JP5761335B2 - 溶鋼への亜鉛添加方法および亜鉛添加鋼の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼の溶解工程において、溶鋼への亜鉛添加方法と、これを利用した亜鉛添加鋼の製造方法に関する。
従来、スクラップ等から混入する鋼中の亜鉛は、不純物として鋼製品の機械的特性を劣化する元素として扱われてきたことから、極低減量までの除去が望まれている。その一方で、一定量の亜鉛の添加は、例えば熱間工具鋼の靭性を向上せしめることを、本出願人はつきとめたことから、その手法を提案した(特許文献1参照)。特許文献1の手法は、Znを合金元素として利用することで熱間工具鋼の靭性の向上が可能である。
ところで、亜鉛は、鋼(鉄)に比べて融点、沸点の非常に低い揮発性元素である。よって、鋼の溶解工程では、金属亜鉛の状態で溶鋼中に単純に添加すると、その添加の直後から、多くが蒸発するなどして、外部へ抜けてしまい、目標とする添加量に対しての歩留が悪い。そこで、鋼への亜鉛添加手法に関しては、紙やプラスチックといった断熱材を介して、金属亜鉛を溶湯と同一成分の材料で被覆したものを事前に準備し、これを溶湯に投入することで、亜鉛の蒸発による歩留の低下を抑制できる手法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2007−224418号公報 特開平2−61006号公報
特許文献2の手法は、金属亜鉛を溶湯の深部にまで到達させることができ、亜鉛添加量の歩留向上に一定の効果を有する。しかし、添加される亜鉛自体は依然として金属単体の状態であることから、亜鉛が溶湯中に溶け込む一方で、亜鉛の蒸発量も多い。また、金属亜鉛の被覆工程が複雑であることから、コストが増加する要因も有している。よって、より簡便な手法で、更なる歩留の向上を達成することができる手法が求められている。
本発明の目的は、より歩留よくかつ簡便に、溶鋼に亜鉛を添加できる方法と、これを利用した亜鉛添加鋼の製造方法を提供することである。
溶鋼中に添加した亜鉛が直ちに蒸発する大きな要因は、これが金属単体の状態で添加されるからである。そこで、本発明者らは、亜鉛を化合物の状態で添加する手法を検討した。その結果、高い添加歩留と低い添加コストを同時に達成するのに適した亜鉛化合物の形態があることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、Znと、Alおよび/またはSiとの複合酸化物を溶鋼に投入することを特徴とする溶鋼への亜鉛添加方法である。そして、前記の溶鋼に、Caの酸化物を投入することを特徴とする溶鋼への亜鉛添加方法である。溶鋼は、熱間工具鋼の溶鋼であることが好ましい。
そして、上記の溶鋼への亜鉛添加方法によって亜鉛が添加された溶鋼を、鋳造することを特徴とする亜鉛添加鋼の製造方法である。鋳造後の亜鉛添加鋼に含まれるZnの含有量は、0.001質量%以上であることが好ましい。
本発明の添加方法によれば、例えば0.001質量%以上、さらには0.01質量%にも及ぶ亜鉛を、歩留よく、しかも低コストで鋼中に含有させることができる。そして、上記した量の亜鉛を含んだ亜鉛添加鋼を製造することができる。よって、特許文献1の熱間工具鋼の他、Zn含有量の高い鋼の製造に有用な技術となる。
本発明の方法における、亜鉛の添加に用いられる化合物等について、以下詳細に説明する。なお、本発明の方法は、以下の説明および実施例に記載の方法に限定されるものではない。
(1)溶鋼に投入する化合物は、Znと、Alおよび/またはSiとの複合酸化物とする。
溶鋼の温度は1600℃にも達する。そして、溶鋼に亜鉛を投入後、鋳造が完了するまでの間に亜鉛の蒸発が早く進行する原因は、この金属亜鉛自体が有する約900℃という沸点の低さ(蒸気圧の高さ)にある。したがって、金属亜鉛を、例えば1600℃、大気開放の環境下でも分解し難い(Zn成分の蒸気圧が低い)亜鉛化合物の形態にしてから溶鋼に投入すれば、化合物中の亜鉛成分は直ちに蒸発せず、溶鋼中に留まらせることができる。
本発明者らは、上記の条件を満たし得る亜鉛化合物を検討した。その結果、単なるZnの酸化物だと1600℃の高温下では分解が進み易いところ、ZnとAlとの複合酸化物や、ZnとSiとの複合酸化物であれば、該高温下でも容易に分解しないことを知見した。そして、これらの亜鉛化合物は、溶鋼中に通常含まれるSiやMn、Al、そしてMgやCaによって還元することができる。したがって、添加すべき亜鉛成分は、Znと、Alおよび/またはSiが化合した複合酸化物の状態で溶鋼に投入すれば、亜鉛成分が直ちに蒸発することなく、溶鋼中で還元反応が進み、その結果、多くの金属亜鉛が溶鋼中に添加されることとなる。
本発明の亜鉛化合物としては、ZnOとAlの複合酸化物である亜鉛アルミネートや、ZnOとSiOの複合酸化物である亜鉛シリケートを用いることができる。このうち、亜鉛シリケートは、亜鉛アルミネートよりも融点が低く、分解(還元反応)が比較的速く進むことから、所定量のZnを短時間で溶鋼中に添加することができる。しかし、上記の分解が速く進行する分、分解後のZnが気化して、溶鋼から抜け始めるまでの所要時間も、亜鉛アルミネートの場合より短い。実操業において、成分調整を終えた後の溶鋼は、通常、それより1時間も経たずに鋳造される。そして、成分調整の最後に亜鉛シリケートを投入すれば、該投入後の溶鋼から多量のZnが抜け始めるまでに、鋳造作業を終えることができる。よって、亜鉛シリケートの使用は、亜鉛の歩留向上に好ましい。一方、上記の還元反応が比較的遅く進む亜鉛アルミネートの場合、溶鋼中に投入した直後に、亜鉛化合物の急激な分解によるZnの蒸発による激しい発煙を抑えることができる。亜鉛アルミネートの使用は、実操業において、例えば排煙設備を簡素化できる点で好ましい。
溶鋼に投入する亜鉛化合物に、ZnとAlとの複合酸化物と、ZnとSiとの複合酸化物の両方を使用する場合は、それぞれの複合酸化物を投入してもよい他に、ZnとAlとSiが共に化合した複合酸化物の形態で投入してもよい。そして、本発明に係る亜鉛化合物は、そのまま溶鋼に投入してもよい他に、鋼の諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で、金属等で包んで投入してもよい。亜鉛化合物をそのまま投入したときは、亜鉛化合物が溶鋼の表面を覆うような状態となる。また、投入ガイド等を使用して、溶鋼の深部に投入してもよい。亜鉛化合物を投入するときは、その事前または事後において、溶鋼の上面をスラグで被覆しておいてもよい。これによって、溶鋼の上面が外気と触れるのを防止し、分解後のZnの蒸発を遅らせることができる。スラグの形成には、その組成も含めて、通常の手法を利用できる他に、後述する好ましい手法を適用することもできる。
(2)好ましくは、溶鋼に、Caの酸化物を投入する。
上記の手法によって、溶鋼中には多くの金属亜鉛を添加できたとしても、添加から長時間が経過すると、溶鋼中の亜鉛は溶鋼の上面より蒸発していく。そこで好ましくは、溶鋼に、さらにCaの酸化物を投入する。Caの酸化物は通常、鉄鋼精錬の造滓剤である。そして、本発明の場合、このCaの酸化物によるスラグが溶鋼の上面を被覆して、溶鋼の上面が外気と触れるのを防止する。これによって、溶鋼中の金属亜鉛は、その添加から長時間が経過しても、蒸発の進行を遅らせることができる。投入の時期は、添加後のZnが溶鋼中に十分に止まっているまでの間で、亜鉛化合物を投入する前後を問わない。亜鉛化合物に混合および/または化合することで、これと同時に投入してもよい。亜鉛化合物に混合および/または化合して投入する場合は、Caの酸化物の投入量は、亜鉛化合物と合わせた全体の10〜50質量%とするのが好ましい。この投入量が多くなりすぎると、投入時の亜鉛化合物の融点が下がって、亜鉛化合物の分解が速く進み、これに伴って、分解後のZnの蒸発時期も速くなる。スラグの流動性を上げるCaのフッ化物(CaF)は、Caの酸化物の一部と置換して、さらに投入してもよい。
(3)好ましくは、溶鋼は、熱間工具鋼の溶鋼である。
本発明の手法を熱間工具鋼の溶解工程に適用してZnを添加すれば、熱間工具鋼の靭性を向上することができる(特許文献1参照)。したがって、本発明の亜鉛添加方法は、熱間工具鋼の溶鋼への亜鉛添加に好適である。そして、亜鉛が添加された熱間工具鋼の溶鋼は、その鋳造後に0.001質量%以上のZnを含むことが、さらに好ましい。熱間工具鋼の成分組成には、特許文献1の他に、JIS等の規格鋼種や従来提案されてきた元素種も、必要に応じて添加が可能である。
JIS規格の熱間工具鋼SKD61を準備して、これに本発明の亜鉛添加方法を実施した。準備したSKD61の化学成分を表1に示す(Ni、W、Zn、Nb、Coは無添加である)。
Figure 0005761335
表1の鋼50gをMgO緻密質るつぼに入れて、電気抵抗炉で溶解した。そして、1600℃に維持した溶鋼の表面に、Zn成分の歩留を100%としたときに溶鋼中のZn含有量が計算上1.0質量%となるような投入量(以下、単に「計算量」という。)の亜鉛化合物(または金属亜鉛)を、以下の要領で、そのまま投入し、Ar雰囲気中で所定時間保持した。そして、保持後の溶鋼をるつぼごと水冷して、室温まで冷却し、凝固後の鋼中のZn含有量を分析することで、亜鉛の歩留を評価した。Zn含有量の分析は、スパーク放電を用いた発光分光分析で行った。
[本発明例1]
亜鉛アルミネート粉末(ZnO・Alと記す。化学量論組成で、ZnO:44.4質量%、Al:55.6質量%)を投入した。
[本発明例2]
本発明例1の亜鉛アルミネート粉末に、CaO粉末を混合したもの(ZnO・Al:90質量%、CaO:10質量%)を投入した。
[比較例1]
金属Znを投入した。
[比較例2]
ZnO粉末を投入した。
表2に、鋼中のZn含有量を示す。金属Znをそのまま投入した比較例1は、その投入の直後からZnが気化して、投入から30分保持後にほぼ全量が揮発し、歩留が悪い。Zn添加にZnOを用いた比較例2も、比較例1よりはZnの歩留が改善しているものの、投入の直後からZnOの分解が速く進んで、その分解後のZn成分が、30分が経過後には殆ど蒸発し、歩留が悪い。これに対して、本発明の亜鉛添加方法である本発明例1および2は、Znの歩留が大きく改善されている。そして、所定時間を経過した溶鋼を鋳造すれば、0.001質量%以上のZnを含む亜鉛添加鋼が得られることを確認できた。
なお、本発明例1、2を比較すると、亜鉛化合物にCaOを混合した本発明例2は、投入後の溶鋼の上面がスラグで覆われていたが、10分および30分が経過した時の溶鋼中のZn量は本発明例1よりも低かった。本発明例2の場合、亜鉛化合物にCaOを混合したことで、その投入時の亜鉛化合物の融点が少なからず下がるため、投入後の亜鉛化合物の分解は本発明例1に比較して速い。そして、実施例1の、溶鋼の全量が50gと少なかった条件においては、投入から数分で亜鉛化合物の分解が進んだと考えられる。よって、投入から数分の時点では、本発明例2の溶鋼中には、本発明例1よりも多くのZnが添加されていたと推測する。そして、この溶鋼中のZnは、溶鋼量が少なかったことに起因して、10分経過時には、既に気化し、スラグの存在下においても、溶鋼外に抜け始めていたものと推測する。
Figure 0005761335
Fe−15質量%Ni合金鋼を準備して、これに本発明の亜鉛添加方法を実施した。準備した上記合金鋼の化学成分を表3に示す(Cr、Mo、W、V、Zn、Nb、Coは無添加である)。
Figure 0005761335
[本発明例3]
表1の合金鋼25tを電気炉で溶解し、取鍋に出鋼した。次に、受鋼した取鍋を2次精錬設備へ移動した。そして、1600℃に維持した取鍋中の溶鋼の表面に、溶鋼中のZn含有量が0.036質量%となる計算量の亜鉛化合物を投入し、Ar雰囲気中で所定時間保持した。投入した亜鉛化合物は、本発明例2で用いた90質量%の亜鉛アルミネート粉末と、10質量%のCaO粉末の混合粉末であり、そのまま投入した。
そして、所定時間毎に取鍋上部から鉄鋳型を用いて溶鋼を採取した試料と、最後は下注鋳造法による鋳造後の湯道を採取した試料を用いてZn含有量を分析することで、亜鉛化合物投入後の、溶鋼中の亜鉛含有量の時間的な変化を評価した。Zn含有量の分析は、スパーク放電を用いた発光分光分析で行った。表4に鋼中のZn含有量を示す。本発明の亜鉛添加方法である本発明例3は、Znの歩留がよく、亜鉛化合物の投入から80分が経過した時点でも高いZn含有量を維持した。また、亜鉛化合物を投入した後の発煙も、目視にて、ほとんど確認されなかった。そして、鋳造後には、0.001質量%以上の、特定量のZnを含む亜鉛添加鋼が得られた。
Figure 0005761335
JIS規格の熱間工具鋼SKD61を準備して、これに本発明の亜鉛添加方法を実施した。準備したSKD61の化学成分を表5に示す(Ni、W、Zn、Nb、Coは無添加である)。
Figure 0005761335
表5の鋼25kgを高周波誘導炉で溶解した。そして、1600℃に維持した溶鋼の表面に、溶鋼中のZn含有量が0.5質量%となる計算量の亜鉛化合物を、以下の要領で、そのまま投入し、Ar雰囲気中で所定時間保持した。そして、所定時間毎に取鍋上部から鉄鋳型を用いて溶鋼を採取し、これら採取した試料中のZn含有量を分析することで、亜鉛の歩留りを評価した。Zn含有量の分析は、誘導結合プラズマを用いた発光分光分析で行った。
[本発明例4]
本発明例1で用いた亜鉛アルミネート粉末(ZnO・Al)を投入した。
[本発明例5]
本発明例1の亜鉛アルミネート粉末に、CaO粉末を混合したもの(ZnO・Al:70質量%、CaO:30質量%)を投入した。
[本発明例6]
亜鉛シリケート粉末(2ZnO・SiOと記す。化学量論組成で、ZnO:71.6質量%、SiO:28.4質量%)を投入した。
[比較例3]
ZnO粉末を投入した。
表6に、鋼中のZn含有量を示す。表6には、亜鉛化合物を投入した後に目視にて確認された発煙の状況も記した。ZnOを投入した比較例3は、投入直後からZnOの分解が速く進み、かつ、分解後のZn成分が早期に蒸発して、Znの歩留が悪い。そして、発煙が激しかったことから、10分経過の時点で実験を中止した。これに対して、本発明の亜鉛添加方法である本発明例4〜6は、亜鉛化合物の投入から10分が経過した後も、亜鉛化合物の分解が継続して、30分が経過した時点では溶鋼中のZn量が更に増加し、Znの歩留が大きく改善されている。そして、所定時間を経過した溶鋼を鋳造すれば、0.001質量%以上のZnを含む亜鉛添加鋼が得られることを確認できた。
本発明例4〜6を比較すると、亜鉛アルミネートを投入した本発明例4、5は、投入直後の還元反応がより抑制され、保持時間を通じて発煙がほとんど確認されなかった。そして、亜鉛アルミネートにCaOを混合した本発明例5は、投入後の溶鋼の上面がスラグで覆われており、10分および30分が経過したときの溶鋼中のZn量が本発明例4よりも多かった。亜鉛シリケートを投入した本発明例6は、本発明例4、5に比べて、亜鉛化合物の分解が速く、所定時間を保持した時のZn含有量が、本発明例4、5よりも多い。
Figure 0005761335
Fe−6質量%Cr合金鋼を準備して、これに本発明の亜鉛添加方法を実施した。準備した上記合金鋼の化学成分を表7に示す(Ni、W、Zn、Nb、Coは無添加である)。
Figure 0005761335
[本発明例7]
表7の合金鋼25tを電気炉で溶解し、取鍋に出鋼した。次に、受鋼した取鍋を2次精錬設備へ移動した。そして、1600℃に維持した取鍋中の溶鋼の表面に、溶鋼中のZn含有量が0.036質量%となる計算量の亜鉛化合物を投入し、Ar雰囲気中で所定時間保持した。投入した亜鉛化合物は、本発明例2で用いた90質量%の亜鉛アルミネート粉末と、10質量%のCaO粉末の混合粉末であり、そのまま投入した。
そして、所定時間毎に取鍋上部から鉄鋳型を用いて溶鋼を採取した試料と、最後は下注鋳造法による鋳造後の湯道を採取した試料を用いてZn含有量を分析することで、亜鉛化合物投入後の、溶鋼中の亜鉛含有量の時間的な変化を評価した。Zn含有量の分析は、誘導結合プラズマを用いた発光分光分析法で行った。表8に鋼中のZn含有量を示す。本発明の亜鉛添加方法である本発明例7は、Znの歩留が良く、亜鉛化合物の投入から80分が経過した時点でも高いZn含有量を維持した。また、亜鉛化合物を投入した後の発煙も、目視にて、ほとんど確認されなかった。そして、鋳造後には、0.001質量%以上の、特定量のZnを含む亜鉛添加鋼が得られた。
Figure 0005761335
本発明は、亜鉛を含有する各種の鋼材の製造に適用できるほか、例えば金属Ni、Crや、これらを主体とした合金等への亜鉛添加にも適用できる。

Claims (5)

  1. Znと、Alおよび/またはSiとの複合酸化物を溶鋼に投入することを特徴とする溶鋼への亜鉛添加方法。
  2. 前記の溶鋼に、Caの酸化物を投入することを特徴とする請求項1に記載の溶鋼への亜鉛添加方法。
  3. 溶鋼は、熱間工具鋼の溶鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶鋼への亜鉛添加方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の溶鋼への亜鉛添加方法によって亜鉛が添加された溶鋼を、鋳造することを特徴とする亜鉛添加鋼の製造方法。
  5. 鋳造後の亜鉛添加鋼に含まれるZnの含有量が、0.001質量%以上であることを特徴とする請求項4に記載の亜鉛添加鋼の製造方法。
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