JP5757587B2 - 鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材 - Google Patents

鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材 Download PDF

Info

Publication number
JP5757587B2
JP5757587B2 JP2013110254A JP2013110254A JP5757587B2 JP 5757587 B2 JP5757587 B2 JP 5757587B2 JP 2013110254 A JP2013110254 A JP 2013110254A JP 2013110254 A JP2013110254 A JP 2013110254A JP 5757587 B2 JP5757587 B2 JP 5757587B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
based superconducting
layer
nanoparticles
bzo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013110254A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014227329A (ja
Inventor
正志 三浦
正志 三浦
安達 成司
成司 安達
田辺 圭一
圭一 田辺
細野 秀雄
秀雄 細野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
International Superconductivity Technology Center
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
International Superconductivity Technology Center
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by International Superconductivity Technology Center, Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical International Superconductivity Technology Center
Priority to JP2013110254A priority Critical patent/JP5757587B2/ja
Priority to DE102014102497.4A priority patent/DE102014102497A1/de
Priority to US14/193,800 priority patent/US20140349854A1/en
Publication of JP2014227329A publication Critical patent/JP2014227329A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5757587B2 publication Critical patent/JP5757587B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B12/00Superconductive or hyperconductive conductors, cables, or transmission lines
    • H01B12/02Superconductive or hyperconductive conductors, cables, or transmission lines characterised by their form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G49/00Compounds of iron
    • C01G49/009Compounds containing, besides iron, two or more other elements, with the exception of oxygen or hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G51/00Compounds of cobalt
    • C01G51/006Compounds containing, besides cobalt, two or more other elements, with the exception of oxygen or hydrogen
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/20Permanent superconducting devices
    • H10N60/203Permanent superconducting devices comprising high-Tc ceramic materials
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/80Constructional details
    • H10N60/85Superconducting active materials
    • H10N60/855Ceramic superconductors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

本発明は、鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材に関する。
近年Bi系銅酸化物超電導体やY系銅酸化物超電導体等の銅酸化物超電導体の開発が盛んに行なわれている。また、これらの銅酸化物超電導体を実用化するために、これを線材に加工して電力供給用の導体あるいは超電導コイル等として使用する試みが進んでいる。
Bi系の銅酸化物超電導線材は、Bi系の超電導層をAgのシース材で被覆した状態となるようにPowder In Tube法(PIT法)などにより製造されたシース線材構造となっている。これに対して、Y系銅酸化物超電導線材は、テープ状の金属基材上に中間層を介しパルスレーザー堆積法(PLD法)等の成膜法によりY系銅酸化物超電導層を積層したテープ線材構造が採用されている。
一方で、上記銅酸化物超電導体に次ぐ新しい高温超電導体群として2008年に鉄系超電導体が発見された。図1に示すように、鉄系超電導体には、最高で56K程度の臨界温度(T)を示すZrCuSiAs型の結晶構造をもつ1111系化合物(一例としてNdFeAs(O,F)、図1(a)参照)、最高で38K程度のTを示すThCrSi型結晶構造をもつ122系化合物(一例として(Ba,K)FeAs、図1(b)参照)、最高で15K程度のTを示すα‐PbO型結晶構造をもつ11系化合物(一例としてFe(Se,Te)、図1(c)参照)等、異なる構造をもつ多くの超電導体が見つかっている。なお、図1(a)〜(c)において、Lnはランタノイド元素、PnはP、As等のニクトゲン元素、Aeはアルカリ土類金属元素、Chはカルコゲン元素を表す。
このうち、Tの高い1111系化合物や122系化合物については、銅酸化物超電導体に匹敵する高い上部臨界磁場(Hc2)を示すため、線材への応用を目指しPIT法によるシース線材作製や、PLD法等の成膜法により超電導層の薄膜を積層したテープ線材の作製が試みられている。
特に122系化合物は、上部臨界磁場(Hc2)の異方性が小さいなど磁場中の応用に適した特性をもち、さらにPLD法により比較的容易に高品質エピタキシャル薄膜が形成できるため、Y系銅酸化物線材と同様のIBAD‐MgO層を含む2軸配向中間層をもつ金属基板上の薄膜作製が試みられている。例えばCo置換BaFeAs(Ba122)薄膜では、4.2Kにおける自己磁場中の臨界電流密度(J)として1MA/cm以上の高い値が報告されている(非特許文献1)。
これらの膜中には、図11(a)に示すように、超電導層21の膜厚方向(c軸方向)に結晶粒界や転位などの層状の欠陥22又は筋状の欠陥23が存在し、c軸方向の磁場印加に対し弱いピン止め効果があることが指摘されているが、磁場印加によりJは比較的急速に低下し、7Tの磁場印加においては、0.1MA/cm以下となってしまう。
そこで、磁場中のJを向上させる磁束ピン止め中心を有する鉄系超電導材料が一部、報告されている。非特許文献2、非特許文献3には、図11(b)に示すように、122系化合物からなる超電導層24の膜厚方向(c軸方向)にロッド状に磁束ピン止め中心25が形成された鉄系超電導材料が報告されている。より具体的には、SrTiO中間層上にPLD法で成長させたCo置換Ba122(Ba(Fe,Co)As)薄膜では磁束ピン止め中心となる酸化物不純物BaFeOxが自然に形成されており、これにより、c軸に平行に印加した7T磁場中で1MA/cm以上の高いJを得ることができることが報告されている。
しかしながら、このような膜では、ab軸方向に磁場を印加した場合のJが、c軸方向に印加した場合に比べ1/5以下と小さく、超電導マグネット等への応用で問題になる磁場角度を変えた際のJの最小値が大幅に低下するという問題があった。
一方、Y系銅酸化物超電導線材では、BaZrOやY等の酸化物不純物のナノ粒子やナノロッドをMOD法やPLD法で分散させることにより、磁場角度を変化させたときのJの最小値が向上できることが報告されている(非特許文献4等)。しかしながら、酸素を含まない122系鉄系超電導材料では、薄膜を超高真空や高真空中で作製するのが通常で、酸素雰囲気中では薄膜の結晶性の劣化が生じるなどの問題が生じるため、酸化物ナノ粒子を人工的に分散させたという報告はない。
Katase et al., Applied Physics Letters 98巻 242510(2011) Lee et al., Nature Materials 9巻 397(2010) Zhang et al., Applied Physics Letters 98巻 042509(2011) Maiorov et al., Nature Materials 8巻 398(2009)
従来の122系鉄系超電導材料は、磁場印加に対しJが急激に低下するという問題があった。また、酸化物バッファ層を利用して膜中にロッド状の磁束ピン止め中心が形成された場合(図11(b)参照)にも、c軸方向の磁場印加に対してはJが向上するが、c軸に垂直方向(ab軸方向)に磁場を印加した場合はJがほとんど向上せず、逆に低下するという問題があった。本発明の目的は、何れの方向の磁場印加に対してもJの低下が少なく、かつJの磁場角度依存性が小さい(即ち異方性の小さい)、鉄系超電導材料、及びこれを用いた超電導層、及び当該超電導層を備えた低温、高磁場で利用可能な線材を提供することにある。
前記課題を解決するため本発明の鉄系超電導材料は、ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体と、BaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す)で示される粒径30nm以下のナノ粒子とを有し、前記ナノ粒子が1×1021−3以上の体積密度で分散していることを特徴とする。
また、本発明の鉄系超電導材料は、前記ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体が、AFe2+x(As1−y,P2−z(AはBa、Srのうち1種又は2種であり、−0.2≦x≦0.2、0.2≦y≦0.45、0≦z≦0.2)であっても良い。
また、本発明の鉄系超電導材料は、前記ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体が、(A1−α,Kα)Fe2+βAs2−γ(AはBa、Srのうち1種又は2種であり、0.25≦α≦0.65、−0.2≦β≦0.2、0≦γ≦0.2)であっても良い。
また、本発明の鉄系超電導材料は、前記ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体が、A(Fe1−p,Co2+qAs2−r(AはBa、Srのうち1種又は2種であり、0.06≦p≦0.13、−0.2≦q≦0.2、0≦r≦0.2)であっても良い。
また、本発明の鉄系超電導材料は、前記ナノ粒子の粒径が5nm以上、15nm以下であることが好ましい。
また、本発明の鉄系超電導材料は、前記ナノ粒子が、1×1022−3以上、6×1023−3以下の体積密度で分散していることが好ましい。
また、本発明の鉄系超電導層は、前記鉄系超電導材料からなることが好ましい。
また、本発明の鉄系超電導テープ線材は、前記鉄系超電導材料からなる鉄系超電導層が形成されてなることが好ましい。
また、本発明の鉄系超電導線材は、金属シース中に、前記鉄系超電導材料が充填されてなることが好ましい。
本発明の鉄系超電導材料は、ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体に、BaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す)からなる粒径30nm以下のナノ粒子を含んでいることで、磁場を印加した場合であっても臨界電流密度(J)の低下を抑制することができる。加えて、この粒径30nm以下のナノ粒子は、1×1021−3以上の体積密度で分散しているため、c軸に垂直方向(ab軸方向)に磁場を印加した場合であってもJの低下を抑制することができる。即ち、Jの磁場角度依存性が小さい鉄系超電導材料、及びこれを用いた超電導層、及び当該超電導層を備えた低温,高磁場で利用可能な線材を提供することができる。
代表的な鉄系超電導体の結晶構造を示す図である。 本発明に係る鉄系超電導テープ線材の模式図であり、テープ基材上に、鉄系超電導材料からなる鉄系超電導層が形成されたものを示す。 本発明に係る鉄系超電導材料の模式図であり、鉄系超電導体の薄膜中にナノ粒子が分散した様子を示す。 本発明に係る鉄系超電導線材の模式図であり、金属シース中に、鉄系超電導材料が充填されたものを示す。 実施例におけるX線回折パターン(図5(a))と、透過型電子顕微鏡(TEM)によりZr元素の分布を観察した様子(図5(b))である。 実施例におけるナノ粒子の粒径と測定エリア内の観察個数のヒストグラムである。 実施例における臨界電流密度の磁場依存性を示す図である。 実施例における磁束密度と最大ピン力の関係を示す図である。 実施例における臨界電流密度の磁場角度依存性を示す図である。 実施例における分散されたナノ粒子の体積密度と臨界電流密度の低下を抑制する効果の関係を示す図である。 従来技術の鉄系超電導材料を示す模式図であり、図11(a)は、層状又は筋状の欠陥を有する鉄系超電導層を示し、図11(b)は、ロッド状に磁束ピン止め中心が形成された鉄系超電導層を示す。
以下、本発明に係る鉄系超電導材料の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(鉄系超電導テープ線材)
図2に本発明の一実施形態に係る鉄系超電導テープ線材1を示す。鉄系超電導テープ線材1は、テープ状の基材2の主面(表面)上に、中間層8、鉄系超電導層(鉄系超電導材料)6、安定化層7が積層されてなる。なお、前記中間層8は、ベッド層3、第1配向層4、第2配向層5から構成される。
基材2は、通常の超電導線材の基材として使用し得るものであれば良く、可撓性を有する長尺のテープ状であることが好ましい。また、基材2に用いられる材料は、機械的強度が高く、耐熱性があり、線材に加工することが容易な金属を有しているものが好ましい。市販品であればハステロイ(商品名、ヘインズ社製)が好適であり、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等の何れの種類も使用できる。また、基材2としてニッケル合金などに集合組織を導入した配向Ni−W合金テープ基材を用いてもよい。
中間層8は、鉄系超電導層6の結晶配向性を制御し、基材2中の金属元素の鉄系超電導層6側への拡散を防止するものである。さらに、基材2と鉄系超電導層6との物理的特性(熱膨張率や格子定数等)の差を緩和するバッファ層として機能し、その材質は、物理的特性が基材2と鉄系超電導層6との中間的な値を示す金属酸化物が好ましい。
本実施形態の中間層8は、ベッド層3、第1配向層4、第2配向層5から構成されるが、これに限定されるものではなく、基材2の構成元素拡散を防止する拡散防止層(一例として窒化ケイ素(Si)、アルミナ(Al)等から形成される)を、基材2とベッド層3との間に形成した構造であっても良い。
中間層8を構成するベッド層3は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するためのものであり、その上に形成される膜の配向性を得るために用いる。ベッド層3は、Y、Er、CeO、Dy3、Er、Eu、Ho、La等からなる。ベッド層3は、スパッタリング法等の成膜法により形成される。
なお、ベッド層3は、省略することができる。
第1配向層4は、その上の第2配向層5の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から形成される。第1配向層4の材質として具体的には、MgO等の金属酸化物を例示することができる。
この第1配向層4をIBAD(Ion−Beam−Assisted Deposition)法により良好な2軸配向性で成膜することで、第2配向層5の結晶配向性を良好にすることができ、その上に成膜する鉄系超電導層6の結晶配向性を良好にして優れた超電導特性を発揮できる。
本実施形態の第1配向層4は、IBAD法により成膜されたMgOからなるIBAD−MgO層を適用しており、以下、特に指定がなければ、第1配向層4をIBAD−MgO層であるとする。
第2配向層5は、上述の第1配向層(IBAD−MgO層)4の表面に成膜されて結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料からなる。MgOをスパッタリング等で成膜したMgOを適用することができる。スパッタリング等により、MgOを成膜することで、大きな成膜速度で形成でき、良好な結晶配向性を得ることができる。第2配向層5の膜厚は50〜500nmの範囲に形成できる。
本実施形態の第2配向層5は、スパッタリングにより成膜されたMgOからなるスパッタリング−MgO層を適用しており、以下、特に指定がなければ、第2配向層5をスパッタリング−MgO層であるとする。
本実施形態の鉄系超電導材料からなる鉄系超電導層6は、図1(b)に示すようなThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体(122系化合物)の薄膜中に、BaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す)からなる粒径が30nm以下のナノ粒子が1×1021−3以上の体積密度で分散している。
図3に本実施形態の鉄系超電導層6の内部構造を模式的に示す。図3に示すように、鉄系超電導層は、鉄系超電導体の薄膜9中にナノ粒子10が分散して形成されている。
このナノ粒子10は、BaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す)からなり、その粒径は30nm以下であり、より好ましくは、5nm以上、15nm以下である。
また、ナノ粒子10は、鉄系超電導体の薄膜9中に、1×1021−3以上の体積密度で分散しており、1×1022−3以上、6×1023−3以下の体積密度で分散していることがより好ましい。
なお、BaXOの粒子として、30nmを超えるものがある場合であっても、30nm以下のナノ粒子10が、上述した体積密度の範囲で分散していれば、磁束ピン止め中心として効果的に機能することができる。
従来、酸素を含まない鉄系超電導体の薄膜9の内部に酸化物を均一に拡散させることは困難であると考えられていた。しかしながら、本発明者らは、酸素との結合力の強いBaとZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上から構成されるペロブスカイト構造酸化物(BaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す))は、酸素を含まない鉄系超電導体である122系化合物のマトリックス中でもナノ粒子として安定に存在することができることを見出した。即ち、BaXOをナノ粒子10として、鉄系超電導体の薄膜9中に拡散させることによって、磁束ピン止め中心として機能させ、磁場を印加した場合であっても、鉄系超電導材料の臨界電流密度(J)の低下を抑制することができる。
また、BaXOのうち、特にBaZrO(BZO)、BaHfO(BHO)、BaTiO(BTO)が、鉄系超電導体の薄膜9中において安定し磁束ピン止め中心として効果が高く好適に採用される。
ところで、ThCrSiの結晶構造を持つ122系の鉄系超電導体のab軸方向の超電導コヒーレンス長ξは低温(例えば5K)で2.5nm程度、15〜20Kでは4nm程度である。
鉄系超電導体の薄膜9に分散されるナノ粒子10の粒径dは、前記超電導コヒーレンス長ξに比べ極端に大きくなければ有効な磁束ピン止め中心として機能することができる。より具体的には、ナノ粒子10の粒径dと超電導コヒーレンス長ξの2倍したもの比であるd/(2ξ)が、1以上4以下であれば、磁束ピン止め中心として機能する。即ち、ナノ粒子10の粒径dが、2ξ≦d≦8ξとなっていることが好ましい。
したがって、122系の鉄系超電導体のab軸方向の超電導コヒーレンス長ξが、5〜20K程度で2.5〜4nm程度であることを考えると、ナノ粒子10の粒径dは、5〜30nm程度であれば、当該ナノ粒子10は、磁束ピン止め中心として機能する。
また、ナノ粒子10の粒径dと超電導コヒーレンス長ξの2倍との比であるd/(2ξ)が、低温(例えば5K)であっても3以下となっていることがより好ましい。d/(2ξ)が、3以下であることで、広い温度範囲で強い磁束ピン止め力を得ることができる。つまり、ナノ粒子10の粒径dが、2ξ≦d≦6ξとなっていることがより好ましく、低温での超電導コヒーレンス長ξは、2.5nm程度であることから、ナノ粒子10の粒径dは、15nm以下であることがより好ましい。
ナノ粒子10は、鉄系超電導体の薄膜9に均一に分散させることで、あらゆる方向に印加された磁場に対し、磁束ピン止め中心として機能させることができる。
ナノ粒子10の体積密度は1×1021−3程度のわずかな分散量であっても磁場中のJの低下を抑制することができる。しかしながら、1×1022−3以上、6×1023−3以下の体積密度で分散させることがより望ましい。このような体積密度で分散させることで、ナノ粒子10同士の平均距離を20〜30nm程度とすることができ、数Tの磁場印加に対する全磁束を効率的にビン止めすることが可能となる。
ナノ粒子10を6×1023−3を超える体積密度で分散させた場合においては、Tが低下したり、電流の流れるパスが阻害されJが低下する虞があり、好ましくない。
また、本発明の超電導材料に適用される122系の鉄系超電導体は、122系超電導体の中でも25K以上の高いTを有する、AFe(As,P)、(A,K)FeAs、A(Fe,Co)As(AはBa、Srのうち1種又は2種を示す)の何れかを主相とするものを用いる事が好ましい。
より具体的には、これらの結晶組織の組成は、AFe2+x(As1−y,P2−z(−0.2≦x≦0.2、0.2≦y≦0.45、0≦z≦0.2)、(A1−α,Kα)Fe2+βAs2−γ(0.25≦α≦0.65、−0.2≦β≦0.2、0≦γ≦0.2)、A(Fe 1−p ,Co 2+q As 2−r (0.06≦p≦0.13、−0.2≦q≦0.2、0≦r≦0.2)となっていることが好ましい。このような組成となっていることで、安定して超電導特性を示す超電導材料を形成することができる。
このようなナノ粒子10を122系の鉄系超電導体の薄膜9に均一分散させた鉄系超電導層6は、PLD法(パルスレーザー蒸着法)により形成することができる。PLD法は、レーザー光照射によりターゲットから叩き出された構成粒子の噴流を対象物に堆積させる積層方法である。したがって、本実施形態においては、ターゲットの噴流を基材2の主面上の中間層8に向け堆積させ鉄系超電導層6を中間層8上に形成させる。
ターゲットは、鉄系超電導層6を成膜するために、形成しようとする鉄系超電導層6と同等、又は近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた材料の焼結体を用いることができる。
PLD法によって鉄系超電導層6を成膜する場合、成膜用のターゲットに、鉄系超電導体の薄膜9の構成材料と共に、ナノ粒子10の元となる材料(BaXO)を混入しておき、鉄系超電導層6の結晶成長と同時にナノ粒子10を導入することができる。
鉄系超電導テープ線材1において、前記鉄系超電導層6の上には、安定化層7が積層されている。安定化層7は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、鉄系超電導層6とこの層よりも上面に設ける層との間で起こる化学反応を抑制する等の機能を有する。
なお、本実施形態においては、図2に示すようにテープ状の基材2上に中間層8を介して鉄系超電導層6を形成した鉄系超電導テープ線材1について説明した。しかしながら、本発明の鉄系超電導材料は、図4に例示するようにAgなどの安定化材からなるシース30の内部に、鉄系超電導材料31を内包した鉄系超電導線材32に適用することができる。
即ち、シース30の内部に充填する鉄系超電導材料31として、ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体(122系超電導体)にBaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す)からなる粒径が30nm以下のナノ粒子が1×1021−3以上の体積密度で分散させたものを用いて、鉄系超電導線材32を形成することで、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験例1>
PLD法により、MgO(100)単結晶基板上に80nmの鉄系超電導層を形成した。レーザー光源として、2倍高調波のNd:YAGレーザー(波長532nm)を用いて、ターゲット上でのレーザー光のエネルギー密度を10J/cm、繰り返し周波数を10Hzとした。また、基板温度は800℃として成膜を行った。
ターゲットとして、BaFe(As0.670.33に、BaZrO(BZO)を1mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例Aとし、3mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例Bとし、BZOを含まないものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を比較例Aとした。
なお、BaFe(As0.670.33は、P置換Ba122系鉄系超電導体であり、これ以降の明細書及び図中において、Ba122:Pと表記する。
実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)と比較例A(Ba122:P)の鉄系超電導層に対してX線回折による分析を行った結果を図5(a)に示す。
図5(a)において、上側に示された実施例BのX線回折の分析結果においては、Ba122:Pのc軸配向ピークと共に、BaZrO(BZO)の回折ピークが観測された。即ち、実施例Bの鉄系超電導層の内部に、BZOの粒子が形成されていることが確認された。
一方、図5(a)において、下側に示された比較例AのX線回折の分析結果においては、Ba122:Pのc軸配向ピークのみが観察された。
また、実施例Bと比較例AのBa122:Pのc軸配向ピークを比較したところ、比較例Aに対して実施例Bのc軸配向ピークに顕著な低下はなく、即ち、実施例Bのc軸配向度に、さらに面内配向度にも顕著な劣化は見られなかった。
次に、実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)によりZr元素の分布を観察した様子を図5(b)に示す。なお、図5(b)において、鉄系超電導層(Ba122:P+3mol%BZO)中に白く表示された部分がZrである。
なお、同じ断面のFe元素やAs元素の分布をTEMにより観察した場合(図示略)においては、Zr元素の分布と反転する像が観察された。このことからZr元素を含むBZOが、Fe元素、As元素からなる鉄系超電導体Ba122:Pの内部に分散していることが確認された。
TEM観察によりZrの元素マッピングを行い、実施例Bの鉄系超電導層中に含まれるBZOナノ粒子の粒径及び体積密度を計測した。元素マッピングにより、実施例Bの鉄系超電導層中には、平均粒径8nmのランダム配向のBZOのナノ粒子が6.7×l022−3の体積密度で分散していることが確認された。また、特に磁束ピン止め中心としての効果の高い、5nm以上、15nm以下のBZOナノ粒子は、4.0x1022−3の体積密度で分散していることが確認された。
図6に、BZOのナノ粒子の粒径と測定エリア内の観察個数のヒストグラムを示す。図6に示すように、BZOのナノ粒子は、3〜15nmに分布している。
同様の手順により、実施例A(Ba122:P+1mol%BZO)の断面をTEMにより観察し元素マッピングを行ったところ、実施例Aの鉄系超電導層中には、平均粒径8nmのランダム配向のBZOのナノ粒子が2.5x1022−3の体積密度で分散していることが確認された。
また、実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)の鉄系超電導層のTzero(抵抗値が0になるときの温度)は、26.5Kであり、BZOからなるナノ粒子を導入したことによるTの低下はほとんど見られなかった。
図7に、実施例A(Ba122:P+1mol%BZO)、実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)、及び比較例A(Ba122:P)の鉄系超電導層に対する5KにおけるJの磁場依存性の測定結果を示す。なお、磁場の印加方向はc軸方向である。図7において、横軸はc軸方向に印加した磁場の磁束密度(μH)を表し、縦軸は臨界電流密度Jを表す。
実施例A、実施例Bと比較例Aの測定結果を比較すると、7T以下の磁場印加の範囲内において、BZOからなるナノ粒子を導入したことにより、c軸方向の磁場印加による鉄系超電導層のJの低下が抑制されていることが確認できる。また、実施例Aの鉄系超電導層に対して、実施例Bの鉄系超電導層は、J低下抑制の効果が高かった。これは、実施例Aの鉄系超電導層にはBZOのナノ粒子が2.5x1022−3の体積密度で分散しているのに対して、実施例Bの鉄系超電導層にはBZOのナノ粒子が6.7×l022−3の体積密度で分散しており、高密度でナノ粒子が分散していることにより、J低下抑制の効果が高まったためであると考えられる。
なお、実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)の鉄系超電導層の5K、7TにおけるJは、約1MA/cmとなっており、比較例Aの鉄系超電導層の約3倍となっている。
さらに、図7に示す測定結果から、磁束ピン止め強さの目安となる最大ピン力(F)を以下の式に基づき見積もった。
図8に、上式から導いたc軸方向に印加した磁場の磁束密度(μH)と最大ピン力(F)の関係を示す。また、図8に、金属系の超電導材料であるNbSn、NbTi、MgBからなる線材にc軸方向に磁場を印加した場合の、磁場の磁束密度(μH)と最大ピン力(F)の関係を合わせて示す。なお、NbSn、NbTiは、4.2Kにおける測定値をMgBは、15Kにおける測定値を示す。
これらの結果から、実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)の鉄系超電導層においては、c軸方向に3〜9Tの磁場を印加した場合、約60GN/mのピン力を得られることが分かった。これは、NbSn線材(4.2K)の最大ピン力の値を50%程度上回るピン力であることがわかった。
また、実施例A(Ba122:P+1mol%BZO)の鉄系超電導層においては、実施例Bと比較するとピン力は小さいものの、比較例Aと比較すると大きなピン力を有していることがわかる。
なお、図8の結果は、実施例A、実施例B、比較例Aの鉄系超電導層の5Kのピン力を示したものであるが、同様の試験を15Kで行った場合であっても、NbTi線材(4.2K)、MgB線材(15K)の最大ピン力の値を上回るピン力が得られた。
図9に、実施例A(Ba122:P+1mol%BZO)、実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)、及び比較例A(Ba122:P)の鉄系超電導層に対する15Kの温度、1Tの磁場中におけるJの磁場角度依存性の測定結果を示す。図9において、横軸は印加した磁場の角度(θ)を表し、縦軸は臨界電流密度Jを表す。なお、印加した磁場の角度(θ)は、c軸方向を0°としてとっており、90°がa軸又はb軸方向となっている。
比較例Aの鉄系超電導層の測定結果を参照すると、磁場をc軸方向(0°)に印加した場合にJはそれぞれ最小となり、c軸に垂直(ab軸方向、90°)に印加した場合にJは最大となる。また、磁場をc軸方向に印加した場合のJとab軸方向に印加した場合のJの比は上部臨界磁場の異方性に略等しく、1.6となっている。
また、実施例A、実施例Bの鉄系超電導層の測定結果を参照すると、比較例Aの鉄系超電導層の測定結果と同様に、磁場をc軸方向に印加した場合にJはそれぞれ最小となり、c軸に垂直に印加した場合にJは最大となっているが、比較例Aの測定結果を比較すると、全ての磁場の角度(θ)において、BZOからなるナノ粒子を導入したことにより、Jの低下が抑制されていることが確認できる。また、実施例Aの鉄系超電導層に対して、実施例Bの鉄系超電導層は、J低下抑制の効果が高かった。これは、実施例Aと実施例Bの鉄系超電導層におけるBZOのナノ粒子の体積密度の違いによるものと考えられる。加えて、実施例Bにおいて、磁場をc軸方向に印加した場合のJとab軸方向に印加した場合のJの比は、1.1となっており、上部臨界磁場の比1.55と比較してかなり小さくなっていることが確認された。
図10は、鉄系超電導層の磁束ピン止め効果(即ち臨界電流密度の低下を抑制する効果)と、BZOナノ粒子の分散量の関係を示す図である。
図10(a)は、実施例B(Ba122:P+3mol%BZO)の鉄系超電導層に対する5K及び15KにおけるJの磁場依存性の測定結果をプロットしたものである。ただし、図10(a)において、横軸にはc軸方向に印加した磁場の磁束密度(μH)をとり、縦軸に比較例A(BZOナノ粒子を含まない)の鉄系超電導層の臨界電流密度Jc,standardに対する実施例Bの鉄系超電導層Jc,BZOの比Jc,BZO/Jc,standardをとった。
図10(a)に示すように、BZOを3mol%含有するターゲットを用いた鉄系超電導層(実施例B)の磁束ピン止め中心としての効果が最も高まるのは、約3.5Tの磁場を印加した場合であることがわかる。このように、最も磁束ピン止め中心として効果が高いc軸方向への磁束密度をBmaxと呼ぶこととする。
図10(a)の図と同様の図を、実施例A(Ba122:P+1mol%BZO)の鉄系超電導層に対してプロットすると(図示略)、15Kにおいて最も磁束ピン止め中心として効果が高いc軸方向への磁束密度Bmaxは、約2.5Tとなった。
図10(b)に実施例A及び実施例Bの鉄系超電導層に分散するBZOナノ粒子の体積密度と、15KにおけるBmaxの関係を示す。
図10(b)に示すように、鉄系超電導層に分散するBZOナノ粒子の体積密度を高くすることで、最も磁束ピン止め中心として効果が高いc軸方向への磁場(即ち磁束密度Bmax)も上昇することがわかる。即ち、分散するBZOナノ粒子の体積密度を高めることで、磁束ピン止め中心としての効果を高めることができる。
なお、希土類系銅酸化物超電導材料(例えばY系銅酸化物超電導材料)において、酸化物不純物のナノ粒子による磁束ピン止め中心としての効果は、酸化物不純物ナノ粒子の体積密度の体積密度の1/2乗、又は1/3乗に比例して高まることが知られている。
図10(b)においても、理論的に同様の根拠から、1/3乗に比例して磁束ピン止め効果が高まると考えられる。
次に、鉄系超電導層の組成の異なるサンプルを複数用意し、BaFe(As,P)の構成元素の組成を様々に変えて、鉄系超電導層のTや磁場中のJを測定した。
なお、ターゲットとしては同じものを用いて、PLD法による成膜条件を変えることで構成元素の組成を様々に変更した。また、作製した鉄系超電導層の組成は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって分析した。
その結果、BaとFeとAs又はPの組成比が、化学量論組成1:2:2であり、Baを基準とした場合、Feを±10%、As又はPは、−10〜0%の範囲の組成のズレであれば、鉄系超電導層のTや磁場中のJに大きな変化がないことが分かった。即ち、鉄系超電導層の組成をBaFe2+x(As,P)2−zとして表した場合、x及びzが、−0.2≦x≦0.2、0≦z≦0.2となっていれば、鉄系超電導層のTや磁場中のJに大きな変化がないことが分かった。
また、BZOナノ粒子の導入による同様の磁場中Jの向上や、Jの磁場方向による異方性の低減効果が観測された。
<試験例2>
次に、上記した試験例1と比較して、ターゲットの組成のみを変えて、実施例C、実施例D、実施例Eの鉄系超電導線材を作製した。ターゲットとして、BaFe(As0.670.33に、BaZrO(BZO)を5mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例Cとし、10mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例Dとし、15mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例Eとした。
実施例C、実施例D、実施例Eの鉄系超電導層に対して、TEMにより、元素マッピングを行い、これらの鉄系超電導層中に含まれるBZOナノ粒子の粒径及び体積密度を計測した。
これにより、実施例Cの鉄系超電導層中には平均粒径8nmのランダム配向のBZOのナノ粒子が、1.2×1023−3の体積密度で分散していることが確認された。
また、実施例Dの鉄系超電導層中には平均粒径7nmのランダム配向のBZOのナノ粒子が、3.9×1023−3の体積密度で分散していることが確認された。
また、実施例Eの鉄系超電導層中には平均粒径6nmのランダム配向のBZOのナノ粒子が、6.0×1023−3の体積密度で分散していることが確認された。
実施例C、実施例D、実施例Eの鉄系超電導層に対して、5Kでc軸方向に印加した1T磁場中でのJを評価したところ、実施例Cの鉄系超電導層のJは、3.1MA/cm、実施例Dの鉄系超電導層のJは、3.7MA/cm、実施例Eの鉄系超電導層のJは、1.9MA/cmとなった。
上段の試験例1における比較例Aの5Kでc軸方向に印加した1T磁場中のJが、1.1MA/cmであることと比較すると、実施例Cの鉄系超電導層は2.9倍、実施例Dの鉄系超電導層は3.4倍、実施例Eの鉄系超電導層は1.7倍のJとなっており、磁場印加中のJの低下を抑制できたことが確認された。
実施例C、実施例D、実施例Eをそれぞれ比較すると、最もBZOのナノ粒子の体積密度が高い実施例EのJ低下の抑制効果は低くなっている。これは、BZOのナノ粒子の密度が高いため、鉄系超電導層の結晶性(c軸配向度)が悪くなっているためと考えられる。これを確認する目的で、実施例EのTzeroを測定したところ21.5Kとなっており、5Kの低下が確認された。即ち、実施例Eの鉄系超電導層では、BZOのナノ粒子の体積密度が高いため、結晶性が悪化していることが確認された。
<試験例3>
次に、上記した試験例1と比較して、ターゲットの組成のみを変えて、実施例a、実施例b、実施例c及び比較例a、比較例b、比較例cの鉄系超電導線材を作製した。ターゲットとしては、上段の試験例1と比較してAsとPの組成比を変えたものを用いた。
比較例aのターゲットとして、BaFe(As0.750.25のものを用いた。
また、実施例aのターゲットとして、BaFe(As0.750.25にBZOを3mol%含有させたものを用いた。
比較例bのターゲットとして、BaFe(As0.600.40のものを用いた。
また、実施例bのターゲットとして、BaFe(As0.600.40にBZOを3mol%含有させたものを用いた。
比較例cのターゲットとして、BaFe(As0.500.50のものを用いた。
また、実施例cのターゲットとして、BaFe(As0.500.50にBZOを3mol%含有させたものを用いた。
それぞれのターゲットを用いて形成した鉄系超電導層を、EPMA分析により層中のPの組成を調べたところ、BZO含有の有無にかかわらず、PのAsに対する組成比がターゲット組成と比較して、約0.05だけ少なくなっていた。
より具体的には、AsとPの組成比が、比較例a及び実施例aにおいては、0.81:0.19となっており、比較例b及び実施例bにおいては、0.65:0.35となっており、比較例c及び実施例cにおいては、0.55:0.45となっていた。
これらの鉄系超電導線材の鉄系超電導層のTzero(抵抗値が0になるときの温度)を測定した。また、これらの鉄系超電導層に対して、5Kでc軸方向に印加した1T磁場中でのJを測定した。これらの測定結果を表1に示す。
表1から、BZOを含有させることで、Tzeroが大きく低下するなどの現象が見られないことが確認された。
比較例a及び実施例aの鉄系超電導層においては、5Kでc軸方向に印加した1T磁場中でのJが低くなっている。これは、AsとPの組成比により、転移幅が広くなっているためであると考えられる。
AsとPの組成はこれらの組成比をAs:P=1−y:yとして表した場合、0.2≦y≦0.45となっていることが好ましい。これにより、鉄系超電導材料は、安定したJ及びTを示すことができるが、比較例a及び実施例aの鉄系超電導線材は、当該範囲を外れており、Jが極端に低いという結果となった。
比較例aと実施例a、比較例bと実施例b、比較例cと実施例cをそれぞれ比較すると、BZOを含有することで各実施例のJが高くなっていることがわかる。即ち、BZOのナノ粒子を鉄系超電導層に導入することで、磁場印加によるJの低下を抑制できることが確認された。
<試験例4>
次に、上記した試験例1と比較して、ターゲットの組成のみを変えて、実施例d、実施例e、及び比較例d、比較例eの鉄系超電導線材を作製した。ターゲットとしては、上段の試験例1と比較して、BaをSrによって50%又は100%置換したものを用いた。
比較例dのターゲットとして、(Ba0.5Sr0.5)Fe(As0.670.33のものを用いた。
また、実施例dのターゲットとして、(Ba0.5Sr0.5)Fe(As0.670.33にBZOを3mol%含有させたものを用いた。
比較例eのターゲットとして、SrFe(As0.670.33のものを用いた。
また、実施例eのターゲットとして、SrFe(As0.670.33にBZOを3mol%含有させたものを用いた。
これらの鉄系超電導線材の鉄系超電導層のTzero(抵抗値が0になるときの温度)を測定した。また、これらの鉄系超電導層に対して、5Kでc軸方向に印加した1T磁場中でのJを測定した。これらの測定結果を表2に示す。
表2から、BZOを含有させることで、Tzeroが大きく低下するなどの現象が見られないことが確認された。
また、比較例dと実施例d、比較例eと実施例eをそれぞれ比較すると、BZOを含有することで各実施例のJが高くなっていることがわかる。即ち、BZOのナノ粒子を鉄系超電導層に導入することで、磁場印加によるJの低下を抑制できることが確認された。
さらに、Jの磁場角度依存性の測定を行ったところ、BZO導入による異方性の低減が確認された。
<試験例5>
次に、上記した試験例1と比較して、ターゲットの組成を変えて、100nmの厚さの鉄系超電導層を形成した実施例f、実施例g、実施例hを作製した。
ターゲットとして、BaFe(As0.670.33に、BaSnO(BSO)を3mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例fとし、BaHfO(BHO)を3mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例gとし、BaTiO(BTO)を3mol%含有させたものを用いて鉄系超電導層を形成した鉄系超電導線材を実施例hとした。
実施例f、実施例g、実施例hの鉄系超電導層に対してX線回折による分析を行った。これにより、これらの鉄系超電導層では鉄系超電導体(122系化合物)がc軸配向及び面内配向していることが確認された。また、ターゲットにBHO又はBTOを含有させた実施例g、実施例hにおいては、それぞれの含有物質(BHO又はBTO)の回折ピークが観測されたがBSOを含有させた実施例fにおいては、BSOの回折ピークは微弱なものであった。
実施例f、実施例g、実施例hの鉄系超電導層に対して、TEMにより、元素マッピングを行い、これらの鉄系超電導層中に含まれるBZOナノ粒子の粒径及び体積密度を計測した。
これにより、実施例fの鉄系超電導層中にはピン止め効果に有効な粒径5nm以上のBSOのナノ粒子が、5×1021−3の体積密度で分散していることが確認された。
また、実施例gの鉄系超電導層中には平均粒径10nmのランダム配向のBHOのナノ粒子が、7×1022−3の体積密度で分散していることが確認された。
また、実施例hの鉄系超電導層中には平均粒径15nmのランダム配向のBTOのナノ粒子が、4×1022−3の体積密度で分散していることが確認された。
実施例f、実施例g、実施例hの鉄系超電導線材の鉄系超電導層のTzero(抵抗値が0になるときの温度)を測定した。また、これらの鉄系超電導層に対して、5Kでc軸方向に印加した1T磁場中でのJを測定した。これらの測定結果を表3に示す。
表3から、BSO、BHO又はBTOを含有させることで、Tzeroが大きく低下するなどの現象が見られないことが確認された。
上段の試験例1における比較例Aの5Kでc軸方向に印加した1T磁場中のJが、1.1MA/cmであることと比較すると、BSO、BHO又はBTOを含有することで各実施例のJが高くなっていることがわかる。即ち、BZOのナノ粒子を鉄系超電導層に導入することで、磁場印加によるJの低下を抑制できることが確認された。
実施例fにおいては、ビン止め効果に有効な粒径5nm以上のBSOのナノ粒子が、5×1021−3の体積密度で分散しており、実施例gのBHOナノ粒子、実施例hのBTOナノ粒子と比較して、残存するナノ粒子の体積密度が低くなっている。また、上段の試験例1における実施例BのBZOナノ粒子と比較しても残存するナノ粒子の体積密度が低い。したがって、実施例fの鉄系超電導層は、実施例g、実施例h、実施例Bと比較してJ低下を抑制する効果は低くなっていると考えられる。
<試験例6>
次に、上記した試験例1と比較して、ターゲットの組成を変えて、100nmの厚さの鉄系超電導層を形成した実施例イ、実施例ロ、実施例ハ及び比較例イ、比較例ロ、比較例ハを作製した。
比較例イのターゲットとして、Ba(Fe0.93Co0.07Asのものを用いた。
また、実施例イのターゲットとして、Ba(Fe0.93Co0.07AsにBZOを3mol%含有させたものを用いた。
比較例ロのターゲットとして、Ba(Fe0.90Co0.10Asのものを用いた。
また、実施例ロのターゲットとして、Ba(Fe0.90Co0.10AsにBZOを3mol%含有させたものを用いた。
比較例ハのターゲットとして、Ba(Fe0.86Co0.14Asのものを用いた。
また、実施例cのターゲットとして、Ba(Fe0.86Co0.14AsにBZOを3mol%含有させたものを用いた。
比較例イ、比較例ロ、比較例ハの鉄系超電導層に対してX線回折による分析を行った。これにより、これらの鉄系超電導層では鉄系超電導体(122系化合物)がc軸配向及び面内配向していることが確認された。
また、比較例イ、比較例ロ、比較例ハの鉄系超電導層を、EPMA分析により層中のCoの組成を調べたところ、CoのFeに対する組成比がターゲット組成と比較して、若干減少がみられた。具体的には、FeとCoの組成比が、比較例イにおいては、0.94:0.06となっており、比較例ロにおいては、0.915:0.085となっており、比較例ハにおいては、0.87:0.13となっていた。
実施例イ、実施例ロ、実施例ハ、並びに比較例イ、比較例ロ、比較例ハの鉄系超電導層のTzero(抵抗値が0になるときの温度)を測定した。また、これらの鉄系超電導層に対して、5Kでc軸方向に印加した1T磁場中でのJを測定した。これらの測定結果を表4に示す。
表4から、BZOを含有させることで、Tzeroが大きく低下するなどの現象が見られないことが確認された。
本試験例においては、BZOを含有させた実施例イ、実施例ロ、実施例ハノ鉄系超電導層のFeとCoの組成比の測定は、行っていないが、試験例3において、BZOの含有の有無は、鉄系超電導層における鉄系超電導体の組成比に影響を与えないことが確認されているため、実施例イは比較例イ、実施例ロは比較例ロ、実施例ハは比較例ハの鉄系超電導層のFeとCoの組成比と一致すると考えられる。
FeとCoの組成はこれらの組成比をFe:Co=1−p:pとして表した場合、0.06≦p≦0.13となっていることが好ましい。これにより、鉄系超電導材料は、安定したJ及び20Kに近いTを示すことができる。
実施例イ、実施例ロ、実施例ハ、並びに比較例イ、比較例ロ、比較例ハの鉄系超電導層は、これらを満たすため、安定したJ及びTを示すことができる。
表4に示すように、比較例イと実施例イ、比較例ロと実施例ロ、比較例ハと実施例ハをそれぞれ比較すると、BZOを含有することで各実施例のJが高くなっていることがわかる。即ち、BZOのナノ粒子を鉄系超電導層に導入することで、磁場印加によるJの低下を抑制できることが確認された。
<試験例7>
Ba、K、FeAsとAg原料を0.7:0.48:2:0.5のモル比で混合し、窒化ホウ素(BN)の坩堝に入れSUSパイプに真空封入し1100℃で焼成することにより、(Ba,K)FeAsの多結晶体を作製した。
多結晶体に含まれるKの組成をICP発光分光分析による組成分析により調べたところ、坩堝に入れたKの組成と比較して、若干減少が見られた。具体的には、Baに対するKの組成比として、Ba:K=0.61:0.39となっていた。
多結晶体はBa122のほぼ単一組成で、磁化率測定で評価したTは36.6Kであった。
次にこの多結晶体を粉砕し、内径4mm、厚さ1mmのAgパイプに詰め、室温での機械絞り加工で約2mm外径の線に加工した後、長さ4cmに切断した。さらに、これをSUSパイプに真空封入し、860℃で36時間熱処理することにより比較例ニのAgシース鉄系超電導線を作製した。
一方で、微粉末に粉砕したBaSnO(BSO)粉末を10mol%の比率で(Ba,K)FeAsの多結晶体とボールミルを用い混合し、前記比較例ニと同様に内径4mm、厚さ1mmのAgパイプに詰め、室温での機械絞り加工で約2mm外径の線に加工した後、長さ4cmに切断した。さらに、これをSUSパイプに真空封入し、860℃で36時間熱処理することにより実施例ニのAgシース鉄系超電導線を作製した。
比較例ニのAgシース鉄系超電導線の臨界電流密度Jを4.2Kで評価したところ、ゼロ磁場で7500A/cm、5T磁場中で800A/cmの値が得られた。
同様に、実施例ニのAgシース鉄系超電導線の臨界電流密度Jを4.2Kで評価したところ、5T磁場中で865A/cmの値が得られた。即ち、Jの向上が見られた。
実施例ニのAgシース鉄系超電導線のコアの微細構造をTEMで観測したところ、BSOのナノ粒子の粒径は、そのほとんどが100nm以上であったが、30nm以下の粒径のものが6×l021−3の体積密度で存在しており、これらのBSOのナノ粒子により、磁場印加中におけるJの低下が抑制されたと考えられる。
なお、比較例ニのTは、36.1K、実施例ニのTは、36.0Kであり、BSOのナノ粒子を分散させたことによるTの顕著な変化は見られなかった。
実施例ニと同様の手順により、Ba:K=0.76:0.26となる多結晶体と、Ba:K=0.35:0.66となる多結晶体をそれぞれ形成し、これにBSOを10mol%混合し実施例ホのAgシース鉄系超電導線、及び実施例ヘのAgシース鉄系超電導線を作製した。
実施例ホ及び実施例ヘのAgシース鉄系超電導線の臨界電流密度Jを4.2Kで評価したところ、比較例ニのAgシース鉄系超電導線の磁場印加中の臨界電流密度Jに対して向上が見られた。
なお、実施例ホのTは、30.8K、実施例ヘのTは、29.6Kであった。
1…鉄系超電導テープ線材
2…基材
3…ベッド層
4…第1配向層
5…第2配向層
6…鉄系超電導層(鉄系超電導材料)
7…安定化層
8…中間層
9…薄膜(鉄系超電導体の薄膜)
10…ナノ粒子
30…シース
31…鉄系超電導材料
32…鉄系超電導線材

Claims (9)

  1. ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体と、BaXO(XはZr、Sn、Hf、Tiのうち1種又は2種以上を表す)で示される粒径30nm以下のナノ粒子とを有し、前記ナノ粒子が1×1021−3以上の体積密度で分散していることを特徴とする鉄系超電導材料。
  2. 前記ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体が、AFe2+x(As1−y,P2−z(AはBa、Srのうち1種又は2種であり、−0.2≦x≦0.2、0.2≦y≦0.45、0≦z≦0.2)であることを特徴とする請求項1に記載の鉄系超電導材料。
  3. 前記ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体が、(A1−α,Kα)Fe2+βAs2−γ(AはBa、Srのうち1種又は2種であり、0.25≦α≦0.65、−0.2≦β≦0.2、0≦γ≦0.2)であることを特徴とする請求項1に記載の鉄系超電導材料。
  4. 前記ThCrSiの結晶構造を持つ鉄系超電導体が、A(Fe1−p,Co2+qAs2−r(AはBa、Srのうち1種又は2種であり、0.06≦p≦0.13、−0.2≦q≦0.2、0≦r≦0.2)であることを特徴とする請求項1に記載の鉄系超電導材料。
  5. 前記ナノ粒子の粒径が5nm以上、15nm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の鉄系超電導材料。
  6. 前記ナノ粒子が、1×1022−3以上、6×1023−3以下の体積密度で分散していることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の鉄系超電導材料。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の鉄系超電導材料からなる鉄系超電導層。
  8. 金属テープ基材上に、請求項1〜6の何れか一項に記載の鉄系超電導材料からなる鉄系超電導層が形成されてなる鉄系超電導テープ線材。
  9. 金属シース中に、請求項1〜6の何れか一項に記載の鉄系超電導材料が充填されてなる鉄系超電導線材。
JP2013110254A 2013-05-24 2013-05-24 鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材 Expired - Fee Related JP5757587B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013110254A JP5757587B2 (ja) 2013-05-24 2013-05-24 鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材
DE102014102497.4A DE102014102497A1 (de) 2013-05-24 2014-02-26 Supraleitendes Material auf Eisenbasis, supraleitende Schicht auf Eisenbasis, supraleitendes Banddrahtmaterial auf Eisenbasis und supraleitendes Drahtmaterial auf Eisenbasis
US14/193,800 US20140349854A1 (en) 2013-05-24 2014-02-28 Iron-based superconducting material, iron-based superconducting layer, iron-based superconducting tape wire material, and iron-based superconducting wire material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013110254A JP5757587B2 (ja) 2013-05-24 2013-05-24 鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014227329A JP2014227329A (ja) 2014-12-08
JP5757587B2 true JP5757587B2 (ja) 2015-07-29

Family

ID=51863307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013110254A Expired - Fee Related JP5757587B2 (ja) 2013-05-24 2013-05-24 鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20140349854A1 (ja)
JP (1) JP5757587B2 (ja)
DE (1) DE102014102497A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9349936B2 (en) * 2013-06-19 2016-05-24 Alexander Otto Reinforced high temperature superconducting silver wire
JP6775215B2 (ja) * 2015-04-01 2020-10-28 ザ フロリダ ステイト ユニバーシティー リサーチ ファウンデーション, インコーポレイテッドThe Florida State University Research Foundation, Incorporated 鉄系超伝導永久磁石およびその製造方法
JP7057569B2 (ja) * 2016-10-18 2022-04-20 国立大学法人 筑波大学 二次元ホウ化水素含有シート、二次元ホウ素化合物含有シートの製造方法
CN109437327B (zh) * 2018-12-26 2020-09-29 台州学院 一种制备纯相Sr97Nd3Co200As200化合物的方法
CN109368708B (zh) * 2018-12-29 2020-07-31 台州学院 一种制备纯相Sr10Mn19Co1As20化合物的方法
CN112981326B (zh) * 2021-02-10 2022-07-26 上海交通大学 一种金属基超导带材及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012018850A1 (en) * 2010-08-03 2012-02-09 Brookhaven Science Associates, Llc Iron based superconducting structures and methods for making the same
JP5924836B2 (ja) * 2011-10-24 2016-05-25 国立研究開発法人理化学研究所 高温超伝導被覆線及びそれを有する高温超伝導コイル
JP2013110254A (ja) 2011-11-21 2013-06-06 Toshiba Corp 半導体集積回路及びその設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE102014102497A1 (de) 2014-11-27
JP2014227329A (ja) 2014-12-08
US20140349854A1 (en) 2014-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ma Progress in wire fabrication of iron-based superconductors
JP5757587B2 (ja) 鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材
JP6422342B2 (ja) 酸化物超電導薄膜
US20130196856A1 (en) Iron based superconducting structures and methods for making the same
US20110034336A1 (en) CRITICAL CURRENT DENSITY ENHANCEMENT VIA INCORPORATION OF NANOSCALE Ba2(Y,RE)NbO6 IN REBCO FILMS
JP5757718B2 (ja) 酸化物超電導線材の製造方法
US20110034338A1 (en) CRITICAL CURRENT DENSITY ENHANCEMENT VIA INCORPORATION OF NANOSCALE Ba2(Y,RE)TaO6 IN REBCO FILMS
JPWO2013002372A1 (ja) Re123系超電導線材およびその製造方法
US6253096B1 (en) Shielded high-TC BSCCO tapes or wires for high field applications
US8216977B2 (en) High temperature superconductors
Tajima et al. Synthesis of Bi2223 by Low $ P_ {{\rm O} 2} $ Sintering
JP5736522B2 (ja) Re123系超電導線材およびその製造方法
Wang et al. Superconducting properties and microstructures of CeO2 doped YBa2Cu3O7− δ films fabricated by pulsed laser deposition
WO2013015328A1 (ja) 超電導薄膜用基材、超電導薄膜及び超電導薄膜の製造方法
JP2005276465A (ja) 超電導線材
JP7445238B2 (ja) 超電導線材及び超電導線材の製造方法
Mele et al. Pinning-engineered YBa 2 Cu 3 O x thin films
Yamaguchi et al. Microstructure of Epitaxial Y123 Films on ${\rm CeO} _ {2} $-Buffered YSZ Prepared by Fluorine-Free MOD
Lee Growth and Characterization of Cobalt-doped Barium Iron Arsenide Epitaxial Thin Films and Superlattices
Shimoyama Superconducting joints for the 1.3 GHz persistent NMR magnet under JST-Mirai Program
JP2015011867A (ja) 酸化物超電導体及び酸化物超電導導体
Su et al. Relative effects of Pb and Re doping in Hg-1223 thick films grown on Ag substrates
Huang Pinning Enhancement for YBa2Cu3O7-δ (YBCO) and Iron Chalcogenide Thin Films
Sebastian et al. Optimizing Flux Pinning of $\hbox {YBa} _ {2}\hbox {Cu} _ {3}\hbox {\rm O} _ {7\hbox {-}{\delta}} $(YBCO) Thin Films With Unique Large Nanoparticle Size and High Concentration of $\hbox {\rm Y} _ {2}\hbox {BaCuO} _ {5} $(Y211) Additions
Mukaida et al. Microstructure and $ J_ {\rm C} $ Characteristics of Er123 Films With Artificial Pinning Centers

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5757587

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees