JP5761154B2 - クロロプレンゴム組成物、それを用いた絶縁電線及びケーブル - Google Patents

クロロプレンゴム組成物、それを用いた絶縁電線及びケーブル Download PDF

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Description

本発明は、クロロプレンゴム組成物、それを用いた絶縁電線及びケーブルに関する。
クロロプレンゴムは、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、耐薬品性、難燃性に優れており、比較的安価である。このような利点からクロロプレンゴムは、絶縁電線・ケーブルを初めとする各種電気用品の絶縁材料、建築材料、家具、履物に至るまでの多くの用途に使用される。
絶縁電線・ケーブルとして、例えばキャブタイヤケーブルがある。キャブタイヤケーブルは、建築物の仮設現場などにおいて使用される給電用の絶縁電線・ケーブルである。このキャブタイヤケーブルは通電状態のまま移動させて使用されるため、その絶縁層やシースを構成するクロロプレンゴムには絶縁性とともに機械的特性として耐摩耗性が要求される。
従来においては、耐摩耗性を向上させるため、クロロプレンゴムに添加される架橋剤の含有量を増加させてクロロプレンゴムの架橋度を向上させていた。また耐摩耗性を向上させるため、クロロプレンゴムに補強性の充填剤を添加してクロロプレンゴム組成物としていた。補強性の充填剤としては、無水ケイ酸などの無機充填剤や、例えば特許文献1に示すようにカーボンブラックなどがある。
特開平6−271708号公報
しかしながら、特許文献1に記載のクロロプレンゴム組成物を絶縁電線・ケーブルの絶縁層やシースに用いると、補強性を有するカーボンブラックにより高い耐摩耗性を得られるものの、カーボンブラック自体が導電性を示すことにより絶縁性が低いという問題があった。この点、カーボンブラックの添加量を低減し、絶縁性の低下を抑制することも考えられるが、高い耐摩耗性を得ることが困難となる。すなわち、カーボンブラックを用いる場合では耐摩耗性及び絶縁性のバランスを取ることが困難であり、耐摩耗性及び絶縁性に優れたクロロプレンゴムを得ることは困難であった。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、高い耐摩耗性及び絶縁性を両立したクロロプレンゴム組成物、それを用いた絶縁電線及びケーブルを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、
架橋されたクロロプレンゴムと、平均粒子径の異なる2種類のカーボンブラックと、を含有し、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以上であり、かつ相対摩耗体積が50以下であるクロロプレンゴム組成物であって、前記平均粒子径の異なるカーボンブラックは、第一の粒子径を有する第一のカーボンブラックと、前記第一の粒子径よりも大きな第二の粒子径を有する第二のカーボンブラックとを含有し、前記第一のカーボンブラックは、前記第一の粒子径が72nm以下であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して35質量部以上45質量部以下含有されており、前記第二のカーボンブラックは、前記第二の粒子径が76nm以上200nm未満であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して3質量部以上10質量部以下含有されているクロロプレンゴム組成物が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
架橋されたクロロプレンゴムと、平均粒子径の異なる2種類のカーボンブラックと、を含有し、体積抵抗率が1.0×10 7 Ω・cm以上であり、かつ相対摩耗体積が50以下であるクロロプレンゴム組成物であって、前記平均粒子径の異なるカーボンブラックは、第一の粒子径を有する第一のカーボンブラックと、前記第一の粒子径よりも大きな第二の粒子径を有する第二のカーボンブラックとを含有し、前記第一のカーボンブラックは、前記第一の粒子径が72nm以下であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して35質量部以上45質量部以下含有されており、前記第二のカーボンブラックは、前記第二の粒子径が200nm以上500nm以下であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して3質量部以上質量部以下含有されているクロロプレンゴム組成物が提供される。
本発明の第の態様によれば、
第1又は第2の態様のクロロプレンゴム組成物からなる絶縁層を導体の外周上に備える絶縁電線が提供される。
本発明の第の態様によれば、
第1又は第2の態様のクロロプレンゴム組成物からなるシースを、導体の外周上に絶縁層を有する絶縁電線又は前記絶縁電線を複数撚り合わせてなるコア上に備えるケーブルが提供される。
本発明によれば、高い耐摩耗性及び絶縁性を両立したクロロプレンゴム組成物、絶縁電線及びケーブルが得られる。
本発明の一実施形態に係る絶縁電線の断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係るケーブルの断面を示す図である。
上述したように、カーボンブラックは、補強性を有するためクロロプレンゴム組成物に所定の耐摩耗性を付与できるが、導電性を示すため絶縁性を低下させることになる。カーボンブラックにおいて補強性や導電性を発現させるための重要な因子は3つあり、カーボンブラックの大きさ(粒子径、比表面積)、粒子の形(ストラクチャー)、粒子の表面の化学的特性(水素含有量、酸素含有量)が挙げられる。これらの因子によってカーボンブラックは様々な特性を発現する。
本発明者らは、上記3つの因子のうちカーボンブラックの大きさ(粒子径)に着目した。カーボンブラックは、その粒子径によって補強性及び導電性が大きく変化することが知られている。カーボンブラックは、粒子径が小さい場合では、補強性が高いためクロロプレンゴムの耐摩耗性を大きく向上させるが、導電性が高いため絶縁性を大きく低下させる傾向にある。これに対して粒子径が大きい場合では、導電性が低いため絶縁性の低下は小さく抑制されるが、補強性が低いためクロロプレンゴムの耐摩耗性の向上が小さく抑制される傾向にある。
この点、本発明者らは、カーボンブラックとして、粒子径が異なり、特性の異なる2種類のカーボンブラックを併用することによって、クロロプレンゴム組成物の絶縁性を損なうことなく、耐摩耗性を向上できることを見出した。本発明は、以上の知見に基づきなされたものである。
[本発明の一実施形態]
以下に、本発明の一実施形態について説明をする。
(1)クロロプレンゴム組成物
本発明の一実施形態に係るクロロプレンゴム組成物は、架橋されたクロロプレンゴムと、粒子径の異なる2種類のカーボンブラックと、を含有し、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以上であり、かつ相対摩耗体積が50以下である。すなわち、本実施形態のクロロプレンゴム組成物は、所定の体積抵抗率及び相対摩耗体積を有しており、高い絶縁性及び耐摩耗性を有する。
上記特性を示すクロロプレンゴム組成物は、架橋されたクロロプレンゴムと、第一の粒子径を有し、クロロプレンゴムに耐摩耗性を付与する第一のカーボンブラックと、第一の粒子径よりも大きな第二の粒子径を有し、第一のカーボンブラックにより付与される耐摩耗性を補完する第二のカーボンブラックと、を含有する。
(クロロプレンゴム)
クロロプレンゴムは、優れた耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、耐薬品性、及び難燃性などを有しており、クロロプレンゴム組成物の諸特性を決定する。クロロプレンゴムには分子量調整剤の種類によって異なる変性タイプ(変性重合体)があるが、本実施形態において変性タイプは特に限定されない。変性タイプとしては、例えばメルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ、硫黄変性タイプなどがあるが、いずれの変性タイプでも用いることが可能である。また、クロロプレンゴムとしては、上記変性タイプを少なくとも1種類を含んでいればよく、2種類以上を含んでもよい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックは、クロロプレンゴム組成物を補強する補強性を有しており、クロロプレンゴム組成物の耐摩耗性を向上させる。ただし、カーボンブラックは導電性を示すためクロロプレンゴム組成物の絶縁性を低下させる。カーボンブラックの補強性及び導電性は、上述したように、カーボンブラックの粒子径によって変化する。粒子径が小さい場合では補強性及び導電性がともに高いため、クロロプレンゴム組成物の耐摩耗性を向上させることができるが絶縁性を大きく低下させてしまう。これに対して粒子径が大きい場合では補強性及び導電性がともに低いため、クロロプレンゴム組成物の耐摩耗性の向上は小さくなるが絶縁性の低下も小さく抑制される。
本実施形態では、粒子径が異なり、特性の異なる2種類のカーボンブラックとして、第一の粒子径を有する第一のカーボンブラック、及び第一の粒子径よりも大きな第二の粒子径を有する第二のカーボンブラックを併用して、それぞれのカーボンブラックの有する特性を補完する。
ここで、第一及び第二のカーボンブラックについてそれぞれ説明をする。
〈第一のカーボンブラック〉
第一のカーボンブラックは、高い補強性を有しており、クロロプレンゴム組成物に所定の高い耐摩耗性を付与する。本実施形態では、クロロプレンゴム組成物の耐摩耗性を向上するため第一及び第二のカーボンブラックを用いるが、第一のカーボンブラックは、クロロプレンゴム組成物における耐摩耗性の主な部分に寄与している。
第一のカーボンブラックは、第二の粒子径よりも小さな第一の粒子径を有しており、第一の粒子径は、クロロプレンゴムに耐摩耗性を付与できるような粒子径となっている。耐摩耗性を付与できるような粒子径とは、高い補強性を示すような大きさであって、比較的小さな粒子径を示す。第一のカーボンブラックによれば、粒子径が小さく、高い補強性を示すため、クロロプレンゴムに所定の高い耐摩耗性を付与することができる。ただし、耐摩耗性を付与する反面、高い導電性を示すため、クロロプレンゴムの絶縁性を低下させて、所定の絶縁性とする。
第一の粒子径は、所定の高い耐摩耗性を付与できるような大きさであればよく、例えば72nm以下である。第一の粒子径が小さすぎると、導電性が高く、クロロプレンゴムの絶縁性の低下がより大きくなるため、第一の粒子径としては、19nm以上72nm以下であることがより好ましい。このような粒子径を有するカーボンブラックとしては、SRFカーボン(61nm〜100nm)、FEFカーボン(40nm〜48nm)、HAFカーボン(26nm〜30nm)などが挙げられる。
第一のカーボンブラックの含有量は、所望する絶縁性、及びその含有によるクロロプレンゴム組成物の絶縁性の低下を考慮して決定され、例えば粒子径が72nm以下の場合ではクロロプレンゴム100質量部に対して35質量部以上45質量部以下である。含有量が35質量部未満となると絶縁性の低下は小さいが、所定の耐摩耗性を得ることが困難となる。一方、含有量が45質量部を超えると高い耐摩耗性を得られるが絶縁性の低下が大きくなる。
〈第二のカーボンブラック〉
第二のカーボンブラックは、第一のカーボンブラックにより付与される耐摩耗性を補完して向上させる。しかも、第二のカーボンブラックは、クロロプレンゴムの絶縁性を大きく損なわない。絶縁性を大きく損なわないとは、第一のカーボンブラックにより低下した絶縁性を大きく低下させないこと、あるいは低下した絶縁性を改善することを示す。
第二のカーボンブラックは、第一の粒子径より大きな第二の粒子径を有しており、第二の粒子径はクロロプレンゴムの耐摩耗性を補完できるような粒子径となっている。耐摩耗性を補完できるような粒子径とは、低い補強性を示す粒子径であって、比較的大きな粒子径を示す。このような粒子径を有する第二のカーボンブラックは、第一のカーボンブラックと比較して高い補強性を示さないが、第一のカーボンブラックにより付与される耐摩耗性を補完して向上することができる。しかも、第二のカーボンブラックは、大きな粒子径を有しており導電性が低いため、第一のカーボンブラックにより低下したクロロプレンゴム組成物の絶縁性を損なわない。
第二の粒子径は、第一の粒子径より大きく、クロロプレンゴムの耐摩耗性を補完するような大きさである。このような大きさであれば、クロロプレンゴムの絶縁性を大きく損なわない。第二の粒子径としては、76nm以上200nm未満、または200nm以上である。第二の粒子径が大きすぎると、補強性が低くなり、耐摩耗性を補完する効果が十分に得られなくなる。このため、第二の粒子径としては、76nm以上200nm未満、または200nm以上500nm以下である。76nm以上200nm未満の粒子径を有するカーボンブラックとしてはFTカーボンなどが挙げられ、200nm以上の粒子径を有するカーボンブラックとしてはMTカーボンなどが挙げられる。
第二のカーボンブラックの含有量は、含有量によるクロロプレンゴムの絶縁性の低下を考慮して決定され、例えば粒子径が76nm以上200nm未満の場合ではクロロプレンゴム100質量部に対して3質量部以上10質量部以下、粒子径が200nm以上の場合ではクロロプレンゴム100質量部に対して3質量部以上7質量部以下である。第二のカーボンブラックの含有量が上記数値範囲の下限未満となると、耐摩耗性の補完が不十分となり、所定の耐摩耗性を得ることが困難となる。一方、含有量が上記数値範囲の上限を超えると、所定の高い耐摩耗性を得られるが、絶縁性の低下が大きくなり、絶縁性が損なわれる。
このように、クロロプレンゴム組成物に耐摩耗性を付与する第一のカーボンブラックと、第一のカーボンブラックにより付与される耐摩耗性を補完する第二のカーボンブラックと、を併用することによって、所定の高い耐摩耗性を得ることができる。しかも、第二のカーボンブラックは、第一のカーボンブラックによって低下した絶縁性を損なわず、クロロプレンゴム組成物の絶縁性を維持又は改善して、所定の高い絶縁性を得ることができる。すなわち、粒子径の異なる第一及び第二のカーボンブラックを併用することによって、所定の耐摩耗性及び絶縁性を両立することができる。
なお、第一及び第二の粒子径は、カーボンブラックの平均粒子径を示しており、例えば1000個以上の粒子から算出された個数平均の粒子径を示す。
また、カーボンブラックには、その製造方法によってファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラックなどの種類があるが、本実施形態で用いる第一及び第二のカーボンブラックは特に限定されない。第一及び第二のカーボンブラックは、それぞれの粒子径の大きさによって任意に選択され、製造方法による種類に限定されず、いずれの種類のカーボンブラックでも用いることができる。
(架橋剤)
クロロプレンゴム組成物には、耐摩耗性の向上のため架橋剤が含まれる。架橋剤としては、特に限定されず、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛(リサージ、鉛丹)などの金属酸化物単独あるいは加硫促進剤(例えば、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトイミダゾリン、テトラメチルチウラム・ジスルフィドなど)との組合せが挙げられる。更に、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(第三ブチル−ペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン等で代表されるパーオキサイド類も架橋剤として使用できる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、クロロプレンゴム100質量部に対して、0.5質量部以上4質量部以下であることが好ましい。0.5質量部未満であると、得られるクロロプレンゴムの架橋度が低く、十分な耐摩耗性を得ることが困難となる。一方、4質量部を超えると、架橋度が高く、ケーブルに必要な柔軟性が失われる。
(その他添加剤)
クロロプレンゴム組成物には、上記成分以外に必要に応じて、滑剤、白色充填剤、油等を含有してもよい。滑剤としては、パラフィンワックス、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩等が挙げられる。白色充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク等が挙げられる。油としては、柔軟性、弾性、加工性などを付与できる低揮発性の有機物質である可塑剤やゴム分子間の潤滑剤として作用させ、ポリマーの緩和現象を促す軟化剤等が挙げられる。
(2)クロロプレンゴム組成物の製造方法
上記クロロプレンゴム組成物は、各成分を所定の含有量で混合して混練した後、所定の加熱条件により加熱することで架橋して形成することができる。混練においては、例えば、バンバリミキサーや加圧ニーダなどの通常用いられる混練機で均一に混練する。また、架橋するための加熱条件は、特に限定されないが、例えば温度140℃以上150℃以下で40分以上60分以下加熱することが好ましい。
(3)絶縁電線
次に、上記クロロプレンゴム組成物からなる絶縁層を導体の外周上に備える絶縁電線について図1を参照しながら説明をする。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の断面を示す図である。
本実施形態の絶縁電線1は、導体2と、導体2の外周上に形成された絶縁層3と、を有しており、絶縁層3が上記クロロプレンゴム組成物からなっている。
(導体)
導体2としては、低酸素銅や無酸素銅等からなる銅線、銅合金線の他、銀等の他の金属線等が用いられる。図1において、導体2の断面形状は円形状となっているが、本発明はこれに限定されず、例えば四角形状(4隅が湾曲したものも含む)とすることもできる。また、導体2の導体径は特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。
(絶縁層)
絶縁層3は、上記クロロプレンゴム組成物からなっている。絶縁層3は、導体2の外周上に所定の厚さとなるようにクロロプレンゴム組成物を押出被覆した後、所定の加熱条件で加熱することにより架橋して形成される。絶縁層3の厚さは特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。
(4)ケーブル
次に、上記クロロプレンゴム組成物からなるシースを、導体の外周上に絶縁層を備える絶縁電線又は絶縁電線を複数本撚り合わせてなるコア上に備えるケーブルについて図2を参照しながら説明をする。
本実施形態のケーブル10は、図2に示すように、所望する本数(図中では3本)の絶縁電線1を介在物11と共に撚り合わせたコアと、シース12とを備えており、シース12が上記クロロプレンゴム組成物からなっている。シース12は、コアの外周上に所定の厚さとなるようにクロロプレンゴム組成物を押出被覆した後、所定の加熱条件で加熱することにより架橋して形成する。シース12の厚さは特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。
ケーブル10のコアを構成する絶縁電線1としては、特に限定されず、上記クロロプレンゴム組成物からなる絶縁層を備える絶縁電線、または公知のゴム組成物からなる絶縁層を備える絶縁電線を用いることができる。また、コアを構成する絶縁電線の本数は特に限定されない。
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態によれば、クロロプレンゴム組成物は、粒子径の異なる2種類のカーボンブラックとして、第一のカーボンブラック、及び第一のカーボンブラックよりも粒子径の大きな第二のカーボンブラックを含有している。この構成によれば、クロロプレンゴムは、粒子径の異なるカーボンブラックにより耐摩耗性が向上するとともに、絶縁性の低下が小さく抑制されている。すなわち、クロロプレンゴムは、耐摩耗性として相対摩耗体積が50以下であり、絶縁性として体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以上であって、優れた耐摩耗性及び絶縁性を両立して得ることができる。
また、本実施形態によれば、絶縁電線の絶縁層又はケーブルのシースが上記クロロプレンゴム組成物からなっている。この構成によれば、絶縁電線又はケーブルは高い耐摩耗性及び絶縁性を有しており、例えば通電状態のまま移動させて使用されるキャブタイヤケーブルなどに好適に用いることができる。
次に、本発明の実施例について説明をする。本実施例では、調整されたクロロプレンゴム組成物を用いて、絶縁電線の絶縁層またはケーブルのシースを模擬したシートを製造し、そのシートを測定することによって、クロロプレンゴム組成物を評価した。これらの実施例は、本発明の一例であって、本発明はこれらの実施例により限定されない。
まず、以下に示す方法によって、クロロプレンゴム組成物を調整した。
〈クロロプレンゴム組成物の調整〉
クロロプレンゴムとしてのショウプレンW(昭和電工製)100質量部に対して、充填剤としての第一のカーボンブラック及び第二のカーボンブラック、架橋剤、その他添加剤をそれぞれ添加した。そして、得られた混合物を120℃に保持した6インチミキシングロールにより5分間混練して、クロロプレンゴム組成物を調整した。
本実施例で用いる充填剤(カーボンブラックA〜H、及びサムソンクレー)を以下に示す。なお、カーボンブラックの平均粒子径は、電子顕微鏡により1000個以上の粒子を撮影して、粒子径測定装置(ナノトラック粒度分布測定装置UPA−150、日機装製)により測定された個数平均の粒子径を示す。
カーボンブラックA:シースト9(東海カーボン製、SAFカーボン、平均粒子径15nm)
カーボンブラックB:旭70G(旭カーボン製、HAFカーボン、平均粒子径28nm)
カーボンブラックC:旭60G(旭カーボン製、FEFカーボン、平均粒子径45nm)
カーボンブラックD:HTC♯S(新日化カーボン製、SRFカーボン、平均粒子径72nm)
カーボンブラックE:アサヒサーマルFT(旭カーボン製、FTカーボン、平均粒子径80nm)
カーボンブラックF:Thermax N990 Floform(Cancarb Limited製、MTカーボン、平均粒子径280nm)
カーボンブラックG:Thermax N990 Floform(Cancarb Limited製、MTカーボン、平均粒子径280nm)から平均粒子径が450nmになるように分級
カーボンブラックH:Thermax N990 Floform(Cancarb Limited製、MTカーボン、平均粒子径280nm)から平均粒子径が510nmになるように分級
無機充填剤:サムソンクレー(高木クレー研究所製、含水珪酸アルミニウム)
また、架橋剤、その他添加剤を以下に示す。
安定剤:キョーワマグ30(協和化学工業製、酸化マグネシウム、5質量部)
プロセス油:AROMAX1(富士興産製、芳香族系油、10質量部)
滑剤:パラフィンワックス135(JX 日鉱日石エネルギー製、石油系炭化水素、3質量部)
難燃剤:三酸化アンチモン(日本精鉱製、5質量部)
老化防止剤:アンテージDDA(川口化学工業製、3質量部)
架橋剤:酸化亜鉛(東邦亜鉛製、5質量部)
架橋促進剤:アクセル22R(川口化学工業製、1質量部)
実施例1〜15のクロロプレンゴム組成物の調整条件を以下の表1に示す。
実施例1〜3では、第一のカーボンブラックとしてカーボンブラックC(平均粒子径45nm)と、第二のカーボンブラックとしてカーボンブラックE(平均粒子径80nm)とを用いて、カーボンブラックEの添加量を表1に示すように適宜変更し、クロロプレンゴム組成物を調整した。具体的には、カーボンブラックC40質量部に対してカーボンブラックEの添加量を、実施例1では3質量部、実施例2では7質量部、実施例3では10質量部にそれぞれ変更した。
実施例4及び5では、表1に示すように、第一のカーボンブラックとしてカーボンブラックC(平均粒子径45nm)と、第二のカーボンブラックとしてカーボンブラックF(平均粒子径280nm)とを用いて、カーボンブラックFの添加量を適宜変更し、クロロプレンゴム組成物を調整した。具体的には、カーボンブラックC40質量部に対してカーボンブラックFの添加量を、実施例4では3質量部、実施例5では7質量部にそれぞれ変更した。
実施例6及び7では、表1に示すように、第一のカーボンブラックとしてカーボンブラックC(平均粒子径45nm)と、第二のカーボンブラックとしてカーボンブラックG(平均粒子径450nm)とを用いて、カーボンブラックGの添加量を適宜変更し、クロロプレンゴム組成物を調整した。具体的には、カーボンブラックC40質量部に対してカーボンブラックGの添加量を、実施例6では3質量部、実施例7では7質量部にそれぞれ変更した。
実施例8〜15では、表1に示すように、第一のカーボンブラックとしてカーボンブラックB(平均粒子径28nm)又はカーボンブラックD(平均粒子径72nm)と、第二のカーボンブラックとしてカーボンブラックE(平均粒子径80nm)、カーボンブラックF(平均粒子径280nm)又はカーボンブラックG(平均粒子径450nm)とを用いて、その組み合わせを適宜変更してクロロプレンゴム組成物を調整した。具体的には、実施例8、9では、カーボンブラックB40質量部に対して、カーボンブラックEの添加量を3質量部、10質量部にそれぞれ変更した。実施例10、11では、カーボンブラックD40質量部に対して、カーボンブラックEの添加量を3質量部、10質量部にそれぞれ変更した。実施例12、13では、カーボンブラックB40質量部に対して、カーボンブラックFの添加量を3質量部、7質量部にそれぞれ変更した。実施例14、15では、カーボンブラックB40質量部に対して、カーボンブラックGの添加量を3質量部、7質量部にそれぞれ変更した。
〈シートの製造〉
続いて、上記で得られた実施例1〜15のクロロプレンゴム組成物をシート状に塗布し、圧力10MPa、温度150℃で3分間熱プレスを行うことによって、クロロプレンゴム組成物を架橋して、所定厚さを有する実施例1〜15のシートを製造した。このシートは、絶縁電線の絶縁層またはケーブルのシースを模擬したものとなっている。
〈シートの評価〉
続いて、上記で得られた実施例1〜15のシートに対して、絶縁性及び耐摩耗性を評価した。それぞれの評価方法について、以下に具体的に説明をする。
(絶縁性の評価)
実施例1〜15のシートの絶縁性は、その体積抵抗率により評価した。体積抵抗率は、JISK6911(1995)に準拠して、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340(ADVANTEST製)を用いて測定した。具体的には、実施例1〜15のクロロプレンゴムからなるシート(厚さ1mm)を試料に用いて、温度20±2℃、相対湿度65±5%における体積抵抗率を測定した。体積抵抗率は大きいほど絶縁性が優れることを示しており、絶縁電線の絶縁層やケーブルのシースには、1.0×107Ω・cm以上の体積抵抗率が要求される。
実施例1〜15のシートの絶縁性を評価したところ、上記表1に示すように、いずれのシートにおいても体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以上であり、高い絶縁性を有することが確認された。
(耐摩耗性の評価)
実施例1〜15のシートの耐摩耗性は、JISC3005(2000)に準拠して、キャブタイヤケーブル摩耗試験機(安田精機製作所製)を用いて測定した。耐摩耗性の評価においては、実施例1〜15のクロロプレンゴム組成物からなるシート(厚さ約2mm、幅約20mm)を試料に用いた。この試料の片端に2kgの重りをつるして、摩耗円板を毎分約60回の速度で100回転させたときの架橋ゴムシートの摩耗体積を求め、基本材料の摩耗体積を100としたときの相対摩耗体積で比較した。相対摩耗体積は、小さいほど耐摩耗性に優れることを示しており、絶縁電線の絶縁層やケーブルのシースには、50以下の相対摩耗体積が要求される。
実施例1〜15のシートの耐摩耗性を評価したところ、上記表1に示すように、いずれのシートにおいても相対摩耗体積が50以下であり、高い耐摩耗性を有することが確認された。
このように、実施例1〜15のシートでは高い絶縁性及び耐摩耗性が得られ、両立できることが確認された。
(比較例1)
比較例1では、充填剤としてカーボンブラックを用いずにサムソンクレーを用いてクロロプレンゴム組成物を調整した。具体的には、クロロプレンゴム100質量部に対してサムソンクレー40質量部を添加して比較例1のクロロプレンゴム組成物を調整した。比較例1の調整条件を以下の表2に示す。
比較例1のクロロプレンゴム組成物を用いてシートを製造し、実施例1と同様に評価したところ、カーボンブラックを用いていないため、体積抵抗率の低下が抑制され、高い絶縁性を示すことが確認されたが、相対摩耗体積が398であり、耐摩耗性が著しく低いことが確認された。
(比較例2〜9)
比較例2〜9では、カーボンブラックの平均粒子径の相違による絶縁性及び耐摩耗性の変化を確認するため、上記表2に示すように、1種類のカーボンブラックのみを用いてクロロプレンゴム組成物を調整した。比較例2〜9では、クロロプレンゴム100質量部に対してカーボンブラックA〜Hをそれぞれ40質量部添加し、比較例2〜9のクロロプレンゴム組成物を調整した。
比較例2〜9のクロロプレンゴム組成物を用いてシートを製造し、実施例1と同様に評価した。その結果、表2に示すように、比較例2〜9では1種類のカーボンブラックのみを用いているため、いずれにおいても絶縁性及び耐摩耗性を両立できないことが確認された。
また、比較例2〜9によれば、用いるカーボンブラックの平均粒子径によって、クロロプレンゴム組成物の絶縁性が変化することが確認された。具体的には、平均粒子径15nmのカーボンブラックAを用いた比較例2では、体積抵抗率が1.5×105Ω・cmであり、体積抵抗率の低下が大きく、絶縁性が低いことが示されている。一方、平均粒子径が80nmのカーボンブラックEを用いた比較例6、平均粒子径が280nmのカーボンブラックFを用いた比較例7では、体積抵抗率がそれぞれ4.4×109Ω・cm、7.2×108Ω・cmであり、体積抵抗率の低下が小さく、絶縁性が比較的高いことが示されている。すなわち、用いるカーボンブラックの平均粒子径が小さいほど体積抵抗率の低下が大きくなり、クロロプレンゴム組成物の絶縁性が低くなることが確認された。
また、比較例2〜9によれば、用いるカーボンブラックの平均粒子径によって、クロロプレンゴム組成物の耐摩耗性が変化することが確認された。具体的には、平均粒子径72nmのカーボンブラックDを用いた比較例5では、相対摩耗体積が97となり、耐摩耗性が比較的高いことが示されている。一方、平均粒子径が80nmのカーボンブラックEを用いた比較例6、平均粒子径が280nmのカーボンブラックFを用いた比較例7では、相対摩耗体積がそれぞれ137、145となり、カーボンブラックによる補強性が比較的小さく、十分な耐摩耗性を得られないことが示されている。すなわち、用いるカーボンブラックの平均粒子径が小さいほど、特に80nmよりも小さいほど、カーボンブラックによる補強性が大きくなり、クロロプレンゴム組成物の耐摩耗性が高くなることが確認された。
また、比較例2〜9によれば、平均粒子径が72nm以下である第一のカーボンブラックは補強性が高く、クロロプレンゴムに所定の耐摩耗性を付与できることがわかる。また、平均粒子径が80nm以上の第二のカーボンブラックは補強性が比較的小さく、耐摩耗性を補完できる程度ではあるが、体積抵抗率の低下が小さく、絶縁性を大きく損ねないことがわかる。
(比較例10〜13)
比較例10〜13では、比較例2〜9と同様に1種類のカーボンブラックのみを用いてクロロプレンゴム組成物を調整したが、その添加量を適宜変更した。具体的には、上記表2に示すように、クロロプレンゴム100質量部に対して、比較例10ではカーボンブラックCを30質量部、比較例11ではカーボンブラックCを50質量部、比較例12ではカーボンブラックGを30質量部、比較例13ではカーボンブラックGを50質量部、添加してクロロプレンゴム組成物を調整した。
比較例10〜13のクロロプレンゴム組成物を用いてシートを製造し、実施例1と同様に評価したところ、1種類のカーボンブラックのみを用いているため、いずれにおいても絶縁性及び耐摩耗性を両立できないことが確認された。また、カーボンブラックの添加量が増加すると、添加するカーボンブラックの特性が発現する傾向にあることが確認された。
(比較例14〜30)
比較例14〜30では、平均粒子径の異なる2種類のカーボンブラックを用いてクロロプレンゴム組成物を調整した。
比較例14〜21では、第一のカーボンブラックと第二のカーボンブラックを併用せずに、第一のカーボンブラック又は第二のカーボンブラックのいずれか一方を2種類用いてクロロプレンゴム組成物を調整した。具体的には、比較例14、15ではカーボンブラックBとカーボンブラックCを、比較例16〜18ではカーボンブラックCとカーボンブラックDを、比較例19ではカーボンブラックAとカーボンブラックCを、比較例20、21ではカーボンブラックEとカーボンブラックFを用いた以外は、実施例と同様にクロロプレンゴム組成物を調整し、シートを製造した。
比較例22〜24では、第一のカーボンブラック及び第二のカーボンブラックを併用するが、第二のカーボンブラックの添加量を少量とした以外は、実施例と同様にクロロプレンゴム組成物を調整し、シートを製造した。
比較例25では、第一のカーボンブラックと第二のカーボンブラックとを併用するが、第二のカーボンブラックの平均粒子径が510nmのものを用い、クロロプレンゴム組成物を調整し、シートを製造した。
比較例26〜28では、第一のカーボンブラック及び第二のカーボンブラックを併用するが、第二のカーボンブラックの添加量を比較的多量とした以外は、実施例と同様にクロロプレンゴム組成物を調整し、シートを製造した。
比較例29及び30では、第一のカーボンブラックの添加量を第二のカーボンブラックの添加量に対して少量とした。具体的には、比較例29では、カーボンブラックE40質量部に対してカーボンブラックBを5質量部、比較例30では、カーボンブラックE40質量部に対してカーボンブラックBを10質量部として、クロロプレンゴム組成物を調整し、シートを製造した。
比較例14〜30のシートについて、実施例1と同様に評価した。比較例14〜30の調整条件、及びその評価結果を以下の表3に示す。
表3に示すように、比較例14〜19では、平均粒子径の異なる2種類のカーボンブラックを用いるものの、平均粒子径の小さい第一のカーボンブラックのみを2種類用いているため、体積抵抗率が1.0×107Ω・cmよりも小さく、絶縁性が低かった。比較例20及び21では、平均粒子径の異なる2種類のカーボンブラックを用いるものの、平均粒子径の大きい第二のカーボンブラックのみを2種類用いているため、相対摩耗体積が50よりも大きく、耐摩耗性が低かった。
比較例22〜24では、第一のカーボンブラック及び第二のカーボンブラックを併用するものの、第二のカーボンブラックの含有量が少ないため、第一のカーボンブラックにより付与される耐摩耗性を補完することが困難であり、十分な耐摩耗性を得られなかった。
比較例25では、第一のカーボンブラック及び第二のカーボンブラックを併用するものの、第二のカーボンブラックの平均粒子径が大きいため、十分な耐摩耗性を得られなかった。
比較例26〜28では、第一のカーボンブラック及び第二のカーボンブラックを併用するものの、第二のカーボンブラックの含有量が多いため、第一のカーボンブラックにより付与される耐摩耗性を補完するが、体積抵抗率が1.0×107Ω・cmよりも小さく、絶縁性が低かった。
比較例29及び30では、第一のカーボンブラックの含有量が少なすぎるため十分な耐摩耗性が得られず、第二のカーボンブラックによる耐摩耗性の補完だけでは所定の耐摩耗性を得ることができなかった。
このように、本発明によれば、粒子径の異なる2種類のカーボンブラックを用いることによって、体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以上であり、かつ相対摩耗体積が50以下であるクロロプレンゴム組成物を得ることが可能であり、絶縁性及び耐摩耗性を両立することができる。
1 絶縁電線
2 導体
3 絶縁層
10 ケーブル
11 介在物
12 シース

Claims (4)

  1. 架橋されたクロロプレンゴムと、
    平均粒子径の異なる2種類のカーボンブラックと、を含有し、
    体積抵抗率が1.0×107Ω・cm以上であり、かつ相対摩耗体積が50以下であるクロロプレンゴム組成物であって、
    前記平均粒子径の異なるカーボンブラックは、第一の粒子径を有する第一のカーボンブラックと、前記第一の粒子径よりも大きな第二の粒子径を有する第二のカーボンブラックとを含有し、
    前記第一のカーボンブラックは、前記第一の粒子径が72nm以下であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して35質量部以上45質量部以下含有されており、
    前記第二のカーボンブラックは、前記第二の粒子径が76nm以上200nm未満であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して3質量部以上10質量部以下含有されていることを特徴とするクロロプレンゴム組成物。
  2. 架橋されたクロロプレンゴムと、
    平均粒子径の異なる2種類のカーボンブラックと、を含有し、
    体積抵抗率が1.0×10 7 Ω・cm以上であり、かつ相対摩耗体積が50以下であるクロロプレンゴム組成物であって、
    前記平均粒子径の異なるカーボンブラックは、第一の粒子径を有する第一のカーボンブラックと、前記第一の粒子径よりも大きな第二の粒子径を有する第二のカーボンブラックとを含有し、
    前記第一のカーボンブラックは、前記第一の粒子径が72nm以下であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して35質量部以上45質量部以下含有されており、
    前記第二のカーボンブラックは、前記第二の粒子径が200nm以上500nm以下であって、前記クロロプレンゴム100質量部に対して3質量部以上質量部以下含有されていることを特徴とするクロロプレンゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のクロロプレンゴム組成物からなる絶縁層を導体の外周上に備えることを特徴とする絶縁電線。
  4. 請求項1又は2に記載のクロロプレンゴム組成物からなるシースを、導体の外周上に絶縁層を有する絶縁電線又は前記絶縁電線を複数撚り合わせてなるコア上に備えることを特徴とするケーブル。
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