以下に、本発明に係る粉体収納容器の各実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
本発明に係る粉体収納容器の一実施例であるトナー容器(32Y、32M、32C、32K)、およびそれが装着可能な画像形成装置100の構成を説明する。まず、その画像形成装置100の構成およびその動作について説明する。
実施例1の画像形成装置100は、図1に示すように、カラープリンタであり、箱状の筐体に収容されて構成されている。この画像形成装置100では、上方にトナー容器収容部31が設けられている。このトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器(粉体収納容器)32Y、32M、32C、32Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。トナー容器収容部31は、画像形成装置100(その筐体)の前面側に設けられた本体カバー(図示せず)を開放することにより、画像形成装置100の外方に露出可能とされている。
トナー容器収容部31は、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32Kから適宜トナーを補給する。この構成については、後に詳細に説明する。また、トナー容器収容部31では、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kが寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になる)、新品のものに交換されて装填される。この構成についても、後に詳細に説明する。なお、画像形成装置100では、トナー容器を始として、後述する作像部(3)等が各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つずつ設けられているが、それらは基本的に同様な構成とされていることから、以下では、いずれか1色の構成のみについて説明し、他の構成については省略する。
本発明に係る画像形成装置100は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つの作像部3Y、3M、3C、3Kを備えている。各作像部3Y、3M、3C、3Kは、画像形成装置100に対して着脱可能とされている。図示は略すが、この作像部3Y、3M、3C、3Kの上方に、それぞれトナー補給装置(図3にイエローに対応する60Yのみ図示している)が配設されている。このトナー補給装置(図3の符号60Y参照)は、トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容された粉体としてのトナーを、作像部3Y、3M、3C、3Kの現像装置5Y、5M、5C、5K内に適宜供給(補給)する。
画像形成装置100では、トナー容器収容部31の下方に、露光部7および中間転写ユニット6が配設されている。この中間転写ユニット6は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ10、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部(図示せず)を有する。中間転写ユニット6では、中間転写ベルト8が、複数ローラによって張架されて(所定の緊張状態で架け渡されて)支持されるとともに、2次転写バックアップローラ10の回転駆動により矢印方向に無端移動される(始まりの端部および終わりの端部の区別なく同一経路上を周回移動される)。その中間転写ベルト8に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部3Y、3M、3C、3Kが並設されている。
その作像部は、イエローに対応した作像部3Yで説明すると、図2に示すように、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Yと、現像装置5Y(現像部)と、クリーニング部2Yと、除電部(図示せず)と、を有する。この作像部3Yでは、感光体ドラム1Y上において、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、イエロー画像が形成される。
感光体ドラム1Yは、図示を略す駆動モータにより、図2を正面視した半時計方向に回転駆動される。その感光体ドラム1Yの表面は、帯電部4Yと対向する位置で、一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7(図1参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達し、その位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Y(その後述する現像ローラ51Y)との対向位置に達し、その対向位置で静電潜像が現像(可視像化)されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。その後、感光体ドラム1Yの表面が、中間転写ベルト8および第1次転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達すると、その位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。このとき、感光体ドラム1Y上(表面)には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達し、その位置で残存する未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体ドラム1Yの表面は、図示を略す除電部との対向位置に達し、その位置で残留電位が除去される。これにより、感光体ドラム1Y上(表面)で行われる一連の作像プロセスが終了する。
なお、この一連の作像プロセスは、図1に示すように、他の3つの作像部3M、3C、3Kでも同様に行われる。この各作像部における作像プロセスのために、露光部7では、図示は略すが、画像情報に基づいて、光源からレーザ光Lを発し、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上に照射する。これにより、作像部3Mはマゼンタのトナー像を形成し、作像部3Cはシアンのトナー像を形成し、作像部3Kはブラックのトナー像を形成する。
ここで、中間転写ユニット6では、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kが、対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間で中間転写ベルト8を挟み込んで1次転写ニップを形成している。その各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加されている。このため、中間転写ベルト8が矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kおよび感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kによる1次転写ニップを順次通過することにより、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、互いに重なるように中間転写ベルト8上に1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
その後、カラー画像が形成された箇所(中間転写ベルト8の各色のトナー像が重ねて転写された箇所)は、2次転写ローラ11との対向位置に達する。この対向位置では、2次転写バックアップローラ10が、2次転写ローラ11との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。このため、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像(カラー画像)は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体(被転写材)P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8の未転写トナーが残存する箇所は、中間転写クリーニング部(図示せず)が設けられた位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーは、当該中間転写クリーニング部により回収される。これにより、中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送される記録媒体Pは、画像形成装置100の下部に設けられた給紙部12から、給紙ローラ13や搬送ローラ14、レジストローラ対15等を経由して搬送される。その給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。給紙部12では、給紙ローラ13が図1を正面視して反時計方向に回転駆動されることにより、収納されたうちの一番上の記録媒体Pが給紙部12から排出され、搬送ローラ対14のローラ間に向けて給送される。
排出された記録媒体Pは、搬送ローラ14によって、レジストローラ対15に向けて搬送される。そのレジストローラ対15は、回転駆動を停止することにより搬送された記録媒体Pをローラニップの位置で一旦停止させる。その後、レジストローラ対15は、無端移動される中間転写ベルト8上のカラー画像が形成された箇所の通過にタイミングを合わせて回転駆動され、記録媒体Pを2次転写ニップに向けて搬送する。このため、記録媒体P上(その表面)に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部19の位置に搬送される。そして、定着部19において、その定着ローラ17および圧力ローラ18による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対16のローラ間を経て、装置外へと排出される。この排紙ローラ対16により排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部20上に順次スタックされる(積み重ねられる)。これにより、画像形成装置100における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、作像部3Yにおける現像装置5Yの構成および動作について、図2を用いて説明する。現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤の搬送のための現像剤搬送路53Y、54Y、55Y、それらの中に配設された供給スクリュ56Yと回収スクリュ57Yと攪拌スクリュ58Y、および現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ(図示せず)を有する。現像ローラ51Yは、図示は略すが、内部に固設された(現像装置5Yにおいて固定されて設けられた)マグネットと、そのマグネットの周囲を回転するスリーブとを有する。
現像剤搬送路53Y、54Y、55Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。すなわち、実施例1の画像形成装置100では、2成分現像剤を用いて画像を形成している。現像剤搬送路(攪拌搬送路)55Yは、その上方に形成された開口59Yを介してトナー搬送パイプ68に連通している。このトナー搬送パイプ68は、後述するトナー補給装置(図3の符号60Y参照)の一部を構成しており、現像装置5Y内の現像剤におけるトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように適宜トナーが供給される箇所である。換言すると、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置(図3の符号60Y参照)からトナー搬送パイプ68を介して攪拌搬送路55Y内に補給される。なお、トナー補給装置60Yおよびトナー容器32Yの構成および動作については、後に詳細に説明する。
各構成部品の配置について、さらに詳しく説明する。現像装置5Yは、現像ローラ51Yに供給される現像剤を収容する現像剤搬送路(供給搬送路)53Yを、現像ローラ51Yに対向する位置に有する。この供給搬送路53Yは、現像剤を供給しながら現像ローラ51Yの軸線方向に沿って図2を正面視した奥側に現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュ56Yを有する。現像装置5Yでは、現像ローラ51Yにおける、供給スクリュ56Yとの対向部よりも表面移動方向(回転移動方向)での下流側に、ドクターブレード52Yが設けられている。このドクターブレード52Yは、現像ローラ51Yに供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制手段として機能する。
現像剤搬送路(回収搬送路)54Yは、現像ローラ51Yの感光体ドラム1Yとの対向部である現像領域よりも表面移動方向の下流側で、現像ローラ51Yと対向されている。その回収搬送路54Yは、現像領域を通過し、現像ローラ51Yの表面から離脱した現像済みの現像剤を回収する。回収搬送路54Yは、その軸線方向に平行に配置されたらせん状の回収スクリュ57Yを有する。回収スクリュ57Yは、回収搬送路54Yに回収された回収現像剤を現像ローラ51Yの軸線方向に沿って供給スクリュ56Yと同方向に搬送する回収搬送部材として機能する。このため、現像装置5Yでは、現像ローラ51Yに対して、供給スクリュ56Yを備えた供給搬送路53Yが横方向に、回収スクリュ57Yを備えた回収搬送路54Yが下方に並設されている。
なお、現像ローラ51Yでは、先に述べた現像スリーブ内部にあるマグネットを、現像剤を離脱させたい箇所のみ磁極がない状態に設定することにより、現像剤の分離・離脱を可能としている。また、離脱させたい箇所に反発磁界が形成されるような磁極配置のマグネットを用いる構成であってもよい。
現像装置5Yでは、供給搬送路53Yの下方で回収搬送路54Yに並列して現像剤搬送路(攪拌搬送路)55Yが設けられている。その攪拌搬送路55Yは、軸線方向に平行に配置された、らせん状の攪拌スクリュ58Yを有する。その攪拌スクリュ58Yは、現像ローラ51Yの軸線方向に沿って現像剤を攪拌しながら供給スクリュ56Yとは逆方向である図中手前側に搬送する攪拌搬送部材として機能する。
その供給搬送路53Yと攪拌搬送路55Yとは、仕切り部材としての第一仕切り壁501により仕切られている。この第一仕切り壁501において、供給搬送路53Yと攪拌搬送路55Yとを仕切る箇所には、図中手前側と奥側との両端に開口部(図示せず)が設けられている。このため、供給搬送路53Yと攪拌搬送路55Yとは、延在方向(図2の紙面に対する直交方向)の両端位置で連通している。なお、供給搬送路53Yと回収搬送路54Yとも第一仕切り壁501によって仕切られているが、第一仕切り壁501において、供給搬送路53Yと回収搬送路54Yとを仕切る箇所には開口部が設けられておらず、供給搬送路53Yと回収搬送路54Yとは連通していない。
また、攪拌搬送路55Yと回収搬送路54Yとは、仕切り部材としての第二仕切り壁502によって仕切られている。この第二仕切り壁502は、図2を正面視して奥側に開口部(図示せず)が設けられ、攪拌搬送路55Yと回収搬送路54Yとが連通している。
現像剤は、トナーがキャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着し、現像ローラ51Yの内方のマグネットにより形成された磁界により現像ローラ51Y上に担持される(吸い付けられる)。現像ローラ51Yでは、図示を略すスリーブが図2の矢印方向に回転する。すると、図示を略すマグネットにより形成された磁界により現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともなって現像ローラ51Y上を移動する。
ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像装置5Y内でのトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置60Y(図3参照)を介して攪拌搬送路55Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成および動作については、後に詳しく説明する。
攪拌搬送路55Y内に補給されたトナーは、攪拌スクリュ58Yによって、現像剤とともに混合・攪拌されながら、図2を正面視して手前側に向かって攪拌搬送路55Y内を搬送される。現像剤は、攪拌スクリュ58Yの搬送方向下流端まで搬送されると、攪拌スクリュ58Yの搬送方向下流側であり供給スクリュ56Yの搬送方向上流側に形成された第一仕切り壁501の開口部(図示せず)を介して供給搬送路53Yに供給される。
その供給搬送路53Yでは、攪拌搬送路55Yから供給された現像剤を現像ローラ51Yに供給しつつ、供給スクリュ56Yの搬送方向下流側に現像剤を搬送する。その現像剤は、一部が現像ローラ51Yに供給されずに供給搬送路53Yの搬送方向下流端まで搬送された余剰現像剤となる。その余剰現像剤は、第一仕切り壁501の開口部より攪拌搬送路55Yに供給される。
一方、現像ローラ51Yに供給された現像剤は、図2中の矢印の方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。その後、現像ローラ51Y上の現像剤は、この位置でドクターブレード52Yにより適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域)まで搬送される。その後、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤は、現像ローラ51Yから分離・離脱して、回収搬送路54Yに受け渡される(回収現像剤)。回収搬送路54Yでは、受け渡された回収現像剤が、回収スクリュ57Yによって回収搬送路54Yの搬送方向下流端まで搬送されて、第二仕切り壁502の開口部(図示せず)から攪拌搬送路55Yに供給される。
その攪拌搬送路55Yでは、供給された余剰現像剤と回収現像剤とが、上述したように適宜補給されたトナーとともに、攪拌スクリュ58Yによって混合・攪拌されながら図2を正面視して手前側に向かって搬送され、第一仕切り壁501の開口部(図示せず)から供給搬送路53Yに供給される。この攪拌搬送路55Yの下方には、図示は略すが、透磁率センサからなるトナー濃度検知センサが設けられている。当該トナー濃度検知センサは、トナー補給装置60Yによるトナー容器32Yからのトナー補給を行うか否かの判断に用いられる。
次に、トナー容器32Y内に収容されたトナーを現像装置5Yに導くトナー補給装置(粉体補給装置(図3の符号60Y参照))について、図3を用いて説明する。トナー補給装置は、トナー容器収容部31(図4等参照)を有し、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー容器収容部31に装填された各トナー容器32Y、32M、32C、32Kから適宜トナーを補給するものである。このトナー容器収容部31の構成は後に説明する。
トナー補給装置60Yでは、トナー容器32Yがトナー容器収容部31に装着されると、その装着動作に連動して、図3に示すように、トナー容器32Yの穴部32Y1bにトナー容器収容部31のノズル72(管部材)が挿入される。トナー容器32Yでは、穴部32Y1b内に開閉部材としての口栓部材32Y3を有する。その口栓部材32Y3(その円柱形状部)は、ノズル72と爪部材75とに挟まれた状態で、トナー排出口32Y1a(粉体排出口)を開放する。これにより、トナー排出口32Y1aとノズル72に設けられたトナー受入口72a(粉体受入口)とが連通し、トナー容器32Yの容器本体32Y2(粉体収容部)内に収容されたトナーが、トナー排出口32Y1aを介して、ノズル72内に搬送される。そのノズル72の他端は、トナー補給経路としてのチューブ69の一端に接続されている。
そのチューブ69は、耐トナー性に優れたフレキシブルな材料からなり、その他端がトナー補給装置のスクリューポンプ61(モーノポンプ)に接続されている。チューブ69は、その内径が4〜10mmになるように形成されている。チューブ69の材料としては、ポリウレタン、ニトリル、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、シリコン等のゴム材料や、ポリエチレン、ナイロン等の樹脂材料を用いることができる。このようなフレキシブルなチューブ69を用いることで、トナー補給経路のレイアウトの自由度が増して、画像形成装置100の小型化を図ることができる。
スクリューポンプ61は、吸引型一軸偏心スクリューポンプであり、ロータ65、ステータ62、吸引口63、ユニバーサルジョイント64およびモータ66を有する。そのロータ65、ステータ62、ユニバーサルジョイント64は、図示は略すがケース内に収納されている。ステータ62は、ゴム等の弾性材料からなる雌ねじ状部材であり、その内壁面にダブルピッチの螺旋溝が形成されている。ロータ65は、金属等の剛性材料からなる螺旋状にねじれて形成された雄ねじ状部材であり、ステータ62内に回動自在に嵌挿されている。ロータ65の一端は、ユニバーサルジョイント64を介して、モータ66に連結されている。
このスクリューポンプ61は、モータ66によりステータ62内のロータ65を所定方向に回転駆動させることで、チューブ69内の空気を送出してチューブ69内に負圧を発生させ、吸引口63に吸引力を発生させる。これにより、トナー容器32Y内のトナー(イエロー)が空気とともにチューブ69を介して吸引口63に吸引される。吸引口63まで吸引されたトナーは、ステータ62とロータ65との隙間に送入され、ロータ65の回転に沿ってステータ62の他端側(吸引口63とは反対側)に送出される。この送出されたトナーは、スクリューポンプ61の送出口67から排出されて、トナー搬送パイプ68を介して現像装置5Y内に補給される(図3中の破線で示す矢印参照)。なお、現像装置5Yに補給されるトナーを一時的に収容するホッパを、スクリューポンプ61と現像装置5Yとの間に設置してもよい。
ここで、図3を参照して、実施例1のトナー容器32Yは、略円筒状のトナーボトルである容器本体32Y2を有し、その容器本体32Y2の内部に搬送部材33が設置されている。この搬送部材33は、容器本体32Y2の底部側(図3を正面視して右側)で回転自在に方持ち支持されており、容器本体32Y2の内部でコイル形状を為している。搬送部材33の底部側には、後述する駆動カップリング91(図5等参照)に係合可能であって、容器本体32Y2に対して回転自在とされた駆動入力部34(従動カップリング)が設置されている。搬送部材33は、駆動入力部34に連結(方持ち支持)されている。このような構成により、搬送部材33は、画像形成装置100の駆動カップリング91から駆動力を受けることで、所定方向に回転して容器本体32Y2(トナー容器32Y)の内部に収容されたトナーを長手方向に搬送する(図3正面視して左側)。このため、トナー容器32Yでは、トナー排出口32Y1aからノズル72に向けてトナーが排出されることになる。このトナー容器32Yの詳細は構成については、後に詳述する。
次に、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kが装填されるトナー容器収容部31について説明する。図4は、トナー容器収容部31の全体斜視図である。トナー容器収容部31は、粉体収納容器収容部であり、トナー容器固定部70(粉体収納容器固定部)、トナー容器ガイド部80(粉体収納容器ガイド部)、トナー容器駆動部90(粉体収納容器駆動部)から構成されている。トナー容器32Yは、その長手方向を着脱方向としてトナー容器固定部70からトナー容器収容部31内への着脱が行われる(図4の矢印参照)。以下では、このトナー容器収容部31に対して、トナー容器固定部70からのトナー容器32Yの挿入方向(図4の矢印参照)を、トナー容器32Yの装着方向ともいう。
トナー容器収容部31では、各トナー容器の装着方向での奥側にトナー容器駆動部90が設けられている。そのトナー容器駆動部90は、図5に示すように、駆動カップリング91、駆動モータ92、スプリング93、軸94およびギヤ95を有する。駆動カップリング91は、容器本体32Y2の底部に設けられた駆動入力部34(図3参照)に係合するよう配設されている。駆動カップリング91と駆動モータ92とは、軸94およびそこに設けられたギヤ95を介して連結されている。トナー容器32Yでは、駆動モータ92の駆動力が軸94およびギヤ95を介して駆動カップリング91に伝達され、駆動カップリング91に係合した駆動入力部34を介して搬送部材33(図3参照)が所定方向に回転駆動される。軸94にはスプリング93が巻かれており、駆動カップリング91をトナー容器32Yの装着方向での手前側(装着に抗する方向)に付勢している。
すなわち、図6および図7に示すように、駆動カップリング91は、トナー容器32Yの装着(着脱)方向と平行な方向に往復移動可能に設けられており、スプリング93によって、トナー容器32Yの装着方向での手前側に付勢される(図6を正面視して左側)。この駆動カップリング91は、トナー容器32Yが図6の矢印の方向に移動してトナー容器収容部31に装着されると、駆動入力部34(図3参照)と係合しながら、トナー容器32Yに押されて装着方向奥側へと移動する(図7参照)。このため、駆動カップリング91は、スプリング93により、トナー容器32Yを装着方向手前側(図7を正面視して左方向)に付勢している。
トナー容器32Yが脱離される際は、トナー容器収容部31によるトナー容器32Yの保持が解除されると、スプリング93の付勢力により、トナー容器32Yが離脱する方向(図7の左方向)へ押動される。すなわち、トナー容器32Yがトナー容器挿入口71Yから飛び出す格好(ポップアップ動作)になるので、ユーザーは後述する把持部32Y1cを把持してトナー容器32Yを画像形成装置100から容易に取り出すことが可能となる。
次に、トナー容器固定部70について、図8および図9を用いて詳細に説明する。トナー容器固定部70は、トナー容器挿入口71、管部材としてのノズル72、アンテナ基板74、爪部材75、トナー容器固定解除レバー76(粉体収納容器固定解除部材)、位置決め部材78を有する。その爪部材75は、トナー容器32Yのトナー排出口32Y1aを閉鎖する方向に口栓部材32Y3を付勢する付勢部材である(図3等参照)。また、トナー容器固定解除レバー76は、トナー容器32Yをトナー容器収容部31へ固定することができ、かつその固定を解除することが可能とされている。
トナー容器固定部70は、トナー容器32Y、32M、32C、32Kをそれぞれ非回転で保持する。このトナー容器固定部70は、上前ケース701、下前ケース702等で構成されている。図10および図11は下前ケース702の拡大斜視図である。
図10に示すように、下前ケース702には、トナー容器32Yの装着動作に連動して当該トナー容器32Yの位置決めを行う位置決め部材78が設けられている。位置決め部材78は、トナー容器32Yの着脱方向に沿って延設された凸部であり、ノズル72の中心軸を通る鉛直線を中心として左右対称に設けられている。
トナー容器固定部70には、水平方向であってトナー容器32Yの着脱方向に延在してノズル72が配設されている。ノズル72の上部には、粉体受入口としてのトナー受入口72aが、開口面が上を向くように設けられている。
そのトナー容器固定部70には、その底部であってトナー容器固定部70にトナー容器32Yが固定された場合にそのトナー排出口32Y1a(図3等参照)の下方に位置する箇所に、爪部材75が設けられている。その爪部材75は、トナー容器32Yの離脱動作に連動してトナー排出口32Y1aを閉鎖する方向に口栓部材32Y3を付勢する。爪部材75は、回転支軸を中心にして回動可能(図10および図11の矢印参照)に下前ケース702に保持されている。爪部材75は、板バネ77(図3参照)によって、トナー容器32Yの着脱を妨げない位置から口栓部材32Y3に係合する位置へと突出方向に付勢されている。すなわち、爪部材75は、下方から上方へ向けて付勢されている。
トナー容器固定部70のトナー容器挿入口71Yの手前側(装着方向での手前側)には、トナー容器32Yのトナー容器固定部70への固定およびその解除を行うトナー容器固定解除レバー76が設けられている。図12は、トナー容器固定解除レバー76を示す斜視図である。トナー容器固定解除レバー76は、図12に示すように、トナー容器32Yを固定・保持する爪部76aと、レバー部76bと、リブ76cと、を有する。トナー容器固定解除レバー76は、水平方向であって、トナー容器32Yの着脱方向に対して略直交の方向に往復移動可能に設けられており(図11のレバー部76bの近傍に示す矢印参照)、スプリング76d(図13および図14参照)によりトナー容器挿入口71Y側(図11に示す矢印とは反対側)へ付勢されている。トナー容器固定解除レバー76は、ユーザーがレバー部76bに指を引っ掛けて、スプリング76dによる付勢方向と反対方向(図11に示す矢印参照)にスライドさせることにより、トナー容器挿入口71Yに突出しない位置まで移動させることができる。
図13および図14は、トナー容器収容部31Yに収容されたトナー容器32Yとトナー容器固定解除レバー76との位置関係を、トナー容器装着方向手前側から見た図である。図13は、トナー容器固定解除レバー76によって、トナー容器32Yがトナー容器固定部70に固定・保持されている状態を示し、図14は、トナー容器固定解除レバー76が図面左側(図13の矢印方向)に移動して、トナー容器32Yの固定状態を解除している状態を示している。
上述したように、トナー容器収容部31Yに装着されたトナー容器32Yは、駆動カップリング91により装着方向手前側に付勢されている(図13を正面視して手前側)。しかしながら、トナー容器固定解除レバー76が図13の位置にある場合、すなわち、トナー容器固定解除レバー76(その爪部76a)がスプリング76dによる付勢力によりトナー容器挿入口71に突出していると、トナー容器固定解除レバー76がトナー容器32Yのトナー容器収容部31Yからの離脱を妨げるので、トナー容器32Yをトナー容器収容部31Yに固定することができる。また、トナー容器32Yがトナー容器収容部31Yに装着された状態で、ユーザーがレバー部76bに指を掛けて、スプリング76dによる付勢方向とは反対の方向(図13の矢印参照)へトナー容器固定解除レバー76をスライドすると、爪部76aがトナー挿入口から突出しない位置(解除位置)まで移動することにより、トナー容器32Yの固定状態を解除する(図14参照)。このとき、上述したように、トナー容器32Yはトナー容器駆動部90の駆動カップリング91(図6および図7等参照)により付勢されているために、トナー容器32Yはトナー容器挿入口71Yから飛び出すことになる(ポップアップされる)。その後、把持部32Y1cを把持してトナー容器32Yを離脱方向(矢印Xとは反対の方向)へ移動させて引き抜くと、爪部76aとトナー排出部32Y1dとの当接状態が解除され、トナー容器固定解除レバー76は、スプリング76dの付勢力により固定位置へ戻る(図9および図11参照)。
このトナー容器挿入口71は、画像形成装置100の手前側に設置された本体カバー(図示せず)を開放すると、各トナー容器収容部31Y、31M、31C、31K(トナー容器収容部31)が露呈させるものとされている。詳細には、当該本体カバーを開放すると、図9に示すように、4つのトナー容器挿入口71Y、71M、71C、71Kが形成されたトナー容器固定部70が露呈する。このため、画像形成装置100の手前側から各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの着脱操作(トナー容器の長手方向を着脱方向とする着脱操作)を行うことが可能である。なお、トナー容器挿入口71Y、71M、71C、71Kの形状は色ごとに異なるものとされている。
すなわち、トナー容器挿入口71Y、71M、71C、71Kには、互いに異なる形状、配置および個数とされた第1案内溝71Y1、71M1、71C1、71K1が形成されている。その第1案内溝71Y1は、後述するように、トナー容器32Yに設けられた突起部32Y1eとの係合が可能とされている。また、図示は略すが、第1案内溝71M1、71C1、71K1は、トナー容器32M、32C、32Kに形成された突起部との係合が可能とされている。このため、トナー容器挿入口71Y、71M、71C、71Kでは、異なる色のトナー容器が誤って装着されることが防止されている。
また、トナー容器固定部70(トナー補給装置60Y、60M、60C、60K)では、図8に示すように、その上前ケース701に、アンテナ基板74が設置されている。このアンテナ基板74は、上前ケース701の上部で、同一平面上に並設されている。その上前ケース701は、上述したように、トナー容器固定部70の一部を形成している。各アンテナ基板74は、トナー容器固定部70から挿入され並設された4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kの周面に設置された電子基板(トナー容器32Yの32Y1fのみ図示(図15等参照)に対向する。
このアンテナ基板74は、装着されたトナー容器32Y、32M、32C、32Kの電子基板(32Y1f(図15等参照))と、画像形成装置100(その制御部(図示せず))と、の間での通信による情報の授受を可能とする。それらの間で通信される情報としては、トナー容器の製造番号、リサイクル回数等の情報や、ロット番号、色等の情報や、画像形成装置100の使用履歴等の情報である。また、アンテナ基板74は、トナー容器内のトナー消費量に応じて、トナー容器内の残量トナー量等に関する情報等について、各電子基板(32Y1f(図15等参照))に対して適宜書き込みを行っている。このアンテナ基板74は、トナー容器32Y、32M、32C、32Kの上方に配設されて、受信面が鉛直方向下側に向くように配設されていることから、当該受信面上にトナーが落下することを防止することができ、トナーが介在することによる通信感度の低下を防止することができる。
次に、トナー容器32Yの構成について、図15から図24を用いて詳細に説明する。トナー容器32Yは、筒状のトナー容器であって、容器本体32Y2とノズル挿入部32Y30(図19参照)とを有する。この容器本体32Y2は、上述したように円筒状を呈し、その内部に駆動入力部34を介して搬送部材33(図3参照)が回転可能に設けられている。容器本体32Y2では、上述したように、搬送部材33が回転駆動されることにより、収容するトナー(イエロー)がトナー排出口32Y1a側へと搬送される。
このトナー容器32Yは、上述したように、トナー容器収容部31(画像形成装置100)に対する装着操作によってトナー容器収容部31(画像形成装置100)に固定保持される。すなわち、トナー容器収容部31への装着が完了した後のトナー容器32Yは、回転駆動されることなく、トナー容器32Yに対して回転自在に設置された搬送部材33および駆動入力部34のみが回転駆動されることになる。
このトナー容器32Yでは、容器本体32Y2の一端部32Y1にトナー排出口32Y1aが設けられる(図20等参照)。その一端部32Y1には、電子基板32Y1f、色識別用突起部材32Y1e(突起部)、把持部32Y1cおよびトナー排出部(粉体排出部)32Y1dが設けられている。その一端部32Y1のトナー排出部32Y1dの両側面には、第一溝部32Y1gが設けられている。その第一溝部32Y1gは、トナー容器収容部31の位置決め部材78(図8等参照)の係合が可能とされている。その第一溝部32Y1gは、対向する2つの水平面32Y1ga、32Y1gbと、該2つの水平面の間に設けられた鉛直面32Y1gcとが、トナー容器32Yの画像形成装置100への着脱方向に延在することによって形成されている(図17および図18参照)。一端部32Y1は、第一溝部32Y1gが位置決め部材78に係合することにより、搬送部材33(駆動入力部34)の回転には連動せずにトナー容器収容部31のトナー容器固定部70に非回転で保持される。
その一端部32Y1に設けられた把持部32Y1cは、実施例1では、円筒形状の容器本体32Y2から着脱方向(装着方向の後端側)に突出されて形成されている。把持部32Y1cは、ユーザーがトナー容器32Yの交換(着脱)作業等の際にユーザーが把持するためのものであり、トナー容器32Yの取り扱いを容易なものとするものである。この把持部32Y1cには、後述するトナー充填口42(図25および図26参照)に連通する挿通孔41が設けられている。この挿通孔41およびトナー充填口42については、後に詳細に説明する。
また、一端部32Y1に設けられたトナー排出部32Y1dには、被圧接部32Y1hおよびノズル挿入口32Y1j(図16参照)が設けられている。そのノズル挿入口32Y1jの端部には、その開口縁部を囲んでシール材32Y20c(図16参照)が設けられている。シール材32Y20cは、トナー容器32Yがトナー容器収容部31Yに装着された際、ノズル72とノズル挿入口32Y1jとの間からのトナー漏れを防止する。また、シール材32Y20cは、トナー容器32Yがトナー容器収容部31Y内をスライドして完全に装着された際の衝撃を吸収する機能をも有する。
その一端部32Y1の鉛直方向下部には、窪みが形成されており、その窪みの中に、ノズル挿入部32Y30が嵌合される(図19参照)。ノズル挿入部32Y30は、図20に示すように、穴部32Y1b、トナー排出口32Y1aおよびトナー排出経路32Y30aを規定する。その穴部32Y1bは、口栓部材32Y3(その円柱形状部)を移動可能に収納するものである。トナー排出口32Y1aは、穴部32Y1bの周壁面の上方に形成され、当該穴部32Y1bとトナー排出経路32Y30aとを連通させる。トナー排出経路32Y30aは、トナー排出口32Y1aの上方に形成され、当該トナー排出口32Y1aと容器本体32Y2の内方空間とを連通させる。このノズル挿入部32Y30は、一端部32Y1のトナー排出部32Y1dに設けられた窪みに嵌合されると、穴部32Y1bがトナー排出部32Y1dのノズル挿入口32Y1jと連通するように構成されている。
その穴部32Y1bには、口栓部材32Y3が設けられる。口栓部材32Y3は、穴部32Y1bに嵌入可能な円柱形状部と、その端部に対称に突出した板状の突出部と、を有する(図19参照)。口栓部材32Y3は、円柱形状部の穴部32Y1b内での位置を変位させることにより、穴部32Y1bの周壁面に設けられたトナー排出口32Y1aを開放させたり、閉鎖させたりする。また、突出部は、口栓部材32Y3において、トナー容器32Yの装着方向での手前側の端部に設けられており、円柱形状部の中心軸に直交する方向であって水平に延在されている。この突出部は、トナー容器32Yの離脱動作の際、トナー容器収容部31の板バネ77に付勢された爪部材75が係合されることにより(図3等参照)、円柱形状部を穴部32Y1b内におけるトナー排出口32Y1aの閉鎖位置へと変位させる。
また、ノズル挿入部32Y30に、口栓部材32Y3に対してトナー排出口32Y1aを閉鎖する方向へ付勢する付勢部材としてのスプリング32Y30b(図20等参照)を設けることとしてもよい。このスプリング32Y30bは、爪部材75と同様に、トナー容器32Yの離脱動作の際、円柱形状部を穴部32Y1b内におけるトナー排出口32Y1aの閉鎖位置へと変位させる機能を有する。また、スプリング32Y30bは、口栓部材32Y3がトナー排出口32Y1aを閉鎖する方向へ移動する際の初期動作を加速させることができるため、トナー排出口32Y1aからのトナー漏れをより抑制することができる。なお、実施例1では、爪部材75およびスプリング32Y30bの双方を有する構成とされている。
穴部32Y1bには、図20に示すように、両端にOリング32Y30dとOリング32Y30eとが設けられている。このOリング32Y30dおよびOリング32Y30eは、口栓部材32Y3と穴部32Y1bとの隙間からのトナー漏れを抑止する。また、ノズル挿入部32Y30には、トナー排出経路32Y30aが設けられた箇所の外周面を取り囲んでOリング32Y30cが設けられている。このOリング32Y30cは、一端部32Y1の窪みとノズル挿入部32Y30との隙間からのトナー漏れを抑止する。
一端部32Y1の底面には、図18に示すように、画像形成装置100の爪部材75が係合して、口栓部材32Y3が相対的に移動するための第二溝部32Y1iが設けられている。また、一端部32Y1の底面には、第二溝部32Y1iと直線上に並ぶように(トナー容器32Yの装着方向で直列して)配置された第三溝部32Y1qが形成されている。その第二溝部32Y1iと第三溝部32Y1qとの間には、トナー容器収容部31の爪部材75(図3等参照)と滑動して、爪部材75を下方側に押し下げる滑動面32Y1rが設けられている。この滑動面32Y1rは、爪部材75を下方側に押し下げることにより、当該爪部材75がトナー容器32Yの装着を妨げることを防止する。滑動面32Y1rの第三溝部32Y1q側の縁部には、爪部材75をスムーズに押し下げる傾斜面が設けられている。
一端部32Y1の上面に設置された電子基板32Y1fは、RFID(Radio Frequency IDentification)等であり、上述したように、アンテナ基板74(図8参照)を介して画像形成装置100(その制御部)との間でトナー容器32Yや画像形成装置100に関する情報の通信を行うためのものである。電子基板32Y1fは、トナー容器32Yの軸線に直交する方向で見て当該軸線を挟んで穴部32Y1bとは反対の位置に設けられている。このような配置にすることにより、穴部近傍に付着したトナーが電子基板32Y1fに付着し、アンテナ基板74との通信感度が悪化するなどの不具合を抑止することができる。
また、上述したように、把持部32Y1cは、トナー容器32Yにおいて、一端部32Y1の装着方向での手前側(装着方向で見た後端側)に設けられていることから、一端部32Y1におけるノズル挿入口32Y1jが設けられた面とは反対側の面に位置されている。このため、ユーザーが把持部32Y1cを把持する際にノズル挿入口32Y1jに触れてしまうことを抑制できるので、ノズル挿入口32Y1jの周辺にトナーが付着してしまった場合であっても、当該トナーにより汚れることを防止することができる。
色識別用突起部材32Y1e(突起部)は、上述したように、トナー補給装置60Yにおけるイエロー用の挿入口71Y以外の挿入口71M、71C、71K(図8および図9等参照)への誤セットを防止するものである。すなわち、色識別用突起部材32Y1eは、イエロー用の挿入口71Yに対してイエロー用のトナー容器32Yを装着方向へと適切に挿入した際、そこに設けられた第1案内溝71Y1(図8および図9等参照)への係合(進入を可能としつつ軸線回り方向で引っ掛かる)が可能とされている。
実施例1では、図20に示すように、画像形成装置100への装着方向手前側から奥側に見て、トナー排出口32Y1aの縁の奥側が、色識別用突起部材32Y1eの奥側端部よりも、手前側に配置されている。このように配置することで、誤って異なる色のトナー容器32Yがトナー容器収容部31Yに挿入された場合であっても、色識別用突起部材32Y1eとトナー容器挿入口71Yとの干渉により、色識別用突起部材32Y1eの装着方向奥側端部までしかトナー容器32Yが挿入されることがないので、ノズル72の挿入によってトナー排出口32Y1aが開放されることがない。したがって、トナー排出口32Y1aからのトナー漏出によって、トナー容器収容部内にトナーが落下したり、トナー容器収容器を異なる色のトナーで汚したりすることを防ぐことができる。
トナー排出部32Y1dに設けられた被圧接部32Y1hは、図13および図14に示すように、トナー容器32Yがトナー容器収容部31Yに装着された状態において、トナー容器収容部31Yのトナー容器固定解除レバー76の爪部76aに圧接される。すなわち、駆動カップリング91によって付勢されるトナー容器32Yが、トナー容器固定解除レバー76に保持されて、着脱方向に関して固定される際、被圧接部32Y1hは、トナー容器固定解除レバー76に圧接される位置に配設されている。この被圧接部32Y1hは、一端部32Y1におけるトナー容器32Yの着脱方向に対する垂直な平面32Y1nから、その離脱する側へ突出する2つの突出部材(リブ)で構成されている。被圧接部32Y1hは、駆動カップリング91による奥側から手前側への付勢力によって、トナー容器固定解除レバー76に圧接され、その2つの突出部材の頂点でトナー容器32Yの着脱方向に関する位置決め精度を向上させる。
トナー排出部32Y1dでは、図16から図18に示すように、着脱方向と平行な方向、すなわち被圧接部32Y1hの突出方向と平行な方向に延在した摺接部32Y1m(リブ)が設けられている。この摺接部32Y1mは、トナー容器32Yがトナー容器収容部31Yに着脱される際に、トナー容器固定解除レバー76と摺接して、トナー容器固定解除レバー76の解除位置(トナー容器の着脱を妨げない位置)の姿勢を保持するものである。また、摺接部32Y1mは、被圧接部32Y1hが形成される平面32Y1nの強度を確保する機能も有している。この摺接部32Y1mとしての2つのリブのうちの上側のリブは、トナー容器収容部31Yの位置決め部材78と係合する第一溝部32Y1gを形成する水平面32Y1gbとして構成されている。
次に、トナー容器収容部31Yへのトナー容器32Yの着脱操作の際のトナー排出口32Y1aの開閉動作について、図21から図24を用いて説明する。図21から図23は、トナー容器32Yの軸線を含む断面で見て、そのトナー容器32Yがトナー容器収容部31Yに装着される様子(矢印X方向の移動)を示す説明図である。図24は、トナー容器32Yに装着された状態(トナー排出口32Y1aの開放が完了した状態)を示す図21から図23と同様の説明図である。
トナー容器32Yを画像形成装置100のトナー容器収容部31に装着する場合は、まず、画像形成装置100の前面に設けられたカバー(図示せず)を開放してトナー容器収容部31を前方に露出させる。
その後、ユーザーは把持部32Y1cを把持して、トナー容器32Yをトナー容器収容部31内に向けて押し込む(図4参照)。すなわち、装着方向手前側からみて、把持した把持部32Y1c(一端部32Y1)が手前側となるように、トナー容器32Yの長手方向に沿って、トナー容器32Yがトナー容器収容部31に装着される。
このとき、トナー容器32Yの一端部32Y1のトナー排出部32Y1dにおいて、摺接部(リブ)32Y1mのトナー容器32Y装着方向での奥側端部が、トナー容器固定解除レバー76の爪部傾斜面76a1(図12参照)に当接する。その傾斜面76a1は、トナー容器32Yが装着される方向に対して奥に向かうほどトナー容器32Y側に迫り出して傾斜している。このため、トナー容器固定解除レバー76は、トナー容器32Yが挿入されていくに連れて、リブ32Y1mの奥側端部に押動されて、トナー容器の装着を妨げない位置(解除位置)へ移動する(図12の矢印参照)。さらに、トナー容器32Yが奥側に移動されると、爪部材75がトナー容器32Yの底面に設けられた第三溝部32Y1q(図18参照)に入り込む(図21参照)。そのとき、一端部32Y1の第一溝部32Y1gと、トナー容器収容部31Yの位置決め部材78とが係合し、位置決めが開始される。
トナー容器32Yがさらに奥側へと移動されて、トナー容器収容部31Yの爪部材75が一端部32Y1の滑動面32Y1r(図18参照)に突き当たると、爪部材75は、滑動面32Y1rの縁部に傾斜面が設けられていることにより下方へと押し下げられ、一端部32Y1の装着を妨げない位置(退避位置)に移動する。そして、爪部材75が下方に押し下げられた状態で滑動面32Y1r上を滑動しながら、トナー容器32Yの奥側への移動(装着)が進むことになる(図22参照)。
その後、さらにトナー容器32Yが奥側へと移動されると、爪部材75が第二溝部32Y1i(図18参照)まで達して、図22の退避位置から第二溝部32Y1i内に入り込むように上方へと変位し、口栓部材32Y3に係合する位置に移動する(回転支軸75aを中心とした回転である)。すなわち、爪部材75は滑動面32Y1rによる押圧から開放されて、板バネ77によって上方に押し上げられる。このとき、口栓部材32Y3の円柱形状部は、その奥側端部がノズル挿入部32Y30の穴部32Y1bにおいてノズル挿入口32Y1jの近傍に位置されて、ノズル挿入部32Y30のノズル挿入口32Y1jの近傍に位置されるトナー容器固定部70のノズル72と当接する(図23参照)。このため、口栓部材32Y3は、ノズル72と爪部材75とによって挟持されて、トナー容器収容部31Yにおける位置が固定された状態となる。
その後、トナー容器32Yがさらに装着方向(矢印X方向)に移動すると、第一溝部32Y1gと位置決め部材78とが係合した状態で、ノズル72がノズル挿入口32Y1jから穴部32Y1bに挿入される。すると、穴部32Y1bでは、口栓部材32Y3(その円柱形状部)が相対的に移動されて、トナー排出口32Y1aの開放が行われる(図24参照)。
その後、穴部32Y1bでは、ノズル72の押圧により口栓部材32Y3(その円柱形状部)がトナー排出口32Y1aを完全に開放する位置まで移動し、トナー受入口72aとトナー排出口32Y1aとが連通する位置までノズル72が挿入される。このとき、解除位置に移動してリブ32Y1m上を摺動していたトナー容器固定解除レバー76は、リブ32Y1mの装着方向手前側端部に到達し、リブ32Y1mによる押圧から開放されて、スプリング76dからの付勢力により固定位置に移動する(図13参照)。以上により、トナー容器32Yの装着動作が完了する。なお、上述の装着時の手順とは逆の手順で操作を行うことにより、トナー容器32Yを画像形成装置100のトナー容器収容部31Yから取出(離脱)することができる。
次に、本発明の特徴部分について、図25および図26を用いて説明する。この図25は、トナー充填部40を模式的な断面で示す説明図である。図26は、トナー充填部40の構成を説明するための説明図であり、(a)は把持部32Y1cに設けられた挿通孔41およびトナー充填口42を示し、(b)はキャップ43を示す。
本発明に係るトナー容器32Yでは、把持部32Y1cにトナー充填部40(図25参照)が設けられている。このトナー充填部40は、トナー容器32Y(その容器本体32Y2)に粉体であるトナーを充填(収容)する箇所(粉体充填部)を構成しており、挿通孔41とトナー充填口(粉体充填口)42とキャップ43とを有する。この挿通孔41およびトナー充填口42は、トナー容器32Yの軸線上で把持部32Y1cを貫通して設けられた貫通孔であり、トナー容器32Y(その容器本体32Y2)の内方空間を把持部32Y1cの突出端面32Y1w側の外方へと連通させる。
その挿通孔41は、図26(a)に示すように、円柱状を呈し、一端が突出端面32Y1wを開放し、他端がトナー充填口42に連続している。挿通孔41は、軸線に直交する開口面積が、ユーザーの指の挿入を防止する大きさ寸法とされている。実施例1では、直径寸法(口径)Aが、8mm以下に設定されている。なお、実施例1では、挿通孔41は、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、後述するようにキャップ43のトナー充填口42への装着動作を可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する開口形状が四角形の四角柱形状や開口形状が八角形の八角柱形状等)であっても良く、実施例1に限定されるものではない。
トナー充填口42は、軸線に直交する開口面積が挿通孔41よりも小さくされて形成された円柱状を呈し、一端がトナー充填口42に連続するとともに、他端がトナー容器32Y(その容器本体32Y2)の内方空間に連続している。換言すると、トナー充填口42は、挿通孔41の奥壁を開口するものであって、把持部32Y1cに囲まれて設けられている。このため、把持部32Y1cでは、挿通孔41およびトナー充填口42により、トナー容器32Yの装着方向での後端側から見て同心状の2つの円形状を呈する段付きの貫通孔が形成されている。
キャップ43は、挿通孔41に挿通可能であるとともに、挿通孔41内で延在方向(軸線方向)への移動が可能な大きさ寸法の長尺部材である(図25参照)。このキャップ43は、図26(b)に示すように、挿入部43aとフランジ部43bと引掛部43cとを有する。その挿入部43aは、トナー充填口42に嵌合可能な円柱状を呈し、トナー充填口42に圧入されて嵌合されることにより当該トナー充填口42を封止する。挿入部43aは、実施例1では、先端がテーパー状の截頭錐体形状とされており、トナー充填口42への挿入が容易とされている。なお、実施例1では、トナー充填口42と挿入部43aとは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、互いに嵌合することによりトナー充填口42を封止することを可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する形状が四角形や八角形等)であっても良く、実施例1に限定されるものではない。
フランジ部43bは、挿入部43aの軸線に直交する方向に延出された平板状を呈する。このフランジ部43bは、互いの径寸法の差異により挿通孔41とトナー充填口42との間に形成された係止端面44に面当接可能な大きさ寸法とされている。
引掛部43cは、キャップ43における挿入部43aとは反対側の端部に設けられており、キャップ43を保持することを容易とする。この引掛部43cは、実施例1では、キャップ43の延在方向に直交する中心線を有する環状とされている。このキャップ43は、挿入部43aをトナー充填口42に嵌合させてフランジ部43bを係止端面44に係合させた状態(フランジ部43bが係止端面44に突き当たってトナー容器32Yの内方空間側へと移動できない状態)において、引掛部43cの先端が挿通孔41から突出することのない大きさ寸法とされている。換言すると、挿通孔41の深さ寸法(延在方向で見た長さ寸法)は、キャップ43におけるフランジ部43bから引掛部43cまでの長さ寸法以上とされている。このため、キャップ43は、粉体充填口としてのトナー充填口42を封止可能な封止部材として機能する。そのキャップ43では、フランジ部43bと引掛部43cとが、挿入部43aに連続するとともに、その挿入部43aがトナー充填口42を封止した状態でそのトナー充填口42から延出される頭部となる。
このトナー充填部40では、挿通孔41およびトナー充填口42からトナー容器32Y(その容器本体32Y2)にトナーが充填(収容)される。その後、図示を略す治具で引掛部43cが保持されたキャップ43が挿通孔41から挿入される。そのキャップ43は、挿入部43aがトナー充填口42に嵌合されてフランジ部43bが係止端面44に係合される。これにより、トナー充填口42が封止される。この治具は、引掛部43cを保持することが可能であるとともに、その把持状態で挿通孔41への挿入が可能なものであればよい。実施例1では、引掛部43cが環状を呈していることから、当該治具は、引掛部43cの穴に引っ掛けることで引掛部43cを保持することが可能なものを用いている。このことから、引掛部43cは、治具を引っ掛けることでキャップ43を保持することを可能とするものであれば、実施例1の形状に限定されるものではない。これにより、容器本体32Y2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32Yを得ることができる。なお、トナー容器32Yでは、リサイクル処理時において、トナー充填口42からキャップ43を取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
本発明の粉体収納容器としてのトナー容器に用いる胴体部品(容器本体(粉体収容部)32Y2およびその一端部32Y1)は、攪拌部材(搬送部材33)との嵌合性の点で、射出成形により成形されたものであることが好ましい。この胴体部品は、耐衝撃性、耐寒衝撃性、剛性、射出成形時の成形性の点で、ポリプロピレンが好ましく、このポリプロピレンの中でも、エラストマーブレンド型ポリプロピレン、ブロックコポリマー型ポリプロピレンが好ましい。このエラストマーブレンド型ポリプロピレンまたはブロックコポリマー型ポリプロピレンは、MFR(Melt flow rate)が5.0〜50.0g/10min(JIS K7210)、密度が0.900〜0.910kg/m3(JIS K7112)であるものが、耐成形性、耐衝撃性、剛性の点で好ましい。
エラストマーブレンド型ポリプロピレンとは、プロピレンの単独重合体である結晶性ポリプロピレンに、α-オレフィン・プロピレン共重合体であるエラストマを配合したものである。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン等があげられる。
結晶性ポリプロピレン100重量部に対し、α-オレフィン・プロピレン共重合体を10〜60重量部配合することが、耐衝撃性と剛性とのバランスの点で好ましい。結晶性ポリプロピレンは、アイソタクチックペンタッド分立が0.97以上であることが、剛性、耐熱性の点で好ましい。
ブロックコポリマー型ポリプロピレンとは、プロピレンの単独重合体である結晶性ポリプロピレンおよびエチレン・プロピレン共重合体エラストマからなる組成物であり、多段重合プロセスにおいて製造された組成物である。この多段重合プロセスとは、公知のチグラーナッタ触媒や、メタロセン触媒を用い、1段目でプロピレン単独重合体を重合し、2段目でエチレンとプロピレンを共重合させ、リアクター内で分散されるものである。
結晶性ポリプロピレンは、アイソタクチックペンタッド分立が0.97以上であることが、剛性、耐熱性の点で好ましい。結晶性ポリプロピレン100重量部に対し、エチレン・プロピレン共重合体を10〜60重量部の組成割合であることが、耐衝撃性と剛性とのバランスの点で好ましい。結晶性ポリプロピレンは、アイソタクチックペンタッド分立が0.97以上であることが、剛性、耐熱性の点で好ましい。エチレン・プロピレン共重合体エラストマは、エチレンに由来する成分が40〜60重量%であることが、耐衝撃性の点で好ましい。
さらに、嵌合性、耐熱性、耐線膨張性、射出成形による成形性の点で、上記エラストマーブレンド型ポリプロピレンまたはブロックコポリマー型ポリプロピレンに、タルクを配合することが好ましい。該タルクは平均粒径が5〜2μm以下のものが、得られる胴体部品の耐衝撃性の点で好ましく、さらに好ましくは、平均粒径が2μm以下で、かつ粒子径4μm以上の含有量が4重量%以下の微粒子タルクである。該タルクの配合割合は、エラストマーブレンド型ポリプロピレンまたはブロックコポリマー型ポリプロピレン100重量部に対し、3重量部から20重量部であることが、嵌合性、耐線膨張性、耐衝撃性の点で好ましい。耐線膨張性が優れた材料は、本発明のトナー容器(粉体収納容器)が、高温下に置かれたときに、胴体部品が膨張せず、該攪拌部材との嵌合性が保たれるという点で優れる。
本発明に係るトナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、トナー容器32Y(その容器本体32Y2)にトナーを充填(収容)するためのトナー充填口42が、把持部32Y1cに囲まれて設けられているとともにキャップ43(その挿入部43a)により封止されることから、誤ってキャップ43をトナー充填口42から離脱させてそのトナー充填口42が開放されてしまうことを抑制することができる。
また、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、トナー充填部40が、把持部32Y1cに設けられたトナー充填口42をキャップ43の挿入部43aで封止するとともに、封止状態においてそのキャップ43(その引掛部43c)が挿通孔41から突出することのないものとされていることから、誤ってキャップ43に触れることを防止することができるので、誤ってトナー充填口42が開放されてしまうことを防止することができる。
さらに、トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、挿通孔41の軸線に直交する開口面積が、ユーザーの指の挿入を防止する大きさ寸法(実施例1では8mm以下)とされていることから、ユーザーがキャップ43(その引掛部43c)に触れることを抑制することができるので、誤ってトナー充填口42が開放されてしまうことを効果的に防止することができる。
トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、トナー充填口42とキャップ43とを有するトナー充填部40が、把持部32Y1cの内方に設けられていることから、誤ってキャップ43をトナー充填口42から離脱させてそのトナー充填口42が開放されてしまうことを抑制することができる。
トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、キャップ43(その挿入部43a)によるトナー充填口42の封止状態において、キャップ43(その引掛部43c)が挿通孔41から突出することのないものとされていることから、装着等のためにユーザーが把持部32Y1cを把持しようとした場合に、誤ってキャップ43を保持することを防止することができるので、把持部32Y1cを把持することの妨げとなることを防止しつつ誤ってトナー充填口42が開放されてしまうことを防止することができる。
トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、キャップ43の引掛部43cが、キャップ43の延在方向に直交する中心線を有する環状とされていることから、小さな開口寸法とされた挿通孔41内において引掛部43cの穴に挿通させることのできる治具を用いないとキャップ43を取り外すことができないので、誤ってトナー充填口42が開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、トナー充填口42を封止するキャップ43が挿通孔41内に設けられていることから、意図せぬ衝撃が加わったとしてもキャップ43の破損あるいはそのキャップ43のトナー充填口42からの脱落を防止することができるので、誤ってトナー充填口42が開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、トナー充填口42が、挿通孔41を介して軸線方向で見た端面となる把持部32Y1cの突出端面32Y1wを開放するものであることから、容器本体32Y2を鉛直方向に起立させた状態(トナー容器の底部(装着時の挿入方向で見た先端側)を静置面とした状態)でトナー充填口42からトナーを鉛直方向に充填することができる。このため、トナー充填作業の効率を向上させることができる。
トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、トナー充填口42が、挿通孔41を介して軸線方向で見た端面となる把持部32Y1cの突出端面32Y1wを開放するものであることから、容器本体32Y2を鉛直方向に起立させた状態(トナー容器の底部(装着時の挿入方向で見た先端側)を静置面とした状態)でトナー充填口42を封止することができる。このため、このトナーの封止作業を容易で確実なものとすることができる。
トナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、容器本体32Y2において、トナー充填口42を有する把持部32Y1cが設けられた一端部32Y1にトナー排出口32Y1aが設けられていることから、容器本体32Y2を鉛直方向に起立させた状態でトナー充填口42からトナーを鉛直方向に充填させると、トナー排出口32Y1aが鉛直方向の上側に位置することとなるので、トナー充填時の脱気等の影響によりトナー排出口32Y1aでトナー詰まりが生じてしまうことを防止することが出きる。
したがって、本発明に係る実施例1の粉体収納容器としてのトナー容器(32Y、32M、32C、32K)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42が開放されてしまうことを抑制することができる。
次に、本発明の実施例2に係るトナー容器(32BY、32BM、32BC、32BK)について、図27および図28を用いて説明する。この実施例2は、トナー容器(32BY、32BM、32BC、32BK)におけるトナー充填部40Bの構成が実施例1とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例2のトナー容器(32BY、32BM、32BC、32BK)は、基本的な構成は上記した実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図15等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32BYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。
図27は、実施例2に係るトナー容器32BYのトナー充填部40Bの構成を説明するための図25と同様の説明図である。図28は、トナー充填部40Bの構成を説明するための図26と同様の説明図であり、(a)は把持部32Y1cに設けられた挿通孔41およびトナー充填口42Bを示し、(b)はキャップ43Bを示す。
実施例2に係るトナー容器32BYのトナー充填部40Bは、図28に示すように、把持部32Y1cに設けられており、挿通孔41とトナー充填口42Bとキャップ43Bとを有する。この挿通孔41は、図27(a)に示すように、実施例1のトナー充填部40と同様の構成である。なお、実施例2では、挿通孔41は、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、後述するようにキャップ43Bのトナー充填口42Bへの装着(回転)動作を可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する開口形状が四角形の四角柱形状や開口形状が八角形の八角柱形状等)であっても良く、実施例2に限定されるものではない。
トナー充填部40Bのトナー充填口42Bには、内周壁面に雌ねじとなる雌ねじ溝42aが設けられている。このトナー充填口42Bは、雌ねじ溝42aが設けられていることを除くと、実施例1のトナー充填口42と同様の構成である。そのトナー充填口42Bに、キャップ43Bが装着される。
そのキャップ43Bは、図27(b)に示すように、挿入部43Baと頭部43dとを有する。挿入部43Baは、円柱形状の周壁面に雄ねじとなる雄ねじ溝43eが設けられて構成されている。この雄ねじ溝43eは、トナー充填口42Bの雌ねじ溝42aとの噛み合わせが可能とされている。このため、キャップ43Bの挿入部43Baは、トナー充填口42Bとの螺合が可能とされており、この螺合状態でのトナー充填口42Bへの挿入により当該トナー充填口42Bを封止する。
頭部43dは、その挿入部43Baに連続されて設けられている。その頭部43dは、挿入部43Baの軸線に直交する方向に延出された平板状を呈する。この頭部43dは、互いの径寸法の差異により挿通孔41とトナー充填口42Bとの間に形成された係止端面44Bに面当接可能な大きさ寸法とされている。また、頭部43dには、図示は略すが、その上端面(図28(b)を正面視して左側の端面)にキャップ43Bの回転操作のための係合溝が設けられている。当該係合溝は、実施例2では十字状に交差する長尺な溝とされている。
このキャップ43Bは、挿入部43Baをトナー充填口42Bに螺合させて頭部43dを係止端面44Bに係合させた状態において、頭部43dの先端が挿通孔41から突出することのない大きさ寸法とされている。換言すると、挿通孔41の深さ寸法(延在方向で見た長さ寸法)は、キャップ43Bにおける頭部43dの厚さ寸法以上とされている。
このトナー充填部40Bでは、挿通孔41およびトナー充填口42Bからトナー容器32BY(その容器本体32Y2)にトナーが充填(収容)される。その後、キャップ43Bが挿通孔41から挿入される。そのキャップ43Bは、図示を略す治具によりその挿入部43Ba(その雄ねじ溝43e)がトナー充填口42B(その雌ねじ溝42a)に螺合されかつ頭部43dが係止端面44Bに係合される。これにより、トナー充填口42Bが封止される。この治具は、頭部43dに設けられた係合溝との係合により挿通孔41内でキャップ43Bを回転させることができるものであればよい。実施例2では、図示は略すが、頭部43dの係合溝が十字状の溝とされていることから、当該治具は、プラスドライバーを用いている。これにより、容器本体32Y2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32BYを得ることができる。なお、トナー容器32BYでは、リサイクル処理時において、トナー充填口42Bからキャップ43Bを取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例2のトナー容器(32BY、32BM、32BC、32BK)では、基本的に実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2のトナー容器(32BY、32BM、32BC、32BK)では、トナー充填部40Bにおいて、キャップ43Bがトナー充填口42Bに螺合されて固定されていることから、高い強度でトナー充填口42Bをキャップ43Bで封止することができるので、例えば当該トナー容器が落下されるような大きな衝撃が生じた場合であっても、キャップ43Bがトナー充填口42Bから離脱することを防止することができ、誤ってトナー充填口42Bが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
したがって、本発明に係る実施例2の粉体収納容器としてのトナー容器(32BY、32BM、32BC、32BK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Bが開放されてしまうことを抑制することができる。
次に、本発明の実施例3に係るトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)について、図29から図31を用いて説明する。この実施例3は、トナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)におけるトナー充填部40Cの構成が実施例1および実施例2とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例3のトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)は、基本的な構成は上記した実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図15等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32CYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。
図29は、実施例3に係るトナー容器32CYのトナー充填部40Cの構成を説明するための図25と同様の説明図である。図30は、トナー充填部40Cの構成を説明するための図26と同様の説明図であり、(a)は把持部32Y1cに設けられた挿通孔41Cおよびトナー充填口42Cを示し、(b)はキャップ43Cを示す。図31は、キャップ43Cの上端面43gの構成を説明するための正面から見た説明図である。
実施例3に係るトナー容器32CYのトナー充填部40Cは、図29に示すように、把持部32Y1cに設けられており、挿通孔41Cとトナー充填口42Cとキャップ43Cとを有する。この挿通孔41Cは、把持部32Y1cの外形形状に倣う孔形状とされている。挿通孔41Cは、図30(a)に示すように、把持部32Y1cにおいて、トナー容器32CYの後端側(装着方向での手前側(図30(a)を正面視して左側))に向かうに連れて口径(直径寸法)を大きくするように変化する筒状を呈する。実施例3では、挿通孔41Cは、容器本体32Y2側(図30(a)を正面視して右側)が同一の口径で延在する円柱状を呈し、トナー容器32CYの後端側が軸線方向に対する口径の変化率が変化された湾曲円柱状を呈している。その挿通孔41Cに連続するトナー充填口42Cには、内周壁面に雌ねじとなる雌ねじ溝42bが設けられている。このトナー充填口42Cは、一端がトナー充填口42に連続するとともに、他端がトナー容器32CY(その容器本体32Y2)の内方空間に連続している。換言すると、トナー充填口42Cは、挿通孔41Cの奥壁を開口するものであって、把持部32Y1cに囲まれて設けられている。
キャップ43Cは、図30(b)に示すように、挿入部43Caと頭部43Cdとを有する。挿入部43Caは、円柱形状の周壁面に雄ねじとなる雄ねじ溝43fが設けられて構成されている。この雄ねじ溝43fは、トナー充填口42Cの雌ねじ溝42bとの噛み合わせが可能とされている。このため、キャップ43Cの挿入部43Caは、トナー充填口42Cとの螺合が可能とされており、この螺合状態でのトナー充填口42Cへの挿入により当該トナー充填口42Cを封止する。
頭部43Cdは、その挿入部43Caに連続されて設けられている。その頭部43Cdは、挿入部43Caをトナー充填口42Cに螺合させた状態において、図29に示すように、挿通孔41Cの内周壁面に沿うように当該挿通孔41C内に収容可能な形状および大きさ寸法とされている。換言すると、頭部43Cdは、挿通孔41Cの内周壁面(孔形状)に倣う外周壁面を有する、すなわち断面形状が円形であってトナー容器32CYの後端側(図30(b)を正面視して左側)に向かうに連れて直径寸法を大きくするように変化する柱状を呈する。実施例3では、頭部43Cdは、挿入部43Caをトナー充填口42Cに螺合させた状態において、挿通孔41Cの内周壁面と外周壁面との間に所定の隙間Bが設けられている(図29および図31参照)。この隙間Bは、キャップ43Cのトナー充填口42Cへの適切な螺合を可能とするとともに、その螺合のために挿通孔41C内での頭部43Cdの回転操作を円滑なものとするものである。隙間Bは、ユーザーの指の挿入を防止する大きさ寸法とされており、実施例3では、8mm以下に設定されている。
この頭部43Cdには、図31に示すように、その上端面43g(図30(b)を正面視して左側の端面)にキャップ43Cの回転操作のための係合溝43hが設けられている。実施例3では、係合溝43hは、十字状に交差する長尺な溝とされている。
このキャップ43Cは、挿入部43Caをトナー充填口42Cに螺合させた状態において、頭部43Cdの上端面43gが把持部32Y1cの突出端面32Y1w(挿通孔41Cの上端位置)よりも窪んだ位置(図29を正面視して右側)もしくは同一の平面上に位置する大きさ寸法とされている。換言すると、挿通孔41Cの深さ寸法(延在方向で見た長さ寸法)は、キャップ43Cにおける頭部43Cdの高さ寸法以上に設定されている。実施例3では、挿通孔41Cの深さ寸法は、頭部43Cdの高さ寸法と等しいものとされている。
このトナー充填部40Cでは、挿通孔41Cおよびトナー充填口42Cからトナー容器32CY(その容器本体32Y2)にトナーが充填(収容)される。その後、キャップ43Cが挿通孔41Cから挿入される。そのキャップ43Cは、図示を略す治具の頭部43Cdの上端面43gの係合溝43hへの係合により、その挿入部43Ca(その雄ねじ溝43f)がトナー充填口42C(その雌ねじ溝42b)に螺合される。これにより、トナー充填口42Cが封止される。この治具は、頭部43Cdの上端面43gの係合溝43hとの係合により挿通孔41C内でキャップ43Cを回転させることができるものであればよい。実施例3では、頭部43Cdの係合溝43hが十字状の溝とされていることから(図31参照)、当該治具は、プラスドライバーを用いている。これにより、容器本体32Y2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32CYを得ることができる。なお、トナー容器32CYでは、リサイクル処理時において、トナー充填口42Cからキャップ43Cを取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例3のトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)では、基本的に実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例3のトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)では、トナー充填部40Cにおいて、キャップ43Cがトナー充填口42Cに螺合されて固定されていることから、高い強度でトナー充填口42Cをキャップ43Cで封止することができるので、例えばトナー容器が落下されるような大きな衝撃が生じた場合であっても、キャップ43Cがトナー充填口42Cから離脱することを防止することができ、誤ってトナー充填口42Cが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
また、実施例3のトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)では、頭部43Cdの外周壁面と挿通孔41Cの内周壁面との間に隙間Bを設けるとともに、その隙間Bを小さな設定とする(実施例3では8mm以下)ものであることから、キャップ43Cが誤って離脱操作されることを防止することができる。このため、誤ってトナー充填口42Cが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
さらに、実施例3のトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)では、頭部43Cdの外周壁面と挿通孔41Cの内周壁面と間の隙間Bを小さな設定とする(実施例3では8mm以下)とすることにより、キャップ43Cが誤って離脱操作されることを防止するものであることから、挿通孔41C(その口径)の大きさ寸法の設定自由度を向上させることができる。このため、挿通孔41C(その口径)の大きさ寸法を大きくすることができることから、その奥壁に設けられるトナー充填口42Cの(その口径)の大きさ寸法も大きくすることができるので、トナー充填作業の効率をより向上させることができる。
したがって、本発明に係る実施例3の粉体収納容器としてのトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Cが開放されてしまうことを抑制することができる。
なお、実施例3のトナー容器(32CY、32CM、32CC、32CK)では、トナー充填部40Cのキャップ43Cの上端面43gの係合溝43hが十字状の溝とされていたが、その係合溝43hは、治具による係合により挿通孔41C内でキャップ43Cを回転させることを可能とするものであれば、他の形状の溝(一本の長尺な溝(すりわり)や、断面が6角形状の溝(孔))であってもよく、上端面43gの周縁部に設けられた溝(切り欠き部)であってもよく、上記した実施例3に限定されるものではない。この上端面43gの周縁部に設けられた溝(切り欠き部)の一例の係合溝43h´を図32に示す。この係合溝43h´は、上端面43gの周縁部を切り欠いて4箇所に形成されており、上端面43gの軸線周りで見て互いに等しい間隔とされている。なお、このような構成の場合、各係合溝の個数、位置および断面形状は、治具による係合により挿通孔41C内でキャップ43Cを回転させることを可能とすべく適宜設定すればよい。このことは、実施例2のキャップ43Bであっても同様である。
次に、本発明の実施例4に係るトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)について、図33を用いて説明する。この実施例4は、トナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)におけるトナー充填部40Dの構成が実施例1、実施例2および実施例3とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)は、基本的な構成は上記した実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図15等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32DYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。図33は、実施例4に係るトナー容器32DYのトナー充填部40Dの構成を説明するための図25と同様の説明図である。
実施例4に係るトナー容器32DYのトナー充填部40Dは、図33に示すように、把持部32Y1cに設けられており、挿通孔41Dとトナー充填口42Dとキャップ43Dと遮蔽部材45とを有する。この挿通孔41Dは、把持部32Y1cの外形形状に倣う孔形状とされている。挿通孔41Dは、把持部32Y1cにおいて、トナー容器32DYの後端側(装着方向での手前側(図33を正面視して左側))に向かうに連れて口径(直径寸法)を大きくするように変化する筒状を呈する。実施例4では、挿通孔41Dは、容器本体32Y2側(図33を正面視して右側)が同一の口径で延在する円柱状を呈し、トナー容器32DYの後端側が軸線方向に対する口径の変化率が変化された湾曲円柱状を呈している。この挿通孔41Dでは、開口縁部41aに複数のリブ部分41bが設けられている。
これらのリブ部分41bは、開口縁部41aから内方へ向けて突出されて形成されており、挿通孔41Dの内方において、その軸線に直交する平面である取付面41cを規定する。この各取付面41cは、挿通孔41Dの軸線に直交する同一の平面に位置するものとされている。各リブ部分41bは、実施例4では、開口縁部41a(挿通孔41D)を軸線周りで見て互いに等しい間隔で4つ(図33には2つのみ図示している)設けられている。また、各リブ部分41bは、実施例4では、挿通孔41Dの軸線に直交する方向で見て、挿通孔41Dにおける容器本体32Y2側(図33を正面視して右側)の円柱状を呈する箇所よりも外側(当該軸線を中心とする径方向での外側)に位置する設定とされている。この挿通孔41Dは、トナー充填口42Dに連続している。
そのトナー充填口42Dは、軸線に直交する開口面積が挿通孔41Dよりも小さくされて形成された円柱状を呈し、一端がトナー充填口42に連続するとともに、他端がトナー容器32Y(その容器本体32Y2)の内方空間に連続している。換言すると、トナー充填口42Dは、挿通孔41Dの奥壁を開口するものであって、把持部32Y1cに囲まれて設けられている。このトナー充填口42Dにキャップ43Dが嵌合される。
そのキャップ43Dは、挿通孔41Dに挿通可能な大きさ寸法の円板部材である。このキャップ43Dは、挿入部43Daとフランジ部43Ddとを有する。その挿入部43Daは、トナー充填口42Dに嵌合可能な円柱状を呈し、トナー充填口42Dに圧入されて嵌合されることにより当該トナー充填口42Dを封止する。なお、実施例4では、トナー充填口42Dと挿入部43Daとは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、互いに嵌合することによりトナー充填口42Dを封止することを可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する形状が四角形や八角形等)であっても良く、実施例4に限定されるものではない。
フランジ部43Ddは、挿入部43Daの軸線に直交する方向に延出された平板状を呈する。このフランジ部43Ddは、互いの径寸法の差異により挿通孔41Dとトナー充填口42Dとの間に形成された係止端面44Dに面当接可能な大きさ寸法とされている。このキャップ43Dは、挿入部43Daをトナー充填口42Dに嵌合させてフランジ部43Ddを係止端面44Dに係合させた状態において、フランジ部43Ddが挿通孔41Dから突出することのない大きさ寸法とされている。換言すると、挿通孔41Dの深さ寸法(延在方向で見た長さ寸法)は、キャップ43Dにおけるフランジ部43Ddの厚さ寸法以上とされている。このため、キャップ43Dでは、フランジ部43Ddが挿入部43Daに連続するとともに、その挿入部43Daがトナー充填口42Dを封止した状態でそのトナー充填口42Dから延出される頭部となる。このキャップ43Dを遮蔽するために遮蔽部材45が設けられる。
その遮蔽部材45は、挿通孔41Dの開口縁部41aに設けられた4つのリブ部分41bの各取付面41cに当接されて設けられている。この遮蔽部材45は、挿通孔41Dの開口縁部41aを遮蔽することが可能であって、各取付面41cに面当接することが可能な形状および大きさ寸法の薄膜状を呈する。遮蔽部材45は、実施例4では、トナー容器32DYに収容されるトナーの色(イエロー)等を表示するラベルシールであり、各取付面41cに接着されることにより、挿通孔41Dの開口縁部41aを全面に渡って覆うことが可能とされている。
このトナー充填部40Dでは、挿通孔41Dおよびトナー充填口42Dからトナー容器32DY(その容器本体32Y2)にトナーが充填(収容)される。その後、キャップ43Dが、図示を略す治具もしくは作業者の指により、挿通孔41Dから挿入される。そのキャップ43Dは、その挿入部43Daがトナー充填口42Dに嵌合されかつフランジ部43Ddが係止端面44Dに係合される。これにより、トナー充填口42Dが封止される。この治具は、キャップ43Dを保持することが出来るとともに、その保持したキャップ43Dを挿通孔41D内で移動させることができるものであればよい。その後、遮蔽部材45であるラベルシールを、挿通孔41Dの開口縁部41aを全面に渡って覆うように挿通孔41Dの開口縁部41aの各取付面41cに接着する。これにより、容器本体32Y2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32DYを得ることができる。なお、トナー容器32DYでは、リサイクル処理時において、遮蔽部材45(ラベルシール)を剥がして、トナー充填口42Dからキャップ43Dを取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、基本的に実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、トナー充填部40Dにおいて、挿通孔41Dの開口縁部41aが遮蔽部材45(ラベルシール)により遮蔽されていることから、キャップ43Dの存在にユーザーが気付くことを防止することができるので、誤ってトナー充填口42Dが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
また、実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、トナー充填部40Dにおいて、挿通孔41Dの開口縁部41aが遮蔽部材45(ラベルシール)により遮蔽されているので、ユーザーがキャップ43Dに触れることを防止することができ、誤ってトナー充填口42Dが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
さらに、実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、挿通孔41Dの開口縁部41aを遮蔽する遮蔽部材45としてラベルシールが用いられていることから、ユーザーがこの遮蔽部材45に対して違和感を覚えることを抑制することができるので、見栄えを向上させるとともに誤ってトナー充填口42Dが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、挿通孔41Dの開口縁部41aを遮蔽部材45で遮蔽することにより、キャップ43Dが誤って離脱操作されることを防止するものであることから、挿通孔41D(その口径)の大きさ寸法の設定自由度を向上させることができる。このため、挿通孔41D(その口径)の大きさ寸法を大きくすることができることから、その奥壁に設けられるトナー充填口42Dの(その口径)の大きさ寸法も大きくすることができるので、トナー充填作業の効率をより向上させることができる。
実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、遮蔽部材45の接着のための取付面41cを規定する各リブ部分41bが、挿通孔41Dにおける容器本体32Y2側の円柱状を呈する箇所よりも外側に位置する設定とされていることから、キャップ43Dを挿通孔41D内に挿入する際に当該キャップ43Dが各リブ部分41bと干渉することを防止することができるので、キャップ43D(その挿入部43Da)のトナー充填口42Dへの嵌合作業を円滑なものとすることができる。
したがって、本発明に係る実施例4の粉体収納容器としてのトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Dが開放されてしまうことを抑制することができる。
なお、実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、挿通孔41Dの開口縁部41aに4つのリブ部分41bが設けられていたが、開口縁部41aに遮蔽部材45を設けるための挿通孔41Dの軸線に直交する同一平面上に平坦な取付面41cを規定するものであれば、個数や形状は適宜設定すればよく、また単一の環状を呈するものであってもよく、実施例4に限定されるものではない。ここで、リブ部分は、いずれの態様であっても、キャップ43D(その挿入部43Da)のトナー充填口42Dへの嵌合作業を円滑なものとする観点から、挿通孔41Dにおける容器本体32Y2側の円柱状を呈する箇所よりも外側に位置する設定とすることが望ましい。
また、実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、遮蔽部材45としてラベルシールを用いていたが、挿通孔41Dの開口縁部41aを遮蔽すべくその開口縁部41aに設けられたリブ部分41bにより規定された取付面41cに接合可能(取りつけることが可能)なものであればよく、実施例4に限定されるものではない。
さらに、実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、挿通孔41Dの開口縁部41aの開口形状が円形とされていたが、挿入部43Daのトナー充填口42Dへの嵌合作業を可能とすべくキャップ43Dの挿入を許すものであれば、他の形状(例えば、四角形や八角形等)であってもよく、実施例4に限定されるものではない。
実施例4のトナー容器(32DY、32DM、32DC、32DK)では、キャップ43Dの挿入部43Daをトナー充填口42Dに嵌合させる構成とされていたが、挿入部43Daのトナー充填口42Dへの挿入により当該トナー充填口42Dを封止することができるものであれば、互いの壁面にねじ溝を設けて互いに螺合させる構成であってもよく、実施例4に限定されるものではない。
次に、本発明の実施例5に係るトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)について、図34から図41を用いて説明する。この実施例5は、基本的にはトナー充填部40Eにおける構成が実施例1、実施例2、実施例3および実施例4とは異なる例である。また、トナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)は、上記した実施例1等のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)等とは、構成が異なるものとされている。この実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)は、大部分の構成が上記した実施例1等のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図34等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32EYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。図34は、実施例5に係るトナー容器32EYの外観を示す斜視図である。図35は、実施例5に係るトナー容器32EYの外観を別の角度から示す斜視図である。図36は、容器本体32EY2の外観を示す斜視図である。図37は、羽根部材81の外観を示す斜視図である。図38は、羽根部材81の構成を説明するための説明図であり、羽根部材81の側面から見た状態を中央に示すとともに、その側面図を左側から見た状態を当該側面図の左側に示し、側面図を右側から見た状態を当該側面図の右側に示し、側面図を上側から見た状態を当該側面図の上側に示している。図39は、装着部32EY1を示す分解斜視図である。図40は、装着部32EY1近傍を示す断面図である。図41は、実施例5に係るトナー容器32EYのトナー充填部40Eの構成を説明するための図25と同様の説明図である。
実施例5に係るトナー容器32EYは、図34および図35に示すように、略円筒状のトナーボトルである容器本体32EY2と、装着部(キャップ部)32EY1と、を有する。容器本体32EY2では、図36に示すように、容器頭部32Y2e(画像形成装置100に対する装着方向での手前側)に開口部32Y2cが設けられている。この開口部32Y2cは、容器本体32EY2の内方空間(後述する蓄積部32Y2gを含む)とその外部(後述するトナー貯留部32Y1k(図40参照))とを連通させる。この容器本体32EY2の内壁には、螺旋状の突起32Y2aが形成されている。この突起32Y2aは、容器本体32EY2における外周壁部を凹ませるように形成されている(図40参照)。突起32Y2aは、容器本体32EY2が所定方向に回転駆動された際、容器本体32EY2内に収容するトナーを開口部32Y2c側へと推し進める。容器本体32EY2では、図36および図40に示すように、開口部32Y2cを規定する容器頭部32Y2eが容器本体32EY2における他の箇所(容器胴部32Y2f)よりも小さな径寸法とされている。このため、容器本体32EY2では、容器頭部32Y2eと容器胴部32Y2fとの径寸法の差異により、容器本体32EY2の容器胴部32Y2fにおける容器頭部32Y2e側の端部に、蓄積部32Y2g(図40参照)が形成されている。この蓄積部32Y2gには、突起32Y2aにより開口部32Y2c(容器頭部32Y2e)側へと推し進められたトナーが蓄積される。
この容器本体32EY2は、ダイレクトブローの成形性、詳細には耐ドローダウン性、耐衝撃性の点で高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。この高密度ポリエチレンの中でも、MFRが0.05〜2.0g/10min(JIS K7210)、密度が0.950〜0.960kg/m3(JIS K7112)であるものが、耐ドローダウン性、耐衝撃性、耐ストレスクラッキング性の点で好ましい。
また、容器本体32EY2には、容器頭部32Y2eに、鍔部材32Y2dと羽根部材81と、が設けられている。この鍔部材32Y2dは、軸線に直交する面に沿う板状であって、その軸線を中心とする環状を呈している。鍔部材32Y2dは、容器本体32EY2の容器頭部32Y2e(開口部32Y2c)に固定した状態での取り付けが可能とされている。この鍔部材32Y2dは、実施例5では、内周面に設けられたねじ溝と、容器本体32EY2の容器頭部32Y2e(開口部32Y2c)の外周面に設けられたねじ溝との噛み合いにより、その容器頭部32Y2eへの取り付けが可能とされている。鍔部材32Y2dは、容器本体32EY2の容器頭部32Y2eに取り付けられて固定されることにより、その開口部32Y2cを取り巻いて延在する(図40参照)。その鍔部材32Y2dに羽根部材81が取り付けられる。
その羽根部材81は、図37および図38に示すように、環状取付部分81aと、一対の羽根部分81bと、を有する。環状取付部分81aは、鍔部材32Y2d(その内周面)に嵌め込むことで、鍔部材32Y2dに取り付けることが可能(嵌合可能)とされている(図40等参照)。また、環状取付部分81aには、鍔部材32Y2dに設けられた切欠凹所(図示せず)に対応する複数の回転止突部81cが設けられている。この各回転止突部81cは、前述した切欠凹所に対して、軸線方向での嵌め込みが可能であるとともに、その嵌め込み状態において相対的な軸線回りの回転を防止する。その環状取付部分81aの内方に一対の羽根部分81bが設けられている。その一対の羽根部分81bは、環状取付部分81aの軸線に関して回転対称とされて対を為して設けられている。また、各羽根部分81bは、環状取付部分81aの軸線を含む面に対して傾斜を為して設けられている。
この羽根部材81では、環状取付部分81aが鍔部材32Y2d(その内周面)に嵌合されることで、トナー容器32EY内であって容器本体32EY2の容器頭部32Y2e(その開口部32Y2c(その内方空間))に、両羽根部分81bで容器本体32EY2の軸線に対して傾斜する傾斜面を形成する(図40参照)。また、この両羽根部分81bは、容器本体32EY2(その容器頭部32Y2e)に取り付けられた状態において、軸線方向で見て容器頭部32Y2eから容器胴部32Y2fへと突出されている。換言すると、両羽根部分81bは、容器本体32EY2(その容器頭部32Y2e)に取り付けられた状態において、軸線方向で見て、容器本体32EY2における最も内径寸法が小さい箇所から容器胴部32Y2f側に突出されている。両羽根部分81bは、実施例5では、容器頭部32Y2e(最小内径箇所)から容器胴部32Y2fへの突出量Oh(図40参照)が10mmに設定されている。
さらに、容器本体32EY2には、図35に示すように、駆動入力部32Y2bが設けられている。この駆動入力部32Y2bは、容器本体32EY2の底部(画像形成装置100への装着方向での先端側)に一体的に設けられ、画像形成装置100の駆動カップリング91(図5参照)と係合可能とされている。この容器本体32EY2は、画像形成装置100の駆動カップリング91から駆動力を受けることにより回転し、その内部に収容されたトナーを長手方向に搬送する。この容器本体32EY2は、開口部32Y2c側から容器頭部32Y2eが装着部32EY1内に挿入される(図40参照)。
その装着部32EY1は、図39に示すように、全体に筒状を呈する装着外装部32Y10と、装着本体部32Y20と、ノズル挿入部32Y30と、を有する。装着本体部32Y20には、その一部(周面)を覆うように装着外装部32Y10が取り付けられる。この装着外装部32Y10と装着本体部32Y20とは、装着本体部32Y20のリブ部32Y20bを接着面として接着または溶着されて固定される。
装着部32EY1では、図39に示すように、装着外装部32Y10に、実施例1の一端部32Y1と同様の構成の電子基板32Y1fおよび色識別用突起部材32Y1e(突起部)が設けられている。また、装着外装部32Y10には、複数の引掛爪部32Y1tが設けられている。この各引掛爪部32Y1tは、図40に示すように、内方へ突出する鉤状を呈する。各引掛爪部32Y1tは、容器本体32EY2の容器頭部32Y2eが装着部32EY1内に挿入されると、その鍔部材32Y2dと引っ掛かることが可能とされている。この各引掛爪部32Y1tは、鍔部材32Y2dに引っ掛かることにより、軸線方向であって容器本体32EY2と装着部32EY1とが離間する方向への相対的な移動を防止する。
また、装着部32EY1では、図39に示すように、装着本体部32Y20に、実施例1の一端部32Y1と同様の構成の把持部32Y1cおよびトナー排出部(粉体排出部)32Y1dが設けられている。なお、実施例5の把持部32Y1cでは、径方向で見て後述するトナー充填口42E(図40および図41参照)の外方部分が複数のリブが組み合わされて構成されている(図34および図39参照)。このため、把持部32Y1cの突出端面32Y1wは、各リブの先端面により構成されている。
トナー排出部32Y1dの両側面には、実施例1と同様の構成の第一溝部32Y1gが設けられている。その装着本体部32Y20の内方には、図40に示すように、トナー貯留部32Y1k(空洞)と、円柱空間32Y1pと、が設けられている。そのトナー貯留部32Y1kは、トナーを一時的に貯留する箇所であり、容器本体32EY2の開口部32Y2cを経て、容器本体32EY2の内方空間(蓄積部32Y2gを含む)と円柱空間32Y1pとを通じさせる。その円柱空間32Y1pは、トナー貯留部32Y1kとトナー排出部32Y1dとを通じさせるものであり、ノズル挿入部32Y30が嵌め込まれる箇所となる。このノズル挿入部32Y30は、実施例1と同様の構成である。このため、装着本体部32Y20には、トナー排出口32Y1aが設けられている。
その装着本体部32Y20には、リブ部32Y20bに連続する突当壁部32Y20dが設けられている(図39参照)。この突当壁部32Y20dは、容器本体32EY2の開口部32Y2c(その先端面(実施例5では、鍔部材32Y2dの先端面))が突き当てられる箇所となる。この突当壁部32Y20dには、シール材32Y20aの位置決めのための位置決め突起32Y20eが設けられている。そのシール材32Y20aは、弾性変形が可能な材料で形成され、容器本体32EY2の開口部32Y2c(その先端面)に対応する環状とされている(図39参照)。この位置決め突起32Y20eは、シール材32Y20aを取り囲むことが可能とされた環状を呈する。
トナー容器32EYは、シール材32Y20aを介在させて容器本体32EY2の容器頭部32Y2eが装着部32EY1内に挿入されて形成される。このシール材32Y20aは、装着本体部32Y20の突当壁部32Y20dの位置決め突起32Y20eの内方に設けられる。容器本体32EY2は、開口部32Y2c(その先端面(鍔部材32Y2dの先端面))がシール材32Y20aを介して装着本体部32Y20の突当壁部32Y20dに突き当てられ、かつ鍔部材32Y2dに各引掛爪部32Y1tが引っ掛けられて(係合されて)、装着部32EY1内に装着される。このため、トナー容器32EYでは、装着部32EY1に対して容器本体32EY2がその軸線回りに回転可能とされている。このとき、シール材32Y20aは、容器本体32EY2の開口部32Y2c(その先端面(鍔部材32Y2dの先端面))と装着本体部32Y20の突当壁部32Y20dとにより適切に圧縮されて、その突当壁部32Y20dに密接されるとともに開口部32Y2cが食い込んでいる。また、容器本体32EY2の開口部32Y2c(その先端面(鍔部材32Y2dの先端面))は、シール材32Y20aに食い込んだ状態を維持しつつそのシール材32Y20aの接触面上を滑って移動することが可能とされている。このため、トナー容器32EYでは、装着部32EY1に対する容器本体32EY2の軸線回りの回転に拘らず、双方の部材の間からトナーが漏出することを防止する(封止する)ことができる。
そのトナー容器32EYでは、第一溝部32Y1gが位置決め部材78に係合することにより、装着部32EY1がトナー容器収容部31のトナー容器固定部70(図4等参照)に非回転で保持される。このトナー容器32EYでは、画像形成装置100の駆動カップリング91から駆動入力部32Y2bで駆動力を受けることにより、容器本体32EY2のみが回転される。このとき、トナー容器32EYでは、容器本体32EY2が所定の方向に回転されると、その容器本体32EY2(その容器胴部32Y2f)内に収容するトナーが突起32Y2aにより、容器胴部32Y2f内で蓄積部32Y2g側へ向けて搬送されて、その蓄積部32Y2gにトナーが蓄積される。このトナー容器32EYでは、上述したように、容器本体32EY2の容器頭部32Y2e(その開口部32Y2c)に羽根部材81が固定され、その両羽根部分81bが軸線方向で見て容器頭部32Y2eから容器胴部32Y2fへと突出されている。このため、トナー容器32EYでは、両羽根部分81bが軸線を中心として容器本体32EY2(その容器頭部32Y2e)とともに回転することにより、その蓄積部32Y2gに蓄積されたトナーを両羽根部分81bが攪拌するとともにその両羽根部分81bが開口部32Y2cに向けて搬送し、その開口部32Y2c(容器本体32EY2)から排出させる。そして、容器本体32EY2の開口部32Y2cから排出されたトナーは、装着部32EY1(トナー容器32Y)のスペース(トナー貯留部32Y1k)に貯留される。スペースに貯留されたトナーは、スペースの下部に形成されたトナー排出口32Y1aを介して現像装置に補給される。
実施例5に係るトナー容器32EYのトナー充填部40Eは、把持部32Y1cに設けられており、図41に示すように、トナー充填口42Eとキャップ43Eとを有する。このトナー充填口42Eは、トナー容器32EYの軸線上で把持部32Y1cを貫通して設けられた貫通孔であり、円柱状を呈する。トナー充填口42Eは、一端が突出端面32Y1wを開放し、他端が装着部32EY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kに連続している。換言すると、トナー充填口42Eは、把持部32Y1cに囲まれて設けられている。このため、トナー充填口42Eは、トナー容器32EYの装着部32EY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを把持部32Y1cの突出端面32Y1w側の外方へと連通させる。なお、実施例5では、トナー充填口42Eは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、他の形状(例えば、軸線に直交する開口形状が四角形の四角柱形状や開口形状が八角形の八角柱形状等)であっても良く、実施例5に限定されるものではない。
このトナー充填口42Eでは、開口縁部42cに段差部分42dが設けられている。この段差部分42dは、開口縁部42cから内方へ向けて径方向に突出されて形成されており、トナー充填口42Eの軸線に直交する面に沿う環状を呈している。段差部分42dは、トナー充填口42Eの内方において、その軸線に直交する平面である口側引掛面42eを規定する。このトナー充填口42Eにキャップ43Eが嵌合される。
そのキャップ43Eは、トナー充填口42Eの直径寸法よりも大きな寸法の円板形状を呈する。キャップ43Eは、実施例5では、LDPE(低密度ポリエチレン)から形成されている。このキャップ43Eは、挿入部43iとフランジ部43jと引掛爪部43kとを有する。その挿入部43iは、トナー充填口42Eに嵌合可能な円柱状を呈し、トナー充填口42Eに圧入されて嵌合されることにより当該トナー充填口42Eを封止する。挿入部43iは、実施例5では、先端がテーパー状の截頭錐体形状とされており、トナー充填口42Eへの挿入が容易とされている。なお、実施例5では、トナー充填口42Eと挿入部43iとは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、互いに嵌合することによりトナー充填口42Eを封止することを可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する形状が四角形や八角形等)であっても良く、実施例5に限定されるものではない。
フランジ部43jは、挿入部43iの軸線に直交する方向に延出された平板状を呈する。このフランジ部43jは、把持部32Y1cの突出端面32Y1wに面当接可能な大きさ寸法とされている。このため、キャップ43Eでは、フランジ部43jが挿入部43iに連続するとともに、その挿入部43iがトナー充填口42Eを封止した状態で把持部32Y1cの突出端面32Y1wに接する頭部となる。
引掛爪部43kは、挿入部43iの周面から当該挿入部43iの軸線に直交する方向に突出されて形成され、挿入部43iを取り囲む環状を呈している。この引掛爪部43kは、挿入部43iの軸線方向でフランジ部43jと対向しつつ挿入部43iの軸線に直交するキャップ側引掛面43mを規定する。また、引掛爪部43kは、キャップ側引掛面43mとは軸線方向での反対側の面が、截頭錐体形状とされた挿入部43iの先端に連続する傾斜面を規定する。この引掛爪部43kは、挿入部43iの軸線に直交する方向での大きさ寸法が、トナー充填口42Eの径方向での段差部分42d(その口側引掛面42e)の大きさ寸法と略等しいものとされている。
このトナー充填部40Eでは、トナー充填口42Eから、装着部32EY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを介して、容器本体32EY2にトナーが充填(収容)される(図40参照)。その後、キャップ43Eが、図示を略す治具もしくは作業者の指により、挿入部43iがトナー充填口42Eに圧入されて嵌合され、引掛爪部43kがトナー充填口42Eの段差部分42dを乗り越えて当該段差部分42dに引っ掛かけられ、フランジ部43jが把持部32Y1cの突出端面32Y1wに面当接(係合)される。このとき、トナー充填部40Eでは、その軸線方向に直交する面上で、キャップ43Eの引掛爪部43kのキャップ側引掛面43mと、トナー充填口42Eの段差部分42dの口側引掛面42eと、が接している。これにより、キャップ43Eは、引掛爪部43k(そのキャップ側引掛面43m)と段差部分42d(その口側引掛面42e)とが引っ掛かるので、トナー充填口42Eへの挿入方向とは反対側への移動が防止されている。このとき、トナー充填部40Eでは、挿入部43iによりトナー充填口42Eが封止される。この治具は、キャップ43Eを保持することが出来るものであればよい。これにより、容器本体32EY2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32EYを得ることができる。なお、トナー容器32EYでは、リサイクル処理時において、トナー充填口42Eからキャップ43Eを取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、基本的に実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、キャップ43Eのフランジ部43jが平板状を呈するとともに把持部32Y1cの突出端面32Y1wに面当接されていることから、フランジ部43jを突出端面32Y1wと一体化させて把持部32Y1cの一部を構成するものとすることができる(図34および図39等参照)。このため、ユーザーがこのフランジ部43jに対して違和感を覚えることを抑制することができるので、誤ってトナー充填口42Dが開放されてしまうことを抑制することができる。
また、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、トナー充填部40Eにおいて、引掛爪部43k(そのキャップ側引掛面43m)と段差部分42d(その口側引掛面42e)とが引っ掛かるものとされていることから、高い強度でトナー充填口42Eをキャップ43Eで封止することができるので、例えばトナー容器が落下されるような大きな衝撃が生じた場合であっても、キャップ43Eがトナー充填口42Eから離脱することを防止することができ、誤ってトナー充填口42Eが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
さらに、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、キャップ43Eのフランジ部43jを把持部32Y1cの突出端面32Y1wと一体化させつつキャップ43Eの引掛爪部43kをトナー充填口42Cの段差部分42dに引っ掛かけることにより、キャップ43Eが誤って離脱操作されることを防止するものであることから、トナー充填口42E(その口径)の大きさ寸法の設定自由度を向上させることができる。このため、トナー充填作業の効率をより向上させることができる。
実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、容器本体32EY2の容器頭部32Y2e(その開口部32Y2c)に設けられた羽根部材81の両羽根部分81bが、軸線方向で見て容器頭部32Y2eから容器胴部32Y2fへと突出されていることから、容器本体32EY2の高い成形精度を有しつつ容器本体32EY2からのトナーの排出性能を確保することができる。これは以下のことによる。容器本体32EY2では、所定方向へと回転駆動されると、突起32Y2aにより容器胴部32Y2fの蓄積部32Y2gにトナーが蓄積される。この容器本体32EY2では、容器本体32EY2からトナーを排出するために、その蓄積部32Y2gに蓄積されたトナーを容器頭部32Y2eへと搬送する必要がある。このため、従来の容器本体(32EY2)では、容器胴部(32Y2f)における蓄積部(32Y2g)(その周辺)に、容器本体の回転に伴って蓄積部のトナーを容器頭部へと送り出す凹所(蓄積部側から見たら凸部)を形成することが考えられている。このような凹所は、軸線を中心とする回転方向で見て、蓄積部の周辺を部分的に凹ませる複雑な形状となってしまう。このため、このような構成の容器本体では、細かい形状であっても正確に形成することのできる2軸延伸ブロー成形法を用いて形成することが望ましい。ところが、一般に容器本体(32EY2)では、長さ寸法が大きくなるにつれて、2軸延伸ブロー成形法を用いて形成することが困難となってしまう。このことは、長さ寸法が500mmを超えるような大きさ寸法の容器本体(32EY2)では、特に顕著となる。このため、ダイレクトブロー成形法を用いて容器本体(32EY2)を形成することとなるが、細かい形状の寸法精度を確保することが困難であることから、精度良く凹所を形成することが困難となってしまう。また、容器本体(32EY2)では、容器胴部における蓄積部(その周辺)に上述した凹所を設けると、蓄積部の周辺を部分的に凹ませる複雑な形状とすることに起因して、肉厚の変化等により成形後の収縮を一定の態様とすることが困難となる。このため、蓄積部の成形精度を確保することが困難となり、そこに連続する容器頭部の成形精度を確保することも困難となる。換言すると、容器本体(32EY2)では、成形後の収縮により、蓄積部や容器頭部が設計した形状から見て歪んでしまう。これに対して、実施例5の容器本体32EY2では、羽根部材81の両羽根部分81bを、軸線方向で見て容器頭部32Y2eから容器胴部32Y2fへと突出する構成とすることで、当該両羽根部分81bに蓄積部32Y2gのトナーを容器頭部32Y2eへと送り出す機能を具備させることができる。このため、容器本体32EY2では、蓄積部32Y2g(その周辺)に上述した凹所を設ける必要がなくなることから、全体に筒形状の容器胴部32Y2f(容器胴部32Y2f)に突起32Y2aと容器頭部32Y2eとを設けるだけの構成とすることができるので、ダイレクトブロー成形法を用いて形成しても容器本体32EY2を高い成形精度とすることができる。
実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、容器本体32EY2の容器頭部32Y2e(その開口部32Y2c)に設けられた羽根部材81で蓄積部32Y2gのトナーを容器頭部32Y2eへと送り出す構成としたことから、上述した凹所を設ける必要がないため、ダイレクトブロー成形法を用いて形成しても容器本体32EY2を高い成形精度とすることができることができるので、安価に形成することができる。
したがって、本発明に係る実施例5の粉体収納容器としてのトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Eが開放されてしまうことを抑制することができる。
なお、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、容器本体32EY2の容器頭部32Y2eに鍔部材32Y2dと羽根部材81とが取り付けられる構成とされていたが、図42に示すように、容器頭部32Y2eに鍔部材32Y2dαを一体的に形成する構成の容器本体32EY2α(トナー容器32EYα)とすることができる。これは、上述したように、羽根部材81の両羽根部分81bが送り出す機能を具備することにより、蓄積部32Y2g(その周辺)に凹所を設ける必要がなくなることから、容器頭部32Y2eおよびその周辺を高い精度で成形することができることによる。
また、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、両羽根部分81bの容器頭部32Y2eから容器胴部32Y2fへの突出量Ohが10mmに設定されていたが、容器頭部32Y2eから容器胴部32Y2fへと突出されていれば、その突出量Ohは適宜設定すればよく、上記した実施例5に限定されるものではない。このことは、他の実施例の羽根部材(81)を用いるトナー容器であっても同様である。この突出量Ohが異なる例を、図43および図44に示す。この図43および図44に示すトナー容器(容器本体)では、それぞれ図42の容器本体32EY2α(トナー容器32EYα)と同様に、容器頭部32Y2eに鍔部材32Y2dαが一体的に形成されている。図43に示すトナー容器32EYβでは、両羽根部分81bβの突出量Ohを25mmに設定している。図44に示すトナー容器32EYγでは、両羽根部分81bγの突出量Ohを30mmに設定している。ダイレクトブロー成形法を用いて長さ寸法が500mmを超えるものとして、これらの構成を適用したトナー容器32EY、トナー容器32EYα、トナー容器32EYβおよびトナー容器32EYγを実際に形成した。これに、従来の構成(図示せず)のトナー容器32EYεを比較例として加えて、各トナー容器における各値を下の表1に示す。なお、トナー容器32EYεは、図示は略すが基本的に実施例5のトナー容器32EYと同様の構成であって、両羽根部分(81b)の突出量Ohが0mmに設定されているとともに、蓄積部(32Y2g)(その周辺)に凹所を設けたものである。このトナー容器32EYεでは、凹所を設けることによる容器頭部(32Y2e)の成形精度の低下を勘案して容器頭部に別部材の鍔部材(32Y2d)を取り付け可能な構成(トナー容器32EYと同様の構成)としている。
ここで、表1におけるトナー残量とは、容器本体を所定の方向に回転させても開口部32Y2cからトナーが排出されなくなった状態において、容器本体に残っていたトナーの量を示している。このことから、トナー残量は、各トナー容器における排出性能に関連する値となる。また、鍔部材の平面度とは、装着部32EY1(その装着外装部32Y10)の各引掛爪部32Y1tが引っ掛けられる箇所となる鍔部材32Y2dもしくは鍔部材32Y2dαの環状部分の平面度合いを示すものである。この平面度は、鍔部材(32Y2d、32Y2dα)が、装着部32EY1に対する容器本体32EY2、32EY2αの軸線回りの回転を可能に装着する機能を有するものであることから、装着部32EY1と容器本体32EY2、32EY2αとの取付強度に影響を及ぼすものである。また、平面度は、小さいほど鍔部材としての機能が優れている、すなわち装着部32EY1に対する容器本体32EY2の回転を円滑なものとすることができることとなる。トナー漏れ発生高さとは、各トナー容器を落下させた際に、トナー漏れが生じた最も低い高さを示している。摺動トルク性能とは、装着部32EY1に対する容器本体32EY2の軸線回りの回転に必要なトルクを示している。
表1から明らかなように、トナー容器32EY、トナー容器32EYα、トナー容器32EYβおよびトナー容器32EYγでは、蓄積部32Y2g(その周辺)に凹所を有するトナー容器32EYεと比較しても優れたトナー排出性能を有している。また、トナー容器32EYα、トナー容器32EYβおよびトナー容器32EYγでは、蓄積部32Y2g(その周辺)に凹所を設ける必要がないことから、ダイレクトブロー成形法を用いて容器頭部32Y2eに鍔部材32Y2dαを一体的に形成しても、別部材としての鍔部材32Y2dを有するトナー容器32EYαに見劣りすることのない(この表1ではトナー容器32EYαよりも良好な)平面度を有するものとすることができる。このため、トナー容器32EYα、トナー容器32EYβおよびトナー容器32EYγでは、トナー容器の落下に対して十分な強度を得ることができるとともに、良好な摺動トルク性能を得ることができる。なお、このトナー容器32EYβおよびトナー容器32EYγでは、容器頭部32Y2eに鍔部材32Y2dαが一体的に形成されていたが、トナー容器32EYのように容器頭部32Y2eに鍔部材32Y2dが取り付け可能な構成であっても、同様の排出性能を得ることができる。
さらに、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)では、一対の羽根部分(81b、81bβ、81bγ)を有する羽根部材(81、81β、81γ)を用いていたが、軸線方向で見て容器頭部(32Y2e等)から容器胴部(32Y2f等)へと突出されている羽根部材が少なくとも1つ設けられているものであればよく、上記した実施例5に限定されるものではない。
次に、本発明の実施例6に係るトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)について、図45を用いて説明する。この実施例6は、トナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)におけるトナー充填部40Fの構成が実施例1、実施例2、実施例3、実施例4および実施例5とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例6のトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)は、基本的な構成は上記した実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図39等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32FYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。図45は、実施例6に係るトナー容器32FYのトナー充填部40Fの構成を説明するための図41と同様の説明図である。
実施例6に係るトナー容器32FYのトナー充填部40Fは、図45に示すように、把持部32Y1cに設けられており、挿通孔41Fとトナー充填口42Fとキャップ43Fとを有する。この挿通孔41Fおよびトナー充填口42Fは、トナー容器32FYの軸線上で把持部32Y1cを貫通して設けられた貫通孔であり、トナー容器32FY(その容器本体32FY2)の内方空間を把持部32Y1cの突出端面32Y1w側の外方へと連通させる。
その挿通孔41Fは、図45に示すように、円柱状を呈し、一端が突出端面32Y1wを開放し、他端がトナー充填口42Fに連続している。なお、実施例6では、挿通孔41Fは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、後述するようにキャップ43Fのトナー充填口42Fへの装着動作を可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する開口形状が四角形の四角柱形状や開口形状が八角形の八角柱形状等)であっても良く、実施例6に限定されるものではない。
トナー充填口42Fは、軸線に直交する開口面積が挿通孔41Fよりも小さくされて形成された円柱状を呈し、一端がトナー充填口42Fに連続するとともに、他端が装着部32FY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kに連続している。換言すると、トナー充填口42Fは、挿通孔41Fの奥壁を開口するものであって、把持部32Y1cに囲まれて設けられている。この挿通孔41Fおよびトナー充填口42Fは、トナー容器32FYの装着部32FY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを把持部32Y1cの突出端面32Y1w側の外方へと連通させる。このため、把持部32Y1cでは、挿通孔41Fおよびトナー充填口42Fにより、トナー容器32FYの装着方向での後端側から見て同心状の2つの円形状を呈する段付きの貫通孔が形成されている。
キャップ43Fは、挿通孔41Fに挿通可能な大きさ寸法の円板形状を呈する。このキャップ43Fは、実施例6では、LDPE(低密度ポリエチレン)から形成されている。キャップ43Fは、挿入部43Fiとフランジ部43Fjと引掛爪部43Fkとを有する。その挿入部43Fiは、トナー充填口42Fに嵌合可能な円柱状を呈し、トナー充填口42Fに圧入されて嵌合されることにより当該トナー充填口42Fを封止する。挿入部43Fiは、実施例6では、先端がテーパー状の截頭錐体形状とされており、トナー充填口42Fへの挿入が容易とされている。なお、実施例6では、トナー充填口42Fと挿入部43Fiとは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、互いに嵌合することによりトナー充填口42Fを封止することを可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する形状が四角形や八角形等)であっても良く、実施例6に限定されるものではない。
フランジ部43Fjは、挿入部43Fiの軸線に直交する方向に延出された平板状を呈する。このフランジ部43Fjは、互いの径寸法の差異により挿通孔41Fとトナー充填口42Fとの間に形成された係止端面44Fに面当接可能な大きさ寸法とされている。また、フランジ部43Fjは、挿入部43Fiに嵌合可能、すなわち隙間無く挿入部43Fiに嵌め合わせることが可能な、径寸法とされている。
引掛爪部43Fkは、挿入部43Fiの周面から当該挿入部43Fiの軸線に直交する方向に突出されて形成され、挿入部43Fiを取り囲む環状を呈している。この引掛爪部43Fkは、挿入部43Fiの軸線方向でフランジ部43Fjと対向しつつ挿入部43Fiの軸線に直交するキャップ側引掛面43Fmを規定する。また、引掛爪部43Fkは、キャップ側引掛面43Fmとは軸線方向での反対側の面が、截頭錐体形状とされた挿入部43Fiの先端に連続する傾斜面を規定する。
このキャップ43Fは、挿入部43Fiをトナー充填口42Fに嵌合させてフランジ部43Fjを係止端面44Fに係合させた状態(フランジ部43Fjが係止端面44Fに突き当たってトナー容器32FYの内方空間側へと移動できない状態)において、フランジ部43Fjが挿通孔41Fから突出することのない大きさ寸法とされている。換言すると、挿通孔41Fの深さ寸法(延在方向で見た長さ寸法)は、キャップ43Fにおけるフランジ部43Fjの厚さ寸法以上とされている。このため、キャップ43Fは、粉体充填口としてのトナー充填口42Fを封止可能な封止部材として機能する。そのキャップ43Fでは、フランジ部43Fjが、挿入部43Fiに連続するとともに、その挿入部43Fiがトナー充填口42Fを封止した状態でそのトナー充填口42Fから延出される頭部となる。
このトナー充填部40Fでは、挿通孔41Fおよびトナー充填口42Fから、装着部32FY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを介して、容器本体32EY2にトナーが充填(収容)される。その後、キャップ43Fが、図示を略す治具もしくは作業者の指により、挿通孔41Fから挿入される。そのキャップ43Fは、挿入部43Fiがトナー充填口42Fに圧入されて嵌合され、引掛爪部43Fkがトナー充填口42Fを乗り越えて当該トナー充填口42Fの周縁部に引っ掛かけられ、フランジ部43Fjが挿入部43Fiに嵌合されつつ係止端面44Fに面当接(係合)される。このとき、トナー充填部40Fでは、その軸線方向に直交する面上で、キャップ43Fの引掛爪部43Fkのキャップ側引掛面43Fmと、トナー充填口42Fの周縁部と、が接している。これにより、キャップ43Fは、引掛爪部43Fk(そのキャップ側引掛面43Fm)とトナー充填口42F(その周縁部)とが引っ掛かるので、トナー充填口42Fへの挿入方向とは反対側への移動が防止されている。このとき、トナー充填部40Fでは、挿入部43iによりトナー充填口42Fが封止される。この治具は、キャップ43Fを保持することが出来るとともに、その保持したキャップ43Fを挿通孔41F内で移動させることができるものであればよい。これにより、容器本体32EY2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32FYを得ることができる。なお、トナー容器32FYでは、リサイクル処理時において、トナー充填口42Fからキャップ43Fを取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例6のトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)では、基本的に実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例6のトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)では、キャップ43Fのフランジ部43Fjが挿入部43Fiに嵌合されていることから、そのフランジ部43Fj(キャップ43F)で挿通孔41Fの奥壁を構成させることができる。このため、ユーザーがこのフランジ部43Fj(キャップ43F)に対して違和感を覚えることを抑制することができるので、誤ってトナー充填口42Fが開放されてしまうことを抑制することができる。
また、実施例6のトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)では、キャップ43Fのフランジ部43Fjが挿入部43Fiに嵌合されていることから、挿入部43Fi内でキャップ43F(フランジ部43j)を掴むことを困難なものとすることができる。このため、ユーザーがトナー充填口42Fからキャップ43Fを離脱させることを抑制することができるので、誤ってトナー充填口42Fが開放されてしまうことを抑制することができる。
さらに、実施例6のトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)では、トナー充填部40Fにおいて、引掛爪部43Fk(そのキャップ側引掛面43Fm)とトナー充填口42F(その周縁部)とが引っ掛かるものとされていることから、高い強度でトナー充填口42Fをキャップ43Fで封止することができるので、例えばトナー容器が落下されるような大きな衝撃が生じた場合であっても、キャップ43Fがトナー充填口42Fから離脱することを防止することができ、誤ってトナー充填口42Fが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
実施例6のトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)では、キャップ43Fのフランジ部43jを挿入部43Fiに嵌合させつつキャップ43Fの引掛爪部43kをトナー充填口42Fに引っ掛かけることにより、キャップ43Fが誤って離脱操作されることを防止するものであることから、トナー充填口42F(その口径)の大きさ寸法の設定自由度を向上させることができる。このため、トナー充填作業の効率をより向上させることができる。
したがって、本発明に係る実施例6の粉体収納容器としてのトナー容器(32FY、32FM、32FC、32FK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Fが開放されてしまうことを抑制することができる。
次に、本発明の実施例7に係るトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)について、図46を用いて説明する。この実施例7は、トナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)における把持部32GY1cおよびトナー充填部40Gの構成が実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5および実施例6とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)は、基本的な構成は上記した実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図39等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32GYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。図46は、実施例7に係るトナー容器32GYのトナー充填部40Gの構成を説明するための図41と同様の説明図である。
実施例7に係るトナー容器32GYでは、把持部32GY1cが、トナー容器32GYにおける一端側の端面を構成する取付壁部とは別部品として構成されており、その取付壁部に取り付けることが可能とされている。その取付壁部は、実施例7では、トナー容器32GYにおける装着部32GY1(装着本体部32Y20)の一端側の端面(図34において把持部32Y1cが突出された端面(長手方向の左側))により構成されている。すなわち、把持部32GY1cは、装着部32GY1(装着本体部32Y20)の取付壁部32Y20fに取り付けることが可能とされている。このため、トナー容器32GYでは、把持部32GY1cが装着部32GY1(装着本体部32Y20)とは別体で、換言すると把持部32GY1cと装着部32GY1(装着本体部32Y20)とが異なる2つの部品として構成されている。この取付壁部32Y20fは、後述する挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gの形成のために、軸線を中心とする一定の領域が肉厚とされている(軸線方向で見た大きさ寸法が他の箇所より大きくされている)。
この把持部32GY1cは、全体に円筒状を呈する。把持部32GY1cは、突出端面32Y1wが設けられた突出端部分側に対して、突出端部分(突出端面32Y1w)とは反対側の突出基部分の径寸法が小さく設定されている。その突出基部分の外周面には、雄ねじとなる雄ねじ溝32Gaが設けられている。この把持部32GY1cでは、突出端面32Y1wとは反対側の端部に底壁部が設けられており、当該端部が閉ざされている。また、把持部32GY1cでは、図示は略すが、内方部分が複数のリブが組み合わされて構成されており、突出端面32Y1wが各リブの先端面により構成されている。
実施例7に係るトナー容器32GYのトナー充填部40Gは、図46に示すように、装着部32GY1(装着本体部32Y20)の取付壁部32Y20fに設けられており、挿通孔41Gとトナー充填口42GとOリング46とを有する。この挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gは、トナー容器32GYの軸線上で取付壁部32Y20f(その肉厚箇所)を貫通して設けられた貫通孔であり、装着部32GY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kをトナー容器32GY(装着部32GY1)の外方へと連通させる。
その挿通孔41Gは、円柱状を呈し、一端が取付壁部32Y20fを開放し、他端がトナー充填口42Gに連続している。挿通孔41Gは、把持部32GY1cの突出基部分を隙間無く受入可能な大きさ寸法とされている。この挿通孔41Gには、内周壁面に雌ねじとなる雌ねじ溝41Gaが設けられている。この雌ねじ溝41Gaは、把持部32GY1cの突出基部分の雄ねじ溝32Gaとの噛み合わせが可能とされている。
トナー充填口42Gは、軸線に直交する開口面積が挿通孔41Gよりも小さくされて形成された円柱状を呈し、一端がトナー充填口42Gに連続するとともに、他端が装着部32GY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kに連続している。このため、取付壁部32Y20f(その肉厚箇所)では、挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gにより、トナー容器32GYの装着方向での後端側から見て同心状の2つの円形状を呈する段付きの貫通孔が形成されている。なお、実施例7では、トナー充填口42Gは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、後述するようにトナーの充填(収容)作業を容易とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する開口形状が四角形の四角柱形状や開口形状が八角形の八角柱形状等)であっても良く、実施例7に限定されるものではない。
Oリング46は、弾性変形が可能な材料で形成され、互いの径寸法の差異により挿通孔41Gとトナー充填口42Gとの間に形成された係止端面44Gに面当接可能な大きさ寸法の環状とされている。
このトナー充填部40Gでは、把持部32GY1cが取り付けられていない状態において、取付壁部32Y20fの挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gから、装着部32GY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを介して、容器本体32EY2にトナーが充填(収容)される。その後、図示を略す治具もしくは作業者の指により、Oリング46を挿通孔41Gから挿入して係止端面44Gに宛がう。その後、把持部32GY1cを突出基部分側から挿通孔41Gから挿入する。その把持部32GY1cの突出基部分の雄ねじ溝32Gaを挿通孔41Gの雌ねじ溝41Gaに噛み合わせつつ当該把持部32GY1c捻じ込む(螺合する)ことにより、把持部32GY1cを取付壁部32Y20fに取り付ける。このとき、トナー充填部40Gでは、Oリング46が、把持部32GY1c(その突出基部分の底壁部)と係止端面44Gとにより適切に圧縮されて、その把持部32GY1cと係止端面44Gとに密接される。これにより、トナー充填部40Gでは、把持部32GY1cの突出基部分とトナー充填口42Gとの間からトナーが漏出することを防止する(封止する)ことができる。このため、Oリング46は、粉体充填口としてのトナー充填口42Gと把持部32GY1cの突出基部分との間を封止する封止部材として機能する。換言すると、トナー容器32GYでは、把持部32GY1cがトナー充填口42Gに封止的に固定されて形成されている。また、トナー充填部40Gでは、トナー充填口42Gが、取付壁部32Y20fに取り付けられた把持部32GY1cに囲まれて設けられている。これにより、容器本体32EY2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32GYを得ることができる。
このトナー容器32GYでは、リサイクル処理の際、取付壁部32Y20f(トナー充填口42G)から把持部32GY1cを取り外し、挿通孔41GからOリング46を取り外す。すると、トナー容器32GYでは、一端側の端面を構成する取付壁部32Y20fが挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gにより開放されることから、容器本体32EY2から装着部32GY1を取り外すことなく、容器本体32EY2の内方空間(蓄積部32Y2gを含む(図40参照))への出入りが可能となる。このため、トナー容器32GYでは、容器本体32EY2の底部(駆動入力部32Y2b(図35参照)が設けられた側の端部)を下側として鉛直方向に立てることにより、挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gから容器本体32EY2の内方空間へと、鉛直方向下方へ向けてノズル(図示せず)を挿入することができる。このノズルは、洗浄用の気体(空気)を噴出させるものである。このため、トナー容器32GYでは、容器本体32EY2が装着部32GY1に装着された状態を維持しつつ、その装着部32GY1に設けられたトナー排出口32Y1aを鉛直方向の上側に位置させた状態で、容器本体32EY2(その内部)を洗浄することができる。なお、ここでいう洗浄とは、容器本体32EY2の内面に付着したトナー(粉体)を除去することであり、これを清掃工程ともいう。この清掃工程が終了した後、上述したように挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gから容器本体32EY2にトナーを充填(収容)し、Oリング46を介して把持部32GY1cを取付壁部32Y20fに取り付けることで、トナー容器32GYの再利用(トナー容器32GYの再生)が可能となる。なお、ここで述べた清掃工程ややトナーの充填作業(再生処理(リサイクル処理))は、トナー充填部におけるトナー充填口の開閉動作を除くと、他の実施例のトナー容器であっても同様に行うことができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー容器32GY(その容器本体32EY2)にトナーを充填(収容)するためのトナー充填口42Gが、把持部32GY1cに囲まれて設けられているとともに、その把持部32GY1cにより係止端面44Gに押し当てられたOリング46で封止されるので、誤ってOリング46をよる封止が解除されてトナー充填口42Gが開放されてしまうことを抑制することができる。
また、実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー容器を持つために設けられた把持部32GY1cをトナー充填口42Gに固定するとともに、その把持部32GY1c(その突出基部分)とトナー充填口42Gとの間をOリング46で封止するものであることから、トナー充填口42Gの存在にユーザーが気付くことを防止することができるので、誤ってトナー充填口42Gが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
さらに、実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー容器を持つために設けられた把持部32GY1cをトナー充填口42Gに固定するとともに、その把持部32GY1c(その突出基部分)とトナー充填口42Gとの間をOリング46で封止するものであることから、把持部32GY1cがトナー充填口42Gを封止していることにユーザーが気付くことを防止することができるので、誤ってトナー充填口42Gが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、装着部32GY1の取付壁部32Y20fに把持部32GY1cが取り付けられるとともに、その装着部32GY1に対して容器本体32EY2がその軸線回りに回転可能とされていることから、誤って把持部32GY1cが取り外されることを防止することができる。これは、一方の手で把持部32GY1cを利用してトナー容器を持つユーザーは、他方の手で把持部32GY1cとは反対側の端部となる容器本体32EY2を支える状況が多いものと考えられることから、容器本体32EY2と把持部32GY1cとを相対的に回転させても装着部32GY1に対して容器本体32EY2が回転するだけであることによる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー充填口42Gが、挿通孔41Gを介して軸線方向で見た一端側の端面となる取付壁部32Y20fを開放するものであることから、容器本体32EY2を鉛直方向に起立させた状態(トナー容器の底部(装着時の挿入方向で見た先端側)を静置面とした状態)でトナー充填口42Gからトナーを鉛直方向に充填することができる。このため、トナー充填作業の効率を向上させることができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー充填口42Gが、挿通孔41Gを介して軸線方向で見た一端側の端面となる取付壁部32Y20fを開放するものであることから、容器本体32EY2を鉛直方向に起立させた状態(トナー容器の底部(装着時の挿入方向で見た先端側)を静置面とした状態)でトナー充填口42Gを封止することができる。このため、このトナーの封止作業を容易で確実なものとすることができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー充填口42Gを有する装着部32GY1にトナー排出口32Y1a(図40等参照)が設けられていることから、容器本体32EY2を鉛直方向に起立させた状態でトナー充填口42Gからトナーを鉛直方向に充填させると、トナー排出口32Y1aが鉛直方向の上側に位置することとなるので、トナー充填時の脱気等の影響によりトナー排出口32Y1aでトナー詰まりが生じてしまうことを防止することができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、把持部32GY1cを取り外して清掃工程やトナーの充填作業を行うことができることから、それらの作業を容易なものとすることができる。これは、トナー充填口42Gでは、把持部32GY1cを取り外すことにより、周囲を作業の阻害要因となり得る突起物等が何もない状態(取付壁部32Y20fにより規定される平坦面のみである)とすることができることから、空気を噴出するノズル(図示せず)やトナーを送り込むノズル(図示せず)の取り回しを容易なものとすることができることによる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー充填口42Gを有する装着部32GY1にトナー排出口32Y1aが設けられていることから、装着部32GY1に設けられたトナー排出口32Y1aを鉛直方向の上側に位置させた状態で、容器本体32EY2(その内部)を洗浄することができるので、内面に付着したトナー(粉体)を適切に除去することができるとともに、除去したトナー(粉体)がトナー排出口32Y1aに詰まることを防止することができる。このため、トナー容器では、再利用した場合であっても、新品同様の機能を有するものとすることができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、装着部32GY1の取付壁部32Y20fが挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gにより開放されており、そのトナー貯留部32Y1kが容器本体32EY2の内方空間(蓄積部32Y2gを含む(図40参照))に通じているので、容器本体32EY2から装着部32GY1を取り外すことなく、容器本体32EY2の内方空間への出入りを可能とすることができる。このため、容器本体32EY2から装着部32GY1を取り外すことなく、容器本体32EY2の清掃工程やトナーの充填作業を行うことができることから、それらの作業を容易なものとすることができ、ひいては製造コストの低下を図ることを容易なものとすることができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、容器本体32EY2から装着部32GY1を取り外すことなく、容器本体32EY2の清掃工程やトナーの充填作業を行うことができることから、取り外しに伴う容器本体32EY2または装着部32GY1の損傷や取り外し作業による効率の低下を防止することができるので、製造コストの低下を図ることを容易なものとすることができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー充填部40Gにおいて、把持部32GY1cの突出基部分側の挿通孔41Gへの螺合により当該把持部32GY1cが取付壁部32Y20fに固定されていることから、高い強度でトナー充填口42Gを封止することができるので、例えばトナー容器が落下されるような大きな衝撃が生じた場合であっても、把持部32GY1cおよびOリング46がトナー充填口42Gから離脱することを防止することができ、誤ってトナー充填口42Gが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、トナー容器を持つために設けられた把持部32GY1cをトナー充填口42Gに固定することにより、Oリング46が誤って離脱操作されることを防止するものであることから、トナー充填口42G(その口径)の大きさ寸法の設定自由度を向上させることができる。このため、トナー充填作業の効率をより向上させることができる。
したがって、本発明に係る実施例7の粉体収納容器としてのトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Gが開放されてしまうことを抑制することができる。
なお、上記した実施例7では、Oリング46が用いられていたが、把持部32GY1cをトナー充填口42Gに封止的に固定するものであれば、把持部32GY1cとトナー充填口42Gとの間に接着層を設けるものであってもよく、実施例7に限定されるものではない。なお、その接着層は、把持部32GY1cとトナー充填口42G(装着部32GY1)との材料に応じて適宜選択したものを用いればよい。
次に、本発明の実施例8に係るトナー容器(32HY、32HM、32HC、32HK)について、図47を用いて説明する。この実施例8は、トナー容器(32HY、32HM、32HC、32HK)におけるトナー充填部40Hの構成が実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6および実施例7とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例8のトナー容器(32HY、32HM、32HC、32HK)は、基本的な構成は上記した実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図39等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32HYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。図47は、実施例8に係るトナー容器32HYのトナー充填部40Hの構成を説明するための図41と同様の説明図である。
実施例8に係るトナー容器32HYでは、図47に示すように、実施例7のトナー容器32GYと同様に、一端側となる装着部32GY1(装着本体部32Y20)の取付壁部32Y20fに、把持部32GY1cを取り付けることが可能とされている。この把持部32GY1cは、実施例7と同様の構成であって、突出基部分の外周面に雄ねじとなる雄ねじ溝32Gaが設けられている。
実施例8に係るトナー容器32HYのトナー充填部40Hは、装着部32GY1(装着本体部32Y20)の取付壁部32Y20fに設けられており、挿通孔41Gとトナー充填口42Gとキャップ43Hとを有する。この挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gは、実施例7と同様の構成である。このため、把持部32GY1cを突出基部分側から挿通孔41Gから挿入し、その突出基部分の雄ねじ溝32Gaを挿通孔41Gの雌ねじ溝41Gaに噛み合わせつつ当該把持部32GY1cを捻じ込む(螺合する)ことにより、把持部32GY1cを取付壁部32Y20fに取り付けることができる。
キャップ43Hは、挿通孔41Gに挿通可能な大きさ寸法の円板形状を呈する。そのキャップ43Hは、実施例7では、LDPE(低密度ポリエチレン)から形成されている。キャップ43Hは、挿入部43Hiとフランジ部43Hjと引掛爪部43Hkとを有する。その挿入部43Hiは、トナー充填口42Gに嵌合可能な円柱状を呈し、トナー充填口42Gに圧入されて嵌合されることにより当該トナー充填口42Gを封止する。挿入部43Hiは、実施例8では、先端がテーパー状の截頭錐体形状とされており、トナー充填口42Gへの挿入が容易とされている。なお、実施例8では、トナー充填口42Gと挿入部43Hiとは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、互いに嵌合することによりトナー充填口42Gを封止することを可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する形状が四角形や八角形等)であっても良く、実施例8に限定されるものではない。
フランジ部43Hjは、挿入部43Hiの軸線に直交する方向に延出された平板状を呈する。このフランジ部43Hjは、互いの径寸法の差異により挿通孔41Gとトナー充填口42Gとの間に形成された係止端面44Gに面当接可能な大きさ寸法とされている。
引掛爪部43Hkは、挿入部43Hiの周面から当該挿入部43Hiの軸線に直交する方向に突出されて形成され、挿入部43Hiを取り囲む環状を呈している。この引掛爪部43Hkは、挿入部43Hiの軸線方向でフランジ部43Hjと対向しつつ挿入部43Hiの軸線に直交するキャップ側引掛面43Hmを規定する。また、引掛爪部43Hkは、キャップ側引掛面43Hmとは軸線方向での反対側の面が、截頭錐体形状とされた挿入部43Hiの先端に連続する傾斜面を規定する。
このキャップ43Hは、挿入部43Hiをトナー充填口42Gに嵌合させてフランジ部43Hjを係止端面44Gに係合させた装着状態(フランジ部43Hjが係止端面44Gに突き当たってトナー容器32HYの内方空間側へと移動できない状態)において、挿通孔41Gの雌ねじ溝41Gaの少なくとも一部を露出させることのできる大きさ寸法とされている。ここで雌ねじ溝41Gaの少なくとも一部とは、キャップ43Hを装着状態とした際、把持部32GY1cの突出基部分の雄ねじ溝32Gaとの螺合による当該把持部32GY1cの取付壁部32Y20fへの取り付けを可能とすることをいう。このため、キャップ43Hは、挿通孔41Gへの装着状態において、挿通孔41Gから突出することなく、粉体充填口としてのトナー充填口42Gを封止可能な封止部材として機能する。そのキャップ43Hでは、フランジ部43Hjが、挿入部43Hiに連続するとともに、その挿入部43Hiがトナー充填口42Gを封止した状態でそのトナー充填口42Gから延出される頭部となる。
このトナー充填部40Hでは、把持部32GY1cが取り付けられていない状態において、取付壁部32Y20fの挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gから、装着部32GY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを介して、容器本体32EY2にトナーが充填(収容)される。その後、キャップ43Hが、図示を略す治具もしくは作業者の指により、挿通孔41Gから挿入される。そのキャップ43Hは、挿入部43Hiがトナー充填口42Gに圧入されて嵌合され、引掛爪部43Hkがトナー充填口42Gを乗り越えて当該トナー充填口42Gの周縁部に引っ掛かけられ、フランジ部43Hjが挿入部43Hiに嵌合されつつ係止端面44Gに面当接(係合)される。このとき、トナー充填部40Hでは、その軸線方向に直交する面上で、キャップ43Hの引掛爪部43Hkのキャップ側引掛面43Hmと、トナー充填口42Gの周縁部と、が接している。これにより、キャップ43Hは、引掛爪部43Hk(そのキャップ側引掛面43Hm)とトナー充填口42G(その周縁部)とが引っ掛かるので、トナー充填口42Gへの挿入方向とは反対側への移動が防止されている。このとき、トナー充填部40Hでは、挿入部43iによりトナー充填口42Gが封止される。この治具は、キャップ43Hを保持することが出来るとともに、その保持したキャップ43Hを挿通孔41G内で移動させることができるものであればよい。
その後、把持部32GY1cを突出基部分側から挿通孔41Gから挿入し、その突出基部分の雄ねじ溝32Gaを挿通孔41Gの雌ねじ溝41Gaに噛み合わせつつ当該把持部32GY1cを捻じ込む(螺合する)ことにより、把持部32GY1cを取付壁部32Y20fに取り付ける。このとき、トナー充填部40Hでは、キャップ43Hが、把持部32GY1c(その突出基部分の底壁部)により係止端面44Gに押し当てられる。このトナー充填部40Hでは、トナー充填口42Gが、取付壁部32Y20fに取り付けられた把持部32GY1cに囲まれて設けられている。これにより、容器本体32EY2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32HYを得ることができる。なお、トナー容器32HYでは、リサイクル処理時において、取付壁部32Y20f(トナー充填口42G)から把持部32GY1cを取り外し、トナー充填口42Gからキャップ43Hを取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例8のトナー容器(32HY、32HM、32HC、32HK)では、基本的に実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)と同様の構成であることから、基本的に実施例7と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例8のトナー容器(32HY、32HM、32HC、32HK)では、トナー充填部40Hにおいて、引掛爪部43Hk(そのキャップ側引掛面43Hm)とトナー充填口42G(その周縁部)とが引っ掛かるものとされていることから、高い強度でトナー充填口42Gをキャップ43Hで封止することができるので、例えばトナー容器が落下されるような大きな衝撃が生じた場合であっても、キャップ43Hがトナー充填口42Gから離脱することを防止することができ、誤ってトナー充填口42Gが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
したがって、本発明に係る実施例8の粉体収納容器としてのトナー容器(32HY、32HM、32HC、32HK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Gが開放されてしまうことを抑制することができる。
次に、本発明の実施例9に係るトナー容器(32IY、32IM、32IC、32IK)について、図48を用いて説明する。この実施例9は、トナー容器(32IY、32IM、32IC、32IK)におけるトナー充填部40Iの構成が実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7および実施例8とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例9のトナー容器(32IY、32IM、32IC、32IK)は、基本的な構成は上記した実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図39等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32IYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。図48は、実施例9に係るトナー容器32IYのトナー充填部40Iの構成を説明するための図41と同様の説明図である。
実施例9に係るトナー容器32IYでは、図48に示すように、実施例7のトナー容器32GYと同様に、一端側となる装着部32GY1(装着本体部32Y20)の取付壁部32Y20fに、把持部32GY1cを取り付けることが可能とされている。この把持部32GY1cは、実施例7と同様の構成であって、突出基部分の外周面に雄ねじとなる雄ねじ溝32Gaが設けられている。
実施例9に係るトナー容器32IYのトナー充填部40Iは、装着部32GY1(装着本体部32Y20)の取付壁部32Y20fに設けられており、挿通孔41Gとトナー充填口42Gと封止部材47とを有する。この挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gは、実施例7と同様の構成である。このため、把持部32GY1cを突出基部分側から挿通孔41Gから挿入し、その突出基部分の雄ねじ溝32Gaを挿通孔41Gの雌ねじ溝41Gaに噛み合わせつつ当該把持部32GY1cを捻じ込む(螺合する)ことにより、把持部32GY1cを取付壁部32Y20fに取り付けることができる。
封止部材47は、薄い膜状を呈する。この封止部材47は、挿通孔41Gに挿通可能であって、係止端面44Gに面当接可能であり、かつトナー充填口42Gを遮蔽することが可能な形状および大きさ寸法とされている。その係止端面44Gは、互いの径寸法の差異により挿通孔41Gとトナー充填口42Gとの間に形成されている。封止部材47は、実施例9では、係止端面44Gに宛がわれる箇所に接着剤が塗られたシール材であり、係止端面44Gに貼られることにより、トナー充填口42Gを全面に渡って覆うことが可能とされている。このため、封止部材47は、係止端面44Gに貼られた状態において、挿通孔41Gから突出することなく、粉体充填口としてのトナー充填口42Gを封止可能な封止部材として機能する。この封止部材47は、PET(ポリエチレンテレフタレート)や、ONY(ナイロン)や、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を用いて形成するこができる。
このトナー充填部40Iでは、把持部32GY1cが取り付けられていない状態において、取付壁部32Y20fの挿通孔41Gおよびトナー充填口42Gから、装着部32GY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを介して、容器本体32EY2にトナーが充填(収容)される。その後、封止部材47が、挿通孔41Gから挿入され、図示を略す治具もしくは作業者の指により、係止端面44Gに貼り付けられて、トナー充填口42Gが封止される。この治具は、封止部材47を保持することが出来るとともに、その保持した封止部材47を挿通孔41G内で移動させることができるものであればよい。
その後、把持部32GY1cを突出基部分側から挿通孔41Gから挿入し、その突出基部分の雄ねじ溝32Gaを挿通孔41Gの雌ねじ溝41Gaに噛み合わせつつ当該把持部32GY1cを捻じ込む(螺合する)ことにより、把持部32GY1cを取付壁部32Y20fに取り付ける。このとき、トナー充填部40Iでは、封止部材47が、把持部32GY1c(その突出基部分の底壁部)により係止端面44Gに押し当てられる。これにより、トナー充填部40Iでは、トナー充填口42Gが、取付壁部32Y20fに取り付けられた把持部32GY1cに囲まれて設けられている。これにより、容器本体32EY2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32IYを得ることができる。なお、トナー容器32IYでは、リサイクル処理時において、取付壁部32Y20f(トナー充填口42G)から把持部32GY1cを取り外し、トナー充填口42Gから封止部材47を剥がし取ることにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例9のトナー容器(32IY、32IM、32IC、32IK)では、基本的に実施例7のトナー容器(32GY、32GM、32GC、32GK)と同様の構成であることから、基本的に実施例7と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例9のトナー容器(32IY、32IM、32IC、32IK)では、トナー充填部40Iにおいて、基本的に封止部材47を係止端面44Gに貼り付けるだけでトナー充填口42Gを封止することができるので、トナーを充填した後の組み付け作業を容易なものとすることができる。
したがって、本発明に係る実施例9の粉体収納容器としてのトナー容器(32IY、32IM、32IC、32IK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Gが開放されてしまうことを抑制することができる。
次に、本発明の実施例10に係るトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)について、図49を用いて説明する。この実施例10は、トナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)におけるトナー充填部40Jの構成が実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8および実施例9とは異なる例であり、上記した実施例1の画像形成装置100に装着可能とされている。この実施例10のトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)は、基本的な構成は上記した実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、トナー容器は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して4つの種類が用いられるが、実施例5のトナー容器(32EY、32EM、32EC、32EK)と同様に収容されるトナーの種類と色識別用突起部材(32Y1e(図39等参照))の構成とが異なることを除くと、基本的に同様な構成とされていることから、以下では、イエローのトナー容器32JYの構成のみについて説明し、他の構成については省略する。図49は、実施例10に係るトナー容器32JYのトナー充填部40Jの構成を説明するための図41と同様の説明図である。
実施例10に係るトナー容器32JYのトナー充填部40Jは、図49に示すように、把持部32JY1cに設けられており、挿通孔41Jとトナー充填口42Jとキャップ43Jと掛渡部材48とを有する。この挿通孔41Jおよびトナー充填口42Jは、トナー容器32JYの軸線上で把持部32JY1cを貫通して設けられた貫通孔であり、トナー容器32JY(その容器本体32JY2)の内方空間を把持部32JY1cの突出端面32Y1w側の外方へと連通させる。その把持部32JY1cは、全体に円柱状を呈している。また、トナー容器32JYでは、把持部32JY1cが設けられた装着部32JY1(装着本体部32Y20)の一端側の壁部が、その把持部32JY1cの裏側(トナー貯留部32Y1k側)が、軸線を中心とする一定の領域で肉厚とされている(軸線方向で見た大きさ寸法が他の箇所より大きくされている)。
挿通孔41Jは、図49に示すように、把持部32JY1cの外形形状に倣う孔形状とされており、全体に円柱状を呈する。その挿通孔41Jは、一端が突出端面32Y1wを開放し、他端がトナー充填口42Jに連続している。挿通孔41Jでは、開口縁部41dに一対の取付穴41eが設けられている。この2つの取付穴41eは、挿通孔41Jの軸線に直交する同一直線上に設けられている。両取付穴41eは、挿通孔41Jの径方向に当該挿通孔41Jを規定する周壁面(把持部32JY1c)を貫通して形成されている。なお、実施例10では、挿通孔41Jは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、後述するようにキャップ43Jのトナー充填口42Jへの装着動作を可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する開口形状が四角形の四角柱形状や開口形状が八角形の八角柱形状等)であっても良く、実施例10に限定されるものではない。
トナー充填口42Jは、軸線に直交する開口面積が挿通孔41Jよりも小さくされて形成された円柱状を呈し、一端がトナー充填口42Jに連続するとともに、他端が装着部32JY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kに連続している。換言すると、トナー充填口42Jは、挿通孔41Jの奥壁を開口するものであって、把持部32JY1cに囲まれて設けられている。この挿通孔41Jおよびトナー充填口42Jは、トナー容器32JYの装着部32JY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを把持部32JY1cの突出端面32Y1w側の外方へと連通させる。このため、把持部32JY1cでは、挿通孔41Jおよびトナー充填口42Jにより、トナー容器32JYの装着方向での後端側から見て同心状の2つの円形状を呈する段付きの貫通孔が形成されている。
キャップ43Jは、挿通孔41Jに挿通可能な大きさ寸法の円板形状を呈する。このキャップ43Jは、実施例10では、LDPE(低密度ポリエチレン)から形成されている。キャップ43Jは、挿入部43Jiとフランジ部43Jjと引掛爪部43Jkとを有する。その挿入部43Jiは、トナー充填口42Jに嵌合可能な円柱状を呈し、トナー充填口42Jに圧入されて嵌合されることにより当該トナー充填口42Jを封止する。挿入部43Jiは、実施例10では、先端がテーパー状の截頭錐体形状とされており、トナー充填口42Jへの挿入が容易とされている。なお、実施例10では、トナー充填口42Jと挿入部43Jiとは、軸線に直交する開口形状が円形とされた円柱状を呈しているが、互いに嵌合することによりトナー充填口42Jを封止することを可能とするものであれば、他の形状(例えば、軸線に直交する形状が四角形や八角形等)であっても良く、実施例10に限定されるものではない。
フランジ部43Jjは、挿入部43Jiの軸線に直交する方向に延出された平板状を呈する。このフランジ部43Jjは、互いの径寸法の差異により挿通孔41Jとトナー充填口42Jとの間に形成された係止端面44Jに面当接可能な大きさ寸法とされている。また、フランジ部43Jjは、挿入部43Jiに嵌合可能、すなわち隙間無く挿入部43Jiに嵌め合わせることが可能な、径寸法とされている。
引掛爪部43Jkは、挿入部43Jiの周面から当該挿入部43Jiの軸線に直交する方向に突出されて形成され、挿入部43Jiを取り囲む環状を呈している。この引掛爪部43Jkは、挿入部43Jiの軸線方向でフランジ部43Jjと対向しつつ挿入部43Jiの軸線に直交するキャップ側引掛面43Jmを規定する。また、引掛爪部43Jkは、キャップ側引掛面43Jmとは軸線方向での反対側の面が、截頭錐体形状とされた挿入部43Jiの先端に連続する傾斜面を規定する。
このキャップ43Jは、挿入部43Jiをトナー充填口42Jに嵌合させてフランジ部43Jjを係止端面44Jに係合させた状態(フランジ部43Jjが係止端面44Jに突き当たってトナー容器32JYの内方空間側へと移動できない状態)において、フランジ部43Jjが挿通孔41Jから突出することのない大きさ寸法とされている。換言すると、挿通孔41Jの深さ寸法(延在方向で見た長さ寸法)は、キャップ43Jにおけるフランジ部43Jjの厚さ寸法以上とされている。このため、キャップ43Jは、粉体充填口としてのトナー充填口42Jを封止可能な封止部材として機能する。そのキャップ43Jでは、フランジ部43Jjが、挿入部43Jiに連続するとともに、その挿入部43Jiがトナー充填口42Jを封止した状態でそのトナー充填口42Jから延出される頭部となる。
掛渡部材48は、全体に長尺な板状を呈し、両端に取付軸48aが設けられている。この両取付軸48aは、挿通孔41Jの開口縁部41dに対を為して設けられた取付穴41eに嵌め込むことが可能とされている。掛渡部材48は、両取付軸48aを対応する取付穴41eに嵌め込んだ状態において、挿通孔41Jの軸線に直交して当該挿通孔41Jの内方を掛け渡すことが可能とされている。
このトナー充填部40Jでは、挿通孔41Jおよびトナー充填口42Jから、装着部32JY1(装着本体部32Y20)のトナー貯留部32Y1kを介して、容器本体32EY2にトナーが充填(収容)される。その後、キャップ43Jが、図示を略す治具もしくは作業者の指により、挿通孔41Jから挿入される。そのキャップ43Jは、挿入部43Jiがトナー充填口42Jに圧入されて嵌合され、引掛爪部43Jkがトナー充填口42Jを乗り越えて当該トナー充填口42Jの周縁部に引っ掛かけられ、フランジ部43Jjが挿入部43Jiに嵌合されつつ係止端面44Jに面当接(係合)される。このとき、トナー充填部40Jでは、その軸線方向に直交する面上で、キャップ43Jの引掛爪部43Jkのキャップ側引掛面43Jmと、トナー充填口42Jの周縁部と、が接している。これにより、キャップ43Jは、引掛爪部43Jk(そのキャップ側引掛面43Jm)とトナー充填口42J(その周縁部)とが引っ掛かるので、トナー充填口42Jへの挿入方向とは反対側への移動が防止されている。このとき、トナー充填部40Jでは、挿入部43iによりトナー充填口42Jが封止される。この治具は、キャップ43Jを保持することが出来るとともに、その保持したキャップ43Jを挿通孔41J内で移動させることができるものであればよい。その後、両取付軸48aを対応する取付穴41eに嵌め込んで、掛渡部材48を挿通孔41Jに取り付ける。これにより、容器本体32EY2にトナーが充填され画像形成装置100に装着可能なトナー容器32JYを得ることができる。なお、トナー容器32JYでは、リサイクル処理時において、掛渡部材48を挿通孔41Jから取り外し、トナー充填口42Jからキャップ43Jを取り外すことにより、清掃工程やトナー再充填作業を行うことができる。
実施例10のトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)では、基本的に実施例1のトナー容器(32Y、32M、32C、32K)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例10のトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)では、挿入部43Jiの開口縁部41dにその挿入部43Jiの内方を掛け渡して掛渡部材48が設けられていることから、挿入部43Ji内のキャップ43J(フランジ部43j)に触れることを困難なものとすることができる。このため、ユーザーがトナー充填口42Jからキャップ43Jを離脱させることを抑制することができるので、誤ってトナー充填口42Jが開放されてしまうことを抑制することができる。
また、実施例10のトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)では、キャップ43Jのフランジ部43Jjが挿入部43Jiに嵌合されていることから、そのフランジ部43Jj(キャップ43J)で挿通孔41Jの奥壁を構成させることができる。このため、ユーザーがこのフランジ部43Jj(キャップ43J)に対して違和感を覚えることを抑制することができるので、誤ってトナー充填口42Jが開放されてしまうことを抑制することができる。
さらに、実施例10のトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)では、キャップ43Jのフランジ部43Jjが挿入部43Jiに嵌合されていることから、挿入部43Ji内でキャップ43J(フランジ部43j)を掴むことを困難なものとすることができる。このため、ユーザーがトナー充填口42Jからキャップ43Jを離脱させることを抑制することができるので、誤ってトナー充填口42Jが開放されてしまうことを抑制することができる。
実施例10のトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)では、トナー充填部40Jにおいて、引掛爪部43Jk(そのキャップ側引掛面43Jm)とトナー充填口42J(その周縁部)とが引っ掛かるものとされていることから、高い強度でトナー充填口42Jをキャップ43Jで封止することができるので、例えばトナー容器が落下されるような大きな衝撃が生じた場合であっても、キャップ43Jがトナー充填口42Jから離脱することを防止することができ、誤ってトナー充填口42Jが開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
実施例10のトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)では、挿入部43Jiの開口縁部41dにその挿入部43Jiの内方を掛け渡して掛渡部材48が設けることにより、キャップ43Jが誤って離脱操作されることを防止するものであることから、トナー充填口42J(その口径)の大きさ寸法の設定自由度を向上させることができる。このため、トナー充填作業の効率をより向上させることができる。
したがって、本発明に係る実施例10の粉体収納容器としてのトナー容器(32JY、32JM、32JC、32JK)では、誤って粉体充填口としてのトナー充填口42Jが開放されてしまうことを抑制することができる。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る粉体収納容器としてのトナー容器について説明したが、画像形成に用いられる現像剤を収容する粉体収容部と、該粉体収容部に収容された前記現像剤を排出すべく前記粉体収容部の一端部に設けられた粉体排出部と、前記粉体収容部の前記一端部側の端面から突出する把持部と、前記粉体収容部の内方空間と前記粉体収容部の外部とを連通させる粉体充填口と、該粉体充填口を封止可能な封止部材と、を備え、前記粉体充填口は、前記把持部に囲まれて設けられている粉体収納容器であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例1から実施例4では、では、トナー容器(32Y等)にコイル形状を呈する搬送部材33が設けられていたが、回転することにより容器本体32Y2に収容されたトナーを長手方向でトナー排出口32Y1a側に搬送することができるものであれば、例えば図50に示す構成の搬送部材33´であってもよく、上記した実施例1から実施例4に限定されるものではない。この搬送部材33´は、回転軸33aに複数の撹拌羽根33bが設けられて構成されている。この回転軸33aは、一端が駆動入力部34に固定され、他端が支持脚部33cに回転可能に支持されている。駆動入力部34は、容器本体32Y2に対して回転自在とされている。支持脚部33cは、容器本体32Y2の一端部32Y1における把持部32Y1cが設けられた壁部の裏面(容器本体32Y2の内方空間側)に設けられている。支持脚部33cは、当該壁部の裏面から、容器本体32Y2の内方空間へ向けて突出されて形成されている(図50(b)参照)。
さらに、上記した実施例1から実施例3では、トナー充填部(40、40B、40C)が、挿通孔(41等)とトナー充填口(42等)とキャップ(43等)とにより構成されていたが、実施例4の遮蔽部材45(ラベルシール)を把持部32Y1cの突出端面32Y1wに設けてもよく、上記した実施例1から実施例3に限定されるものではない。この場合、挿通孔(41等)の開口縁部が遮蔽部材(ラベルシール)により遮蔽されていることから、キャップ(43等)の存在をユーザーが気付くことを防止することができ、誤ってトナー充填口(42等)が開放されてしまうことをより効果的に防止することができる。
上記した各実施例では、画像形成装置100は、図1に示すように、カラープリンタとしての画像形成装置(100等)に適用した例を示していたが、単色の画像を形成する画像形成装置に適用してもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を用いる例を示していたが、トナーからなる1成分現像剤を用いるものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。すなわち、粉体収納容器は、画像形成に用いられる粉体として、トナー、または、トナーを静電的に付着するキャリア、または、トナーとキャリアとを所定の割合で混合したもの(いわゆるプレミックストナー)を収容するものであればよい。いずれの場合であっても、上述した本願発明と同様の効果を得ることができる。
上記した各実施例では、作像部3Y、3M、3C、3Kが設けられていたが、その一部又は全部を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kと一体としたプロセスカートリッジとしてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した実施例1から実施例4では、円筒状の容器本体32Y2(粉体収容部)にトナー排出部32Y1d(粉体排出部)が設けられた構成の粉体収納容器にトナー充填部40、40B、40C、40Dを用いた例を示していたが、実施例5に示す円筒状の容器本体32EY2(粉体収容部)の一端側に装着部32EY1が取り付けられ、その装着部32EY1にトナー排出部32Y1d(粉体排出部)が設けられた構成の粉体収納容器にトナー充填部40、40B、40C、40Dの構成を用いてもよく、上記した実施例1から実施例4に限定されるものではない。
上記した実施例5から実施例10では、円筒状の容器本体32EY2(粉体収容部)の一端側に装着部32EY1、32FY1、32GY1、32JY1が取り付けられ、その装着部にトナー排出部32Y1d(粉体排出部)が設けられた構成の粉体収納容器にトナー充填部40E、40F、40G、40H、40I、40Jを用いた例を示していたが、実施例1に示す円筒状の容器本体32Y2(粉体収容部)にトナー排出部32Y1d(粉体排出部)が設けられた構成の粉体収納容器にトナー充填部40E、40F、40G、40H、40I、40Jを用いてもよく、上記した実施例5から実施例10に限定されるものではない。
上記した実施例5から実施例10では、軸線方向で見て容器頭部32Y2eから容器胴部32Y2fへと突出する一対の羽根部分(81b、81bβ、81bγ)を有する羽根部材(81、81β、81γ)が設けられていたが、上述したトナー容器32EYεのように、両羽根部分の突出量Ohが0mmに設定するとともに蓄積部に凹所を設けた構成のトナー容器としてもよく、上記した実施例5から実施例10に限定されるものではない。
上記した各実施例では、粉体充填口(トナー充填口42等)を囲んで設けられた把持部として、幾つかの外形形状例を示しているが、当該把持部は、ユーザーがトナー容器の交換(着脱)作業等の際にユーザーが把持することにより、当該トナー容器の取り扱いを容易なものとするものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の粉体収納容器を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は各実施例に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。