JP5760975B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物の製造方法に関するものである。
様々な成形体の製造には、樹脂材料を含む組成物(樹脂組成物)が用いられている。特に、樹脂材料の更なる高機能化、高性能化を目的とし、樹脂中に微粒子を分散させた樹脂組成物の開発が盛んに行われている。微粒子を樹脂中に分散させる方法として、あらかじめ有機溶媒中に微粒子を分散させ、微粒子分散溶液と樹脂を混合し、樹脂中に微粒子を分散させる方法が一般的である。(特許文献1)。しかしながら、有機溶媒を多量に使用することから設備の大型化が必要となり、工業的な生産性を実現することが困難な場合がある。
また、単軸押出機や二軸押出機を用いて微粒子を樹脂中に混練分散する方法(特許文献2)や、微粒子をスラリー状態で添加して混練する方法(特許文献3)などが報告されているが、微粒子の凝集体の解砕が十分とはいえず、樹脂中に微粒子の凝集物が残ってしまう等の問題があった。
特開2009−90272号公報 特開平1−157806号公報 特開平6−91635号公報
本発明の目的は、粒子状充填材が樹脂中に分散した樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
このような目的は、以下の(1)〜(7)に記載される本発明により達成される。
(1)粒子状充填材の凝集体と樹脂とを混合し、混合物を得る混合工程、前記混合物を加熱混練する第一の混練工程、をこの順で含む樹脂組成物の製造方法であって、前記凝集体が、単位体積あたりの充填率が25%以下であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
(2)前記凝集体が、粒子状充填材を液状の分散媒に分散されたものに無機塩電解質を添加して得られるものである(1)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(3)前記凝集体が、分散媒に含まれている(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(4)前記混合物を加熱することで前記樹脂を溶解させ、溶融した樹脂を含む混合物を得る溶融工程を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
(5)前記混合物から、分散媒を除去する脱分散媒工程を含む(3)または(4)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(6)前記脱分散媒工程を、第一の混練工程の後に含む(5)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(7)前記脱溶媒工程の後に更に加熱混練する第二の混練工程を含む(5)または(6)に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、粒子状充填材が樹脂中に分散した樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の樹脂組成物の製造方法について、具体的な実施形態に基いて詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、粒子状充填材の凝集体と樹脂とを混合し、混合物を得る混合工程、前記混合物を加熱混練する第一の混練工程、をこの順で含む樹脂組成物の製造方法であって、前記凝集体が、単位体積あたりの充填率が25%以下であることを特徴とする。
上記のような樹脂組成物の製造方法により、粒子状充填材が樹脂中に高度に分散した樹脂組成物を提供することができる。
また、上記の製造方法により得られた樹脂組成物を用いることにより、透明性、寸法安定性に優れ、特性のバラつきがない均一な成形体を提供することができる。
以下、本発明の樹脂組成物の製造方法について、詳細に説明する。
(1)混合工程
本発明の樹脂組成物の製造方法は、粒子状充填材の凝集体と、樹脂とを混合して混合物を得る混合工程を含む。混合工程により、粒子状充填材の凝集体を樹脂内に分散させることで、粒子状充填材の高度に分散した樹脂組成物を得ることができる。
前記粒子状充填材の凝集体と、樹脂とを混合する方法は、特に限定されないが、例えば、後述するように、前記粒子状充填材の凝集体が分散媒に含まれている場合は、前記粒子状充填材の凝集体が含まれた分散媒に樹脂を混合し撹拌することにより得られる。また、樹脂と粒子状充填材の凝集体とを、それぞれ固体で混合する場合は、ビーズミルなど撹拌装置を用いることもできる。より簡便に、混合工程を行うためには、粒子状充填材の凝集体を含んだ分散媒と、樹脂が分散または溶解した樹脂分散液または樹脂溶液とを別々に作製または用意し、それらを混合し撹拌することが好ましい。これにより、簡便に混合工程を行うことができる。分散媒を含んで混合工程を行う場合、後述するように、脱溶媒工程を行うことが好ましい。
混合工程を行う時間は、前記粒子状充填材の凝集体と、樹脂とが充分に混合されれば特に限定されないが、2分以上、10分以下が好ましく、3分以上、5分以下がより好ましい。前記好ましい時間内であることで、粒子状充填材の凝集体と樹脂とが充分に混合され、樹脂組成物からなる成形体の透明性が向上し、かつ効率良く樹脂組成物を製造することができる。また、前記下限値より短い場合、混合が不十分のおそれがあり、前記上限値より長い場合、分散媒が揮発する等により混合物の状態が変化してしまうおそれがある。
前記粒子状充填材とは、粒子状の充填材であれば特に限定されないが、例えば無機材料による粒子状充填材と有機材料による粒子状充填材が挙げられる。無機材料による粒子状充填材としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マイカ、クレー、ゼオライト等があり、有機材料による粒子状充填材としては、例えばセルロース粒子、木粉、パルプ、粉砕布、熱硬化性樹脂硬化物粉等がある。これらの充填材を2種以上使用してもいいが、これらの中でも成形体の寸法安定性の観点から、無機材料からなる無機粒子が好ましく、さらに汎用性、コストの観点からシリカが特に好ましい。
前記粒子状充填材の形状は塊状、鱗片状、球状、繊維状等、特に限定されないが、これらのなかでも、球状であることが好ましい。球状であることで、分散性が向上し、成形物の透明性が向上する。
前記粒子状充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、10nm以上、100nm以下が好ましく、さらに好ましくは、10nm以上、50nm以下である。前記平均粒子径が前記好ましい範囲内であると、成形体の透明性と、寸法安定性が向上する。
前記粒子状充填材の平均粒子径は、動的光散乱装置(例えば、マルバーン社製、ゼータサイザーナノZS)を用いて測定することができる。体積換算で頻度が50%となる粒子径を平均粒子径D50%として定められる。
本発明における粒子状充填材の凝集体は、前記粒子状充填材が、2つ以上凝集して接合したものであり、混合工程において単位体積当たりの充填率が、25%以下であることを特徴とする。ここで1.5%以上、22%以下であることが好ましく、1.5%以上、20%以下がより好ましい。前記範囲内であることにより、粒子状充填材の分散性が向上し、成形物の透明性が向上する。
前記単位体積当たりの充填率は、以下の方法より算出することができる。まず、前記粒子の凝集体の嵩密度を、例えばJIS K 5101−12−1に準じて測定する。測定した嵩密度をa、粒子の密度をbとした場合、単位体積当たりの充填率は、(a/b)×100(%)で算出することができる。



前記粒子状充填材の凝集体を得るには、特に限定されないが、例えば粒子状充填材の表面を樹脂等で処理して凝集させる方法等が挙げられる。
さらに、効率良く粒子の凝集体を得られることから、下記の方法により作製することが好ましい。まず、分散媒に分散された粒子状充填材を用意し、そこに凝集剤を添加する。これにより、静電反発力により分散していた粒子状充填材が表面の電荷を失い、粒子状充填材が凝集することで、分散媒に含まれる粒子状充填材の凝集体を得ることができる。さらに、粒子状充填材の凝集沈殿後、前記凝集剤を除去することが好ましい。凝集剤を除去することで、樹脂組成物における粒子状充填材の分散性が向上し、成形物の透明性が向上する。凝集剤を除去するには、粒子状充填材の凝集体が含まれる分散媒を加熱して、凝集剤が溶解している上澄み液を抜き去ることで凝集剤を除去することができる。さらに分散媒で置換して凝集沈殿物から凝集剤を除去する処理を繰り返し行うことで、より凝集剤を除去することができる。
また、粉体状の粒子状充填材から粒子状充填材の凝集体を得るためには、まず分散媒に粒子状充填材を分散させて、上記の方法により粒子状充填材の凝集体を得ることができる。ここで、粒子状充填材を分散媒に分散させるには、超音波等を用いることで、効率的に分散させることができる。
前記分散媒に含まれる粒子状充填材の凝集体は、凝集剤の除去後にさらに分散媒を蒸発させることで単離し、樹脂と混合させることができるが、分散媒に含まれたまま樹脂と混合させることが好ましい。分散媒に含まれた粒子状充填材を用いて樹脂と混合させることにより、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記凝集剤は、特に限定されないが、例えば、臭化カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの電解質、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄、塩化鉄などの無機物、コロイド溶液などが挙げられ、これらを二種以上組合わせてもよい。その中でも、臭化カリウム、塩化カリウムなどを用いることが好ましい。
前記分散媒は、特に限定されないが、例えば水、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノールおよびプロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
上述したような粒子状充填材の凝集体と混合する前記樹脂は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等、特に限定されないが、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の具体例としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、これらの2種以上を混合してもよい。その中でも、フェノール樹脂を用いることが好ましく、樹脂組成物から得られる成形体の透明性寸法や安定性が向上する。また、熱硬化時にフェノール樹脂に由来する架橋の密度が高くなり、成形体の機械強度が向上する場合がある。
前記混合工程では、前記粒子状充填材の凝集体と、前記樹脂の他に、硬化剤、硬化促進剤、充填材、シランカップリング剤、着色剤、難燃剤および離型剤などの添加剤を特性が損なわれない範囲で含むことができる。
(2)溶融工程
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、混合工程で得られた混合物を加熱することで前記樹脂を溶融させ、溶融した樹脂を含む混合物を得る溶融工程を含むことが好ましい。溶融工程を含むことで、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。溶融工程は、混合工程の後、第一の混練工程の前に行うことが好ましい。
溶融工程は、選択した樹脂にもよるが、樹脂が溶融する条件であれば特に限定されないが、90℃以上140℃以下で行うことが好ましく、特に混合物に分散媒を含む場合は、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。前記好ましい範囲内で樹脂を溶融させることで、粒子状充填材の凝集体と溶融した樹脂とが充分に混合され、樹脂組成物からなる成形体の透明性がより向上する。前記上限値より高い場合、樹脂が劣化するおそれや、粘度低下により分散性が低下するおそれがある。
溶融工程を行う時間は、前記樹脂が溶融すれば特に限定されないが、10秒以上、3分以下が好ましく、30秒以上、2分以下がより好ましい。前記好ましい時間内であることで、粒子状充填材の凝集体と溶融した樹脂とが充分に混合され、樹脂組成物からなる成形体の透明性がより向上し、かつ効率良く樹脂組成物を製造することができる。
(3)第一の混練工程
本発明の樹脂組成物の製造方法は、前記混合物を加熱混練する第一の混練工程を含む。第一の混練工程を含むことで、粒子状充填材の凝集体がせん断力により破壊され、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第一の混練工程は、特に限定されないが、ロール、ニーダー又は押出機等が用いられ、これらの中でも二軸押出機を用いることにより混練することが好ましい。二軸押出機を用いることにより、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第一の混練工程における混練部のディスク形状は、特に限定されないが、例えば周知のニュートラルニーディングディスク、順ねじりニーディングディスク、逆ねじりニーディングディスク、順ねじりミキシングディスク、逆ねじりミキシングディスク、ロータースクリュ、逆フライトスクリュ等、及びこれらの任意の組み合わせから構成することができ、ニュートラルニーディングディスクを用いることにより混練することが好ましい。ニュートラルニーディングディスクを用いることにより、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。また、混練部のディスクの回転数は、特に限定されないが、ディスク回転数が1000rpm以上、4000rpm以下で混練することが好ましく、1500rpm以上、3000rpm以下で混練することがより好ましい。前記好ましい範囲で行うことで、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第一の混練工程における混練条件は、前記混合物の粘度を、10Pa・s以上、100000Pa・s以下となるような条件で行うことが好ましく、100Pa・s以上、10000Pa・s以下となるような条件で行うことがより好ましい。前記好ましい範囲内で行うことで、前記混合物に強いせん断力が働き、より多くの粒子状充填材の凝集体が破壊され、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第一の混練工程における温度条件は、前記混合物に含まれる樹脂、分散媒等によっても異なるが、90℃以上140℃以下で行うことが好ましく、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。前記好ましい範囲内で行うことで、前記混合物の粘度を好適な値にすることができ、前記混合物に強いせん断力が働く。強いせん弾力により多くの粒子状充填材の凝集体が破壊され、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
第一の混練工程を行う時間は、前記粒子状充填材の凝集体が充分に破壊されれば特に限定されないが、30秒以上、5分以下が好ましく、1分以上、3分以下がより好ましい。前記好ましい時間内であることで、粒子状充填材の凝集体が充分に破壊され、樹脂組成物からなる成形体の透明性がより向上し、かつ効率良く樹脂組成物を製造することができる。前記上限値よりも長い場合、温度が上昇することにより樹脂が劣化するおそれがある。
(4)脱分散媒工程
本発明の樹脂組成物の製造方法は、含まれる分散媒を除去する脱分散媒工程を含んでもよい。特に前記分散媒に含まれる粒子状充填材の凝集物、前記樹脂分散液、または前記樹脂溶液を用いた場合、脱分散媒工程を含むことが好ましい。脱分散媒工程を含むことにより、前記混合物の粘度が上昇し、前記第一の混練工程または後述する第二の混練工程において、強いせん断力が働き、より多くの粒子状充填材の凝集体が破壊され、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記脱分散媒工程は、分散媒が除去されれば特に限定されないが、加熱により分散媒を揮発させることにより行うことが好ましい。ここで、加熱により分散媒を揮発させる場合、含まれる分散媒が揮発する温度であれば特に限定されないが、90℃以上140℃以下で行うことが好ましく、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。前記好ましい範囲で行うことで、効率良く分散媒を揮発させることができ、効率良く樹脂組成物を製造することができる。また、単軸押出機や二軸押出機等の押出機を用いる場合、揮発させた分散媒はベント孔から外部に除去されるが、ベント孔は−0.05MPa以下に減圧することが好ましく、−0.1MPa以下に減圧することがより好ましい。前記好ましい範囲で行うことで、効率よく分散媒を揮発させることができ、効率良く樹脂組成物を製造することができる。
前記脱分散媒工程は、第一の混練工程前に行う等、特に限定されないが、第一の混練工程の後、後述の第二の混練工程の前に行うことが好ましい。前記第一の混練工程の後、第二の混練工程の前で行うことにより、効率良く粒子状充填材の凝集体を破壊することができ、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
(5)第二の混練工程
本発明の樹脂組成物の製造方法は、前記第二の混練工程を含んでもよい。前記第二の混練工程は、第一の混練工程の後に脱溶媒工程が含まれる場合、脱溶媒工程の後に含んでもよく、第一の混練工程の前に脱溶媒工程が含まれる場合、第一の混練工程の後に含んでもよい。第二の混練工程を含むことで、粒子状充填材の凝集体がせん断力によりさらに破壊され、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第二の混練工程は、特に限定されないが、ロール、ニーダー又は押出機等が用いられ、これらの中でも二軸押出機を用いることにより混練することが好ましい。二軸押出機を用いることにより、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第二の混練工程における混練部のディスク形状は、特に限定されないが、前記第一の混練工程におけるものと同じものが使用でき、例えば周知のニュートラルニーディングディスク、順ねじりニーディングディスク、逆ねじりニーディングディスク、順ねじりミキシングディスク、逆ねじりミキシングディスク、ロータースクリュ、逆フライトスクリュ等、及びこれらの任意の組み合わせから構成することができ、ニュートラルニーディングディスクを用いることにより混練することが好ましい。ニュートラルニーディングディスクを用いることにより、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。また、混練部のディスクの回転数は、特に限定されないが、ディスク回転数が1000rpm以上、4000rpm以下で混練することが好ましく、1500rpm以上、3000rpm以下で混練することがより好ましい。前記好ましい範囲で行うことで、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第二の混練工程における混練条件は、前記混合物の粘度を、10Pa・s以上、100000Pa・s以下となるような条件で行うことが好ましく、100Pa・s以上、10000Pa・s以下となるような条件で行うことがより好ましい。前記好ましい範囲内で行うことで、前記混合物に強いせん断力が働き、より多くの粒子状充填材の凝集体が破壊され、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
前記第二の混練工程における温度条件は、前記混合物に含まれる樹脂、分散媒等によっても異なるが、90℃以上140℃以下で行うことが好ましく、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。ここで、第一の混練工程と同じ温度で行ってもよく、異なる温度で行ってもよい。前記好ましい範囲内で行うことで、前記混合物の粘度が好適な値になり、前記混合物に強いせん断力が働き、より多くの粒子状充填材の凝集体が破壊され、粒子状充填材を樹脂組成物により高度に分散させることができ、成形体の透明性を向上させることができる。
第二の混練工程を行う時間は、前記粒子状充填材の凝集体が充分に破壊されれば特に限定されないが、30秒以上、5分以下が好ましく、1分以上、3分以下がより好ましい。前記好ましい時間内であることで、粒子状充填材の凝集体が充分に破壊され、樹脂組成物からなる成形体の透明性がより向上し、かつ効率良く樹脂組成物を製造することができる。
説明の都合上、(1)混合工程、(2)溶融工程、(3)第一の混練工程、(4)脱溶媒工程、(5)第二の混練工程、の順で本発明の樹脂組成物の製造方法を詳細に説明したが、本発明はこの順に行われる方法に限られたものではない。
例えば(1)混合工程、(3)第一の混練工程の順で行う方法や、(1)混合工程、(3)第一の混練工程、(4)脱溶媒工程、(5)第二の混練工程の順で行う方法、(1)混合工程、(2)溶融工程、(4)脱溶媒工程、(3)第一の混練工程の順で行う方法、(1)混合工程、(2)溶融工程、(4)脱溶媒工程、(3)第一の混練工程、(5)第二の混練工程で行われる方法等も含まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。
(実施例1)
(1)粒子状充填材の凝集体
分散媒が水であるコロイダルシリカ(スノーテックス30、日産化学工業株式会社製、粒径12nm、固形分30wt%)100重量部に、臭化カリウム(和光純薬株式会社製)10%水溶液を900重量部加え、2時間撹拌し、シリカ粒子を凝集させた。凝集したシリカ粒子を、80℃の熱水に入れて、上澄み液を抜くことで凝集したシリカ粒子から臭化カリウムを除去し、乾燥させてシリカ粒子の凝集体を得た。得られたシリカ粒子の凝集体の充填率は、8.5%であった。
(2)混合工程
前記シリカ粒子の凝集体を、水に再度分散させて、シリカ粒子の凝集体が20重量%で水に分散させた分散液を得た。前記分散液100重量部に対し、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、A1087)を380重量部混合し、撹拌棒で2分間かき混ぜ、樹脂とシリカ粒子の凝集体を含む混合物を得た。
(3)溶融工程、第一の混練工程、脱分散媒工程、および第二の混練工程
溶融工程、溶融工程、第一の混練工程、脱分散媒工程、および第二の混練工程は、二軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW−45MG−NH(―6000))で行った。スクリュー回転数は2000rpmとし、溶融工程は90℃で30秒間、第一の混練工程は、90℃で1分間、脱分散媒工程はベント孔からロータリーポンプで−0.05MPaまで減圧させ、120℃で1分間、更に第二の混練工程は110℃で1分間となるよう、二軸押出機のバレル温度設定し、前記混合物のフィード量を調整した。以上の工程から、樹脂組成物を得た。
(4)成形体の評価
得られた樹脂組成物を離型処理したシャーレ上で、減圧下において、150℃の熱板上で30分間脱溶媒処理をし、さらに90℃で30分間プレス成形し、100μmの樹脂組成物のフィルムを得た。光線透過率を測定したところ、全光線透過率は90%であった。また、得られたフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で凝集物の有無を確認したところ、凝集物は確認されなかった。
前記と同様の手法により得られた、曲げ強度測定に必要量の樹脂組成物を粉砕し、樹脂組成物中のノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、ヘキサメチレンテトラミン(三菱ガス化学社製)15質量部を配合し、ミキサーで3分間混合した後、2本ロールにより100℃で溶融混練して、成形材料に用いる樹脂組成物を得た。得られた成形材料に用いる樹脂組成物を圧縮成形で175℃において3分間、さらに200℃において5時間硬化させ、厚み4mm、幅10mmのテストピースを得た。曲げ強度を測定した結果、95MPaであった。
(実施例2)
得られたシリカ粒子の凝集体20重量部を、水に再度分散させずに、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、A1087)を380重量部とミキサーで混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物から実施例1と同様に成形体として、100μmの樹脂組成物のフィルム、および厚み4mm、幅10mmのテストピースを得た。これらの成形体について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1のコロイダルシリカ(スノーテックス30、日産化学工業株式会社製、粒径12nm、固形分30wt%)をコロイダルシリカ(スノーテックス20L、日産化学工業株式会社製、粒径40nm、固形分20wt%)にし、臭化カリウム(和光純薬株式会社製)10%水溶液を600重量部加え、シリカ粒子の凝集体を得た以外は、実施例1と同様にした。このとき、シリカ粒子の凝集体の充填率は、13%であった。得られた樹脂組成物から実施例1と同様に成形体として、100μmの樹脂組成物のフィルム、および厚み4mm、幅10mmのテストピースを得た。これらの成形体について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1のコロイダルシリカ(スノーテックス30、日産化学工業株式会社製、粒径12nm、固形分30wt%)をコロイダルシリカ(スノーテックスXL、日産化学工業株式会社製、粒径50nm、固形分40wt%)にし、臭化カリウム(和光純薬株式会社製)10%水溶液を1200重量部加え、シリカ粒子の凝集体を得た以外は、実施例1と同様にした。このとき、シリカ粒子の凝集体の充填率は、15%であった。得られた樹脂組成物から実施例1と同様に成形体として、100μmの樹脂組成物のフィルム、および厚み4mm、幅10mmのテストピースを得た。これらの成形体について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(比較例1)
(1)混合工程
水に分散されたコロイダルシリカ(スノーテックス30、日産化学工業株式会社製、粒径12nm、固形分30wt%)100重量部に対し、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、A1087)を570重量部混合し、撹拌棒で2分間かき混ぜ、樹脂とシリカ粒子を含む混合物を得た。このとき、実施例とは異なり、コロイダルシリカからシリカ粒子の凝集体を得ずに、そのままフェノール樹脂を混合させた。
(2)溶融工程、第一の混練工程、脱分散媒工程、および第二の混練工程
溶融工程、溶融工程、第一の混練工程、脱分散媒工程、および第二の混練工程は、二軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW−45MG−NH(―6000))で実施例1と同様に行い、樹脂組成物を得た。
(3)成形体の評価
得られた樹脂組成物を実施例1と同様に離型処理したシャーレ上で、減圧下において、150℃の熱板上で30分間脱溶媒処理をし、さらに90℃で30分間プレス成形し、100μmの樹脂組成物のフィルムを得た。
前記と同様の手法により得られた、曲げ強度測定に必要量の樹脂組成物を粉砕し、樹脂組成物中のノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、ヘキサメチレンテトラミン(三菱ガス化学社製)15質量部を配合し、ミキサーで3分間混合した後、2本ロールにより100℃で溶融混練して、成形材料に用いる樹脂組成物を得た。得られた成形材料に用いる樹脂組成物を圧縮成形で175℃において3分間、200℃において5時間硬化させ、厚み4mm、幅10mmのテストピースを得た。
得られた樹脂組成物から実施例1と同様に成形体として、100μmの樹脂組成物のフィルム、および厚み4mm、幅10mmのテストピースを得た。これらの成形体について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(比較例2)
水に分散されたコロイダルシリカ(スノーテックス30、日産化学工業株式会社製、粒径12nm、固形分30wt%)に、実施例とは異なり、臭化カリウム(和光純薬株式会社製)を加えずに乾燥させてシリカ粒子の凝集体を得た以外は、実施例1と同様にした。このとき、シリカ粒子の凝集体の充填率は、41%であった。得られた樹脂組成物から実施例1と同様に成形体として、100μmの樹脂組成物のフィルム、および厚み4mm、幅10mmのテストピースを得た。これらの成形体について、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
Figure 0005760975
表から明らかなように、本発明では、粒子状充填材が樹脂中に高度に分散し、透明性に優れた均一な成形体を得られたのに対し、比較例では十分な結果が得られなかった。

Claims (6)

  1. 粒子状充填材の凝集体と樹脂とを混合し、混合物を得る混合工程、
    前記混合物を加熱混練する第一の混練工程、
    をこの順で含む樹脂組成物の製造方法であって、
    前記凝集体が、単位体積あたりの充填率が25%以下であり、
    前記凝集体が、粒子状充填材を液状の分散媒に分散されたものに無機塩電解質を添加して得られるものであることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
    法。
  2. 前記凝集体が、分散媒に含まれている請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記混合物を加熱することで前記樹脂を溶融させ、溶融した樹脂を含む混合物を得る溶融工程を含む請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記混合物から、分散媒を除去する脱分散媒工程を含む請求項2または3に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記脱分散媒工程を、第一の混練工程の後に含む請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記脱分散媒工程の後に更に加熱混練する第二の混練工程を含む請求項またはに記載の樹脂組成物の製造方法。
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