JP5759655B2 - 微結晶セルロースの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は微結晶セルロースの新規な製造方法に関する。
セルロースはβ(1→4)グリコシド結合により融合され、かつ、線状構造を付与するD−グルコース単位から誘導される天然ポリマーである。セロースの多くの特性は鎖長、すなわち、ポリマーを形成するグルコース分子の個数に応じて変化する。この鎖長は重合度と呼ばれることもある。重合度はDP(Degree of Polymerization)という略号で示されることもある。木材パルプ由来のセルロースは一般的に、300〜1700程度からなるDPを有し、コットン(綿)やその他の植物繊維及び細菌起源のセルロースは800〜10000単位からなる鎖長を有する。この値は800〜10000からなるDPに対応する。
微結晶セルロース(別名「MMC」と呼ばれる)は、最初は結晶凝集体からなるセルロースから得られる製品である。MMCは精製された部分解重合セルロースであり、多孔質粒子から構成された白色で無臭かつ無味の粉末である。
MMCは、その結合剤、崩壊剤、希釈剤及び滑沢剤としての特性により、錠剤製造の製剤技術における賦形剤として広範に使用されている。
MMCは化粧品や食品工業でも使用できる。
MMCの最初の商業的製品は1961年発行の特許文献1に記載されている。
MMCは非特許文献1に記載されているような、様々な特性と用途を有し、様々な粒径と含水率のものが市場で入手できる。
様々な品級のセルロースからMMCを得るための様々な方法が最先端技術文献に記載されている。これらの方法の全てにおいて、セルロース鎖は、酵素的に又は熱的に若しくは化学薬品を用いて、部分的に分解される。セルロースの非晶質部分は、これらの処理により加水分解され、溶解され、除去される。
最も使用される処理法の一つは、一般的に、例えば、塩酸などのような強鉱酸の存在下で加水分解的に崩壊させることによる精製セルロース材料の処理からなる。
酸により処理は例えば、前記特許文献1に記載されている。この処理は、105℃以上の温度で2.5規定(N)の塩酸で加水分解された非晶質と結晶質のセルロースを含有する木材パルプを精製し、出発物質として使用する。
特許文献2には、セルロースを酸溶液と接触させて吸出すことからなるMMCの製造方法が記載されている。精製セルロースを使用する場合、この方法は加水分解の単一工程からなる。リグノセルロース物質を使用する場合、リグノセルロース結合を破壊し、これにより精製セルロースを得ることからなるアルカリ性溶媒内での吸出工程を事前に行う必要がある。
特許文献3には高含量のα−セルロースを有する精製セルロースからMMCを製造する幾つかの方法が記載されている。これの方法は、塩酸又は硫酸の存在下で高温(160℃以下)で前記精製セルロースを加水分解する工程を含む。
加水分解工程の最後に、生成物を大量の水で洗浄し、酸性残留物を除去する。この洗浄工程は重要である。なぜなら、非特許文献2における微結晶セルロースに対応するモノグラフに記載されるように、無機不純物の痕跡は幾つかの医薬活性成分の安定性及び寿命を顕著に低下させるからである。従って、MMC内の低含有量無機残留物は錠剤を製造することに関連して特別な利点をもたらす。
特許文献4は180℃〜350℃の範囲内の温度の高圧蒸気を使用することからなるMMCの製造方法を開示している。この方法は出発物質として精製セルロース材料を使用する必要が無い。しかし、使用される温度による或る種のリスクを必然的に伴う。
特許文献5は、化学的に製造されたセルロースパルプからMMCを製造するために、剪断処理と共に高圧蒸気を併用する方法を記載している。前記方法はセルロースファイバーの品質を回復するために事前に精製プロセスを使用する。
特許文献6は、21〜48時間持続する酵素加水分解による高結晶度セルロースの製造方法を開示している。原料は「溶解用」パルプと呼ばれるα−セルロース又は精製木材パルプである。
特許文献7には、セルロース材料をアルカリ溶液に膨潤させ、過酸化水素を添加して粘度を低下させ、そして懸濁液からMMCを分離させることからなるMMCの製造方法が記載されている。得られた生成物は酸溶液で処理し、中和反応を行わせる。
特許文献8には、製紙用セルロースパルプに対してアルカリ性条件下で加水分解処理を行い、続いて酸性溶媒中で加水分解を行うことからなるMMCの製造方法が記載されている。
特許文献9には、乾燥処理が行われなかったセルロースパルプを原料として使用することからなるMMCの製造方法が記載されている。
特許文献10には、セルロース材料を活性酸素化合物の存在下で高温度で高剪断処理することからなるMMCの製造方法が記載されている。「溶解用」セルロースと呼ばれる精製セルロースが一般的に使用される。
従って、現在の最先端の技術文献に記載されている製造方法の欠点を有しない微結晶セルロースの製造方法を提供する必要がある。特に、簡単かつ直ちに入手可能なセルロースを出発物質として使用することができ、エネルギー、水及び薬品などの使用量を低減させることができる微結晶セルロースの製造方法を提供する必要がある。
米国特許第2978446号明細書 国際公開パンフレット第WO−A−99/15564号 スペイン特許第ES−A−428908号公報 米国特許第5769934号明細書 国際公開パンフレット第WO−A−99/60027号 国際公開パンフレット第WO−A−92/14760号 米国特許第6392034号明細書 米国特許第7005514号明細書 国際公開パンフレット第WO−A−02/057540号 国際公開パンフレット第WO−A−2004/011501号
R.C.Rowe et al., Handbook of Pharmaceutical Excipients, 第4版, Pharmaceutical Press, London, 2003年発行(ISBN:0-85369-472-9) Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, John Wiley & Sons, 1985年発行, New York
本発明の目的は、安価で、しかも極めて簡単に入手可能な原料から微結晶セルロースを製造する新規な方法を提供することである。前記方法によれば、エネルギー、水及び薬品の使用量を低減することができる。前記方法により得られた微結晶セルロースは、高コストな噴霧乾燥処理により得られた微結晶セルロースの用途に匹敵するほどの用途的特徴を更に有する。
上記の課題を解決するために、本発明は、
(1)概ね乾燥しているセルロースを圧縮するステップと、
(2)前記圧縮セルロースの重合度を部分的に低減するステップと、
(3)前記ステップ(2)で得られた微結晶セルロースを単離するステップと、
からなる微結晶セルロースの製造方法を提供する。
本発明の方法における重要なステップは、セルロースの重合度の部分低減の前に行われる、概ね乾燥しているセルロースの圧縮ステップである。
(A)は、圧縮していない状態の粉砕「製紙用」セルロース35gを含有するメスシリンダーの写真である。前記セルロースの見掛密度は約0.06g/mlである。(B)は、圧縮された状態の粉砕「製紙用」セルロース35gを含有するメスシリンダーの写真であり、その見掛密度は約0.23g/mlである。 (A)は、9.8w/v%濃度の、圧縮していない状態の粉砕「製紙用」セルロースの水中懸濁液を含有するビーカーの写真である。(B)は、圧縮された粉砕「製紙用」セルロースの濃度9.8w/v%の水性懸濁液を含有するビーカーの写真である。(C)は、圧縮された粉砕「製紙用」セルロースの濃度21.8w/v%の水性懸濁液を含有するビーカーの写真である。これらの写真から明らかなように、ビーカー(C)の水性懸濁液はビーカー(A)の懸濁液よりも固形物を2倍超含有している。従って、圧縮された粉砕「製紙用」セルロースを使用する場合、微結晶セルロース製造能力を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
セルロース
本発明の方法で使用される原料は概ね乾燥しているセルロースである。
前記セルロースは、「セルロースパルプ」又は「セルロースペースト」と呼ばれるセルロースファイバーの水中懸濁物を乾燥させることにより得られる。概ね乾燥しているセルロースの含水率は大体7%〜11%の範囲内である。
セルロースパルプを得るために数種類の木材を使用できる。これは「パルウッド(pulwood)」とも呼ばれる。これには、トウヒ、パイン、モミ及びカラマツなどのような軟質木材及びユーカリノキ、カバノキ、カエデ及びハリエンジュなどのような硬質木材が含まれる。
セルロースの製造は一般的に次ぎのステップからなる。
(1)木材から樹皮を除去するステップと、
(2)特殊なミル(粉砕器)を用いてチップを製造するステップと、
(3)木材の残留成分から一緒に木材保持セルロースファイバを分離するステップ。
ファイバの分離は様々な方法で実施できる。使用する方法に応じて、パルプは機械的、熱化学的又は化学的パルプと呼ばれる。
使用する木材、製造プロセス及び漂白・精製フェーズの組合せは、セルロースが市場で様々な品級及びフォーマットで利用可能なことを意味する。
従って、セルロースの二つの大きなグループは市場では、「製紙用(papaer grade)」と「溶解用(dissolving grade)」に区別されている。
「製紙用」セルロースは紙を製造するために使用されるセルロースであり、例えば、Jari Celulose社から製品名「JARILIPTUS」として市場で大量購入することができる。
「製紙用」セルロースは短繊維又は長繊維を有することができるタイプの木材から得ることも出来る。例えば、ユーカリタプス(短繊維)から得られたセルロースは約1150の重合度を有する。パインウッド(長繊維)から得られたセルロースは約1300の重合度を有する。
「溶解用」セルロースは例えば、レーヨン又は酢酸セルロースなどのようなセルロース誘導体の製造を企図した精製セルロースである。その製造は極めて限定的であり、その特性である純度のために極めて高価である。「溶解用」セルロースは例えば、、Tembec社から「TEMALFA93」の商品名で市販されており市場で入手可能である。
本発明の方法によれば、低重合度でしかも優れた分解特性を有する微結晶セルロースを、容易に入手可能な原料である「製紙用」セルロースから製造できる。本発明の最大の利点は前記原料を使用して実施されることである。
前記説明に拘わらず、前記方法において高純度セルロースを単独原料として又は前記「製紙用」セルロースと混合して使用することもできる。最も代表的な高純度セルロースは「溶解用」セルロースである。
従って、本発明の方法で使用されるセルロースは、「製紙用」セルロース、「溶解用」セルロース及びこれらの混合物からなる群から選択される。「製紙用」セルロース、「溶解用」セルロース又はこれらの混合物は本発明の方法で好ましく使用される。「製紙用」セルロースと「溶解用」セルロースの混合物を使用することが一層好ましい。
「製紙用」セルロースと「溶解用」セルロースの混合物を使用する場合、2種類の原料を任意の混合比率で使用できる。本発明の方法は、100:0〜0:100からなる比率で使用するのに好適である。「製紙用」セルロースと「溶解用」セルロースの混合物は、90:10〜100:0の範囲内の比率で使用することが好ましく、95:5〜99:1の範囲内の比率で使用することが一層好ましい。「製紙用」セルロース100%で使用するのが最も好ましい。
ドライセルロースをロール状又はシート状で提供できる。シートは、捲回されていない、切断された梱包ロールから得られる。このシートの坪量は一般的に、750〜1200g/mの範囲内である。坪量はロール又はシートの1平方メートル当たりのグラム単位の重量を示す。坪量はパルプのタイプ、乾燥プロセス及びセルロースの最終用途に応じて変化する。
ロールは連続作業を容易にするので、本発明の方法ではロール状のセルロースを使用することが好ましい。
セルロースの圧縮
本発明の方法における圧縮ステップは、セルロースの重合度の部分低減の前に、概ね乾燥されたセルロースに対して行われる。
圧縮は、例えば、製錬で一般的に使用されるような常用の圧延機のローラ間にセルロースシートを通過させることにより実施できる。
圧延機は、金属及びセルロースが厚さ低減や比例延伸処理を受けている間に二本の回転シリンダーにより印加される圧力により、製錬製品を成形したり、本発明の場合にはセルロースを圧縮したりするのに使用される装置である。
シリンダー圧延機は、一般的に、スタンドを呼ばれる頑丈な垂直フレームに、2〜4本のシリンダーを、一方のシリンダーを他方のシリンダーの上に水平的にアセンブルした装置である。金属又はセルロースのためのシリンダー間のギャップは調節可能である。3本又は4本のシリンダーを有する圧延機は、先に下部シリンダー間で、次いで、上部シリンダー間で金属又はセルロースを連続的に処理する。2本のシリンダーを有する幾つかの圧延機スタンドは作動シリンダーの何れかの側に配置された、大きな直径を有する補助シリンダーを有することも出来る。
圧延機は一般的に、その直径を大幅に変化させることができる回転シリンダーを有することができる。その直径は115mm〜430mmの範囲内であることができ、また、その幅は130mm〜430mmの範囲内であることができる。
本発明の方法では2本のシリンダーを有する圧延機を使用することが好ましい。
本発明の方法を実施するのに好適な圧延機は市販されており、例えば、ブラジル、のサンパウロ市に所在するGuttmann社製のLA-6モデルなどを使用できる。
圧延機を通過させると、セルロースシートは、6560Nm〜9200Nmの範囲内のトルクを有する245N〜400Nの範囲内の低圧縮力を受ける。
本発明の方法は、重合度の部分低減を実施する前に、圧縮セルロースの粉砕ステップを有する。
前記粉砕は例えば、中程度の硬度の材料をプラスチック(セルロースなどの繊維材料を含む)のような軟質材料にまで粉砕するのに適したナイフミル(knife mill)により実施できる。
このミルは直径が6〜20mmの範囲内の円形開口を有する多孔クロスを具備している。
ナイフミルは、例えば、ブラジルのカラピクイバ(Carapicuiba) 市に所在するRome Moinhos社又はカナダのラバル(Laval)市に所在するLaval Lab社から市販されている装置を使用できる。
圧縮セルロースは通常、2mm〜20mmの範囲内の平均サイズ、例えば、2mm〜10mmの範囲内の平均サイズにまで粉砕される。
圧縮セルロース断片は、非圧縮セルロース断片の見掛密度(一般的に、0.04〜0.06g/mlの範囲内)よりも大きな見掛密度で存在する。
圧縮セルロース断片の見掛密度は一般的に、0.1〜0.25g/mlの範囲内、好ましく0.15〜0.25g/mlの範囲内、一層好ましくは0.20〜0.25g/mlの範囲内である。
図1(A)は、粉砕された「製紙用」セルロースであって圧縮前のものを35g含有するメスシリンダーの写真である。このセルロースの見掛密度は約0.06g/mlである。図1(B)は、圧縮された粉砕「製紙用」セルロースを35g含有するメスシリンダーの写真である。このセルロースの見掛密度は約0.23g/mlである。
図2から明らかなように、濃度9.8w/v%の圧縮前の粉砕「製紙用」セルロースの水性懸濁液(ビーカーA)は、濃度21.8w/v%の圧縮・粉砕「製紙用」セルロースの水性懸濁液(ビーカーC)と同じ容量を占めている。すなわち、ビーカーCの水性懸濁液はビーカーAの水性懸濁液よりも2倍超の固形分を含有していることが認められる。従って、本発明の方法により圧縮セルロースを使用した場合、特定の製造装置について微結晶セルロース製造能力を高めることができる。
セルロースの重合度の部分低減及び微結晶セルロースの単離
重合度はセルロース鎖を形成するグルコースユニットの個数を示すパラメータである。重合度は、O.A. Battista著の"Ind. Eng. Chem.", 1950年発行,42(3),502-507に記載される方法により、銅アンモニウム溶液中でセルロース溶液の粘度を測定することにより決定できる。
本発明の方法により得られた微結晶セルロースは、出発物質のセルロースの重合度が部分的に低減されて存在する。一般的に、その重合度は220〜340の範囲内である。従って、本発明の方法により得られた微結晶セルロースは出発物質のセルロースよりも低い重合度で存在する。
圧縮セルロースの重合度の部分低減は当業者に公知の様々な方法により実施できる。例えば、(a)酸性溶媒中における分解、(b)高温の加圧蒸気による分解、(c)酵素的分解、(d)アルカリ性溶媒中における酸化剤による分解又は(e)アルカリ性溶媒中の分解に続いて酸性溶媒中で加水分解するなどの方法を適宜使用できる。
酸性溶媒中における分解を含むセルロースの重合度の部分低減方法は、例えば、前記特許文献1又は特許文献2に記載されている。
180℃〜350℃の範囲内の高温度の加圧蒸気による分解方法は、例えば、前記特許文献4又は特許文献5に記載されている。
セルロース鎖の長さを低減させるための酵素的分解方法は例えば、前記特許文献6に記載されている。
アルカリ性溶媒中における酸化剤による分解は例えば、前記特許文献7に記載されている。
アルカリ性溶媒中で分解し、続いて酸性溶媒中で加水分解する方法は例えば、前記特許文献8に記載されている。
本発明では、酸性溶媒中における分解方法を使用することが好ましい。
使用出来る酸は、塩酸、硫酸及び硝酸などのような強鉱酸である。塩酸を使用することが好ましい。
本発明の方法では、セルロースの重合度の部分低減が行われたら、生成された微結晶セルロースを単離する。
この目的のために、微結晶セルロースを得るための本発明の方法は、生成物の単離を行うための追加ステップを包含する。これらのステップは、加水分解のために酸性又はアルカリ性溶媒を使用した場合の中和ステップ、微結晶セルロースを含有する懸濁液の濾過ステップ、精製水による洗浄操作による精製ステップ、乾燥ステップ、粉砕ステップ及び粒径に応じた顆粒分級ステップなどである。
重合度の低減プロセスの後の微結晶セルロース中の不純物除去により、大抵の医薬活性成分と適合可能な生成物を得ることができる。微結晶セルロース中の無機不純物の存在は前記活性成分のうちの幾つかの成分類の安定性を低下させることが知られている。
酸性溶媒中の圧縮セルロースの重合度の部分低減を実施する代表的な方法は、140℃にまで加熱された蒸気の圧力及び88℃〜92℃の範囲内の温度までの加熱に耐えられるように製造されたステンレススチール製反応器内に脱イオン水を注入することからなる。例えば、濃度33重量%の塩酸からなる鉱酸と圧縮・粉砕セルロースを撹拌しながら添加する。
水中のセルロースの濃度は大体16.6w/v%〜23.3w/v%の範囲内、好ましくは20.0w/v%〜22.0w/v%の範囲内である。w/w%単位で表した場合の濃度は14.2w/w%〜18.9w/w%の範囲内であり、16.7w/w%〜18.2w/w%の範囲内が好ましい。塩酸のモル濃度は一般的に、0.0052〜0.0130Mの範囲内、好ましくは0.0052〜0.0085Mの範囲内である。
次いで、反応器を閉じ、そして懸濁液を90℃〜160℃、好ましくは130℃〜140℃の範囲内の温度にまで加熱する。
セルロースの懸濁液を撹拌しながら前記温度で、大体2〜5時間、好ましくは2.5時間〜3.5時間維持する。
セルロースの酸加水分解の時間が完了したら、得られた微結晶セルロースを単離する。この目的のために、反応器を冷却し、大気圧に達するまで脱気する。
懸濁液の温度が85℃〜100℃、好ましくは90℃〜100℃の範囲内の時、残留酸をアルカリ性化合物(例えば、炭酸ナトリウム)で、pH値が概ね5.5〜7.0の範囲内の値になるまで、中和する。
微結晶セルロースを単離するために、中和懸濁液を大体70℃〜95℃、好ましくは85℃〜90℃の範囲内の温度で真空下で濾過することができる。
得られた微結晶セルロースケーキを脱イオン水で洗浄し、溶出液の導電率が300μS以下になるまで、中和処理中に生成された塩類の残留物を除去する。
塩類を殆ど含まない湿潤状態の微結晶セルロースを、含水率が概ね2.0%〜6.0%になるまで、流動床乾燥機中で約65℃の温度で乾燥させることができる。微結晶セルロースの収率は一般的に、82%〜84%の範囲内である。
最後に、微結晶セルロースを粉砕し、粒径に応じて分級することができる。
本発明の方法により得られた微結晶セルロースの重合度は大体220〜340の範囲内である。
加水分解ステップ及び精製ステップに対応する脱イオン水の総消費量は、概ね微結晶セルロース1kg当たり水18〜27リットルの範囲内、更に典型的には、微結晶セルロース1kg当たり水19〜23リットルの範囲内である。
熱の消費量は大体、微結晶セルロース1kg当たり2500kWh〜3000kWhの範囲内、更に典型的には、微結晶セルロース1kg当たり2500kWh〜2750kWhの範囲内であると見積もられる。
微結晶セルロースを製造するための本発明の方法は、セルロースの事前圧縮ステップを含まない方法に比べて優れた効果を提供する。
例えば、水容量9000リットルの工業用反応器中で塩酸の存在下で重合度の部分低減を行う場合、原料として圧縮セルロースを使用する方法と非圧縮セルロースを使用する方法との相違を下記に表1に要約して示す。
表1

非圧縮セルロース 圧縮セルロース
パラメータ 単 位 による加工 による加工
見掛密度 kg/m3 40-60 200-250
セルロース重量 kg 920 1800-2000
セルロース水中濃度 W/V% 10.2 20.0-22.2
セルロース懸濁液中濃度 W/W% 9.3 16.7-18.2
HCl(100%)重量 kg 4.3 1.7-2.8
セルロース重量に対する
HCl(100%)重量 kg HCL/kgセルロース 0.0046 0.00085-0.0016
Na2CO3重量 kg 6.24 2.46-4.06
生成NaCl重量 kg 6.89 2.72-4.49
生成CO2重量 kg 2.59 1.02-1.69
加水分解及び精製
における水消費量 L 水/kg MCC 29-33 18-23
乾燥における水消費量 L 水/kg MCC 1.6-2.2 0.8-1.2
エネルギー消費量 kCal/kg MCC 4500-5500 2500-3000
表1に示された結果から明らかなように、加水分解を行う前に圧縮セルロースを使用することからなる微結晶セルロースの製造方法は、非圧縮セルロースを使用する方法に比べて、生成微結晶セルロースのkg当たりのエネルギー、水、及び化学薬品消費量が格段に少なくて済む。
更に、圧縮セルロースを使用すると、重合度の大幅な低減が達成されることが発見された。下記の表2は、圧縮セルロース及び非圧縮セルロースの実験室規模における酸性溶媒における加水分解中の様々な時間における重合度(DP)の値と、DPの初期値に対する前記得られたDP値の割合を%単位で示す。
表2

時 間 圧縮セルロースのDP値 非圧縮セルロースのDP値 0 1236 100 1458 100
1時間 284 22.9 417 28.6
2時間 279 22.5 397 27.2
3時間 248 20.1 392 26.9
表2に示された結果から明らかなように、セルロースの圧縮はセルロースの重合度の補足的低減を生じる。例えば、非圧縮セルロースの場合、DP値は1458であるが圧縮セルロースではDP値は1236であり、これは約15%の低減率を意味する。更に、表2に示された結果から明らかなように、加水分解条件下で、予め圧縮されたセルロースの重合度は、圧縮されていないセルロースの場合よりも急速に低下する。
同時に、圧縮セルロースから得られた微結晶セルロースは、高エネルギーコストで微結晶セルロースを製造する方法で採用されている噴霧乾燥処理により得られた微結晶セルロースの崩壊特性と類似の崩壊特性を有することを意味する重合度が圧縮により得られることが認められる。
前記結果は下記の実施例4に記載されている。実施例4は、本発明の方法により得られた微結晶セルロースから製造されたプラセボ錠剤、非圧縮セルロースから得られた微結晶セルロースから製造されたプラセボ錠剤及び噴霧乾燥法により得られた市販製品のAVICEL PH-102から製造されたプラセボ錠剤に関する崩壊試験を記載する。
驚くべきことに、重合度の低減を行う前にセルロースの圧縮ステップを行うと、下記のような顕著な効果が奏されることが観察された。
(1)反応器内の固形物濃度が上昇する、
(2)エネルギー消費量が低下する、
(3)微結晶セルロースの精製に必要な水の消費量が低下する、
(4)化学薬品の消費量が低下する、
(5)微結晶セルロースの製造に安価で極めて入手容易な原料として「製紙用」セルロースが使用できる、及び
(6)高エネルギー消費量が必要な噴霧乾燥法により得られた微結晶セルロースの崩壊特性に匹敵する崩壊特性を有する微結晶セルロースが得られる。
以下、実施例により本発明の構成及び効果を例証する。
比較例:事前の圧縮ステップ無しの微結晶セルロースの製造
脱イオン水16リットルを反応器内に注入し、88℃〜92℃の範囲内の温度で加熱した。
濃度33重量%の塩酸(HCl)23.1gと「製紙用」セルロース1635gを撹拌しながら添加した。その後、反応器を閉じ、懸濁液を130℃〜140℃の範囲内の温度にまで加熱した。
セルロースの懸濁液を撹拌しながら、1時間40分〜2時間20分の間、前記温度のまま維持した。
セルロースの酸加水分解の期間が完了後、反応器を冷却し、大気圧に達するまで脱気した。
温度が95℃に達した時点で、炭酸ナトリウム(Na2CO3)11.1gを添加し、pH値を5.5〜7.0の範囲内の値に調整した。
中和された懸濁液を70℃〜95℃の範囲内の温度で真空下で濾過した。中和処理中に生成した塩化ナトリウム(NaCl)を除去するために、溶出液の導電率が300μS以下になるまで、微結晶セルロースケーキを脱イオン水で洗浄した。
塩類を殆ど含まない湿潤状態の微結晶セルロースを、含水率が概ね2.0%〜6.0%になるまで、流動床乾燥機中で約65℃の温度で乾燥させる。微結晶セルロースが1206g得られた。
次いで、微結晶セルロースを粉砕し、粒径に応じて分級した。
得られた微結晶セルロースの重合度は325であった。
加水分解ステップ及び精製ステップに対応する脱イオン水の総消費量は微結晶セルロース1kg当たり水29〜33リットルの範囲内であった。
エネルギー消費量は微結晶セルロース1kg当たり4500〜5500kcalの範囲内であると見積もられた。
圧縮・粉砕セルロースの製造
厚さ2.10〜2.25mm、長さ80〜100cm及び幅10〜15cmの「製紙用」セルロースのストリップを使用した。前記セルロースの坪量は730〜780g/mの範囲内であった。
前記ストリップを、ブラジルのサンパウロ市に所在するGuttman社製のLA-6モデル圧延機の回転シリンダー間に導入し、6560〜9200Nmのトルクを有する245N〜400Nの押圧力で圧縮処理した。
ブラジルのカラピクイバに所在するRone Moinhos社製のFB-5530モデル回転ナイフミル内で前記圧縮セルロースストリップを粉砕した。前記回転ナイフミルは直径が6〜20mmの範囲内の円形開口を有する多孔クロスを具備していた。
重合度の低減処理を施すのに好適な圧縮・粉砕セルロースが得られた。
圧縮・粉砕セルロースの見掛密度は0.23g/mlであった。一方、非圧縮・粉砕セルロースの見掛密度は0.07g/mlであった。
微結晶セルロースの製造
脱イオン水16リットルを反応器内に注入し、88℃〜92℃の範囲内の温度で加熱した。
濃度33重量%の塩酸(HCl)8.5gと、実施例1で得られた圧縮・粉砕セルロース3555gを撹拌しながら添加した。次いで、反応器を閉じ、懸濁液を130℃〜140℃の範囲内の温度にまで加熱した。
セルロースの懸濁液を撹拌しながら、2.5時間〜3.5時間の間、前記温度のまま維持した。
セルロースの酸加水分解の期間が完了後、反応器を冷却し、大気圧に達するまで脱気した。
温度が95℃に達した時点で、炭酸ナトリウム(Na2CO3)4.0gを添加し、pH値を5.5〜7.0の範囲内の値に調整した。
中和された懸濁液を70℃〜95℃の範囲内の温度で真空下で濾過した。中和処理中に生成した塩化ナトリウム(NaCl)を除去するために、溶出液の導電率が300μS以下になるまで、微結晶セルロースケーキを脱イオン水で洗浄した。
塩類を殆ど含まない湿潤状態の微結晶セルロースを、含水率が概ね2.0%〜6.0%になるまで、流動床乾燥機中で約65℃の温度で乾燥させた。微結晶セルロースが2590g得られた。
次いで、微結晶セルロースを粉砕し、粒径に応じて分級した。
得られた微結晶セルロースの重合度は220〜340の範囲内であった。
加水分解ステップ及び精製ステップに対応する脱イオン水の総消費量は微結晶セルロース1kg当たり水18〜27リットルの範囲内であった。
乾燥ステップ中の水の消費量は微結晶セルロース1kg当たり水0.8〜1.6リットルの範囲内であった。
エネルギー消費量は微結晶セルロース1kg当たり2500〜3000kcalの範囲内であると見積もられた。
実験室規模での酸性溶媒中における加水分解試験
脱イオン水3190mlを実験室用丸底フラスコに注入し、88℃〜92℃の範囲内の温度で加熱した。
濃度33重量%の塩酸(HCl)70.2gと、実施例1で得られた圧縮・粉砕セルロース100gを撹拌しながら添加した。次いで、還流させながら懸濁液を98℃〜101℃の範囲内の温度にまで加熱した。
セルロースの懸濁液を撹拌しながら、3時間の間、前記温度のまま維持した。
セルロースの酸加水分解の期間が完了後、丸底フラスコを冷却した。
温度が90℃に達した時点で、炭酸ナトリウム(Na2CO3)32.0gを添加し、pH値を5.5〜7.0の範囲内の値に調整した。
中和された懸濁液を70℃〜95℃の範囲内の温度で真空下で濾過した。中和処理中に生成した塩化ナトリウム(NaCl)を除去するために、溶出液の導電率が300μS以下になるまで、微結晶セルロースケーキを脱イオン水で洗浄した。
塩類を殆ど含まない湿潤状態の微結晶セルロースを、含水率が概ね2.0%〜6.0%になるまで、流動床乾燥機中で約65℃の温度で乾燥させた。微結晶セルロースが70g得られた。
次いで、微結晶セルロースを粉砕し、粒径に応じて分級した。
得られた微結晶セルロースの重合度は前記表2に示されている。
プラセボ錠剤の製造
実施例2に記載した方法に従って製造された微結晶セルロースの様々なバッチを崩壊剤として使用し、プラセボ錠剤を製造した。バッチ1及び2は、圧縮され、2mmのサイズにまで粉砕された「製紙用」セルロースから製造された微結晶セルロースからなり、一方、バッチ3は10mmのサイズにまで粉砕されたセルロースからなる。また、比較例として、セルロースの事前圧縮処理無しに得られた微結晶セルロースから製造された錠剤及び噴霧乾燥法により製造されたFMC Biopolymer社から市販されているAVICEL PH-102を用いて錠剤を製造した。
単一成分として微結晶セルロースを有する錠剤を、ブラジルのLawes社製のLOWES2000打錠機で製造した。得られた錠剤の平均重量は450mgであり、12mmのパンチを用いて、107.8N(11kpと同等)及び294N(30kpと同等)の2種類の硬度で圧縮した。
本実施例で製造された錠剤について測定された崩壊時間を下記の表3に示す。
表3

微結晶セルロース 重合度 崩 壊 時 間
107.8N 294N
実施例2,バッチ1 191 42秒 5分14秒
実施例2,バッチ2 199 29秒 3分 8秒
実施例2,バッチ3 220 36秒 4分10秒
比較例 325 13分10秒 >2時間
AVICEL PH-102 237 35秒 6分 8秒
錠剤の崩壊性は米国薬局方に記載された方法に従って標準的な崩壊試験装置を用いて測定した。この試験では、無作為に選択された6個の錠剤と温度37±2℃の水を使用した。表3に示された崩壊時間は各試験における最後の錠剤の崩壊時間である。
錠剤硬度はVanKel社製のジュロメーターで測定した。結果は無作為に選択された10個の錠剤の平均硬度を示す。
表3に示された結果から明らかなように、本発明の方法により製造された微結晶セルロースの重合度は、事前圧縮処理が為されていないセルロースから製造された微結晶セルロースの重合度よりも低い。
また、表3に示された結果から明らかなように、本発明の方法により製造された微結晶セルロースを用いて製造された錠剤の崩壊時間は、噴霧乾燥法により得られた市販の微結晶セルロースを用いて製造された錠剤の崩壊時間に匹敵する。
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。

Claims (10)

  1. (1)乾燥しているセルロースを圧縮するステップと、
    (2)前記ステップ(1)で得られた圧縮されたセルロースの重合度を部分的に低減するステップと、
    (3)前記ステップ(2)で得られた微結晶セルロースを単離するステップと、
    からなることを特徴とする微結晶セルロースの製造方法。
  2. 前記セルロースは、「製紙用」セルロース、「溶解用」セルロース及びこれらの混合物からなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 「製紙用」セルロースと「溶解用」セルロースの混合物を使用する
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 「製紙用」セルロースと「溶解用」セルロースの混合物は90:10〜100:0の範囲内の比率で使用される
    ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記ステップ(1)において、2本のシリンダーを有する圧延機を使用する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. 前記ステップ(2)は、(a)酸性溶媒中での分解、(b)高温度の加圧蒸気による分解、(c)酵素的分解、(d)アルカリ性溶媒中の酸化剤による分解、及び(e)アルカリ性溶媒中で分解し、次いで酸性溶媒中で加水分解する、からなる群から選択される処理法を用いて行われる
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 前記ステップ(2)は、(a)酸性溶媒中での分解を用いて行われる
    ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 酸性溶媒は、塩酸、硫酸及び硝酸からなる群から選択される酸により生成される
    ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 塩酸が使用される
    ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記ステップ(3)のための追加ステップとして、(a)セルロースの加水分解に酸性又はアルカリ性溶媒が使用された場合の中和ステップ、(b)微結晶セルロース含有懸濁液の濾過ステップ、(c)精製水による洗浄操作を用いる精製ステップ、(d)乾燥ステップ、(e)粉砕ステップ及び(f)粒径に応じた分級ステップを包含する
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の方法。
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