JP5760804B2 - ポリエステル樹脂成形フィルム - Google Patents
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Description
2≦((A)+(B))/(C)≦50
本発明のポリエステル樹脂成形フィルムは賦形に必要な柔軟性(成形性)と装飾層などの加工工程に耐える剛直性(形態安定性)を有している。この特性は各温度におけるフィルムの弾性率を制限することで得られる。即ち、形態安定性を示す30℃での弾性率が小さい場合、装飾層などを設ける工程で面内方向のひずみが生じ、平面性の確保が困難になる。そのため、30℃での弾性率は1,000MPa以上とすることが望ましく、1,500MPa以上とすることがより好ましく、2,000MPa以上とすることがさらに好ましく、3,000MPa以上とすることがよりさらに好ましい。なお、30℃での弾性率が大きいと装飾層などを設ける工程で、ロールなどに沿い難くなるなどの問題が生じることがあり、そのため、30℃での弾性率は8,000MPa以下が好ましく、7,000MPa以下がより好ましく、6,000MPa以下が更に好ましく、5000MPa以下がより好ましい。
ジオール構成単位に適したモノマーとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール類やポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテル化合物類、また、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノールなどの脂環族ジオール類、更に、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)などのビスフェノール類、及び、前記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が挙げられる。加えて、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、及び、前記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物などや環状アセタール骨格を有するジオールなども挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂フィルムは、少なくとも片面に易接着層を有する。
接着層に用いるポリエステル系樹脂としては、分岐したグリコール成分を構成成分とする共重合ポリエステル樹脂が好適である。分岐を有するグリコール成分としては、例えば、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールなどが例示でき、これら以外のグリコール成分としてはエチレングリコールであることが好ましい。
接着層に用いるポリビニルアルコール系樹脂としては、特に限定されないが、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られたポリビニルアルコール、ならびに、その誘導体、酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のけん化物、ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。前記の単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体などが挙げられ、これらポリビニルアルコール系樹脂は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良いが、これらの中でもビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、その重合度は、特に、限定しないが、塗布時の液粘性より3000以下であることが好ましい。
接着層に用いる架橋剤としては、水酸基と架橋性を有するものであれば特に限定されないが、メラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系、エポキシ系等の化合物が挙げられる。これらの中でも、塗布液の経時安定性の点からメラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系の化合物が好ましく、官能基として水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂とより好適に架橋構造を形成すると考えられるメラミン系化合物、もしくは、イソシアネート系化合物が好ましい。これらの架橋剤は、当該技術分野において公知の架橋剤を適宜選択して使用することができる。また、架橋反応を促進する触媒などを必要に応じて使用しても良い。
本発明の易接着層中には、効果を阻害しない範囲において、界面活性剤、酸化防止剤、触媒、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機、または、無機の粒子、帯電防止剤、核剤などの公知の添加剤を付与して良い。
本発明のポリエステル樹脂フィルムは、公知の手法に準じて製造することが可能である。まず、前記のポリエステル系樹脂の1種類以上を押出してシート状物を得る。なお、この際に、固有粘度の異なる同種のポリエステル系樹脂、種類の異なるポリエステル系樹脂などをコンバイニングアダプタ法、マルチスロット法、マルチマニホールド法などの公知の方法で、例えば、A/Bの2種2層構成、B/A/B構成の2種3層構成、C/A/Bの3種3層構成などの積層構造にすることが可能である。
(測定法・評価法)
(1)固有粘度([η])
JIS K 7367−5「プラスチック―毛細管形粘度計を用いた希釈溶液の粘度の求め方―第5部:熱可塑性ポリエステル(TP)ホモポリマー及びコポリマー」に準拠して得た粘度数に対して、下記の測定条件で、溶液の質量濃度 c に対する粘度数の関係を導き出し、質量濃度c=0としたときの値を固有粘度[η]とした。
管 :ウベローデ粘度管
温度:30±0.1(℃)
JIS K 7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠した示差走査熱量測定(DSC)のDSC曲線より得られる融解ピーク温度を融解温度(Tm)、中間点ガラス転移温度をガラス転移温度(Tg)とした。
樹脂を重クロロホルムに溶解し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析による各樹脂組成の積分値の比をモル比として求めた。
JIS K 0070「化学製品の酸価、けん価、エステル価、ヨウ素価、水酸基価および不けん価物の試験方法」の(3.1)中和滴定法に準拠し、樹脂中のカルボキシル基を中和するのに必要なKOHの量を酸価(AV)とした。
JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準じて、水酸化ナトリウムを用いたポリビニルアルコール樹脂の残存酢酸基を定量した値をけん化度として求めた。
JIS K 7198「プラスチックの非共振強制振動法による動的粘弾性の温度依存性に関する試験方法」に準拠して得られる各フィルムの温度依存曲線において、30℃と100℃の動的貯蔵弾性率を各々30℃と100℃の弾性率(E’)とした。
JIS C 2318「電気用ポリエチレンテレフタレートフィルム」の寸法変化に準拠して得られる各フィルムの150℃の寸法変化率を熱収縮率(SH)とした。
JIS L 1096「織物及び編物の生地試験方法」における剛軟度(B法)に準拠し、30℃、又は、100℃に設定した加熱炉内に設置したスタンド台を用いて計測されるたわみ量(δ)、試料の長さ(L)、及び、予め求めた、単位幅1mmにおける単位長さあたりの試料の荷重(W)から計算した剛軟度を剛性(EI)とした。なお、試料は、縦方向(MD)と横方向(TD)の二方向の平均値を適用した。
JIS K 7105「プラスチックの光学特性試験方法」に準拠して、積分球式光線透過率測定装置により得られる各フィルムの全光線透過率と拡散透過率より曇価(ヘーズ)を求めた。
一般の「roll to roll」方式の塗工加工機を用い、フィルムに模擬的にハードコートを塗工した後、熱風方式(80〜100℃)で乾燥させる工程において、下記の基準のランク付けを行った。なお、◎、および、○、および、△を合格とし、×を不合格とした。
○:熱ジワや蛇行などの解消に、張力、温度などの条件変更が必要であるが、
安定した条件が設定できる
△:熱ジワや蛇行などに対して、張力、温度などの条件変更が必要であり、
設定した条件も範囲が狭い、あるいは、熱ジワや蛇行が発生する
×:熱ジワや蛇行などの解消が、張力、温度など条件変更のみでは困難
フィルムに5mm四方のマス目印刷を施した後、500℃に加熱した赤外線ヒーターでフィルムを加熱した後、開口部の直径が50mm、底面部の直径が40mm、深さが20mm、底面部周囲の角に直径0.5mmの曲率を設けた金型で真空成形を行なった。なお、フィルムに対する加熱時間10〜20sec、金型温度40〜90℃の条件における最適条件下で得た賦形状態について、下記の基準のランク付けを行った。なお、◎、および、○、および、△を合格とし、×を不合格とした。
(ii)角の曲率半径が1mm以下で、かつ、印刷ずれが0.1mm以下である
○: (i) 賦形状態に破れがなく、
(ii)角の曲率半径が1〜1.5mm、または、印刷ずれが0.1〜0.2mm
△: (i) 賦形状態に破れがなく、
(ii)角の曲率半径が1.5mmを超える、かつ、
印刷ずれが0.2mmを越える
×: (i) 賦形状態に破れがあるもの、
または、
(ii)賦形状態に破れがなく、下記の項目(a)〜(b)の1項目が該当する
(a)角の曲率半径が1.5mmを超える、かつ、
印刷ずれが0.2mmを越える
(b)大きなシワが入る。
厚さ3mmのフロートガラス製の四分の一曲げガラス(曲率半径200mm、長さ400mm)の凸面上に、ポリビニルブチラール膜(厚み500μm)を設け、易接着層がポリビニルブチラール層に接着するようにポリエステル樹脂フィルムを接着させ、更に易接着層を塗工しない面に順次、アルミニウム蒸着層、アンカー層、ハードコート層を施した成形フィルムを積層し、それをバギング材に封入して、オートクレーブ釜(約140℃)で一体化し、貼付けガラスを成形した。そのガラスに対するハードコート層側からの蛍光灯(直管型蛍光灯や環型蛍光灯のように反射させた際に蛍光管の外形ラインが明瞭になるもの)の写像性について、下記の基準のランク付けを行った。なお、○、および、△を合格とし、×を不合格とした。
○:蛍光灯などの写像にゆがみなどが若干観察される
△:蛍光灯などの写像にゆがみがかなり観察される
×:蛍光灯などの写像にゆがみがかなり観察され、輪郭もぼける。
ポリエステル樹脂フィルムの易接着層表面に、固形分濃度5質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液(クラレ製 PVA117)を、乾燥後のポリビニルアルコール樹脂層の厚みが、2μmになるようにワイヤーバーで塗布し、70℃で5分間乾燥した。ポリビニルアルコール水溶液には、判定が容易となるよう赤色染料を加えたものを使用した。このようにして作成した評価用フィルムを、両面テープを貼り付けた厚さ5mmのガラス板に、ポリビニルアルコール樹脂層が形成された面の反対面を上記両面テープに貼り付けた。次いで、カッターガイドを用いてポリビニルアルコール樹脂層を貫通して、ポリエステル樹脂層に達する切込みを、2mm間隔で100個の升目が形成されるように設けた。次いで、粘着テープ(ニチバン社製セロテープ (登録商標)CT−24;24mm幅)を升目状の切り傷面に貼り付けた。貼り付け時に粘着テープとポリビニルアルコール樹脂層との界面に残った空気を消しゴムで押して、完全に密着させた後、粘着テープを勢いよく垂直に引き剥がす作業を1回、5回、10回実施した。ポリビニルアルコール樹脂層が剥がれていない升目の個数を数え、PVA接着性を評価した。即ち、PVA層が全く剥がれていない場合を、接着率100とし、PVA層が全て剥がれた場合は、PVA接着率0とした。なお、1個の升目内で部分的に剥がれているものも、剥がれた個数に含めた。
<樹脂A:ポリエチレンテレフタレート>
テレフタル酸(TPA)及びエチレングリコール(EG)を1:1のモル比でエステル化反応釜に仕込み、圧力0.25MPa、温度220〜240℃の条件下で120分間エステル化反応を行なった後、反応釜内を常圧にして、重合触媒としてチタニウムテトラブトキシドなどを加えて、撹拌しながら反応系内を徐々に減圧し、75分間で0.5hPaとすると共に、温度を280℃に昇温して、280℃で溶融粘度が所定の値となるまで撹拌して重合反応を行ない、その後、水中に吐出して冷却し、樹脂Aを得た。
テレフタル酸に代えてテレフタル酸ジメチル(DMT)を用い、エチレングリコールに代えて1,3−プロパンジオールを用い、反応釜で、常圧、170〜210℃で180分間、エステル交換反応を行なった以外は、上記樹脂Aの重合と同様にして樹脂Bを得た。
テレフタル酸(TPA)、エチレングリコール(EG)、及びネオペンチルグリコール(NPG)を下記の表1に示すモル比になるようにエステル化反応釜に仕込み、樹脂A及び樹脂Bの製法に準じて樹脂Cを得た。
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って下記の表2に示す組成の共重合ポリエステル樹脂を調整した。ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、及び/又は、5−スルホナトイソフタル酸ナトリウムを使用した。グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロパンジオール、及び/又は、トリメチロールプロパンを使用した。各共重合ポリエステル樹脂におけるジカルボン酸成分とグリコール成分の配合割合及び物性を表2に示す。
けん化度の異なるポリビニルアルコール樹脂(b1)〜(b7)を使用し、攪拌機と温度計を備えた容器に、水90質量部を入れ、攪拌しながら10質量部の各ポリビニルアルコール樹脂を徐々に添加した後、95℃まで液を攪拌しながら加熱して樹脂を溶解させた。その後、室温まで冷却して、固形分10質量%の各ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液(bw1)〜(bw7)を得た。各ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度を以下の表3に示す。
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート架橋剤の水分散液(c1)を得た。
上記の易接着層用ポリエステル系樹脂の水分散体(aw1)、易接着層用ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液(bw4)、ブロックポリイソシアネート架橋剤の水分散液(c1)、水、イソプロパノール、平均粒径100nmのシリカゾルを固形分濃度40質量%含有した粒子分散液、固形分濃度40質量%の有機スズ化合物の溶液、及び、固形分濃度10質量%のシリコーン系界面活性剤の溶液を下記の表4に示す配合比で調合することで易接着層を形成する塗布液(d1)を調整した。
上記の易接着層用塗布液(d1)と同様に、易接着層用ポリエステル樹脂の水分散体(aw1)〜(aw5)、易接着層用ポリビニルアルコール樹脂の水溶液(bw1)〜(bw7)、ブロックポリイソシアネート架橋剤の水分散液(c1)、メラミン系架橋剤の水分散液(三和ケミカル製ニカラックMX−042:固形分濃度70%)、オキサゾリン系架橋剤の分散液(日本触媒製エポクロスWS−500:固形分濃度40%)、水、イソプロパノール、平均粒径100nmのシリカゾルが固形分濃度40質量%含有した粒子分散液、固形分濃度40質量%の有機スズ化合物の溶液、及び固形分濃度10質量%のシリコーン系界面活性剤の溶液を下記表6に示す配合比で調合し易接着層を形成する塗布液(d2)〜(d19)を調整した。
上記のフィルム用ポリエステル樹脂の樹脂A、樹脂B、樹脂Cを下記の表5に示す配合比でドライブレンドした。これを、押出機を使用して、混練・押出し、スキン層/コア層/スキン層(比率10重量%/80重量%/10重量%)となるように、スリットから溶融押出し、表面温度30〜40℃のチルロール上で急冷固化させると同時に静電印加法により密着させることにより無定形の未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向に延伸した。延伸倍率及び延伸時の温度は、表5に示す通りである。この縦方向の延伸時の温度は、ガラス転移温度(より高い温度領域を基準とした)に対して、所定の温度となるように設計された。延伸後、上記に示す易接着層を形成する塗布液(d1)をロールコート法でフィルムの片面に塗布量が0.12g/m2 になるように塗布し、130℃で3秒間乾燥させた。それを、表5に示す温度で横(機械方向に対して垂直)方向に表5に示す倍率に延伸した。次に、延伸したフィルムを、融解温度(低い温度領域を基準とした)に対して−10〜−35℃の温度範囲で3〜5%の弛緩処理(熱処理)をして、片面に易接着層を有するポリエステル樹脂フィルム(厚み25μm)を作製した。得られたフィルムについて測定した物性及び評価結果を表5に示す。
実施例1と比較して、ポリエステル樹脂フィルムを構成する樹脂A、樹脂B、樹脂Cの配合比、及び、製膜条件の一部が異なること条件(表5)で片面に塗布層を有するポリエステル樹脂フィルムを作成した。具体的には、実施例1〜4と同じ押出機を使用して、押出した樹脂を、スリットから溶融押出し、表面温度30〜40℃のチルロール上で急冷固化させると同時に静電印加法により密着させながら無定形の未延伸シートを得た。そして、得られた未延伸シートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向にガラス転移温度に対して、表5に示される温度及び倍率で縦(機械)方向に延伸した後、上記に示す塗布液(d1)をロールコート法でフィルムの片面に塗布し、130℃で3秒間乾燥した。これを表5に示される温度及び倍率で横(機械方向に対して垂直)方向に延伸し、次に、融解温度に対して−10〜−35℃の温度範囲を基準に3〜5%の弛緩を行なって片面に塗布層を有するポリエステル樹脂フィルムを得た。
易接着層用塗布液が(d2)〜(d13)のいずれかであること以外は実施例2と同様にして片面に塗布層を有するポリエステル樹脂フィルムを作製した。具体的には、フィルム用ポリエステル樹脂の樹脂A、樹脂Cを実施例2と同様の配合比でドライブレンドし、押出機を使用し、混練・押出したものをスキン層/コア層/スキン層(比率10重量%/80重量%/10重量%)となるように、スリットから溶融押出し、表面温度30〜40℃のチルロール上で急冷固化させると同時に静電印加法により密着させながら無定形の未延伸シートを得た。そして、得られた未延伸シートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向にガラス転移温度に対して、実施例2と同様の温度、ならびに、倍率で、縦(機械)方向に延伸した。その後、塗布液をロールコート法でフィルムの片面に塗布量が0.12g/m2 になるように塗布すること、130℃で3秒間乾燥してから、所定の温度、ならびに、所定の倍率で横(機械方向に対して垂直)方向に延伸し、次に、融解温度に対して−10〜−35℃の温度範囲を基準に3〜5%の弛緩を行ない、各々の樹脂比率で構成した成形フィルムを得た。
易接着層用塗布液が(d14)〜(d19)であること以外は実施例2と同様にして片面に易接着層を有するポリエステル樹脂フィルムを作製した。樹脂A及び樹脂Cを実施例2と同様の配合比でドライブレンドし、押出機を使用し、混練・押出したものをスキン層/コア層/スキン層(比率10重量%/80重量%/10重量%)となるように、スリットから溶融押出し、表面温度30〜40℃のチルロール上で急冷固化させると同時に静電印加法により密着させながら無定形の未延伸シートを得た。そして、得られた未延伸シートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向にガラス転移温度に対して、実施例2と同様の温度、ならびに、倍率で、縦(機械)方向に延伸した。その後、塗布液をロールコート法でフィルムの片面に塗布量が0.12g/m2 になるように塗布すること、130℃で3秒間乾燥してから、所定の温度、ならびに、所定の倍率で横(機械方向に対して垂直)方向に延伸し、次に、融解温度に対して−10〜−35℃の温度範囲を基準に3〜5%の弛緩を行ない、各々の樹脂比率で構成した成形フィルムを得た。
Claims (5)
- ポリエステル樹脂フィルムの少なくとも片面に易接着層を有しており、
該易接着層は、ポリエステル系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)と架橋剤(C)を含有する塗布液から形成される層であり、
該ポリエステル系樹脂(A)の酸価は20KOHmg/g以下であり、
該ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は60〜85モル%であり、
該ポリエステル樹脂フィルムの弾性率は30℃で1,000MPa以上であり、且つ、100℃で2,200MPa以下であり、
該ポリエステル樹脂フィルムの150℃の熱収縮率MD+TDが2%以上であることを特徴とする成形用フィルム。 - 該ポリエステル樹脂フィルムは、少なくも一層からなり、いずれの層も共重合ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の成形用フィルム。
- 該易接着層における該ポリエステル系樹脂(A)が5−スルホイソフタル酸成分をジカルボン酸成分中1〜15モル%含有することを特徴とする請求項1〜2に記載の成形用フィルム。
- 該易接着層における該架橋剤(C)がイソシアネート化合物、又は、メラミン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形用フィルム。
- 該易接着層におけるポリエステル系樹脂(A)、ポリビニルアルコール系樹脂(B)、及び、架橋剤(C)の質量比が以下の式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形用フィルム。
0.8≦(A)/(B)≦ 5
2≦((A)+(B))/(C)≦50
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JP2013027994A (ja) | 2013-02-07 |
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