JP5757891B2 - 電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラム - Google Patents

電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5757891B2
JP5757891B2 JP2012011006A JP2012011006A JP5757891B2 JP 5757891 B2 JP5757891 B2 JP 5757891B2 JP 2012011006 A JP2012011006 A JP 2012011006A JP 2012011006 A JP2012011006 A JP 2012011006A JP 5757891 B2 JP5757891 B2 JP 5757891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
light
blood vessels
blood vessel
white light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012011006A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013146484A (ja
Inventor
加來 俊彦
俊彦 加來
飯田 孝之
孝之 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012011006A priority Critical patent/JP5757891B2/ja
Publication of JP2013146484A publication Critical patent/JP2013146484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5757891B2 publication Critical patent/JP5757891B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、電子内視鏡で撮影した画像に対して血管を強調する処理を施す電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラムに関するものである。
医療分野において、電子内視鏡を用いた内視鏡診断が普及している。近年の内視鏡診断においては、白色光である通常光のもとで生体組織の表面の全体的な性状を観察する通常観察に加えて、特定の波長に制限された特殊光を用いた特殊光観察も行われるようになっている。
特殊光観察には各種のものがあるが、例えば、波長によって粘膜表層からの深達度が異なるという生体組織の光学特性を利用して、粘膜表層近くに存在する表層血管と、表層血管よりも深層にある中深層血管をそれぞれ強調して表示する血管強調観察が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の内視鏡システムでは、波長が短い青色狭帯域光と、青色狭帯域光よりも波長が長い緑色狭帯域光の2つの波長域の特殊光を照明光として利用して、表層血管と中深層血管のそれぞれの血管を強調する血管強調画像を撮影している。
生体組織に発生する癌などの異常組織においては、血管の状態が正常組織と異なるため、血管強調観察は、早期癌の発見などに有用性が認められている。
特許文献1に記載されているように、青色狭帯域光や緑色狭帯域光といった特殊光を利用して撮影された血管強調画像は、白色光を利用して撮影される通常観察画像と比較すると、明るさが不足することに加えて、色調が変わるという欠点を持っている。明るさ不足については、特許文献1のように、青色狭帯域光や緑色狭帯域光を、キセノンランプなどの白色光を発する白色光源と白色光の一部を色分離するカラーフイルタを組み合わせて生成する場合には、分離した領域の光量が少なくなるため、特に問題となる。
そのため、特許文献1では、特殊光を利用して撮影した血管強調画像を観察用の表示画像としては用いずに、血管領域の座標位置を特定するためだけに利用して、血管強調画像において特定された血管領域の座標位置に基づいて、通常観察画像に対して強調処理を施す第1の方法が提案されている。第1の方法によれば、通常観察画像をベースにして血管強調処理が施されるため、通常観察画像の明るさや色調を保持しつつ、血管領域が強調された血管強調画像を得ることができる。
また、特許文献2では、特殊光を利用して撮影した血管強調画像に基づいて微細血管が密集する病変部の有無を判別して、病変部が有る場合には、通常観察画像に対して多重解像度変換処理を施すことにより血管に相当する空間周波数帯域である高周波成分を抽出して、抽出した高周波成分を通常観察画像に加算することにより病変部を強調する第2の方法が提案されている。第2の方法も、第1の方法と同様に、通常観察画像をベースにして血管強調処理が施されるため、通常観察画像の明るさや色調を保持しつつ、血管が密集する病変部が強調された血管強調画像を得ることができる。
特開2011−135983号公報
しかしながら、特許文献1に記載の第1の方法のように、特殊光を利用して撮影した血管強調画像で血管領域を特定して、通常観察画像において特定した血管領域の座標位置に対応する領域を強調する方法は、特殊光を利用した血管強調画像と白色光を利用した通常観察画像の2つの画像を別々に取得して、それらの画像から1つの表示画像を得るため、フレームレートが低下することに加えて、血管領域の特定処理などの画像処理が複雑になるという問題があった。
特許文献1に記載の第2の方法も、特殊光を利用した血管強調画像と白色光を利用した通常観察画像の2つの画像を別々に取得して、それらの画像から1つの表示画像を得る点では第1の方法と同様であるため、フレームレートの低下や画像処理の複雑化を招くという問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、その目的は、フレームレートの低下や画像処理の複雑化を招くことなく、明るさ不足や色調変化が低減された血管強調観察を可能にすることにある。
本発明の電子内視鏡システムは、被検体内の血管を含む観察部位を撮像する撮像素子を有する電子内視鏡と、白色光を発する白色光源と、前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光を発する補助光源とを有し、前記白色光に前記補助光を追加した照明光を前記観察部位に照射することが可能な照明手段と、前記撮像素子が出力する撮像信号に基づいて、前記白色光に前記補助光を追加した照明光の下で撮影された原画像を得る画像取得手段と、前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施す画像処理手段とを備えている。
前記画像処理手段は、前記白色光のみからなる照明光を照射して得た前記撮像信号に基づいて、通常観察用の表示画像を生成し、前記白色光に前記補助光を加えた照明光を照射して得た前記撮像信号に基づいて血管強調用の表示画像を生成することが好ましい。
前記画像処理手段は、前記白色光に前記補助光を追加した照明光を照射して得た、B、G、R又はY、M、Cの色成分を含む前記原画像に対して、色補正を行って通常観察用の表示画像を生成してもよい。前記補助光は、半導体光源であることが好ましい。
前記白色光源は、例えば、励起光を発する励起光源と、励起光で励起されて、前記白色光の少なくとも一部の波長域の蛍光を発する蛍光体とを有するものである。例えば、前記励起光は、青色領域の光であり、前記蛍光は、緑色領域及び赤色領域の光であり、前記励起光と前記蛍光とによって前記白色光が生成される。
前記白色光源は、例えば、B、G、Rの波長域を含む広帯域光を発する光源である。また、前記撮像素子は、モノクロ撮像素子であり、前記照明手段は、前記白色光源が発する白色光を、B、G、R又はY、M、Cの3色に分光するカラーフイルタを有していてもよい。
前記撮像素子は、撮像面にB、G、R又はY、M、Cの3色の分光特性を有するマイクロカラーフイルタが配列されたカラー撮像素子でもよい。
本発明の画像処理装置は、電子内視鏡を用いて被検体内の血管を含む観察部位を撮像した画像を処理する画像処理装置において、白色光に前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光が追加された照明光の下で前記観察部位を撮像した原画像を取得する画像取得手段と、前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施す画像処理手段とを備えていることを特徴とする。
本発明の画像処理装置の作動方法は、電子内視鏡を用いて被検体内の血管を含む観察部位を撮像した画像を処理する画像処理装置の作動方法において、画像取得手段が、白色光に前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光が追加された照明光の下で前記観察部位を撮像した原画像を取得するステップと、画像処理手段が、前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施すステップとを備えていることを特徴とする。
電子内視鏡を用いて被検体内の血管を含む観察部位を撮像した画像を処理する画像処理方法において、
白色光に前記血管を強調表示するための補助光が追加された照明光の下で前記観察部位を撮像した原画像を取得する画像取得ステップと、
前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記血管の太さに対応する特定の空間周波数帯域が強調された変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施す画像処理ステップとを備えていることを特徴とする画像処理方法。
また、本発明の画像処理プログラムは、コンピュータが実行する画像処理プログラムであり、電子内視鏡を用いて被検体内の血管を含む観察部位を撮像した画像を処理する画像処理プログラムにおいて、前記コンピュータに、白色光に前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光が追加された照明光の下で前記観察部位を撮像した原画像が格納された格納手段から、前記原画像を読み出すステップと、前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施すステップとを実行させることを特徴とする。
本発明によれば、血管強調用の補助光を白色光に追加した照明光を利用して、B、G、Rの画像を得て、これを原画像として多重解像度変換処理を利用して、血管強調用の表示画像を生成するから、血管領域の特定や病変部の有無の判断を行うためだけに利用する画像取得が不要になるため、フレームレートの低下や画像処理の複雑化を招くことなく、明るさ不足や色調変化が低減された血管強調観察を行うことができる。
本発明の電子内視鏡システムの外観図である。 電子内視鏡の先端部の正面図である。 電子内視鏡システムの電気的構成を示すブロック図である。 照明光の分光スペクトルを示すグラフである。 ヘモグロビンの吸収スペクトルを示すグラフである。 生体組織の散乱係数を示すグラフである。 撮像素子のカラーマイクロフイルタの分光特性を示すグラフである。 照明光の照射タイミング及び撮像タイミングを示す説明図である。 通常観察モード及び血管強調観察モードにおける画像処理手順を示す説明図である。 多重解像度変換処理の手順を示すグラフである。 図9とは別の画像処理手順を示す説明図である。 第2実施形態の電子内視鏡システムの電気構成を示すブロック図である。 第2実施形態の光源装置に内蔵される光合流部の説明図である。 第2実施形態のマイクロカラーフイルタの分光特性を示すグラフである。 第2実施形態の光源の発光スペクトルを示すグラフである。 第3実施形態の電子内視鏡システムの電気構成を示すブロック図である。 第3実施形態のロータリフイルタの説明図である。 第3実施形態の照明光の照射タイミング及び撮像タイミングを示す説明図である。 第4実施形態のカプセル内視鏡システムの説明図である。 ワークステーションの構成を示す説明図である。 画像処理プログラムがインストールされた端末の説明図である。
[第1実施形態]
図1に示すように、本発明の第1実施形態の内視鏡システム10は、被検体内の観察部位を撮像する電子内視鏡11と、撮像により得られた信号に基づいて観察部位の観察画像を生成するプロセッサ装置12と、観察部位を照射する光を供給する光源装置13と、観察画像を表示するモニタ14とを備えている。プロセッサ装置12には、キーボードやマウスなどの操作入力部であるコンソール15が設けられている。
電子内視鏡システム10は、白色光のもとで観察部位を観察する通常観察モードと、白色光に補助光を追加して、血管が強調された観察部位の画像を観察する血管強調観察モードの2つの動作モードを備えている。
電子内視鏡11は、被検体内に挿入される可撓性の挿入部16と、挿入部16の基端部分に設けられた操作部17と、操作部17とプロセッサ装置12及び光源装置13との間を連結するユニバーサルコード18とを備えている。
挿入部16は、先端から順に連設された、先端部19、湾曲部20、可撓管部21からなる。図2に示すように、先端部19の先端面には、観察部位に照明光を照射する照明窓22、観察部位で反射した像光が入射する観察窓23、観察窓23を洗浄するために送気・送水を行うための送気・送水ノズル24、鉗子や電気メスといった処置具を突出させる鉗子出口25などが設けられている。観察窓23の奥には、撮像素子44(図3参照)や結像用の光学系が内蔵されている。
湾曲部20は、連結された複数の湾曲駒からなり、操作部17のアングルノブ26を操作することにより、上下左右方向に湾曲動作する。湾曲部20が湾曲することにより、先端部19の向きが所望の方向に向けられる。可撓管部21は、食道や腸など曲がりくねった管道に挿入できるように可撓性を有している。挿入部16には、撮像素子44を駆動する駆動信号や撮像素子44が出力する撮像信号を通信する通信ケーブルや、光源装置13から供給される照明光を照明窓22に導光するライトガイド43(図3参照)が挿通されている。
操作部17には、アンブルノブ26の他、処置具を挿入するための鉗子口27、送気・送水操作を行う送気・送水ボタン、静止画像を撮影するためのレリーズボタンなどが設けられている。
ユニバーサルコード18には、挿入部16から延設される通信ケーブルやライトガイド43が挿通されており、一端には、プロセッサ装置12および光源装置13側にコネクタ28が取り付けられている。コネクタ28は、通信用コネクタと光源用コネクタからなる複合タイプのコネクタであり、通信用コネクタには通信ケーブルの一端が、光源用コネクタにはライトガイド43の一端がそれぞれ配設される。電子内視鏡11は、このコネクタ28を介して、プロセッサ装置12および光源装置13に着脱自在に接続される。
図3に示すように、光源装置13は、半導体光源ユニット31と、これらを駆動制御する光源制御部32とを備えている。光源制御部32は、光源装置13の各部の駆動タイミングや同期タイミングなどの制御を行う。
半導体光源ユニット31は、特定の波長域に制限された狭帯域光をそれぞれ発光する3つのレーザ光源LD1〜LD3を有している。図4に示すように、レーザ光源LD1は、青色(B色)領域において、例えば波長域が440±10nmに制限され、中心波長が445nmの狭帯域光Nを発光する。レーザ光源LD2は、青色(B色)領域において、例えば波長域が400±10nmに制限され、中心波長が405nmの狭帯域光である補助光SL1を発光する。レーザ光源LD3は、緑色(G色)領域において、例えば波長域が540±10nmに制限され、中心波長が540nmの狭帯域光である補助光SL2を発光する。レーザ光源LD1、LD2、LD3としては、InGaN系、InGaNAs系、GaNAs系のレーザダイオードを用いることができる。また、レーザ光源LD1〜LD3としては、高出力化が可能なストライプ幅(導波路の幅)が広いブロードエリア型のレーザダイオードが好ましい。
光源制御部32は、ドライバ33を介してレーザ光源LD1〜LD3の点灯、消灯、光量の制御を行う。レーザ光源LD1〜LD3が発光する光は、光ファイバ34によってコンバイナ36に導光される。コンバイナ36は、各光ファイバ34からの光を合波する機能を持つ光学部材であり、選択的に入射する各光ファイバ34からの光の光軸を1つに結合する。コンバイナ36の下流側には、蛍光体37が設けられている。
図4に示すように、蛍光体37は、445nmの狭帯域光Nによって励起されて、緑色領域から赤色領域に渡る波長域の蛍光FLを発光する。蛍光体37は、狭帯域光Nの一部を吸収して蛍光FLを発光するとともに、残りの狭帯域光Nを透過させる。蛍光体37を透過する狭帯域光Nは、蛍光体37によって拡散される。透過する狭帯域光Nと励起される蛍光FLによって白色光が生成される。つまり、レーザ光源LD1と蛍光体37によって白色光源が構成される。蛍光体37としては、例えば、YAG系、BAM(BgMgAl1017)系等の蛍光体が使用される。
レーザ光源L2、L3が発する補助光SL1、SL2は、血管強調観察モードにおいて、白色光に追加されて使用される補助光である。補助光SL1、SL2の波長域では蛍光体37は励起されず、補助光SL1、SL2は蛍光体37を透過する。
図5に示すように、血液のヘモグロビンの吸光係数μaは、波長依存性を有しており、波長が450nm以下の領域において急激に上昇し、405nm付近においてピークを有している。また、波長が450nm以下と比較すると低い値ではあるが、波長が530nm〜560nmにおいてもピークを有している。吸光係数μaが大きな波長の光を観察部位に照射すると、血管においては吸収が大きいので、血管とそれ以外の部分とのコントラストが大きな像が得られる。
また、図6に示すように、生体組織の光の散乱特性にも波長依存性があり、短波長になるほど散乱係数μSは大きくなる。散乱は生体組織内への光の深達度に影響する。すなわち、散乱が大きいほど、生体組織の粘膜表層付近で反射される光が多く、中深層に到達する光が少ない。そのため、短波長であるほど深達度は低く、長波長になるほど深達度は高い。こうしたヘモグロビンの吸光特性と生体組織の光の散乱特性を鑑みて、補助光SL1と補助光SL2の波長が選択される。
補助光SL1、SL2は、ともにヘモグロビンの吸光係数μaが比較的高い波長域であり、補助光SL1は、深達度が低いので、観察画像において表層血管を高コントラストで描出するための補助光として利用され、補助光SL2は、比較的深達度が高いので、中深層血管を高コントラストで描出するための補助光として利用される。
蛍光体37の下流側には、集光レンズ38とロッドインテグレータ39が配置されている。集光レンズ38は、蛍光体37が発する光を集光して、ロッドインテグレータ39に入射させる。ロッドインテグレータ39は、入射した光を内部で多重反射させることにより面内光量分布を均一化して、光源装置13に接続された電子内視鏡11のライトガイド43の入射端に光を入射させる。
電子内視鏡11は、ライトガイド43、撮像素子44、アナログ処理回路45(AFE:Analog Front End)、撮像制御部46を備えている。ライトガイド43は大口径光ファイバ、バンドルファイバなどであり、ライトガイド43の入射端が配置されたコネクタ28が光源装置13に接続されたときに、入射端が光源装置13のロッドインテグレータ39の出射端と対向する。
照明窓22の奥には、照明光の配光角を調整する照射レンズ48が配置されている。光源装置13から供給された光はライトガイド43により照射レンズ48に導光されて照明窓22から観察部位に向けて照射される。観察窓23の奥には、対物光学系51と撮像素子44が配置されている。観察部位で反射した像光は、観察窓23を通して対物光学系51に入射し、対物光学系51によって撮像素子44の撮像面44aに結像される。
撮像素子44は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどからなり、フォトダイオードなどの画素を構成する複数の光電変換素子がマトリックスに配列された撮像面44aを有している。撮像素子44は、撮像面44aで受光した光を光電変換して、各画素においてそれぞれの受光量に応じた信号電荷を蓄積する。信号電荷はアンプによって電圧信号に変換されて読み出される。電圧信号は撮像信号として撮像素子44から出力されて、撮像信号はAFE45に送られる。
撮像素子44は、カラー撮像素子であり、撮像面44aには、図7に示すような分光特性を有するB、G、Rの3色のマイクロカラーフイルタが各画素に割り当てられている。マイクロカラーフイルタによって、レーザ光源LD1と蛍光体37によって生成される白色光がB、G、Rの3色に分光される。マイクロカラーフイルタの配列は例えばベイヤー配列である。
図8に示すように、通常観察モードにおいては、撮像素子44は、1フレームの取得期間内で、信号電荷を蓄積する蓄積動作と、蓄積した信号電荷を読み出す読み出し動作が行なわれる。図8(A)に示すように、通常観察モードにおいては、蓄積タイミングに合わせてレーザ光源LD1が点灯し、照明光として狭帯域光Nと蛍光FLとからなる白色光が観察部位に照射され、その反射光が撮像素子44に入射する。白色光はマイクロカラーフイルタで色分離されて、B画素が狭帯域光Nに対応する反射光を受光し、G画素が蛍光FLの中のG成分を、R画素が蛍光FLの中のR成分に対応する反射光を受光する。撮像素子44は、B、G、Rの各画素の輝度値が混在した1フレーム分の撮像信号B、G、Rをフレームレートに従って順次出力する。こうした撮像動作は、通常観察モードに設定されている間、繰り返される。
血管強調観察モードにおいては、図8(B)に示すように、蓄積タイミングに合わせてレーザ光源LD1に加えて、レーザ光源LD2、LD3が同時に点灯する。レーザ光源LD1が点灯すると、通常観察モードと同様に、照明光として狭帯域光Nと蛍光FLとからなる白色光(N+FL)が観察部位に照射される。レーザ光源LD2、LD3が点灯すると、白色光(N+FL)に、補助光SL1、SL2が追加されて、これらが照明光として観察部位に照射される。
通常観察モードと同様に、白色光に補助光SL1、SL2が追加された照明光は、撮像素子44のB,G,Rのマイクロカラーフイルタで分光される。B画素は、狭帯域光Nに加えて、補助光SL1を受光する。G画素は、蛍光FLのG成分に加えて、補助光SL2を受光する。R画素は、蛍光FLのR成分を受光する。血管強調観察モードにおいても、撮像素子44は、B、G、Rの各画素の輝度値が混在した1フレーム分の撮像信号B、G、Rをフレームレートに従って順次出力する。こうした撮像動作は、血管強調観察モードに設定されている間、繰り返される。
AFE45は、相関二重サンプリング回路(CDS)、自動ゲイン制御回路(AGC)、及びアナログ/デジタル変換器(A/D)(いずれも図示省略)から構成されている。CDSは、撮像素子44からの撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、信号電荷のリセットに起因するノイズを除去する。AGCは、CDSによりノイズが除去された撮像信号を増幅する。A/Dは、AGCで増幅された撮像信号を、所定のビット数に応じた階調値を持つデジタルな撮像信号に変換してプロセッサ装置12に入力する。
撮像制御部46は、プロセッサ装置12内のコントローラ56に接続されており、コントローラ56から入力されるベースクロック信号に同期して、撮像素子44に対して駆動信号を入力する。撮像素子44は、撮像制御部46からの駆動信号に基づいて、所定のフレームレートで撮像信号をAFE45に出力する。
プロセッサ装置12は、コントローラ56の他、DSP(Digital Signal Processor)57、画像処理部58と、フレームメモリ59と、表示制御回路60を備えている。コントローラ56は、CPU、制御プログラムや制御に必要な設定データを記憶するROM、プログラムをロードして作業メモリとして機能するRAMなどからなり、CPUが制御プログラムを実行することにより、プロセッサ装置12の各部を制御する。
DSP57は、撮像素子44が出力する撮像信号を取得する。DSP57は、B、G、Rの各画素に対応する信号が混在した撮像信号を、3色の撮像信号に分離し、各色の撮像信号に対して画素補間処理を行って、B、G、Rの各色の分光画像を生成する。この他、DSP57は、ガンマ補正や、B、G、Rの各分光画像の撮像信号に対してホワイトバランス補正などの信号処理を施す。
フレームメモリ59は、DSP57が出力する画像データや、画像処理部58が処理した処理済みのデータを記憶する。表示制御回路60は、フレームメモリ59から画像処理済みの画像データを読み出して、コンポジット信号やコンポーネント信号などのビデオ信号に変換してモニタ14に出力する。
図9(A)に示すように、画像処理部58は、通常観察モードにおいては、DSP57によって色分離されたB、G、Rの分光画像B、G、Rに基づいて、通常観察画像を生成する。画像処理部58は、フレームメモリ59内の分光画像B、G、Rが更新される毎に、通常観察用の表示画像を生成する。
図9(B)に示すように、画像処理部58は、血管強調観察モードにおいては、まず、DSP57によって色分離されたB、G、Rの分光画像B、G、Rに基づいて、多重解像度変換処理を施して、空間周波数帯域が異なる複数のレベルの変換画像を生成し、表層血管に対応する周波数帯域の変換画像と、中深層血管に対応する周波数帯域の変換画像に対して強調処理を施す。そして、強調処理された変換画像を、再び分光画像B、G、Rに復元して、血管強調観察用の表示画像を生成する。
多重解像度変換処理と強調処理の概要を示す図10において、画像Pは、処理前の分光画像B、G、Rによって生成される画像を示す。画像Pには、相対的に血管が細い表層血管66と、血管が太い中深層血管67が描出されている。画像処理部58は、分光画像B、G、Rからなる画像Pを入力画像として、入力画像に基づいて、輝度信号と色差信号に分離するYC分離処理を行う。そして、分離された輝度信号で表されるY画像に対して、ラプラシアンピラミッド方式の多重解像度変換処理を施す。
多重解像度変換処理では、まず、原画像である入力画像に対して、LPF(ローパスフイルタ)によってフイルタリング処理が施されて、さらに、フイルタリング処理済みの画像に対して、例えば1画素おきにサンプリングされて間引き処理が行われる。これにより、原画像に対して解像度が低い第1の低解像度中間画像sLR1が生成される。第1の低解像度中間画像sLR1は、間引き処理によって画像サイズが1/4になっているので、1画素おきに「0」が補間(行毎、列毎に「0」の行、列を補間)されて原画像と同じサイズに戻される。「0」を補間すると、画素値の変化が滑らかになっていないので、再度LPF(ローパスフイルタ)によってフイルタリング処理が施される。こうして原画像に対して解像度が低い第1の低解像度画像LR1が生成される。第1の低解像度画像LR1は、空間周波数の帯域的には、原画像であるY画像(輝度画像)の半分よりも高い帯域が消えたようなボケ画像となっている。
次いで、画像処理部58は、原画像であるY画像から第1の低解像度画像LR1を差し引いて、空間周波数の帯域的には、原画像の空間周波数のうち高い周波数帯域のみを表す差分画像D1を得る。
画像処理部58は、以上の処理を、第1の低解像度中間画像sLR1を原画像として、実行して、差分画像D2を得る。すなわち、第1の低解像度中間画像sLR1に対して、LPFによるフイルタリング処理と間引き処理を行って、第2の低解像度中間画像sLR2を得る。第2の低解像度中間画像sLR2は、第1の低解像度中間画像sLR1と比較にして、画像サイズが1/4の画像である。そして、第2の低解像度中間画像sLR2に対して、補間処理とLPFによるフイルタリング処理を施して、第2の低解像度画像LR2を生成する。第2の低解像度画像LR2は、第1の低解像度画像sLR1と比較すると、画像サイズが同じで、空間周波数の帯域的には、半分よりも高い周波数帯域が消えた画像になっている。そして、原画像である第1の低解像度画像sLR1から第2の低解像度画像LR2を差し引いて、原画像の空間周波数のうち高い周波数帯域のみを表す差分画像D2を得る。
表層血管66は血管が細く、中深層血管は太いため、表層血管66は、画像Pにおいて空間周波数帯域が高い成分で描出され、中深層血管67は、空間周波数帯域が相対的に低い成分で描出される。差分画像D1、D2は、空間周波数帯域が異なる第1及び第2のレベルの変換画像であり、LPFのフイルタリング処理の程度や補間処理の程度を、画像Pにおける表層血管及び中深層血管の太さに応じて適宜設定することで、表層血管が明瞭に描出された差分画像D1と、中深層血管が明瞭に描出された差分画像D2を得ることができる。
画像処理部58は、差分画像D1、D2に対して、それぞれエッジ強調処理を施す。これにより、差分画像D1、D2において表層血管と中深層血管の輪郭がさらに強調される。そして、強調処理が施された差分画像D1、D2は、入力画像であるY画像に加算される。差分画像D2は、Y画像よりも画像サイズが小さいので、画像サイズを合わせるために加算処理の前に補間処理が施される。差分画像D1、D2が加算されたY画像は、YC合成処理によって、分光画像B、G、Rに戻されて、画像PEが生成される。画像PEは、多重解像度変換処理によって生成された差分画像D1、D2が加算されるため、処理前の画像Pと比較して、表層血管及び中深層血管の輪郭が明瞭に描出される。
画像PEは、通常観察用の画像と同様に照明光として白色光が使用されているので、色調も通常観察用の画像と比較して大きな変化はなく、明るさの不足も無い。また、補助光SL1、SL2が追加されているため、補助光SL1、SL2が無い白色光のみの場合と比較して、表層血管及び中深層血管が高コントラストで表示される。
以下、上記構成による作用について、図9を参照しながら説明する。内視鏡診断を行う場合には、電子内視鏡11をプロセッサ装置12と光源装置13に接続し、プロセッサ装置12と光源装置13の電源を入れて、電子内視鏡システム10を起動する。起動時は、例えば通常観察モードで起動される。
電子内視鏡11の挿入部16を被検者の消化管内に挿入して、消化管内の観察が開始される。通常観察モードでは、図9(A)に示すように、レーザ光源LD1が点灯し、狭帯域光Nと蛍光FLからなる白色光が光源装置13から電子内視鏡11に供給される。白色光は、ライトガイド43を通じて照明窓22から消化管内の観察部位に照射される。観察部位で反射した反射光は、観察窓23を通じて撮像素子44に入射する。
撮像素子44は、マイクロカラーフイルタによって反射光をB、G、Rの各色に分光し、それぞれの受光量に応じた撮像信号を出力する。撮像信号はデジタル信号に変換されてプロセッサ装置12のDSP57に入力される。DSP57では、撮像信号に混在するB、G、Rの各色の信号を色分離して、B、G、Rの分光画像を生成して、フレームメモリ59に記録する。
画像処理部58は、フレームメモリ59からB、G、Rの分光画像を読み出し、読み出した3色の画像に基づいて、通常観察用の表示画像を生成する。表示制御回路60は、通常観察用の表示画像をビデオ信号に変換してモニタ14に表示する。通常観察モードにおいては、こうした処理が繰り返される。
血管強調観察を行う場合には、コンソール15によってモード切り換え操作が行われる。プロセッサ装置12にモード切り換え信号が入力されると、通常観察モードから血管強調観察モードにモードが切り替わる。
血管強調観察モードでは、図9(B)に示すように、レーザ光源LD1に加えて、レーザ光源LD2、3が点灯する。そして、白色光に加えて、補助光SL1、SL2が白色光に追加されて電子内視鏡11に供給され、照明窓22から観察部位に照射される。
撮像素子44は、通常観察モードと同様に、マイクロカラーフイルタによって、反射光をB、G、Rの各色に分光し、それぞれの受光量に応じた撮像信号を出力する。通常観察モードと異なり、白色光に補助光SL1、SL2が追加されているので、撮像信号には白色光のB、G、Rの色成分に加えて、補助光SL1、SL2の成分に応じた信号が含まれている。撮像信号はデジタル信号に変換されてプロセッサ装置12のDSP57に入力される。DSP57では、撮像信号に混在するB、G、Rの各色の信号を色分離して、B、G、Rの分光画像を生成して、フレームメモリ59に記録する。
血管強調観察モードにおいては、画像処理部58は、フレームメモリ59からB、G、Rの分光画像を読み出し、読み出した3色の画像に基づいて、図10に示す多重変換処理を施す。そして、多重変換処理によって、表層血管の輪郭が強調された差分画像D1と、中深層血管の輪郭が強調された差分画像D2とを生成し、それぞれの差分画像D1、D2に対してエッジ強調処理を施す。差分画像D1、D2は原画像に加算されて、血管強調観察用の表示画像である画像PE(図10参照)が生成される。表示制御回路60は、血管強調観察用の表示画像をビデオ信号に変換してモニタ14に表示する。血管強調観察モードにおいては、こうした処理が繰り返される。
画像PEは、多重解像度変換処理によって生成された差分画像D1、D2が加算されたものであるため、処理前の画像Pと比較して、表層血管及び中深層血管の輪郭が明瞭に描出される。また、画像PEは、通常観察用の画像と同様に照明光として白色光が使用されているので、色調も通常観察用の画像と比較して大きな変化はなく、明るさの不足も無い。
しかも、画像PEは、照明光として白色光に補助光SL1、SL2を追加した照明光を利用して撮影された画像Pを原画像として生成されたものである。画像Pは、補助光SL1、SL2が無い白色光のみを照明光として得た画像と比較して、補助光SL1、SL2が追加されている分、表層血管及び中深層血管が高コントラストで描出される。そのため、白色光のみでは明瞭に描出されない血管の情報も含んでいる。そして、多重解像度変換は、原画像から表層血管及び中深層血管に対応する空間周波数帯域である高周波成分を抽出する処理であるため、原画像において表層血管及び中深層血管のコントラストが高いほど、高周波成分を抽出した変換画像においても表層血管及び中深層血管のコントラストは高く明瞭に描出される。また、原画像において描出された表層血管及び中深層血管の情報が多いほど、変換画像における血管の情報量も多くなる。
また、血管強調観察モードにおいては、白色光に補助光SL1、SL2を加える点で通常観察モードと異なるが、多重解像度変換処理を行うまでの前処理については、通常観察モードと同様である。そのため、従来の特許文献1のように、血管領域を特定するための画像を取得する必要も無いため、処理も簡単に行うことができる。また、従来の特許文献1のように、血管領域の特定や病変部の有無の判断のためだけに利用する画像を取得する必要もないため、フレームレートが低下することもない。
つまり、本発明においては、白色光に補助光SL1、SL2を追加して、多重解像度変換処理の対象となる原画像における表層血管及び中深層血管の描出性能を高めることで、従来のように血管領域の特定や病変部の有無の判断のためだけに利用する画像の取得を省略している。こうした構成によってフレームレートの低下が防止される。
また、多重解像度変換処理は、空間周波数帯域が異なる複数のレベルの高周波成分を分離して抽出することが可能な処理である。本発明は、こうした多重解像度変換処理の利点を活かして、表層血管及び中深層血管をそれぞれ分離して抽出して、それぞれに対して強調処理を施している。表層血管及び中深層血管のそれぞれの深さに応じた補助光SL1、SL2を白色光に追加すると、原画像において複数のレベルの高周波成分に対応する表層血管及び中深層血管のそれぞれのコントラストが向上するため、補助光SL1、SL2を追加する構成と、複数のレベルの高周波成分をそれぞれ分離して抽出する多重解像度変換処理とは相乗的な効果を発揮する。
なお、多重解像度変換処理については特許文献1に記載されているが、特許文献1に記載されている多重解像度変換処理は、画像内の血管とそれ以外の部分を分離するための処理であり、本発明のように表層血管と中深層血管のそれぞれに対応する空間周波数帯域毎に分離、抽出する処理についての開示は無い。
上記実施形態では、通常観察モードと血管強調観察モードをそれぞれ独立して実行する例で説明したが、通常観察モードと血管強調観察モードを、例えば1フレーム単位で交互に実行してモニタ14に各モードの表示画像を同時並列的に表示してもよい。
上記実施形態では、多重解像度変換処理におけるLPFによるフイルタリング処理について、予め設定されたパラメータによって行う例で説明しているが、処理のパラメータを観察画像に描出される血管の表示倍率に応じて変更してもよい。表層血管や中深層血管は、おおよその太さが分かっているため、標準的な撮影距離を想定すれば、表示倍率をある程度予測することができるので、上記実施形態で例示したように、予測値に基づいてフイルタリング処理のパラメータを固定しても血管強調の精度をある程度確保することはできる。
しかし、より高い精度を求める場合には、表示倍率に応じて処理のパラメータを変更するとよい。血管の表示倍率が変わると、観察画像に描出される血管の太さも変化する。血管の太さが変わると、血管に対応する空間周波数帯域も変化するので、同じ表層血管でも、表示倍率によって空間周波数帯域が変化するからである。表示倍率に応じてフイルタリング処理のパラメータを変化させることで、表層血管や中深層血管を精度よく強調することができる。
表示倍率が変化する要因としては、観察部位と観察部23との間の撮影距離や、ズームレンズを採用した場合のズーム倍率が考えられる。撮影距離を測定する簡単な方法としては、撮像素子44が受光する反射光の平均輝度を利用する方法がある。撮影距離が近ければ反射光量が多くなるため平均輝度が上がり、撮影距離が遠ければ反射光量が少なくなるため平均輝度は下がる。ズームレンズを使用した場合には、レンズの移動量を検知してズーム倍率を測定する。こうした表示倍率を測定する処理は、例えば、プロセッサ装置12のコントローラ56が実行する。
また、上記実施形態では、多重解像度変換処理によって、表層血管及び中深層血管のそれぞれの空間周波数帯域に対応する差分画像D1、D2を生成した後、差分画像D1、D2に対してエッジ強調処理を行う例で説明しているが、エッジ強調処理を行わずに、単に原画像に対して差分画像D1、D2を加算するだけでもよい。差分画像D1、D2は表層血管及び中深層血管の輪郭部分を抽出した画像であるため、これを加算するだけでも血管強調の効果は得られるからである。
また、上記実施形態は、通常観察モードの照明光としては白色光のみを利用し、血管強調観察モードの照明光としては白色光に補助光SL1、SL2を追加した照明光を利用する例で説明しているが、図11に示すように、血管強調観察モードの照明光を通常観察モードの照明光として利用してもよい。
この場合、光源装置13は、通常観察モードにおいても、レーザ光源LD1に加えて、レーザ光源LD2、LD3を点灯させて、白色光に補助光SL1、SL2を加えた照明光を電子内視鏡11に供給する。画像処理部58は、血管強調観察モードの場合には、上述のとおり、DSP57が出力する分光画像B、G、Rに基づいて多重解像度変換処理によって差分画像D1、D2を生成する。そして、差分画像D1、D2に対して強調処理を施し、処理済みの差分画像D1、D2を原画像に加算する処理を行って血管強調観察用の表示画像を生成する。
一方、通常観察モードにおいては、多重解像度変換処理を行わずに、色補正処理を行う。白色光に補助光SL1、SL2を追加した場合には、白色光のみの場合と比較すると、分光スペクトルが変化する。色補正処理では、白色光のみの分光スペクトルに近付けるように色補正が行われる。このように、通常観察モードと血管強調観察モードのどちらも、同じ照明光を利用すれば、光源装置13の切り換え制御も不要になるので、より処理を簡便化することができる。
また、補助光として、表層血管及び中深層血管のそれぞれを強調するための2種類の補助光を追加する例で説明したが、いずれか一方のみでもよい。例えば、レーザ光源LD1のように、青色狭帯域光を励起光とする白色光を生成する場合には、青色狭帯域光については比較的高い光量が得られるので、中深層血管を強調するための補助光SL2のみを追加するだけでもよい。
また、本例では、半導体光源としてレーザ光源を使用しているが、レーザ光源の代わりにLED光源でもよい。また、補助光源として半導体光源を使用しているが、半導体光源は、キセノンランプなどが発する広帯域の白色光の一部を分光フイルタで切り出す場合と比較して、高い出力の狭帯域光が得られるので、補助光源としては好ましい。図5に示すように、血中ヘモグロビンの吸光スペクトルにおいては、吸光係数μaが高い波長域は、特定の波長域に限られているため、高いコントラストで血管を描出するには、補助光としては高い出力の狭帯域光を利用することが好ましいからである。
また、本例では、青色領域の励起光を発する励起光源と、緑色領域と赤色領域の蛍光を発する蛍光体とで白色光源を構成する例で説明したが、これ以外でも、例えば、紫外領域の励起光を発する励起光源と、緑色領域の蛍光を発する蛍光体と、青色領域の光を発する青色半導体光源と、赤色領域の光を発する赤色半導体光源とで白色光源を構成するなど、様々な組み合わせが考えられる。白色光源の構成は、こうした組み合わせの中から適宜選択することが可能である。
「第2実施形態」
図12〜図16に示す第2実施形態は、第1実施形態と光源の形態が異なる。以下、第2実施形態について、主として第1実施形態との相違点について説明し、共通部分については同一の符号を示し説明を省略する。
図12に示すように、第2実施形態の電子内視鏡システム101は、光源装置102を備えている。光源装置102は、白色光源103と、半導体光源ユニット104を備えている。
白色光源103は、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプなど、赤色領域から青色領域(約400〜700nm)にわたる広い波長域において発光スペクトルが連続する広帯域の白色光を発生する。白色光源103は、既存の光源装置の多くに搭載されているものと同様であり、既存の光源装置からの部品の流用が可能である。
白色光源103は、白色光を放射するランプ103aと、ランプ103aが放射する白色光を出射方向に向けて反射するリフレクタ103bとからなる。キセノンランプやハロゲンランプなどの白色光源は、点灯開始から光量が安定するまでに時間が掛かるため、白色光源103は、光源装置13の電源が投入されると点灯を開始し、電子内視鏡11の使用中、常時点灯する。また、白色光源103の光路上には、絞り106が配置されており、白色光源103の光量制御は絞り106の開度を調節することによって行われる。
白色光の光路において、絞り106の下流側には、集光レンズ38、ロッドインテグレータ39が配置されている。絞り106は、光を遮光する遮光板と遮光板を変位させるアクチュエータ(図示せず)からなり、遮光板で白色光の光路の一部を遮光することにより光量を制御する。絞り106は、光源制御部32によって制御される。
半導体光源ユニット104は、補助光SL1、SL2をそれぞれ発光するレーザ光源LD2、LD3と、光ファイバで導光されたレーザ光源LD2、LD3の補助光SL1、SL2を合波するカプラー104aと、カプラー104aで合波された光を平行光束にするとともに、光束のサイズ及び形状を整形するコリメータレンズ104bとを有する。
白色光の光路において、絞り106と白色光源103の間には、半導体光源ユニット104が発生する補助光SL1、SL2を白色光の光路に合流させる光合流部107が配置されている。半導体光源ユニット31から出射直後の補助光SL1、SL2の出射光軸NAは、白色光の光軸BAと直交しており、光合流部107は、出射光軸NAを90°屈曲させて、補助光SL1、SL2の光路を白色光の光路に合流させる。
図13に示すように、光合流部107は、白色光BBに対する透過性を有する平板部材をベースに、その片面の中央部に補助光SL1、SL2を反射する反射部材を設けたものであり、平板部材のうち反射部材が設けられていない部分が透過部107aを構成し、反射部材が設けられた部分が反射部107bを構成する。反射部107bは、補助光SL1、SL2のみを反射し、その他の白色光は透過するダイクロイックミラーで形成される。
光合流部107は、反射部107bの中心と白色光の光軸BAを一致させて、かつ、白色光の進行方向に向けて45°傾斜して配置されている。この傾斜により光合流部107は、白色光BBの光束を斜めに横切るように配置されることになるため、その平面形状は、光束を斜めに切断したときの切断面の形状に合わせて楕円形状をしている。
補助光SL1、SL2の光束は、コリメータレンズ104bによって反射部107bのサイズ及び形状に整形される。光合流部107は、補助光SL1、SL2の出射光軸NAに対しても45°傾斜して配置されるので、その傾斜に合わせて反射部107bの形状も楕円形状となっている。
反射部107bは、白色光のうち補助光SL1、SL2に対応する波長成分を透過させないため、光合流部107を透過する白色光の光量分布は不均一なものとなる。しかし、ロッドインテグレータ39の内部において光量分布が均一化されるため、電子内視鏡11に供給される光の光量ムラは低減される。
図14に示すように、白色光源103が発する白色光(WL)の発光スペクトルは、B、G、Rの各色の波長域に渡る広い帯域を持つ。通常観察モードにおいては、白色光(WL)のみが電子内視鏡11に供給される。この白色光は、第1実施形態と同様に、撮像素子44のマイクロカラーフイルタB、G、Rによって分光されて、その撮像信号に基づいてDSP57によってB、G、Rの分光画像が生成される。
血管強調観察モードにおいては、白色光源103に加えて、レーザ光源LD2、LD3が点灯し、白色光(WL)に補助光SL1、SL2が追加される。白色光(WL)に補助光SL1、SL2を追加したときの発光スペクトルは、図15に示すようになる。血管強調観察モードにおいては、この照明光が電子内視鏡11に供給される。画像処理の手順については第1実施形態と同様である。
第1実施形態と比較して、第2実施形態のように広帯域の白色光を発する光源を使用する場合は、補助光SL1、SL2を追加することによる、表層血管のコントラストの向上効果は特に高い。というのは、第1実施形態の白色光は、図4に示すように出力の高いレーザ光源LD1による狭帯域光Nと蛍光FLによって構成される。レーザ光源LD1による狭帯域光Nは、血中ヘモグロビンの吸光係数μaが比較的高い450nm以下の波長域と重なっているため、補助光SL1の追加が無い場合でも、表層血管の情報量を多く取得することができる。これに対して、広帯域の白色光を発する白色光源103の場合には、第1実施形態と比較すると、450nm以下の波長域での発光量が低いため、補助光SL1を追加する効果が大きいからである。
「第3実施形態」
第1実施形態及び第2実施形態は、マイクロカラーフイルタを有するカラー撮像素子を使用して、白色光を構成するB、G、Rの各色の成分に対応する分光画像を同時に取得する同時方式を例に説明したが、図16〜18に示す第3実施形態のように、本発明は、白色光を構成するB、G、Rの各色の成分に対応する分光画像を面順次で取得する面順次方式に適用してもよい。
第3実施形態は、第2実施形態と共通する部分が多いので、第3実施形態については、主として第2実施形態との相違点を中心に説明する。共通部分については同一符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、第3実施形態の電子内視鏡システム121は、光源装置122を有する。第3実施形態の電子内視鏡システム121と、第2実施形態の電子内視鏡システム101(図12参照)との相違点は、光源装置122の白色光源103の光路上にロータリフイルタ123が配置されている点と、電子内視鏡システム121の撮像素子44はマイクロカラーフイルタが設けられていないモノクロ撮像素子である点である。
図17に示すように、ロータリフイルタ123は、円板形状をしており、円周方向に3分割されて中心角が120°の扇形の領域に、それぞれB、G、Rの光を透過するBフイルタ部123a、Gフイルタ部123b、Rフイルタ部123cの三色のカラーフイルタが設けられている。各フイルタ部123a、123b、123cの分光特性は、図14に示す撮像素子44のマイクロカラーフイルタの分光特性と同一である。
ロータリフイルタ123は、Bフイルタ部123a、Gフイルタ部123b、Rフイルタ部123cが選択的に白色光BBの光路に挿入されるように回転自在に設けられている。ロータリフイルタ123は、モータを駆動源として回転する。ロータリフイルタ123が回転すると、各色のフイルタ部123a、Gフイルタ部123b、Rフイルタ部123cが順次白色光の光路に挿入される。
図18(A)に示すように、光源装置122は、白色光の下で観察部位を観察する通常観察モードにおいて、白色光源103の光をロータリフイルタ123でB、G、Rの三色の光に色分離して生成し、生成した三色の光を電子内視鏡11に対して順次供給する。
モノクロの撮像素子44は、光源装置13から順次供給される三色の光に対応する三色の撮像信号を順次出力する。ロータリフイルタ123の回転速度や各フイルタ部123a、123b、123cの大きさは、撮像素子44のフレームレートに応じて決められる。DSP57は、順次入力されるB、G、Rの撮像信号に基づいてB、G、Rの分光画像を生成する。画像処理部58は、B、G、Rの分光画像に基づいて通常観察用の表示画像を生成する。
図18(B)に示すように、血管強調観察モードにおいては、白色光源103に加えてレーザ光源LD2、LD3が点灯し、白色光WLに補助光SL1、SL2が追加される。補助光SL1は、青色狭帯域光であるので、レーザ光源LD2は、ロータリフイルタ123のBフイルタ部123aが白色光の光路に挿入されるタイミングに同期して点灯する。これにより、白色光のB色成分と補助光SL1が電子内視鏡11に同時に供給される。補助光SL2は、緑色狭帯域光であるので、レーザ光源LD3は、ロータリフイルタ123のGフイルタ部123bが白色光の光路に挿入されるタイミングに同期して点灯する。これにより、白色光のG色成分と補助光SL2が電子内視鏡に同時に供給される。画像処理部58は、白色光に補助光SL1、SL2が追加された、B、G、Rの分光画像に基づいて血管強調用の表示画像を生成する。
「第4実施形態」
第1〜第3実施形態の電子内視鏡システムは、挿入部を有する電子内視鏡11を用いた電子内視鏡システムを例に説明したが、図19に示す第4実施形態の電子内視鏡システムのように、カプセル内視鏡を用いたカプセル内視鏡システム141でもよい。
図19において、カプセル内視鏡システム141は、周知のように、患者142の口部から体内に嚥下されるカプセル内視鏡(Capsule Endoscope、以下、CEと略す)143と、患者142がベルトなどに取り付けて携帯する受信装置144と、CE143で得られた画像を読影して、医師が診断を行うためのワークステーション(以下、WSと略記する)146とから構成される。
CE143は、体内管路を通過する際に管路の内壁面を撮像し、これにより得られた画像(撮像信号)のデータを電波にて受信装置144に無線送信する。
受信装置144は、各種設定画面を表示する液晶表示器148、および各種設定を行うための操作部149を備えている。受信装置144は、CE143から電波で無線送信された画像を無線受信し、これを記憶する。
WS146は、プロセッサ151と、キーボードやマウスからなるコンソール152と、モニタ153とを備えている。プロセッサ151は、例えば、USBケーブル154(赤外線通信などの無線通信を用いても可)で受信装置144と接続され、受信装置144とデータを遣り取りする。プロセッサ151は、CE143による検査中、または検査終了後に、受信装置144から画像を取り込み、患者毎に画像を蓄積・管理する。また、画像データから表示画像を生成し、これをモニタ153に表示させる。
CE143と受信装置144間の電波の送受信は、CE143内に設けられた送信アンテナと、患者142が身に付けたシールドシャツ156内に装着された複数の受信アンテナ157とを介して行われる。
CE143には、撮像素子やLED光源などの半導体光源が設けられている。半導体光源は、白色光を発光する白色光源と、補助光SL1、SL2を発光する補助光源からなる。CE143は、上記各実施形態において説明した、同時方式又は面順次方式によって観察部位の撮像を行い、撮像した画像(撮像信号)を受信装置144に出力する。受信装置144は受信した画像をWS146に送信する。WS146は、取得した画像に対してプロセッサ151が画像処理を施す。
図20に示すように、プロセッサ151は、CPU161と、メモリ162と、ストレージデバイス162を備えている。ストレージデバイス(格納手段)162には、取得した画像を格納する格納領域163と、CPU161が実行するプログラムが格納される格納領域164が設けられている。格納領域164には、上記実施形態で説明した、DSP57や画像処理部58と同様の処理(多重解像度変換処理など)を実行するための処理ステップが記述された画像処理プログラムが格納領域163にインストールされている。
メモリ162は、CPU161が処理を実行する際の作業メモリである。CPU161は、ストレージデバイス162からメモリ162へ、画像処理プログラムと画像を読み出して、画像処理プログラムに記述された処理ステップを実行することにより、読み出した画像に対して処理を施す。
CPU161は、通常観察モードにおいて撮影された画像(撮像信号)に基づいて、通常観察用の表示画像を生成し、血管強調観察モードにおいて撮影された画像(撮像信号)に基づいて、血管強調用の表示画像を生成する。
観察モードの切り換えは、例えば、検査前においてCE143に対してモード選択信号を入力することにより行われる。もちろん、受信装置144に送信機能を設けて、WS146から入力したモード切り換え信号を、受信装置144経由でCE143に送信して、検査中においてモード切り換えを行えるようにしてもよい。
また、図11で説明したように、観察モードに関わらず、白色光に補助光SL1、SL2を加えた照明光を常時照射して、その撮像信号に基づいて、WS146において通常観察用の表示画像又は血管強調用の表示画像を生成してもよい。これによれば、CE143のモード切り換えが不要になるため、都合がよい。
カプセル内視鏡システムの場合には、WS146における画像処理をリアルタイムで行わなくて済むので、処理の負荷が比較的大きな多重解像度変換処理を実行する場合の時間的な制約も問題とならない。そのため、カプセル内視鏡システムを用いる場合には、画像処理を行うために処理能力が高い高性能なプロセッサを使用する必要もない。
また、図21に示すように、WS146の代わりに、パーソナルコンピュータなどからなるクライアント端末171に画像処理プログラムをインストールしてもよい。クライアント端末171は、LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットなどの通信ネットワーク173を介して画像サーバ172と通信可能に接続されている。画像サーバ172には、カプセル内視鏡システムで撮影した画像が格納される。クライアント端末171は、画像サーバ172から画像を読み出して、読み出した画像に対して画像処理を実行する。
このような形態であれば、例えば、複数のカプセル内視鏡システムで撮影した画像をいったん画像サーバ172に格納しておき、検査後において、必要に応じてクライアント端末171が画像サーバ172から所望の画像を読み出して、読み出した画像に対して画像処理を実行するといったことが可能となる。なお、クライアント端末171など、画像処理プログラムがインストールされたコンピュータによって処理される画像は、カプセル内視鏡システムで撮影された画像に限らず、上記第1実施形態などで示した挿入部を有する電子内視鏡11を有する内視鏡システム10で撮影された画像でもよい。
上記実施形態では、多重解像度変換の方式としてラプラシアンピラミッド方式を例に説明したが、ウェーブレット変換方式など他の方式でもよい。
上記実施形態では、撮像素子のマイクロカラーフイルタや、ロータリフイルタのフイルタ部について、B、G、Rの原色系の色成分のカラーフイルタを使用する例で説明したが、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の補色系の色成分のカラーフイルタを使用してもよい。
上記実施形態では、光源装置とプロセッサ装置が別体で構成される例で説明したが、2つの装置を一体で構成してもよい。また、本発明は、撮像素子と超音波トランスデューサが先端部に内蔵された超音波内視鏡と画像処理を行うプロセッサ装置からなるシステム等、他の形態の電子内視鏡システムにも適用することができる。
10、101、121 電子内視鏡システム
14 モニタ
31、104 半導体光源ユニット
32 光源制御部
44 撮像素子
57 DSP
58 画像処理部
LD1〜LD3 レーザ光源

Claims (12)

  1. 被検体内の血管を含む観察部位を撮像する撮像素子を有する電子内視鏡と、
    白色光を発する白色光源と、前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光を発する補助光源とを有し、前記白色光に前記補助光を追加した照明光を前記観察部位に照射することが可能な照明手段と、
    前記撮像素子が出力する撮像信号に基づいて、前記白色光に前記補助光を追加した照明光の下で撮影された原画像を得る画像取得手段と、
    前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施す画像処理手段とを備えていることを特徴とする電子内視鏡システム。
  2. 前記画像処理手段は、前記白色光のみからなる照明光を照射して得た前記撮像信号に基づいて、通常観察用の表示画像を生成し、前記白色光に前記補助光を加えた照明光を照射して得た前記撮像信号に基づいて血管強調用の表示画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。
  3. 前記画像処理手段は、前記白色光に前記補助光を追加した照明光を照射して得た、B、G、R又はY、M、Cの色成分を含む前記原画像に対して、色補正を行って通常観察用の表示画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。
  4. 前記補助光は、半導体光源であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子内視鏡システム。
  5. 前記白色光源は、励起光を発する励起光源と、励起光で励起されて、前記白色光の少なくとも一部の波長域の蛍光を発する蛍光体とを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子内視鏡システム。
  6. 前記励起光は、青色領域の光であり、前記蛍光は、緑色領域及び赤色領域の光であり、前記励起光と前記蛍光とによって前記白色光が生成されることを特徴とする請求項記載の電子内視鏡システム。
  7. 前記白色光源は、B、G、Rの波長域を含む広帯域光を発する光源であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子内視鏡システム。
  8. 前記撮像素子は、モノクロ撮像素子であり、
    前記照明手段は、前記白色光源が発する白色光を、B、G、R又はY、M、Cの3色に分光するカラーフイルタを有していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子内視鏡システム。
  9. 前記撮像素子は、撮像面にB、G、R又はY、M、Cの3色の分光特性を有するマイクロカラーフイルタが配列されたカラー撮像素子であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子内視鏡システム。
  10. 電子内視鏡を用いて被検体内の血管を含む観察部位を撮像した画像を処理する画像処理装置において、
    白色光に前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光が追加された照明光の下で前記観察部位を撮像した原画像を取得する画像取得手段と、
    前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施す画像処理手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
  11. 電子内視鏡を用いて被検体内の血管を含む観察部位を撮像した画像を処理する画像処理装置の作動方法において、
    画像取得手段が、白色光に前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光が追加された照明光の下で前記観察部位を撮像した原画像を取得するステップと、
    画像処理手段が、前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施すステップとを備えていることを特徴とする画像処理装置の作動方法。
  12. コンピュータが実行する画像処理プログラムであり、電子内視鏡を用いて被検体内の血管を含む観察部位を撮像した画像を処理する画像処理プログラムにおいて、
    前記コンピュータに、
    白色光に前記血管のうち粘膜の表層に位置する表層血管を強調するための青色狭帯域光と、前記表層血管よりも深層に位置する中深層血管を強調するための緑色狭帯域光のうちの少なくとも1つである補助光が追加された照明光の下で前記観察部位を撮像した原画像が格納された格納手段から、前記原画像を読み出すステップと、
    前記原画像に対して多重解像度変換処理を施して、前記表層血管の太さに対応する空間周波数帯域と、前記中深層血管の太さに対応する空間周波数帯域とがそれぞれ強調された少なくとも2種類の変換画像を生成し、前記変換画像を前記原画像に加算することにより前記血管を強調する血管強調処理を施すステップとを実行させるための画像処理プログラム。
JP2012011006A 2012-01-23 2012-01-23 電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラム Active JP5757891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012011006A JP5757891B2 (ja) 2012-01-23 2012-01-23 電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012011006A JP5757891B2 (ja) 2012-01-23 2012-01-23 電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013146484A JP2013146484A (ja) 2013-08-01
JP5757891B2 true JP5757891B2 (ja) 2015-08-05

Family

ID=49044647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012011006A Active JP5757891B2 (ja) 2012-01-23 2012-01-23 電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5757891B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015029709A1 (ja) * 2013-08-27 2015-03-05 富士フイルム株式会社 内視鏡システム
JP6109695B2 (ja) * 2013-09-27 2017-04-05 富士フイルム株式会社 内視鏡システム及びプロセッサ装置並びに作動方法並びに距離測定装置
JPWO2015072432A1 (ja) * 2013-11-14 2017-03-16 オリンパス株式会社 カプセル型内視鏡及びカプセル型内視鏡システム
WO2015146318A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 富士フイルム株式会社 内視鏡システム、内視鏡システムのプロセッサ装置、及び内視鏡システムの作動方法
JP6210962B2 (ja) * 2014-09-30 2017-10-11 富士フイルム株式会社 内視鏡システム、プロセッサ装置、内視鏡システムの作動方法、及びプロセッサ装置の作動方法
JP6408400B2 (ja) * 2015-02-27 2018-10-17 富士フイルム株式会社 内視鏡システム、内視鏡プロセッサ装置、及び、内視鏡システムの作動方法
EP3273837A1 (en) * 2015-03-26 2018-01-31 Koninklijke Philips N.V. Device, system and method for illuminating a structure of interest inside a human or animal body
CN108271345B (zh) * 2015-11-05 2021-05-28 柯惠Lp公司 用于检测表面下的血液的系统和方法
JP6562554B2 (ja) * 2016-05-13 2019-08-21 富士フイルム株式会社 内視鏡システム、プロセッサ装置、及び内視鏡システムの信号処理方法
WO2018198254A1 (ja) * 2017-04-26 2018-11-01 オリンパス株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
WO2019021388A1 (ja) * 2017-07-26 2019-01-31 オリンパス株式会社 内視鏡システム
WO2019039354A1 (ja) * 2017-08-23 2019-02-28 富士フイルム株式会社 光源装置及び内視鏡システム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4370008B2 (ja) * 1998-11-17 2009-11-25 オリンパス株式会社 内視鏡画像処理装置
JP4504324B2 (ja) * 2005-05-13 2010-07-14 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 生体観測装置
JP4734074B2 (ja) * 2005-09-30 2011-07-27 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡装置
JP2011147757A (ja) * 2009-09-29 2011-08-04 Fujifilm Corp 医療機器及び内視鏡装置
JP5541914B2 (ja) * 2009-12-28 2014-07-09 オリンパス株式会社 画像処理装置、電子機器、プログラム及び内視鏡装置の作動方法
JP5346856B2 (ja) * 2010-03-18 2013-11-20 オリンパス株式会社 内視鏡システム、内視鏡システムの作動方法及び撮像装置
JP5393554B2 (ja) * 2010-03-23 2014-01-22 富士フイルム株式会社 電子内視鏡システム
JP5385188B2 (ja) * 2010-03-26 2014-01-08 富士フイルム株式会社 電子内視鏡システム
JP2011206227A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Fujifilm Corp 内視鏡装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013146484A (ja) 2013-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5757891B2 (ja) 電子内視鏡システム、画像処理装置、画像処理装置の作動方法及び画像処理プログラム
JP5303012B2 (ja) 内視鏡システム、内視鏡システムのプロセッサ装置及び内視鏡システムの作動方法
US10335014B2 (en) Endoscope system, processor device, and method for operating endoscope system
JP5395725B2 (ja) 電子内視鏡システム
JP5496852B2 (ja) 電子内視鏡システム、電子内視鏡システムのプロセッサ装置、及び電子内視鏡システムの作動方法
JP5371920B2 (ja) 内視鏡装置
JP5623469B2 (ja) 内視鏡システム、内視鏡システムのプロセッサ装置、及び内視鏡用制御プログラム
JP5306447B2 (ja) 透過率調整装置、観察装置、及び観察システム
JP5667917B2 (ja) 内視鏡システム、内視鏡システムのプロセッサ装置、及び内視鏡システムの作動方法
JP5222934B2 (ja) 内視鏡システム、内視鏡システムのプロセッサ装置、及び内視鏡システムの作動方法
JP5753105B2 (ja) 電子内視鏡システム、画像処理装置及び画像処理装置の作動方法
JP5762344B2 (ja) 画像処理装置及び内視鏡システム
JP2011098088A (ja) 電子内視鏡システム、電子内視鏡用のプロセッサ装置、及び画像処理方法
JP5485215B2 (ja) 内視鏡装置
JP5623470B2 (ja) 内視鏡システム、内視鏡システムのプロセッサ装置、及び内視鏡用制御プログラム
JPWO2017104046A1 (ja) 内視鏡装置
US9596982B2 (en) Endoscope system and composite image generation method
JP2012071007A (ja) 内視鏡装置
JP7350954B2 (ja) 内視鏡画像処理装置、内視鏡システム、内視鏡画像処理装置の作動方法、内視鏡画像処理プログラム及び記憶媒体
JP5948203B2 (ja) 内視鏡システム及びその作動方法
JP5539841B2 (ja) 電子内視鏡システム、電子内視鏡システムのプロセッサ装置、及び電子内視鏡システムの作動方法
JP2016174976A (ja) 内視鏡システム
JP5631757B2 (ja) 電子内視鏡システム
JP5764472B2 (ja) 内視鏡診断装置
JP6454755B2 (ja) 内視鏡システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5757891

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250