JP3846407B2 - エンジンの可変バルブタイミング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの可変バルブタイミング装置に関し、エンジンの動弁機構の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用などのエンジンにおいては、吸・排気バルブの開閉時期を可変とする可変バルブタイミング装置が備えられることがある。そのエンジンの可変バルブタイミング装置の従来例として特許文献1に記載のものがある。これによると、クランクシャフトにチェーンで連動するスプロケットの中に、カムシャフト側に一体のロータとスプロケット側に一体のケーシングとで形成された進角用油圧室と遅角用油圧室とが設けられ、これらの油圧室への油圧(進角用油圧・遅角用油圧)の給排を制御することによって、クランクシャフトに対するカムシャフトの位相が変化する。その場合、上記進角用油圧室及び遅角用油圧室に供給する油圧の制御は、例えばエンジン回転数センサやスロットル開度センサなどの各種センサの検出結果に基づいて、カムシャフトを支持するカムキャップ近傍に設けられた油圧制御弁によって行なわれる。
【0003】
ここで、一般に、排気行程から吸気行程に移行するピストン上死点近傍において、吸・排気バルブ共に開いている状態をバルブ開期間のオーバーラップというが、例えばアイドリング時などの低負荷時は、オーバーラップが大きいと、エンジンの回転が不安定になるなどの弊害が生じるので、オーバーラップを狭くして排気通路からの排気の吸い戻しを防止する。一方、加速時などの高負荷時は、オーバーラップを大きくして、吸気充填効率の向上などを図る。そして、エンジンの運転状態の変化に伴い、バルブの開閉時期を遅角側から進角側へ切り換えるときには、進角用油圧室に油圧を供給すると同時に、遅角用油圧室に充満している作動油を該遅角用油圧室から排出することによって、ロータ及びカムシャフトを進角側に回転させることになる。このとき、作動油の物性などにより、遅角用油圧室から排出される作動油が通路抵抗を受けることによって、進角制御の信号を受けてから実際にバルブの開閉時期が進角するまでの間、応答遅れが生じる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−50102号公報(第3−5頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、エンジンの停止時には、オーバーラップが少なくなるように油圧が制御される。これは、次回のエンジン始動時に、オーバーラップを少なくして、エンジン回転が安定な状態でエンジンを始動することが望ましいからである。
【0006】
ところが、前回のエンジン停止が、例えば、高負荷状態からアイドリング状態を十分に経過せずに、急激に起こったときや、また、エンストなどによって、突然起こったときなどには、前述した作動油の応答遅れに起因して、吸気・排気の両カムシャフトがオーバーラップを狭くする側(排気カムシャフトは進角側、吸気カムシャフトは遅角側)に十分に戻っていないことが起こり得る。もちろん、その場合でも、次回のエンジン始動時に、油圧が直ちに立ち上がって、カムシャフトがオーバーラップを狭くする側に速やかに戻ればよいのであるが、エンジンが停止すると油圧ポンプも停止し、油圧の供給が行われなくなるので、エンジン停止の間に、油圧室や、該油圧室と上記油圧制御弁とを連通する油路から作動油が抜けており、次回のエンジン始動時に油圧が直ちに立ち上がることも期待できない。その結果、吸・排気バルブの開閉タイミングが適当でない状態(オーバーラップが十分狭くなっていない状態)でエンジンが始動することになるので、エンジンの着火性・始動性が低下するという問題が生じる。
【0007】
ここで、上記油路(遅角用油路・進角用油路)は、回転するカムシャフトの内部に油圧を通すために、例えば、その一部が、カムキャップにおけるカムシャフトの軸受面に形成された環状溝で構成される場合がある。
【0008】
特に、エンジンの動弁機構には、吸・排気バルブを常時閉側に付勢するリターンスプリングが組み付けられている。このリターンスプリングは、カムシャフトの回転抵抗となり、その結果、カムシャフトは、開弁時、遅角方向への反力を受ける。そして、この遅角方向への反力により、吸気カムシャフトは、オーバーラップが狭くなる方向に付勢されるが、排気カムシャフトは、逆にオーバーラップが大きくなる方向に付勢される。よって、吸気カムシャフトにおいては、エンジン停止の間に、あるいはエンジン始動時に、オーバーラップが狭くなる遅角方向に自然とあるいは容易に戻されるが、排気カムシャフトにおいては、オーバーラップが狭くなる進角方向に戻りにくいという事情がある。
【0009】
そこで、本発明は、エンジン停止時に、たとえ排気カムシャフトがオーバーラップが狭くなる方向、つまり進角方向に十分に戻っていなくても、該排気カムシャフトを、エンジン停止の間に、あるいはエンジン始動時に、進角方向に確実にあるいは容易に戻すことのできるエンジンの可変バルブタイミング装置の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、吸気カムシャフトと排気カムシャフトの端部にそれぞれ設けられ、クランクシャフトに対するこれらのカムシャフトの位相をそれぞれ可変とする油圧式位相可変機構と、該位相可変機構の進角用油圧室及び遅角用油圧室に供給する油圧を制御する油圧制御弁と、カムシャフトを支持するカムキャップに設けられ、上記油圧制御弁と排気カムシャフト側の位相可変機構の進角用油圧室及び遅角用油圧室とをそれぞれ連通させる進角用油路及び遅角用油路とを有し、かつ該油路の一部がカムキャップにおける排気カムシャフトの軸受面に形成された環状溝で構成されているエンジンの可変バルブタイミング装置に関するもので、遅角用油路の環状溝が進角用油路の環状溝よりカムキャップの軸受面における幅方向の端部寄りに設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、排気カムシャフト側の遅角用油路の環状溝が進角用油路の環状溝よりもカムキャップの軸受面における幅方向の端部寄りに設けられることによって(もちろんそれと共に、カムキャップと協働してカムシャフトを回転自在に支持するシリンダヘッド側においても、該シリンダヘッドにおける排気カムシャフトの軸受面に形成された環状溝のうち、遅角用油路の環状溝が進角用油路の環状溝より上記軸受面における幅方向の端部寄りに設けられる)、遅角用油路の環状溝から、カムシャフト軸受部(カムキャップ及びシリンダヘッドが協働してカムシャフトを回転自在に支持する部分をいう)の外に漏れる作動油の量が増加する(作動油は、例えば、カムシャフトの周面とカムキャップの軸受面との隙間、カムシャフトの周面とシリンダヘッドの軸受面との隙間、あるいはカムシャフトの周面とカムキャップ及びシリンダヘッドの合せ面との隙間などから、カムシャフト軸受部の外に漏れる)。
【0013】
その結果、エンジン停止の間に、油圧室や油路から油圧が抜けるにしても、排気カムシャフト側においては、遅角用油圧室及び遅角用油路内の油圧のほうが、進角用油圧室及び進角用油路内の油圧よりも容易に抜けることになり、それゆえ、エンジンの動弁機構に組み付けられたリターンスプリングによる遅角方向への付勢力によって、排気カムシャフトにおいては、オーバーラップが狭くなる進角方向に戻りにくいという事情が補填される。したがって、エンジン停止時に、たとえ排気カムシャフトがオーバーラップが狭くなる方向、つまり進角方向に十分に戻っていなくても、該排気カムシャフトを、エンジン停止の間に、あるいはエンジン始動時に、進角方向に確実・容易に戻すことができ、次回のエンジン始動時の着火性・始動性が担保される。
【0014】
次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のエンジンの可変バルブタイミング装置において、遅角用油路の環状溝は、カムキャップの軸受面における位相可変機構側の端部寄りに設けられていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、排気カムシャフト側の遅角用油路の環状溝が位相可変機構側の端部寄りに設けられることによって、遅角用油圧室から上記環状溝までの油路の長さが短縮される。その結果、遅角用油圧室から排出される作動油が受ける通路抵抗が減少するので、請求項1に記載の発明の作用・効果に加えて、さらに、油圧の抜けが迅速・良好となり、排気側カムシャフトをより一層確実・容易に進角位置に戻すことができる、という作用・効果が得られる。
【0016】
次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載のエンジンの可変バルブタイミング装置において、進角用油路の環状溝は、カムキャップの軸受面における幅方向のほぼ中央に設けられていることを特徴とする。
【0017】
上記請求項1、2に記載の発明が遅角用油路の環状溝の位置を関心事とするのに対し、この請求項3に記載の発明では進角用油路の環状溝の位置を関心事とする。すなわち、排気カムシャフト側の進角用油路の環状溝がカムキャップの軸受面における幅方向のほぼ中央に設けられることによって、進角用油路の環状溝から、カムシャフト軸受部の外に漏れる作動油の量が抑制される。その結果、エンジン停止の間に、油圧室や油路から油圧が抜けるにしても、排気カムシャフト側においては、進角用油圧室及び進角用油路内の油圧はそれほど抜けなくなり(無駄なオイル漏れが抑制され)、それゆえ、エンジンの動弁機構に組み付けられたリターンスプリングによる遅角方向への付勢力によって、排気カムシャフトにおいては、オーバーラップが狭くなる進角方向に戻りにくいという事情が補填される。したがって、エンジン停止時に、たとえ排気カムシャフトがオーバーラップが狭くなる方向、つまり進角方向に十分に戻っていなくても、該排気カムシャフトを、エンジン停止の間に、あるいはエンジン始動時に、進角方向に確実・容易に戻すことができ、次回のエンジン始動時の着火性・始動性が担保される。
【0018】
次に、請求項4に記載の発明は、上記請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジンの可変バルブタイミング装置において、油圧制御弁は軸方向をカムキャップの上下方向に向けてカムキャップに取り付けられ、かつ、進角用油路の油圧制御弁から環状溝に通じる部分が、遅角用油路の環状溝を除く部分の油圧制御弁から環状溝に通じる部分より上位位置に設けられていることを特徴とする。
【0019】
この発明は、専ら、次に説明するようなロック機構が搭載された位相可変機構で発生し得る不具合に対処するものである。すなわち、ここでいうロック機構とは、カムシャフト及びロータが、オーバーラップを最も狭くする位置(排気側では最進角位置、吸気側では最遅角位置)に到達すると、上記ロータに設けられたロックピンがスプロケット側に付勢されて、該スプロケット側に設けられた凹所に嵌入し、これらのロータとスプロケットとを一体に結合するものである。
【0020】
このとき、上記ロックピンは、専用の油圧室に油圧が供給されることによって、上記凹所から抜け出るように構成される場合があり、このロックピンを抜くための油圧としては、通常、進角用油路及び進角用油圧室に供給される油圧、すなわち進角用油圧が用いられる。というのも、このロック機構は、エンジンの停止中に、カムシャフトを、オーバーラップが最も狭くなる位置(換言すれば、エンジン始動にとって最も好都合な位置)に保持しておくためのものであり、エンジンの運転中は基本的に必要がない。そして、エンジンの始動直後は、オーバーラップを狭くするように油圧の制御が行われるから、エンジンの始動直後は、進角用油圧が先に立ち、遅角用油圧はまだ立たない状態となる。したがって、エンジンがかかれば必要がなくなるロック機構を早期に解除するために、エンジン始動直後に先に立ち上がる進角用油圧を用いて上記ロック機構を解除するようにしたのである。
【0021】
ところが、前述したように、エンジンが停止すると油圧ポンプも停止し、油路を流れていた作動油は下方に抜けて、該油路内にはエアが入る。そして、次回のエンジン始動時には、排気カムシャフトが進角側に移動するように(オーバーラップが狭くなるように)、油圧制御弁による油圧の制御が行われる。つまり、カラの進角用油路及び進角用油圧室に先に作動油が供給され、同じくカラの遅角用油路及び遅角用油圧室にはまだ作動油が供給されないのである。そして、このとき、進角用油路に供給した油圧によって該油路内のエアが先に押し出され、そのエアによって上記ロック機構のロックピンが凹所から抜け出てしまう可能性がある。しかも、その時点では、進角用油圧(油路)はまだ進角用油圧室に到達していないから、結局、ロータ及び排気カムシャフトの位置が不安定に揺れ動くことになって、排気カムシャフトと一体のロータと、各油圧室を形成するスプロケットと一体のケーシングとの回転方向のガタツキにより、異音が生じたり、あるいは、ロータ及び排気カムシャフトの位置が進角側の位置からずれて、アイドリング時の回転が不安定となるなどの問題が発生してしまう。
【0022】
そこで、この請求項4に記載の発明は、進角用油路及び進角用油圧室に作動油を供給した際に圧縮されたエアがロック解除用油圧室に到達する前に外部に抜ける(大気中に放出される)ように対策を講じたものである。すなわち、油圧制御弁をその軸線をカムキャップの上下方向に向けてカムキャップに取り付け、進角用油路を遅角用油路よりも上位に位置させたから、例えば、油圧制御弁における上記進角用油路への出力ポートが上位に位置することになり、該出力ポートから、カムキャップ上端までの距離が短くなる。
【0023】
その結果、エンジン始動時に、油圧供給油路から油圧制御弁における入力ポート及び上記出力ポートを経由して上記進角用油路にエアが送り込まれる途中において、作動油より軽い該エアが、例えば、油圧制御弁のバルブケースと、カムキャップにおける該弁挿入孔との隙間、あるいは、油圧制御弁のバブルケースと、スプールとの隙間等から、ドレンポート等に上方に向けて、エアが外部に抜け易くなる。さらに、進角用油路と、該油路を内装するカムキャップ上端との間の距離も短くなるので、例えば、該油路を協働して形成するカムキャップとカバー部材との隙間を介して、やはりエアが外部に抜け易くなる。以上により、進角用油圧が進角用油圧室に到達するより前に、圧迫されたエアがロックピンを押し出すという不具合が良好に回避できる。
【0024】
これらに対し、例えば、逆に、進角用油路を遅角用油路よりも下位に位置させると、油圧制御弁における上記進角用油路への出力ポートも下位に位置し、その結果、エアが上記出力ポートから前述の種々の隙間に漏れ出したとしても、カムキャップ上端までの距離が長いから(つまり、大気中に放出されるまでの移動距離が長いから)、エアがうまく外部に抜け出せない(つまりエアの圧が低下し難い)という懸念が生じるのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1、図2に示すように、本実施の形態に係るエンジン1には、図外のクランクシャフト(符号2を付す)に平行に配置され、シリンダヘッド3とカムキャップ4とで回転自在に支持された、吸気カムシャフト5及び排気カムシャフト6が備えられている。これらのカムシャフト5,6の一端部近傍には、該カムシャフト5,6に対して所定範囲内で相対回転可能なスプロケット7,8が嵌合されると共に、これらのスプロケット7,8とクランクシャフト2側のスプロケットとの間にチェーン9が巻き掛けられている。そして、クランクシャフト2の回転に伴い、上記チェーン9を介して、両スプロケット7,8及び両カムシャフト5,6が回転し、これにより、カムシャフト5,6にそれぞれ固設された複数のカム10…10,11…11(図1参照)を介して、複数の吸気バルブ12…12及び排気バルブ13…13が開閉駆動される。
【0026】
このエンジン1の可変バルブタイミング装置20は、吸気カムシャフト5及び排気カムシャフト6のスプロケット7,8側の端部にそれぞれ設けられ、クランクシャフト2に対するこれらのカムシャフト5,6の回転位相角(すなわちクランクシャフト2に対する吸気バルブ12…12及び排気バルブ13…13の開閉時期の位相角)をそれぞれ独立して変更する吸気側及び排気側の油圧式位相可変機構22,23と、該位相可変機構22,23の進角用油圧室51…51及び遅角用油圧室52…52(図4参照)に供給する油圧を制御する排気側の油圧制御弁21及び吸気側の油圧制御弁(図示せず)とを有する。両位相可変機構22,23は、エンジン1の運転状態に応じて、相互に独立して、個別に制御される。そして、両位相可変機構22,23は、構造がほぼ同様とされているので、以下、排気側位相可変機構23を例にとってその構造を説明し、吸気側位相可変機構22についてはその構造の説明は省略する。
【0027】
すなわち、位相可変機構23は、図3、図4に示すように、中心に向けて突出する複数の突出部30…30(図4に2つだけ図示)を有する中空のハウジング31と、該ハウジング31の蓋部材32とを含み、これらのハウジング31と蓋部材32とが複数のボルト33…33によりスプロケット8に一体に固定された基本構造である。また、位相可変機構23は、上記ハウジング31に収容され、周辺に向けて突出する複数の(より詳しくは、ハウジング31の突出部30と同数の)係合部37…37(図4に1つだけ図示)を有するロータ35と、該ロータ35の中心部に嵌合される受け部材36とを含み、これらのロータ35と受け部材36とが中心部の単一のボルト34により排気カムシャフト6に一体に固定された構造である。各係合部37…37は、スプロケット8とハウジング31と蓋部材32とロータ35とで囲まれた空間を、進角用油圧室51と遅角用油圧室52とに画成する。ここで、各係合部37の頂面には、オイルシール38が配設されている。
【0028】
上記受け部材36にはツルマキバネ39が内装されている。ツルマキバネ39の一端39aは、蓋部材32に立設されたピン40に係止され、他端39bは、上記受け部材36の中央ボス部に設けられた凹部に係止されている。ツルマキバネ39は、カムシャフト6を、スプロケット8に対し、進角方向(図4の矢印X)に付勢する。
【0029】
また、位相可変機構23は、図3に明示したように、ロック機構42を搭載する。このロック機構42は、ロータ35の所定の1つの係合部37の中で軸方向に移動可能なロックピン43を含む。ロックピン43は、リターンスプリング45によって、常にスプロケット8側に付勢されている。スプロケット8には、カムシャフト6及びロータ35が、オーバーラップを最も狭くする位置(図例は排気側であるから、カムシャフト6及びロータ35の最進角位置)に到達したときに、上記ロックピン43が嵌入する凹所44が形成されている。さらに該凹所44のスプロケット8側には、後述する進角用油路62に連通する解除用油圧室46が設けられている。
【0030】
一方、図5に示すように、油圧制御弁21は、軸方向が上下に延びるように油圧制御弁挿入孔21aに挿入され、ブラケット71及びボルト72を用いて、カムキャップ4に組み付けられている。油圧制御弁21は、中空のバルブケース68と、該ケース68内を軸方向に移動可能なスプール69と、該スプール69を1方向に付勢するスプリング70とを有する。上記スプール69の軸方向の移動量は、コントロールユニット(図示せず)で駆動が制御されるアクチュエータ、例えば電磁ソレノイドなどで調整される。油圧制御弁21には、1つの入力ポート61と、2つのドレンポート64,65と、2つの出力ポート66,67とが設けられている。そして、入力ポート61に油圧供給油路60が接続され、出力ポート66,67にそれぞれ進角用油路62及び遅角用油路63が接続されている。このとき、油圧制御弁21のポートの配置は、上から順に、進角用出力ポート66、入力ポート61、遅角用出力ポート67の順である。また、油路の配置は、上から順に、進角用油路62、油圧供給油路60、遅角用油路63の順である。
【0031】
供給油路60は、図外の油圧源から制御の元圧をこの油圧制御弁21に供給する。進角用油路62及び遅角用油路63は、この油圧制御弁21から進角用油圧及び遅角用油圧を上記位相可変機構23の進角用油圧室51及び遅角用油圧室52にそれぞれ供給する。スプール69の軸方向の位置に応じて、進角用油路62及び遅角用油路63の入力ポート61との連通度及びドレンポート64,65との連通度が変化し、上記進角用油圧室51及び遅角用油圧室52に供給される進角用油圧及び遅角用油圧が制御される。
【0032】
次に、この可変バルブタイミング装置20における上記各油路60,62,63の構成、特に、進角用油路62及び遅角用油路63の構成を中心に説明する。まず、本実施形態においては、上記進角用油路62及び遅角用油路63は、カムキャップ4に設けられている。また、上記進角用油路62及び遅角用油路63は、油圧制御弁21と位相可変機構23の進角用油圧室51及び遅角用油圧室52とをそれぞれ連通させている。また、上記進角用油路62及び遅角用油路63の一部は、カムキャップ4におけるカムシャフト6の軸受面82に形成された環状溝101,100で構成されている。
【0033】
すなわち、図1、図2に示すように、カムキャップ4は、シリンダヘッド3の位相可変機構22,23側の端部の上面に、複数のボルト80…80で締結されている。シリンダヘッド3の上面(カムキャップ4との合せ面)及びカムキャップ4の下面(シリンダヘッド3との合せ面)には、それぞれ下方又は上方に湾曲する半円形の、カムシャフト5,6の軸受面81,81,82,82が形成されており、これらが合わさり、協働することによって、カムシャフト5,6の軸受部83,84が形成されている。
【0034】
図6に示すように、カムキャップ4の正面(カバー部材93との合せ面)には、3つの線状溝90,91,92が形成されている。なお、図6において線状溝90〜92の右端部を始端部、左端部を終端部とする。また、図7及び図8に示すように、カバー部材93の背面(カムキャップ4との合せ面)には、上記溝90〜92と鏡像関係にある、同じく3つの線状溝95,96,97が形成されている。そして、図2に示したように、これらのカムキャップ4とカバー部材93とを密着させて、複数のボルト94…94で締結することにより、上記溝90〜92,95〜97同士が合わさり、それぞれ、上記供給油路60、進角用油路62、及び遅角用油路63の一部が構成される。このとき、油路の配置は、油圧制御弁21の場合と同様に、上から順に、進角用油路62、供給油路60、遅角用油路63の順である。すなわち、進角用油路62は遅角用油路63より上位位置に設けられている。
【0035】
また、図3及び図9に示すように、カムキャップ4における排気カムシャフト6の軸受面82には、2つの環状溝100,101が形成されている。一方の環状溝100は、遅角用油路63の一部を構成し、他方の環状溝101は、進角用油路62の一部を構成する。その場合、遅角用油路63の環状溝100は、進角用油路62の環状溝101よりも、カムキャップ4の軸受面82における幅方向の端部寄りに設けられている。しかも、カムキャップ4の軸受面82における位相可変機構23側の端部寄りに設けられている。一方、進角用油路62の環状溝101は、カムキャップ4の軸受面82における幅方向のほぼ中央に設けられている。
【0036】
図3に明示したように、排気カムシャフト6の周面には、上記環状溝100,101にそれぞれ臨む縦穴102,103が形成されており、該縦穴102,103を介して、上記環状溝100,101から供給される遅角用油圧・進角用油圧が、カムシャフト6の内部に設けられた横穴104,105を経て、それぞれ位相可変機構23の遅角用油圧室52及び進角用油圧室51に導かれる。
【0037】
また、図9及び図10に示すように、カムキャップ4の底面には、吸気カムシャフト5及び排気カムシャフト6の軸受面82,82間で、縦穴110が形成されている。この縦穴110は、図6及び図10に示すように、横穴111を介して、供給油路60の線状溝90の始端部と連通している。
【0038】
そして、図11及び図12に示すように、供給油路60は、線状溝90の終端部から油圧制御弁21の入力ポート61に至る連通路120を有する。
【0039】
一方、図13及び図14に示すように、進角用油路62は、線状溝91の終端部がそのまま油圧制御弁21に通じている。ここで、図14に明示したように、進角用油路62の線状溝91は、カムシャフト6の軸受面82の上方に位置する始端部において、深く形成された箇所121を有している。そして、図14に示すように、進角用油路62の線状溝91は、その深く形成された箇所121において、単一の連通路122のみにより、進角用油路62の環状溝101と連通している。
【0040】
また、図15に示すように、遅角用油路63も、進角用油路62と同様、線状溝92の終端部がそのまま油圧制御弁21に通じている。ここで、遅角用油路63の線状溝92は、カムシャフト6の軸受面82に近接する始端部において、終端部と比べて深く形成されたの箇所123を有している。そして、遅角用油路63の線状溝92は、その箇所123において、単一の連通路124のみにより、遅角用油路63の環状溝100と連通している。
【0041】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、位相可変機構23の作用を説明すると、図4に示すように、ロータ35は、スプロケット8、ハウジング31、及び蓋部材32に対して、係合部37…37が突出部30…30に当接するまで、所定範囲内で相対回転可能である。これにより、スプロケット8ひいてはクランクシャフト2に対するカムシャフト6の回転位相角が変更可能となり、クランクシャフト2に対する排気バルブ13…13の開閉時期が変更可能となる。また、ツルマキバネ39は、カムシャフト6を、その回転方向である進角方向Xに付勢している。これにより、排気バルブ13…13を常時閉側に付勢するリターンスプリング(図示せず)の反力によって排気カムシャフト6が遅角方向(オーバーラップが大きくなる方向)へ付勢されることが緩和される。
【0042】
次に、排気側位相可変機構23の進角用油圧室51又は遅角用油圧室52にそれぞれ進角用油圧・遅角用油圧が供給される動作を説明する。まず、この油圧の給排制御は、例えばエンジン回転数センサやスロットル開度センサあるいは水温センサなどの各種センサで検出されたエンジン1の運転状態に基づいて、油圧制御弁21を駆使してコントロールユニットにより行われ、エンジン1の出力性能などが最適化される。もちろん、吸気側位相可変機構22もまた、エンジン1の運転状態に基づいて、図示しない油圧制御弁を駆使して、同様に、個別に制御される。
【0043】
例えば、バルブ12…12,13…13開閉のタイミングは、アイドリング時や低温時、低負荷時には吸気量が少ないため、オーバーラップが大きいと燃焼ガスが吸気側に吹き返してしまい吸気の妨げとなる。こうした場合、オーバーラップを小さくした方が燃焼ガスの混入を抑えて燃焼を安定させることができる。
【0044】
一方、高負荷時は、オーバーラップが小さいと十分な吸気が得られなくなり、吸気充填効率が悪くなる。そのため、高負荷時にはオーバーラップを大きくしてエンジン効率の向上を図る。
【0045】
いま、スプール69が図5における上方に移動するように油圧制御弁21が制御されると、カムキャップ4端面の進角用油路62と供給油路60とが入力ポート61を介して連通し、進角用油路の環状溝101に油圧が供給される。そして、排気カムシャフト6に設けられた縦穴103からカムシャフト6内の横穴105を通って、進角用油圧室51に油圧が供給される。このとき、ロータ35が進角側に移動することによって遅角用油圧室52に予め溜まっていた作動油が同時に進角用油圧室51からの油圧を受け、オイルパンに戻されることになる。この遅角用油圧室52の作動油は排気カムシャフト内の横穴104及び縦穴102を通って、遅角用環状溝100に達する。作動油はカムキャップ4内部の遅角用油路63を通って、油圧制御弁21のドレンポート65より外部に排出される。しかし、一部の作動油は、例えば、カムシャフト6の周面とカムキャップ4の軸受面82との隙間、カムシャフト6の周面とシリンダヘッド3の軸受面81との隙間、あるいはカムシャフト6の周面とカムキャップ4及びシリンダヘッド3の合せ面との隙間などから、カムシャフト軸受部84の外に漏れる。
【0046】
逆に、スプール69が図5における下方に移動するように油圧制御弁21が制御されると、カムキャップ4端面の遅角用油路63と供給油路60とが入力ポート61を介して連通して、遅角用環状溝100に油圧が供給される。そして、排気カムシャフト6に設けられた縦穴102からカムシャフト内部の横穴104を通って、遅角用油圧室52に油圧が供給される。そして、同時に進角用油路62に予め溜まっていた作動油は遅角用油圧室52からの圧力で、進角用油路62を逆流する。
【0047】
なお、このとき、吸気側については、図示しない油圧制御弁や、各種油路を介して、油圧を位相可変機構22に作用させ、吸気カムシャフト5の位相を制御する。
【0048】
ここで、遅角用環状溝100を位相可変機構23に近い側の端寄りに設けたことによって、遅角用環状溝100とカムシャフト6の隙間から漏れる作動油の量を増加させることができる。すなわち、ロータ35が迅速に進角するようになって、進角制御が行われて実際に進角するまでの応答遅れを小さくすることができる。さらに、位相可変機構23に近い側に遅角用環状溝100を設けることによって遅角用油圧室52から遅角用環状溝100までの距離が短縮され、作動油が受ける通路抵抗が小さくなるので作動油の抜けが良くなる。その結果、進角した状態でエンジン1は停止するので、次回エンジン1の始動時の着火性・始動性が良くなる。
【0049】
また、進角用環状溝101は軸受面84の幅方向の中央寄りに設けられている。これによって、進角用環状溝101から軸受部84の幅方向両端までの距離が長くなり、進角用環状溝101から軸受面84とカムシャフト6の隙間を通って排出してしまう作動油の量を少なくすることができる。すなわち、無駄な作動油の排出を抑制し、ポンプの効率を向上させ、さらに、排気カムシャフト6が進角するためにより大きな油圧を供給することができる。
【0050】
一方、エンジン1を停止すると、図示しない油圧ポンプも停止し、油路を流れていた作動油は下方に流れて油路内にはエアが混入することになる。次回のエンジン1始動時にカムシャフト6及びロータ35は最進角位置に移動するように油圧制御されるが、位相可変機構23にエアが入ると所定の油圧が得られないなどの悪影響が生じる。ここで、図5に示すように、進角用油路62及び進角用油圧室51に作動油を供給した際に圧縮されたエアがロック解除用油圧室46に到達する前に外部に抜ける(大気中に放出される)ように対策を講じたものである。すなわち、油圧制御弁21をその軸線をカムキャップの上下方向に向けてカムキャップ4に取り付け、進角用油路62を遅角用油路63よりも上位に位置させたから、例えば、油圧制御弁21における上記進角用油路62への出力ポート66が上位に位置することになり、該出力ポート66から、カムキャップ4上端までの距離が短くなる。
【0051】
その結果、エンジン1始動時に、油圧供給油路60から油圧制御弁21における入力ポート61及び上記出力ポート66を経由して上記進角用油路62にエアが送り込まれる途中において、作動油より軽い該エアが、例えば、油圧制御弁21のバルブケース68と、カムキャップ4における該弁挿入孔21aとの隙間β、あるいは、油圧制御弁21のバブルケース68と、スプール69との隙間等から、ドレンポート64等に上方に向けて、エアが外部に抜け易くなる。さらに、進角用油路62と、該油路62を内装するカムキャップ4上端との間の距離も短くなるので、例えば、該油路62を協働して形成するカムキャップ4とカバー部材93との隙間を介して、やはりエアが外部に抜け易くなる。以上により、進角用油圧が進角用油圧室51に到達するより前に、圧迫されたエアがロックピン43を押し出すという不具合が良好に回避できる。
【0052】
これらに対し、例えば、逆に、進角用油路62を遅角用油路63よりも下位に位置させると、油圧制御弁32における上記進角用油路62への出力ポート66も下位に位置し、その結果、エアが上記出力ポート66から前述の種々の隙間に漏れ出したとしても、カムキャップ4上端までの距離が長いから(つまり、大気中に放出されるまでの移動距離が長いから)、エアがうまく外部に抜け出せない(つまりエアの圧が低下し難い)という懸念が生じるのである。
【0053】
また、位相可変機構23のロック機構の作用について説明すると、ロータ35が最進角位置まで到達すると、リターンスプリング45でスプロケット8側に常時付勢されたロックピン43がスプロケット8に設けられた凹所44に入り、ロータ35とスプロケット8とは相対回転ができなくなる。そして、解除用油圧室46に進角用油圧が供給されると、ロックピン43が抜けてロータ35は自由に動作できるようになっている。しかし、エンジン1の始動時にエアが進角用油圧室51に侵入することによって、空圧でロックピン43が抜けてしまうことがある。すると、エンジン1の始動時にカムシャフト6の回転が安定しなくなり、エンジン1の異音・振動などが生じるという問題が生じる。ここで、上記のように、進角用油路62を上位位置に設けることによって、進角用油圧室51に入る空圧を抑制でき、空圧でロックピン43が抜けることを防止できる。
【0054】
次に、シリンダヘッド3へのカムキャップ4の位置決め機構について説明する。図16に示すように、位置決め機構は、供給油路60の縦穴110とシリンダヘッド3に形成された縦穴130とを連結する第1のチューブラピン131と、図9に示すように、シリンダヘッド3をカムキャップ4に締結するボルト80…80のうちの油圧切換弁21から最も遠いボルトのボルト孔132でシリンダヘッド3とカムキャップ4とを連結する第2のチューブラピン133との、2つのピンからなる(図9のボルト孔132の内側の二重線は、第2のチューブピン133が当接する段部を示す)。なお、上記シリンダヘッド3側の縦穴130は、図外の油圧源に通じている。
【0055】
ここで、図16に明示したように、第1のチューブラピン112の周面には絞り孔134,134が設けられている。また、図9に明示したように、カムキャップ4の底面には、上記縦穴110から、吸気カムシャフト5及び排気カムシャフト6の軸受面82,82にそれぞれ通じる潤滑用の油溝135,136が設けられている。その場合に、該油溝135,136の通路上には、両カムシャフト5,6間に配置されたボルト80,80が位置するため、該ボルト80,80を避けるように、該ボルト孔137,138の周りに湾曲する溝部139,140を設けて、作動油を両カムシャフト5,6の軸受面82,82に支障なく供給することを図っている。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遅角用油路の環状溝が進角用油路の環状溝よりカムキャップの軸受面における幅方向の位相可変機構の端部寄りに設けることによって、遅角用環状溝とカムシャフトの隙間から漏れる作動油の量を増加させることができ、エンジン停止時に、たとえ排気カムシャフトがオーバーラップが狭くなる方向、つまり進角方向に十分に戻っていなくても、該排気カムシャフトを、エンジン停止の間に、あるいはエンジン始動時に、排気カムシャフトを進角方向に確実・容易に戻すことができ、次回のエンジン始動時の着火性・始動性が担保される。また、進角用油路の環状溝をほぼ中央に設けることによって、進角用油路からカムシャフトと軸受部との隙間から漏れる作動油の量が減少するため、ポンプ効率が向上し、進角方向へのより大きな油圧を供給することができる。
【0057】
また、油圧制御弁をその軸線をカムキャップの上下方向に向けてカムキャップに取り付け、進角用油路を遅角用油路よりも上位に位置させたから、例えば、油圧制御弁における上記進角用油路への出力ポートが上位に位置することになり、該出力ポートから、カムキャップ上端までの距離が短くなる。
【0058】
その結果、エンジン始動時に、油圧供給油路から油圧制御弁における入力ポート及び上記出力ポートを経由して上記進角用油路にエアが送り込まれる途中において、作動油より軽い該エアが、例えば、油圧制御弁のバルブケースと、カムキャップにおける該弁挿入孔との隙間等から、外部に抜け易くなる。あるいは、油圧制御弁のバブルケースと、スプールとの隙間等から、ドレンポート等に上方に向けて、エアが外部に抜け易くなる。さらに、進角用油路と、該油路を内装するカムキャップ上端との間の距離も短くなるので、例えば、該油路を協働して形成するカムキャップとカバー部材との隙間を介して、やはりエアが外部に抜け易くなる。以上により、進角用油圧が進角用油圧室に到達するより前に、圧迫されたエアがロックピンを押し出すという不具合が良好に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るエンジンの可変バルブタイミング装置を示す平面図である。
【図2】 図1のA−A線による矢視図である。
【図3】 排気側の油圧式位相可変機構の周辺を示す一部切欠きの拡大側面図である。
【図4】 同位相可変機構の一部切欠き正面図である。
【図5】 油圧制御弁の一部切欠き正面図である。
【図6】 カムキャップの正面図(カバー部材との合せ面)である。
【図7】 カバー部材の背面図(カムキャップとの合せ面)である。
【図8】 図7のB−B線による断面図である。
【図9】 カムキャップの底面図(シリンダヘッドとの合せ面)である。
【図10】 図6のC−C線による断面図である。
【図11】 図6のD−D線による断面図である。
【図12】 図11のE−E線による断面図である。
【図13】 図6のF−F線による断面図である。
【図14】 図6のG−G線による断面図である。
【図15】 図6のH−H線による断面図である。
【図16】 図2のI−I線による断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クランクシャフト
4 カムキャップ
5 吸気カムシャフト
6 排気カムシャフト
20 可変バルブタイミング装置
21 油圧制御弁
51 進角用油圧室
52 遅角用油圧室
22,23 位相可変機構
62 進角用油路
63 遅角用油路
83,84 軸受面
100(63) 環状溝(遅角用油路)
101(62) 環状溝(進角用油路)

Claims (4)

  1. 吸気カムシャフトと排気カムシャフトの端部にそれぞれ設けられ、クランクシャフトに対するこれらのカムシャフトの位相をそれぞれ可変とする油圧式位相可変機構と、該位相可変機構の進角用油圧室及び遅角用油圧室に供給する油圧を制御する油圧制御弁と、カムシャフトを支持するカムキャップに設けられ、上記油圧制御弁と排気カムシャフト側の位相可変機構の進角用油圧室及び遅角用油圧室とをそれぞれ連通させる進角用油路及び遅角用油路とを有し、かつ該油路の一部がカムキャップにおける排気カムシャフトの軸受面に形成された環状溝で構成されているエンジンの可変バルブタイミング装置において、遅角用油路の環状溝が進角用油路の環状溝よりカムキャップの軸受面における幅方向の端部寄りに設けられていることを特徴とするエンジンの可変バルブタイミング装置。
  2. 遅角用油路の環状溝は、カムキャップの軸受面における位相可変機構側の端部寄りに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
  3. 進角用油路の環状溝は、カムキャップの軸受面における幅方向のほぼ中央に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
  4. 油圧制御弁は軸方向をカムキャップの上下方向に向けてカムキャップに取り付けられ、かつ、進角用油路の油圧制御弁から環状溝に通じる部分が、遅角用油路の環状溝を除く部分の油圧制御弁から環状溝に通じる部分より上位位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジンのバルブタイミング装置。
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