JP5760452B2 - シェル型ニードル軸受及び十字軸式自在継手 - Google Patents

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Description

この発明は、金属板を有底円筒状に曲げ形成して成るシェル型の外輪を有し、この外輪の開口端部とこの外輪の内径側に挿入された軸の外周面との間の隙間をシールリングにより塞いだ状態で使用するシェル型ニードル軸受、及び、この様なシェル型ニードル軸受を組み込んだ十字軸式自在継手の改良に関する。
例えば自動車の駆動系を構成するドライブシャフトの端部と別の回転軸との結合部に十字軸式自在継手を組み込んで、非直線的に配置された、これらドライブシャフトと回転軸との間で回転力を伝達自在としている。或いは、自動車用操舵装置を構成する、ステアリングシャフトと中間シャフトとの間、この中間シャフトとステアリングギヤユニットのピニオンシャフトとの間等にも、十字軸式自在継手を組み込んで、非直線上に配置されたこれらシャフト同士の間での回転力の伝達を自在としている。この様な部分に使用される十字軸式自在継手の構造は、例えば特許文献1〜6等に記載されている様に、従来から広く知られている。
図4は、従来から広く知られている十字軸式自在継手の1例を示している。この自在継手1は、1対のヨーク2a、2bと1個の十字軸3とを、4個のシェル型ニードル軸受4、4を介して、相対変位可能に結合して成る。前記両ヨーク2a、2bはそれぞれ、1対ずつの腕部5a、5bを備えた二股状に構成しており、これら各腕部5a、5bの先端部にそれぞれ円孔6a、6bを形成している。同一のヨーク2a(2b)の先端部に形成した円孔6a、6a同士(6b同士)は、互いに同心である。又、前記十字軸3は、結合基部7の外周面に4本の軸部8、8を放射状に(周方向等間隔に)固設して成る。前記自在継手1を構成する前記両ヨーク2a、2bは、前記各軸部8、8を前記各円孔6a、6b内に、前記各シェル型ニードル軸受4、4により揺動変位自在に支持する事で、前記十字軸3を介して、揺動変位及びトルク伝達を自在に結合している。
前記各シェル型ニードル軸受4、4はそれぞれ、1個のシェル型外輪9と複数本のニードル10、10とを備える。このうちのシェル型外輪9は、炭素鋼板等の硬質金属板を、深絞り加工等の塑性加工により曲げ形成して成るもので、円筒部11と、底板部12と、内向鍔部13とを備える。このうちの底板部12は、この円筒部11の軸方向一端側(前記各円孔6a、6b内への組み付け状態で、前記各腕部5a、5bの外側面側)全体を塞ぐ。又、前記内向鍔部13は、前記円筒部11の軸方向他端側(前記円孔6a、6b内への組み付け状態で、前記各腕部5a、5bの内側面側)から径方向内方に折れ曲がったもので、前記各ニードル10、10に対向する面が凹面となる方向に湾曲している。
それぞれが上述の様な構成を有する、前記各シェル型ニードル軸受4、4は、前記各シェル型外輪9、9を前記各円孔6a、6bに締り嵌めで内嵌固定すると共に、前記各ニードル10、10の内側に前記十字軸3の各軸部8、8を挿入した状態に組み立てる。尚、この組立作業は、これら各軸部8、8を前記各円孔6a、6b内に挿入した状態で、前記各シェル型ニードル軸受4、4をこれら各円孔6a、6b内に、前記各腕部5a、5bの外側面側開口から圧入する事により行う。又、前記各軸部8、8の基端部にシールリング14、14を、予め締り嵌めにより外嵌支持しておく。尚、組立完了後の状態では、前記各シェル型外輪9、9の円筒部11の内周面が外輪軌道として、前記各軸部8、8の外周面が内輪軌道として、それぞれ機能する。
前記各シールリング14、14はそれぞれ、芯金15により弾性材16を補強して成る。このうちの弾性材16は、ラジアルシールリップ17とスラストシールリップ18とを備える。前記十字軸3と前記各シェル型外輪9、9とを組み合わせて前記自在継手1とした状態で、前記ラジアルシールリップ17の先端縁は、前記各シェル型外輪9、9の外周面のうちで開口寄り端部に、全周に亙り弾性的に当接する。又、前記スラストシールリップ18の先端縁は、前記各内向鍔部13、13の外側面に、全周に亙り弾性的に当接する。この状態で前記各シールリング14、14が、前記各シェル型外輪9、9の内部空間と外部空間とを遮断して、これら各シェル型外輪9、9の内側に封入したグリース等の潤滑剤が外部に漏洩するのを防止すると共に、外部からこのシェル型外輪9、9の内側に異物が侵入するのを防止する。
上述の様な自在継手1を、例えば前記ドライブシャフトの端部と別の回転軸との結合部に組み付けた状態で使用する場合、低廉化と耐久性確保とを両立させる面から、次の様な点で改良の余地がある。先ず、低廉化の為には、前記各シェル型ニードル軸受4、4に組み込むシェル型外輪9、9を構成する金属板として、調達コストを低く抑えられる、炭素鋼板(肌焼鋼、軸受鋼等を含む)を使用する事が好ましい。但し、炭素鋼板の場合、使用条件が厳しくなると表面が腐蝕する事が避けられない。例えば、前記自在継手1を自動車の駆動系に組み込んだ場合、走行に伴って巻き上げられた泥水や、融雪剤が混入した水等の腐蝕性物質が、前記シェル型外輪9、9の表面に付着し、この表面に錆が発生する。
錆が発生した前記シェル型外輪9、9の表面部分は粗さが大きくなり(摩擦係数が大きな粗面となり)、前記各シールリング14、14を構成する、前記各シールリップ17、18の先端縁と強く摩擦し合って、これら各シールリップ17、18の摩耗を進行させる。例えば、初期段階で図5の(A)に示す様に、これら各シールリップ17、18の先端縁が前記シェル型外輪9の表面に、それぞれ全周に亙って隙間なく当接した状態であっても、同図の(B)に示す様に、前記シェル型外輪9の表面の一部に錆19が発生すると、この錆19との摩擦により、先ず、前記ラジアルシールリップ17の先端縁部が摩耗する。この結果、このラジアルシールリップ17の先端縁と前記シェル型外輪9の表面との間に隙間20が生じる。すると、この隙間20を通じて前記腐蝕性物質が前記ラジアルシールリップ17よりも奥にまで入り込み、同図の(C)に示す様に、前記シェル型外輪9の表面に、この奥部分にまで達する錆19aが発生する。そして、この錆19aとの摩擦により、前記スラストシールリップ18の先端縁部が摩耗し、このスラストシールリップ18の先端縁と前記シェル型外輪9の表面との間にも隙間20aが生じる。この結果、前記各シールリップ17、18によるシール機能が低下若しくは喪失して、前述した潤滑剤の漏洩防止や、異物の侵入防止を図れなくなる。
組立後の自在継手の表面には、特許文献5にも記載されている様に、シェル型ニードル軸受の表面を含めて、防錆の為の塗装を施す場合もある。但し、この場合には、前記特許文献5に記載されている様に、塗膜の段差面の存在によるシール性低下の懸念が生じるだけでなく、シールリングとシェル型外輪との相対変位に伴って、前記シェル型外輪の表面で前記塗膜に覆われていない部分に腐蝕性物質が付着し、この部分から腐蝕が進行する可能性が残る。ヨークへの組み付けに先立って、シェル型外輪の外面全体を塗装すれば、上述の様な問題を解決できるが、このシェル型外輪の外径寸法が塗膜分だけ大きくなり、このシェル型外輪をヨーク側の円孔に圧入する作業の妨げとなるだけでなく、圧入後の寸法精度も悪化してしまう。
前記シェル型外輪9をステンレス鋼板により造れば、上述の様な錆19、19aの発生を抑えて、前記各シェル型ニードル軸受4、4を組み込んだ自在継手1の耐久性を図れる。但し、ステンレス鋼板は炭素鋼板よりも高価であるだけでなく、必要とする硬度を有するものを絞り加工する事は面倒で、加工自体が難しいだけでなく加工コストも嵩む。この為、低廉化を考慮すると、ステンレス鋼板の使用を避ける事が望ましい。
又、特許文献7、8には、外輪等の転がり軸受の構成部品の表面に、不溶性金属燐酸塩処理被膜(特許文献7の場合)、燐酸塩処理被膜(特許文献8の場合)等の防錆の為の化成処理被膜を形成する事が記載されている。これらの化成処理被膜は、前記外輪の外径寸法を殆ど大きくせずに済み、しかも或る程度の防錆効果を期待できる。そして、例えば自在継手に要求される使用期間中、シェル型外輪に貫通孔が形成されたり、著しい強度低下の原因となる程の腐蝕が発生する事は防止できる。但し、使用条件が厳しくなると、表面に薄い錆が発生する可能性は残る。前述した様なシールリップの先端縁の摩耗は、この様な薄い錆によっても進行する。この為、使用条件が厳しい場合であっても、シールリングによるシール性能を長期間に亙って保持し、シェル型ニードル軸受を組み込んだ自在継手の耐久性を確保する面からは、必ずしも十分でない。
特開平8−135674号公報 特開平9−60650号公報 特開2005−48809号公報 特開2006−29551号公報 特開2010−181015号公報 特開2010−181016号公報 特開2002−146837号公報 特開2002−294465号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、低廉化と耐久性確保とを両立できるシェル型ニードル軸受及び十字軸式自在継手の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のシェル型ニードル軸受及び十字軸式自在継手のうち、請求項1に記載したシェル型ニードル軸受の発明は、前述した様な、従来から広く知られているシェル型ニードル軸受と同様に、シェル型外輪と複数本のニードルとを備える。
特に、本発明のシェル型ニードル軸受に於いては、前記シェル型外輪の外面全体を、或る程度の耐蝕性を有すると共に、このシェル型外輪と次述する塗膜との結合強度を向上させる化成処理被膜により覆っている。そして、このシェル型外輪の外面のうちで、使用状態で外側部材に形成した円孔に内嵌されてこの円孔の内周面と当接する部分に、前記化成処理被膜を露出させている。更に、この円孔から外れた部分である軸方向他端寄り部分で、前記各ニードルの内径側に挿入された軸部の外周面に外嵌固定したシールリングを構成するシールリップの先端縁が摺接する可能性がある、前記内向鍔部の外側面及びこの内向鍔部と前記円筒部との連続部の外面を、耐蝕性向上の為の塗膜により更に覆っている。そして、前記シールリップの先端縁を、使用状態でこの塗膜の表面にのみ摺接させている。
尚、前記シェル型外輪の外面のうちで前記塗膜により覆う部分としては、本願発明の様に、この外面のうちの軸方向他端寄り(開口寄り)部分で、シールリングを構成するシールリップの先端縁が摺接する可能性がある部分と、前記円孔の内側に存在する前記シェル型外輪の一端側に形成した底板部の外側面との双方とする事もできる。又、本発明からは外れるが、前記円孔の内側に存在する前記シェル型外輪の一端側に形成した底板部の外側面のみを前記塗膜により覆う事もできる。
又、請求項2に記載した十字軸式自在継手の発明は、やはり前述した様な、従来から広く知られている十字軸式自在継手と同様に、1対のヨークと、合計4個の円孔と、十字軸と、4個のシェル型ニードル軸受とを備える。そして、これら各シェル型ニードル軸受を、上述の様なシェル型ニードル軸受としている。
この様な、十字軸式自在継手に関する本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、それぞれがラジアルシールリップとスラストシールリップとを備える4個のシールリングを備えたものとする。そして、各シェル型外輪の円筒部の外周面の軸方向他端部と前記内向鍔部の外側面とを、互いに連続する前記塗膜により覆う。
上述の様に本発明のシェル型ニードル軸受及び十字軸式自在継手の場合、シェル型外輪の外周面のうちで外側部材の円孔に締り嵌めで内嵌される部分には、化成処理被膜のみが存在するか、仮に塗膜が存在してもその量は僅かである。この化成処理被膜の膜厚は極く薄く、前記シェル型外輪の外径寸法を殆ど増大させる事はない。この為、このシェル型外輪を前記円孔に締り嵌めで内嵌固定する事は、支障なく行えるし、内嵌作業に伴って被膜の一部が削られて削り滓が発生する事も、全く乃至は殆どない。又、シールリップの先端縁が摺接する部分等の、特に高度の耐蝕性を必要とする部分は、前記化成処理被膜に加え、塗膜によっても覆われている為、この部分が錆びる事は完全に防止できる。従って、錆(腐蝕生成物)により粗くなった、前記シェル型外輪の表面との摩擦により、前記シールリップの先端縁の摩耗が進む事を防止できる。
この様にして本発明によれば、低廉化と耐久性確保とを両立できるシェル型ニードル軸受及び十字軸式自在継手の構造を実現できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す要部断面図。 本発明に関する参考例を示す要部断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す要部断面図。 本発明の対象となるシェル型ニードル軸受を組み込んだ自在継手を、一部を省略した状態で示す部分切断側面図。 シェル型外輪の外面の腐蝕に伴ってシールリングを構成するシールリップの先端部が摩耗する状況を、進行の順番に従って示す要部断面図。
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、低廉化と耐久性確保とを両立できるシェル型ニードル軸受及び十字軸式自在継手の構造を実現すべく、シェル型外輪9の表面に形成する防蝕の為の被膜を工夫する点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述した従来構造の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
前記シェル型外輪9の外面、即ち、底板部12及び内向鍔部13の外側面(互いに反対側の側面)及び円筒部11の外周面全体を、耐蝕性を有する化成処理被膜である、燐酸鉄被膜により覆っている。この燐酸鉄被膜を形成する方法は、特に限定しない。市販の燐酸鉄系の下地処理剤をスプレーで塗布したり、この下地処理剤に浸漬する等の、一般的な処理方法が使用可能である。前記シェル型外輪9の外面にこの様な下地処理を施せば、このシェル型外輪の外面の脱脂を行うと同時に、この外面に化成処理被膜(燐酸鉄被膜)を形成できる。
更に、前記シェル型外輪9の外面のうち、図1に破線αで示した部分を、塗膜21により覆っている。即ち、このシェル型外輪9を構成する円筒部11の外周面のうちで開口寄り端部(前記底板部12と反対側端部)、及び、開口周縁部に設けた内向鍔部13の外側面に、前記塗膜21を形成している。この塗膜21を構成する塗料の種類は、前記シェル型外輪を構成する鋼板との密着性が良好で、且つ、塗膜形成が容易であり、しかも十分な耐蝕性を有し、且つ、表面を平滑面にできるものであれば、特に限定しない。例えば、エポキシ樹脂系の塗料が好ましく使用できる。
前記塗膜21を形成する範囲は、自在継手の使用時、ヨーク2a(2b)と十字軸3との間に加わるトルクに基づいて、シールリング14を構成するラジアル、スラスト各シールリップ17、18の先端縁が摺接する可能性のある部分を完全に含み、これよりも少しだけ広い部分とする。即ち、前記トルクが大きくなり、前記ヨーク2a(2b)や十字軸3等の弾性変形量が多くなって、前記各シールリップ17、18の先端縁が図1に示した位置からずれた場合にも、これら各先端縁が前記塗膜21から外れない様に、この塗膜21の幅を十分に広くしている。具体的には、この塗膜21の軸方向他端側の内径側端部を、前記内向鍔部13の内周縁に達する位置に存在させている。又、前記塗膜21の軸方向外端部を、円孔6a(6b)の内側に少し(例えば0.5mm〜1mm)だけ入り込む位置に存在させている。即ち、ヨーク2a(2b)の腕部5a(5b)の内側面のうち、先端を除く部分からの前記シェル型外輪9の突出量をHとし、このシェル型外輪9の端面(内向鍔部13の外側面)から前記塗膜21の軸方向外端部までの距離(塗膜21の軸方向幅)をWとした場合に、W−H=0.5mm〜1mmとしている。尚、前記塗膜21を上述の範囲にのみ形成すべく、前記底板部12乃至前記円筒部11の軸方向中間部をカバー或いはテープ等でマスキングする他、前記内向鍔部13の内径側開口はキャップにより塞いだ状態で、前記塗膜21形成の為のスプレー作業を行う。
上述の様に本例の構造によれば、シェル型ニードル軸受4、及び、このシェル型ニードル軸受4を組み込んだ十字軸式自在継手の低廉化と耐久性確保とを両立できる。即ち、本例の構造の場合には、前記シェル型外輪9を構成する円筒部11の外周面のうちで、前記ヨーク2a(2b)の円孔6a(6b)に締り嵌めで内嵌される部分の大部分には、化成処理被膜のみが存在する。この化成処理被膜の膜厚は極く薄く、前記シェル型外輪9の外径寸法を殆ど増大させる事はない。前記塗膜21の一部(幅が0.5mm〜1mmの部分のうちの円周方向の一部)が前記円孔6a(6b)に内嵌されるが、その部分は極く僅かに抑えられる。又、この部分にしても、前記円筒部11を円孔6a(6b)に締り嵌めで内嵌する作業の最終段階で、この円孔6a(6b)内に押し込まれるに過ぎない。しかも、本例の場合には、前記塗膜21の厚さは、前記化成処理被膜の厚さよりは大きいとは言え、0.005mm〜0.015mm程度に抑えられる。この為、前記塗膜21の存在が前記内嵌する作業の妨げになる事は殆どないし、内嵌作業に伴って前記塗膜21が削り取られる事も殆どない。
そして、十字軸式自在継手の組立を完了した状態では、前記シールリング14を構成するラジアル、スラスト各シールリップ17、18の先端縁は、前記塗膜21の表面で、この塗膜21の幅方向両端縁から十分にこの塗膜21の中央側に寄った部分に摺接する。この塗膜21の表面は平滑面であり、且つ、十分に優れた耐蝕性を有する。この為、厳しい腐蝕環境下で長期間に亙り使用した場合でも、前記各シールリップ17、18の先端縁が摺接する部分の表面が粗くなる事はない。即ち、前述した従来構造の様に、錆(腐蝕生成物)により粗くなったシェル型外輪の表面との摩擦により、シールリップの先端縁の摩耗が進む事はない。
参考例
図2は、本発明に関する参考例を示している。本参考例の場合には、シェル型外輪9の外面のうち、図2に破線βで示した、底板部12の外側面に、塗膜21aを形成している。この底板部12は、ヨーク2a(2b)に形成した円孔6a(6b)の内側で、このヨーク2a(2b)の外側面よりも少し凹んだ部分に存在する為、この円孔6a(6b)の内周面と前記底板部12により囲まれた部分に、融雪塩を含んだ泥水等の腐蝕性物質が溜まり易く、腐蝕環境としては非常に厳しくなる。一般的には、前記シェル型外輪9の外面に、耐腐蝕性を有する化成処理被膜を形成しておけば、前記底板部12に、貫通孔の発生や強度の低下に結び付く程の腐蝕が生じる事はない。但し、本参考例の構造の様に、前記底板部12に、上述した実施の形態の第1例の塗膜21と同様の塗膜21aを形成すれば、この底板部12の耐久性をより一層向上させられる。
[実施の形態の第2例
図3は、請求項1〜に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、シェル型外輪9を構成する円筒部11の外周面のうちで開口寄り端部及び内向鍔部13の外側面に塗膜21を、底板部12の外側面に塗膜21aを、それぞれ形成している。この為、前述した実施の形態の第1例の作用・効果と、上述した参考例の作用・効果とを、合わせて得られる。
本発明の様に、転がり軸受の軌道輪の表面全体に関して或る程度の耐蝕性を持たせる為に、表面全体に化成処理被膜を形成し、特に高度の耐蝕性を持たせる必要がある部分にのみ塗膜を形成する技術は、シェル型ニードル軸受以外の転がり軸受でも実施可能である。即ち、軸受鋼製の素材に、鍛造加工、切削加工、研削加工を施して成るラジアル軸受用の軌道輪(外輪又は内輪)の表面全体を化成処理被膜により覆い、この軌道輪の一部でシールリップの先端縁が摺接する部分のみを塗膜で覆う事により、本発明の作用・効果を得る事ができる。
1 自在継手
2a、2b ヨーク
3 十字軸
4 シェル型ニードル軸受
5a、5b 腕部
6a、6b 円孔
7 結合基部
8 軸部
9 シェル型外輪
10 ニードル
11 円筒部
12 底板部
13 内向鍔部
14 シールリング
15 芯金
16 弾性材
17 ラジアルシールリップ
18 スラストシールリップ
19、19a 錆
20、20a 隙間
21、21a 塗膜

Claims (3)

  1. 金属板を曲げ形成して成り、使用状態で外側部材に形成した円孔に内嵌固定されるシェル型外輪と、このシェル型外輪の内径側に転動自在に設けられた複数本のニードルとを備え、
    このうちのシェル型外輪は、円筒部と、この円筒部の軸方向一端側全体を塞ぐ底板部と、この円筒部の軸方向他端側から径方向内方に折れ曲がった内向鍔部とを備えたものであるシェル型ニードル軸受に於いて、
    前記シェル型外輪の外面全体が、耐蝕性を有する化成処理被膜により覆われており、
    このシェル型外輪の外面のうちで、前記円孔に内嵌されてこの円孔の内周面と当接する部分には、前記化成処理被膜が露出しており、
    前記シェル型外輪の外面のうちで、前記円孔から外れた部分である軸方向他端寄り部分で、前記各ニードルの内径側に挿入された軸部の外周面に外嵌固定したシールリングを構成するシールリップの先端縁が摺接する可能性がある、前記内向鍔部の外側面及びこの内向鍔部と前記円筒部との連続部の外面が、耐蝕性向上の為の塗膜により更に覆われており、
    前記シールリップの先端縁が、使用状態でこの塗膜の表面にのみ摺接する、
    事を特徴とするシェル型ニードル軸受。
  2. それぞれが二股状に形成された1対のヨークと、これら両ヨークの両端部に互いに同心に形成された、これら両ヨーク毎に1対ずつ、合計4個の円孔と、結合基部の外周面に4本の軸部を放射状に固設して成り、これら各軸部をこれら各円孔内に挿入した状態で前記両ヨークと組み合わされた十字軸と、これら各軸部の外周面とこれら各円孔の内周面との間にそれぞれ設けられた4個のシェル型ニードル軸受とを備えた十字軸式自在継手に於いて、これら各シェル型ニードル軸受が請求項1に記載したシェル型ニードル軸受である事を特徴とする十字軸式自在継手。
  3. 前記各軸部の基端部にそれぞれの基部を外嵌支持された状態で、これら各軸部の基端部と前記各シェル型外輪の開口部との間に設けられた4個のシールリングを備え、これら各シールリングは、これら各シェル型外輪の外面のうち、前記円孔から突出した軸方向他端部外周面に全周に亙り当接するラジアルシールリップと、前記各シェル型外輪の内向鍔部の外側面に全周に亙り当接するスラストシールリップとを備えたものであり、これら各シェル型外輪の円筒部の外周面の軸方向他端部と前記内向鍔部の外側面とが、互いに連続する前記塗膜により覆われている、請求項2に記載した十字軸式自在継手。
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