JP5757620B2 - 地盤改良装置及びそのリーダ起伏方法 - Google Patents

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本発明は、リーダ起伏用ワイヤとは別途にリーダを倒伏状態から少なくとも所定傾斜角まで起立可能にした地盤改良装置及びそのリーダ起伏方法に関する。
近年、地盤改良などでの施工の大規模化に伴って、大型のベースマシン及び全寸の長いリーダの使用と共に、大型クレーンの搬入、設置箇所の地耐力確保、組立、解体に時間及び費用がかかり、更に高所作業の頻度も多く熟練も要求される。一例として、図9の地盤改良装置は、ベースマシン1及びベースマシンの先端部に傾動可能に枢支されたリーダ2と、上端部をリーダ背面の金具24に枢支され、下端部をベースマシン1の両側対応部に枢支される3点式の支持用ステー3と、ベースマシン1に搭載された不図示のウインチから繰出されて、先端をリーダ上側に連結されるリーダ起伏用ワイヤ8とを備えている。
図10は以上の地盤改良装置において、リーダ起伏角度θ(3から80度)とリーダ起伏用ワイヤ8に加わる張力との関係を示している。このグラフからは、仮に、ワイヤ8による起伏能力(ワイヤの強度、ウインチ能力、ウインチ支持用フレーム12、ベースマシン1の安定度など)が100tあるとした場合、リーダをθ=40度までワイヤ以外の補助手段により持ち上げ、その後はリーダ支持用ワイヤ8により垂直状態まで立ち上げなければならない。
実際の作業では、図9の場合だと、リーダ2を倒伏状態から立ち上げるリーダ建て込み用補助手段として、複数の補助重機K1,K2を用いて起伏操作される。リーダ起立作業において、同(a)では補助重機K1のクレーンから下ろされた吊りロープR1によりリーダ2の上側をa領域だけ引き上げる。続く、b領域ではリーダ2がワイヤ8により最終の垂直状態まで引き上げられる。その際は、補助重機K2のクレーンから下ろされた吊りロープR2により各ステー3の下端側が引き上げられて、最終的にベースマシン対応部に固定される。
上記した作業では、補助重機K1,K2などを2台以上必要となり、経費が嵩むだけではなく高所での危険な玉掛作業(例えばリーダ上側にロープR1の先端を着脱する作業)が必要となる。ところで、特許文献1には、以上のような玉掛作業を地表付近で行えるようにした構造が開示されている。
特開平9−256363号公報
しかし、特許文献1の構造は、リーダ背面側に設けられるガイドレール、ガイドレールに摺動可能に設けられるスライダ、ガイドレールの上下に設けられてスライダの摺動を規制する上下のストッパなどを必要として操作も複雑となる。また、従来構造では、地盤改良域が狭くなると、補助重機の設置場所の確保が困難になることも多く、用いられる補助重機の大きさやタイプにも制約を受けることがある。
本発明の目的は、地盤改良装置において、上述した補助重機に比べ簡易で設置場所の制約を受けないリーダ建て込み用補助手段によりリーダの起伏作業を少しでも迅速に行えるようにすることにある。他の目的は以下の内容説明の中で明らかにする。
上記目的を達成するため本発明は、図面を参照して特定すると、ベースマシン1及びそのベースマシンの先端部に傾動可能に枢支されたリーダ2と、上端部を前記リーダの背面に枢支され、下端部を前記ベースマシンの両側に配置される一対の支持用ステー3と、前記ベースマシンに搭載されたウインチ14から繰出されて、先端を前記リーダの上側に連結されるリーダ起伏用ワイヤ8とを備えた地盤改良装置において、前記ワイヤ8とは別途に前記リーダを倒伏状態から立ち上げるリーダ建て込み用補助手段5として、地表側に配設されるベース部材40と、前記リーダ2に沿って移動制御される摺動体9又は9Aと、前記ベース部材側と前記摺動体側とに両端部をそれぞれ回動可能に連結している全寸が可変調節可能な伸縮部材46とを備え、前記リーダ2を、前記伸縮部材46の全寸を長くすることにより倒伏状態から起立途中まで立ち上げ可能で、かつ、前記摺動体の移動を伴って前記起立途中から更に高く立ち上げることを特徴としている。以上の本発明は、以下のように具体化されることがより好ましい。
(ア)前記摺動体9は、前記リーダ2の長手方向に設けられたラックに噛み合いながら回動されるピニオン機構を介して上下動される昇降手段を有している構成である(請求項2)。
(イ)前記摺動体9Aは、前記リーダ2の長手方向に設けられたガイドレール21に嵌合されて前記伸縮部材46の上端部と連結した下金具93と、前記ガイドレール21に沿って配置されて一端部を前記下金具93に連結した油圧シリンダ95と、前記ガイドレール21に嵌合されて前記油圧シリンダ95の他端部を連結した位置固定可能な上金具94とからなる構成である(請求項3)。
(ウ)前記ベース部材40は前記ベースマシン1に連結されている構成である(請求項4)。
(エ)前記ベースマシン1の両側でベースマシン前後方向に配設されたガイドレール53を有し、前記ステー3の下端部を前記ガイドレール53に摺動可能に支持し、かつガイドレール後側に係止手段5により固定可能となっている構成である(請求項5)。
(オ)請求項6は以上の地盤改良装置を用いたリーダ起伏方法を特定したものであり、請求項1から5の何れかに記載の地盤改良装置を用いて、前記リーダ2を、前記補助手段4により倒伏状態から起立途中の所定傾斜角に切り換える第1工程と、前記摺動体により前記所定傾斜角から垂直状態に切り換える第2工程を経る構成である(請求項6)。
請求項1の発明では、補助手段が図1に例示されるごとくリーダに沿って移動制御される摺動体と、地表側に配設されるベース部材と、それらに両端部の異なる一方をそれぞれ連結している伸縮部材とからなるため、従来使用していたリーダを吊り上げる補助重機に比べて簡易かつ容易にリーダを起伏することができる。また、本発明の補助手段は、高所での玉掛作業もないため、経費低減と同時に安全性を確保できる。
請求項2の発明では、摺動体がラック・ピニオン機構からなる周知の昇降手段であるため汎用性が得られる。
請求項3の発明では、図7に例示されるごとく摺動体が上下の金具及油圧シリンダとで構成され、請求項2の構成に限らないことを確認的に特定したことに意義がある。
請求項4の発明では、ベース部材をベースマシンの前側に連結しているため図4(b)のごとくベース部材に加わる荷重ないしは応力をベースマシンを反力として受け止めることができ、かつ補助手段をベースマシンに追随して移動できる。
請求項5の発明では、ガイドレールに摺動可能に嵌合されて支持用ステーの下端部を揺動自在に案内する軸受を有しているため、図1〜図3に例示されるごとくリーダの起伏動作時における一対の支持用ステーの組立解体動作を従来のごとく補助重機を用いることなく、効率よく行うことができる。
請求項6の発明では、以上の地盤改良装置を用いたリーダ起伏方法として、各構成の利点が得られ、それにより従来の補助重機を用いる方法に比べ簡易で設置場所の制約を受けず、リーダの起伏作業を迅速安全に行えるという効果がある。
(a),(b)は形態例の地盤改良装置によりリーダを倒状状態から立ち上げる際の補助手段の組込態様を示す模式側面図とそのA1部の拡大図である。 (a),(b)は上記リーダを補助手段により立ち上げた第1工程を説明するための模式側面図とそのA2部の拡大図である。 (a),(b)は上記リーダをリーダ起状用ワイヤにより立ち上げた第2工程を説明するための模式側面図とそのA3部の拡大図である。 (a),(b)は上記補助手段の作動を示す模式側面図である。 (a),(b)はベースマシンの詳細構造を示す側面図と上面図である。 (a)はベースマシン要部の半断面平面図、(b)はガイドレールの後端部を示す(a)のA矢視図、(c)はそのガイドレールに軸受を嵌合した図、(d)はガイドレールの後端部を示す(a)のB矢視図、(e)はそのガイドレールに軸受を嵌合した図である。 (a),(b)は上記補助手段の他の例を、リーダを上記補助手段により所定傾斜角立ち上げた状態での補助手段の部材関係を示す模式側面図とリーダを垂直状態に切り換えた模式側面図である。 (a),(b)は下金具、油圧シリンダ、上金具を示す模式側面図と模式背面図、(c)は下金具を上から見た模式図、(d)上金具を上から見た模式図である。 (a)は従来の地盤改良装置の作動状態を示す模式側面図、(b)は同装置のリーダを傾動した状態を示す模式側面図である。 上記リーダの起伏角度とワイヤ張力との関係を示すグラフである。
以下、本発明形態を図1〜図8を参照して説明する。この説明では、本発明の装置構造を明らかにした後、使い方ないしは作動と変形例に言及する。なお、各図では、地盤改良装置の基本構造は従来と同一であるため、その同一箇所については図9と同じ符号を用い、異なる箇所、或いは新たに付加された部材のみ異なる符号を付している。また、各図では、作図上の制約から一部を省略したり模式化している。
(装置構造)形態の地盤改良装置は、図面に示されるごとく自走式のベースマシン1と、ベースマシン1の先端側に傾動可能に枢支されたリーダ2と、上端部をリーダ2に枢支され、かつ下端部をベースマシン1の両側に配置される3点支持式の一対(左右)の支持用ステー3と、リーダ2を倒伏状態から立ち上げるリーダ建て込み用補助手段4と、ベースマシン1に搭載されたウインチ14から繰出されて先端をリーダ2の上側の連結部24に連結されるリーダ起伏用ワイヤ8と、ベースマシン1の両側前後方向に配設されたガイドレール53と、各ステー3の下端部をガイドレール53に摺動可能に支持する軸受6、及び軸受6をガイドレール53の後方定位置に着脱可能に固定する係止手段としてのピン5とを備えている。
ここで、ベースマシン1は、従来と同じくキャタピラ11を有した下走行体に対し、メインフレーム10が旋回部を介して旋回可能に支持されている。メインフレーム10には、図5のごとく前方片側に配置された操縦室と、前縁の左右中間部に突出された支持部13、略中央部に設けられた2つのウインチ14及びフレーム12と、後縁に結合されて後方へ延びているステージ15などが設けられている。フレーム12の上側にはワイヤや吊りロープを案内する滑車が組み込まれている。各ウインチ14は、一方がワイヤ8用であり、他方が図7の変形例のごとく昇降手段を構成する吊りロープR用である。ステージ15には、空気タンク、コンプレッサ、発動機などの駆動機器17が上面に搭載されている。符号16は手摺りである。
支持部13にはリーダ2が図1のごとくピン26などにより枢支される。このリーダ2は、リーダ形成部を必要数だけ結合手段などにより連結した目的に応じた長さとなっている。リーダ2は、前面に設けられて両側上下方向に延びているガイドレール21及び両ガイドレール21の間に設けられて上下方向に設けられた不図示のラック、背面上側に設けられたステー用金具24、複数のワイヤ用連結部25などを備えている。
両側のガイドレール53は、メインフレーム10の前後部にあって左右方向に配置された横フレーム51,52上に略水平かつ平行に保持された状態に配設されている。断面形状は、矩形枠の上面にガイド溝53aを長手方向に形成している。各ガイドレール53の前端には一段高くなった柱54が設けられている。各ガイドレール53の後端には案内板部55が連続するよう配設されている。この案内板部55は、図6に示されるごとくガイド溝53aと連続するガイド溝55aと、下面に結合されてガイド溝55aの両側を区画している対向した固定板部56と、各固定板部56に同軸線上に貫通形成した複数のピン穴56aとを有している。また、案内板部55の両側には後ストッパ57が設けられている。各後ストッパ57は、前方に向けて開口した係合部57aを有し、一部がガイドレール53の対応部に接合された状態で互いに対向配置されている。以上のガイド溝55aには、図6(c)と(e)のごとく後述するステー用軸受6がガイド溝53aから摺動可能に配置される。
軸受6は、本体60がガイド溝53a,55aに嵌合される板状からなり、本体60の上端面に一体化した幅広の受板62と、受板62の前端に沿って左右に延びている棒状の規制部63と、受板62の中央部に立設された支持部65と、支持部65に設けられた凹状の軸穴66とからなる。本体60には、ピン穴56aに一致する不図示の複数の貫通孔が設けられている。そして、この軸受6は、対応するガイドレール53に対し、本体60をガイド溝53a,55aに摺動自在に嵌合した状態に組み込まれて、前方へは規制部63が柱54に当たることで位置規制され、また、後方へは規制部63が後ストッパ57の係合部57aに係止されることで位置規制される。軸受6は、規制部63が係合部57aに係止された状態において、係止手段としてピン5がピン穴56a、上記本体60の貫通孔、ピン穴56aに挿入されると、固定板部56に位置固定される。
そして、両側の軸受6は、軸穴66に対して各ステー3の下端に形成した球体35が揺動可能に嵌合される。すなわち、各ステー3は、上端は蛙股状となっていて、リーダ2の上部背面に設けられた金具24の左右に突設した連結ピン37等を利用して回動可能に係合されている(図1拡大部参照)。ステー3の下部側は、油圧シリンダが一体的に連結されていて、シリンダ33に対して出没駆動されるロッド34を有している。ロッド34の下端ないしは先端は球体35に形成されている。そして、各ステー3の下端は、球体35が軸受の軸穴66に揺動自在に嵌合支持されることになる。
これに対し、上記の補助手段4は、図4に示されるごとく、地表側に配設されるベース部材40と、リーダ2に沿って移動制御される摺動体9と、ベース部材40側と摺動体9側とに両端部の異なる一方をそれぞれ回動可能に連結している全寸が可変調節可能な伸縮部材46とを備えている。
このうち、ベース部材40は、リーダ2から受ける荷重ないしは応力を受ける部材であり、ベースマシン側に配置される一端に突設された連結具40aと、ベースマシン1から離れる側に配置される他端に突設された対の挟持片40bと、連結具40aに近い箇所に突設された対の接合部41aとを有している。
以上のベース部材40は、ベースマシン1に対して、連結具40aがピンなどの締結手段によりベースマシン側の下フレーム部に溶接された対の挟持片18に連結され、かつ、各接合部41aが支持部13側に下設された対応する連結具41bにボルトなどの締結手段により結合される。これにより、この構造では、ベース部材40に加わる図4(b)のX方向の応力をベースマシン1の重量により受け止めて、ベース部材40の同方向への移動が阻止可能となり、また、接合部41a及び連結具41bがリーダ2の偏荷重に起因したベースマシン前側の転倒を防ぐ支点として機能する。
摺動体9は、特許第2584402号公報や特開2003−206531号公報に開示されているごとく、本体90がリーダ2の長手方向に設けられた不図示のラックと噛み合いながら回動されるピニオン機構を介して遠隔操作により上下動される公知の昇降手段を有している。この本体90は、ガイドレール21に嵌合する嵌合部(ガイドギブとも称される)91、ラックに噛合するピニオン、ピニオンを減速機を介して駆動するモータなどを装備していると共に、下設された一対の挟持片92を有している。
伸縮部材46は、ベース部材側の対の挟持片40bに回動可能に枢支された延長アーム42と、延長アーム42と挟持片92との間に介在された油圧シリンダ46とからなる。延長アーム42は、一端42aが前記した対の挟持片40bに対してピンPなどを介して回動可能に連結されている。油圧シリンダ43はシリンダ44及びロッド45からなる。シリンダの取付端44aは、延長アームの他端42bに対し結合一体化されている。ロッドの取付端45aは、前記した対の挟持片92に対してピンPなどを介して回動可能に連結されている。
(作動)以上の地盤改良装置を用いたリーダ起状方法では、リーダ2を、補助手段4を構成している伸縮部材46の全寸を長くすることにより倒伏状態から起立途中の所定傾斜角、或いはそれとは反対に前記所定傾斜角から倒伏状態に切り換える第1工程と、補助手段4を構成している摺動体6により前記所定傾斜角から垂直状態或いはそれとは反対に垂直状態から前記所定傾斜角に切り換える第2工程とを経ることになる。
第1工程において、リーダ2は、まず、図1のごとく下端側がベースマシン1の支持部13にピン26などで枢支されるとともに、地表側の架台7に支持される。次に、補助手段4の構成部材、つまりベース部材40、摺動体9、延長アーム42及び油圧シリンダ43からなる伸縮部材46が上述した要領で図1のごとく対応部にセットされ、また、ベース部材40がベースマシン1に結合される。他の準備操作としては、図1のごとく各ステー側の下取付基部(ロッド34の球体35)が軸受6を介してスライドレール53のガイド溝53aに嵌合される。
その後、手順的には、図2及び図4のごとく摺動体9を固定した状態から、油圧シリンダ43を駆動してロッド45を伸長する。すると、リーダ2は、摺動体9との間に生じる応力により伸縮部材46が上記した一端42aのピンPを支点として回動され、その回動に伴ってリーダ基端のピン26を支点として所定傾斜角だけ立ち上げられる。この過程では、各ステー3の下取付基部(ロッドの球体35)が軸受6を介してガイドレール53のガイド溝53aに沿って所定距離だけ後方へ摺動される。
第2工程において、リーダ2を図3の垂直状態まで立ち上げるには、補助手段4を構成している摺動体9を下移動する。リーダ2の立ち上げ過程では、各ステー3の下取付基部(ロッドの球体35)が軸受6を介してガイドレール53を構成している最後部の案内板部55に摺動される。各ステー3の下取付基部(ロッドの球体35)は、上記したピン5のピン穴56a、上記した本体60の貫通孔、ピン穴56aに対する差込操作により固定板部56に固定される。これにより、リーダ2は、前後方向の転倒が回避されるよう2本のステー3により安定支持される。
その後は、摺動体9のリーダ側ラッチに対する固定を解除した状態から、油圧シリンダ43はロッド45がシリンダ44に没入されると、摺動体9はそのロッド45の没入量に応じて下移動される。以後は、比較的低い位置でロッド45のピンPを抜いて摺動体側の挟持片92に対するロッドの取付端45aの連結を解除した後、ベース部材40をベースマシン1から切り離し、全体を施工の邪魔にならない場所へ移動させる。
リーダ2を再び地表側へ倒す場合は、以上の逆操作となる。一例としては、上記したピン5を外すことにより各ステー3の下端側の拘束を解放し、軸受6を介してガイドレール53に沿って摺動可能にする。次に、補助手段4は、摺動体9が上記した操作を逆に行って図3の実線状態にセットされた後、摺動体9が油圧シリンダ43のロッド45をシリンダ44から突出しながら上移動される。すると、リーダ2は、前傾されて補助手段4により保持され、更に、油圧シリンダ43がロッド45をシリンダ44に没入すると、伸縮部材46の前傾に伴って図1のセット状態に切り換えられる。
(変形例)図7及び図8は以上の地盤改良装置を構成している摺動体の他の構成例を示している。この説明では、上記形態と同じか類似する部材に同じ符号を付し、変更した構成についてだけ詳述する。すなわち、変形例の摺動体9Aは、リーダ2の長手方向に設けられたガイドレール21に嵌合されて伸縮部材46を構成しているロッド45の上端部と連結された下金具93と、ガイドレール21に沿って配置されて一端部を下金具93に連結された油圧シリンダ95と、ガイドレール21に嵌合されて油圧シリンダ95の他端部を連結した位置固定可能な上金具94とからなる構成されている。
このうち、下金具93は、図8(c)のごとくリーダ側ガイドレール21に摺動可能に嵌合する嵌合部(ガイドギブとも称される)と、背面側に突設された一対の挟持片93aとを有している。油圧シリンダ95はシリンダ96及びロッド97からなる。そして、ロッドの取付端97aは、前記した対の挟持片93aに対してピンPなどを介して回動可能に連結されている。シリンダの取付端96aは上金具94に不図示のボルト接合で結合一体化される。なお、以上の各挟持部93aには、上記した伸縮部材46を構成しているロッドの取付端45aがピンPなどを介して回動可能に連結される。
これに対し、上金具94は、図8(d)のごとくリーダ側ガイドレール21に摺動可能に嵌合する嵌合部(ガイドギブとも称される)と、下左右中間部に設けられて取付端96aと結合される連結部94aと、上左右中間部に設けられて上記した吊りロープRの先端が連結される吊り金具94bと、略中央部に設けられて筒状内に装着されている油圧シリンダ98と、油圧シリンダ98を構成してシリンダに対して出没するロッドの先端に設けられたロックピン99とを有している。
そして、以上の構造では、第1工程において、リーダ2は、まず、図1と同様に下端側がベースマシンの支持部13にピン26などで枢支されるとともに、地表側の架台7に支持される。次に、補助手段4の構成部材、つまりベース部材40、摺動体9A、伸縮部材46が対応部にセットされ、また、ベース部材40がベースマシン1に結合される。ここで、この摺動体9Aの場合は、上記摺動体9と比較して、上記油圧シリンダ98のロッドが同図の没状態(この没状態はリーダ2が図4(a)と同様な倒れた態様となる)から突状態に切り換えられる。すると、摺動体9Aは、前記ロックピン99が突出されてリーダ2の対応側面に設けられた不図示のロック受板に設けられた係止穴に係合され、それにより図7のごとくリーダ2に対して位置固定される。
その後は、摺動体9Aをロックピン99を介し固定した状態から、油圧シリンダ43を駆動してロッド45を伸長する。すると、リーダ2は、摺動体9Aとの間に生じる応力により伸縮部材46が上記した一端42aのピンPを支点として回動され、その回動に伴ってリーダ基端のピン26を支点として図7(a)の所定傾斜角だけ立ち上げられる。この過程では、上記した形態と同じく、各ステー3の下取付基部(ロッドの球体35)が軸受6を介してガイドレール53のガイド溝53aに沿って所定距離だけ後方へ摺動され、又、吊りロープRがウインチ14を介してたわまないよう巻き上げられる。
第2工程において、リーダ2を図3の垂直状態まで立ち上げる方法としては、補助手段4を構成している摺動体9Aを介して立ち上げる。なお、これに代えて、従来と同様にワイヤ8を介して立ち上げる構成、摺動体9A及びワイヤ8の両方により立ち上げる構成も可能である。
なお、変形例の摺動体9Aは、例えば、油圧シリンダ95が駆動されてロッド97が突出されると、図7(b)のごとく上金具94に対して下金具93が下移動される。このため、解体操作では、比較的低い位置で下金具93に対するロッド45のピンPを抜いて、上記形態と同じく補助手段4を構成している伸縮部材46、ベース部材40をベースマシン1から切り離し、全体を施工の邪魔にならない場所へ移動させる。同時に、摺動体9Aは、ロックピン99がロック解除された後、吊りロープRを介して下移動され、地表側からの操作によりリーダ2から外される。
なお、以上の形態は本発明を何ら制約するものではない。本発明は、請求項1で特定される技術要素を備えておればよく、細部は必要に応じて種々変更可能なものである。一例として、本発明の伸縮部材は、形態のごとく延長アーム42及び油圧シリンダ43の構成に限らず、全寸を長くした油圧シリンダのみで構成することも可能である。
1・・・ベースマシン(10は本体、11はキャタピラ、15はステージ)
2・・・リーダ(20は本体、21はガイドレール、26はピン)
3・・・支持用ステー(32は油圧シリンダ、34はロッド、35は球体)
4・・・リーダ建て込み用補助手段(40はベース部材、42は延長アーム)
6・・・軸受(60は本体、63は規制部、65は支持部、66は軸穴)
5・・・ピン(係止手段)
7・・・架台
8・・・リーダ起伏用ワイヤ
9・・・摺動体(90は本体、91は嵌合部、92は挟持片)
9A・・・摺動体(93は下金具、95は油圧シリンダ、94は上金具)
93・・・下金具
53・・・ガイドレール(53aはガイド溝)
55・・・案内板部(55aはガイド溝)
98・・・油圧シリンダ
99・・・ロックピン

Claims (6)

  1. ベースマシン及びそのベースマシンの先端部に傾動可能に枢支されたリーダと、上端部を前記リーダの背面に枢支され、下端部を前記ベースマシンの両側に配置される一対の支持用ステーと、前記ベースマシンに搭載されたウインチから繰出されて、先端を前記リーダの上側に連結されるリーダ起伏用ワイヤとを備えた地盤改良装置において、
    前記ワイヤとは別途に前記リーダを倒伏状態から立ち上げるリーダ建て込み用補助手段として、前記リーダに沿って移動制御される摺動体と、地表側に配設されるベース部材と、前記ベース部材側と前記摺動体側とに両端部をそれぞれ回動可能に連結している全寸が可変調節可能な伸縮部材とを備え、
    前記リーダを、前記伸縮部材の全寸を長くすることにより倒伏状態から起立途中まで立ち上げ可能で、かつ、前記摺動体の移動を伴って前記起立途中から更に高く立ち上げ可能となっていることを特徴とする地盤改良施工装置。
  2. 前記摺動体は、前記リーダの長手方向に設けられたラックに噛み合いながら回動されるピニオン機構を介して上下動される昇降手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良装置。
  3. 前記摺動体は、前記リーダの長手方向に設けられたガイドレールに嵌合されて前記伸縮部材の上端部を連結した下金具と、前記ガイドレールに沿って配置されて一端部を前記下金具に連結した油圧シリンダと、前記ガイドレールに嵌合されて前記油圧シリンダの他端部を連結した位置固定可能な上金具とからなることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良装置。
  4. 前記ベース部材は前記ベースマシンに連結されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の地盤改良装置。
  5. 前記ベースマシンの両側でベースマシン前後方向に配設されたガイドレールを有し、前記ステーの下端部を前記ガイドレールに摺動可能に支持し、かつガイドレール後側に係止手段により固定可能となっていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の地盤改良装置。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の地盤改良装置を用いて、前記リーダを、前記補助手段を構成している伸縮部材により倒伏状態から起立途中の所定傾斜角に切り換える第1工程と、前記摺動体により前記所定傾斜角から垂直状態に切り換える第2工程とを経ることを特徴とする地盤改良施工装置のリーダ起伏方法。
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