JP5748704B2 - トルクコンバータにおけるコア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、トルクコンバータにおいてポンプブレードとタービンブレードを支持するリング状のコアに関する。
車両用の自動変速機では、動力源(エンジン)から入力される回転駆動力が、トルクコンバータを介して変速機構に入力されるようになっている(例えば、特許文献1)。
特開平07−259951号公報
図6の(a)は、一般的なトルクコンバータ100の構成を説明する図であり、(b)は、トルクコンバータ100のタービンコア123をポンプインペラ110側から見た図である。
なお、図6の(b)では、タービンコア123をプレス成形により形成する際に用いられるリング状の板状部材P1の形状を、この板状部材P1が打ち抜かれる金属板Pの形状と共に、仮想線で示している。
図6の(a)に示すように、トルクコンバータ100は、入力要素として動力源側に連結されるポンプインペラ110と、出力要素として変速機構の入力軸に接続されるタービンランナ120と、反力要素としてタービンランナ120からポンプインペラ110へ戻る作動流体の整流を行うステータ130とを備えて構成される。
トルクコンバータ100では、ポンプインペラ110と、タービンランナ120と、ステータ130とにより作動流体の循環流Rを形成し、作動流体を介して、ポンプインペラ110側からタービンランナ120側への動力伝達が行われるようになっている。
ポンプインペラ110のポンプシェル111では、タービンランナ120との対向面に多数のポンプブレード112が設けられており、タービンランナ120のタービンシェル121では、ポンプシェル111との対向面に、多数のタービンブレード122が設けられている。
ポンプブレード112とタービンブレード122には、軸方向から見てリング状のコア(ポンプコア113、タービンコア123)がそれぞれ取り付けられており、ポンプブレード112とタービンブレード122は、それぞれポンプコア113とタービンコア123により、その先端側が支持されている。
ポンプコア113とタービンコア123は、軸方向から見てリング形状を有しており、金属板Pを打ち抜いて得られるリング状の板状部材P1を、プレス成形により、その内径側と外径側とが同方向に位置するように湾曲させて形状される。
ここで、リング状の板状部材P1を打ち抜くための金属板Pは、比較的に大きな面積を有しているにもかかわらず、リング状の板状部材P1を打ち抜いた後の残りの部分P2、P3は、他の用途に転用されることなく、そのまま捨てられることが多い。
そのため、従来のリング状のコアの作成方法では、歩留まりが悪く、作製コストが高いという問題があった。
そこで、トルクコンバータのリング状のコアを、より安価に提供できるようにすることが求められている。
本発明は、ポンプインペラとタービンランナとが同軸上で相対回転可能に設けられており、ポンプインペラのタービンランナとの対向面に設けられたブレード と、タービンランナのポンプインペラとの対向面に設けられたブレードとが、それぞれリング状のコアで支持されたトルクコンバータにおいて、
円弧状のコア部材の周方向の端部同士を接合して、リング状のコアを形成し
コア部材の周方向における両端には、周方向の直交方向に延びる延出部が設けられており、
コア部材は、周方向で隣接する他のコア部材と、互いの延出部同士を接合してリング状のコアを形成しており、
延出部は、同軸上で対向配置されたポンプインペラ側のコアとタービンランナ側のコアとの間に突出していることを特徴とするトルクコンバータにおけるコア構造とした。

本発明によれば、リング状のコアが複数の円弧状のコア部材を接合して形成されるので、金属板の打ち抜きで得られるリング状の板状部材のプレス成形により、リング状のコアを作製する場合に比べて、金属板の利用面積を広く取ることができ、打ち抜き後に捨てられる部分を少なくすることができる。これにより、歩留まりの向上と作製コストの低減が可能となる。
実施の形態にかかるトルクコンバータの断面図である。 実施の形態にかかるタービンコアを説明する図である。 実施の形態にかかるトルクコンバータの要部拡大図である。 実施の形態にかかるトルクコンバータの特性を説明する図である。 実施の形態にかかるタービンコアの作製方法を説明する図である。 一般的なトルクコンバータの構成を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかるトルクコンバータ1を説明する図である。
図2は、トルクコンバータ1のタービンコア33を説明する図であり、(a)は、タービンコア33を軸方向から見た平面図、(b)は、(a)における領域Aの拡大図、(c)は、(b)におけるB−B断面図、(d)は、(b)におけるC−C断面図である。
図3は、図1における領域Aの拡大図であり、トルクコンバータ1の本体ケース2内に形成される作動流体(作動油)の循環流Rと、対向配置されたポンプコア23とタービンコア33との間に形成される循環流R1を説明する図である。
図1に示すように、車両用自動変速機のトルクコンバータ1では、ポンプインペラ20と、タービンランナ30とが、同軸(軸線X)上で相対回転可能に設けられており、ポンプインペラ20のポンプシェル21とフロントカバー10とから形成される本体ケース2内で、タービンランナ30のタービンシェル31が、ステータ40を間に挟んで、ポンプシェル21に対向している。
トルクコンバータ1においてフロントカバー10は、図示しないエンジン側に位置しており、円板部11と、円筒部12とを備えて構成される。
円筒部12は、円板部11の外周縁から、エンジンとは反対側に入力軸3(軸線X)に沿って延びており、先端側の嵌合部12aが、ポンプシェル21の先端部21aに全周に亘って外嵌している。
嵌合部12aと先端部21aとの接続部分は、全周に亘って溶接されており、エンジンの回転駆動力がフロントカバー10に入力されると、フロントカバー10とポンプインペラ20とが、軸線X周りに一体に回転するようになっている。
ポンプインペラ20は、ポンプシェル21と、ポンプシェル21に取り付けられた複数のポンプブレード22と、ポンプブレード22を支持するポンプコア23と、ポンプシェル21を軸線X周りで回転可能に支持するインペラスリーブ24と、を備えて構成される。
ポンプシェル21は、タービンランナ30とは反対側(図中左側)に膨出するように湾曲した形状を有しており、タービンランナ30との対向面には、ポンプブレード22の爪部221を嵌入させる凹部210が設けられている。
ポンプブレード22は、ポンプシェル21側に突出する爪部221を凹部210に嵌入させてポンプシェル21に取り付けられており、ポンプシェル21においてポンプブレード22は、軸線X周りの周方向で放射状に設けられている。
ポンプブレード22は、ポンプコア23のスリット232に挿通させる爪部222をさらに有しており、ポンプコア23は、爪部222をスリット232に挿通させて、ポンプブレード22に取り付けられている。そして、スリット232を挿通させた爪部222は、ポンプコア23のタービンランナ30側の面にロウ付けされている。
タービンランナ30は、タービンシェル31と、タービンシェル31に取り付けられた複数のタービンブレード32と、タービンブレード32を支持するタービンコア33と、タービンシェル31を支持すると共に入力軸3にスプライン嵌合したタービンハブ34と、を備えて構成される。
タービンシェル31は、ポンプインペラ20とは反対側(図中右側)に膨出するように湾曲した形状を有しており、ポンプインペラ20との対向面には、タービンブレード32の爪部321を挿通させるスリット310が形成されている。
タービンブレード32は、タービンシェル31側に突出する爪部321をスリット310挿通させてタービンシェル31に取り付けられており、タービンシェル31においてタービンブレード32は、軸線X周りの周方向で放射状に設けられている。
タービンブレード32は、タービンコア33のスリット332に挿通させる爪部322をさらに有しており、タービンコア33は、爪部322をスリット332に挿通させてタービンコア33に取り付けられている。そして、スリット332を挿通させた爪部322は、タービンコア33のポンプインペラ20側の面にロウ付けされている。
ポンプコア23とタービンコア33は、軸線Xの軸方向で間隔を空けて対向配置されており、ポンプインペラ20とタービンランナ30とが軸線X周りで相対回転すると、これらポンプコア23とタービンコア33の径方向外側に、ポンプインペラ20側からタービンランナ30側に向かう作動流体の流れが形成され、径方向内側にタービンランナ30側からステータ40を通ってポンプインペラ20側に向かう作動流体の流れが形成されて、トルクコンバータ1の本体ケース2内に作動流体の循環流Rが形成されるようになっている(図3参照)。
以下、タービンコア33の構成を説明する。
図2の(a)に示すように、実施の形態にかかるタービンコア33は、3つのコア部材331から構成される。
各コア部材331は、軸方向から見て所定幅W(図2の(b)参照)の円弧形状を有しており、周方向の端部同士を互いに接合して、軸方向から見てリング状のタービンコア33を形成している。
各コア部材331は、コア部材331同士を接合してリング状のタービンコア33を形成したときに、軸線X周りの周方向の角度範囲が略120°となるように、タービンコア33の直径Dに応じて決まる周方向長さLを有している。
コア部材331には、タービンブレード32の先端側の爪部321を挿通させるスリット332が設けられており、このスリット332は、コア部材331を厚み方向に貫通して形成されている。
スリット332は、タービンコア33の中心を通る直線M上で、コア部材331の径方向における内径側と外径側に設けられており、内径側と外径側のスリット332は、軸線(回転中心軸)X周りの周方向に複数設けられている。
周方向におけるコア部材331の両端には、隣接する他のコア部材331との接合部333が設けられている。
各コア部材331の接合部333は、その断面形状が略矩形形状を有しており、周方向で隣接するコア部材331は、重ね合わせた接合部333同士をロウ付けにより接合して、互いに連結されている。
実施の形態では、接合部333は、コア部材331の周方向に対して直交する方向に折り曲げられており、リング状のタービンコア33において、当該タービンコア33の回転中心Xを通る直線Nに沿って直線状に設けられている。
この状態で、接合部333の周方向の側面333aと、コア部材331の周方向の側面331aは、直線N上に位置しており、周方向で隣接するコア部材331、331が、略隙間なく接合されるようになっている。
図2の(c)、(d)および図3に示すように、実施の形態のコア部材331は、径方向における中央部がタービンシェル31(図1参照)側に膨出した湾曲形状を有しており、接合部333は、コア部材331の膨出方向とは反対側に延びている。
接合部333の先端333bは、コア部材331の外径側の先端331bよりも、タービンシェル31とは反対側に所定長さh突出している。ここで、所定長さhは、タービンコア33に対向配置された後記するポンプコア23の接合部233と接触しない長さに設定される。
実施の形態では、接合部333は、コア部材331の内径側の先端331cおよび外径側の先端331bと同方向に突出しており、この接合部333により、コア部材331の剛性強度が高められている。よって、コア部材331の内径側と外径側に図中矢印で示す方向に変形させようとする力が作用しても、コア部材331の内径側と外径側が容易に変形しないようになっている。
ここで、実施の形態のポンプコア23は、タービンコア33と同一の構成を有しており、タービンコア33の場合と同様に、3つのコア部材231(図5の(c)参照)から構成される。
コア部材231は、タービンコア33のコア部材331と同一の形状を有しており、軸方向から見て所定幅Wの円弧形状を有している。そして、周方向の両端に設けた接合部233を、隣接する他のコア部材231の接合部233にロウ付けにより接合して、軸方向から見てリング状のポンプコア23を形成するようになっている。
なお、コア部材231もまた、コア部材231を厚み方向に貫通するスリット232が、周方向に複数設けられており、スリット232は、ポンプコア23の中心を通る直線M上で、コア部材231の径方向における内径側と外径側に設けられている。
図1および図3に示すように、トルクコンバータ1においてタービンコア33とポンプコア23は、軸線Xの軸方向で間隔を空けて対向配置されており、タービンコア33と同じの構成を有するポンプコア23は、その接合部233を、タービンランナ30側に突出させて設けられている。この接合部233は、コア部材231の外径側の先端231bよりも、ポンプシェル21とは反対側に所定長さh突出している(図3参照)。
タービンコア33とポンプコア23の接合部333、233は、これらタービンコア33とポンプコア23とで囲まれた空間S内に、その先端333a、233aを位置させている。
そのため、エンジンの回転駆動力がトルクコンバータ1に入力されて、ポンプインペラ20とタービンランナ30とが軸線X周りで相対回転すると、ポンプコア23とタービンコア33との間の空間S内の作動流体(オイル)が、接合部333、233により攪拌されて、空間S内に作動流体の循環流R1が形成されるようになっている。
これにより、実施の形態にかかるトルクコンバータ1では、タービンコア33とポンプコア23の間の空間S内の作動流体も、ポンプインペラ20からタービンランナ30側へのトルクの伝達に寄与することになる。
ここで、トルクコンバータ1では、タービンコア33とポンプコア23とが軸線Xの軸方向で間隔を空けて対向配置されており、タービンコア33とポンプコア23で囲まれた空間S内には、ステータ40から径方向外側に向けて流れる作動流体が流入するようになっている(図3、矢印f1参照)。
実施の形態では、タービンコア33の接合部333は、外径側の先端331bよりもポンプコア23側に所定長さh、ポンプコア23の接合部233は、外径側の先端231bよりもタービンコア33側に所定長さh、それぞれ突出しており、空間S内に流入した作動流体が接合部333、233と干渉せずに径方向外側に通流することができる空間S内の幅Wが狭められている。
これにより、接合部333、233と干渉せずに、ポンプコア23の接合部233との間を径方向外側に向けて通流する作動流体の量が抑えられるので、ステータ40側から空間S内に流入した作動流体の多くをトルクの伝達に寄与させることができるようになっている。
図4は、トルクコンバータの性能曲線であり、図中実線は従来のトルクコンバータの性能曲線を、鎖線は実施の形態にかかるトルクコンバータ1の性能曲線を示している。
実施の形態にかかるトルクコンバータ1では、空間S内に形成される作動流体の循環流R1がトルクの伝達に寄与するので、コンバータ領域からカップリング領域までの略全領域に亘って、従来のトルクコンバータよりもトルク容量が向上するようになっている。
以下、タービンコア33とポンプコア23の作成を説明する。
図5は、タービンコア33とポンプコア23の作製過程を説明する図であり、(a)は、コア部材331、231をプレス成形により形成する際に用いられる円弧状の板状部材Pbの形状を、この板状部材Pbが打ち抜かれる金属板Paの形状と共に示した図であり、(b)は、(a)の円弧状の板状部材Pbのプレス成形により得られるコア部材331を示した図であり、(c)は、(a)の円弧状の板状部材Pbのプレス成形により得られるコア部材231を示した図である。
図5に示すように、コア部材331、231は、一枚の金属板Paの打ち抜きにより円弧形状の板状部材Pbを得たのち、得られた円弧状の板状部材Pbのプレス成形により作製される。
ここで、板状部材Pbは、最終的に作製されるコア部材331、231の径方向の幅Wよりも大きい幅W1を有すると共に、周方向の両端に接合部333、233となる延出片Pb3を備える形状に打ち抜かれる。
ここで、板状部材Pbは、その外形が略円弧形状を有しているため、矩形形状の金属板からひとつの板状部材Pbを打ち抜く場合には、従来のリング状のコアを作成する場合(図6の(b)参照)に比べて、金属板の面積を小さくすることができると共に、打ち抜き後に捨てられる部分の面積を小さくすることができる。
また、矩形形状の金属板Paから複数の板状部材Pbを打ち抜く場合には、図5の(a)に示すように、打ち抜き位置を調整して板状部材Pbを密に配置することで、打ち抜き後に捨てられる部分の面積を、より小さくできる。
そのため、複数のコア部材331、231を接合してリング状のコア(タービンコア33、ポンプコア23)を作製する場合には、歩留まりの向上と作製コストの低減が可能となる。
得られた板状部材Pbのプレス成形では、板状部材Pbは、径方向における内径側Pb1と外径側Pb2とが同方向に位置するように湾曲させられると共に、接合部333となる部分(延出片Pb3)が、内径側Pb1および外径側Pb2と同方向に折り曲げられて、図5の(b)、(c)に示すコア部材331、231が作製される。
これにより、プレス成形により得られたコア部材331、231は、軸線X周りの周方向で隣接する他のコア部材331、231と、互いの接合部333、233同士をロウ付けにより接合して、リング状のタービンコア33(図2の(a)参照)、ポンプコア23とされる。
以上の通り、実施の形態では、ポンプインペラ20とタービンランナ30とが同軸(軸線X)上で相対回転可能に設けられており、ポンプシェル21のタービンシェル31との対向面に設けられたポンプブレード22と、タービンシェル31のポンプシェル21との対向面に設けられたタービンブレード32とが、それぞれリング状のコア(ポンプコア23、タービンコア33)で支持されたトルクコンバータ1において、円弧状のコア部材231、341の周方向の端部同士を接合して、リング状のコア(ポンプコア23、タービンコア33)を形成した。
このように構成すると、リング状のコア(ポンプコア23、タービンコア33)が複数の円弧状のコア部材231、331を接合して形成されるので、金属板の打ち抜きとプレス成形によりリング状のコアを作製する場合に比べて、金属板の利用面積を広く取ることができ、打ち抜き後に捨てられる部分を少なくすることができる。これにより、歩留まりの向上と作製コストの低減が可能となる。
さらに、コア部材231、331の周方向における両端には、周方向の直交方向に延びる接合部233、333が設けられており、コア部材231、341は、周方向で隣接する他のコア部材231、331と、互いの接合部233、333同士をロウ付けにより接合してリング状のコア(ポンプコア23、タービンコア33)を形成しており、接合部233、343は、同軸(軸線X)上で対向配置されたポンプコア23とタービンコア33との間の空間S内に突出している構成とした。
このように構成すると、トルクの伝達に寄与しないポンプコア23とタービンコア33の間の空間S内の作動流体が、接合部233、333により攪拌されて、空間S内に作動流体の循環流R1が新たに形成される。これにより、ポンプコア23とタービンコア33の間の空間S内における作動流体の循環が、トルクコンバータ1におけるトルク伝達に寄与するので、トルクコンバータ1のトルク容量係数が増大して、トルク伝達の効率が向上する。
また、従来のトルクコンバータのようにポンプコア23とタービンコア33との間に、本願の接合部233、333に相当するものが存在しない場合には、ポンプインペラ20とタービンランナ30とが同軸(軸線X)上で相対回転する際に、ポンプコア23とタービンコア33との間の空間S内の圧力が周囲よりも低い負圧状態になってしまう。かかる場合、タービンランナ30からステータ40を通ってポンプインペラ20側に移動する作動流体の一部が、空間S側に引き寄せられて、トルクの伝達に関与できなくなる。
本願の場合、空間S内に突出した接合部233、333により、空間S内の作動流体が攪拌されて負圧状態になることが防止されるので、トルクの伝達に関与できない作動流体の発生を好適に抑えることができる。
さらに、従来のトルクコンバータのようにポンプコア23とタービンコア33との間に、本願の接合部233、333に相当するものが存在しない場合であって、リング状のポンプコア23とタービンコア33とを採用している場合には、空間S内に負圧状態が生じると、ポンプコア23とタービンコア33の内径側と外径側が空間S内に引き込まれて変形することがあった(図6の(a)矢印A参照)。
かかる場合、ポンプコア23で支持されたポンプブレード22や、タービンコア33で支持されたタービンブレード32が、ポンプコア23とタービンコア33の変形に追従して変形して、トルクコンバータ内の循環流Rに乱れが生じることがあるので、トルク容量係数に悪影響を及ぼす虞があった。
これに対して本願の場合、円弧状のコア部材231、331は、周方向で隣接する他のコア部材231、331と、互いの接合部233、333同士をロウ付けにより接合してリング状のコア(ポンプコア23、タービンコア33)を形成しており、接合部233、343が空間S内に突出しているので、この接合部233、343が、リング状のコア(ポンプコア23、タービンコア33)の剛性強度を高めている。
そのため、仮に空間S内に負圧状態が生じても、従来のトルクコンバータのように、ポンプコア23とタービンコア33の内径側と外径側とが、空間S内に引き込まれて変形することが好適に防止されるようになっている。よって、従来の場合のように、トルクコンバータ内の循環流Rに乱れが生じて、トルク容量係数に悪影響を及ぼすことが好適に防止されている。
さらに、トルクコンバータの流体性能のひとつの指標であるトルク容量係数(トルク容量)は、大きくなるほど燃費が向上することが知られている。従来のトルクコンバータでは、トルク容量係数を大きくするためには、トルクコンバータの内部に形成される循環流Rを大きくする必要があり、そのためにはトルクコンバータを大型化させる必要があった。
本願の場合、ポンプコア23とタービンコア33との間に新たに形成される循環流R1によりトルク容量係数を上昇させているので、トルクコンバータを大型化させることなくトルク容量係数を大きくするという要求に応えることができる。
また、車両に搭載された自動変速機の場合、高速度比側の方が低速度比側よりも使用頻度が高くなる。本願の場合、低速度比から高速度比までの略全域に亘ってトルク容量係数を大きくすることができるので、使用頻度の高い高速度比側での燃費向上も可能となる。
さらに、タービンコア33とポンプコア23とが軸線Xの軸方向で間隔を空けて対向配置されており、断面視においてコア部材231、331は、その内径側と外径側とが同方向に位置するように湾曲した形状を有しており、延出部233、333は、コア部材231、331の周方向における両端から、コア部材の内径側および外径側と同方向に延びており、延出部233、333の先端233a、333aは、コア部材231、331の内径側と外径側231b、331bの先端よりも、それぞれタービンコア33、ポンプコア23側に所定長さh突出して、空間S内に位置している構成とした。
このように構成すると、空間S内の作動流体を、延出部233、333により確実に攪拌できるので、空間S内の作動流体をトルクの伝達に寄与させることができる。
さらに、ステータ40から径方向外側に向けて流れる作動流体のうち、接合部333、233と干渉せずに、空間Sから径方向外側に排出される作動流体の量を抑えることができるので、ステータ40側から空間S内に流入した作動流体の多くをトルクの伝達に寄与させることができる。
前記した実施の形態では、リング状のコア(ポンプコア23、タービンコア33)を軸方向から見て、軸線X(回転中心軸)周りの周方向に等間隔(120°間隔)で3つに分割した形状に相当するコア部材231、331の場合を例示した。
しかし、コア部材の数は3つに限定されるものではなく、例えば、2つのコア部材からリング状のコアを形成するようにしても、4つ以上のコア部材からリング状のコアを形成するようにしても良い。かかる場合、リング状のコア(ポンプコア23とタービンコア33)の周方向における接合部233、333の数が増えるので、ポンプコア23とタービンコア33の間の空間S内の作動流体の攪拌効率が向上する。そうすると、ポンプコア23とタービンコア33との間の循環流R1のトルク伝達への寄与が向上するので、トルク伝達効率がいっそう向上することになる。
さらに、実施の形態では、リング状のコア(ポンプコア23とタービンコア33)の接合部233、333が、リング状のコアの中心(軸線X)を通る直線Nに沿って直線状に設けられている場合を例示した。
しかし、接合部233、333は、直線Nに対して所定角度傾けて設けられるようにしても良い。かかる場合、接合部233、333の外径側が、ステータ40の回転方向における上流側に位置するように所定角度を設定することで、ポンプコア23とタービンコア33の間の空間S内の作動流体の攪拌効率を向上させることが可能となる。
1 トルクコンバータ
2 本体ケース
3 入力軸
10 フロントカバー
11 円板部
12 円筒部
20 ポンプインペラ
21 ポンプシェル
22 ポンプブレード
23 ポンプコア
24 インペラスリーブ
30 タービンランナ
31 タービンシェル
32 タービンブレード
33 タービンコア
34 タービンハブ
40 ステータ
210 凹部
221 爪部
222 爪部
231 コア部材
232 スリット
233 接合部
310 スリット
321 爪部
322 爪部
331 コア部材
332 スリット
333 接合部
R 循環流
R1 循環流
S 空間
X 軸線

Claims (2)

  1. ポンプインペラとタービンランナとが同軸上で相対回転可能に設けられており、前記ポンプインペラの前記タービンランナとの対向面に設けられたブレードと、前記タービンランナの前記ポンプインペラとの対向面に設けられたブレードとが、それぞれリング状のコアで支持されたトルクコンバータにおいて、
    円弧状のコア部材の周方向の端部同士を接合して、前記リング状のコアを形成し
    前記コア部材の周方向における両端には、前記周方向の直交方向に延びる延出部が設けられており、
    前記コア部材は、前記周方向で隣接する他のコア部材と、互いの延出部同士を接合して前記リング状のコアを形成しており、
    前記延出部は、同軸上で対向配置された前記ポンプインペラ側のコアとタービンランナ側のコアとの間に突出していることを特徴とするトルクコンバータにおけるコア構造。
  2. 断面視においてコア部材は、その内径側と外径側とが同方向に位置するように湾曲した形状を有しており、
    前記延出部は、前記コア部材の前記周方向における両端から、前記コア部材の内径側および外径側と同方向に延びており、
    前記延出部の先端は、前記コア部材の内径側と外径側の先端よりも突出していることを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータにおけるコア構造。
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