JP5757339B2 - チューナブル弾性波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波などの弾性波を利用したチューナブル弾性波装置に関し、より詳細には、強誘電体を用いて周波数特性を変化させ得る構成が備えられたチューナブル弾性波装置に関する。
通信システムに用いられる帯域フィルタにおいて、通過帯域を調整し得ることが求められることがある。このような要求を満たす帯域フィルタ、すなわちチューナブルフィルタが種々提案されている。
例えば下記の特許文献1には、複数の弾性表面波共振子と可変コンデンサとを用いたチューナブルフィルタが開示されている。図15は、特許文献1に記載のチューナブルフィルタの回路図である。
チューナブルフィルタ101では、入力端102と出力端103との間を結ぶ直列腕に、複数の直列腕共振子104,105が互いに直列に接続されている。また、直列腕とグラウンド電位との間の複数の並列腕において、それぞれ、並列腕共振子106,107が接続されている。直列腕共振子104,105及び並列腕共振子106,107は、弾性波共振子により形成されている。
すなわち、上記直列腕共振子104,105及び並列腕共振子106,107を有するラダー型フィルタ回路が構成されている。さらに、通過帯域を調整することを可能とするために、可変コンデンサ108〜115が接続されている。すなわち、直列腕共振子104に並列に、可変コンデンサ108が接続されており、該直列腕共振子104及び可変コンデンサ108に直列に可変コンデンサ110が接続されている。同様に、直列腕共振子105にも、並列に可変コンデンサ109が接続されており、直列に可変コンデンサ111が接続されている。
並列腕においても、並列腕共振子106に並列に可変コンデンサ112が接続されており、並列腕共振子106及び可変コンデンサ112に直列に可変コンデンサ114が接続されている。同様に、並列腕共振子107に並列に可変コンデンサ113が接続されており、直列に可変コンデンサ115が接続されている。
特開2005−217852号公報
特許文献1では、直列腕共共振子104、105および並列腕共振子106、107の共振周波数と反共振周波数を、それぞれに直並列に接続されている可変コンデンサの容量を変えることにより周波数調整可能なチューナブルフィルタが構成されている。しかしながら、このような構成では、可変コンデンサの数およびそれを制御する電圧回路の数が多くなってしまい、回路が非常に煩雑になる、という問題があった。
本発明の目的は、強誘電体を用いて周波数特性を調整することができ、しかも部品点数の少ない、設計の容易なチューナブル弾性波装置を提供することにある。
本発明に係るチューナブル弾性波装置は、強誘電体と、強誘電体に接するように設けられておりかつ弾性波を励振するためのIDT電極とを備える。すなわち、本発明に係るチューナブル弾性波装置は、IDT電極により励振される弾性波を利用するものである。本発明では、強誘電体への直流電圧の印加により上記弾性波の音速を変化させるための直流電圧印加用電極がさらに備えられている。
本発明に係るチューナブル弾性波装置のある特定の局面では、前記IDT電極が、直流電圧印加用電極を兼ねている。この場合には、チューナブル弾性波装置の構成要素をより一層少なくすることができる。
本発明のチューナブル弾性波装置の他の特定の局面では、前記IDT電極と別個に、前記直流電圧印加用電極が設けられている。このように、IDT電極とは別に直流電圧印加用電極を設けてもよく、その場合には、直流電圧印加用電極として、第1及び第2の直流電圧印加用電極が構成される。
本発明に係るチューナブル弾性波装置の他の特定の局面では、強誘電体に積層されている圧電体層がさらに備えられている。この場合には、弾性波をより一層効果的に励振することができる。もっとも、強誘電体自体は圧電効果を発揮するため、本発明においては、圧電体層は必ずしも設けられずともよい。
本発明に係るチューナブル弾性波装置のさらに他の特定の局面では、IDT電極が圧電体層に接するように設けられている。この場合には、弾性波をより効果的に励振することができる。
本発明に係るチューナブル弾性波装置の別の特定の局面では、前記IDT電極が、前記強誘電体層と前記圧電体層との界面に設けられている。この場合には、IDT電極を外部から効果的に保護することができ、耐湿性等を高めることができる。
本発明に係るチューナブル弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記直流電圧印加用電極が、強誘電体層に接している同一平面内に設けられている。この場合には、直流電圧印加用電極を、薄膜形成法などにおいて同一工程において形成することができる。
本発明に係るチューナブル弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記直流電圧印加用電極が、前記強誘電体を挟んで対向するように設けられている。この場合には、強誘電体により一層高い直流電圧を印加し、周波数調整範囲をより一層広げることができる。
本発明に係るチューナブル弾性波装置では、好ましくは、上記強誘電体としてバリウムストロンチウムチタネートが用いられる。この場合には、直流電圧の印加により、周波数特性をより一層効果的に調整することができる。
本願発明に係るチューナブル弾性波装置では、強誘電体に直流電圧を印加することにより弾性波の音速を変化させることができ、それによって、弾性波の応答による周波数特性を調整することができる。従って、本発明によれば、簡易な構造で周波数特性を得るための弾性波の音速自体を変化させ得るため、周波数調整を容易に行なうことができるだけでなく、部品点数の少ない、設計の容易なフィルタを得ることが可能となる。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図及びIDT電極を示す模式的平面図である。 図2は、弾性表面波の音速測定方法を説明するための模式的断面図である。 図3は、第1の実施形態の弾性波装置において、R面サファイヤ基板の(0−111)方向から10°ずれた方向に弾性波が伝搬する場合の印加直流電圧と弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図4は、第1の実施形態の弾性波装置において、R面サファイヤ基板の(0−111)方向に弾性波が伝搬する場合の印加直流電圧と弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図5は、第1の実施形態の弾性波装置において、R面サファイヤ基板の(0−111)方向から90°ずれた方向に弾性波が伝搬する場合の印加直流電圧と弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図6は、第1の実施形態の弾性波装置において、R面サファイヤ基板の(0−111)方向から60°ずれた方向に弾性波が伝搬する場合の印加直流電圧と弾性表面波の音速との関係を示す図である。 図7は、第1の実施形態の変形例に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図である。 図8(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図及びIDT電極と直流電圧印加用電極との位置関係を説明するための模式的平面図である。 図9は、第2の実施形態の変形例に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図である。 図10(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図及びIDT電極と第1,第2の直流電圧印加用電極との位置関係を説明するための模式的平面図である。 図11は、第3の実施形態の変形例に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図である。 図12(a)及び(b)は、第3の実施形態の他の変形例に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図及びIDT電極と第1,第2の直流電圧印加用電極との位置関係を示す模式的平面図である。 図13は、第3の実施形態のさらに他の変形例に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図である。 図14は、第4の実施形態に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図である。 図15は、従来のフィルタ装置を示す回路図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るチューナブル弾性波装置の正面断面図である。チューナブル弾性波装置1は、基板2を有する。基板2は、LiTaO、LiNbO、水晶などの適宜の圧電体や、サファイヤ、ガラスなどの絶縁体からなる。また、Siなどの半導体を用いることもできる。
基板2上にIDT電極3が形成されている。IDT電極3は、一対のくし歯電極3a,3bを有する。IDT電極3では、複数本の電極指3cが互いに間挿し合うように配置されている。
図1(a)に示すように、IDT電極3を覆うように、基板2上にバリウムストロンチウムチタネートからなる強誘電体4が積層されている。本実施形態では、IDT電極3が直流電圧印加用電極を兼ねている。
IDT電極3は、Al、Au、Pt、Cuまたはこれらの合金等の適宜の金属材料からなる。IDT電極3は、複数の金属膜を積層してなる積層金属膜により構成されていてもよい。
本実施形態のチューナブル弾性波装置1では、くし歯電極3a,3b間に交流電圧を印加することにより、弾性表面波が励振される。すなわち、バリウムストロンチウムチタネートからなる強誘電体4の圧電効果により、弾性表面波が励振される。そして、この弾性表面波の応答に基づく周波数特性が利用される。基板2が圧電体からなる場合には、基板2による圧電効果も利用して、弾性表面波が励振され得る。
なお、図1(b)では、IDT電極3を示したが、チューナブル弾性波装置1の用途に応じて、IDT電極3に加えて、反射器を追加し共振子を構成してもよい。あるいは、複数のIDT電極を設け共振子型フィルタなどのフィルタ装置を構成してもよい。
そして、本発明におけるチューナブル弾性波装置1の特徴は、IDT電極3間に直流電圧を印加することにより、周波数特性を調整し得ることにある。
強誘電体4は、直流電圧が印加されると、比誘電率εが変化することが従来より知られていた。前述した特許文献1では、この比誘電率の変化、すなわち静電容量の変化を利用している。
これに対して、本実施形態は、直流電圧の印加により、IDT電極3により励振されている弾性表面波の音速が変化することを利用している。本願発明者らは、強誘電体4を用いた弾性波装置について種々検討した結果、上記強誘電体4に直流電圧を印加した場合、強誘電体4の弾性定数が変化し、それによって励振されている弾性表面波の音速が変化することを初めて見出し、本発明をなすに至ったものである。
チューナブル弾性波装置1では、強誘電体4に印加される直流電圧を変化させることにより、励振されている弾性表面波の音速を変化させることができる。従って、周波数特性を調整することができる。しかも、弾性表面波の音速自体を変化させるものであるため、周波数特性の調整の自由度を高めることができ、チューナブル弾性波装置1の設計の自由度を大幅に高めることができる。また、部品点数を少なくすることができる。
ここで、上記強誘電体4に直流電圧を印加した際に弾性表面波の音速が変化することを、図2〜図6を参照してより具体的に説明する。
上記チューナブル弾性波装置1を、以下の仕様で用意した。
(0−111)方向に対し、伝搬方位ψが10°、0°、90°及び60°のR面サファイヤ基板を用意した。上記サファイヤ基板上にAlからなり電極指交差幅が30μm、電極指の対数が200対であるIDT電極3を100nmの厚みに形成した。そして、バリウムストロンチウムチタネートからなり、厚みが800nmの強誘電体4を形成した。
図3〜図6は、上記のようにして作製した弾性表面波の伝搬方位ψが(0−111)方向に対し、10°、0°、90°及び60°の各チューナブル弾性波装置の弾性表面波の音速と、強誘電体4に印加した直流電圧との関係を示す図である。
なお、弾性表面波の音速は、図2に模式的に示す方法に従って行なった。この方法は、IEEE TRANSECTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL, vol.45,NO.2,MARCH 1998の第421ページ〜第430ページに「A Method for Calibrating the Line−Focus−Beam Acoustic Microscopy System」に記載の方法である。
図2に示すように、弾性表面波が励振されるデバイスXの上方に音響レンズ51を配置する。音響レンズ51には、ZnO膜からなる変換器52が連結されている。変換器52は、超音波を送信しかつ受信する機能を有する。音響レンズ51の下面は凹状の形状を有し、この凹状部分がデバイスXに隙間を隔てて対向されている。この隙間に水53を配置する。この状態で図示のように変換器52から超音波をデバイスX側に発する。変換器52から発せられたバルク波は経路C1を通ってデバイスXに達し、デバイスXで弾性表面波に変換され、表面波としてデバイスXを伝搬した後、経路C2を通って、音響レンズ51に戻る。この経路C1からデバイスXを伝って経路C2から戻ってきたバルク波と、経路C3を通ってデバイスXで反射して経路C3を通って戻ってきたバルク波との、干渉や時間差を利用して、デバイスX上の弾性表面波の音速を計測することができる。
図3〜図6から明らかなように、直流電圧を印加することにより、弾性表面波の音速が大きく変化することがわかる。直流電圧が0〜20Vの間では、直流電圧を印加しない場合と同等か若干音速が高められていくものの、直流電圧が20Vを超えると、弾性表面波の音速が直流電圧の上昇にともなって低くなる。従って、本実施形態のチューナブル弾性波装置1では、上記直流電圧を変化させることにより、弾性表面波の音速を変化させることができる。よって、周波数特性を変化させることができる。しかも、弾性表面波の音速自体を変化させるものであるため、チューナブル弾性波装置1では、周波数調整に際しての設計の自由度を大幅に高めることができる。
図7は、第1の実施形態の変形例に係るチューナブル弾性波装置1Aを示す正面断面図である。本変形例のチューナブル弾性波装置1Aでは、IDT電極3が強誘電体4の上面に形成されている。このように、IDT電極3は強誘電体4の上面に形成されていてもよい。この場合においても、強誘電体4の厚みが薄ければ、弾性表面波を十分な強度で励振させることができる。加えて、BSTなどの強誘電体自体が圧電効果を発現するため、強誘電体4の上面近傍を弾性表面波が伝搬し、この弾性表面波による応答を利用することができる。
図8(a)は、本発明の第2の実施形態に係るチューナブル弾性波装置11の正面断面図である。本実施形態では、強誘電体4の上面に第1の直流電圧印加用電極5が形成されている。その他の点については、第2の実施形態は第1の実施形態のチューナブル弾性波装置と同様である。従って、同一部分については同一の参照番号を付することにより、第1の実施形態の説明を援用することとする。
上記第1の直流電圧印加用電極5は矩形の平面形状を有する。図8(b)に、IDT電極3上に位置している第1の直流電圧印加用電極5の外形を一点鎖線で示すこととする。強誘電体4を挟んで第1の直流電圧印加用電極5は、第2の直流電圧印加用電極を兼ねるIDT電極3と強誘電体4の厚み方向に対向している。
本実施形態においても、くし歯電極3a,3b間に交流電圧を印加することにより、弾性表面波が励振される。すなわち、バリウムストロンチウムチタネートからなる強誘電体4の圧電効果、あるいは基板2が圧電体からなる場合、該圧電体及び強誘電体4の圧電効果により、弾性表面波が励振される。本実施形態では、第1の直流電圧印加用電極5と、第2の直流電圧印加用電極を兼ねるIDT電極3との間に直流電圧を印加することにより、周波数特性を調整し得る。
すなわち、第1の実施形態では、IDT電極3のくし歯電極3a,3bが、第1,第2の直流電圧印加用電極を兼ねていた。これに対して、本実施形態では、第1の直流電圧印加用電極5と、IDT電極3のくし歯電極3aまたは3bが第2の直流電圧印加用電極を構成している。それによって、強誘電体4の厚み方向において、確実に直流電界を印加することができ、周波数特性を調整することができる。
本実施形態のように、IDT電極3に加えて、第1の直流電圧印加用電極5をさらに設けてもよい。図9は、第2の実施形態のチューナブルフィルタ装置11の変形例に係るチューナブルフィルタ装置11Aを示す正面断面図である。本変形例では、第1の直流電圧印加用電極5が基板2と強誘電体4との界面に形成されており、IDT電極3が強誘電体4の上面に形成されている。このように、IDT電極3は強誘電体4の上面に形成されてもよい。この場合には、図7に示した変形例のチューナブル弾性波装置1Aと同様に、強誘電体4の上面近傍弾性表面波が伝搬し、この弾性表面波による応答を利用することができる。
図10(a)は、本発明の第3の実施形態に係るチューナブル弾性波装置21の正面断面図である。本実施形態では、IDT電極3が、強誘電体4の上面に形成されている。そして、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bが、強誘電体4の下面に形成されている。この電極構造を除いては、第3の実施形態は、第1の実施形態と同様である。従って、同一部分については同一の参照番号を付することにより、第1の実施形態の説明を援用することとする。
第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bは、強誘電体4の下面、すなわち強誘電体4と基板2との界面に形成されている。言い換えれば、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bは同一平面内に位置している。従って、例えば薄膜形成法などにより第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bを同一プロセスにより効率良く形成することができる。
図10(b)は、上記IDT電極3と下方に位置している直流電圧印加用電極5A,5Bとの位置関係を示す模式的平面図である。本実施形態では、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5BはIDT電極3の弾性表面波伝搬方位両側に配置されている。そして、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bは、電極指3cの延びる方向の長さが長い矩形の形状を有している。この電極指3cが延びる方向に沿う第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bの長さは、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5B間にIDT電極3の交差領域が含まれるように選択されればよい。なお、交差領域とは、複数本の電極指3cが弾性表面波伝搬方向において重なり合っている領域である。
本実施形態では、弾性表面波が励振される交差領域において、強誘電体4の弾性定数を直流電圧の印加により確実に変化させ、弾性表面波の音速を確実に変化させることができる。
なお、上記のように、交差領域上に位置している強誘電体4に直流電圧を効果的に印加し得る限り、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bの平面形状は特に限定されるものではない。
なお、本実施形態では、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bは、IDT電極3とは異なる高さ位置に形成されていたが、図10(a)に破線で示すように、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bを、IDT電極3と同じ平面内に形成してもよい。すなわち、破線で示す第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bは、強誘電体4の上面に形成されている。
図11は、第3の実施形態に係るチューナブル弾性波装置21の変形例に係るチューナブル弾性表面波装置21Aを示す正面断面図である。本変形例では、IDT電極3が、基板2と強誘電体4との界面に形成されており、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bが強誘電体4の上面に形成されている。このように、IDT電極3と、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bの形成位置を第3の実施形態の場合とは逆としてもよい。
図12(a)は、第3の実施形態の他の変形例に係るチューナブル弾性波装置31におけるIDT電極3と第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bの位置関係を示す模式的平面図である。図12に示すように、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bは、IDT電極3を挟んで、ただし電極指3cの長さ方向両側に配置されていてもよい。
また、図13は、第3の実施形態のさらに他の変形例に係るチューナブル弾性波装置31Aを示す模式的正面断面図である。図12では、第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bが基板2と強誘電体4との界面に形成されており、IDT電極3が強誘電体4の上面に形成されていた。これに対して、図13に示すように、図12とは逆に、IDT電極3を基板2と強誘電体4との界面に配置してもよい。また、図13では、第1の直流電圧印加用電極5Aのみが示されているが、第1,第2の直流電圧印加用電極は、強誘電体4の上面に形成される。
図11〜図13に示した各実施形態または変形例においても、例えば図11に破線で示すように、図10(a)において破線で示した第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bのように、IDT電極3と同じ平面内に第1,第2の直流電圧印加用電極5A,5Bを形成してもよい。
図14は、本発明の第4の実施形態に係るチューナブル弾性波装置41を示す正面断面図である。チューナブル弾性波装置41では、板状の強誘電体4が用いられている。強誘電体4は、第1の実施形態と同様に、バリウムストロンチウムチタネートからなる。強誘電体4の上面にIDT電極3が形成されており、下面に第1の直流電圧印加用電極5が形成されている。
本実施形態のチューナブル弾性波装置41では、基板2は用いられていない。前述したように、強誘電体4自身が圧電効果を有する。従って、チューナブル弾性波装置41では、IDT電極3を励振することにより強誘電体4において弾性表面波を励振することができる。そして、この弾性表面波の音速を、IDT電極3と第1の直流電圧印加用電極5との間に直流電圧を印加することにより変化させることができる。よって、第1,第2の実施形態と同様に、弾性表面波による応答に基づく周波数特性を容易に調整することができる。本実施形態では、基板2を必要としないため、チューナブル弾性波装置41では小型化、特に低背化を進めることができる。また、IDT電極3が直流電圧印加用電極5を兼ねていてもよい。この場合、直流電圧印加用電極5は形成されずともよい。
上述した各実施形態では、弾性波として弾性表面波を利用したが、弾性表面波に限らず弾性境界波を利用してもよい。その場合には、例えば第1の実施形態において強誘電体4上にさらに媒質層を積層し、弾性境界波が励振されるように形成すればよい。
また、上述してきた実施形態では、強誘電体としてバリウムストロンチウムチタネートを用いたが、他の強誘電体、例えばPb(Ti,Zr)O、PbTiO、BiTaOなどを用いてもよい。
1,1A…チューナブル弾性波装置
2…圧電基板
3…IDT電極
3a,3b…くし歯電極
3c…電極指
4…強誘電体
5,5A,5B…直流電圧印加用電極
11,11A,21,21A,31,31A,41…チューナブル弾性波装置
51…音響レンズ
52…変換器
53…水

Claims (8)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に積層されている強誘電体と、
    前記強誘電体に接するように設けられており、かつ弾性波を励振するためのIDT電極と、
    前記強誘電体に直流電圧を印加することにより前記弾性波の音速を変化させる直流電圧印加用電極とを備える、チューナブル弾性波装置。
  2. 前記IDT電極が、前記直流電圧印加用電極を兼ねている、請求項1に記載のチューナブル弾性波装置。
  3. 前記直流電圧印加用電極が前記IDT電極とは別個に設けられており、前記直流電圧印加用電極が第1及び第2の直流電圧印加用電極を有する、請求項1に記載のチューナブル弾性波装置。
  4. 前記IDT電極が、前記圧電基板に接するように設けられている、請求項3に記載のチューナブル弾性波装置。
  5. 前記IDT電極が、前記強誘電体と前記圧電基板との界面に設けられている、請求項3に記載のチューナブル弾性波装置。
  6. 前記直流電圧印加用電極が、前記強誘電体に接している同一平面内に設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューナブル弾性波装置。
  7. 前記直流電圧印加用電極が、前記強誘電体を挟んで対向するように設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューナブル弾性波装置。
  8. 前記強誘電体が、バリウムストロンチウムチタネートである、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューナブル弾性波装置。
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