JP2009068500A - 内燃機関用バルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関用バルブタイミング調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン始動前またはエンジン始動時に中間ロック位相に固定する。
【解決手段】連続可変バルブタイミング調整装置は、ECUがエンスト判定を行った場合に、進角室、遅角室および第1、第2オイル供給路のオイルをドレーンする。これにより、次回エンジン始動時にエンジン始動時モード時にはオイルが進角室および第1オイル供給路より抜けているため、吸気連続可変バルブタイミング機構内に進角アシストスプリングが組み込まれていると、カムシャフトのカム山がタペットを乗り越えたときの負トルクにより、タイミングロータに対してカムシャフトとベーンロータの位相が進角側に移動する。次に、カムシャフトのカム山がタペットを乗り上げる時の駆動反力により、カムシャフトとベーンロータの位相が遅角側に移動し、中間ロック位相でストッパーピンによりロックすることが可能となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、内燃機関のカムシャフトによって駆動される吸気または排気バルブの開閉時期の位相を連続的に可変制御することが可能な内燃機関用バルブタイミング調整装置に関するもので、特に油圧を用いたベーン式の連続可変バルブタイミング・システムに係わる。
従来より、内燃機関のクランクシャフトと同期して回転するタイミングプーリやチェーンスプロケットを介してカムシャフトを駆動し、タイミングプーリやチェーンスプロケットとカムシャフトとの相対回転により位相差によって内燃機関の吸気または排気バルブの開閉時期の位相を連続的に可変制御するベーン式の連続可変バルブタイミング・システムがある。このようなベーン式の連続可変バルブタイミング・システムは、タイミングプーリの内周壁に進角油圧室および遅角油圧室等の油圧サーボ系を設け、カムシャフトと一体的に回転するベーンロータを油圧により進角側または遅角側に回動させて吸気または排気バルブの開閉時期の位相を変更している。
そして、従来の技術として、イグニッションスイッチをオフ(OFF)した後に、カムシャフトの位相を中間ロック位相以上に進角し、その後カムシャフトの位相を遅角させる遅角制御により、カムシャフトの位相を中間ロック位相に固定するまでの時間を推定し、イグニッションスイッチをOFFした後、推定時間が経過するまで内燃機関を動かした後、内燃機関を停止するものがある(特許文献1参照)。ここで、カムシャフトの位相を中間ロック位相より進角した場合は、吸気バルブからの駆動反力、あるいはOCV(オイル・コントロール・バルブ)を制御してエンジン始動時に好適な位置に制御している。
ところが、従来の技術では、低油温時においてはオイルの粘性が高いために、吸気バルブからの駆動反力だけでは内燃機関の停止後にカムシャフトの位相を中間ロック位相まで戻すことができない可能性がある。また、進角と遅角に要する時間を推定して制御を行うと、高油温時においてはオイルの粘性が低く洩れ量が増加することによって、進角油圧室および遅角油圧室に相対的に給排される油圧が大きく低下する。このような油圧低下時においては遅延時間が大幅に長くなる可能性がある。
特許第2982604号公報
本発明の目的は、エンジン始動前またはエンジン始動時に、タイミングロータに対するカムシャフトの位相を所望の中間ロック位相に確実に固定することのできる内燃機関用バルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、エンジンストール時に、進角油圧室内および遅角油圧室内のオイルをドレーンするドレーンモードを行うことを特徴としている。そして、ベーンロータ、進角油圧室、遅角油圧室および位相固定手段を備えた連続可変バルブタイミング機構に、進角アシストスプリングを設ける。それによって、次回エンジン始動時には進角油圧室よりオイルが抜けているため、カムシャフトがタペットを乗り越えたときの負トルクにより進角側に移動し、次にカムシャフトがタペットに乗り上げるときに駆動反力により遅角側に移動し、位相固定手段により中間ロック位相でロックされる。したがって、内燃機関のクランキング時に、タイミングロータに対するカムシャフトの位相を中間ロック位相に確実に固定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、パイロット弁や電磁弁等の油路切替弁を設けることにより、エンジン停止時またはエンジン始動時またはエンジンストール時に、油圧給排手段を通り油圧源より進角油圧室へ繋がる油路から、進角油圧室よりオイルがドレーンされる油路へ切り替えられる。それによって、進角油圧室よりオイルがドレーンされる油路には、油圧源からの油圧の影響を殆ど受けないため、進角油圧室内のオイルを確実に吐出し、中間ロック位相でロックすることが容易となる。
請求項3に記載の発明によれば、進角油圧室および遅角油圧室に油圧を供給するための油圧源としては、内燃機関のクランクシャフトに同期して回転駆動されて、エンジン回転数に比例した吐出量を発生するオイルポンプを用いていることを特徴としている。これにより、エンジン回転数が低い回転数の時は、オイルポンプからの吐出量が少なくなるため、特に高油温時は、オイルの粘性の低下による洩れ量の増加によって、進角油圧室および遅角油圧室に相対的に給排される油圧が低下する。
〔参考例1の構成〕
図1ないし図7は本発明の参考例1を示したもので、図1は連続可変バルブタイミング調整装置の全体構成を示した図で、図2および図3は吸気連続可変バルブタイミング機構を示した図で、図4はストッパーピン駆動機構を示した図で、図5はECUを含む油圧制御装置を示した図である。
本参考例は、4サイクル・レシプロエンジン(内燃機関)、例えばDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)エンジン(以下エンジンと略す)のシリンダーヘッド17内に設けられた吸気バルブ(図示せず)の開閉時期の位相(バルブタイミング)を連続的に可変制御することが可能な連続可変バルブタイミング調整装置である。
連続可変バルブタイミング調整装置は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)により回転駆動されるタイミングロータ1と、このタイミングロータ1に対して相対回転可能に設けられた吸気側カムシャフト(以下カムシャフトと略す)2と、このカムシャフト2の端部に固定されてタイミングロータ1内に回転自在に収容されたベーンロータ3を有するベーン式の吸気連続可変バルブタイミング機構4と、タイミングロータ1に対するカムシャフト2およびベーンロータ3の位相を油圧によって正逆転回転させる進遅角油圧制御弁(OCV)5を有する油圧回路(後述する)と、進遅角油圧制御弁5の制御モード(スプール位置)を電子制御する油圧制御手段であるエンジン制御装置(以下ECUと呼ぶ)8とから構成されている。
タイミングロータ1は、エンジンのクランクシャフトによりタイミングチェーン10を介して回転駆動される略円環板形状のチェーンスプロケット11、このチェーンスプロケット11の前端面に配置された吸気連続可変バルブタイミング機構4の一部品を構成する略円筒状のシューハウジング12、およびチェーンスプロケット11とシューハウジング12とを締め付け固定するための3本の小径ボルト13等から構成されている。チェーンスプロケット11の外周部には、タイミングチェーン10の内周側に形成された多数の歯状部(図示せず)に噛合する多数の歯状部14が形成されている。また、チェーンスプロケット11の環板部(シューハウジング12のリヤカバー部を構成する)には、3本の小径ボルト13を締結するための雌ネジ孔が形成されている。
シューハウジング12は、内部にベーンロータ3を回転自在に収容する円筒状のハウジング部、およびこのハウジング部の軸方向の前端側を覆う円環板状のフロントカバー部等から構成されている。このシューハウジング12のハウジング部には、互いに周方向において対向する台形状のシュー(隔壁部)16が内周側に突出するように複数個(本例では3個)設けられている。これらのシュー16の各対向面は、断面円弧状に形成されており、隣設する2つのシュー16の周方向の間隙には扇状空間部が形成されている。また、複数個のシュー16には、3本の小径ボルト13を挿通するためのボルト挿通孔が形成されている。
カムシャフト2は、エンジンのシリンダーヘッド17内に配されて、エンジンのクランクシャフトが2回転すると1回転するように駆動連結され、エンジンの吸気バルブの開閉時期(バルブタイミング)を決めるためのカム山をエンジンの気筒数だけ連結した棒状の軸で、その一端部が大径ボルト19によってジャーナル軸受20と共にベーンロータ3に締め付け固定されている。このカムシャフト2の一端部の軸心部には、大径ボルト19を締結するための雌ネジ孔が形成されている。なお、吸気バルブや排気バルブは、カムシャフト2のカム山により押されて開くが、バルブスプリングのスプリング力により吸気バルブや排気バルブが閉じる。
吸気連続可変バルブタイミング機構4のベーンロータ3は、大径ボルト19を締結するための雌ネジ孔を有する円環板状のベース部の外周壁より径方向の外方へ突出する複数個(本例では3個)のベーン23、およびシューハウジング12のフロントカバー部の内周側に回転自在に支持するためのジャーナル軸受20等から構成されている。なお、ベーンロータ3は、複数個のベーン23の外周壁とシューハウジング12のハウジング部の内周壁との間に微小のクリアランスが設けられている。このため、カムシャフト2およびベーンロータ3は、チェーンスプロケット11およびシューハウジング12と相対回動運動(例えばクランク角で40°CA〜60°CA)が可能である。
また、ベーン23を有するベーンロータ3は、シューハウジング12と共に、油圧を用いてエンジンの吸気バルブの開閉時期の位相を連続的に可変するベーン式の油圧アクチュエータを構成する。そして、ベーンロータ3の各ベーン23は、互いに周方向において対向する略扇状の羽根であり、隣設する2つのシュー16の周方向の間隙に形成される扇状空間部内に突出するように配置されている。そして、隣設する2つのシュー16の対向面とそれらにより形成される扇状空間部内に嵌め込まれるベーン23の周方向の両側面との間には、進角油圧室(以下進角室と略す)24と遅角油圧室(以下遅角室と略す)25とが形成されている。
すなわち、各ベーン23が隣設する2つのシュー16により形成される扇状空間部を2つの油圧室に油密的に区画することにより、各ベーン23の周方向の両側に進角室24と遅角室25とが形成されている。なお、ベーンロータ3のベーン23の外周壁とシューハウジング12のハウジング部との間には、複数個のシール部材26が装着され、ベーンロータ3のベース部の外周壁とシューハウジング12の各シュー16の内周壁との間には、複数個のシール部材27が装着されている。
油圧回路は、吸気連続可変バルブタイミング機構4の各進角室24に対して油圧を供給すると共に、各進角室24内のオイルをドレーンするための第1オイル供給路(進角室側油路、第1油路)21、および吸気連続可変バルブタイミング機構4の各遅角室25に対して油圧を供給すると共に、各遅角室25内のオイルをドレーンするための第2オイル供給路(遅角室側油路、第2油路)22を有している。
第1、第2オイル供給路21、22は、エンジンのシリンダーヘッド17に形成され、第1、第2オイル供給路21、22には、オイルポンプ6側のオイル供給路29と第1、第2オイル排出路(ドレーン油路)41、42とがそれぞれ通路切替用の進遅角油圧制御弁(オイル・コントロール・バルブ:OCV)5を介して接続されている。なお、カムシャフト2およびベーンロータ3に形成された第1、第2オイル供給路21a、22aは、第1、第2オイル供給路21、22に連通している。また、第1オイル排出路41は進角室ドレーン油路で、第2オイル排出路42は遅角室ドレーン油路である。
そして、オイル供給路29には、オイルパン30内のオイルを汲み上げてエンジンの各部へオイルを吐出するためのオイルポンプ(油圧源)6が設けられ、第1、第2オイル排出路41、42の出口端はオイルパン30に連通している。ここで、オイルポンプ6は、エンジンのクランクシャフトに同期して回転駆動されて、エンジン回転数に比例した吐出量のオイルをエンジンの各部へ圧送する。
ここで、進角室24には、3個のベーン23のうちの1個のベーン23に形成された油圧室31が連通しており、油圧室31には、弁本体32内を軸方向に変位する油圧ピストン方式のストッパーピン(本発明の位相固定手段に相当する)33が設けられている。
このストッパーピン33は、スプリング34からスプリング力が与えられて、シューハウジング12のフロントカバー部の、所望の中間ロック位相に対応した位置に形成された凹状部(嵌合部)35に嵌合した際に、ベーンロータ3を中間ロック位相でロックする。ここで、所望の中間ロック位相とは、ベーンロータ3の最大遅角位相から最大進角位相までの位相変化幅のうちで中間の位相(略中間ロック位相)のことで、この中間ロック位相でエンジン始動を可能にする。
なお、油圧室31およびスプリング34はストッパーピン33を弁本体32およびベーン23の前端面より出没自在に駆動するストッパーピン駆動機構を構成する。さらに、油圧室31と進角室24との間には、油路39が設けられ、また、ベーンロータ3が中間ロック位相以上に進角した時に、油圧室31と進角室24とを連通する油路40も設けられている。
また、吸気連続可変バルブタイミング機構4のベーンロータ3の後端部に設けられた凸状部36とタイミングロータ1の前端部に設けられた円環状の凹状部37との間には、エンジン停止時等の油圧低下時であっても、タイミングロータ1に対してカムシャフト2およびベーンロータ3の位相を中間ロック位相以上に進角させるための進角アシストスプリング(進角側付勢手段)38が設けられている。
ECU8は、エンジン回転数を検出するクランク角センサ44、エンジン負荷センサ45、吸入空気量を検出するエアフローメータ46からの信号によって現在の運転状態を検出すると共に、クランク角センサ44やカム角センサからの信号によってタイミングロータ1とカムシャフト2およびベーンロータ3の相対回転位置およびカムシャフト2およびベーンロータ3の中間ロック位相を検出する。このECU8は、エンジン回転数やエンジン負荷に応じて、エンジンの吸気バルブの開閉タイミングが最適値となるように進遅角油圧制御弁5の制御モードを制御する。ここで、47はエンジンの冷却水温度を検出する冷却水温センサ、あるいはオイルの温度を検出する油温センサである。また、48はイグニッション(IG)スイッチである。
進遅角油圧制御弁5は、本発明の油圧給排手段に相当するもので、図3に示したように、油圧回路を形成するバルブボディ(図示せず)に収容されたコントロールバルブ5a、およびこのコントロールバルブ5aを駆動する電磁式アクチュエータ5bを有し、第1、第2オイル供給路21、22とオイル供給路29および第1、第2オイル排出路41、42とを相対的に切り替え制御できるように構成され、ECU8からの制御信号によって切り換え作動される。
コントロールバルブ5aは、バルブボディの所定の箇所に設けられた凹状部に収容された円筒状のスリーブ50と、このスリーブ50内に摺動自在に収納されたスプール(スプール弁)51と、このスプール51を初期位置(電磁式アクチュエータ5b側)に付勢するスプリング(バネ)52とを備えている。これらのうちスリーブ50には、オイルポンプ6側のオイル供給路29に繋がるオイル供給ポート53が形成されている。
さらに、進角室24内のオイルをドレーンするための第1ドレーンポート55、遅角室25内のオイルをドレーンするための第2ドレーンポート56、および第1、第2オイル供給路21、22に繋がる第1、第2オイル給排ポート57、58等が形成されている。そして、スプール51の外周部には、軸方向の図示左端部から図示右端部へ向かって3個の油路を形成する4個の第1〜第4ランド部が設けられている。
電磁式アクチュエータ5bは、コントロールバルブ5aのスリーブ50の軸方向の図示右端側に固定された円筒状のヨーク61、このヨーク61の内周側に配置されたコイルボビン62、このコイルボビン62の外周に巻装されたソレノイドコイル63とから構成されている。さらに、コイルボビン62よりも内周側に配置されたステータコア(固定鉄心)64およびムービングコア(可動鉄心)65と、このムービングコア65と一体的に作動するソレノイドシャフト66とから構成されている。
この電磁式アクチュエータ5bのソレノイドシャフト66の図示左端部は、コントロールバルブ5aのスプール51の図示右端面に当接している。これにより、コントロールバルブ5aのスプール51は、ムービングコア65およびソレノイドシャフト66と一体的に軸方向に往復変位する。なお、コイルボビン62は、略円筒状に樹脂一体成形された樹脂一次成形品である。
また、ソレノイドコイル63の外周に樹脂モールド成形された樹脂成形部材(樹脂二次成形品)67のヨーク61よりも外部に露出した部分には、ソレノイドコイル63と車載電源とを電気的に接続するターミナル(外部接続端子)68をインサート成形したコネクタ部5cが一体成形されている。また、ソレノイドコイル63には、主にエンジン作動中にECU8から駆動電流が供給されて起磁力を生じ、この起磁力に応じてムービングコア65が吸引される。
したがって、ECU8による進角制御時には、ECU8から駆動電流が供給され、スプリング52のスプリング力に抗してムービングコア65およびコントロールバルブ5aのスプール51が所定の位置まで吸引される。このとき、コントロールバルブ5aのスプール51の外周部に設けられる中間の油路がオイル供給路29と第1オイル供給路21とを連通すると共に、スプール51の外周部に設けられる図示右端の油路が第2オイル供給路22と第2オイル排出路42とを連通する。これにより、進角制御時には、進角室24内にオイルが導入され、且つ遅角室25内からオイルがドレーンされる。
また、ECU8による遅角制御時には、ECU8から駆動電流が供給され、スプリング52のスプリング力に抗してムービングコア65およびコントロールバルブ5aのスプール51が所定の位置まで吸引される。このとき、コントロールバルブ5aのスプール51の外周部に設けられる中間の油路が第1オイル供給路21と第1オイル排出路41とを連通すると共に、スプール51の外周部に設けられる図示右端の油路が第2オイル供給路22とオイル供給路29とを連通する。これにより、遅角制御時には、進角室24内からオイルがドレーンされ、且つ遅角室25内にオイルが導入される。
また、ECU8によるドレーンモード時には、ECU8から駆動電流が供給され、スプリング52のスプリング力に抗してムービングコア65およびコントロールバルブ5aのスプール51が所定の位置まで吸引される。このとき、コントロールバルブ5aのスプール51の外周部に設けられる中間の油路がオイル供給路29と第1オイル供給路21とを連通すると同時に、スプール51の外周部に設けられる図示左端の油路の第1オイル供給路21と第1オイル排出路41とを連通する。さらに、コントロールバルブ5aのスプール51の外周部に設けられる図示右端の油路が第2オイル供給路22と第2オイル排出路42とを連通する。これにより、ドレーンモード時には、進角室24内および遅角室25内からオイルがドレーンされる。
〔参考例1の特徴〕
次に、本参考例のストッパーピン33の作動を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図6(a)〜図6(c)はストッパーピンの作動状態を示した図である。
そして、エンジン停止時に、ECU8により進角制御が行われると、進角室24内にオイルが導入され、遅角室25内のオイルがドレーンされて進角室24、油路39、40内に油圧が供給される。これにより、油圧室31内のストッパーピン33の外周に設けられた鍔状部33aの上下の油圧力がバランスするため、図6(a)に示したように、スプリング34のスプリング力によりストッパーピン33の先頭部がベーン23の前端面より突出してシューハウジング12のフロントカバー部に当接する(1段目の嵌合)。
その後に、ECU8がクランク角センサ44とカム角センサからの信号によってベーンロータ3の位相が中間ロック位相以上に進角したことを確認すると、ECU8によりドレーンモードが行われる。これにより、進角室24および第1オイル供給路21内のオイルがドレーンされるため、吸気バルブの駆動反力により、図6(b)に示したように、ベーンロータ3の位相が遅角側に移動する。
そして、ベーンロータ3が中間ロック位相まで遅角すると、図6(c)に示したように、スプリング34のスプリング力が与えられているストッパーピン33の先頭部がシューハウジング12に形成された凹状部(嵌合部)35に嵌まり込む(2段目の嵌合)。すなわち、凹状部35にストッパーピン33の先頭部が嵌まり込むと、カムシャフト2およびベーンロータ3は中間ロック位相に固定されるため、中間ロック位相でのエンジン始動が可能となる。
次に、本参考例の連続可変バルブタイミング調整装置の作動を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図7はエンジン停止時に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである。
先ず、イグニッション(IG)スイッチ48をONすると、図7のルーチンが起動する。そして、イグニッション(IG)スイッチ48がOFFされたか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果がNOの場合には、リターンする。
また、ステップS11の判定結果がYESの場合には、進遅角油圧制御弁5の制御モードを、吸気連続可変バルブタイミング機構4の位相、つまりタイミングロータ1に対してカムシャフト2およびベーンロータ3の位相を進角させる進角制御モードに変更する(ステップS12)。
その進角制御モードでは、進遅角油圧制御弁5のスプール51を変位させて、オイルポンプ6側のオイル供給路29と進角室24側の第1オイル供給路21とを連通させ、且つオイルパン30側の第2オイル排出路42と遅角室25側の第2オイル供給路22とを連通させることで、進角室24内にオイルを導入し、遅角室25内のオイルをドレーンする。
次に、タイミングロータ1に対してカムシャフト2およびベーンロータ3の位相が中間ロック位相以上に進角しているか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果がNOの場合には、ステップS11またはステップS12以下の処理を繰り返す。
また、ステップS13の判定結果がYESの場合、つまり中間ロック位相以上に進角している場合には、進角室24および遅角室25の油圧を保持する。あるいは進遅角油圧制御弁5の制御モードを、吸気連続可変バルブタイミング機構4の位相、つまりタイミングロータ1に対してカムシャフト2およびベーンロータ3の位相を進角させる進角制御モードを維持する(ステップS14)。
その進角制御モードでは、進遅角油圧制御弁5のスプール51を変位させて、オイルポンプ6側のオイル供給路29と進角室24側の第1オイル供給路21とを連通させ、且つオイルパン30側の第2オイル排出路42と遅角室25側の第2オイル供給路22とを連通させることで、進角室24内にオイルを導入し、遅角室25内のオイルをドレーンする。
次に、エンジン回転数がある所定の回転数(例えば300rpm)以下であるか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果がNOの場合には、ステップS14以下の処理を繰り返す。また、ステップS15の判定結果がYESの場合には、進遅角油圧制御弁5の制御モードを、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンするドレーンモードに変更する(ステップS16)。その後に、本制御を終了する。
このドレーンモードでは、進遅角油圧制御弁5のスプール51を変位させて、オイルパン30側の第1オイル排出路41と進角室24側の第1オイル供給路21とを連通させ、且つオイルパン30側の第2オイル排出路42と遅角室25側の第2オイル供給路22とを連通させることで、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンする。
以上により、本参考例の連続可変バルブタイミング調整装置においては、イグニッション(IG)スイッチ48がOFFされた後に進角制御を行い、中間ロック位相以上に進角したことを確認する。そして、エンジン回転数がある所定の回転数以下になると、オイルポンプ6が停止し進角室24の油圧が所定値以下に低下したとECU8が判断して、進遅角油圧制御弁5の制御モードをドレーンモードに変更し、進角室24、遅角室25および第1、第2オイル供給路21、22のオイルをドレーンする。
それによって、進角室24と第1オイル供給路21が完全にドレーンされ、且つ遅角室25と第2オイル供給路22が完全にドレーンされるため、吸気バルブの駆動反力により、タイミングロータ1に対してカムシャフト2とベーンロータ3の位相が遅角側に移動する。これらのカムシャフト2とベーンロータ3の位相が中間ロック位相まで遅角すると、図6(c)に示したように、ストッパーピン33によりロック(固定)される。
すなわち、進角室24がドレーンされた時に作動するストッパーピン33がスプリング34からスプリング力に抗してシューハウジング12の凹状部35に嵌合することにより、カムシャフト2とベーンロータ3が中間ロック位置にロックされる。なお、進角制御は遅延制御を用いても良い。
したがって、本参考例の連続可変バルブタイミング調整装置においては、低油温時のようにオイルの粘性が高く、所定の推定時間では中間ロック位置まで戻すことができなくても、エンジン始動前に、タイミングロータ1に対するカムシャフト2の位相を中間ロック位相に確実に固定することができる。
〔参考例2〕
図8は本発明の参考例2を示したもので、エンジン始動時に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである。
先ず、イグニッション(IG)スイッチ48がONされたか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果がNOの場合には、リターンする。また、ステップS21の判定結果がYESの場合には、進遅角油圧制御弁5の制御モードを、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンするドレーンモードに変更する(ステップS22)。
このドレーンモードでは、進遅角油圧制御弁5のスプール51を変位させて、オイルパン30側の第1オイル排出路41と進角室24側の第1オイル供給路21とを連通させ、且つオイルパン30側の第2オイル排出路42と遅角室25側の第2オイル供給路22とを連通させることで、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンする。
次に、エンジン始動時モードが終了したか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果がNOの場合には、ステップS22以下の処理を繰り返す。また、ステップS23の判定結果がYESの場合には、中間ロック位相にロックするロック固定制御を行う(ステップS24)。その後に、本制御を終了する。
以上により、本参考例の連続可変バルブタイミング調整装置においては、エンジン停止時には、吸気連続可変バルブタイミング機構4の位相、つまりカムシャフト2とベーンロータ3の位相は、中間ロック位相より進角側で停止している。このため、イグニッション(IG)スイッチ48がONされたとECU8が判断したと同時(エンジン始動時)に、進遅角油圧制御弁5の制御モードをドレーンモードに変更し、進角室24、遅角室25および第1、第2オイル供給路21、22のオイルをドレーンする。
それによって、エンジンのクランキング時の吸気バルブからの駆動反力により、タイミングロータ1に対してカムシャフト2とベーンロータ3の位相が遅角側に移動する。これらのカムシャフト2とベーンロータ3の位相が中間ロック位相まで遅角すると、ストッパーピン33によりロック(固定)される。
そして、エンジン始動時モードを抜けた時点で、ストッパーピン33を確実に固定するためのロック固定制御が行われる。したがって、本参考例の連続可変バルブタイミング調整装置においては、エンジン始動時に、タイミングロータ1に対するカムシャフト2の位相を中間ロック位相に確実に固定することができる。
〔実施例1〕
図9は本発明の実施例1を示したもので、エンジンストール(エンスト)時に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである。
先ず、イグニッション(IG)スイッチ48をONすると、図9のルーチンが起動する。そして、エンジン回転数がある所定の回転数以下に低下しているか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果がNOの場合には、リターンする。
また、ステップS31の判定結果がYESの場合には、進遅角油圧制御弁5の制御モードを、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンするドレーンモードに変更する(ステップS32)。その後に、本制御を終了する。
このドレーンモードでは、進遅角油圧制御弁5のスプール51を変位させて、オイルパン30側の第1オイル排出路41と進角室24側の第1オイル供給路21とを連通させ、且つオイルパン30側の第2オイル排出路42と遅角室25側の第2オイル供給路22とを連通させることで、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンする。
以上により、本実施例の連続可変バルブタイミング調整装置においては、ECU8がエンジンストール(エンスト)判定を行った場合には、進遅角油圧制御弁5の制御モードをドレーンモードに変更し、進角室24、遅角室25および第1、第2オイル供給路21、22のオイルをドレーンする。
それによって、次回エンジン始動時に上記のエンジン始動時モード時にはオイルが進角室24および第1オイル供給路21より抜けているため、吸気連続可変バルブタイミング機構4内に進角アシストスプリング38が組み込まれていると、カムシャフト2のカム山がタペットを乗り越えたときの負トルクにより、タイミングロータ1に対してカムシャフト2とベーンロータ3の位相が進角側に移動する。
次に、カムシャフト2のカム山がタペットを乗り上げる時の駆動反力により、吸気連続可変バルブタイミング機構4の位相、つまりタイミングロータ1に対してカムシャフト2とベーンロータ3の位相が遅角側に移動し、中間ロック位相でストッパーピン33によりロック(固定)することが可能となる。
〔参考例3〕
図10は本発明の参考例3を示したもので、高油温時(油圧低下時)に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである。
先ず、イグニッション(IG)スイッチ48をONすると、図10のルーチンが起動する。そして、イグニッション(IG)スイッチ48がOFFされたか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果がNOの場合には、リターンする。
また、ステップS41の判定結果がYESの場合には、冷却水温センサで検出した冷却水温度より推定した油温、あるいは油温センサで検出した油温が高油温(例えば110℃以上)であるか否かを判定する(ステップS42)。
この判定結果がNOの場合には、進遅角油圧制御弁5の制御モードを、吸気連続可変バルブタイミング機構4の位相、つまりタイミングロータ1に対してカムシャフト2およびベーンロータ3の位相を進角させる進角制御モードに変更する(ステップS43)。その後に、本制御を終了する。
この進角制御モードでは、進遅角油圧制御弁5のスプール51を変位させて、オイルポンプ6側のオイル供給路29と進角室24側の第1オイル供給路21とを連通させ、且つオイルパン30側の第2オイル排出路42と遅角室25側の第2オイル供給路22とを連通させることで、進角室24内にオイルを導入し、遅角室25内のオイルをドレーンする。
また、ステップS42の判定結果がYESの場合には、進遅角油圧制御弁5の制御モードを、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンするドレーンモードに変更する(ステップS44)。その後に、本制御を終了する。
このドレーンモードでは、オイルパン30側の第1オイル排出路41と進角室24側の第1オイル供給路21とを連通させ、且つオイルパン30側の第2オイル排出路42と遅角室25側の第2オイル供給路22とを連通させることで、進角室24内および遅角室25内のオイルをドレーンする。
以上により、本参考例の連続可変バルブタイミング調整装置においては、油圧低下時、特に高油温時には、エンジン停止時に、吸気連続可変バルブタイミング機構4の位相、つまりタイミングロータ1に対してカムシャフト2とベーンロータ3の位相を進角させることが非常に困難となる。
このため、進角室24内に供給されるオイルの温度が高油温(例えば110℃以上)とECU8が判定した際には、エンジン停止時に、進遅角油圧制御弁5の制御モードをドレーンモードに変更し、進角室24、遅角室25および第1、第2オイル供給路21、22のオイルをドレーンする。それによって、次回のエンジン始動時には上記と同様に進角室24および第1オイル供給路21からオイルが抜けているため、エンジンのクランキング時に中間ロック位相でロック(固定)することが可能となる。
〔参考例4の構成〕
図11および図12は本発明の参考例4を示したもので、図11は内燃機関用バルブタイミング調整装置のエンジン作動中における状態図で、図12は内燃機関用バルブタイミング調整装置のエンジン停止時やエンジン始動時のドレーンモード時における状態図である。
本参考例の吸気連続可変バルブタイミング機構4の油圧回路には、進遅角油圧制御弁5の第1オイル給排ポート57と進角室24とを接続する第1オイル供給路21の途中に、パイロット弁(本発明の油路切替弁に相当する)7を接続している。なお、本参考例では、進遅角油圧制御弁5と進角室24との間に、つまり第1オイル供給路21の途中にパイロット弁7を設けたが、第1オイル供給路21の途中にパイロット弁7の代わりに電磁弁等を設けても良い。
この進遅角油圧制御弁5は、油圧システム回路を形成するバルブボディ49の所定の箇所に設けられた凹状部に収容されたコントロールバルブ5a、およびこのコントロールバルブ5aを駆動する電磁式アクチュエータ5b等から構成されている。
これらのうちスリーブ50には、オイルパン30内のオイルを汲み上げてエンジンの各部へオイルを吐出するためのオイルポンプ(油圧源)6側のオイル供給路29に繋がるオイル供給ポート53、パイロット弁7の油圧制御室73内のオイルをドレーンするための第1ドレーンポート55、遅角室25内のオイルをドレーンするための第2ドレーンポート56、第1、第2オイル供給路21、22に繋がる第1、第2オイル給排ポート57、58、およびパイロット弁7の油圧制御室73に繋がる連通ポート59等が形成されている。
電磁式アクチュエータ5bのソレノイドシャフト66の図示左端部は、コントロールバルブ5aのスプール51の図示右端面に形成された軸孔内に嵌め込まれている。また、ソレノイドコイル63には、エンジン作動中にECU8から駆動電流が供給されて起磁力を生じ、この起磁力に応じてムービングコア65が吸引される。また、ドレーンモード時には、ECU8から駆動電流が停止されるため、コントロールバルブ5aのスプール51はスプリング52のスプリング力により初期位置に戻される。
パイロット弁7は、図1ないし図3の吸気連続可変バルブタイミング機構4よりもドレーン機構を強化するために設けられて、バルブボディ(図示せず)の所定の箇所に収容された円筒状のスリーブ71と、このスリーブ71内に摺動自在に収納されたスプール(スプール弁)72と、このスプール72を油圧制御室73側に付勢するスプリング74とを備えている。
これらのうちスリーブ71には、コントロールバルブ5aの連通ポート59と油圧制御室73とを連通する第3オイル供給路60に繋がる第3オイル給排ポート75、進角室24内のオイルをドレーンする油路76に繋がる第3ドレーンポート77、および第1オイル供給路21に繋がる第1オイル給排ポート78、79等が形成されている。スプール72の外周部には、1個の油路を形成する2個の第1、第2ランド部が設けられている。
そして、オイルポンプ6側のオイル供給路29とパイロット弁7側の第3オイル供給路60とを繋ぐ油路90の途中には、エンジン回転数の変動によるオイルポンプ6の吐出量の変化により生じる油路90内の圧力変動を吸収するための固定絞り9が設けられている。
また、本参考例の吸気連続可変バルブタイミング機構4の油圧回路には、進角室24内のオイルをドレーンする油路76と遅角室25よりオイルがドレーンされる第2オイル供給路22との間を連通する連通路92、およびこの連通路92の途中に設けられて、進角室24の油圧よりも遅角室25の油圧が小さい時に開弁するチェック弁93が設けられている。
〔参考例4の特徴〕
次に、本参考例の連続可変バルブタイミング調整装置の作動を図11および図12に基づいて簡単に説明する。
エンジンの始動と共に、エンジンによりオイルポンプ6が回転駆動される。これにより、オイル供給路29、油路90、第3オイル供給路60および油圧制御室73内の油圧が立ち上がり、スプリング74のスプリング力よりも油圧制御室73内の油圧力が上回ると、図11に示したように、パイロット弁7のスプール72が図示右側に変位する。
また、オイルポンプ6側のオイル供給路29とパイロット弁7側の第3オイル供給路60とを繋ぐ油路90の途中に設けられた固定絞り9は、オイルポンプ6の吐出量の変化を要因とする圧力変動を吸収し、油圧低下時や圧力変動が大きい時においても、油圧制御室73内の油圧力を安定して保持することで、パイロット弁7のスプール72が確実に図示右側にいる状態に保たれる。
一方、エンジン停止時やエンジン始動時に、進遅角油圧制御弁5のスプール51をドレーンモードに変更すると、パイロット弁7の図示左側にある油圧制御室73が進遅角油圧制御弁5のスプール51がスプリング52のスプリング力に抗して図示左側に変位することで、進角室24内および遅角室25内のオイルがドレーンされ、且つ油圧制御室73内のオイルもドレーンされるため、パイロット弁7のスプール72がスプリング74のスプリング力により図示左側に動く。
このとき、オイルポンプ6が油圧を発生していたとしても、進遅角油圧制御弁5の油路を通り進角室24へ繋がる第1オイル供給路21は、パイロット弁7の油路が油路76に連通することにより、オイルポンプ6からの油圧が完全に遮断される。また、オイルポンプ6からパイロット弁7の油圧制御室73に向かう油路90では、固定絞り9により油圧が落とされるため、パイロット弁7のスプリング74のスプリング力によりスプール72は図示左側で固定される。
以上の作動により、吸気連続可変バルブタイミング機構4の進角室24からオイルがドレーンされる油路76には、図1ないし図3の吸気連続可変バルブタイミング機構4に対し、エンジン回転数により吐出量が変化するオイルポンプ6からの油圧変動(圧力変動)の影響を殆ど受けないため、進角室24内のオイルを確実に吐き出し、中間ロック位相でストッパーピン33によりロック(固定)することが非常に容易となる。
また、進角室24よりオイルがドレーンされる油路76と遅角室25よりオイルがドレーンされる第2オイル供給路22との間を連通する連通路92の途中に設けられたチェック弁93は、進角室24の油圧よりも遅角室25の油圧が小さい時に開弁することにより、遅角室25に負圧が発生せず、ベーンロータ3がより進角側に動くのを防止することができる。
〔他の実施例〕
本実施例では、シューハウジング12の内周部に3個のシュー16を設け、ベーンロータ3の外周部に3個のベーン23を設けることにより、3つの進角室(進角油圧室)24および3つの遅角室(遅角油圧室)25を設けてバルブタイミングを連続的に可変したが、シューハウジング12の内周部に4個以上のシュー16を設け、ベーンロータ3の外周部に4個以上のベーン23を設けることにより、4つ以上の進角室(進角油圧室)24および4つ以上の遅角室(遅角油圧室)25を設けてバルブタイミングを連続的に可変しても良い。また、2つの進角室(進角油圧室)24および2つの遅角室(遅角油圧室)25を設けてバルブタイミングを連続的に可変しても良い。
ここで、アイドル時には、エンジンの吸気バルブの開閉タイミングを大きく遅らせて(遅角させて)オーバーラップ(吸気バルブと排気バルブとが同時に開弁している時期)を無くして燃焼を安定させるようにしても良い。また、中速高負荷時には、吸気バルブの開閉タイミングを早めて(進角させて)オーバーラップを拡大し、自己EGR(燃焼室内の残留ガス)を増加させて燃焼温度を低下させ、HC、NOxの排出量を低減させるようにしても良い。この場合には、ポンプ損失の低減にもつながり燃費も向上する。また、高速高負荷時には、吸気バルブの閉タイミングを最適なところまで遅らせて(遅角させて)最高出力を確保するようにしても良い。
また、実際のカムシャフト2の位置をセンサで検出し、目標のバルブタイミングになるように進遅角油圧制御弁5をフィードバック制御しても良い。また、本実施例では、バルブタイミングを連続可変としたが、バルブタイミングを進角制御モードと遅角制御モードとドレーンモードの3段階可変や多段階としても良い。そして、本発明を、吸気連続可変バルブタイミング機構だけでなく、吸排気連続可変バルブタイミング機構、あるいは排気連続可変バルブタイミング機構に利用しても良い。また、内燃機関として、オーバヘッドバルブ(OHV)エンジンを用いても良く、オーバーヘッドカムシャフト(OHC)エンジンを用いても良い。
内燃機関用バルブタイミング調整装置の全体構成を示した概略図である(参考例1)。 吸気連続可変バルブタイミング機構を示した正面図である(参考例1)。 吸気連続可変バルブタイミング機構を示した断面図である(参考例1)。 ストッパーピン駆動機構を示した概略図である(参考例1)。 ECUを含む油圧制御装置を示したブロック図である(参考例1)。 (a)〜(c)はストッパーピンの作動状態を示した説明図である(参考例1)。 エンジン停止時に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである(参考例1)。 エンジン始動時に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである(参考例2)。 エンジンストール時に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである(実施例1)。 高油温時に中間ロック位相にロックする制御を示したフローチャートである(参考例3)。 内燃機関用バルブタイミング調整装置のエンジン作動中における状態図である(参考例4)。 内燃機関用バルブタイミング調整装置のエンジン停止時やエンジン始動時のドレーンモード時における状態図である(参考例4)。
符号の説明
1 タイミングロータ
2 カムシャフト
3 ベーンロータ
4 吸気連続可変バルブタイミング機構
5 進遅角油圧制御弁(油圧給排手段)
6 オイルポンプ(油圧源)
7 パイロット弁(油路切替弁)
8 ECU
9 固定絞り
21 第1オイル供給路(油路)
22 第2オイル供給路
24 進角室(進角油圧室)
25 遅角室(遅角油圧室)
29 オイル供給路
33 ストッパーピン(位相固定手段)
38 進角アシストスプリング
92 連通路
93 チェック弁

Claims (3)

  1. (a)内燃機関のクランクシャフトと同期して回転するタイミングロータと、
    (b)前記内燃機関の吸気または排気バルブの開閉時期を決めるためのカム山を有し、前記タイミングロータと相対回転運動が可能なカムシャフトと、
    (c)このカムシャフトと一体的に回転するベーンロータと、
    (d)油圧によって前記ベーンロータを回転させ、前記タイミングロータに対して前記カムシャフトの位相を進角させるための進角油圧室と、
    (e)油圧によって前記ベーンロータを回転させ、前記タイミングロータに対して前記カムシャフトの位相を遅角させるための遅角油圧室と、
    (f)前記進角油圧室内のオイルをドレーンした時に、前記カムシャフトの位相を所望の中間ロック位相に固定するための位相固定手段と、
    (g)エンジン作動中に、油圧源で発生した油圧を、前記進角油圧室および前記遅角油圧室に相対的に給排させる油圧給排手段とを備え、
    前記ベーンロータ、前記進角油圧室、前記遅角油圧室および前記位相固定手段を備えた連続可変バルブタイミング機構には、前記タイミングロータに対して前記カムシャフトの位相を前記中間ロック位相以上に進角させるための進角アシストスプリングが設けられ、
    前記油圧給排手段は、エンジンストール時に、前記進角油圧室内および前記遅角油圧室内のオイルをドレーンするドレーンモードを行うことを特徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用バルブタイミング調整装置において、
    エンジンストール時に、前記油圧給排手段を通り前記油圧源より前記進角油圧室へ繋がる油路から、前記進角油圧室よりオイルがドレーンされる油路へ切り替える油路切替弁とを備えた内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関用バルブタイミング調整装置において、
    前記進角油圧室および前記遅角油圧室に油圧を供給するための前記油圧源としては、前記内燃機関のクランクシャフトに同期して回転駆動されて、エンジン回転数に比例した吐出量を発生するオイルポンプを用いていることを特徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
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