JP2017043654A - ポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】平均粒径が小さく、粉体流動性に優れかつ成形後の強度が高いポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物を効率よく提供する。【解決手段】平均粒径が1μmを超え100μm以下であり、均一度が4以下であるポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体100重量部に、平均粒径が20〜500nmである無機微粒子を0.1〜5重量部、最大寸法が1μm以上200μm以下の無機強化材を25〜150重量部配合したポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物である。【選択図】なし

Description

本発明は、平均粒径が小さく、粉体流動性に優れかつ成型後の強度が高いポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略すことがある。)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下PASと略すことがある。)は、優れた耐熱性、バリア性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラスチックとしては好適な性質を有しており、射出成形、押出成形用途を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品、フィルム、繊維などに使用されている。
このような優れたPAS樹脂の粉粒体を各種成型加工・プリンタートナー・コーティング剤・耐熱添加剤として用途展開する需要は高く、PAS樹脂粉粒体を製造する方法は下記に示すいくつかの方法が提案されている。 このような優れたPAS樹脂の粉粒体を各種成型加工・コーティング剤・耐熱添加剤として用途展開する需要は高く、PAS樹脂粉粒体を製造する方法は下記に示すいくつかの方法が提案されている。
特許文献1では、PPSを島とし他の熱可塑性ポリマーを海として溶融混練し、海島構造の樹脂混合物を形成した後、海相を溶解洗浄してPPS樹脂粉粒体を得ている。また、特許文献2では、PPSを高温の溶媒に溶解させ、冷却・析出させることによりPPS樹脂粉粒体を得ている。
また、樹脂粉粒体の流動性を改善する方法としては、特許文献3に記載されているように無機微粒子を添加することにより粒子間距離を広げ、粒子同士の相互作用を緩和する方法がある。
特開平10−273594号公報 特開2007−154166号公報 特開2013−166667号公報
粉体工学会編、「粉体工学用語辞典」、第2版、日刊工業新聞社、2000年3月30日、P.56−57
しかしながら、特許文献3に記載されている方法で得られたPAS樹脂粉粒体は、成形材料として使用した場合、その高い電気絶縁性から静電気による凝集を起こし易く流動性が優れないため、製造工程においてサイロ等における供給・排出時のトラブルが頻発する問題がある。また、PAS樹脂粉粒体は圧縮度が高く、サイロやホッパーの下部では粉体圧により圧縮されて嵩密度が増加し更なる流動性の低下を引き起こす。
特に、特許文献1や2の方法で得たPPS樹脂粉粒体は粒径が小さいために近傍の粒子と接触する面積が大きくなり、静電気による粒子同士の凝集を起こしやすく流動性が悪い。
本発明は、平均粒径が小さく、粉体流動性に優れかつ圧縮度の低いポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体を効率よく得ることを課題として検討した結果達成されたものである。
更に、特許文献1や2の方法で得られるPAS樹脂粉粒体は強化材を含まないため、成形後の強度が低く自動車や航空機などの部材へ適用することが困難であった。
特に、炭素繊維複合材料やガラス繊維複合材料に使用されるマトリックス樹脂には、繊維への含浸性が求められるため微細な粒子径が要求される。しかし、強化材を含むPAS樹脂混合物は通常溶融混練により製造されるためペレット状であり、特許文献1や2記載されている方法で得られるような非強化PAS樹脂を使用している。
特許文献3の方法で得られるPAS樹脂粉粒体混合物には、無機充填剤が含まれるが、使用しているPAS樹脂粉粒体は一般的な方法で製造される粒度分布の広い粉粒体であるため、前述の圧縮度が大きく、炭素繊維やガラス繊維への含浸性に優れない。
本発明は、平均粒径が小さく、粉体流動性に優れかつ強度の高いポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体を効率よく得ることを課題として検討した結果達成されたものである。
本発明は、かかる課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記発明に至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)平均粒径が1μmを超え100μm以下であり、均一度が4以下であるポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体100重量部に、平均粒径が20〜500nmである無機微粒子を0.1〜5重量部、最大寸法が1μm以上200μm以下の無機強化材を25〜150重量部配合したポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物。
(2)無機微粒子がシリカであることを特徴とする(1)記載のポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物。
(3)前記無機強化材がガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスファイバー、炭素繊維、酸化アルミニウム、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカ、アルミノシリケート・セラミック、石灰石、石膏、ベントナイト、沈降ケイ酸ナトリウム、非晶質沈降シリカ、非晶質沈降ケイ酸カルシウム、非晶質沈降ケイ酸マグネシウム、非晶質沈降ケイ酸リチウム、塩化ナトリウム、ポルトランド・セメント、リン酸マグネシウム・セメント、オキシ塩化マグネシウム・セメント、オキシ硫酸マグネシウム・セメント、リン酸亜鉛セメント、酸化亜鉛のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする(1)または(2)のポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物。
本発明によれば、平均粒径が小さく、粉体流動性に優れかつ成型後の強度が高いポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物を効率よく得ることができる。
[PAS樹脂]
本発明におけるPASとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。Arは結合手が芳香環に存在する芳香環を含む基であり、下記の式(A)〜式(L)などで表される二価の繰り返し単位などが例示されるが、なかでも式(A)で表される繰り返し単位が特に好ましい。
Figure 2017043654
(ただし、式中のR1,R2は水素、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一でも異なっていてもよい。)
また、本発明におけるPASは上記繰り返し単位を含むランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物のいずれかであってもよい。
これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいPASとしては、ポリマーの主要構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位を80モル%以上、特に90モル%以上含有するポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトンが挙げられる。
本発明でいうPASは種々の方法、例えば、特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法、あるいは、特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きい重合体を得る方法などによって製造することができる。本発明において、得られたPPS樹脂を、空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱水および酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネートおよび官能基ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化など、種々の処理を施した上で使用することも可能である。
本発明に使用するPAS樹脂粒子は、特に制限されるものではなく、上記手法で得られる重合体をPAS樹脂粒子とすることもできるし、PAS樹脂をペレットや繊維、フィルムに成型したものなどからPAS樹脂粒子を得ることも出来る。ここでPAS樹脂粒子とは、本発明に好適な粒径範囲のPAS樹脂および本発明に好適な粒径範囲よりも大きな粒径のPAS樹脂を示す。また、使用するPAS樹脂粒子の形態に応じて後述する粉砕処理を行うことができる。また、溶媒に原材料を溶解させた後にスプレードライする方法、溶媒中でエマルションを形成した後で貧溶媒に接触させる貧溶媒析出法、溶媒中でエマルションを形成した後で有機溶媒を乾燥除去する液中乾燥法、粒子化したい樹脂成分とそれとは異なる樹脂成分とを機械的に混練することにより海島構造を形成させ、その後に海成分を溶媒で除去する強制溶融混練法も挙げられる。
[PAS樹脂粉粒体]
本発明では、平均粒径が1μmを超え100μm以下であるPAS樹脂粉粒体を用いる。PAS樹脂粉粒体の平均粒径の好ましい下限は3μmであり、より好ましくは5μmであり、さらに好ましくは8μmであり、特に好ましくは10μmであり、著しく好ましくは13μmであり、最も好ましくは15μmである。また、好ましい平均粒径の上限は95μmであり、より好ましくは、90μmであり、さらに好ましくは85μmであり、特に好ましくは80μmであり、著しく好ましくは75μmであり、最も好ましくは70μmである。
また、PAS樹脂粉粒体の粒度分布は均一であることが好ましい。均一度の小さいPAS樹脂粉粒体は粉体圧がかかった際の圧縮度が低くなるため、本発明のPAS樹脂の均一度は4以下である。PAS樹脂粉粒体の均一度は、好ましくは3.2以下であり、より好ましくは3.0以下であり、さらに好ましくは2.8以下であり、特に好ましくは2.5以下であり、著しく好ましくは2以下である。均一度の下限は、理論的には1であるが、現実的には1.1以上が好ましく、より好ましくは1.15以上であり、さらに好ましくは1.2以上であり、特に好ましくは1.3以上であり、著しく好ましくは1.4以上である。PAS樹脂粉粒体の均一度が4を超える場合は、たとえ平均粒径が適切な範囲であっても、圧縮度が大きく、本発明の効果を奏することが出来ない。
本発明におけるPAS樹脂粉粒体の平均粒径とは、ミー(Mie)の散乱・回折理論に基づくレーザー回折式粒度分布計にて測定される粒度分布の小粒径側からの累積度数が50%となる粒径(d50)である。
また、本発明におけるPAS樹脂粉粒体の均一度は、上記方法により測定した粒度分布の小粒径側からの累積度数が60%となる粒径(d60)を小粒径側からの累積度数が10%となる粒径(d10)で除した値である。
[無機強化材]
本発明において、PAS樹脂粉粒体混合物を成形した際の強度を向上するために、PAS樹脂粉粒体に無機強化材を添加することが重要である。ここで、無機強化材とは、PAS樹脂粉粒体混合物から成形される物品の機械特性を増強するのに適した、粒子状、針状、柱状、繊維状などの形状の無機物である。
本発明で、PAS樹脂粉粒体に添加する無機強化材は、最大寸法が1μm以上200μm以下のものを用いる。ここで、最大寸法とは、電子顕微鏡を用いて無機強化材を観察し、10万倍に拡大した画像から、無作為に任意の100個の無機強化材を選び、それぞれの無機強化材の外側輪郭線上の任意の2点を、その距離が最大になるように選んだときの長さを最大長さとして計測した値の平均値である。
無機強化材の最大寸法の上限は、200μmが好ましく、さらに好ましくは180μmであり、より好ましくは170μmであり、特に好ましくは160μmであり、著しく好ましくは150μmである。下限は、1μmが好ましく、さらに好ましくは5μmであり、より好ましくは10μmであり、特に好ましくは15μmである。無機強化材の最大寸法が200μmを超えると、PAS樹脂粉粒体混合物の流動性が著しく悪化してしまう。また、無機強化材の最大寸法が1μmを下回る場合は、流動性の向上効果は得られるが、PAS樹脂粉粒体混合物を成形した際の強度向上効果が得られにくい。
添加する無機強化材としては、上記最大寸法のものを使用することができ、好ましくは、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉化炭酸カルシウム、特殊カルシウム系充填剤などの炭酸カルシウム粉末;霞石閃長石微粉末、モンモリロナイト、ベントナイト等の焼成クレー、シラン改質クレーなどのクレー(ケイ酸アルミニウム粉末);タルク;溶融シリカ、結晶シリカ、アモルファスシリカなどのシリカ(二酸化ケイ素)粉末;ケイ藻土、ケイ砂などのケイ酸含有化合物;軽石粉、軽石バルーン、スレート粉、雲母粉などの天然鉱物の粉砕品;アルミナ(酸化アルミニウム)、アルミナコロイド(アルミナゾル)、アルミナホワイト、硫酸アルミニウムなどのアルミナ含有化合物;硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト(黒鉛)などの鉱物;ガラスファイバー、ガラスビーズ、ガラスフレーク、発泡ガラスビーズなどのガラス系フィラー;フライアッシュ球、火山ガラス中空体、合成無機中空体、単結晶チタン酸カリ、炭素繊維、カーボンナノチューブ、炭素中空球、炭素64フラーレン、無煙炭粉末、人造氷晶石(クリオライト)、酸化チタン、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、チタン酸カリウム、亜硫酸カルシウム、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられるが、さらに好ましくはガラス系フィラー、カーボン繊維が挙げられる。これらの無機強化材は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
[無機微粒子]
本発明において、ポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物の流動性を更に改善するために無機微粒子を添加する。PAS樹脂粉粒体の流動性は、粒径が小さいと近傍の粒子との相互作用により悪化するが、PAS樹脂粉粒体よりも粒径の小さな無機微粒子を添加することで粒子間距離を広げ、粉粒体混合物の流動性を改善することができる。
本発明で、PAS樹脂粉粒体に添加する無機微粒子は、平均粒径が20nm以上500nm以下のものを用いる。ここで、平均粒径は、上記のPAS樹脂粉粒体の平均粒径と同様の方法で測定した値である。
無機微粒子の平均粒径の上限は、400nmが好ましく、さらに好ましくは300nmであり、より好ましくは200nmであり、特に好ましくは150nmであり、著しく好ましくは100nmである。下限は、20nmが好ましく、さらに好ましくは30nmであり、より好ましくは40nmであり、特に好ましくは50nmである。無機微粒子の平均粒径が500nmを超えると、PAS樹脂粉粒体混合物の流動性を向上させる効果が十分でない。また、無機微粒子の平均粒径が20nmを下回る場合は、流動性の向上効果は得られるが、PAS樹脂粉粒体混合物の圧縮度を下げる効果が得られにくい。
添加する無機微粒子としては、上記平均粒径のものを使用することができ、好ましくは、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉化炭酸カルシウム、特殊カルシウム系充填剤などの炭酸カルシウム粉末;霞石閃長石微粉末、モンモリロナイト、ベントナイト等の焼成クレー、シラン改質クレーなどのクレー(ケイ酸アルミニウム粉末);タルク;溶融シリカ、結晶シリカ、アモルファスシリカなどのシリカ(二酸化ケイ素)粉末;ケイ藻土、ケイ砂などのケイ酸含有化合物;軽石粉、軽石バルーン、スレート粉、雲母粉などの天然鉱物の粉砕品;アルミナ(酸化アルミニウム)、アルミナコロイド(アルミナゾル)、アルミナホワイト、硫酸アルミニウムなどのアルミナ含有化合物;硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト(黒鉛)などの鉱物;ガラスファイバー、ガラスビーズ、ガラスフレーク、発泡ガラスビーズなどのガラス系フィラー;フライアッシュ球、火山ガラス中空体、合成無機中空体、単結晶チタン酸カリ、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、炭素中空球、炭素64フラーレン、無煙炭粉末、人造氷晶石(クリオライト)、酸化チタン、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、チタン酸カリウム、亜硫酸カルシウム、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられるが、さらに好ましくは炭酸カルシウム粉末、シリカ粉末、アルミナ含有化合物、ガラス系フィラーが挙げられる。特に好ましくはシリカ粉末が挙げられるが、中でも人体への有害性の小さいアモルファスシリカ粉末が工業上極めて好ましい。
本発明における無機微粒子の形状は、球状、多孔状、中空状、不定形状などがあり特に定めるものではないが、良好な流動性を示すことから中でも球状であることが好ましい。
この場合、球状とは真球だけでなく、歪んだ球も含む。なお、無機微粒子の形状は、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価する。ここで円形度とは、(投影した粒子像の面積と等しい円の周囲長)/(投影した粒子の周囲長)である。無機微粒子の平均円形度は、0.7以上1以下が好ましく、0.8以上1以下がより好ましい、さらに好ましくは0.9以上1以下が好ましい。
シリカ粉末は、その製法によって、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(即ち、フュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカ、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ(このうち、アルカリ条件で合成し凝集させたものを沈降法シリカ、酸性条件で合成し凝集させたものをゲル法シリカという)、珪酸ナトリウムからイオン交換樹脂で脱ナトリウムして得られた酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ(シリカゾル)、シラン化合物の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカなどに大別できるが、本発明の効果を得るためには、ゾルゲル法シリカが好ましい。
すなわち、無機微粒子の中でもシリカが好ましく、さらに好ましくはゾルゲル法シリカおよび/または球状シリカ、なかでもゾルゲル法球状シリカが最も好ましい。
さらに好ましくはシラン化合物やシラザン化合物等で表面を疎水化処理したものが用いられる。表面を疎水化処理することにより、無機微粒子同士の凝集を抑制し、無機微粒子のPAS樹脂粉粒体への分散性が向上する。前記シラン化合物は、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等の非置換若しくはハロゲン置換のトリアルコキシシラン等、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びエチルトリエトキシシラン、より好ましくは、メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン、またはこれらの部分加水分解縮合生成物が挙げられる。また、前記シラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン等、好ましくはヘキサメチルジシラザンが挙げられる。1官能性シラン化合物としては、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン;トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン;トリメチルアセトキシシラン等のモノアシルオキシシランが挙げられ、好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン又はトリメチルシリルジエチルアミン、特に好ましくは、トリメチルシラノール又はトリメチルメトキシシランが挙げられる。
これらの無機微粒子は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
無機微粒子の配合量は、PAS樹脂粉粒体100重量部に対し、0.1重量部以上5重量部以下である。配合量の上限は、好ましくは4重量部、より好ましくは3重量部、さらに好ましくは2重量部、特に好ましくは1重量部である。また、配合量の下限は、0.2重量部が好ましく、0.3重量部がより好ましく、0.4重量部がさらに好ましい。
[PAS樹脂粉粒体混合物の製造方法]
本発明においては、平均粒径が大きいPAS樹脂粒子や、均一度が大きい(均一でない)PAS樹脂粒子を原料として、粉砕、溶媒に原材料を溶解させた後にスプレードライする方法、溶媒中でエマルションを形成した後で貧溶媒に接触させる貧溶媒析出法、溶媒中でエマルションを形成した後で有機溶媒を乾燥除去する液中乾燥法、粒子化したい樹脂成分とそれとは異なる樹脂成分とを機械的に混練することにより海島構造を形成させ、その後に海成分を溶媒で除去する強制溶融混練法などの処理を行うことで本発明に適する粉粒体を得ることが出来る。
経済性の観点から粉砕処理が好適に用いられるが、粉砕処理の方法に特に制限は無く、ジェットミル、ビーズミル、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ターボミル、冷凍粉砕が挙げられる。好ましくは、ターボミル、ジェットミル、冷凍粉砕などの乾式粉砕であり、さらに好ましくは冷凍粉砕が好ましい。
本発明では、前記のPAS樹脂粉粒体に、無機微粒子および無機強化材を配合する。均一な樹脂粉粒体混合物とするための方法としては特に定めるものではなく、樹脂粉粒体と無機強化材を公知の方法で混合する。前述した粉砕処理を行う際に、無機微粒子および無機強化材を配合して、粉砕と混合を同時に行う方法も採用できる。
混合の方法としては、振とうによる混合方法、ボールミル、コーヒーミルなどの粉砕を伴う混合方法、ナウターミキサーやヘンシェルミキサーなどの攪拌翼による混合方法、V型混合機などの容器ごと回転させる混合方法、溶媒中での液相混合した後に乾燥する方法、フラッシュブレンダーなどを使用して気流によって攪拌する混合方法、アトマイザーなどを使用して粉粒体および/またはスラリーを噴霧する混合方法などが採用できる。
[PAS樹脂粉粒体混合物]
PAS樹脂粉粒体に無機微粒子および無機強化材を配合したPAS樹脂粉粒体混合物は、粉体流動性に優れ、圧縮度が低い特徴を有する。具体的には、安息角が発明の好ましい様態によれば40度以下であり、より好ましい様態によれば38度以下であり、さらに好ましい様態によれば35度以下である、および/または圧縮度が発明の好ましい様態によれば7.5以下であり、より好ましい様態によれば6.5以下であり、さらに好ましい様態によれば5.5以下であるPAS樹脂粉粒体混合物が得られる。
本発明における安息角および圧縮度とは、Carrの流動性指数の測定方法に基づいて測定した値である(非特許文献1)。
このような粉粒体は流動性に優れるとともに、粉体圧による圧密化が起こりづらいため、サイロなどへの供給・排出時の詰まりや空気輸送での閉塞などのトラブルが発生しにくい。
本発明のPAS樹脂粉粒体混合物は、射出成形や押出成形を始め、繊維、フィルム、粉体塗料、炭素繊維複合材料やガラス繊維複合材料、織物や多孔質材料への含浸樹脂、二層フィルムの層間スペーサー、粉末冶金材料のバインダー、3Dプリンター用粉末材料として好適に用いられる。3Dプリンターの中でも、特に粉末焼結積層造形法に使用される粉末材料は、平滑な粉面を形成するために粉体流動性の要求が高く、本発明のPAS樹脂粉粒体組成物を特に好適に用いることができる。粉末焼結積層造形法とは、粉末材料からなる粉末層にビームを照射して焼結させることによって焼結層を形成し、この焼結層の上に新たな粉末層を敷き、その新たな粉末層にビームを照射して焼結させることによって下の焼結層と接合した新たな焼結層を形成し、そして、これを繰り返すことによって、複数の焼結層が積層一体化した所望の三次元形状の積層造形物を製造する方法である。粉末焼結積層造形法では、薄層に展開する薄層形成工程において、素材となる粉粒体混合物には良好な滑り性あるいは流動性が要求される。さらに、造形物には高密度で高い機械的強度が要求される場合が多く、本願発明の粉体流動性に優れ、圧縮度が低いPAS樹脂粉粒体混合物はこの用途に用いるのに適している。
粉末焼結積層造形法による造形物の製造は、
PAS樹脂粉粒体混合物を薄層に展開する薄層形成工程と、
この薄層に、造形対象物の断面形状に対応する形状にレーザ光を照射して、PAS樹脂粉粒体混合物を結合させる断面形成工程とを順次繰り返すことで粉末焼結積層造形物を製造する方法によって行うことができる。
本発明のPAS樹脂粉粒体混合物を用いて粉末焼結積層造形法による得られる造形物は、PAS樹脂を用いていることから、高い耐熱性、耐薬品性、寸法安定性を有しており、適切な寸法の無機充填材を含むことから優れた機械的強度を有しており、さらに流動性にすぐれたPAS樹脂粉粒体組成物を原料とすることで欠陥の少ない優れた形状の造形物とすることができる。
以下、本発明の方法を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、各種測定法は以下の通りである。
[平均粒径]
PAS樹脂粉粒体の平均粒径は日機装製レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置MT3300EXIIを用い、分散媒としてポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル(商品名ノナール912A 東邦化学工業製 以後、ノナール912Aと称す)の0.5質量%水溶液を用いて測定した。具体的にはマイクロトラック法によるレーザーの散乱光を解析して得られる微粒子の総体積を100%として累積カーブを求め、小粒径側からの累積カーブが50%となる点の粒径(メジアン径:d50)をPAS樹脂粉粒体の平均粒径とした。
[最大寸法]
無機強化材の最大寸法の測定には、電子顕微鏡を用いて10万倍に拡大した画像から、無作為に任意の100個の無機強化材を選び、それぞれの最大長さを測長し、その数平均値を最大寸法とした。ここで最大長さとは、それぞれの無機強化材の外側輪郭線上の任意の2点を、その距離が最大になるように選んだときの長さである。
[均一度]
PAS樹脂粉粒体混合物の均一度は、日機装製レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置MT3300EXIIを用いて測定した粒径分布のd60/d10の値をPAS樹脂粉粒体の均一度とした。粒度分布が広いほど均一度は大きくなる。
[安息角]
PAS樹脂粉粒体混合物の安息角は、ホソカワミクロン製パウダーテスターPT−N型を用いて測定した。
[圧縮度]
PAS樹脂粉粒体混合物の圧縮度は、ホソカワミクロン製パウダーテスターPT−N型を用いて測定したゆるめ嵩密度と固め嵩密度から以下の式で算出した。
圧縮度=(固め嵩密度−ゆるめ嵩密度)/固め嵩密度×100
[引張強度]
PAS樹脂粉粒体混合物の成形後の引張強度は、PAS樹脂粉粒体混合物をプレス機により260℃、5分間、10MPaに保持して厚さ70〜80μmのフィルムを作製し、1cm×20cmの短冊状に切断したものを万能試験機(株式会社エーアンドデイ製テンシロン万能試験機RTG―1250)にて測定した。測定条件はチャック間隔:115mm、引張速度:50mm/分であり、5回測定した平均値を引張強度とした。
[製造例1]
撹拌機付きの1リットルオートクレーブに、47%水硫化ナトリウム1.00モル、46%水酸化ナトリウム1.05モル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1.65モル、酢酸ナトリウム0.45モル、及びイオン交換水5.55モルを仕込み、常圧で窒素を通じながら225℃まで約2時間かけて徐々に加熱し、水11.70モルおよびNMP0.02モルを留出したのち、反応容器を160℃に冷却した。また、硫化水素の飛散量は0.01モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)1.02モル、NMP1.32モルを加え、反応容器を窒素ガス下に密封した。その後、400rpmで撹拌しながら、200℃から240℃まで90分、240℃から270℃まで30分かけて二段階で昇温した。270℃到達10分経過後に水0.75モルを15分かけて系内に注入した。270℃で120分経過後、200℃まで1.0℃/分の速度で冷却し、その後室温近傍まで急冷して内容物を取り出した。
内容物を取り出し、0.5リットルのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別し、得られた粒子を1リットルの温水で数回洗浄、濾別してケークを得た。
得られたケークを窒素気流下、120℃で乾燥することにより、PAS−1を得た。得られたPAS−1の平均粒径は1600μm、均一度は4.1であった。
[製造例2]
攪拌機付きの1リットルオートクレーブに、47%水硫化ナトリウム1.00モル、48%水酸化ナトリウム1.04モル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)2.12モル、及びイオン交換水5.55モルを仕込み、常圧で窒素を通じながら225℃まで約2時間かけて徐徐に加熱し、水11.70モルおよびNMP0.02モルを留出したのち、反応容器を160℃に冷却した。また、硫化水素の飛散量は0.01モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)1.03モル、NMP0.76モルを加え、反応容器を窒素ガス下に密封した。その後、400rpmで撹拌しながら、200℃から270℃まで125分かけて昇温し、276℃で65分保持したのち、室温近傍まで急冷して内容物を取り出した。
得られた固形物およびイオン交換水750ミリリットルを撹拌機付きオートクレーブに入れ、70℃で30分洗浄した後、ガラスフィルターで吸引濾過した。次いで70℃に加熱した4リットルのイオン交換水をガラスフィルターに注ぎ込み、吸引濾過してケークを得た。
得られたケークおよびイオン交換水600リットルとポリアリーレンスルフィドに対して0.17%の酢酸カルシウム・1水和物を加え、撹拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、190℃まで昇温し、30分保持した。その後オートクレーブを冷却して内容物を取り出した。
内容物をガラスフィルターで吸引濾過した後、これに70℃のイオン交換水500ミリリットルを注ぎ込み吸引濾過してケークを得た。
得られたケークを窒素気流下、120℃で乾燥することにより、PAS−2を得た。得られたPAS−2の平均粒径は40μm、均一度は5.0であった。
[実施例1]
PAS−1をジェットミル(ホソカワミクロン製100AFG)で120分間粉砕し、平均粒径50μm、均一度1.6の粉粒体を得た。この粉粒体70gに対してヘキサメチルジシラザンで表面処理した平均粒径170nmのゾルゲル法球状シリカ(信越化学工業株式会社製X−24−9404)を0.5g、最大寸法28μmのガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ製EGB731B)を30g添加し、振とうにより混合した。得られた粉粒体混合物の安息角は37度、圧縮率は4.9%、フィルムの引張高度は15MPaであった。
[実施例2]
添加した無機強化材の重量が70g、無機微粒子の重量が0.7gである以外は実施例1と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は32度、圧縮率は4.3%、フィルムの引張高度は19MPaであった。
[実施例3]
添加した無機強化材が最大寸法46μmのガラスフレーク(日本板硝子株式会社製REF―015A)である以外は実施例1と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は36度、圧縮率は5.1%、フィルムの引張強度は21MPaであった。
[実施例4]
添加した無機強化材が最大寸法122μmのガラスファイバー(日本電気硝子株式会社製EPG70M―01N)である以外は実施例1と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は40度、圧縮率は6.1%、フィルムの引張強度は19MPaであった。
[実施例5]
添加した無機強化材が最大寸法180μmの炭素繊維(Zoltek製Panex35)である以外は実施例1と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は34度、圧縮率は6.1%、フィルムの引張強度は13MPaであった。
[実施例6]
PAS−2をジェットミル(ホソカワミクロン製100AFG)で60分間粉砕し、平均粒径15μm、均一度3.2の粉粒体を得た。この粉粒体70gに対してヘキサメチルジシラザンで表面処理した平均粒径170nmのゾルゲル法球状シリカ(信越化学工業株式会社製X−24−9404)を0.5g、最大寸法28μmのガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ製EGB731B)を30g添加し、振とうにより混合した。得られた粉粒体混合物の安息角は37度、圧縮率は4.9%、フィルムの引張高度は15MPaであった。
[比較例1]
無機強化材を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は39度、圧縮率は5.3%、フィルムの引張強度は13MPaであった。
[比較例2]
添加した無機強化材が最大寸法381μmのガラスファイバー(日本電気硝子製)である以外は実施例1と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は48度、圧縮率は7.6%、フィルムの引張強度は27MPaであった。
[比較例3]
無機強化材を添加しなかったこと以外は実施例6と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は34度、圧縮率は5.1%、フィルムの引張強度は12MPaであった。
[比較例4]
PAS−1をジェットミル(ホソカワミクロン製100AFG)で30分間粉砕し、平均粒径90μm、均一度5.7の粉粒体を得た。この粉粒体70gに対してヘキサメチルジシラザンで表面処理した平均粒径170nmのゾルゲル法球状シリカ(信越化学工業株式会社製X−24−9404)を0.5g、最大寸法28μmのガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ製EGB731B)を30g添加し、振とうにより混合した。得られた粉粒体混合物の安息角は48度、圧縮率は8.9%、フィルムの引張強度は14MPaであった。
[比較例5]
PAS−2の粉砕を行わなかったことは実施例6と同様にして、PAS樹脂粉粒体混合物を得た。得られた粉粒体混合物の安息角は45度、圧縮率は8.9%、フィルムの引張強度は14MPaであった。
Figure 2017043654
本発明により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物は、良好な粉体流動性を有するためハンドリング性に優れ、射出成形や押出成形などの成形材料として好適に用いられる。さらに、本発明により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物は、粒径が微細であり、かつ、良好な粉体流動性を有するため、粉体塗料母体粒子として用いる場合には良好な表面平滑性が得られ、炭素繊維強化樹脂のマトリックス樹脂として用いる場合には良好な含浸性が得られるため、特に好適に用いることができる。さらに、本発明により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物を使用して射出成形や押出成形などの成形、またはマトリックス樹脂として炭素繊維やガラスファイバーへの含浸を行った際には、優れた強度を有する成形品を得ることができる。

Claims (3)

  1. 平均粒径が1μmを超え100μm以下であり、均一度が4以下であるポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体100重量部に、平均粒径が20〜500nmである無機微粒子を0.1〜5重量部、最大寸法が1μm以上200μm以下の無機強化材を25〜150重量部配合したポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物。
  2. 無機微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物。
  3. 前記無機強化材がガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスファイバー、炭素繊維、酸化アルミニウム、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカ、アルミノシリケート・セラミック、石灰石、石膏、ベントナイト、沈降ケイ酸ナトリウム、非晶質沈降シリカ、非晶質沈降ケイ酸カルシウム、非晶質沈降ケイ酸マグネシウム、非晶質沈降ケイ酸リチウム、塩化ナトリウム、ポルトランド・セメント、リン酸マグネシウム・セメント、オキシ塩化マグネシウム・セメント、オキシ硫酸マグネシウム・セメント、リン酸亜鉛セメント、酸化亜鉛のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物。
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