JP5765984B2 - 偏光分離素子および画像投射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入射光を偏光方向に応じて分離する偏光分離素子に関し、特に入射光の波長よりも小さい格子周期を有するワイヤーグリッド(一次元格子構造)と誘電体膜の多層膜層とにより構成される偏光分離素子に関する。
金属により形成された1次元格子構造を入射光の波長(使用波長ともいう)よりも小さな格子周期で形成したワイヤーグリッドは、偏光方向が異なる光を分離する作用を有する。微細加工技術の進歩により、基板上に形成された可視波長オーダーの微細な格子周期を有するワイヤーグリッドが特許文献1にて開示されている。
一般に、ワイヤーグリッドは、s偏光を反射してp偏光を透過するように設計される。ただし、実際には、透過すべきp偏光が一部反射される。p偏光が反射されると、偏光分離特性や光の利用効率が低下する。
そこで、p偏光の反射を抑える目的で、ワイヤーグリッドと基板や入射媒質との界面に誘電体薄膜や誘電体グリッドを積層して形成した層を配置した偏光分離素子が特許文献2にて開示されている。また、基板により発生する非点収差を抑えたり格子の扱い易さを向上させたりすることを目的として、透明基板やプリズムに挟み込んで用いるワイヤーグリッド偏光分離素子が特許文献3にて開示されている。
特表2003−502708号公報 特表2008−523422号公報 特表2003−519818号公報
しかしながら、特許文献1〜3にて開示された偏光分離素子では、十分なs偏光の反射率を得るために、ワイヤーグリッドの格子厚を大きくする必要があるため、透過すべきp偏光がワイヤーグリッドによって吸収されてしまう。
また,透明基板やプリズムに挟み込んで用いるワイヤーグリッド偏光分離素子は,基板による非点収差が発生しない反面、入射側を空気や真空とした場合に比べてp偏光反射率が大きくなる。
本発明は、p偏光の反射率を抑えつつ十分なs偏光の反射率を確保でき、ワイヤーグリッドによる吸収損失を低減することを可能とした偏光分離素子およびこれを用いた画像投射装置を提供する。
本発明の一側面としての偏光分離素子は、入射光を偏光方向によって分離する。該偏光分離素子は、光入射側から順に、光学ガラスと、複数の誘電体膜が積層されて構成された入射側多層膜層と、入射光の波長よりも小さい格子周期を有し、金属により形成された一次元格子構造とを有する。一次元格子構造の厚みが50nm以下であり、入射側多層膜層よりも光入射側にある光学ガラスを入射媒質とするとき、上記複数の誘電体膜は、入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体膜と、入射媒質の屈折率よりも低い屈折率を有する誘電体膜とを少なくとも1つずつ含み、複数の誘電体膜の表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射し、入射側多層膜層を構成する複数の誘電体膜の屈折率のうち最も高い屈折率をn とし、最も低い屈折率をn とし、複数の誘電体膜のうち最も低い屈折率n を有する誘電体膜内を進行する入射光と該誘電体膜の法線とのなす角を屈折角θ とするとき、n ,n ,θ が0.9<(n /n )×tanθ <1.1を満足することを特徴とする。
なお、該偏光分離素子を、色分離光学系に用いた画像投射装置も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明では、一次元格子構造(ワイヤーグリッド)よりも光入射側に、入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体膜と入射媒質の屈折率よりも低い屈折率を有する誘電体膜とを積層した入射側多層膜層を配置している。これにより、p偏光の反射率を抑えつつ十分なs偏光の反射率を確保でき、ワイヤーグリッドによる吸収損失を低減させるようにした偏光分離素子を実現することができる。
本発明の代表的な実施例である偏光分離素子の構成を示す図。 図1の偏光分離素子の偏光分離部の構成を示す図。 本発明の実施例1である偏光分離素子の偏光分離部の構成を示す図。 実施例1の偏光分離部の特性を示す図。 本発明の実施例2である偏光分離素子の偏光分離部の構成を示す図。 実施例2の偏光分離部の特性を示す図。 本発明の実施例3である偏光分離素子の偏光分離部の構成を示す図。 実施例3の偏光分離部の特性を示す図。 実施例3の変形例を示す図。 本発明の実施例4である偏光分離素子の偏光分離部の構成を示す図。 実施例4の偏光分離部の特性を示す図。 本発明の実施例5である偏光分離素子の偏光分離部の構成を示す図。 実施例5の偏光分離部の特性を示す図。 本発明の実施例6である偏光分離素子の偏光分離部の構成を示す図。 実施例6の偏光分離部の特性を示す図。 本発明の実施例7である液晶プロジェクタの構成を示す図。 比較例1の偏光分離素子の構成および特性を示す図。 比較例2の偏光分離素子の構成および特性を示す図。 比較例3の偏光分離素子の構成および特性を示す図。 実施例の変形例を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず具体的な実施例の説明に先立って、本発明の代表的な実施例としての偏光分離素子の構成について、図1および図2(a),(b)を用いて説明する。
偏光分離素子10は、2つの透光性を有するプリズム1,2と、これらプリズム1,2の間に配置された偏光分離部3とによって構成されている。
s偏光とp偏光を含む(つまりは無偏光光である)入射光は、プリズム2を透過して偏光分離部3に入射する。偏光分離部3は、その偏光分離作用によって、入射光のうちs偏光を反射し、p偏光を透過する。偏光分離部3で反射されたs偏光はプリズム2を透過して偏光分離素子10から射出し、偏光分離部3を透過したp偏光はプリズム1を透過して偏光分離素子10から射出する。入射光の波長(使用波長)は、400〜700nmの可視波長域の全部または一部である。
ここで、入射光と偏光分離部3の法線とを含む平面を入射平面と称する。この入射平面内で電界が振動する光をp偏光といい、入射平面と垂直な方向にて電界が振動する光をs偏光という。また、偏光分離部3の詳しい構成については後述する。
なお、本実施例では、偏光分離部3を間に挟むプリズム1,2を含めて偏光分離素子10と称するが、偏光分離素子としては必ずしもプリズム1,2は必要ではない。例えば、図20(a)に示すように、プリズム2と偏光分離部3とにより偏光分離素子10′を構成してもよいし、図20(b)に示すように、2枚の透光性を有する平板1″,2″の間に偏光分離部3を配置して偏光分離素子10″を構成してもよい。また、プリズムも平板も用いず、偏光分離部3のみで偏光分離素子を構成してもよい。
図2(a)には、本実施例の偏光分離素子10における偏光分離部3の概略構成を示す。偏光分離部3は、光入射側(プリズム2側)から光射出側(プリズム1側)に順に、入射側多層膜層3cと、ワイヤーグリッド3aと、射出側多層膜層3bとを有する。入射側多層膜層3cと射出側多層膜層3bはそれぞれ、複数の誘電体膜が積層されて構成されている。ワイヤーグリッド3aは、金属により形成され、入射光の波長より小さい格子周期を有する一次元格子構造である。射出側多層膜層3bは、必ずしも設けられなくてもよい。
なお、この図では、偏光分離部3の構造を分かりやすくするために、ワイヤーグリッド3aや多層膜層3c,3bの構造を誇張して示しており、プリズム1,2と偏光分離部3との実際の寸法関係はこの図とは異なる。
図2(b)には、ワイヤーグリッド3aの概略構成を示している。ワイヤーグリッド3aは、金属により形成された格子部(以下、金属格子部という)4と、該金属格子部4の間に挟まれた格子間部5とが交互に配列されて構成されている。ワイヤーグリッドの偏光特性を決定するパラメータは、格子厚さd、金属格子部4の幅wおよび格子周期Λと格子幅wとの比w/Λで表されるフィリングファクタFFである。ワイヤーグリッド3a(金属格子部4)は、先にも説明したが、入射光の波長よりも十分に小さい格子周期Λを持つ。
図1に示すように、プリズム2の入射面に垂直な方向に延びる軸(偏光分離部3の入射面に垂直な方向に対して45度をなす方向に延びる軸)をz軸とし、入射光の各光線とz軸とがなす角度を入射角と定義する。このとき、プリズム2にはある程度の角度範囲(例えば、±10°)の入射角で入射光が入射する。この角度範囲を入射角範囲と定義すると、ワイヤーグリッド3aによるp偏光の反射率がこの入射角範囲内で最小値を持つためには、格子周期Λと格子幅wとが以下の条件(1)を満足する必要がある。
0.25≦w/Λ(=FF)≦0.60 (1)
フィリングファクタFFが条件(1)の上限値より大きくなると、p偏光の反射率が最小となる角度が大きくなって入射角範囲を超えてしまう。このため、入射角範囲でp偏光の反射率を効果的に抑えることが困難となる。また、フィリングファクタFFが条件(1)の下限値より小さくなると、p偏光の反射率が最小となる角度が小さくなり、入射角範囲を超えてしまう。このため、p偏光の反射率を効果的に抑えることが困難になる。この結果、偏光分離部3を透過すべきp偏光が偏光分離部3で反射することになり、偏光分離特性が低下したり光の利用効率が低下したりする。
さらに、条件(1)の下限値と上限値の範囲内で、格子周期Λが小さいときにはフィリングファクタFFは大きく、格子周Λ期が大きくなるとフィリングファクタFFは小さい方が良好な偏光分離特性が得られることが分かった。
また、ワイヤーグリッド3aが偏光分離特性を有するためには、ワイヤーグリッド3aを入射光の波長より小さい格子周期で形成する必要がある。特に、良好な偏光分離特性を得るためには、格子周期が入射光の波長に対して十分に小さいことが好ましい。例えば、入射光の最小波長が400nmである場合には、格子周期を120nm以下に設定することが好ましい。
さらに、格子厚さdと格子幅wが、以下の条件(2)を満足することが望ましい。
d/w≦2.0 (2)
d/wが条件(2)の上限値を超えると、格子厚さdが格子幅wに対して大きくなりすぎて格子の製造が困難になるとともに、格子の強度が低くなり、所望の偏光分離性能を得ることが難しくなる。また、式(2)を満足することにより、ワイヤーグリッドの格子厚さdを薄くすることで、ワイヤーグリッドによる光の吸収損失を低減させることができる。
格子間部5は、空気または誘電体により形成される。格子間部5が空気により形成される場合には、より良好な偏光分離特性が得られるものの、格子の製造の容易さを考慮すると、格子間部5が誘電体により形成されることが好ましい。この場合、格子間部5の誘電体を、入射側多層膜層3cおよび射出側多層膜層3bのうち一方または両方を構成する複数の誘電体膜のうちワイヤーグリッド3aに隣接する誘電体膜を形成している誘電体と同じ誘電体としてもよい。
本実施例では、入射側多層膜層3cおよび射出側多層膜層3bはそれぞれ、互いに異なる屈折率を有する少なくとも2つの誘電体膜により形成されている。さらに言えば、本実施例では、入射側多層膜層3cよりも光入射側の媒質を入射媒質とする。このとき、入射側および射出側多層膜層3c,3bのそれぞれを構成する複数の誘電体膜は、入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体膜(誘電体層)と、入射媒質の屈折率よりも低い屈折率を有する誘電体膜(誘電体層)とを少なくとも1つずつ含む。本実施例では、入射媒質は、プリズム2の内部を満たす光学ガラス等の材料である。入射側および射出側多層膜層3c,3bのそれぞれを構成する複数の誘電体膜のうち、入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する少なくとも1つの誘電体膜をH又はH層と表す(例えば、図参照)。また、入射媒質の屈折率よりも低い屈折率を有する少なくとも1つの誘電体膜をL又はL層と表す。また、少なくとも1つのH層の屈折率のうち最も高い屈折率をn,とし、少なくとも1つのL層の屈折率のうち最も低い屈折率をnとする。この場合、屈折率nと屈折率nは以下の条件(3)を満足することが望ましい。
/n>1.4 (3)
さらに、L層の誘電体膜内を進行する光線と該L層の法線とのなす角を屈折角θとする。この場合、n,n,θは以下の条件(4)を満足することが望ましい。
0.9<(n/n)×tanθ<1.1 (4)
条件(3)は、H層とL層の界面にてs偏光を反射させるための条件である。n/nが条件(3)の下限値より小さくなると、s偏光の反射率が低下し、良好な偏光分離特性を得ることが困難となる。また、条件(4)は、入射角範囲内のある入射角において、H層とL層の界面がブリュースター角の条件を満たすことを表す。
本実施例では、条件(3)と(4)を満足することにより、多層膜層3b,3cに入射した光のうちp偏光を透過させ、かつs偏光を反射させる偏光分離作用を良好に得ることができる。このような効果は、射出側多層膜層3bを設けず、入射側多層膜層3cのみを設けるだけでも得られるので、射出側多層膜層3bが設けられていない場合も本発明の実施例の1つである。ただし、射出側多層膜層3bを設けることで、ごく僅かに入射側多層膜層3cで反射しきれなかったs偏光をも反射させることができるので、いわゆる漏れ光としてのs偏光を効果的に低減することができる。
以上のように構成された偏光分離部3により、ワイヤーグリッド3aで反射すべきs偏光の一部を入射側多層膜層3cや射出側多層膜層3bで反射させることができるため、従来に比べてワイヤーグリッド3aの格子厚を大幅に小さくすることができる。これにより、ワイヤーグリッド3aで吸収されるp偏光を減少させることができる。言い換えれば、入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体膜(誘電体層)と、入射媒質の屈折率よりも低い屈折率を有する誘電体膜(誘電体層)とを少なくとも1つずつ含むように構成することで、s偏光が反射し、p偏光が透過する構造となる。これにより、ワイヤーグリッド3aによるs偏光の反射を補助する作用が働き、よりs偏光の反射率を高めることができる。なお、多層膜層において最も入射媒質側の層を、高い屈折率を有する層(H層)にすることにより、偏光分離特性が向上されるのでより好ましい。
一般的なワイヤーグリッドでは、十分なs偏光の反射特性を得るために、格子厚が100nm以上に設定されることが多い。一方、本実施例では、ワイヤーグリッド3aの格子厚を50nm以下としても、s偏光の反射率として90%以上を得ることが可能となる。
また、偏光分離部3が良好な角度特性を得るためには、入射側多層膜層3cおよび射出側多層膜層3bにおいてワイヤーグリッド3aに隣接する誘電体膜は、各多層膜層3c,3bを構成する複数の誘電体膜のうち最も屈折率が低い誘電体膜であることが望ましい。
さらに、各多層膜層3b,3cは、ワイヤーグリッド3aに対して非対称な構造を有していてもよいが、対称な構造を有する場合には、プリズム2から光が入射する場合だけでなく、プリズム1から光が入射する場合でも各偏光に対する光学特性が等しくなる。このため、偏光分離素子を使用する光学系の構成の自由度が高くなる。
図3に、本発明の実施例1の偏光分離部3の構成を示す。図3には示していないプリズム(図1中のプリズム1,2)の屈折率は1.75であり、入射側および射出側多層膜層はプリズム2よりも屈折率が高いH層と屈折率が低いL層の2種類の層が交互に積層されて構成されている。すなわち、偏光分離部3は、光入射側から順に、HLHLHLワイヤーグリッドLHLHという構成を有する。入射側および射出側の多層膜層のいずれにおいても、ワイヤーグリッドに隣接する誘電体膜は、L層である。なお、本実施例では、すべてのH層の屈折率がnで等しく、すべてのL層の屈折率がnで等しい。
各層の屈折率と厚さを表1に示す。ワイヤーグリッドを形成する金属はアルミニウムであり、格子厚は25nm、フィリングファクタは0.45、格子周期は100nmである。格子間の媒質は空気である。
プリズム2の入射面に垂直に光が入射した場合、つまりは偏光分離部3にその表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射した場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図4(a)に示し、波長ごとの吸収損失を図4(b)に示す。
図4(a)の第1縦軸(左側の縦軸)はp偏光の反射率を、第2縦軸(右側の縦軸)はs偏光の反射率を表す。図4(b)の縦軸は吸収損失を示す。これらの図の横軸は波長を示す。
図4(a),(b)に示すように、本実施例の偏光分離部3は、波長500〜600nmにおいて、s偏光の反射率RはR>95%であり、s偏光およびp偏光のそれぞれに対する吸収損失As,Apは、As<5%,Ap<5%と優れた特性を有する。
また、波長550nmにおけるp偏光およびs偏光の反射率Rp,Rsの入射角特性を図4(c)に示す。図4(c)の第1縦軸はp偏光の反射率を、第2縦軸はs偏光の反射率を、横軸は入射角を示す。ここにいう入射角とは、プリズム2内において光線が偏光分離部3の表面に垂直な方向となす角度であり、該垂直な方向を0°と定義する。図4(c)から分かるように、本実施例は、プリズム2内での入射角が45°付近であるときに、p偏光の反射率Rpが十分低くなるように最適化されている。
なお、本実施例では、2種類の誘電体膜のみを用いて多層膜層を構成したが、他の屈折率を持つ誘電体膜を含ませてもよい。
(比較例1)
図17(a)に比較例1の偏光分離素子を示す。比較例1の偏光分離素子は、プリズム1,2,とそれらの間に配置された偏光分離部とにより構成されているが、偏光分離部はワイヤーグリッド3aのみで構成されている。ワイヤーグリッド3aのパラメータやプリズム1,2の屈折率は実施例1と同じである。
プリズム2の入射面に垂直に光が入射した(偏光分離部にその表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす方向から光が入射した)場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図17(b)に、波長ごとの吸収損失を図17(c)にそれぞれ示す。図17(b),(c)中の縦軸および横軸は、図4(a),(b)と同じである。このことは、後述する他の比較例でも同じである。
図17(b)に示すように、s偏光反射率RsはRs<75%と小さく、多層膜層を設けない構造では、ワイヤーグリッド3aの格子厚が薄い場合には、十分なs偏光の反射率が得られない。また、図17(c)に示すように、吸収損失は、実施例1に比べてs偏光およびp偏光ともに大きい。これは、実施例1では入射側多層膜層で一部が反射されていたs偏光が全てワイヤーグリッド3aに入射し、ワイヤーグリッド3aへのs偏光の入射量が実施例1より多いことから、ワイヤーグリッド3aで吸収されるs偏光の量も大きくなるためである。
また、p偏光の吸収損失が増加するのは、ワイヤーグリッド3aと射出側のプリズム1の界面での反射が増加し、多重反射が起きやすくなるために、ワイヤーグリッド3aで吸収されるp偏光が増えるためである。
このように、ワイヤーグリッドのみを用いて偏光分離部を構成する場合には、単純に薄いワイヤーグリッドを用いただけではs偏光の反射率が小さく、吸収損失も大きくなる。したがって、光の利用効率が低下し、実施例1のような低損失の偏光分離素子の実現は困難である。
(比較例2)
図18(a)に、比較例2の偏光分離素子の構成を示す。比較例2の偏光分離素子は、比較例1と同様に、プリズム1,2の間に配置された偏光分離部がワイヤーグリッド3aのみで構成されている。ワイヤーグリッド3aの格子厚が100nmである以外は、パラメータやプリズム1,2の屈折率は実施例1と同じである。
プリズム2の入射面に垂直に光が入射した場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図18(b)に、波長ごとの吸収損失を図18(c)にそれぞれ示す。
図18(b)に示すように、ワイヤーグリッド3aの格子厚を大きくしたことにより、p偏光の反射率が15%程度と高くなっている。s偏光の反射率は90%程度と比較例1よりは高いが、実施例1の方がさらに10%程度高い。
また、図18(c)から、吸収損失は、s偏光およびp偏光とも実施例1と比較して大きいことが分かる。p偏光の吸収損失が増加するのは、ワイヤーグリッド3aを厚くしたことにより、ここを透過する際に吸収されるp偏光が増加したためである。一方、s偏光の吸収損失が増加したのは、比較例1と同様に、ワイヤーグリッド3aに入射するs偏光が増加したためである。
このように、ワイヤーグリッドのみを用いて偏光分離部を構成する場合には、s偏光の反射率を上げるためにワイヤーグリッドを厚くしても、実施例1ほどの反射率は得られない。また、p偏光の反射率が大きくなり、吸収損失も増えてしまう。したがって、実施例1のような低損失の偏光分離素子の実現は困難である。
(比較例3)
図19(a)に比較例3の偏光分離素子の偏光分離部3の構成を示す。比較例3では、偏光分離部3が、光入射側から順に、LHLHワイヤーグリッドHLHと、屈折率の高いH層がワイヤーグリッドに隣接する構成を有する。各層の屈折率と厚さを表7に示す。また、フィリングファクタが0.3であること以外は、ワイヤーグリッドのパラメータや不図示のプリズムの屈折率は実施例1と同じである。
波長550nmにおけるp偏光およびs偏光の反射率の入射角特性を図19(b)に示す。この図から分かるように、本比較例は、実施例1と同様に、プリズム内での入射角45°付近でのp偏光の反射率が最小となるよう最適化されている。しかし、実施例1と比較すると、入射角による反射率の変化がp偏光およびs偏光ともに実施例1より大きい。
このように、ワイヤーグリッドに隣接する誘電体膜が屈折率が高いH層であると、屈折率が小さいL層が隣接する場合に比べて入射角特性が低下し、広い入射角で使用した場合の偏光分離特性が低下する原因となる。したがって、ワイヤーグリッドに隣接する誘電体膜の屈折率は小さい(L層を隣接させる)方が望ましい。
図5には、本発明の実施例2である偏光分離素子における偏光分離部3の構成を示す。実施例1と同様の不図示の2つのプリズムの屈折率は、本実施例でも1.75である。偏光分離部3は、入射媒質(プリズム)の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体膜をHとし、入射媒質の屈折率より低い屈折率を有する誘電体膜をLとすると、光入射側から順に、HLHLワイヤーグリッドLHLHという構成を有する。各層の屈折率と厚さを表2に示す。また、ワイヤーグリッドはアルミニウムにより形成され、格子厚は18nm、フィリングファクタは0.40、格子周期は100nmである。格子間の媒質は空気である。
プリズムの入射面に垂直に光が入射した(偏光分離部3にその表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射した)場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図6(a)に、波長ごとの吸収損失を図6(b)にそれぞれ示す。これらの図中の縦軸および横軸は、図4(a),(b)と同じである。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
図6(a),(b)に示すように、本実施例の偏光分離部3は、波長500〜600nmにおいて、s偏光の反射率RpはRp>95%であり、s偏光およびp偏光のそれぞれに対する吸収損失As,Apは、As<5%,Ap<5%と優れた特性を有する。
この偏光分離部3は、ワイヤーグリッドに関して入射側多層膜層と射出側多層膜層とが対称な構成を有する。すなわち、入射側多層膜層と射出側多層膜層とがいずれも、ワイヤーグリッド側からLHLHの4層により構成されている。このような対称構造により、光がどちらの多層膜層から入射した場合でも、同じ光学特性を示す。これにより、本実施例の偏光分離素子を光学系の一部として利用する際に、偏光分離素子の配置自由度を高くすることができる。
図7には、本発明の実施例3である偏光分離素子の偏光分離部3の構成を示す。実施例1と同様の不図示の2つのプリズムの屈折率は、本実施例でも1.75である。偏光分離部3は、光入射側から順に、HLHLHLワイヤーグリッドLHLHという構成を有する。各層の屈折率と厚さを表3に示す。また、ワイヤーグリッドはアルミニウムにより形成され、格子厚は32nm、フィリングファクタは0.37、格子周期は100nmである。格子間の媒質はL層の誘電体膜と同じ誘電体である。
プリズムの入射面に垂直に光が入射した(偏光分離部3にその表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射した)場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図8(a)に、波長ごとの吸収損失を図8(b)にそれぞれ示す。
図8(a),(b)に示すように、本実施例の偏光分離部3は、波長500〜600nmにおいて、s偏光の反射率RはR>95%であり、s偏光およびp偏光のそれぞれに対する吸収損失As,Apは、As<5%,Ap<5%と優れた特性を有する。
本実施例では、ワイヤーグリッドに隣接するL層と格子間の媒質としての誘電体とが同じ誘電体により構成されている。この構成を採用することで、格子間の媒質が空気である場合に比べて、より簡単に偏光分離部3(つまりは偏光分離素子)を製造することができる。例えば、一方のプリズムの表面に多層膜層とワイヤーグリッドを形成した後、誘電体によってワイヤーグリッドの格子間の空間を埋め、さらにその上に同じ誘電体により薄膜を形成する。この場合、格子間の空間を誘電体によって完全に埋めてもよいし、部分的な隙間が残るように埋めてもよい。なお、偏光分離部3製造方法はこれに限定されない。
本実施例では、入射側および射出側多層膜層の両方においてワイヤーグリッドにL層が隣接し、該L層と同じ誘電体がワイヤーグリッドの格子間に配置された場合について説明した。しかし、図9に示すように、入射側および射出側多層膜層のうち一方においてワイヤーグリッドにL層が隣接し、該L層と同じ誘電体がワイヤーグリッドの格子間に配置されるようにしてもよい。
図10には、本発明の実施例4である偏光分離素子の偏光分離部3の構成を示す。実施例1と同様の不図示の2つのプリズムの屈折率は、本実施例では1.8である。偏光分離部3は、光入射側から順に、HLHLHLワイヤーグリッドLHLHLHという構成を有する。各層の屈折率と厚さを表4に示す。また、ワイヤーグリッドはアルミニウムにより形成され、格子厚は30nm、フィリングファクタは0.35、格子周期は100nmである。格子間の媒質はL層の誘電体膜と同じ誘電体である。
プリズムの入射面に垂直に光が入射した(偏光分離部3にその表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射した)場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図11(a)に、波長ごとの吸収損失を図11(b)にそれぞれ示す。
図11(a),(b)に示すように、本実施例の偏光分離部3は、波長500〜600nmにおいて、s偏光の反射率RはR>95%であり、s偏光およびp偏光のそれぞれに対する吸収損失As,Apは、As<5%,Ap<5%と優れた特性を有する。
図12には、本発明の実施例5である偏光分離素子の偏光分離部3の構成を示す。実施例1と同様の不図示の2つのプリズムの屈折率は、本実施例では1.6である。偏光分離部3は、光入射側から順に、HLHLHLワイヤーグリッドLHLHLHという構成を有する。各層の屈折率と厚さを表5に示す。また、ワイヤーグリッドはアルミニウムにより形成され、格子厚は34nm、フィリングファクタは0.35、格子周期は100nmである。格子間の媒質はL層の誘電体膜と同じ誘電体である。
プリズムの入射面に垂直に光が入射した(偏光分離部3にその表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射した)場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図13(a)に、波長ごとの吸収損失を図13(b)にそれぞれ示す。
図13(a),(b)に示すように、本実施例の偏光分離部3は、波長420〜500nmにおいて、s偏光の反射率RはR>95%であり、s偏光およびp偏光のそれぞれに対する吸収損失As,Apは、As<5%,Ap<5%と優れた特性を有する。
図14には、本発明の実施例6である偏光分離素子の偏光分離部3の構成を示す。実施例1と同様の不図示の2つのプリズムの屈折率は、本実施例では1.6である。偏光分離部3は、光入射側から順に、HLHLワイヤーグリッドという構成を有する。すなわち、本実施例では、入射側多層膜層は設けられているが、射出側多層膜層は設けられていない。
各層の屈折率と厚さを表6に示す。また、ワイヤーグリッドはアルミニウムにより形成され、格子厚は45nm、フィリングファクタは0.42、格子周期は100nmである。格子間の媒質はL層の誘電体膜と同じ誘電体である。
プリズムの入射面に垂直に光が入射した(偏光分離部3にその表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射した)場合の波長ごとのs偏光およびp偏光の反射率を図15(a)に、波長ごとの吸収損失を図15(b)にそれぞれ示す。
図15(a),(b)に示すように、本実施例の偏光分離部3は、波長500〜600nmにおいて、s偏光の反射率RはR>95%であり、s偏光およびp偏光のそれぞれに対する吸収損失As,Apは、As<3%,Ap<7%と優れた特性を有する。
実施例1〜6における条件(1)〜(4)の値を表8にまとめて示す。
図16には、本発明の実施例7として、実施例1〜実施例6のうちいずれかにて説明した偏光分離素子を用いた液晶プロジェクタ(画像投射装置)の構成を示す。液晶プロジェクタ100は、光源ランプ21と、偏光変換素子20と、ダイクロイックミラー24と、波長選択性位相差板25と、偏光ビームスプリッタ10a,10bとを有する。偏光ビームスプリッタ10a,10bのうち少なくとも一方が、実施例1〜6のいずれかにて説明された偏光分離素子に相当する。
また、液晶プロジェクタ100は、光変調素子である反射型液晶パネル23g,23b,23rと、位相差板22b,22g、22rと、色合成プリズム27と、投射レンズ(投射光学系)30とを有する。
光源ランプ21から発せられた白色光(緑色光12g、青色光12bおよび赤色光12rを含む)は、偏光変換素子20を含む照明光学系を通り、平行光束11となって偏光変換素子20に入射する。
偏光変換素子20は、光源ランプ21から入射した無偏光光を、s偏光(緑偏光13g,青偏光13bおよび赤偏光13r)に変換する。次に、ダイクロイックミラー24に入射した緑偏光13g,青偏光13bおよび赤偏光13rのうち緑偏光13gはダイクロイックミラー24により反射され、青偏光13bおよび赤偏光13rはダイクロイックミラー24を透過する。緑偏光13gは、偏光ビームスプリッタ10aにて反射され、位相差板22gを通過して緑用反射型液晶パネル23gに入射する。一方、青偏光13bおよび赤偏光13rは波長選択性位相差板25に入射し、赤偏光13rのみが該波長選択性位相差板25によって偏光方向を90°変換される。これにより、青偏光13bはs偏光のまま、赤偏光13rはp偏光として偏光ビームスプリッタ10bに入射する。
そして、青偏光13bは偏光ビームスプリッタ10bにより反射され、位相差板22bを通過して青用反射型液晶パネル23bに入射する。また、赤偏光13rは、偏光ビームスプリッタ10bを透過して、位相差板22rを通過して赤用反射型液晶パネル23rに入射する。ダイクロイックミラー24から偏光ビームスプリッタ10a,10bまでの光学系が、光源からの光を複数の色光に分離する色分離光学系に相当する。
各反射型液晶パネルは、入射した光を画像信号に応じて反射されるとともに変調されて、画像光(緑色画像光26g,青色画像光26bおよび赤色画像光26r)となる。緑用反射型液晶パネル23gにより変調された緑色画像光26gは、位相差板22gを再び通過し、偏光ビームスプリッタ10aを透過して色合成プリズム27に入射する。また、青用反射型液晶パネル23bにより変調された青色画像光26bは、位相差板22bを再び通過し、偏光ビームスプリッタ10bを透過して色合成プリズム27に入射する。赤用反射型液晶パネル23rにより変調された赤色画像光26rは、位相差板22rを再び通過し、偏光ビームスプリッタ10bで反射されて色合成プリズム27に入射する。
緑色光26gは色合成プリズム27内のダイクロイック膜27aによって反射され、青色画像光26bおよび赤色画像光26rはダイクロイック膜27aを透過する。これにより、緑色光26g、青色画像光26bおよび赤色画像光26rは合成されて投射レンズ30に入射し、投射レンズ30によって不図示のスクリーン等の被投射面に投射される。偏光ビームスプリッタ10bおよび色合成プリズム27により色合成光学系が構成される。
本実施例では、色分離光学系と色合成光学系とが一体の色分離合成光学系として形成されているが、例えば透過型液晶パネルを用いる場合のように色分離光学系と色合成光学系とがそれぞれ別々に構成されていてもよい。また、光変調素子として、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の液晶パネル以外のものを用いてもよい。
本実施例の液晶プロジェクタは、偏光ビームスプリッタ10a,10bのうち少なくとも一方に実施例1〜6のいずれかにて説明した偏光分離素子を用いることにより、明るく高コントラストな投射画像を表示することができる。
なお、本実施例では、偏光変換素子20を用いて光源ランプ21からの無偏光光をs偏光に変換する場合について説明したが、p偏光に変換してもよい。また、ダイクロイックミラー24によって、白色光のうち緑色光を分離する場合について説明したが、他の色光を分離してもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
p偏光の反射率を抑えつつ十分なs偏光の反射率を確保でき、ワイヤーグリッドによる吸収損失を低減させる偏光分離素子およびこれを用いた画像投射装置を提供できる。
1,2 プリズム
3 偏光分離部
3a ワイヤーグリッド
3b,3c 多層膜層

Claims (9)

  1. 入射光を偏光方向によって分離する偏光分離素子であって、
    光入射側から順に、
    光学ガラスと、
    複数の誘電体膜が積層されて構成された入射側多層膜層と、
    前記入射光の波長よりも小さい格子周期を有し、金属により形成された一次元格子構造とを有し、
    前記一次元格子構造の厚みが50nm以下であり、前記入射側多層膜層よりも光入射側にある前記光学ガラスを入射媒質とするとき、前記複数の誘電体膜は、前記入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体膜と、前記入射媒質の屈折率よりも低い屈折率を有する誘電体膜とを少なくとも1つずつ含み、
    前記複数の誘電体膜の表面に垂直な方向に対して45度の角度をなす入射方向から光が入射し、前記入射側多層膜層を構成する前記複数の誘電体膜の屈折率のうち最も高い屈折率をn とし、最も低い屈折率をn とし、前記複数の誘電体膜のうち前記最も低い屈折率n を有する誘電体膜内を進行する前記入射光と該誘電体膜の法線とのなす角を屈折角θ とするとき、n ,n ,θ が以下の条件を満足することを特徴とする偏光分離素子。
    0.9<(n /n )×tanθ <1.1
  2. 前記一次元格子構造において、前記格子周期が120nm以下であり、かつ該格子周期Λと格子幅wとが以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の偏光分離素子。
    0.25≦w/Λ≦0.60
  3. 前記最も高い屈折率n前記最も低い屈折率nとが以下の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の偏光分離素子。
    /n>1.4
  4. 前記一次元格子構造の格子間に、空気または誘電体が配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の偏光分離素子。
  5. 前記格子間に配置された前記誘電体が、前記入射側多層膜層を構成する前記複数の誘電体膜のうち前記一次元格子構造に隣接する誘電体膜を形成する誘電体と同じ誘電体であることを特徴とする請求項に記載の偏光分離素子。
  6. 前記入射側多層膜層を構成する前記複数の誘電体膜のうち前記一次元格子構造に隣接する誘電体膜の屈折率は、前記複数の誘電体膜の屈折率のうち最も低い屈折率であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の偏光分離素子。
  7. 前記一次元格子構造よりも光射出側に、前記入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体膜と、前記入射媒質の屈折率よりも低い屈折率を有する誘電体膜とを含む複数の誘電体膜が積層されて構成された射出側多層膜層を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の偏光分離素子。
  8. 光源からの光を複数の色光に分離する色分離光学系と、
    前記複数の色光をそれぞれ変調する複数の光変調素子と、
    該複数の光変調素子からの前記複数の色光を被投射面に投射する投射光学系とを有し、前記色分離光学系に、請求項1からのいずれか1項に記載の偏光分離素子が含まれていることを特徴とする画像投射装置。
  9. 前記色分離光学系には、請求項7に記載の偏光分離素子が含まれており、
    前記色分離光学系は、前記偏光分離素子に互いに異なる波長帯域の複数の光が入射するように構成されており、
    前記偏光分離素子は、前記一次元格子構造に関して前記入射側多層膜層と前記射出側多層膜層が対称な構造を有する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像投射装置。
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