JP5760973B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機関バルブのバルブタイミングを変更する可変動弁機構と同バルブタイミングを最進角位相および最遅角位相の間の中間位相で固定するロック機構とを備える内燃機関の可変動弁装置に関するものである。
内燃機関に搭載される機構として機関バルブ(吸気バルブや排気バルブ)のバルブタイミングを可変とする可変動弁機構が知られている。そして、可変動弁機構として、油圧作動式のものが実用されている(例えば特許文献1)。
油圧作動式の可変動弁機構は、例えばカムシャフトに一体回転可能に固定された第1回転体と、カムスプロケットに一体回転可能に固定された第2回転体とを備えている。
それら第1回転体および第2回転体との間には、第1回転体を第2回転体に対して回転方向前側(進角側)に相対回転させるための油室(進角油室)と、第1回転体を第2回転体に対して回転方向後ろ側(遅角側)に相対回転させるための油室(遅角油室)とが各別に形成されている。
そして、進角油室に加圧油を導入するとともに遅角油室から加圧油を排出すると、第1回転体が第2回転体に対して進角側に相対回動し、同第1回転体に一体回転可能に固定されたカムシャフトの回転位相が進められて、カムシャフトに設けられたカムにより開閉駆動される機関バルブのバルブタイミングが進角されるようになる。一方、遅角油室に加圧油を導入するとともに進角油室から加圧油を排出すると、第1回転体が第2回転体に対して遅角側に相対回動し、カムシャフトの回転位相が遅らされて、機関バルブのバルブタイミングが遅角されるようになる。他方、進角油室および遅角油室の油圧を均衡させると、第1回転体と第2回転体との相対回動が停止した状態になるため、カムシャフトの回転位相が固定されてバルブタイミングが保持されるようになる。
こうした油圧作動式の可変動弁機構では、機関始動時には進角油室および遅角油室から油圧が抜けた状態となっているため、油圧によるバルブタイミングの保持が不能となっている。そこで、そうした機関始動時においてもバルブタミングを適切な時期で保持できるように、第1回転体と第2回転体との相対回動を機械的に固定するためのロック機構が実用されている。
このロック機構は、第1回転体および第2回転体の一方に出没可能に収容されたロックピンと他方に形成されたロック穴とを備えている。ロックピンは、スプリングによって脱出方向に常時付勢されるとともに、加圧油の供給によって没入方向に付勢されるようになっている。加圧油の圧力が低い機関始動時には、ロックピンはスプリングの付勢力で突出するようになる。そして突出したロックピンがロック穴に係合することで、第1回転体と第2回転体との機械的係合がなされるようになる。
ちなみに、吸気側に設けられる可変動弁機構の多くでは、第1回転体がその相対回動範囲において最も回転方向後側に変位した最遅角位置においてロック機構によるロックがなされるようになっている。
近年、吸気バルブの閉弁時期を吸気下死点より大幅に遅角することで、アトキンソンサイクルを実現するように構成された可変動弁機構の実用化が進められている。こうした可変動弁機構では、吸気バルブのバルブタイミングが遅角側の限界になった場合に、十分な圧縮比を確保できずに内燃機関の始動性を保証できないことがある。そのため、こうした可変動弁機構にはロック機構として、最遅角位置から一定角進角した位置で第1回転体と第2回転体とをロックするように構成されたものが搭載されている。こうしたロック機構は、最進角位相と最遅角位相との中間の位相でロックを行うことから、中間ロック機構と呼ばれている。ちなみに、特許文献1に記載の装置には、こうした中間ロック機構が取り付けられている。
特開2010−242534号公報
上述した中間ロック機構を備える可変動弁機構では、機関停止時における中間ロック機構の作動に失敗して、機関始動に際して中間ロック機構のロックピンがロック穴から抜けた状態となっていることがある。ただし、この状態で内燃機関が始動された場合、第1回転体と第2回転体との相対回転が許容された状態でカム駆動反力が第1回転体に作用するようになるため、第1回転体が、例えば進角側への相対回動と遅角側への相対回動を交互に繰り返すといったように揺動するようになる。そして、こうした揺動によって第1回転体が中間ロック位相になると、ロックピンが突出してロック穴に係合して第1回転体がロックされる。
ここで、最遅角位置で第1回転体の相対回転を固定するロック機構であれば、こうした機関始動時におけるロックピンとロック穴との係合が最遅角位置、すなわち第1回転体と第2回転体との相対回動が一旦停止される位置で行われるために、ロックピンのロック穴への挿入が確実に行われるようになる。
これに対して中間ロック機構では、機関始動時におけるロックピンとロック穴との係合が中間ロック位置、すなわち第1回転体と第2回転体とが比較的高い速度で相対回動している可能性のある位置で行われる。そのため、ロックピンのロック穴への挿入に際して同ロックピンの外面とロック穴の内面とが衝突するなどして、それらロックピンやロック穴の早期劣化を招くおそれがあり、これがロック機構の耐久性能を低下させる一因になる。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロック機構の耐久性能の向上を図ることのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の装置は、機関バルブのバルブタイミングを変更する油圧作動式の可変動弁機構を備える。この可変動弁機構は、油室への加圧油の給排を通じて、カムシャフトに駆動連結された第1回転体とクランクシャフトに駆動連結された第2回転体とを相対回動させる。また上記装置は、第2回転体に対する第1回転体の相対回動位置を最遅角位置と最進角位置との間の中間ロック位置で固定するロック機構を備える。このロック機構は、第1回転体および第2回転体の一方に突出方向に常時付勢された状態で設けられたロックピンと他方に形成されたロック穴とを有し、それらロックピンおよびロック穴の係合を通じて上記相対回動位置の固定を行う。
上記装置では、機関停止に際してロック機構によるロックが行われなかった場合に、その後の機関始動に際して第1回転体の相対回動位置がカム駆動反力によって揺動するようになるため、ロック機構の耐久性能の低下が懸念される状況になる。
この点をふまえて上記装置には、第1回転体の第2回転体に対する相対回動位置が予め定めた所定回動位置範囲(中間ロック位置を含む)内の位置であるときに、同所定回動範囲外の位置であるときと比較して、第1回転体と第2回転体との相対回動に際して発生する摩擦抵抗を大きくする抵抗増大部が設けられている。そのため、第1回転体の相対回動位置が所定回動位置範囲内になったとき、すなわち同相対回動位置が中間ロック位置に近い位置になったときに摩擦抵抗が大きくなることから、第1回転体の相対回動における回動速度を低下させることができる。これにより、中間ロック位置においてロックピンが突出してロック穴に係合する際に同ロックピンの外面とロック穴の内面とが衝突することを抑えることができる。また仮に、ロックピンの外面とロック穴の内面とが衝突した場合であってもその衝突に伴う衝撃を緩和することができる。そのため、ロックピンやロック穴の早期劣化を回避することができ、ロック機構の耐久性能の向上を図ることができる。
また請求項1に記載の装置は、前記第1回転体として、カムシャフトに一体に取り付けられて同カムシャフトの径方向に延びる形状のベーンを有する。また前記第2回転体としては、ベーンが内部に収容されるケースであって且つ内部がベーンによってその回転方向後ろ側の進角油室と回転方向前側の遅角油室に区画されるケースを有する。また前記可変動弁機構は、それら進角油室および遅角油室への加圧油の給排を通じてベーンをケースの内部において移動させることによって第1回転体と第2回転体とを相対回動させるものである。
さらに請求項1に記載の装置では、ケースの上記カムシャフトの径方向における内面とベーンの上記カムシャフトの径方向における外面との対向時における間隙が上記内面の他の部分と比較して小さくなる形状に上記内面の一部が形成されて、これが前記抵抗増大部とされる。
上記装置では、第1回転対と第2回転体との相対回動に際してベーンの外面とケース内面の抵抗増大部とが対向する回動位置になると、ケースの内面とベーンの外面との間隙が小さくなるために、その相対回動に際して発生する摩擦力が大きくなる。このように上記装置によれば、ケース内面の形状を設定するといった簡素な構造により、上記摩擦力を大きくするといった構成を実現することができる。
請求項2に記載の装置は、第1回転体の相対回動位置を中間ロック位置で固定する前記ロック機構を二つ備える。こうした装置は、ロック機構を一つのみ備える装置と比較して、構成要素が多い分だけロックピンがロック穴に係合されないといった状態になり易い。そのため上記装置では、二つのロック機構におけるロックピンのロック穴への係合をそれぞれ確実に行うために、それぞれのロック機構におけるロックピンとロック穴との間隙が大きくなり易い。上記間隙が大きい装置では、ロックピンとロック穴との係合後におけるロックピンとロック穴との相対回動に際してその回動量が大きくなるため、ロックピンの外面とロック穴の内面との衝突に伴う衝撃が大きくなってロック機構の劣化を招き易くなってしまう。
この点、請求項2に記載の装置によれば、そうした装置において、所定回動位置範囲における第1回転体と第2回転体との相対回動速度を低く抑えることができるため、ロック機構の劣化を好適に抑えることができる。
請求項またはに記載の装置では、ロックピンとロック穴とが係合されていない状態で内燃機関が始動された場合に、進角油室や遅角油室からの加圧油の排出がなされない状態であると、カム駆動反力による第1回転体の揺動に伴って進角油室や遅角油室の内部圧力が低下したり上昇したりする。そして、進角油室の圧力上昇や遅角油室の圧力低下は第1回転体(詳しくは、ベーン)の遅角側への相対回動を制限する一因になり、進角油室の圧力低下や遅角油室の圧力上昇は第1回転体の進角側への相対回動を制限する一因になる。そのため、第1回転体の揺動に起因する進角油室や遅角油室の内部圧力の変動は、第1回転体の相対回動位置の変化、ひいては同相対回動位置の中間ロック位置への早期移動を制限する一因になると云える。
請求項に記載の装置では、可変動弁機構に、内燃機関の始動開始時において進角油室と遅角油室とを一時的に連通する連通路が設けられる。そのため、カム駆動反力による第1回転体の揺動に際して、第1回転体が進角側に相対回動するときには遅角油室から進角油室へと油や空気を逃がすことができ、同第1回転体が遅角側に相対回動するときには進角油室から遅角油室へと油や空気を逃がすことができる。これにより、進角油室や遅角油室の内部圧力の上昇や低下を抑えることができるために、カム駆動反力による第1回転体の揺動幅を大きくすることができ、第1回転体の相対回動位置を中間ロック位置まで速やかに変化させることができる。
こうした請求項に記載の装置では、第1回転体の相対回動の速度が高くなり易いために、その分だけロックピンの外面とロック穴の内面との衝突に起因するロック機構の劣化を招き易いと云える。上記装置によれば、そうした装置において、所定回動位置範囲における第1回転体と第2回転体との相対回動速度を低く抑えることができるため、ロック機構の劣化を好適に抑えることができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の可変動弁装置の概略構成を示す略図。 (A)可変動弁機構の断面形状を示す断面図、(B)同可変動弁装置の(A)におけるA−A線に沿った断面構造を示す断面図。 可変動弁機構の図2(A)のB−B線に沿った断面構造を示す断面図。 進角ロック機構の動作態様の一例を示す断面図。 進角ロック機構の動作態様の他の例を示す断面図。 進角ロック機構の動作態様のその他の例を示す断面図。 張り出し部およびその周辺の断面形状を示す断面図。 他の実施の形態における凸部およびその周辺の断面形状を示す断面図。 他の実施の形態における凸部およびその周辺の断面形状を示す断面図。 他の実施の形態における凸部およびその周辺の断面形状を示す断面図。 他の実施の形態における凸部およびその周辺の断面形状を示す断面図。 他の実施の形態における抵抗増大部およびその周辺の断面形状を示す断面図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の可変動弁装置について説明する。
図1に示すように、内燃機関10にはその各部に加圧油を供給するための油供給装置11が取り付けられている。この油供給装置11は、オイルパン12内に貯留されている油を圧送するオイルポンプ13と、圧送された加圧油を内燃機関10の各部に供給するための供給通路14とを備えている。供給通路14を介して供給される加圧油は、内燃機関10の各潤滑部位における潤滑に潤滑油として用いられたり、内燃機関10に取り付けられた各種の作動機構(例えば、後述する可変動弁機構30)を作動させるための作動油として用いられたりする。
内燃機関10のクランクシャフト15と吸気カムシャフト16と排気カムシャフト17とは、タイミングチェーン(図示略)を介して連結されている。内燃機関10が運転されてクランクシャフト15が回転駆動されると、吸気カムシャフト16および排気カムシャフト17が強制回転される。これにより、吸気カムシャフト16に取り付けられた吸気カム19によって吸気バルブ20が開閉駆動されるとともに、排気カムシャフト17に取り付けられた排気カム21によって排気バルブ22が開閉駆動される。また、上記タイミングチェーンと吸気カムシャフト16との間には、吸気バルブ20の開閉時期(いわゆるバルブタイミング)を変更するための可変動弁機構30が取り付けられている。この可変動弁機構30の具体構造については後に詳述する。
内燃機関10にはその運転状態を検出するための各種センサが取り付けられている。各種センサとしては、例えばクランクシャフト15の回転位相(クランク角)や回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ23や、吸気カムシャフト16の回転位相(カム角)を検出するためのカムセンサ24、内燃機関10に吸入される空気の量(吸入空気量GA)を検出するための吸気量センサ25などが設けられている。
また内燃機関10には、その周辺機器として、例えばマイクロコンピュータを備えて構成される電子制御装置26が設けられている。この電子制御装置26は、各種センサの検出信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいて可変動弁機構30(詳しくは、後述するオイルコントロールバルブ45)の作動制御など、内燃機関10の運転にかかる各種制御を実行する。
可変動弁機構30の作動制御は、次のように実行される。すなわち先ず、そのときどきの内燃機関10の運転状態(吸入空気量GAおよび機関回転速度NE)に基づいて、吸気バルブ20のバルブタイミングについての制御目標値(目標バルブタイミングTvt)が算出される。そして、この目標バルブタイミングTvtと実際のバルブタイミングVTとが一致するように、オイルコントロールバルブ45の作動が制御される。なお実際のバルブタイミングVTは、クランクセンサ23により検出されるクランク角とカムセンサ24により検出されるカム角とに基づき算出される。
以下、上記可変動弁機構30について詳細に説明する。
図2(A)または図2(B)に示すように、可変動弁機構30は、クランクシャフト15(図1参照)に同期して回転するハウジングロータ31と、吸気カムシャフト16に同期して回転するベーンロータ41とを備えている。これらハウジングロータ31およびベーンロータ41は同一の回転中心において回転する。吸気バルブ20(図1参照)のバルブタイミングの変更に際しては、ハウジングロータ31およびベーンロータ41の相対回動位置が変更される。
ハウジングロータ31はカムスプロケット33に一体に固定されている。このカムスプロケット33にはタイミングチェーンが巻き掛けられる。ハウジングロータ31は、略円環形状に形成されたハウジング本体32と、同ハウジング本体32の上記カムスプロケット33側の開口を塞ぐ形状の係合プレート34と、上記ハウジング本体32の上記カムスプロケット33から離間する側の開口を塞ぐ形状のカバー35とにより構成される。ハウジング本体32の内面には、ハウジングロータ31の回転中心(吸気カムシャフト16側)に向けて突出する形状の区画壁32aが三つ形成されている。
ベーンロータ41は、吸気カムシャフト16の先端に一体回転可能に固定されるとともに上記ハウジングロータ31の内部に配置されている。このベーンロータ41には、上記吸気カムシャフト16の径方向においてその回転軸L1から離間する方向に突出する形状の三つのベーン42が一体に形成されている。それらベーン42はそれぞれ、上記ハウジング本体32の隣り合う二つの区画壁32aに挟まれた位置に配置される。
可変動弁機構30では、上記ハウジング本体32の隣り合う二つの区画壁32aの間に挟まれた空間であり且つハウジングロータ31の内部に三箇所ある空間がそれぞれ、ベーン42によって吸気カムシャフト16の回転方向Xにおける後ろ側の空間(進角油室43)と同回転方向Xにおける前側の空間(遅角油室44)とに区画されている。そして可変動弁機構30では、オイルコントロールバルブ45の作動制御を通じて進角油室43および遅角油室44への加圧油の給排を行うことによって吸気バルブ20のバルブタイミングが変更される。
具体的には、進角油室43に加圧油が供給されるとともに遅角油室44から加圧油が排出されると、それら進角油室43および遅角油室44の内部圧力の差によって、ベーンロータ41(詳しくは、ベーン42)がハウジングロータ31に対して上記吸気カムシャフト16の回転方向X(進角側)に回動する。このとき吸気バルブ20のバルブタイミングは進角側に変化するようになる。そして、ハウジングロータ31に対するベーンロータ41の回動位置が上記回転方向Xにおける最も前側(進角側)の位置(以下、最進角位置Pmax)になったときに、吸気バルブ20のバルブタイミングVTが進角側の制御限界(以下、最進角位相VTmax)になる。
一方、進角油室43から加圧油が排出されるとともに遅角油室44に加圧油が供給されると、ベーンロータ41がハウジングロータ31に対して上記吸気カムシャフト16の回転方向Xと反対側(遅角側)に回動する。このとき吸気バルブ20のバルブタイミングは遅角側に変化する。そして、ハウジングロータ31に対するベーンロータ41の回動位置が上記回転方向Xにおける最も後ろ側(遅角側)の位置(以下、最遅角位置Pmin)になったときに、吸気バルブ20のバルブタイミングが遅角側の制御限界(以下、最遅角位相VTmin)になる。
本実施の形態の可変動弁機構30には、吸気バルブ20のバルブタイミングを前記最進角位相VTmaxと最遅角位相VTminとの間の所定タイミング(中間ロック位相VTmdl)で固定するためのロック機構が設けられている。なお中間ロック位相VTmdlとしては、最進角位相VTmaxおよび最遅角位相VTminと異なるタイミングであって、内燃機関10の始動に適した吸気バルブ20のバルブタイミングが設定される。
上記ロック機構は詳しくは、図3に示すように、進角ロック機構50および遅角ロック機構51の二つの機構によって構成されている。それら進角ロック機構50および遅角ロック機構51は共に、ベーンロータ41のベーン42に出没可能に設けられたロックピン52A(または52B)とハウジングロータ31に形成されたロック穴53A(または53B)との係合を通じて、ハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動を規制するものである。なおベーンロータ41へのロックピン52A(または52B)の配設態様は進角ロック機構50および遅角ロック機構51において同様であるため、以下では進角ロック機構50についてのみ説明し、遅角ロック機構51についての詳細な説明は省略する。図3および図4では、同一機能の部材において、進角ロック機構50に用いられる部材については符号の末尾に「A」を付して示し、遅角ロック機構51に用いられる部材については符号の末尾に「B」を付して示す。
三つのベーン42のうちの一つには上記吸気カムシャフト16の回転軸L1と並行に延びる収容孔54Aが形成されている。この収容孔54Aの内部にはロックピン52Aが出没可能な状態で収容されるとともに、同ロックピン52Aを収容孔54Aの外部に向けて突出する方向(脱出方向)に常時付勢するスプリング55Aが設けられている。また収容孔54Aの内部には、オイルコントロールバルブ45(図2参照)を介して加圧油を供給および排出可能なロック解除油室56が形成されている。このロック解除油室56に加圧油が供給されると、その内部圧力による付勢力によってロックピン52Aが上記スプリング55Aの付勢力に抗して没入方向に移動して上記収容孔54Aの内部に収容される。一方、ロック解除油室56Aの内部から加圧油が排出されると、同ロック解除油室56Aの圧力が低下するため、スプリング55Aの付勢力によってロックピン52Aを収容孔54Aから脱出方向に移動させることの可能な状態になる。
ハウジングロータ31(詳しくは、係合プレート34)の内面において進角ロック機構50のロックピン52Aの先端が対向する位置には円弧形状で延びる係合溝57A(図1参照)が形成されている。この係合溝57Aは、ロックピン52Aの先端が係合可能な形状に形成されている。可変動弁機構30は、ロックピン52Aが係合溝57Aに係合した状態であってもハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動が可能な構造になっている。
係合溝57Aの進角側の端部は、吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlになったときにおいてロックピン52Aの先端が対向する位置(中間位置PMA)になっている。これに対して、係合溝57Aの遅角側の端部は上記中間位相PMAより若干遅角側の位置(遅角位置PMA1)になっている。また、係合溝57Aの進角側の端部には上記ロックピン52Aを挿入可能なロック穴53Aが形成されている。
そのため、ロックピン52Aの先端が係合溝57Aに対向する位置になって同係合溝57Aに侵入(係合)すると、吸気バルブ20のバルブタイミングの変化が中間ロック位相VTmdlより若干遅角側の位置から同中間ロック位相VTmdlまでの位置範囲で制限されるようになる。さらに、吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlになってロックピン52Aがロック穴53Aに挿入されると、ロックピン52Aの外面とロック穴53Aの内面との接触を通じて、吸気バルブ20のバルブタイミングの中間ロック位相VTmdlからの変化が規制されるようになる。すなわち、このとき吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlで固定されるようになる。
一方、ハウジングロータ31(詳しくは、係合プレート34)の内面において遅角ロック機構51のロックピン52Bの先端が対向する位置には円弧形状で延びる係合溝57Bが形成されている。この係合溝57Bは、ロックピン52Bの先端が係合可能な形状に形成されている。可変動弁機構30は、ロックピン52Bが係合溝57Bに係合した状態であってもハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動が可能な構造になっている。
係合溝57Bの進角側の端部は、吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlになったときにおいてロックピン52Bの先端が対向する位置(中間位置PMB)よりも進角側の位置(進角位置PMBY)になっている。これに対して、係合溝57Bの遅角側の端部は上記中間位置PMBよりも遅角側の位置(第2遅角位置PMB2)になっている。また、係合溝57Bにおける上記中間位置PMBには上記ロックピン52Bを挿入可能なロック穴53Bが形成されている。
そのため、ロックピン52Bの先端が係合溝57Bに対向する位置になって同係合溝57Bに侵入(係合)すると、吸気バルブ20のバルブタイミングの変化が中間ロック位相VTmdlより進角側の位置から遅角側の位置までの位置範囲において制限されるようになる。さらに、吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlになってロックピン52Bがロック穴53Bに挿入されると、ロックピン52Bの外面とロック穴53Bの内面との接触を通じて、吸気バルブ20のバルブタイミングの中間ロック位相VTmdlからの変化が規制されるようになる。すなわち、このとき吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlで固定されるようになる。
また図4に示すように、ベーン42に形成された収容孔54Aの内部には、ロックピン52Aに加えて、アウターピン58Aが収容されている。具体的には、円環形状に形成されたアウターピン58Aが、円筒形状に形成されたロックピン52Aの側周にその軸方向(図中上下方向)において摺動可能に外挿されている。
ロックピン52Aの外周面には、その周囲全周に亘って外方に向けて突出する形状のフランジ部59Aが形成されている。スプリング55Aの付勢力によってロックピン52Aがロック穴53A側(図中下方側)に移動する際には、上記フランジ部59Aがアウターピン58Aの内面に係合して、ロックピン52Aがアウターピン58Aともども移動するようになる。また、アウターピン58Aがロック穴53から離間する方向(図中上方)に移動する際にも、上記フランジ部59Aがアウターピン58Aの内面に係合するため、ロックピン52Aがアウターピン58Aともども移動するようになる。
収容孔54Aの内部には、アウターピン58Aを図中下方側に向けて常時付勢するアウターピンスプリング60Aが配設されている。また収容孔54Aの内部には、同収容孔54Aの内面とロックピン52Aの外周面とアウターピン58Aの上記ロック穴53A側の外面とによって前記ロック解除油室56Aが区画形成されている。このロック解除油室56Aにはロック解除油路61Aが接続されている。そして、このロック解除油路61Aを通じてロック解除油室56A内に加圧油が供給されると、アウターピン58Aがロックピン52Aともども上記アウターピンスプリング60Aおよびスプリング55Aの付勢力に抗して図中上方に移動するようになる。
また収容孔54Aには、遅角油室44に連通される油室連通路62Aと進角油室43に連通される油室連通路63Aとが接続されている。これら油室連通路62A,63Aは、アウターピン58Aが図中下方に移動したときには収容孔54Aを介して互いに連通され、アウターピン58Aが図中上方に移動したときには互いの連通がアウターピン58Aによって遮断されるようになっている。したがって、ロック解除油室56A内の圧力が低下してアウターピン58が図中下方に移動したときには、遅角油室44と進角油室43とが互いに連通されるようになる。
進角ロック機構50および遅角ロック機構51は、基本的に、オイルコントロールバルブ45の作動制御を通じて以下のように作動する。
内燃機関10の始動が完了した後においては、ロック解除油室56に加圧油が供給されて、各ロック機構50,51においてロックピン52がロック穴53から脱出した状態(ロック解除状態[図4に示す状態])になる。また、このとき収容孔54を介した進角油室43と遅角油室44との連通がアウターピン58によって遮断された状態になる。そのため、このとき進角油室43および遅角油室44への加圧油の給排を通じて吸気バルブ20のバルブタイミングの変更が可能になる。
一方、内燃機関10の運転を停止させる際には、目標バルブタイミングTvtとして中間ロック位相VTmdlが設定されるとともに、ロック解除油室56からの加圧油の排出が行われる。これにより、吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlになった状態、すなわちベーンロータ41の相対回動位相が中間ロック位置Pmdlになった状態で、各ロック機構50,51のロックピン52がロック穴53側にそれぞれ付勢されるようになる。そのため、各ロック機構50,51のロックピン52がロック穴53に挿入されて係合した状態(ロック状態[図5に示す状態])になる。したがって、その後の内燃機関10の始動に際して吸気バルブ20のバルブタイミングが中間ロック位相VTmdlで固定された状態になるために、内燃機関10の始動が適正に行われるようになる。
本実施の形態の装置では、内燃機関10の運転停止時におけるロック機構50,51の作動に失敗してロックピン52がロック穴53から抜けた状態のままになることがある。こうした場合であっても、その後において内燃機関10の始動が開始されると、進角油室43および遅角油室44の圧力がごく低い状態、すなわちハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動が許容された状態で同ベーンロータ41にカム駆動反力が作用するようになる。そのためベーンロータ41が、例えば進角側への相対回動と遅角側への相対回動を交互に繰り返すといったように揺動するようになる。そして、この揺動によってベーンロータ41の相対回動位置が中間ロック位置Pmdlになると、各ロック機構50,51のロックピン52が突出してロック穴53に係合してハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動がロックされるようになる。
なお、このとき進角油室43や遅角油室44からの加圧油の排出が殆どなされない状態であると、カム駆動反力によるベーンロータ41の揺動に伴って進角油室43や遅角油室44の内部圧力が低下したり上昇したりする。そして、進角油室43の圧力上昇や遅角油室44の圧力低下はベーンロータ41の遅角側への相対回動を制限する一因になり、進角油室43の圧力低下や遅角油室44の圧力上昇はベーンロータ41の進角側への相対回動を制限する一因になる。そのため、ベーンロータ41の揺動に起因する進角油室43や遅角油室44の内部圧力の変動は、ベーンロータ41の相対回動位置の変化、ひいては同相対回動位置の中間ロック位置Pmdlへの早期移動を制限する一因になると云える。
本実施の形態の装置では、内燃機関10の始動開始時において、上記ベーン42に形成された油室連通路62,63を通じて進角油室43と遅角油室44とが一時的に連通された状態になる。詳しくは、図6に示すように、このときロック解除油室56に加圧油が供給されないためにアウターピンスプリング60の付勢力によってアウターピン58がロック穴53側(図中下方側)に移動した状態になり、油室連通路62,63および収容孔54を介して進角油室43と遅角油室44とが連通された状態になる。そのため、カム駆動反力によるベーンロータ41の揺動に際して、ベーンロータ41が進角側に相対回動するときには遅角油室44から進角油室43へと油や空気を排出することができ、同ベーンロータ41が遅角側に相対回動するときには進角油室43から遅角油室44へと油や空気を排出することができる。これにより、進角油室43や遅角油室44の内部圧力の上昇や低下を抑えることができるために、カム駆動反力によるベーンロータ41の揺動幅を大きくすることができ、ベーンロータ41の相対回動位置を中間ロック位置Pmdlまで速やかに変化させることができる。
ここで本実施の形態では、上述した内燃機関10の始動時におけるロックピン52とロック穴53との係合が、ベーンロータ41の相対回動が一時的に停止する最進角位相VTmaxや最遅角位相VTminではなく、同ベーンロータ41の相対回動速度が高くなる可能性のある中間ロック位相VTmdlにおいて行われる。そのため、内燃機関10の始動時におけるロックピン52のロック穴53への挿入に際して、同ロックピン52の外面とロック穴53の内面とが衝突するなどして、それらロックピン52やロック穴53の早期劣化を招くおそれがある。
また本実施の形態では、進角ロック機構50(図3)と遅角ロック機構51とを備えるため、ロック機構を一つのみ備える装置と比較して、構成要素が多い分だけ内燃機関10の運転停止時においてロックピン52がロック穴53に係合されないといった状況になり易い。そのため、それらロック機構50,51におけるロックピン52のロック穴53への係合をそれぞれ確実に行うために、各ロック機構50,51におけるロックピン52とロック穴53との間隙が大きくなり易い。ちなみに本実施の形態では、上記間隙が比較的大きく設定されている。そして、ベーンロータ41の相対回動位置の進角側への変化が進角ロック機構50のロックピン52Aの外面とロック穴53Aの内面の進角側の部分との接触を通じて規制されるようになっており、上記相対回動位置の進角側への変化が遅角ロック機構51のロックピン52Bの外面とロック穴53Bの内面の遅角側の部分との接触を通じて規制されるようになっている。
このように本実施の形態の装置では、各ロック機構50,51におけるロックピン52とロック穴53との間隙が大きいために、ロックピン52とロック穴53とが係合した後における同ロックピン52とロック穴53との相対回動の速度が高くなり易い。そのため、このときロックピン52の外面とロック穴53の内面との衝突に伴う衝撃が大きくなってロック機構50,51の劣化を招き易くなってしまう。
さらに本実施の形態では、内燃機関10の始動に際してカム駆動反力によるベーンロータ41の揺動幅を大きくするために、油室連通路62,63を介して進角油室43と遅角油室44とが一時的に連通される。そのため、ベーンロータ41の相対回動の速度が高くなり易く、その分だけロックピン52の外面とロック穴53の内面との衝突に起因するロック機構50,51の劣化を招き易い。
こうした実情をふまえて本実施の形態では、図7に示すように、ハウジングロータ31の上記吸気カムシャフト16の径方向における内面に、内方に向けて張り出す形状の張り出し部36が形成されている。この張り出し部36は各ベーン42の上記吸気カムシャフト16の径方向における外面と対向する位置(図2中にCで示す位置)に一つずつ、合計三箇所に形成されている。本実施の形態では、図7に示すように、ハウジングロータ31の内面において上記ベーン42の外面が対向する部分のうち、張り出し部36以外の部分が断面円弧形状で延びる形状に形成されているのに対し、張り出し部36は断面平面形状で延びる形状に形成されている。また各張り出し部36は、ベーンロータ41の相対回動に際して同ベーンロータ41の相対回動位置が中間ロック位置Pmdlより遅角側の位置から進角側の位置までの範囲、すなわち中間ロック位置Pmdlを含む所定の回動位置範囲においてベーン42の外面と上記張り出し部36とが対向するようになる位置に形成されている。本実施の形態では、上記張り出し部36が、ハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動に際して発生する摩擦抵抗を大きくする抵抗増大部として機能する。なお図7は、ベーン42の外面とハウジングロータ31の内面との間隙をシールするシール部材42aが上記張り出し部36に接触した状態を示している。
以下、ハウジングロータ31の内面に張り出し部36を形成することによる作用について説明する。
本実施の形態の装置では、ベーン42の外面とハウジングロータ31の内面との間隙が、ベーン42の外面と張り出し部36とが対向しない回動位置では比較的大きくなる(例えば、0.3mm)のに対して、ベーン42の外面と張り出し部36とが対向する回動位置では小さくなる(例えば、最も小さくなる部分で0.2mm)。そのため、ベーンロータ41の相対回動位置が前記中間ロック位置Pmdlを含む所定回動位置範囲内の位置であるときには、同所定回動範囲外の位置であるときと比較して、ハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動に際して発生する摩擦抵抗が大きくなる。したがって、ベーンロータ41の相対回動位置が所定の回動位置範囲内になったとき、すなわち同相対回動位置が中間ロック位置Pmdlに近い位置になったときに摩擦抵抗が大きくなることから、同ベーンロータ41の相対回動における回動速度を低下させることができる。
これにより、中間ロック位置Pmdlにおいて各ロック機構50,51のロックピン52が突出してロック穴53に係合する際に同ロックピン52の外面とロック穴53の内面とが衝突することを抑えることができる。また、仮にロックピン52の外面とロック穴53の内面とが衝突した場合であっても、その衝突における衝撃を緩和することができる。さらには、各ロック機構50,51のロックピン52がロック穴53に係合した状態になった後におけるベーンロータ41の相対回動の回動速度を低下させることもできるため、このときのロックピン52の外面とロック穴53の内面との衝突に伴い発生する衝撃を緩和することができる。したがって本実施の形態の装置によれば、ロックピン52やロック穴53の早期劣化を回避することができ、進角ロック機構50および遅角ロック機構51の耐久性能の向上を図ることができる。
また本実施の形態によれば、ハウジングロータ31の内面形状を設定するといった簡素な構造により、ハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動に際して発生する摩擦力を大きくといった構造を実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)ハウジングロータ31の内面に張り出し部36を形成したために、ベーンロータ41の相対回動位置が中間ロック位置Pmdlを含む所定回動位置範囲内の位置であるときに、同所定回動範囲外の位置であるときと比較して、ハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動に際して発生する摩擦抵抗を大きくすることができる。これによりロックピン52やロック穴53の早期劣化を回避することができ、進角ロック機構50および遅角ロック機構51の耐久性能の向上を図ることができる。
(2)ハウジングロータ31の内面に張り出し部36を形成することにより、同ハウジングロータ31の内面の一部を、同内面とベーン42の外面との対向時における間隙が他の部分と比較して小さくなる形状に形成した。そのため、ハウジングロータ31の内面形状を設定するといった簡素な構造により、ハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動に際して発生する摩擦力を大きくといった構造を実現することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・ハウジングロータ31の内面に張り出し部36を三つ形成することに限らず、二つのみ形成するようにしたり、一つのみ形成するようにしたりしてもよい。
・ハウジングロータ31の内面に断面平面形状で延びる張り出し部36を形成することに代えて、図8に示すように所定の厚さで内方に向けて突出する断面形状の凸部70を形成したり、図9に示すように先端が円弧形状をなす形状で延びる凸部80を形成したりしてもよい。要は、ハウジングロータ31の内面とベーン42の外面との間隙を小さくすることができる形状であれば、ハウジングロータ31の内面に形成する突出部分の形状は任意に変更することができる。なお上記装置では、ハウジングロータ31の内面に形成する突出部分(図8に示す例では凸部70、図9に示す例では凸部80)が抵抗増大部として機能する。
・ハウジングロータ31の前記吸気カムシャフト16の径方向における内面に突出部分を形成することに代えて、ハウジングロータ31(詳しくは、係合プレート34あるいはカバー35)における前記吸気カムシャフト16の軸線方向においてベーン42と対向する内面に、突出部分を形成するようにしてもよい。図10に示す例では、カバー35の内面に前記吸気カムシャフト16の径方向に延びる形状の凸部90が形成されている。
・ハウジングロータ31の前記吸気カムシャフト16の径方向における内面に突出部分を形成することに代えて、図11に一例を示すように、ベーンロータ41の前記径方向における外面(詳しくは、ハウジング本体32の区画壁32aの突端と対向する位置)に突出部分(図11に示す例では凸部100)を形成するようにしてもよい。なお図11は、ベーンロータ41の外面と区画壁32aの内面との間隙をシールするシール部材32bが上記凸部100に接触した状態を示している。
・抵抗増大部として、ハウジングロータ31の内面やベーンロータ41の内面に突出部分を形成することに代えて、ハウジングロータ31の内面やベーンロータ41の内面の一部を他の部分と比較して摩擦抵抗の大きい材料で形成するようにしてもよい。図12に示す例では、ハウジングロータ31内面に合成樹脂材料からなる抵抗増大部110が取り付けられている。この抵抗増大部110は、ハウジングロータ31の他の部分と比較して摩擦抵抗の大きい材料により形成されている。こうした装置によっても、ベーン42の外面が抵抗増大部110の内面と対向するときに、そうでないときと比較して、ハウジングロータ31とベーンロータ41との相対回動に際して発生する摩擦抵抗を大きくすることができる。
・本発明は、第2回転体に対する第1回転体の相対回動位置を最遅角位置と最進角位置との間の中間ロック位置で固定するロック機構が一つのみ設けられた可変動弁装置にも適用することができる。
・本発明は、吸気バルブのバルブタイミングを変更する可変動弁装置に限らず、排気バルブのバルブタイミングを変更する可変動弁装置にも適用することができる。
10…内燃機関、11…油供給装置、12…オイルパン、13…オイルポンプ、14…供給通路、15…クランクシャフト、16…吸気カムシャフト、17…排気カムシャフト、18…タイミングチェーン、19…吸気カム、20…吸気バルブ、21…排気カム、22…排気バルブ、23…クランクセンサ、24…カムセンサ、25…吸気量センサ、26…電子制御装置、30…可変動弁機構、31…ケースとしてのハウジングロータ、32…ハウジング本体、32a…区画壁、32b…シール部材、33…カムスプロケット、34…係合プレート、35…カバー、36…張り出し部、41…ベーンロータ、42…ベーン、42a…シール部材、43…進角油室、44…遅角油室、45…オイルコントロールバルブ、50…進角ロック機構、51…遅角ロック機構、52,52A,52B…ロックピン、53,53A,53B…ロック穴、54,54A,54B…収容孔、55,55A,55B…スプリング、56,56A,56B…ロック解除油室、57,57A,57B…係合溝、58,58A,58B…アウターピン、59,59A,59B…フランジ部、60,60A,60B…アウターピンスプリング、61,61A,61B…ロック解除油路、62,62A,62B,63,63A,63B…油室連通路、70,80,90,100…凸部、110…抵抗増大部。

Claims (3)

  1. カムシャフトに駆動連結された第1回転体とクランクシャフトに駆動連結された第2回転体とを油室への加圧油の給排を通じて相対回動させて機関バルブのバルブタイミングを変更する油圧作動式の可変動弁機構と、前記第1回転体および前記第2回転体の一方に突出方向に常時付勢された状態で設けられたロックピンと他方に形成されたロック穴との係合を通じて前記第2回転体に対する前記第1回転体の相対回動位置を最遅角位置と最進角位置との間の中間ロック位置で固定するロック機構と、を備える内燃機関の可変動弁装置において、
    前記第1回転体は、前記カムシャフトに一体に取り付けられて同カムシャフトの径方向に延びる形状のベーンを有してなり、
    前記第2回転体は、前記ベーンが内部に収容されるケースであって且つ内部が前記ベーンによってその回転方向後ろ側の進角油室と回転方向前側の遅角油室に区画されるケースを有してなり、
    前記可変動弁機構は、前記進角油室および前記遅角油室への加圧油の給排を通じて前記ベーンを前記ケースの内部において移動させることによって前記第1回転体と前記第2回転体とを相対回動させるものであり、
    前記第1回転体の相対回動位置が前記中間ロック位置を含む予め定めた所定回動位置範囲内の位置であるときに、同所定回動範囲外の位置であるときと比較して、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回動に際して発生する摩擦抵抗を大きくする抵抗増大部が設けられ
    前記抵抗増大部は、前記ケースの前記径方向における内面の一部が、同内面と前記ベーンの前記径方向における外面との対向時における間隙が前記内面の他の部分と比較して小さくなる形状に形成されてなる
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    当該装置は、前記第1回転体の相対回動位置を前記中間ロック位置で固定する前記ロック機構を二つ備えてなる
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 請求項またはに記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記可変動弁機構は、前記内燃機関の始動開始時において前記進角油室と前記遅角油室とを一時的に連通する連通路を有してなる
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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