JP5765689B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Description
このように回転数が頻繁に変化することにより、内燃機関用点火装置の各回路に流れる電流が増減を繰り返し、回路動作に伴う発熱量も変化する。そのため、発熱と放熱のバランスが崩れて回路デバイスなどが高温になる可能性がある。
そこで、内燃機関用点火装置には、予め定められた規定値以上の電流が当該装置を構成するパワートランジスタに流れることを防ぐ過電流保護回路や、パワートランジスタの過熱を検知して、任意の規定値以上に温度が達したときに電流を遮断する過熱保護回路などの自己保護回路を備えて、当該点火装置ならびに点火コイルが異常発熱によって損傷することを防ぐものがある。
上記の電流制限回路は、IGBTのエミッタ電流を検出する電流検出抵抗に発生した検出電圧と基準電圧とを比較し、比較結果に応じてIGBTのゲート電圧を制御してコレクタ・エミッタ間に流れる電流を制限するように構成されている。
また、上記の過電流を防ぐ保護回路は、過熱検知回路、ラッチ回路、カウンタ回路、ステップ波形発生回路などによって構成されている。
この装置は、点火コイルの一次電流の導通・遮断を行うIGBTの発熱を過熱検知回路が検知し、また、一次電流の通電時間をタイマー回路によってカウントするように構成されている。
この装置は、上記の過熱検知回路がIGBTの過熱を検知したとき、又はタイマー回路が長い通電を検知したときに、ラッチ回路から信号を出力させてソフトシャットオフ回路を起動し、IGBTのゲート電圧を低速で減じて熱破損等を防いでいる。
このように保護回路を半導体チップに集積すると、例えば回路定数などを容易に変更することができないことから、設計変更が必要となった場合には新たに半導体チップを製作することになる。
即ち、多種多様な顧客ニーズに合わせることが難しくなり、汎用性の乏しい点火装置になってしまう。そのため、少量多品種の生産を行うことになり、設計・製造コストならびに生産管理等に要するコストの抑制が困難になるという問題点があった。
図1は、参考例1の内燃機関用点火装置の概略構成を示す回路図である。
図示した内燃機関用点火装置1は、定電圧回路20、長通電検出回路40、ソフトオフ回路50、点火コイルユニット60を備えている。
定電圧回路20は、バッテリ10から供給された直流電力を所定電圧に変換し、この直流電圧を一定に維持して出力する構成を有している。
定電圧回路20の出力点には、コンパレータ30、抵抗31,32によって構成されたコンパレータ回路が接続されており、当該コンパレータ回路が外部入力の点火信号を所定の信号レベルへ変換するように回路接続されている。
ソフトオフ回路50は、抵抗57を介して長通電検出回路40から出力される検出信号によって動作制御されるトランジスタ51、トランジスタ51の動作によって充放電を行うソフトオフ用コンデンサ52、ソフトオフ回路50の出力点とグランド(以下、GNDと記載する)との間を接続し、ソフトオフ用コンデンサ52の放電電流を制限して放電に要する時間を定めるソフトオフ用抵抗53を備えている。
トランジスタ51のエミッタは定電圧回路20の出力点に接続され、コレクタは抵抗54を介してコンパレータ30の出力端子および抵抗55の一端に接続されている。
抵抗55の他端は、ソフトオフ用抵抗53の一端とスイッチング素子64の制御端子に接続されている。なお、ソフトオフ用コンデンサ52の他端ならびにソフトオフ用抵抗53の他端は、いずれもGNDへ接続されている。
トランジスタ51のベースは、抵抗56の一端と抵抗57の一端の接続点に接続されている。抵抗56の他端は、定電圧回路20の出力電圧が印加されるように回路接続されており、抵抗57の他端は、長通電検出回路40から出力される検出信号を入力するように回路接続されている。
点火コイル61の二次側コイル63の一端は、点火プラグ70の中心電極に接続され、二次側コイル63の他端はGNDへ接続されている。
スイッチング素子64として例えばIGBTを用いた場合には、制御端子のゲートが抵抗53と抵抗55との接続点に接続され、コレクタは一次側コイル62の他端に接続され、エミッタはGNDへ接続される。
図2は、図1の内燃機関用点火装置の動作を示す説明図である。この図は、内燃機関用点火装置1の各部において観測される電圧または電流の経時変化を示すタイミングチャートである。
この図は、図中最上段から、ECU等から入力する点火信号、その下段に長通電検出回路40の出力信号、その下段にソフトオフ回路50の出力信号、即ちスイッチング素子64のゲート電圧、その下段に点火コイル61の一次側コイル62に流れる一次電流、その下段に点火コイル61の二次側コイル63に発生する二次電圧を示している。
上記の抵抗56,57に電流が流れるとトランジスタ51のベース電流が流れて、当該トランジスタ51のコレクタ・エミッタ間が導通状態になる。このとき、定電圧回路20からトランジスタ51を介した充電電流がソフトオフ用コンデンサ52に供給されて電荷の充電が行われる。なお、上記のようにトランジスタ51が導通状態になっているときには、定電圧回路20の出力電圧が供給されているトランジスタ51から抵抗54を介してコンパレータ30の出力点に所定電圧が印加される。
コンパレータ30の出力点には前述のトランジスタ51および抵抗54を介した所定電圧が印加されており、この所定電圧に上記のonレベルの点火信号が重畳され、抵抗55を介してスイッチング素子64のゲートへ入力される。
スイッチング素子64は、上記の所定電圧が重畳されたonレベルの点火信号を、抵抗55を介して入力すると導通状態(on状態)に遷移する。スイッチング素子64のコレクタ・エミッタ間が導通すると、バッテリ10からの電力によって点火コイル61の一次側コイル62に一次電流が流れて磁気エネルギが蓄積する。
スイッチング素子64が導通状態から遮断状態に遷移すると、一次側コイル62に流れている一次電流が遮断され、誘導起電力によって二次側コイル63に高電圧の二次電圧が発生する。点火プラグ70は、二次側コイル63から高電圧の二次電圧が供給されると放電電極に放電火花を発生する。
このように、点火信号のon・offレベルの遷移に応じて点火プラグ70に放電火花を発生させる。
具体的には、上記の動作において、点火信号がドエルタイム、もしくはドエルタイムよりも長い期間を超過してonレベルを維持していることを、図2に示した検出時点Aにおいて検出すると、通常状態において低電位の信号レベルとなっている検出信号を所定の高電位の信号レベルへ遷移させる。なお、この所定の高電位の信号レベルは、抵抗57の他端に印加したとき、直列接続されている抵抗56,57に電流が流れなくなる電圧である。
抵抗56,57に電流が流れなくなると、トランジスタ51のベース電流も流れなくなり、当該トランジスタ51のコレクタ・エミッタ間が遮断状態になってソフトオフ用コンデンサ52に供給されていた充電電圧が消失し、またトランジスタ51および抵抗54を介してコンパレータ30の出力点に印加されていた所定電圧も消失する。
ソフトオフ用抵抗53に放電電流が流れると、当該ソフトオフ用抵抗53に電圧が生じ、詳しくはソフトオフ用抵抗53とスイッチング素子64のゲートとの接続点に電圧(ゲート電圧)が発生する。ソフトオフ用コンデンサ52から放電電流が流れ始めた時点においては、このとき発生したゲート電圧によってスイッチング素子64は導通状態を維持する。
このように一次電流が緩やかに減少するときには、点火プラグ70に放電火花を発生させる程の高電圧が発生せず、ソフトオフ期間B、もしくはその直後において大きな二次電圧は発生しない。
なお、ソフトオフ用コンデンサ52から放電電流が出力されているとき、コンパレータ30の出力信号は、異常な状態(onレベルを長く維持した状態)の点火信号と同様に高電位の信号レベルを維持していることから、上記の放電電流は抵抗54から抵抗55へ向かって流れる。
また、このときには、トランジスタ51および抵抗54を介してコンパレータ30の出力点に印加されていた所定電圧が消失しており、スイッチング素子64のゲートへ入力される電圧は、上記の放電電流によって生じる電圧を除くとスイッチング素子64が遮断状態となる値まで小さくなっている。
また、バイポーラトランジスタをスイッチング素子64に用いた内燃機関用手点火装置1は、ベース電流を制御することによってスイッチング素子64を導通・遮断させること以外は、前述の動作説明と同様に動作し、ソフトオフ回路50は電流制御によってスイッチング素子64の導通・遮断動作を制御する。なお、各抵抗等は電流制御を行うことが可能な値を有するものとなる。
バイポーラトランジスタをスイッチング素子64として用いたとき、ベース電流はソフトオフ用抵抗53に流れる電流に応じて変化することから、ソフトオフ用抵抗53に流れる電流によってスイッチング素子64のベース電流を制御し、当該スイッチング素子64を遮断状態から導通状態へ、または導通状態から遮断状態へ遷移させる。
特に、ソフトオフ用コンデンサ52から放電電流が出力される際には、時間経過による放電電流の減少にともなってベース電流が緩やかに小さくなり、スイッチング素子64のコレクタ・エミッタ間は緩やかに導通状態から遮断状態へ遷移する。
特に、内燃機関用点火装置1をダイレクトイグニッション装置として構成した場合には、点火プラグ70に直接接続している点火プラグユニット60の過熱ならびに損傷を防ぐことができ、異常な点火信号がECU等から出力された場合に、エンジンヘッド等において過熱や当該加熱に起因する漏電などの障害発生を防ぐことができる。
また、ソフトオフ用コンデンサ52の容量値ならびにソフトオフ用抵抗53の抵抗値の設定によって、スイッチング素子64を導通状態から遮断状態へ遷移させる際に要する時間を設定・調整するように構成したので、点火コイル61や点火プラグ70の種類もしくは性能などに対応させてソフトオフ回路50の動作を容易に設定・変更することができる。
図3は、参考例2の内燃機関用点火装置の概略構成を示す回路図である。
ここでは、内燃機関用点火装置1と同様あるいは相当する部分に同じ符号を用いて説明する。また、内燃機関用点火装置1と同様な構成について重複説明を省略する。
参考例2の内燃機関用点火装置2は、前述の内燃機関用点火装置1と同様に、コンパレータ30および抵抗31,32によって構成されたコンパレータ回路、定電圧回路20、長通電検出回路40、点火コイルユニット60を備えている。また、図3に示したように回路構成されたソフトオフ回路50aを備えている。
詳しくは、ソフトオフ回路50aは、コンパレータ30の出力点に、抵抗80の一端、トランジスタ81のベース、および長通電検出回路40の出力点を接続している。
抵抗80の他端は、抵抗56の他端およびトランジスタ51のエミッタとともに、定電圧回路20の出力電圧が供給されるように回路接続されている。
また、ソフトオフ回路50と同様に、抵抗57の他端は長通電検出回路40から出力される検出信号を入力するように回路接続されており、抵抗56の一端と抵抗57の一端の接続点にトランジスタ51のベースが接続されている。
抵抗55の他端およびソフトオフ用抵抗53の一端は、スイッチング素子64の制御端子に接続され、例えばIGBTをスイッチング素子64として用いた場合には、スイッチング素子64のゲートに接続される。抵抗53の他端は、GNDに接続されている。
なお、点火コイルユニット60は、内燃期間用点火装置1のものと同様に構成されている。
図3のコンパレータ回路は、外部から入力した点火信号のレベルを変換し、ソフトオフ回路50aの入力点に出力する。前述のようにコンパレータ30の出力端子には、定電圧回路20の出力電圧が印加された抵抗80が接続されており、長通電検出回路40から出力される検出信号が低電位となっているときには抵抗80側から電流が流れる。この抵抗80に流れる電流は、コンパレータ30から出力される点火信号に応じて変化する。また、抵抗80に流れる電流によってトランジスタ81のベース電流が流れることから、トランジスタ81のベース電流は、上記の点火信号のレベル遷移に対応して変化し、当該トランジスタ81のコレクタ電流も点火信号のレベル遷移に対応して変化する。
また、トランジスタ51が導通状態になっているときには、定電圧回路20から当該トランジスタ51を介して充電電流がソフトオフ用コンデンサ52に流れて電荷の蓄積が行われる。
スイッチング素子64は、長通電検出回路40の検出信号が有意を示していないときには、ゲート電圧が点火信号のon・offレベルに応じて変化することから、点火信号が示すタイミングで一次側コイル62に流れる一次電流の導通・遮断を行う。この一次電流の導通・遮断により、二次側コイル63から高電圧の二次電圧が点火プラグ70へ出力され、放電火花が発生して内燃機関の燃焼行程が行われる。
このとき、トランジスタ81のベース電流が流れなくなることから、当該トランジスタ81は遮断状態になってコレクタ電流も流れなくなる。即ち、トランジスタ81によってコンパレータ30から出力された点火信号が遮断され、スイッチング素子64のゲートへ入力されなくなる。
また、長通電検出回路40からの検出信号が高電位の信号レベルになると、抵抗56,57に流れていた電流もなくなることから、トランジスタ51も遮断状態になって定電圧回路20からソフトオフ用コンデンサ52に供給していた充電電流が遮断される。
ソフトオフ用コンデンサ52から流れ始めた放電電流は、ソフトオフ用抵抗53などによって電流値が制限されて緩やかに減少する。スイッチング素子64のゲート電圧は放電電流の減少に伴って低下し、当該スイッチング素子64は緩やかに導通状態から遮断状態へ遷移する。
また、バイポーラトランジスタをスイッチング素子64に用いた内燃機関用手点火装置2においては、ソフトオフ回路50aが電流制御によってスイッチング素子64の導通・遮断動作を制御する。そのため、各抵抗等は電流制御を行うことが可能なものとなる。
この内燃機関用点火装置2は、ベース電流によってスイッチング素子64が導通・遮断すること以外はIGBTを用いた場合と同様に動作する。
また、バイポーラトランジスタをスイッチング素子64として用いたとき、当該スイッチング素子64のベース電流はソフトオフ用抵抗53に流れる電流に応じて変化することから、参考例1で説明したものと同様にソフトオフ用抵抗53に流れる電流を用いてスイッチング素子64のベース電流を制御し、スイッチング素子64を遮断状態から導通状態へ、または導通状態から遮断状態へ遷移させる。
図4は、この発明の実施例による内燃機関用点火装置の概略構成を示す回路図である。
ここでは、内燃機関用点火装置1と同様あるいは相当する部分に同じ符号を使用して説明する。また、内燃機関用点火装置1等と同様な構成については重複説明を省略する。
本実施例による内燃機関用点火装置3は、前述の内燃機関用点火装置1等と同様な長通電検出回路40および点火コイルユニット60を備えている。
内燃機関用点火装置3は、長通電検出回路40と点火コイルユニット60との間を接続するソフトオフ回路50bを備えている。
トランジスタ100は、例えばNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタは抵抗101を介してダイオード103のアノード等に接続されている。また、トランジスタ100のエミッタはGNDに接続されており、当該トランジスタ100は、外部から入力した点火信号のバイパス経路を形成するように回路接続されている。即ち、抵抗101、トランジスタ100によって点火信号のバイパス回路が構成されている。
上記のダイオード103のアノードと抵抗101の接続点は、前述の長通電検出回路40と同様に例えば入力端子等に接続され、この入力端子等を介して外部から点火信号が入力されるように接続されている。
ソフトオフ用コンデンサ104の一端には、ダイオード103のカソードが接続されている。また、このダイオード103とソフトオフ用コンデンサ104との接続点には抵抗106の一端が接続されている。また、抵抗106の一端には、ソフトオフ用抵抗105の一端が接続されている。
抵抗106の他端は、点火コイルユニット60のスイッチング素子64の制御端子に接続されており、例えばスイッチング素子64にIGBTを用いた場合には、抵抗106の他端はスイッチング素子64のゲートと接続される。
ソフトオフ用コンデンサ104の他端およびソフトオフ用抵抗105の他端は、GNDに接続されている。
点火コイルユニット60は、参考例1ならびに参考例2で説明したものと同様に接続構成されており、一次側コイル62の一端にはバッテリ10の高電位側電極が接続され、二次側コイル63の一端には点火プラグ70の中心電極が接続されている。
なお、バッテリ10の低電位側電極、二次側コイル63の他端、点火プラグ70の接地電極はGNDに接続されている。
外部から点火信号を入力した長通電検出回路40は、この点火信号が通常のドエルタイムで信号レベルが遷移しているときには、例えばGNDレベルの検出信号を生成する。そのため、このとき長通電検出回路40の出力端子等には信号電流が流れず、トランジスタ100のベース電流も流れない。即ち、トランジスタ100は遮断状態になっている。
このようにトランジスタ100が遮断状態になっているときには、外部入力の点火信号は、ダイオード103を通過してソフトオフ回路50bへ入力される。
onレベルへ遷移した点火信号が、ダイオード103から抵抗106を介してスイッチング素子64のゲートへ入力されると、当該スイッチング素子64は導通状態になり、一次側コイル62に一次電流が流れる。
この後、上記の点火信号がonレベルからoffレベルへ遷移すると、スイッチング素子64は導通状態から遮断状態へ遷移し、一次電流が遮断されて二次側コイル63に高電圧の二次電圧が発生する。この二次電圧が供給された点火プラグ70は放電火花を発生し、内燃機関の燃焼行程が行われる。
正常な点火信号が入力されているとき、即ち長通電検出回路40が点火信号から長い通電時間を検出していないときには、上記の点火動作を繰り返す。
トランジスタ100は、上記のようにベース電流が流れるとコレクタ・エミッタ間が導通状態になり、外部から点火信号を入力する入力端子とGND部分との間を抵抗101を介して接続し、入力端子とGNDとの間に点火信号のバイパス経路を形成して当該点火信号がダイオード103へ入力されないようにする。換言すると、ソフトオフ回路50bが入力していた、もしくはスイッチング素子64へ入力していた点火信号を遮断する。
上記の充電電圧が消失すると、ソフトオフ用コンデンサ104から放電電流が出力され、ソフトオフ用抵抗105へ流れる。この放電電流は、ソフトオフ用抵抗105の抵抗値によって制限され、ソフトオフ用コンデンサ104から緩やかに出力される。
なお、このとき点火信号はonレベルを維持していることから、ダイオード102のカソード側が高電位になっており、ソフトオフ用コンデンサ104から出力された放電電流は、ダイオード102を流れずにソフトオフ用抵抗105へ向かう。
ソフトオフ用抵抗105に放電電流が流れることによって生じる電圧、詳しくはソフトオフ用抵抗105と抵抗106との接続点に生じる電圧は、当該抵抗106を介してスイッチング素子64のゲートへ入力される。
ソフトオフ用コンデンサ104からの放電電流が時間経過に伴って減少すると、ソフトオフ用抵抗105から抵抗106を介して入力されるスイッチング素子64のゲート電圧も緩やかに低下する。
スイッチング素子64は、ゲート電圧の低下に伴って導通状態から遮断状態へ緩やかに遷移する。即ち、図4の一次側コイル62に流れる一次電流も、図2のソフトオフ期間Bに示したように、緩やかに減少して高電圧の二次電圧発生が抑制される。このように、点火信号が所定期間以上長くonレベルを維持しているときには、点火コイル61から高電圧が出力されず、点火プラグ70には放電火花が発生しなくなる。
また、スイッチング素子64にバイポーラトランジスタを用いた内燃機関用手点火装置3においては、ソフトオフ回路50bが電流制御によってスイッチング素子64の導通・遮断動作を制御する。そのため、各抵抗等は電流制御を行うことが可能なものとなる。
この内燃機関用点火装置3は、ベース電流によってスイッチング素子64が導通・遮断すること以外はIGBTを用いた場合と同様に動作する。
また、バイポーラトランジスタをスイッチング素子64として用いたとき、当該スイッチング素子64のベース電流はソフトオフ用抵抗105に流れる電流に応じて変化することから、ソフトオフ用抵抗105に流れる電流を用いてスイッチング素子64のベース電流を制御し、スイッチング素子64を遮断状態から導通状態へ、または導通状態から遮断状態へ遷移させる。
また、回路デバイス数を抑えた簡素な構成によって点火コイル61の一次電流を緩やかに減少させるようにしたので、製造コストなどを抑制することができ、また、点火コイル61や点火プラグ70の特性等に適応させる設定・変更を容易に行うことができる。
10バッテリ
20定電圧回路
30コンパレータ
31,32,54,55,56,57,80,101,106抵抗
40長通電検出回路
50,50a,50bソフトオフ回路
51,81,100トランジスタ、
52,104ソフトオフ用コンデンサ
53,105ソフトオフ用抵抗
60点火コイルユニット
61点火コイル
62一次側コイル
63二次側コイル
70点火プラグ
102,103ダイオード
Claims (3)
- 一次側コイルに流れる一次電流が遮断されたとき二次側コイルに二次電圧を発生する点火コイルと、
前記一次電流を導通・遮断するスイッチング素子と、
外部から入力した点火信号が所定時間以上の長い通電時間を示したことを検出する長通電検出部と、
前記点火信号が有する電圧を用いて電荷を充電するソフトオフ用コンデンサと前記ソフトオフ用コンデンサの放電電流を制限するソフトオフ用抵抗とを有するソフトオフ部と、
前記長通電検出部が前記長い通電時間を検出したとき前記点火信号が前記スイッチング素子へ入力されないようにバイパス経路を形成するバイパス回路と、
を備え、
前記ソフトオフ部は、
前記バイパス回路が前記点火信号をバイパスすると、
前記ソフトオフ用コンデンサから放電電流を出力して、前記ソフトオフ用抵抗に流れる放電電流を用いて前記スイッチング素子を制御し、前記点火コイルに高電圧の二次電圧が発生しないように前記スイッチング素子を緩やかに導通状態から遮断状態へ遷移させる、
ことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 前記スイッチング素子は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、
前記ソフトオフ部は、前記放電電流が流れた前記ソフトオフ用抵抗に発生する電圧によって前記スイッチング素子のゲート電圧を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。 - 前記スイッチング素子は、バイポーラトランジスタであり、
前記ソフトオフ部は、前記ソフトオフ用抵抗に流れる前記放電電流によって前記スイッチング素子のベース電流を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
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