JP5760320B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は電力変換装置などに使用されるパワー半導体装置に関する。さらに詳しくはIGBTなどのMOS型半導体装置に関する。
IGBTについては、これまで数多くの改良によって、その性能の向上が図られてきている。ここで、IGBTの性能とは、オフ時には、電圧を保持して電流を完全に遮断し、オン時には、できる限り小さい電圧降下、すなわち、小さいオン抵抗で電流を流すことができ、パワー損失の少ないスイッチとしての性能のことである。
IGBTの保持可能な最大電圧、すなわち耐圧の大きさと、オン時の電圧降下との間にはトレードオフ関係が存在し、高耐圧のIGBTほどオン電圧が高くなる。このトレードオフ関係にある特性等を限界まで向上させるためには、電圧保持時に局所的に生じる電界集中を防ぐ構造など、素子の構造設計面での工夫が必要である。
また、IGBTの性能を表す、もう一つの重要な指標として、オン電圧とスイッチング損失(特に、ターンオフ損失)のトレードオフ関係がある。すなわち、一般的には、オン電圧の低いIGBTほどターンオフが遅いので、ターンオフ損失が大きくなる。このターンオフ損失を小さくしようとすると、オン電圧が高くなる。このトレードオフ関係を改善することによってもIGBTの性能の向上を図ることができる。
前述のトレードオフ関係にある特性等をベストな相互関係にするには、アノード側のキャリア濃度を下げるとともに、カソード側のキャリア濃度を上げることによって、アノード側とカソード側のキャリア濃度の比率が1:5程度になるようにすればよい。さらに、nドリフト層でのキャリアライフタイムをできるだけ大きく保つことによって、nドリフト層内の平均キャリア濃度が高くなるようにすればよい。カソード側のキャリア濃度を上げるメカニズムは、IE効果(電子注入促進効果)と呼ばれている。
IE効果の大きいカソード構造として、プレーナゲート構造であって、p型ベース層を囲むように高濃度n層を挿入したHiGT(ハイ コンダクティビティ IGBT)構造などが提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。また、トレンチゲート構造であって、隣り合うトレンチ間のメサ部のp型ベース層の下側に、nドリフト層よりも高濃度のn層を挿入したCSTBT(キャリア ストアード トレンチ ゲート バイポーラ トランジスタ)構造や、IEGT(インジェクション エンハンスメント ゲート トランジスタ)構造などが提案されている(たとえば、特許文献3、非特許文献1参照)。一般に、トレンチゲート構造におけるIE効果の方が前述のプレーナゲート構造におけるIE効果よりも大きく表れ易い。
IGBTにおいて、カソード側偏重の最適キャリア分布を実現するためには、pnp−BJT(Bipolar Junction Transistor)領域部分を減らして、pinダイオード領域を増やすことが有効である。これまで提案されたIE効果を有する構造は、pinダイオード領域の比率を増やすと同時に、さらにn/n接合の順バイアスによるカソード側キャリア濃度の増加も実現されている。
ところで、トレンチゲート構造のIGBTにおいてもpnp−BJT領域部分の比率を減らすことによって、IE効果を高めることができる。pnp−BJT領域部分の比率を減らすには、たとえば、一部トレンチ間のメサ部のp型ベース層を電気的にフローティング状態とすればよい。また、トレンチを深くして、トレンチ底部をpn接合から離すことによっても、IE効果が大きくなる。さらに、メサ部の幅を狭くすることによっても、IE効果が大きくなる。これらの構造は、いずれの場合も、メサ部を流れるホール電流密度が大きくなり、電圧降下によるn/n接合の順バイアスが強くなるためと考えられる。
特開2003−347549号公報 特表2002−532885号公報 特開平8−316479号公報 アイ. オームラ(I. Omura)、他3名、「キャリア インジェクション エンハンスメント エフェクト オブ ハイ ボルテージ MOS デバイシズ −デバイス フィジックス アンド デザイン コンセプト(Carrier injection enhancement effect of high voltage MOS devices −Device physics and design concept)」、ISPSD’97、p.217−220
しかしながら、前述のトレンチゲート構造において、隣り合うトレンチ間のメサ部のp型ベース層の下側に、nドリフト層よりも高濃度のn層を挿入する前述のCSTBT構造やIEGT構造のようにトレンチゲート構造を利用したものでは、エミッタ側偏重のキャリア分布が得られており、特性もかなり向上するが、それでも、まだ、さらなる特性改善の余地はある。つまり、IGBTのオン電圧をさらに下げるには、オン状態のエミッタ側キャリア濃度をさらに上げることが効果的であり、このエミッタ側キャリア濃度を上げてIE効果を大きくする余地はまだ残されている。
また、従来のトレンチゲート構造はプレーナゲート構造に比べて製造プロセスが長く複雑であり、良品率もプレーナゲート構造に比べると低く、製品コストは高くなる傾向がある。さらなる特性向上のためによりいっそうのセル構造の微細化を進めようとすると、製造コストは上昇する一方である。さらにまた、従来のトレンチゲート構造のIGBTには、トレンチ底部に電界が集中しやすくアバランシェ降伏を起こし易いため、一般的に耐圧が低下しやすいという問題もある。
本発明は、以上述べた点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、できるかぎり低コストの製造プロセスを用い、高良品率でIE効果が大きくオン電圧が低く、電圧保持時には局所的な電界集中を抑制して高耐圧化することのできる半導体装置を提供することである。
本発明は、
第1導電型半導体基板の一方の主面側の主電流が流れる活性領域に、
所定のピッチで直交する格子状線パターンの交差点に相当する位置を中心に、円形または長円形のリング状表面と、
該リング状表面側から下層に向かって形成された第1導電型エミッタ領域と
該エミッタ領域の下面に隣接する第2導電型ベース層との積層を有するリング状の突起状半導体領域と、
前記リング状表面の内周側に形成され前記第2導電型ベース層よりも深い溝部と、を有し、
該突起状半導体領域が、前記直交する格子状線パターンに囲まれる領域の50%未満の面積比となる大きさで配置され、
前記活性領域内の前記突起状半導体領域以外の領域は前記第2導電型ベース層より深い位置に達する凹部が設けられ、
前記突起状半導体領域の外周側の凹部側壁にはゲート絶縁膜を介してゲート電極を備え、
前記リング状表面の一部が露出するように、該リング状表面と前記ゲート電極とを覆う第1の層間絶縁膜と、
前記溝部の底面から前記第2導電型ベース層の深さに位置するように形成され、表面が前記第1導電型エミッタ領域よりは深く位置する第2の層間絶縁膜と、
前記第1の層間絶縁膜、前記リング状表面の露出部、および前記第2の層間絶縁膜のそれぞれの表面に接するように被覆されたエミッタ電極と、を有し、
前記第2の層間絶縁膜の表面よりも上部の前記溝部の側壁には、該側壁に沿って高濃度第2導電型コンタクト層が設けられ、
前記エミッタ電極が前記高濃度第2導電型コンタクト層と第1導電型エミッタ領域とに接触し
前記コンタクト層は、前記ベース層の前記溝部側側壁であって、前記エミッタ領域よりも下部に形成されている半導体装置とすることにより、前記本発明の目的が達成される。
また、前記ゲート電極は、前記凹部の側壁および底面に沿って形成され、前記凹部内で対向する2つの側壁に形成された前記ゲート電極の間には、前記第1の層間絶縁膜を備え、前記ゲート電極の厚さは前記凹部の深さよりも薄いことが好ましい。
また、前記活性領域を取りまく外周には環状の耐圧領域を備えることが望ましい。
また、第1導電型半導体基板の一方の主面側の主電流が流れる活性領域に、
所定のピッチで円形、長円形のリング状、多角形またはストライプ状の表面と、
該表面側に形成された第1導電型エミッタ領域と
該エミッタ領域の下面に隣接する第2導電型ベース層との積層を有する突起状半導体領域を有し、
前記活性領域内の前記突起状半導体領域以外の領域は前記第2導電型ベースより深い位置に達する凹部が設けられ、
前記突起状半導体領域を囲む凹部側壁にはゲート絶縁膜を介してゲート電極を備え、
前記突起状半導体領域の表面に接触するエミッタ電極と、
該エミッタ電極と接触し、かつ前記凹部でゲート絶縁膜上に形成された第2のエミッタ電極を備え、
前記ゲート電極は、前記凹部の側壁および底面に沿って形成され、
前記凹部内で対向する2つの側壁に形成された前記ゲート電極には、該ゲート電極を覆って前記エミッタ電極および前記第2のエミッタ電極と絶縁する第1の層間絶縁膜を備え、
前記ゲート電極の厚さは前記凹部の深さよりも薄く、
前記第2のエミッタ電極は、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記凹部下面の半導体基板と絶縁し、前記エミッタ電極は前記凹部下面の半導体基板と離間している構成としてもよい。
また、前記ゲート電極および前記第2のエミッタ電極はポリシリコン膜であり
前記ゲート電極と前記第2のエミッタ電極は、前記層間絶縁膜を挟んで分離しててもよい。
本発明によれば、できるかぎり低コストの製造プロセスを用い、高良品率でIE効果が大きくオン電圧が低く、局所的な電界集中を抑制して高耐圧化することのできる半導体装置を提供することができる。
本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その1)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その2)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図(a)と要部平面図(b)である(その3)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTのユニットセルの配置パターンを示す半導体基板の要部平面図である。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その4)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その5)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その6)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その7)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その8)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その9)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その10)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その11)。 本発明の実施例1にかかる1200V−FS−IGBTと従来の1200V−FS−IGBTのターンオフ損失とオン電圧間のトレードオフ特性比較図である。 本発明の実施例2にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その1)。 本発明の実施例2にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その2)。 本発明の実施例2にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その3)。 本発明の実施例2にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その4)。 本発明の実施例2にかかる1200V−FS−IGBTの製造工程を示す半導体基板の要部断面図である(その5)。 本発明の実施例2にかかる1200V−FS−IGBTと従来の1200V−FS−IGBTのターンオフ特性を示した波形図である。
以下、本発明の半導体装置およびその製造方法の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例の記載に限定されるものではない。
図1〜図12は、実施例1にかかる定格1200V耐圧のFS−IGBTの構造および製造方法を説明するための主要な製造工程を示すシリコン半導体基板の断面図および平面図である。以下、図1〜図12を参照して実施例1にかかるFS−IGBTの構造および製造方法について説明する。抵抗率が50Ωcmで、主面が(100)面のn型FZシリコン半導体基板(以降半導体基板または単に基板と略記する)1を材料とする。まず、半導体基板の主面にスクリーン酸化膜となる500オングストローム(Å)の熱酸化膜3を成長させ、一方の主面にドーズ量4×1013cm−2のボロンイオンを150keVの加速エネルギーで注入して、p型ベース層2を形成する(図1)。次に、ドーズ量5×1015cm−2の砒素イオンを120keVの加速エネルギーで注入し、n型エミッタ領域4を形成する。その後、900℃において20分アニールし、イオン注入による結晶欠陥を回復する(図2)。n型エミッタ領域4を形成した半導体基板面に、パターニングにより、2.5μm幅のリング状レジスト膜15パターンを一定ピッチで繰り返し複数個形成する(図3、4)。各リング状レジスト膜間のピッチは20μmとする。このリング状レジスト膜パターンをマスクとして酸化膜ドライエッチャーで500オングストローム(Å)の厚さの前記熱酸化膜3を除去した後、さらにプラズマエッチャーでシリコン半導体基板1を表面から1.5μmエッチングして掘り下げる(図5)。さらに、前記リング状レジスト膜パターンおよびスクリーン酸化膜3を除去する。このレジスト膜でマスクされた部分はリング状の突起状半導体領域5となって残る。半導体基板の上面から見るとリング状の突起状半導体領域5が、上下左右等間隔に複数配列された表面凹凸構造ができる(図4)。
熱酸化により1000オングストローム(Å)の厚さのゲート酸化膜6を成長させ、その上に3000オングストローム(Å)の厚さのポリシリコン膜7を成長させる(図6)。CMP(化学的機械的研磨装置)により、前記突起状半導体領域5上の前記ポリシリコン膜7を研磨して除去する。シリコンと酸化膜の研磨レート比(選択比)は100:1程度であるので、突起状半導体領域5上のポリシリコン膜7が研磨される際には、その下のゲート酸化膜6が研磨ストッパとして機能する。この研磨によりゲート電極となるポリシリコン膜7の研磨面である上端面と突起状半導体領域5表面のゲート酸化膜6表面とがセルフアラインして面一になると同時に、1.5μmの突起状半導体領域5の段差が1.2μmに低減される(図7)。
パターニングおよびRIE(反応性イオンエッチング)エッチャによるエッチングにより、リング状の突起状半導体領域5中心部の凹み部のポリシリコンを厚さ3000オングストローム分掘り下げる。リング状の突起状半導体領域5の内周側壁下部にはポリシリコンサイドウォール7が残る(図8)。レジスト膜除去後、層間絶縁膜としてBPSG(Boron Phospho Silicate Glass)膜8をCVD法により厚さ1.1μm堆積させる。リング状の突起状半導体領域5の中心部の凹み部は前記BPSG膜8で埋め込まれる(図9)。レジスト膜パターンを形成した後、ドライエッチャーによりBPSG膜8をエッチングする。リング状の突起状半導体領域5の上面のレジストで覆われていない部分においてはBPSG膜8およびゲート酸化膜6が完全に除去されてシリコン面が露出する。一方BPSG膜8で埋め込まれたリング状の突起状半導体領域5の中心部の凹み部はBPSG膜8が残り、シリコン面が露出しない(図10)。図10以降の図面では、BPSG膜8およびゲート酸化膜6を区別せず、BPSG膜8として表されている。
BPSG膜8をマスクとして、ドーズ量3×1015cm−2のボロンイオンを45keVの加速エネルギーで注入し熱処理することでリング状の突起状半導体領域5に高濃度p型コンタクト領域10を形成し、コンタクト抵抗の低減とラッチアップ耐量の向上を図る(図11)。リング状の突起状半導体領域5中心部の凹み部にはBPSG膜8が残っているために、この凹部下側のシリコン面にはボロンイオンが注入されない。
スパッタによりAl−Si表面電極11を成長し、パターニング・エッチングにより、エミッタ電極11、アルミニウムゲート電極(図示せず)、および耐圧領域の電極構造(図示せず)を形成する。裏面シリコンをグラインドにより除去し、ウエハ厚を110μmとする。裏面にリンイオンおよびボロンイオンを注入し、それぞれn型FS層12およびp型コレクタ層13を形成する。表面側に表面保護膜としてポリイミドをスピンコートし、パターニング・エッチングによりAl−Si膜からなる電極パッド構造(図示せず)を露出させる。最後に裏面にアルミニウム−チタン−ニッケル−金の4層金属膜構造のコレクタ電極14をスパッタにより形成し、ウエハプロセスが完了する (図12)。ウエハをチップのサイズにカットすることで、1200V−FS−IGBTのチップが完成する。
以上説明した製造方法ではフォト・エッチング回数合計5回でウエハ工程が終了する。ゲートをエミッタに対して正電位にすると、ゲート酸化膜6に接する突起状p型ベース層2の側面に電子が誘起されてチャネル9が形成される。またゲート酸化膜6に接するn型シリコン層(シリコン半導体基板1)表面には電子蓄積層(図示せず)が形成される。電子はエミッタ電極11−n型エミッタ領域4−チャネル9を通りn型シリコン層(シリコン半導体基板1)に入ると電界により裏面に向けて移動し、n型FS層12を経てp型コレクタ層13に注入され、p型コレクタ層13内では拡散によって裏面コレクタ電極14まで移動する。n型FS層12/p型コレクタ層13間の接合近傍に電子が到達するとn型FS層12側の電位が下がって接合が順バイアスされるためにホールがコレクタより注入されて、n型FS層12−n型シリコン層1中を表面に向かって移動して突起状p型ベース層2に入り、そこからエミッタ電極11に抜ける。電子およびホールの双方のキャリアが注入されるために、n型シリコン層1内部は高注入状態となり、導電度変調が生じて電気抵抗が減少する。
本実施例において、上面から見たp型ベース層の面積の比率は、主電流の流れる活性領域の面積に対して、4.12%と非常に小さく、IE効果が大きい。p型ベース層の、主電流の流れる活性領域に対する面積比率は、図4に破線で示すユニットセル面積に対するリング状半導体領域の面積の比率から求められる。この面積比率が50%未満であれば、IE効果作用によるオン電圧低減効果が得られる。図13に本実施例による1200V−FS−IGBTのオン電圧−ターンオフ損失トレードオフ特性を従来のトレンチゲート型IGBTと比較して示す(横軸はオン電圧、縦軸はターンオフ損失)。従来のトレンチゲート型1200V−FS−IGBTに比べて、本実施例のトレンチゲートIGBTでは、表面側キャリア量が多いためにトレードオフ特性が向上しており、同じ電流密度150A/cm−2で比較するとオン電圧が0.3V低減されていることが分かる。
なお、本実施例では、突起状半導体領域を円形としたが、4角形、6角形及び8角形等の多角形としてよく、直交する格子状線パターンの交差点に相当する位置に突起状半導体領域を形成したが、ハニカム状に突起状半導体領域を配置してもよい。
図14〜図18は、実施例2にかかる定格1200V耐圧のFS−IGBTの構造および製造方法を説明するための主要な製造工程を示すシリコン半導体基板の断面図である。以下、図14〜図18を参照して実施例2にかかるFS−IGBTの構造および製造方法を説明する。なお、実施例1と同じ工程については、実施例1の図を用いて説明する。
抵抗率が50Ωcmで、主面が(100)面のn型FZシリコン半導体基板(以降半導体基板または単に基板と略記する)1を材料とする。まず、半導体基板の主面にスクリーン酸化膜となる350オングストローム(Å)の熱酸化膜3を成長させ、一方の主面にドーズ量4×1013cm−2のボロンイオンを150keVの加速エネルギーで注入して、p型ベース層2を形成する(図1)。次に、ドーズ量5×1015cm−2の砒素イオンを80keVの加速エネルギーで注入し、n型エミッタ領域4を形成する。その後、1000℃において90分アニールし、イオン注入による結晶欠陥を回復する(図2)。ここまでの工程は、実施例1と同じである。
n型エミッタ領域4を形成した半導体基板面に、パターニングにより、2μm幅のストライプ状レジスト膜15aを一定ピッチで繰り返し複数個形成する。各ストライプ状レジスト膜15a間のピッチは30μmとする(図14(a))。このストライプ状レジスト膜15aをマスクとしてふっ酸により350オングストローム(Å)の厚さの前記熱酸化膜3を除去した後、ストライプ状レジスト膜15aを除去し、異方性ドライエッチャーによりシリコン半導体基板1を表面から0.3μmエッチングして掘り下げる(図14(a))。エッチングされた領域は、n型エミッタ領域4が完全に除去され、p型ベース層2が露出する 凹凸部16が形成される(図14(b)) 。さらに、スクリーン酸化膜3を除去する(図14(b))。次に、パターニングにより、凹凸部16を覆うように9μm幅のストライプ状レジスト膜15bを30μmピッチで繰り返し複数個形成する。次に、プラズマエッチャーでシリコン半導体基板1を表面から等方的に1.5μmエッチングする。上面から見ると幅7μmのストライプ状の突起状半導体領域5aが、等間隔にいくつも存在する構造ができる(図15(b))。さらに、前記ストライプ状レジスト膜15bを除去する。このレジスト膜15bでマスクされた部分はストライプ状の突起状半導体領域5aとなって残る。熱酸化により1000オングストローム(Å)の厚さのゲート酸化膜6を成長させ、その上に3000オングストローム(Å)の厚さのポリシリコン膜7を成長させる(図16(a))。
パターニングおよびプラズマエッチャーによるエッチングにより、凹凸部16と非突起部17の2箇所の計3箇所のポリシリコン膜7をストライプ状に除去する。ポリシリコン膜7は、突起状半導体領域5aの側壁の2箇所のポリシリコン膜7aと非突起部17のポリシリコン膜7bに分離される(図16(a))。層間絶縁膜としてBPSG(Boron Phospho Silicate Glass)膜8をCVD法により厚さ1.1μm堆積させる。レジスト膜パターンを形成した後、ドライエッチャーによりBPSG膜8をエッチングする。ストライプ状の突起状半導体領域5の上面とポリシリコン膜7bのレジストで覆われていない部分においてはBPSG膜8が完全に除去される(図17(a))。BPSG膜8をマスクとして、ドーズ量3×1015cm−2のボロンイオンを45keVの加速エネルギーで注入し熱処理することでストライプ状の突起状半導体領域5に高濃度p型コンタクト領域10を形成し、コンタクト抵抗の低減とラッチアップ耐量の向上を図る(図17(b))。BPSG膜8が残っている部分にはボロンイオンが注入されない。
スパッタによりAl−Si表面電極11を成長し、パターニング・エッチングにより、図示しないエミッタ電極11、アルミニウムゲート電極(図示せず)、および耐圧領域の電極構造(図示せず)を形成する。裏面シリコンをグラインドにより除去し、ウエハ厚を110μmとする。裏面にリンイオンおよびボロンイオンを注入し、それぞれn型FS層12およびp型コレクタ層13を形成する。表面側に表面保護膜としてポリイミド(図示せず)をスピンコートし、パターニング・エッチングによりAl−Si膜からなる電極パッド構造(図示せず)を露出させる。最後に裏面にアルミニウム−チタン−ニッケル−金の4層金属膜構造のコレクタ電極14をスパッタにより形成し、ウエハプロセスが完了する (図18)。ウエハをチップのサイズにカットすることで、1200V−FS−IGBTのチップが完成する。
以上説明した製造方法ではフォト・エッチング回数合計6回でウエハ工程が終了する。
ゲートをエミッタに対して正電位にすると、ゲート酸化膜6に接する突起状p型ベース層2の側面に電子が誘起されてチャネル9が形成される。またゲート酸化膜6に接するn型シリコン層(シリコン半導体基板1)表面には電子蓄積層(図示せず)が形成される。電子はエミッタ電極11−n型エミッタ領域4−チャネル9を通りn型シリコン層(シリコン半導体基板1)に入ると電界により裏面に向けて移動し、n型FS層12を経てp型コレクタ層13に注入され、p型コレクタ層13内では拡散によって裏面コレクタ電極14まで移動する。n型FS層12/p型コレクタ層13間の接合近傍に電子が到達するとn型FS層12側の電位が下がって接合が順バイアスされるためにホールがコレクタより注入されて、n型FS層12−n型シリコン層1中を表面に向かって移動して突起状p型ベース層2に入り、そこからエミッタ電極11に抜ける。電子およびホールの双方のキャリアが注入されるために、n型シリコン層1内部は高注入状態となり、導電度変調が生じて電気抵抗が減少する。
本実施例においては分離されたポリシリコン膜7bがエミッタ電極11に接続されているため、ゲート−コレクタ間容量が低減されている。図19に本実施例による1200V−FS−IGBTのターンオフ波形を示す(横軸は時間、縦軸は電圧変化率(dV/dt)とコレクタ電流)。従来のトレンチゲート型1200V−FS−IGBTに比べてゲート−コレクタ間容量が低減されておりスイッチング動作が高速であるため、ターンオフ時の電圧変化率(dV/dt)が向上しており、単位電流あたりのターンオフ損失が91μJ/Aから80μJ/Aに低減されている。
1、 :シリコン半導体基板、n型シリコン層
2、 :p型ベース層
3、 :熱酸化膜
4、 :n型エミッタ領域
5、5a、 :突起状半導体領域
6、 :ゲート酸化膜
7、 :ポリシリコン層、ゲート電極
7a,7b、 :ポリシリコン膜
8、 :BPSG膜
9、 :チャネル
10、 :高濃度p型コンタクト領域
11、 :Al−Si表面電極、エミッタ電極
12、 :n型FS層
13、 :p型コレクタ層
14、 :コレクタ電極
15 :リング状レジスト膜
15a,15b :ストライプ状レジスト膜
16, :凹凸部
17、 :非突起部

Claims (5)

  1. 第1導電型半導体基板の一方の主面側の主電流が流れる活性領域に、
    所定のピッチで直交する格子状線パターンの交差点に相当する位置を中心に、円形または長円形のリング状表面と、
    該リング状表面側から下層に向かって形成された第1導電型エミッタ領域と
    該エミッタ領域の下面に隣接する第2導電型ベース層との積層を有するリング状の突起状半導体領域と、
    前記リング状表面の内周側に形成され前記第2導電型ベース層よりも深い溝部と、を有し、
    該突起状半導体領域が、前記直交する格子状線パターンに囲まれる領域の50%未満の面積比となる大きさで配置され、
    前記活性領域内の前記突起状半導体領域以外の領域は前記第2導電型ベースより深い位置に達する凹部が設けられ、
    前記突起状半導体領域の外周側の凹部側壁にはゲート絶縁膜を介してゲート電極を備え、
    前記リング状表面の一部が露出するように、該リング状表面と前記ゲート電極とを覆う第1の層間絶縁膜と、
    前記溝部の底面から前記第2導電型ベース層の深さに位置するように形成され、表面が前記第1導電型エミッタ領域よりは深く位置する第2の層間絶縁膜と、
    前記第1の層間絶縁膜、前記リング状表面の露出部、および前記第2の層間絶縁膜のそれぞれの表面に接するように被覆されたエミッタ電極と、を有し、
    前記第2の層間絶縁膜の表面よりも上部の前記溝部の側壁には、該側壁に沿って高濃度第2導電型コンタクト層が設けられ、
    前記エミッタ電極が前記高濃度第2導電型コンタクト層と第1導電型エミッタ領域とに接触し
    前記コンタクト層は、前記ベース層の前記溝部側側壁であって、前記エミッタ領域よりも下部に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ゲート電極は、前記凹部の側壁および底面に沿って形成され、
    前記凹部内で対向する2つの側壁に形成された前記ゲート電極の間には、前記第1の層間絶縁膜を備え、
    前記ゲート電極の厚さは前記凹部の深さよりも薄いことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記活性領域を取りまく外周には環状の耐圧領域を備えることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 第1導電型半導体基板の一方の主面側の主電流が流れる活性領域に、
    所定のピッチで円形、長円形のリング状、多角形またはストライプ状の表面と、
    該表面側に形成された第1導電型エミッタ領域と
    該エミッタ領域の下面に隣接する第2導電型ベース層との積層を有する突起状半導体領域を有し、
    前記活性領域内の前記突起状半導体領域以外の領域は前記第2導電型ベースより深い位置に達する凹部が設けられ、
    前記突起状半導体領域を囲む凹部側壁にはゲート絶縁膜を介してゲート電極を備え、
    前記突起状半導体領域の表面に接するエミッタ電極と、
    該エミッタ電極と接触し、かつ前記凹部でゲート絶縁膜上に形成された第2のエミッタ電極を備え、
    前記ゲート電極は、前記凹部の側壁および底面に沿って形成され、
    前記凹部内で対向する2つの側壁に形成された前記ゲート電極には、該ゲート電極を覆って前記エミッタ電極および前記第2のエミッタ電極と絶縁する層間絶縁膜を備え、
    前記ゲート電極の厚さは前記凹部の深さよりも薄く、
    前記第2のエミッタ電極は、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記凹部下面の半導体基板と絶縁し、前記エミッタ電極は前記凹部下面の半導体基板と離間していることを特徴とする半導体装置。
  5. 前記ゲート電極および前記第2のエミッタ電極はポリシリコン膜であり
    前記ゲート電極と前記第2のエミッタ電極は、前記層間絶縁膜を挟んで分離してることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
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