JP5756825B2 - 電磁継電器 - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗性、耐食性および磁気特性を向上させた磁性部品を備えた電磁継電器に関する。
電磁継電器(以下、リレーとも称する)等の電子部品に用いられる磁性部品には、耐食性を付与することを目的としてNiメッキが施されている。図30は、従来型のリレー200の斜視図である。リレー200は、Niメッキが施された磁性部品として、ヨーク201、鉄片202および鉄心203を備えている。Niメッキは、部品の表面を覆うものであり、耐食性を向上させるためには、Niメッキの膜厚を増加させる必要がある。しかしながら、Niメッキの膜厚の増加は、部品の嵌合に影響を与え得る。
また、Niメッキの膜厚が薄い場合にも問題が生じる。例えばシール構造のリレーでは、高電圧・高電流の負荷がかかっている状態で電気的接点を開閉した場合、アーク熱により硝酸が発生する。そして、硝酸によってメッキが侵食され、磁性部品の表面に緑青が生じる。当該反応が進行すると、リレーが動作しなくなる不具合に至る。
さらに、例えば摺動部(ヒンジ)を有するリレーにおいては、ヒンジ部が摺動によって機械的に消耗することで、動作特性が大きく変動するという課題があった。当該課題を解決するために、上記リレーにおいてはヒンジ部に潤滑油を塗布して組み立てられている。しかしながら、通常、リレーが寿命になるまでの間、潤滑油は再塗布されることはないので、時間の経過と共に摩耗が進むことが避けられなかった。
そこで、Niメッキが有する膜厚および耐食性の問題を解決する技術としてクロムを利用した技術が提案されている。特許文献1には、クロムを含有するリレー鉄心用軟磁性ステンレス鋼が記載されている。また、特許文献2には、クロムを含有するリレー用電磁材料が記載されている。特許文献1に記載のステンレス鋼および特許文献2に記載の電磁材料は、クロムを含有する材料として構成されているため、膜厚の問題を生じない。
また、耐摩耗性の問題を解決する技術としても、クロムを利用した技術が提案されている。特許文献3〜5には、クロマイジング処理が施されたチェーンおよびチェーン用ピンが記載されている。特許文献3〜5に記載の技術では、チェーンまたはチェーン用ピンの表面にクロムを拡散浸透させることで、耐摩耗性を向上させる。また、クロマイジング処理を施した場合、クロムが母材に拡散浸透するので、膜厚の増加は抑えられる。
上記クロマイジング処理の方法としては、例えば、特許文献6に記載の技術がある。特許文献6には、金属Cr粉末とZn、W、TiおよびMoの1種以上からなる金属粉末との混合物を用いてクロム拡散層を形成させる技術が記載されている。特許文献6に記載の技術では、クロム拡散層を著しく厚くすることができ、その結果耐食性を改善させる。
特開平8−269640号公報(1996年10月15日公開) 特開2003−27190号公報(2003年1月29日公開) 特開平10−311381号公報(1998年11月24日公開) 特開2006−132637号公報(2006年5月25日公開) 特開2008−281027号公報(2008年11月20日公開) 特開平5−5173号公報(1993年1月14日公開)
しかしながら、上述のような従来技術は、優れた耐摩耗性、耐食性および磁気特性を兼ね備えた電磁継電器を提供することができないという問題がある。
例えば、特許文献1および2に記載の技術は、クロムを含有している合金である。上記合金にはクロムが均一に存在しているため、母材の金属組織が十分に成長していない。従って、特許文献1および2には上記合金がリレー用部品として記載されているものの、当該部品は十分な磁性を有していない。つまり、リレー用部品としては未だ十分なものであるとは言えない。
また、例えば、特許文献3〜5に記載のチェーンおよびチェーン用ピンは、硬度を高めるために、材料に炭素を多く含むことが要求される。このような場合も、金属組織を十分に成長させることができず、材料に十分な磁性を付与することはできない。
また、特許文献6に記載の技術においては、クロム拡散層が著しく厚くなるため、磁気抵抗が大きくなる。従って、特許文献6に記載の技術を磁性部品に対して適用することは困難である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、優れた耐摩耗性、耐食性および磁気特性を兼ね備えた電磁継電器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電磁継電器は、鉄系材料を加工してなる鉄系部品を備えた磁性部品とコイルとを有する電磁石装置と、当該電磁石装置の励磁および消磁に連動して開閉する接点とを備える電磁継電器であって、上記鉄系部品は、当該鉄系部品の表面に、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1以上の元素が拡散浸透している合金層を備えており、上記合金層の厚さは5μm以上60μm以下であることを特徴としている。
上記構成によれば、鉄系材料を加工してなる鉄系部品が、表面にCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素が拡散浸透している合金層を備えているため、磁性部品は十分な硬度を有し、その結果、優れた耐摩耗性を示す。よって、機械的摺動による摩耗が少なく、寿命の長い電磁継電器を提供することができる。
また、上記鉄系部品が上記合金層を備えているため、磁性部品は硝酸等に対する優れた耐食性を有する。よって、接点の開閉に伴うアーク熱により電磁継電器内に硝酸が生じても、当該硝酸に対し、優れた耐食性を示す電磁継電器を提供することができる。
さらに、上記合金層の厚さは5μm以上60μm以下であり、鉄系部品の表面から見て合金層より下層に存在する鉄系材料の金属組織の成長を妨げない厚さである。よって、上記鉄系部品においては、金属組織が十分に成長している。その結果、Cr、V、Ti、Al、およびSiのような非磁性体である元素を用いて合金層が形成されているにもかかわらず、磁性部品は優れた磁気特性を示す。よって、当該磁性部品を電磁石として使用することにより、優れた磁気特性を示す電磁継電器を提供することができる。
また、上記合金層は、拡散浸透によって形成されているため、部品そのものの厚みが顕著に増すことはない。よって、上記合金層は、部品の嵌合に影響を与えない。
すなわち、上記構成によれば、優れた耐摩耗性、耐食性および磁気特性を兼ね備えた電磁継電器を提供することができる。
なお、本発明に係る電磁継電器に備えられた磁性部品を製造する場合は、合金層の形成および金属組織の成長を一つの工程で行うことができるため、製造工程を簡略化することができる。その結果、磁性部品の製造にかかるコストを削減することができる。
本発明に係る電磁継電器では、上記合金層中における上記Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素の含有量の最大値の合計が20重量%以上65重量%以下であることが好ましい。
上記構成によれば、合金層中における上記元素の含有量が、耐摩耗性および耐食性を備えるために十分な量であり、かつ、金属組織の成長に対する影響がより少ない量であるため、優れた耐摩耗性および耐食性を有するとともに、より優れた磁気特性を有する電磁継電器を提供することができる。
なお、元素の含有量の最大値とは、合金層中の任意の複数の位置において測定された元素の含有量の値のうちの最大の値を意味する。
本発明に係る電磁継電器では、上記合金層は、上記鉄系部品に上記Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素を5時間以上15時間以下の処理時間、および、750℃以上950℃以下の処理温度で拡散浸透させる処理を行うことにより形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、上記拡散浸透処理を特定の時間および特定の温度の条件下で行うことによって、上記合金層の厚さを制御するとともに上記鉄系部品の金属組織を成長させることができる。すなわち、上記構成によれば、優れた耐摩耗性、耐食性および磁気特性を兼ね備えた電磁継電器を提供することができる。
本発明に係る電磁継電器では、上記鉄系材料の炭素含有量が0重量%以上0.15重量%未満であることが好ましい。
上記構成によれば、鉄系材料の炭素含有量が少ないため、鉄系材料を加工してなる鉄系部品の金属組織が十分に成長した磁性部品を提供することができる。すなわち、より優れた磁気特性を有する電磁継電器を提供することができる。
本発明に係る電磁継電器では、上記鉄系部品の結晶粒度は、JIS G0551(2005)に規定されるフェライト結晶粒度番号が1以下であることが好ましい。
上記構成によれば、鉄系部品の結晶粒のサイズが大きく、金属組織が十分に成長しているため、より優れた磁気特性を有する電磁継電器を提供することができる。
本発明に係る電磁継電器は、鉄系材料を加工してなる鉄系部品を備えた磁性部品とコイルとを有する電磁石装置と、当該電磁石装置の励磁および消磁に連動して開閉する接点とを備える電磁継電器であって、上記鉄系部品は、当該鉄系部品の表面に、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1以上の元素が拡散浸透している合金層を備えており、上記合金層の厚さは5μm以上60μm以下である構成である。
それゆえ、優れた耐摩耗性、耐食性、および磁気特性を兼ね備えた電磁継電器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電磁継電器の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電磁継電器に備えられた電磁石装置の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電磁継電器に備えられた鉄片の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電磁継電器に備えられた磁性部品の外観を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電磁継電器に備えられた電磁石装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る電磁継電器に備えられる磁性部品を製造する方法を示す概略図である。 従来型の磁性部品の製造方法(a)と本発明に係る電磁継電器に備えられる磁性部品の製造方法(b)とを比較した概略図である。 本発明の実施例における保磁力の測定に用いられる試験片の外観を示す概略図である。 本発明の実施例における吸引力の測定方法を示す概略図である。 (a)〜(e)は本発明の実施例における保磁力の測定に用いられる試験片にコイルを巻く方法の概略図であり、(f)はコイルを巻いた試験片の外観を示す概略図であり、(g)は(f)のA−A’における断面図を示している。 保磁力の測定に用いられるBHカーブの例を示す図である。 本発明の実施例におけるストロークSTと吸引力Fとの関係を示す図である。 本発明の実施例において得られた金属組織を示す図である。 (a)は本発明の実施例6における合金層断面のクロム濃度分析値を示す図であり、(b)は本発明の参考例2における合金層断面のバナジウム濃度分析値を示す図であり、(c)は本発明の参考例3における合金層断面のアルミニウム濃度分析値を示す図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、本発明の実施例9および10、並びに、参考 例4における合金層断面のクロム濃度分析値を示す図であり、(d)は本発明の参考例5における合金層断面のバナジウム濃度分析値を示す図であり、(e)は本発明の参考例6における合金層断面のアルミニウム濃度分析値を示す図である。 本発明の実施例14および比較例7〜8の試験結果を示す図である。 本発明の比較例7の試験結果を示す図である。 本発明の比較例8の試験結果を示す図である。 本発明の実施例14の試験結果を示す図である。 本発明の実施例15および比較例9〜10の試験結果を示す図である。 本発明の比較例9の試験結果を示す図である。 本発明の比較例10の試験結果を示す図である。 本発明の実施例15の試験結果を示す図である。 本発明の比較例11の試験結果を示す図である。 本発明の実施例16の試験結果を示す図である。 本発明の実施例17の試験結果を示す図である。 本発明の実施例18の試験結果を示す図である。 本発明の実施例19の試験結果を示す図である。 本発明の実施例20および比較例12の試験結果を示す図である。 従来型のリレーを示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、図面中のx軸、y軸、z軸は、それぞれの図面における3次元空間における方向を規定している。
〔電磁継電器〕
図1は、本発明の一実施形態に係る電磁継電器100の分解斜視図である。本発明に係る電磁継電器100は、磁性部品とコイル14とを有する電磁石装置10と、電磁石装置10の励磁および消磁に連動して開閉する接点9とを備えている。電磁継電器100は、ベース21とケース22とから構成されていてもよい。電磁石装置10及び接点9は、ベース21上に設けられていてもよい。ケース22は、例えばベース21の外縁に嵌合し、ベース21上の各構成部品を覆う構成であってもよい。
図2は、電磁石装置10の斜視図である。電磁石装置10は、例えばヨーク1、鉄片2および鉄心3を備えている。ただし、図2では、鉄片2は省略されている。電磁石装置10は、ヨーク1、鉄片2および鉄心3のうちの少なくとも1つとして上記磁性部品を備えている。好ましくは、ヨーク1、鉄片2および鉄心3の全てが上記磁性部品である。コイル14は鉄心3に巻きつけられている。なお、本明細書において、鉄心3とコイル14とからなる構成を電磁石部10aとも称する。
図3は、鉄片2の斜視図である。鉄片2はヒンジバネ24を備えていてもよい。鉄片2はヒンジバネ24を介してベース21に組み付けられていてもよい。
上記接点9の構成は特に限定されないが、例えば図1に示されるように、可動接触片8aに備えられた可動接点9aと固定接触片8bに備えられた固定接点9bとからなる。可動接触片8a及び固定接触片8bはベース21に組み付けられている。可動接触片8aは、例えば中間部材(カード23)を介して鉄片2と接続されている。コイル14に電圧が印加されると、電磁石部10aの励磁に伴い、鉄片2が鉄心3に吸着する。また、鉄片2はヒンジバネ24によって付勢されているため、電磁石部10aの消磁に伴い、鉄心3から離れる。このような電磁石部10aの励磁および消磁に伴う鉄片2の動作に連動してカード23が動作する。そして、カード23の動作に連動して、接点9が開閉する。
本発明に係る電磁継電器の例としては、特に限定されないが、シール型のリレー、ヒンジを備えたリレー等が挙げられる。
なお、本明細書において「磁性」または「磁気特性」とは、後述する吸引力および保磁力を備えている性質を意味する。また、優れた磁性または磁気特性とは、少なくとも従来型のNiメッキを施された磁性部品と同等またはそれを上回る吸引力および保磁力を備えていることを意味する。
また、本明細書においては、従来型のNiメッキを施された磁性部品を単に「Niメッキ品」または「現行品」と称する場合もある。
<磁性部品>
上記磁性部品は、鉄系材料を加工してなる鉄系部品を備える磁性部品であって、上記鉄系部品は、当該鉄系部品の表面に、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素が拡散浸透している合金層を備えており、上記合金層の厚さは5μm以上60μm以下である。
上記磁性部品の例としては、ヨーク1(図4(a))、鉄片2(図4(b))、および鉄心3(図4(c))が挙げられる。なお、磁性部品は、後述する合金層が形成された鉄系部品そのものであってもよいし、当該鉄系部品に他の部品が組み合わせられたものであってもよい。図5は電磁石装置10の断面図であり、ヨーク1、鉄片2および鉄心3の位置関係を示している。
(鉄系部品)
上記磁性部品は、鉄系材料を加工してなる鉄系部品を備えている。本明細書において「鉄系材料」とは、鉄を主成分とする鉄合金全般を意味する。上記鉄系材料としては、例えば純鉄、鋼を挙げることができ、鋼としては、冷間圧延鋼鈑、熱間圧延鋼鈑、電磁鋼鈑等が挙げられる。また、上記鉄系材料は、ケイ素を含んでいてもよく、例えばケイ素鋼鈑等であってもよい。上記鉄系材料の形状は、特に限定されず、例えば帯状、棒状等が挙げられる。
本明細書において「鉄系部品」とは、鉄系材料を所望の形状に加工した部品を意味する。鉄系材料から鉄系部品を加工する方法は特に限定されないが、例えばプレス加工等が挙げられる。また、鉄系部品の形状および大きさ等は、使用目的に応じて適宜決定されうる。
上記鉄系材料の炭素含有量は、0重量%以上0.15重量%以下であることが好ましく、0重量%以上0.05重量%未満であることがより好ましく、0重量%以上0.01重量%未満であることが特に好ましい。上記構成によれば、鉄系材料の炭素含有量が少ないため、鉄系材料を加工してなる鉄系部品の金属組織が十分に成長した磁性部品を提供することができる。よって、優れた磁気特性を有する磁性部品を提供することができる。
上記鉄系部品の結晶粒度は、JIS G0551(2005)に規定されるフェライト結晶粒度番号が1以下であることが好ましい。本明細書において、粒度番号が1以下であるとは、例えば、粒度番号が1、0、−1、−2…であることを意味する。上記構成によれば、鉄系部品の結晶粒のサイズが大きく、金属組織が十分に成長しているため、優れた磁気特性を有する磁性部品を提供することができる。また、本明細書において「鉄系部品の結晶粒度」は、当該鉄系部品の表面から見て合金層よりも内側の領域の結晶粒度を意味する。
また特に説明がない限り、本明細書において、「鉄系部品の表面」とは、鉄系部品が有する全ての面のうち、少なくとも一部の面を意味する。好ましくは、鉄系部品が有する全ての面において合金層が形成されている。また、上記面は、面の一部分に上記元素が拡散浸透しているものでもよいが、面においてできるだけ広い範囲に上記元素が拡散浸透していることが好ましく、面全体に上記元素が拡散浸透していることがより好ましい。上記構成によれば、鉄系部品の全ての面において、優れた耐摩耗性、耐食性を示し、優れた磁気特性をも有している磁性部品を提供することができる。
なお、本明細書において、鉄系部品の表面から見て合金層より「内側」または「下層」とは、換言すれば、鉄系部品においてCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素が拡散浸透していない領域である。また例えば、合金層が鉄系部品の全ての面において形成されている場合、鉄系部品の表面から見て合金層より「内側」または「下層」に存在する領域とは、合金層によって囲まれている領域である。
(合金層)
本発明に係る電磁継電器では、上記鉄系部品は、当該鉄系部品の表面に、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素が拡散浸透している合金層を備えており、上記合金層の厚さは5μm以上60μm以下である。
上記構成によれば、鉄系材料を加工してなる鉄系部品に十分な硬度を付与することができる。その結果、優れた耐摩耗性を有する磁性部品を提供することができる。よって、機械的摺動による摩耗が少なく、寿命の長い電磁継電器を提供することができる。
また、例えばシール構造のリレーでは、高電圧・高電流の負荷がかかっている状態で電気的接点を開閉した場合、アーク熱により硝酸が発生する。その結果、Niメッキが施された従来型の磁性部品では、硝酸によってメッキが侵食され、磁性部品の表面に緑青が生じる。これに対し、上記磁性部品では、上記合金層を有するため、緑青の発生を抑えることができる。その結果、優れた耐食性を有する磁性部品を提供することができる。よって、優れた耐食性を示す電磁継電器を提供することができる。
本明細書において、「合金層」とは、鉄系部品の表面から内部へとCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素が拡散浸透して形成された層を意味する。なお、上記合金層には、上記元素と鉄系材料に由来する炭素などの化合物が含まれていてもよい。
上記合金層は、拡散浸透によって形成されているため、Niメッキを利用した場合のように部品そのものの厚みが顕著に増すことはない。従って、上記合金層は、部品の嵌合に影響を与えることはない。
合金層の厚さは、耐摩耗性および耐食性の点からすれば、厚ければ厚いほど好ましい。しかしながら、Cr、V、Ti、Al、およびSiは非磁性体であり、合金層が厚い場合には磁気抵抗が増加するため、磁性部品として使用するためには好ましくない。また、合金層が厚ければ、合金層の内側の金属組織の成長も妨げられる。
上記磁性部品では、上記合金層の厚さが5μm以上であるため、優れた耐摩耗性および耐食性を有する。また、上記合金層の厚さが60μm以下であるため、合金層による磁気抵抗の増加を抑えることができる。また、上記合金層の厚さが60μm以下であれば、合金層の内側の金属組織の成長も妨げられない。よって、上記鉄系部品においては、金属組織が十分に成長している。よって、優れた磁気特性を有している磁性部品を電磁石等として使用することができるため、優れた磁気特性を有する電磁継電器を提供することができる。従って、上記構成によれば、優れた耐摩耗性、耐食性および磁気特性を兼ね備えた電磁継電器を提供することができる。
また、上記合金層の厚さは、5μm以上35μm以下であることがより好ましい。上記構成によれば、金属組織の成長に対する影響がより少ない合金層の厚さであるため、優れた耐摩耗性および耐食性を有するとともに、より優れた磁気特性を有する磁性部品を提供することができる。
なお、合金層の厚さは、鉄系部品において、合金層が形成されている任意の面を垂直に切断した断面から測定することができる。例えば、鉄系部品が直方体である場合、任意の面を垂直に切断し、形成された矩形断面において、合金層の厚さを測定してもよい。また例えば、鉄系部品が球形である場合、断面が球の中心を含むように切断し、形成された円形断面において合金層の厚さを測定してもよい。
上記合金層では、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つの元素が拡散浸透していてもよく、上記元素のうちの2つ以上が拡散浸透していてもよい。上記合金層に2つ以上の元素が拡散浸透している場合、上記合金層における上記2つ以上の元素が存在する割合は任意である。
また、上記合金層中における上記Cr、V、Ti、Al、および/またはSiの含有量の最大値の合計は、20重量%〜65重量%であることが好ましく、20重量%〜60重量%であることがより好ましい。上記構成によれば、合金層における上記元素の含有量が、耐摩耗性および耐食性を備えるために十分な量であり、かつ、磁性に対する影響がより少ない量であるため、優れた耐摩耗性および耐食性を有するとともに、より十分な磁性を有する磁性部品を提供することができる。
なお、上記元素の含有量の最大値は、例えば電子線マイクロアナライザ(Electron Probe Micro Analyzer:EPMA)による元素濃度分析によって求めることができる。上記「元素の含有量の最大値」とは、上記合金層中の任意の複数の位置においてEPMAなどによって測定された元素の含有量の値のうちの最大の値を意味する。例えば、合金層において、鉄系部品の表面から5μmの距離の任意の位置におけるCrの含有量が50重量%であり、鉄系部品の表面から10μmの距離の任意の位置におけるCrの含有量が10重量%であった場合、Crの含有量の最大値は50重量%である。
さらに、上記元素のうち、2種類以上の元素が合金層に含まれている場合、各元素の含有量の最大の合計が20重量%〜65重量%であることが好ましく、20重量%〜60重量%であることがより好ましい。例えば、上記合金層にCrとVとが拡散浸透している場合、Crの含有量の最大値とVの含有量の最大値との合計が上記範囲であることが好ましい。
〔磁性部品の製造方法〕
上記磁性部品は、例えば、鉄系材料を加工してなる鉄系部品を備える磁性部品の製造方法であって、上記鉄系部品にCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素を拡散浸透させる処理を行い、合金層を形成する合金層形成工程を含んでおり、上記元素を拡散浸透させる処理は、5時間以上15時間以下の処理時間、および、750℃以上950℃以下の処理温度にて行われることを特徴とする磁性部品の製造方法によって製造される。
上記構成によれば、鉄系材料を加工してなる鉄系部品の表面にCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素が拡散浸透している合金層を形成することによって、磁性部品に十分な硬度を付与することができる。その結果、優れた耐摩耗性を示す磁性部品を製造することができる。
また、上記構成によれば、鉄系部品の表面に上記合金層を形成することによって、硝酸等に対する優れた耐食性を磁性部品に付与することができる。
さらに、上記拡散浸透処理を特定の時間および特定の温度の条件下で行うことによって、上記合金層の厚さを制御するとともに金属組織を成長させることができる。その結果、上記合金層による磁気抵抗の増加を抑えることができるとともに、磁性部品に優れた磁気特性を付与することができる。
すなわち、上記構成によれば、優れた耐摩耗性、耐食性および磁気特性を兼ね備えた磁性部品を製造することができる。以下に、本発明に係る電磁継電器に備えられる磁性部品の製造方法について、詳細に説明する。なお、「鉄系部品」および「合金層」について既に説明した事項については、ここでは詳細な説明を省略する。
<鉄系部品に拡散浸透する元素>
上記磁性部品を製造する方法は、上記鉄系部品にCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素を拡散浸透させるものである。当該元素を上記鉄系部品に拡散浸透させることによって、鉄系部品の表面に合金層を形成することができる。
Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素は、例えば粉末の形状で使用されてもよい。当該粉末としては、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つの元素の粉末を使用していてもよく、上記元素のうちの2つ以上を含む粉末を使用していてもよい。上記2つ以上の元素を含む粉末を使用する場合、優れた耐摩耗性、耐食性および磁気特性を実現できる範囲であれば、当該2つ以上の元素を混合する割合は任意である。また、粉末5は、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素の単体の粉末であってもよく、上記元素を含む化合物または合金の粉末であってもよい。上記元素を含む合金としては、例えば上記元素と鉄との合金が挙げられる。
また、上記Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素を含む粉末は、他の材料と混合した浸透剤として導入されてもよい。例えば、上記元素を含む粉末と、アルミナ粉末と、塩化アンモニウム粉末とを任意の割合にて混合して浸透剤としてもよい。上記構成によれば、より効率よく拡散浸透処理を行うことができる。
<合金層形成工程>
合金層形成工程について、以下に詳細に説明する。
図6は、上記磁性部品を製造する方法を示す概略図である。まず、鉄系材料を加工してなる鉄系部品4をボックス6内に導入する。ここで、ボックス内に導入された鉄系部品4は、互いに接触しないように配置されることが好ましい。上記構成によれば、形成される合金層の厚さが、鉄系部品4の全表面においてほぼ均一となり、Niメッキ品において生じるような部位による膜厚のばらつきを懸念する必要がない。
その後、ボックス6内に、Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素を含む粉末5を導入する。ここで、鉄系部品4が粉末5中に埋設される状態にする。
次に、ボックス6を炉7内に配置して後述する処理時間および処理温度にて、鉄系部品4に粉末5を拡散浸透させる。上記処理時間および処理温度の組み合わせによれば、上記鉄系部品にCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素を拡散浸透させて、合金層を形成するとともに、上記鉄系部品の金属組織を成長させることができる。なお、本明細書において、鉄系部品にCr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1つ以上の元素を拡散浸透させる処理を、単に「拡散浸透処理」とも称する。また、本明細書においては、特にCrを拡散浸透させる処理を「クロマイジング」と称する。
上記拡散浸透処理の後、ボックス6を炉7から取り出し、ボックス6から鉄系部品4を取り出す。その後、鉄系部品4を適宜洗浄して乾燥させればよい。
<処理時間および処理温度>
上記拡散浸透処理において、処理時間は5時間以上15時間以下であることが好ましく、8時間以上10時間以下であることがより好ましい。また、上記拡散浸透処理において、処理温度は750℃以上950℃以下であることが好ましく、750℃以上900℃以下であることがより好ましく、750℃以上900℃未満であることがさらに好ましく、750℃以上850℃以下であることが特に好ましい。
処理時間が5時間以上であり、かつ、処理温度が750℃以上であれば、合金層の厚さを、耐摩耗性および耐食性を備えるために十分な厚さとすることができるともに、金属組織を十分に成長させることができる。また、処理時間が15時間以下であり、処理温度が950℃以下であれば、合金層の厚さを、磁気抵抗を増加させない程度の厚さ、かつ、金属組織の成長を妨げない厚さに制御することができる。
上記「耐摩耗性および耐食性を備えるために十分な厚さ」であるとともに「磁気抵抗を増加させない程度の厚さ、かつ、金属組織の成長を妨げない厚さ」である合金層の厚さとは、例えば、5μm以上60μm以下であり、より好ましくは5μm以上35μm以下である。
また、上記合金層形成工程において、上述の処理時間および処理温度とすることによって、上記鉄系部品の結晶粒を、JIS G0551(2005)に規定されるフェライト結晶粒度番号1以下になるまで成長させることが好ましい。上記構成によれば、上記鉄系部品の金属組織が十分に成長しているため、優れた磁気特性を有する磁性部品を製造することができる。
<Niメッキ品の製造方法との比較>
上記磁性部品の製造方法によれば、磁性部品の製造工程を簡略化することができる。その結果、磁性部品の製造にかかるコストを削減することができる。図7は、従来型のNiメッキ品の製造方法(図7(a))と本発明に係る電磁継電器に備えられる上記磁性部品の製造方法(図7(b))とを比較した概略図である。
従来型のNiメッキ品の製造方法では、第1に主として板状の鉄系材料をプレス加工して所定の形状品を作成し、第2に必要な磁気特性を付与するために、非酸化性または還元性雰囲気下で、800〜900℃で15〜30分加熱して熱処理を行う。磁気特性を向上させるためには、金属結晶粒が大きいことが望ましく、そのためにはさらに長時間加熱することが望ましいが、コストパフォーマンスの観点から最短15分程度としているのが一般的である。第3に部品の耐食性の向上を目的としてNiメッキが施される。そして上記3つの工程はそれぞれ目的および方法が異なるため、どれ一つとして省略することができず、磁性部品製作の必須工程となっている。
一方、本発明に係る電磁継電器に備えられる磁性部品を製造する場合、熱処理を伴う拡散浸透処理を行うことによって金属組織の成長と合金層の形成とを同時に行うことができるため、プレスおよび拡散浸透処理の2工程で済むことになる。従って、所望の磁気特性を得ながら従来型のNiメッキ品よりも優れた耐摩耗性および耐食性を兼備した磁性部品が得られるだけではなく、工程を簡素化することが可能である。
また、Niメッキは電気メッキ法によって行われるが、部品を1個ずつメッキするのではなく、コストを最小化するために一定数まとめて籠に入れ、当該籠を回転させながら、複数の部品に対して同時にメッキを施す。しかしながら、上記方法では、部品の重量および回転時の変位によって部品が変形しやすく、不良品の発生原因となっている。また、メッキは部品の全表面に施されるが、部品同士の表面がこすれ合いながらメッキが進行するため、部品の形状によって、部品ごとのメッキ膜厚のばらつきが大きく、さらに1個の部品の中でも膜厚にばらつきが生じやすい。そのため、部品の全表面で耐食性を担保しようとすれば、部品全体の平均メッキ膜厚を必要以上に厚くせざるを得ないのが実情である。そして、上記メッキ法は大量一括処理が可能であるが、形成できるメッキ膜厚が比較的薄く、膜厚のばらつきを考慮して2回繰り返しメッキを行い、平均5〜10μm程度の膜厚を得ることが一般的である。この場合、材料から製品を製造するまでに、実質的に4工程を要することになる。
一方、本発明に係る電磁継電器に備えられる磁性部品を製造する場合は、Niメッキを施す場合のように籠の中で回転させながら処理を行うことはないため、部品の変形が発生しない。さらに、拡散浸透処理によって生成される合金層の厚さは部品の全表面で安定しているため、寸法変化量が安定しており、各部品の嵌合に悪影響を与えることもない。従って、従来型のNiメッキにおいて見られた厚さのばらつきに起因する組み立て不良を防止することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例においては、上述した元素Aの含有量の最大値を「表面A濃度」と称する場合もある。例えば、上記合金層中に含まれるクロムの含有量の最大値を「表面クロム濃度」と称する場合もある。なお、上記元素は、上記鉄系部品の表面から内側に向かって次第に減少する様に分布している。また、以下では上記濃度の単位を「%」とする場合もあるが、「重量%」を意味する。
〔実施例1〜4、参考例1および比較例1〜3〕
炭素量0.01重量%の電磁軟鉄(SUYP)を用いて、厚さ1.5mm、幅15mm、長さ28mmのヨーク、および、外径45mm、内径33mm、厚さ1.2mmのリングを製造した。図8は、リングの外観を示す概略図である。図8(a)中のDがリング11の外径、dがリング11の内径を示している。図8(b)は、図8(a)のx軸方向から見た図である。図8(b)中のtはリング11の厚さを示している。
実施例1〜4、参考例1および比較例1〜2では、上記ヨークおよびリングに対して、異なる温度条件にて拡散浸透処理を行い、試験片を作製した。当該拡散浸透処理は、クロム粉末40〜80重量%、アルミナ粉末19.5〜59.5重量%、塩化アンモニウム粉末0.5重量%を混合してなる浸透剤にヨークおよびリングを埋め込み、半密閉容器に充填し、水素ガスを流しながら700℃(比較例1)、750℃(実施例1)、800℃(実施例2)、850℃(実施例3)、900℃(実施例4)、950℃(参考例1)または1000℃(比較例2)にて10時間加熱して行った。比較例3では、Niメッキを施されたヨークおよびリングを試験片として用いた。上記ヨークを用いて、合金層の厚さ、拡散浸透した元素の濃度、耐食性、耐摩耗性、および吸引力を調査し、拡散浸透処理による部品の品質改善効果を確認した。また、上記リングを用いて、保磁力の試験を行った。
<合金層の厚さ、表面クロム濃度>
合金層の厚さは上記ヨークをカットし、その断面を観察することによって計測した。当該合金層の厚さは10か所について計測し、その平均を求めた。また、表面クロム濃度は、SEMによる表面元素分析およびEPMAによる元素濃度分析によって計測した。
<合金層表面硬度>
合金層表面硬度として、ビッカース硬さを計測した。ビッカース硬さは、JIS Z 2244(1992)に基づいて算出した。当該実験では、試験荷重を25gfとして試験を行った。
<耐食性テスト(塩水噴霧試験)>
耐食性テストとして、塩水噴霧試験を行い、試験片の表面の腐食面積の割合を求めた。35℃に維持された塩水噴霧試験槽内で、塩濃度5±1%(質量比)、pH値6.5〜7.2(水温20±2℃)の塩水を試験片に連続して2時間噴霧し、その後、試験槽内で20〜22時間放置することを1サイクルとし、これを3サイクル行った。当該試験は、JIS C 0024(2000)(IEC 60068−2−52(1996))、および、JIS C 5442(1996)に基づいて行った。
<耐摩耗性テスト>
試験片を実際にリレーに組み込み、2000万回開閉させた後の金属摩耗部の表面状態を外観確認し、摩耗粉の発生程度によって、摩耗の大小を判定した。開閉頻度は1800回/分とした。当該試験は、JIS C 4530(1996)、JIS C 5442(1996)、および、NECA C 5440(1999)に基づいて行った。
<吸引力試験>
図9に、吸引力試験のための装置を示す。試験片であるヨーク1、鉄片2および鉄心3を用いてリレーを作製し、外部電源により、鉄心3に巻いたコイル14に定格電流を通電し、ロードセル16を用いて、電磁石吸着部15に発生する吸引力を測定した。
<保磁力試験>
円形リングとして加工した試験片について、保磁力を測定した。図10に、試験片にコイルを巻く方法を示す。まず、試験片11(図10(a))を絶縁テープ17aで覆う(図10(b))。次に、磁束検出用コイル18として絶縁導線を試験片11に均等に巻く(図10(c))。その後、試験片11をさらに絶縁テープ17bで覆う(図10(d))。絶縁テープ17b上に、励磁用コイル19として、測定の際に最大の磁化電流を流すことができる絶縁導線を、最大の磁界の強さを得るために十分な巻き数となるように、1層または多層巻く(図10(e))。図10(f)はコイルを巻いた試験片の外観を示す概略図であり、図10(g)は図10(f)のA−A’における断面図を示している。当該試験では、磁束検出用コイルの磁束密度としては100T、励磁用コイルの磁束密度としては200Tを採用した。
保磁力とは、磁化された磁性体を磁化されていない状態に戻すために必要な反対方向の磁界の強さである。保磁力の数値が小さいほど、磁気特性は良好である。保磁力の測定は、BHカーブトレーサによって行った。測定したBHカーブから保磁力の値を読み取った。図11はBHカーブの例を示している。測定は初期磁化曲線の測定を基本とした。なお、測定ごとに消磁を確実に行った。当該試験は、JIS C 2504(2000)に基づいて行った。
<実施例1〜4、参考例1および比較例1〜3の結果>
実施例1〜4、参考例1および比較例1〜3の結果を表1に示す。耐摩耗性テストの結果は、比較例3(Niメッキ品)の摩耗粉発生量を100%とした場合の、各実施例および比較例の摩耗粉発生量の割合として示している。当該摩耗粉発生量の数値が小さいほど、耐摩耗性が良好であると言える。吸引力試験の結果は、比較例3の吸引力を100%とした場合の、各実施例および比較例の吸引力の割合として示している。
(合金層表面硬度の結果)
クロムと鉄との合金層は、母材である電磁軟鉄(ビッカース硬度:90〜150mHv)より硬く、表1に示すように、160〜630mHvのビッカース硬度を示した。比較例1はビッカース硬度が160mHvであり、比較例3より劣る結果となった。なお、比較例1は合金層の厚さも3μmと薄かった。
(耐食性テストの結果)
Niメッキ品である比較例3の腐食面積は40〜50%であったのに対し、比較例1は50〜60%と悪い結果になったが、実施例1〜4、参考例1はいずれも比較例3よりも腐食が少なかった。特に、実施例3、4、参考例1(合金層の厚さ:20〜60μm、クロム濃度:37〜61重量%)は、全く腐食しなかった。以上のことから、合金層が厚く、クロム濃度が高いほうが、耐食性が優れていると考えられる。また、強磁性体であるNiの代わりに、反強磁性体であるCrを使用する場合であっても、合金層の厚さを制御することで、磁気特性を失うことなく耐食性を向上させることが可能であることがわかった。
(耐摩耗性テストの結果)
比較例1の耐摩耗性はNiメッキ品である比較例3より劣るものの、実施例1〜4、参考例1および比較例2の耐摩耗性については比較例3と同等または比較例3を上回る結果が得られた。特にビッカース硬度が高い、実施例3、4、参考例1においては、ほとんど摩耗しなかった。
(吸引力試験の結果)
クロムは反強磁性体であるため、合金層を形成することによって、磁気特性が悪化することが予想されたが、表1の比較例1〜2および実施例1〜4、参考例1に示すように、合金層の厚さが60μm以下であれば、比較例3以上、または比較例3と同等の吸引力が得られた。ただし、比較例2(合金層の厚さ:80μm)では、吸引力が低下し、磁性部品として使用できないことがわかった。
図12にストロークST(mm)と吸引力Fとの関係を示す。実施例4(処理温度:900℃)および比較例3の吸引力が同等である。処理温度が上がるほど、吸引力が減少し、処理温度が下がるほど吸引力が増加することがわかる。
(保磁力試験の結果)
保磁力試験においても、表1の比較例1および実施例1〜4、参考例1に示すように、合金層の厚さが50μm以下であれば、比較例3以上、または比較例3と同等の保磁力が得られた。なお、Niメッキ品である比較例3に比べて+10A/m以下であれば、磁性部品として使用可能であると判断した。ただし、比較例2(合金層の厚さ:80μm)では、保磁力が低下し、磁性部品として使用できないことがわかった。
なお、Niメッキ等で従来実施されている磁気特性を改善するための加熱温度(800〜900℃)と加熱時間(15〜30分)との組み合わせでは、母材の結晶粒度は、JIS G0551(2005)に規定されるフェライト結晶粒度番号が2以上である(断面積1mmあたりの結晶粒の数が32以下程度、図13(a)参照)。これに対し、実施例1〜4、参考例1では、加熱温度750〜950℃であり、かつ、加熱時間が10時間と大幅に長いため、より結晶粒の粗大化が進行しており、上記フェライト結晶粒度番号が−1以下(断面積1mmあたりの結晶粒の数が4以下程度、図13(b)参照)となる。なお、図13(c)および(d)は、それぞれ、図13(a)および(b)の結晶粒界を顕在化させた図である。
以上のことから、合金層の厚さが60μm以下である場合(実施例1〜4、参考例1および比較例1)は、上記フェライト結晶粒度番号が−1以下であることによって、良好な磁気特性が得られると考えられる。しかしながら、合金層の厚さが80μmに達した場合(比較例2)、1000℃×10時間という最も母材の結晶粒が粗大化する加熱条件で拡散浸透処理を行っても、磁気特性の低下が避けられなかった。
〔実施例1〜4、参考例1および比較例1〜6〕
NSSMAG1(軟磁性ステンレス鋼)(比較例4〜5)およびSUYP(電磁軟鉄)(比較例6)についても上述した保磁力試験を行い、クロムを拡散浸透させたSUYP(実施例1〜4、参考例1および比較例1〜2)およびNiメッキを施したSUYP(比較例3)を用いた場合の結果と比較した。試験結果を表2に示す。
表2に示すように、Niメッキを施した比較例3は、Niメッキを施していない比較例6に比べて保磁力の数値が大きくなった。また、クロムの拡散浸透処理を施した実施例の中でも実施例1および2では、クロムが均等に含有されている比較例4〜5に比べて保磁力が優れていた。
〔実施例6〕
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.01重量%)を用いて加工したヨーク(図5におけるz軸方向における最大の長さ22mm、x軸方向における最大の長さ11mm、幅(y軸方向の長さ)11.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:クロム粉末(40重量%)、アルミナ粉末(59.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:800℃
処理時間:5時間
その結果、合金層の厚さ15μm、表面クロム濃度30%のヨークが得られた。EPMA分析装置による合金層断面のクロム濃度分析値を図14(a)に示す。
得られたヨークについて、実施例1と同様の磁気特性テスト(吸引力試験および保磁力試験)、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、現行のNiメッキ品(比較例3)と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、腐食面積は10〜20%であり、比較例3(40〜50%)に比べると軽減されており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られたヨークをリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、ヨークの摺動面はほとんど摩耗しておらず、良好であった。
参考例2
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.01重量%)を用いて加工したヨーク(図5におけるz軸方向における最大の長さ22mm、x軸方向における最大の長さ11mm、幅(y軸方向の長さ)11.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:フェロバナジウム粉末(50重量%)、アルミナ粉末(49.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:930℃
処理時間:5時間
その結果、厚さ20μm、表面バナジウム濃度49%のヨークが得られた。EPMA分析装置による合金層断面のバナジウム濃度分析値を図14(b)に示す。
得られたヨークについて、実施例1と同様の磁気特性テスト、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、比較例3と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、全く腐食しておらず、比較例3(40〜50%)に比べるとはるかに優れた耐食性を示しており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られたヨークをリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、ヨークの摺動面はほとんど摩耗しておらず、優れた耐摩耗性を示した。
参考例3
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.01重量%)を用いて加工したヨーク(図5におけるz軸方向における最大の長さ22mm、x軸方向における最大の長さ11mm、幅(y軸方向の長さ)11.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:鉄−アルミニウム合金粉末(65重量%)、アルミナ粉末(34.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:830℃
処理時間:5時間
その結果、厚さ30μm、表面アルミニウム濃度33%のヨークが得られた。EPMA分析装置による合金層断面のアルミニウム濃度分析値を図14(c)に示す。
得られたヨークについて、実施例1と同様の磁気特性テスト、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、比較例3と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、全く腐食しておらず、比較例3(40〜50%)に比べるとはるかに優れた耐食性を示しており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られたヨークをリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、ヨークの摺動面はほとんど摩耗しておらず、優れた耐摩耗性を示した。
〔実施例9〕
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.01重量%)を用いて加工したヨーク(図5におけるz軸方向における最大の長さ22mm、x軸方向における最大の長さ11mm、幅(y軸方向の長さ)11.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:クロム粉末(40重量%)、アルミナ粉末(59.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:800℃
処理時間:13時間
その結果、合金層の厚さ15μm、表面硬度270mHv、表面クロム濃度33%のヨークが得られた。EPMA分析装置による合金層断面のクロム濃度分析値を図15(a)に示す。
得られたヨークについて、実施例1と同様の磁気特性テスト(吸引力試験および保磁力試験)、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、現行のNiメッキ品(比較例3)と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、腐食面積は10〜20%であり、比較例3(40〜50%)に比べると軽減されており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られたヨークをリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、ヨークの摺動面はほとんど摩耗しておらず、良好であった。
〔実施例10〕
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.12重量%)を用いて加工した鉄片(図5におけるx軸方向における最大の長さ13.5mm、z軸方向における最大の長さ8.5mm、幅(y軸方向の長さ)11.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:クロム粉末(40重量%)、アルミナ粉末(59.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:880℃
処理時間:8時間
その結果、合金層の厚さ29μm、表面硬度310mHv、表面クロム濃度42%の鉄片が得られた。EPMA分析装置による合金層断面のクロム濃度分析値を図15(b)に示す。
得られた鉄片について、実施例1と同様の磁気特性テスト(吸引力試験および保磁力試験)、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、現行のNiメッキ品(比較例3)と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、表面は全く腐食しておらず、比較例3(40〜50%)に比べるとはるかに優れた耐食性を示しており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られた鉄片をリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、鉄片の摺動面はほとんど摩耗しておらず、優れた耐摩耗性を示した。
参考例4
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.07重量%)を用いて加工した鉄心(直径φ7mm、長さ20.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:クロム粉末(40重量%)、アルミナ粉末(59.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:930℃
処理時間:6時間
その結果、合金層の厚さ38μm、表面硬度360mHv、表面クロム濃度49%の鉄心が得られた。EPMA分析装置による合金層断面のクロム濃度分析値を図15(c)に示す。
得られた鉄心について、実施例1と同様の磁気特性テスト(吸引力試験および保磁力試験)、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、現行のNiメッキ品(比較例3)と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、腐食面積は10〜20%であり、比較例3(40〜50%)に比べるとはるかに優れた耐食性を示しており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られた鉄心をリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、鉄心の摺動面はほとんど摩耗しておらず、優れた耐摩耗性を示した。
参考例5
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.01重量%)を用いて加工した鉄心(直径φ7mm、長さ20.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:フェロバナジウム粉末(50重量%)、アルミナ粉末(49.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:930℃
処理時間:7時間
その結果、厚さ16μm、表面硬度410mHv、表面バナジウム濃度43%のヨークが得られた。EPMA分析装置による合金層断面のバナジウム濃度分析値を図15(d)に示す。
得られた鉄心について、実施例1と同様の磁気特性テスト、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、比較例3と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、全く腐食しておらず、比較例3(40〜50%)に比べるとはるかに優れた耐食性を示しており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られた鉄心をリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、鉄心の摺動面はほとんど摩耗しておらず、優れた耐摩耗性を示した。
参考例6
低炭素鋼(SPCC、炭素量0.10重量%)を用いて加工した鉄片(図5におけるx軸方向における最大の長さ13.5mm、z軸方向における最大の長さ8.5mm、幅(y軸方向の長さ)11.5mm)に以下の条件にて拡散浸透処理を施した。
浸透剤の組成:鉄−アルミニウム合金粉末(65重量%)、アルミナ粉末(34.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%)
処理温度:800℃
処理時間:5時間
その結果、厚さ31μm、表面硬度250mHv、表面アルミニウム濃度29%の鉄片が得られた。EPMA分析装置による合金層断面のアルミニウム濃度分析値を図15(e)に示す。
得られた鉄片について、実施例1と同様の磁気特性テスト、耐食性テストおよび耐摩耗性テストを行った。磁気特性については、比較例3と同様に良好であった。耐食性テストにおいては、全く腐食しておらず、比較例3(40〜50%)に比べるとはるかに優れた耐食性を示しており、本発明の効果が確認できた。耐摩耗性テストにおいては、得られた鉄片をリレーに組み込んで2000万回の開閉テストを行った結果、鉄片の摺動面はほとんど摩耗しておらず、優れた耐摩耗性を示した。
上記実施例6、9および10、並びに、参考例2〜6から、強磁性体であるNiの代わりに、反強磁性体、反磁性体または常磁性体であるCr、VまたはAlを使用した場合であっても、合金層の厚さを制御することで、磁気特性を失うことなく耐食性を向上させることが可能であることがわかった。
〔実施例14〜15および比較例7〜10〕
SPCCを用いて加工した試験片について、金属組織を観察した。実施例14および比較例7〜8では、厚さ1.2mmの試験片を使用し、実施例15および比較例9〜10では、厚さ1.6mmの試験片を使用した。実施例14〜15では、浸透剤(クロム粉末(40重量%)、アルミナ粉末(59.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%))を使用して、処理温度840℃、処理時間9時間にて処理を行い、合金層を形成した。比較例7および9では、熱処理を行わず、比較例8および10では、850℃の熱処理を行った。なお、比較例7〜10では、拡散浸透処理およびNiメッキを行っていない。
図16〜19は、実施例14および比較例7〜8について、異なる倍率の断面図を示している。図20〜23は、実施例15および比較例9〜10について、異なる倍率の断面図を示している。図16〜23から、実施例14〜15では、比較例7〜10に比べて金属組織が成長していることがわかる。
〔実施例16〜19および比較例11〕
純鉄を用いて加工したヨークについて、実施例1と同様の方法で、塩水噴霧試験を行った。実施例16〜19は、浸透剤(クロム粉末(40重量%)、アルミナ粉末(59.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%))を使用して、処理時間8時間にてクロムを拡散浸透させたヨークである。なお、処理温度は、実施例16では765℃、実施例17では800℃、実施例18では850℃、実施例19では950℃とした。比較例11はNiメッキが施されたヨークである。各実施例および比較例では、それぞれ3つのヨークを作製した。
試験結果を図24〜28に示す。なお、図24〜28はヨークの両面から見た写真を示している。すなわち、図5におけるx軸両方向から見た写真を示している。図24は比較例11の結果を示しており、図25〜28は実施例16〜19の結果を示している。実施例16〜19では、比較例11に比べて腐食面積が少ないことがわかる。
〔実施例20および比較例12〕
SPCCを用いて加工した鉄片およびヨークについて、硝酸に対する耐食性を調べた。実施例20には、浸透剤(クロム粉末(40重量%)、アルミナ粉末(59.5重量%)、塩化アンモニウム粉末(0.5重量%))を使用して、処理温度860℃、処理時間9時間にてクロムを拡散浸透させた鉄片およびヨークを使用し、比較例12には、Niメッキを施した鉄片およびヨークを使用した。鉄片およびヨークをリレーに組み込み、接点の開閉によりアーク熱を発生させ、当該アーク熱によってリレー内部に硝酸ガスが発生する。
試験結果を図29に示す。比較例12(図29(a)および(b))では、緑青が発生しているのに対し、実施例20(図29(c)および(d))では、緑青はほとんど見られない。
本発明は、特に、耐摩耗性、耐食性および磁気特性を兼ね備えることが要求される電磁継電器に利用することができる。
1 ヨーク(磁性部品)
2 鉄片(磁性部品)
3 鉄心(磁性部品)
4 鉄系部品
5 Cr、V、Ti、Al、およびSiからなる群より選ばれる1以上の元素を含む粉末
9 接点
10 電磁石装置
14 コイル
100 電磁継電器

Claims (6)

  1. 鉄系材料を加工してなる鉄系部品を備えた磁性部品とコイルとを有する電磁石装置と、当該電磁石装置の励磁および消磁に連動して開閉する接点とを備える電磁継電器であって、
    上記鉄系部品は、当該鉄系部品の表面に、Cr元素が拡散浸透している合金層を備えており、
    上記合金層の厚さは5μm以上35μm以下であり、
    上記電磁石装置の励磁および消磁に伴う上記鉄系部品の動作に連動して、上記接点を開閉することを特徴とする電磁継電器。
  2. 上記鉄系部品は、ヨークと、上記コイルが巻きつけられた鉄心と、上記鉄心の励磁に伴い上記鉄心に吸着され、かつ上記鉄心の消磁に伴い上記鉄心から離れる鉄片とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の電磁継電器。
  3. 上記合金層中の任意の複数の位置における上記Cr元素の含有量の最大値の合計が20重量%以上65重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁継電器。
  4. 上記合金層は、上記鉄系部品に上記Cr元素を5時間以上15時間以下の処理時間、および、750℃以上950℃以下の処理温度で拡散浸透させる処理を行うことにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁継電器。
  5. 上記鉄系材料の炭素含有量が0重量%以上0.15重量%未満であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁継電器。
  6. 上記鉄系部品の結晶粒度は、JIS G0551(2005)に規定されるフェライト結晶粒度番号が1以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁継電器。
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