸心ズレが生じる虞がある。
ここで、パイロットボス14に作用する荷重と、嵌合部142の変形量(変位)について説明をする。
図6は、パイロットボス14に作用する荷重fと、嵌合部142の変形量xとの関係を模式的に示す図である。
図6に示すように、パイロットボス14に作用する荷重fが大きくなると、ある点(fmin)を境に変形が始まり、以降、荷重の大きさに比例して変形量が大きくなる。ここで、fminは、嵌合部142に変形を生じさせる最小の荷重である。
そして、荷重の大きさが上限fmaxを超えると、パイロットボス14(嵌合部142)の変形が塑性域での変形となる。ここで、上限fmaxは、嵌合部142の変形が弾性域での変形から塑性域での変形になる境界の荷重である。
ここで、パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入した後にパイロットボス14に作用する荷重は、トルクコンバータ10の自重に起因するものであり、この荷重は、図4(c)、(f)において矢印F3で示す方向に作用する。そして、この荷重の大きさは、トルクコンバータ10の自重に応じて決まる。
そのため、トルクコンバータ10の自重により作用する荷重(トルコン荷重)を、パイロットボス14(嵌合部142)に変形を生じさせる最小の荷重fminよりも小さくすると、パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入した状態での嵌合部142の変形を防止できるので、トルクコンバータ10とドライブシャフト30との軸心ズレの発生を防止できる。
ここで、パイロットボス14(嵌合部142)の変形のしやすさは、本体部140の径方向における嵌合部142の厚みWx、本体部140の周方向における切欠き141の幅W、本体部140の中心軸線(軸線X)の方向における切欠き141の長さLに応じて決まる(図3参照)。実施の形態では、トルクコンバータ10の自重により作用する荷重(トルコン荷重)が、パイロットボス14に変形を生じさせる最小の荷重fminよりも小さくなるように、嵌合部142の厚みWx、切欠き141の幅Wおよび長さLが、それぞれ設定されている。
さらに、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入させるときに、嵌合部142を変形させるのに必要な荷重(作業荷重)が大きくなりすぎると、嵌合部142の変形が弾性域の変形ではなく塑性域での変形になってしまう虞がある。
実施の形態では、作業荷重が、嵌合部142の変形が弾性域の変形ではなく塑性域への変形になる荷重fmaxよりも小さくなるように、嵌合部142の厚みWx、切欠き141の幅Wおよび長さLが、それぞれ設定されている。
すなわち、実施の形態では、パイロットボス14の嵌合孔32への嵌入時に、嵌合部142が弾性変形し、嵌合後には、トルコン荷重で嵌合部142に変形が生じないように、変形前の大径部144の外径D1と、嵌合孔32の内径D2と、嵌合部142の厚みWxと、切欠き141の幅Wおよび長さLが、それぞれ設定されており、トルコン荷重<fmin≦作業荷重<fmaxとなって、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入するときの嵌合部142の変形が弾性変形となり、かつパイロットボス14を嵌合孔32に嵌入したあとに作用するトルコン荷重で嵌合部142が変形して軸心ズレが起きないようにされている。
さらに、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入した際に、大径部144の外周面144aは、嵌合孔32の内周面に圧接させられた状態となるので、軸方向から見たときに、パイロットボス14(嵌合部142)の外周と嵌合孔32の内周との間に、軸線X周りの周方向の広範囲に亘って隙間が形成されて、この隙間に起因する軸心ズレが発生することが好適に防止されるようになっている。
以上の通り、実施の形態では、トルクコンバータ10とエンジンのドライブシャフト30とを連結する際に、ドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入されて、トルクコンバータ10とドライブシャフト30の軸心合わせに用いられるトルクコンバータ10のパイロットボス14であって、
パイロットボス14では、円筒形状の本体部140の一端140a側に、本体部140の内側と外側とを連通させる切欠き141が形成されて、切欠き141が形成された一端140a側が、嵌合孔32に嵌入される嵌合部142、他端140b側が、トルクコンバータ10との連結部143とされており、
切欠き141は、本体部140の前記一端140aから軸線Xに沿って他端140b側に延びると共に本体部140の周方向に所定間隔で複数設けられて、嵌合部142の一端140a側を内側に弾性変形可能としており、
本体部140の一端140a側では、本体部140の軸線X周りの周方向に所定間隔で設けられた切欠き141、141の間が嵌合部142となっており、嵌合部142の各々では、当該嵌合部142の連結部143側よりも大径の大径部144が、一端140aに設けられている構成のトルクコンバータ10のパイロットボス14とした。
このように構成すると、パイロットボス14の嵌合部142における大径部144が設けられた先端側が、その外径を狭めながらドライブシャフト30の嵌合孔32に挿入されて、パイロットボス14とドライブシャフト30とが連結される。
この状態で、パイロットボス14の嵌合部142先端側は、その外径を広げて元の形状に戻ろうとする復元力により、嵌合孔32の内周面に圧接しており、パイロットボス14と嵌合孔32の内周面との間に軸心ズレを起こし得る隙間が生じない。
よって、トルクコンバータ10の自重により、軸心ズレが発生することを好適に抑えることができる。
軸心ズレが発生すると、トルクコンバータにおける取付ボルトの緩みや、図示しないトルコンスリーブ、ベアリングなどに不具合が発生する虞がある。実施の形態では、弾性変形させた嵌合部142の先端側の大径部144が、ドライブシャフト30の嵌合孔32に、径方向内側から圧接されて、パイロットボス14(大径部144)と嵌合孔32との密着性を向上させることで、軸心ズレの発生を抑えているので、上記した問題の発生を好適に抑えることができる。
なお、ドライブシャフト30の嵌合孔32と、トルクコンバータ10のパイロットボス14は、トルクコンバータ10とドライブシャフト30の回転中心軸(軸線X)上で、互いに連結(嵌合)される構成とし、トルクコンバータ10とドライブシャフト30とを組付ける際、位置決めを一箇所のみで行う構成としたので、従来例に挙げたトルクコンバータのように、トルクコンバータ10とドライブシャフト30との位置決めを複数箇所で行う場合に比べて、作業効率が改善される。
さらに、大径部144には、一端140aに向かうにつれて縮径する傾斜面144bが設けられている構成とした。
このように構成すると、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入するために、パイロットボス14を嵌合孔32側に移動させると、傾斜面144bが嵌合孔32の開口側の端部32pに最初に接触する。そして、パイロットボス14をさらに移動させると、傾斜面144bが端部32pにより内側に押し込まれることになるので、パイロットボス14は、大径部144が設けられた先端側を徐々に内側に撓ませながら(変形させながら)、嵌合孔32に嵌入される。
この際、傾斜面144bが、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入する際のガイドとして機能するので、パイロットボス14の嵌合孔32の嵌入がよりスムーズに行えることになる。
ここで、傾斜面144bが設けられていない場合には、嵌合部142を嵌合孔32に嵌入させようとしたときに、大径部144が嵌合孔32の縁に引っ掛かって、パイロットボス14の嵌合孔32への嵌入がスムーズに行かない場合が起こり得る。
この場合、その状態からパイロットボス14を無理に嵌合孔32に嵌入しようとすると、嵌合部142の一部に応力が集中することや、想定されていた作業荷重よりも大きい荷重がパイロットボス14に一時的に作用することがあり、かかる場合、作業荷重が、荷重の上限fmaxを超えて、嵌合部142の変形が塑性域での変形になってしまう虞がある。
実施の形態のように、大径部144の嵌合孔32側に傾斜面144bを設けることで、傾斜面144bが、パイロットボス14を嵌合孔32に嵌入するときのガイドとして機能して、嵌合孔32へのパイロットボス(嵌合部142)の嵌入をスムーズに行うことができるので、上記のような問題が発生する虞を好適に防止できる。
嵌合部142の大径部144が設けられた一端140a側を、大径部144が嵌合孔32に嵌入可能となる外径まで内側に変形させたときの嵌合部142の変形が、パイロットボス14を構成する材料の弾性域での変形となるように、嵌合孔32に嵌入されていないときの大径部144の外径D1と、嵌合孔32の内径D2を設定した構成とした。
このように構成すると、パイロットボス14をドライブシャフト30の嵌合孔32に嵌入した際に内側に変形させられた状態となる嵌合部142の先端側には、その外径を広げて元の形状に戻ろうとする復元力が作用する。
この復元力は、図4の(c)、(f)において矢印F2で示す方向に作用するので、大径部144の外周面144aは、嵌合孔32の内周面に圧接させられた状態となる。
そのため、従来のパイロットボスのように、軸方向から見たときに、パイロットボス14の外周と嵌合孔32の内周との間に、軸線X周りの周方向の広範囲に亘って隙間が形成されることが好適に防止されるので(図1の(c)、図8の(c)参照)、従来のパイロットボスの場合に生じていた軸心ズレの発生を抑えることができる。
また、嵌合部142の一端140a側を、大径部144が嵌合孔32に嵌入可能となる外径まで内側に変形させる荷重(作業荷重)が、嵌合部142の変形が弾性域での変形から塑性域での変形になるときの境界の荷重fmaxよりも小さくなり、かつ大径部144を嵌合孔32に嵌入したあとにトルクコンバータ10の自重により嵌合部142に作用する荷重(トルコン荷重)が、嵌合部142に変形を生じさせる最小の荷重fmin未満となるように、本体部140の径方向における嵌合部142の厚みWx、本体部140の周方向における切欠き141の幅W、本体部140の中心線(軸線X)の方向における切欠き141の長さLを設定した構成とした。
このように構成すると、パイロットボス14の嵌合孔32への嵌入時に、嵌合部142が弾性変形し、嵌入後には、トルコン荷重で嵌合部142が変形しないようにすることができる。
これにより、従来のパイロットボスの場合に生じていた軸心ズレの発生を抑えることができる。
図7は、パイロットボス14の嵌合部142の他の態様を説明する図であり、(a)は、パイロットボス14の大径部144が嵌合孔32に嵌入される前の状態を、(b)は、大径部144が嵌合孔に嵌入された直後の状態を、それぞれ示す図である。
前記した実施の形態では、パイロットボス14が嵌合孔32に嵌入されていない状態で、大径部144の外周面144aが、軸線Xに対して平行である場合を例示した(図3参照)。
他の態様にかかる嵌合部142では、大径部144の外周面144a’が、軸線X1に対して所定角度θ傾斜しており、外周面144aの外径が、先端側から離れるにつれて縮径している。ここで、軸線X1は、軸線Xに対して平行な線分である。
かかる外周面144a’を備える大径部144を採用すると、嵌合部142が、大径部144が設けられた先端側を内側に変形させて、嵌合孔32に嵌入された際に、外周面144a’が、その長手方向(軸線Xの軸方向)の全長に亘って、嵌合孔32の内周面に接触するようになる。
そうすると、パイロットボス14が嵌合孔32に嵌入した状態で、パイロットボス14(大径部144)と嵌合孔32との接触面積をより広く取ることができるので、パイロットボス14の嵌合孔32との軸方向の位置ずれを生じにくくすることができる。
パイロットボス14の嵌合孔32との軸方向の位置ずれは、嵌合孔32の端部32pと嵌合部142との接触点の位置ずれとなり、トルコン荷重の作用点が軸方向に変化することになる。よって、例えば、パイロットボス14が嵌合孔32から外れる方向に位置ずれが発生すると、その分だけ、トルコン荷重によりパイロットボス14が変形しやすくなる虞がある。
よって、変形例にかかる外周面144a’とすると、嵌入後の位置ずれに起因する軸心ズレの発生を抑えることができる。
1 入力軸
10 トルクコンバータ
12 フロントカバー
13 リヤカバー
14 パイロットボス
15 ボス部材
20 ドライブプレート
21 連結部
22 開口
25 連結部
30 ドライブシャフト
31 嵌合部
32 嵌合孔
32p 端部
140 本体部
142 嵌合部
143 連結部
144 大径部
144a’ 外周面
144b 傾斜面
200 トルクコンバータ
201 フロントカバー
202 パイロットボス
205 ドライブシャフト
206 ドライブプレート
B1 ボルト
B2 ボルト
X 軸線
X1 軸線

Claims (3)

  1. トルクコンバータとエンジンのドライブシャフトとを連結する際に、ドライブシャフトの嵌合孔に嵌入されて、トルクコンバータとドライブシャフトの軸心合わせに用いられるトルクコンバータのパイロットボスであって、
    前記パイロットボスでは、円筒形状の本体部の一端側に、前記本体部の内側と外側とを連通させる切欠きが形成されて、前記切欠きが形成された一端側が、前記嵌合孔に嵌入される嵌合部、他端側が、前記トルクコンバータとの連結部とされており、
    前記切欠きは、前記本体部の前記一端から前記他端側に延びると共に前記本体部の周方向に所定間隔で複数設けられて、前記嵌合部を前記内側に弾性変形可能としており
    前記本体部の前記一端側では、前記本体部の周方向に所定間隔で設けられた切欠きの間が、前記嵌合部となっており、
    前記嵌合部の各々では、前記他端側よりも大径の大径部が、前記一端に設けられており、
    前記嵌合部の前記一端側を、前記大径部が前記嵌合孔に嵌入可能となる外径まで前記内側に変形させる荷重が、前記嵌合部の変形が前記弾性域での変形から塑性域での変形になるときの境界荷重よりも小さくなり、かつ
    前記パイロットボスを前記嵌合孔に嵌入したあとにトルクコンバータの自重により前記嵌合部に作用する荷重が、前記嵌合部に変形を生じさせる最小の荷重未満となるように、
    前記本体部の径方向における前記嵌合部の厚みと、前記本体部の前記周方向における前記切欠きの幅と、前記本体部の中心軸線方向における前記切り欠き長さを設定したことを特徴とするトルクコンバータのパイロットボス。
  2. 前記大径部には、前記一端に向かうにつれて縮径する傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータのパイロットボス。
  3. 前記嵌合部の前記一端側を、前記大径部が前記嵌合孔に嵌入可能となる外径まで前記内側に変形させたときの前記嵌合部の変形が、前記パイロットボスを構成する材料の弾性域での変形となるように、前記嵌合孔に嵌入されていないときの前記大径部の外径と、前記嵌合孔の内径を設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトルクコンバータのパイロットボス。
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