JP5762111B2 - モータ保持構造及び電気機器 - Google Patents
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Description
ビス固定用孔が設けられたフランジを外周面に有するモータを本体キャビネットに固定する場合、従来、ビスとフランジとの間に防振用のゴム(防振スペーサ)を介在させ、モータから装置本体に伝わる振動を抑える構成にしていた。
特許文献1には、モータの外周に形成されたフランジと、該フランジに固定される環状の固定板と、該固定板に複数形成された防振ゴム係合孔と、モータベースにネジ止め部材を介して固定され、前記防振ゴム係合孔に係合する環状溝を有する円筒状の防振ゴムとを備えたファンモータの支持装置の発明が開示されている。
防振スペーサを、モータのフランジを固定する固定板とモータベースとの間、及びビスと固定板との間に介在させる特許文献1の発明の場合も、上記と同様にビス頭と防振スペーサとの接触面積が小さいため、モータから固定板を介しモータベースに伝わる振動を十分に低減することができないという問題があった。
また、いずれの場合も、フランジ又は固定板の両側に防振スペーサを配してビスで固定するため、モータの取り付けが煩雑であるという問題があった。
そして、本発明においては、固定環は、防振体を挟み込む部分と、保持体に密着する密着部とを、周方向に交互に有するので、固定環を保持体にバランス良く確実に固定することができ、かつ、防振体も固定環及び保持体に対し、確実に固定することができる。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る電気機器の一例としての送風装置である、実施の形態1に係る加湿装置1の内部構成を示す正面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII −III 線断面図である。
加湿装置1は、筐体2、モータ3及び送風ファン7を有する送風機20、加湿フィルタ8、貯水槽9、貯水タンク10、及びイオン発生素子11を備える。
筐体2の背面には、マトリクス状に複数個の吸気口21,21,…が形成されている。なお、吸気口21が形成された背板を筐体2の背面に着脱可能に構成することにしてもよい。
筐体2の上面部には、平面視が矩形状をなす吹出口22が形成されている。
筐体2の正面視の左側には、貯水タンク10が着脱可能に装着されている。貯水槽9は、貯水タンク10から供給された水を貯留する。
加湿フィルタ8は、貯水槽9の左右方向中央部から右側部に亘って、縦姿勢に配される。そして、加湿フィルタ8の下部は貯水槽9に浸水しており、これにより加湿フィルタ8は吸水する。
送風ファン7は、モータ3が作動することによって回転する。送風ファン7が回転した場合、図2に矢符で示すように、加湿装置1の外部から吸気口21,21,…を通過して空気が吸入される。空気は筐体2の背面に沿って下側に流れた後、加湿フィルタ8を通過するように前後方向に流れ、筐体2の正面に沿って下から上に流れ、送風ファン7を通って吹出口22から加湿装置1の外部へ排出される。
吹出口22の近傍にはイオン発生素子11が配されており、発生させたプラスイオン及びマイナスイオンを、排出する空気に付加するように構成されている。
図4はモータ3を示す分解斜視図、図5は防振スペーサ35を突起部34に取り付けた状態を示す斜視図、図6は防振スペーサ35を突起部34に取り付けた状態を示す断面図である。
モータ3は、モータ本体31と、出力軸32と、モータ本体31の外周面の略中央部に設けられたフランジ33と、該フランジ33の径方向に舌片状をなすように突設され、周方向に等配に設けられた4つの突起部34と、該突起部34を覆う、例えば合成ゴム製の防振スペーサ35とを備えている。防振スペーサ35は、突起部34に対向する面が開放している袋状をなし、突起部34にスライドさせて差し込むことで突起部34に取り付けられる。防振スペーサ35の下部の一側部にはモータ3のハーネスを通す隙間を作るための切り欠きが形成されている。
なお、防振スペーサ35の材質は合成ゴムに限定されるものではなく、他の合成樹脂からなるものであってもよい。
上述したように、キャビネット4の裏面側にはフランジ収納部41が突設されており、該フランジ収納部41の底面に形成された取付穴412にモータ3が嵌め込まれる。フランジ収納部41は、防振スペーサ35と略同一の形状をなし、図9に示すように防振スペーサ35の厚み方向の大部分を覆う深さを有するスペーサ嵌合凹部411を備えており、フランジ収納部41のスペーサ嵌合凹部411以外の部分はフランジ33の外縁部の少し外側を沿うように構成されている。キャビネット4のフランジ収納部41の周縁部には、周方向に4等配にビス止め孔42が設けられている。
合成樹脂製のモータ固定用アングル5は、スペーサ嵌合凹部411に嵌合された防振スペーサ35を覆う被覆部51と、キャビネット4に密着され、ビス挿通孔52aが形成された密着部52とが周方向に交互に形成されてなる。密着部52の表面には、外縁部、内縁部、及び外縁部及び内縁部を橋絡する複数のリブが設けられており、中央部が径方向外側に突出し、該中央部にビス挿通孔52aが設けられている。
モータ固定用アングル5をモータ本体31に嵌めてキャビネット4側にスライドさせ、防振スペーサ35を被覆部51で覆い、密着部52をキャビネット4の取付穴412の周縁部に当接させる。そして、密着部52のビス挿通孔52a及びビス止め孔42にビスを通して(図示せず)ビス止めし、密着部52を前記周縁部に密着させることにより、モータ3がキャビネット4に固定される。
モータ3により発生した振動は、突起部34に取り付けられた防振スペーサ35を介して、キャビネット4に伝動する。
このとき、突起部34に取り付けられた防振スペーサ35はモータ固定用アングル5及びキャビネット4と十分に大きい面積で接触しており、すなわち、防振スペーサ35と該防振スペーサ35の固定側の部材との接触面積が大きいため、モータ3の振動を吸収して、モータ3からキャビネット4を介し加湿装置1全体に伝動する振動量を十分に低減することができる。
本発明の実施の形態2に係るモータの保持構造は、モータ収納部及びモータ固定用アングルの形状が実施の形態1に係るフランジ収納部41及びモータ固定用アングル5の形状と異なること以外は、実施の形態1に係るモータの保持構造と同様の構成を有する。
本実施の形態においては、スペーサ嵌合凹部431に、リブ433及びリブ434が設けられているので、防振スペーサ35はリブ433及びリブ434に係止されてより強固にキャビネット4に固定される。
2 筐体
21 吸気口
22 吹出口
3 モータ
31 モータ本体
32 出力軸
33 フランジ
34 突起部
35 防振スペーサ
4 キャビネット
41、43 フランジ収納部
411、431 スペーサ嵌合凹部
412、432 取付穴
42 ビス止め孔
433、434 リブ
5、6 モータ固定用アングル
51 被覆部
52、61 密着部
52a、61a ビス挿通孔
62 挟持部
7 送風ファン
8 加湿フィルタ
9 貯水槽
10 貯水タンク
11 イオン発生素子
20 送風機
Claims (6)
- 取付穴が設けられた保持体の該取付穴にモータを嵌め込んで保持するモータ保持構造において、
前記モータの外周面に、該モータの出力軸に交叉する方向に延びる複数の突起部が設けられ、
弾性を有する材料からなり、前記複数の突起部を前記出力軸に平行な方向に挟む複数の防振体と、
前記モータに外嵌され、前記取付穴の周縁部に当接されて、前記防振体を該周縁部と挟み込んだ状態で前記モータを前記保持体に固定する固定環とを備え、
前記固定環は、前記防振体を挟み込む部分と、前記保持体に密着する密着部とを、周方向に交互に有し、前記密着部の表側に、外縁部、内縁部、並びに外縁部及び内縁部を橋絡する複数のリブを有し、中央にビス挿通孔を有することを特徴とするモータ保持構造。 - 前記防振体は、前記突起部を覆っていることを特徴とする請求項1に記載のモータ保持構造。
- 前記固定環の前記防振体を挟み込む部分は、前記防振体を覆うように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ保持構造。
- 取付穴が設けられた保持体の該取付穴にモータを嵌め込んで保持するモータ保持構造において、
前記モータの外周面に、該モータの出力軸に交叉する方向に延びる複数の突起部が設けられ、
弾性を有する材料からなり、前記複数の突起部を前記出力軸に平行な方向に挟む複数の防振体と、
前記モータに外嵌され、前記取付穴の周縁部に当接されて、前記防振体を該周縁部と挟み込んだ状態で前記モータを前記保持体に固定する固定環とを備え、
前記固定環は、前記防振体を挟み込む部分と、前記保持体に密着する密着部とを、周方向に交互に有し、前記防振体を挟み込む部分は、前記防振体の基端部のみを覆い、前記密着部の中央にビス挿通孔を有することを特徴とするモータ保持構造。 - 前記密着部は、前記防振体を挟み込む部分と、該部分に隣り合う防振体を挟み込む部分との中央に位置することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のモータ保持構造。
- 請求項1から5までのいずれか一つに記載のモータ保持構造を備える電気機器。
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