JP5755737B2 - エポキシ樹脂用貯蔵安定性熱活性化第三級アミン触媒 - Google Patents

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Description

本出願は、2010年6月29日に出願された特許協力条約出願番号PCT/CN2010/074701及び2011年1月12日に出願された米国仮特許出願第61/431,863号の優先権を主張する。
本発明は、エポキシ樹脂用第三級アミン触媒及びそのような触媒を含有するエポキシ接着剤に関する。
エポキシ接着剤系は、少なくともエポキシ樹脂、エポキシ樹脂上のオキシラン基と反応してポリマーを硬化させる硬化剤及び1種又は複数の触媒を含有する。これらは一般的に、2つの主な型のものであると特徴付けることができる。第1の型は、エポキシ樹脂及び硬化剤が別個に包装されており、接着剤が適用され硬化する直前まで一緒にされない二液系である。二液型接着剤は、貯蔵寿命が非常に長いという利点を有するが、2つの成分を適用時に計量し混合しなければならないため、使用することがより困難である。計量及び混合の誤りは、不十分な硬化及び/又は接着特性の不良な発現をもたらし得る。
一液型接着剤は、一方で、計量及び混合ステップがないため、使用することがはるかに容易である。これらの接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤との適切な比で配合されており、そのため、それらは、通常十分に硬化し、良好な特性を発現する。必要な貯蔵性を有するので早まって硬化しないこれらの製品を得るために、それらには、通常、固体硬化剤及び熱活性化触媒が配合されている。適用時に、接着剤を高温、通常80℃以上にして、硬化剤を融解させ、触媒を活性化する。これにより、接着剤が硬化することができる。
自動車用途で使用されている多くの接着剤は、一成分型である。これらは、しばしばゴム修飾エポキシ樹脂及び反応性「強靭化剤」に基づいている。これらの型の接着剤は、例えば、米国特許第5,202,390号、米国特許第5,278,257号、WO2005/118734、米国公開特許出願第2005/0070634号、米国公開特許出願第2005/0209401号、米国公開特許出願第2006/0276601号及びEP−A−0308664に記載されている。
これらの系における熱活性化触媒は、一般的に固体マトリックス材料に組み込まれているアミノフェノール化合物である。マトリックス材料は、複数のフェノール基を含有する。1つのマトリックス材料は、US4,713,432に記載されているようなビニルフェノール化合物のポリマーである。第2のマトリックス材料は、US4,701,378号に記載されているようなオリゴマーノボラック樹脂である。US4,701,378のノボラック樹脂が、一成分エポキシ接着剤配合物に組み込まれたときに多少より不良な貯蔵性を示したので、ポリ(ビニルフェノール)型がこれまで最適なマトリックス材料であった。しかし、長期間の貯蔵性が依然として望まれている。
本発明は、1つの態様において、少なくとも130℃の沸点を有する固体又は液体第三級アミン化合物と少なくとも約3000の重量平均分子量(M)を有するノボラック樹脂との混合物を含む。
本発明はまた、
A)1種又は複数のエポキシ樹脂;
B)少なくとも50℃の融解温度を有する少なくともエポキシ硬化剤;及び
C)少なくとも130℃の沸点を有する固体又は液体第三級アミン化合物と少なくとも約3000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂との混合物を含む熱活性化型触媒(heat-activatable catalyst)
を含む、一成分エポキシ接着剤である。
特定の態様において、本発明は、
A)1種又は複数のエポキシ樹脂;
B)少なくとも50℃の融解温度を有する少なくとも1種のエポキシ硬化剤;及び
C)少なくとも130℃の沸点を有する固体又は液体第三級アミン化合物と少なくとも約3000の分子量を有するノボラック樹脂との混合物を含む熱活性化型触媒;
D)少なくとも1種のゴム、アミン−エポキシ付加物又は脂肪酸−エポキシ付加物;及び
E)ブロックされた又はキャップされたイソシアネート基を有する少なくとも1種のエラストマー強靭化剤
を含む、強靭化一成分エポキシ接着剤である。
前述の態様のいずれかにおいて、ノボラック樹脂は、好ましくは少なくとも5000の重量平均分子量を有する。重量平均分子量は、30000以上であってもよい。本明細書におけるすべての分子量は、ダルトン単位で表す。
高分子量ノボラック樹脂の選択が、熱活性化型触媒及び例外的な貯蔵安定性を有する触媒含有一成分エポキシ接着剤をもたらすことが見出された。一成分エポキシ接着剤は、従来好ましいとされたポリ(ビニルフェノール)封入触媒を用いて得られるより最長数ヵ月長い(25℃で)貯蔵安定性をしばしば示す。この結果は、ノボラックの重量平均分子量が触媒の性能と有意な関係を有するとこれまで理解されていなかった点で非常に驚くべきことであると考えられる。US4,701,378において、分子量が多少限定されるだけでなく、記載された分子量範囲内で、分子量と触媒の貯蔵安定性との間の相関があるとも思われない。
本発明は、一旦必要な活性化温度に加熱されると、エポキシ接着剤配合物に良好な硬化特性をもたらすという利点をさらに有する。活性化温度は、一般的に従来のポリ(ビニルフェノール)封入触媒に必要な温度より高くなく、又は有意に高くなく、したがって、硬化条件の有意な差は本発明に必要でない。
本発明はまた、一成分エポキシ接着剤の熱活性化型触媒成分を作製する方法である。特定の実施形態における方法は、
a)60℃以下の融解温度及び少なくとも130℃の沸点を有する第三級アミン触媒を少なくとも5000の重量平均分子量及び175ミクロン以下の体積平均粒径を有する粒子状ノボラック樹脂と、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で組み合わせるステップと;
b)ステップa)で形成された混合物を、透明な混合物が得られるまで、65〜130℃であるがノボラック樹脂の融解温度より低い温度に加熱するステップと;
c)透明な混合物を50℃以下の温度に冷却するステップと
を含む。
他の実施形態において、熱活性化型触媒を作製する方法は、
a)60℃以下の融解温度を有する第三級アミン触媒を少なくとも5000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂の低級アルコール中液体溶液と、第三級アミン触媒の融解温度を超えるが80℃以下であって低級アルコールの沸点以下である温度で、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で混合し、それにより、反応混合物が、低級アルコールを主として含有する液相と第三級アミン触媒及びノボラック樹脂の沈殿物とに分離するステップと;
b)沈殿物の温度を80℃以下に維持しながら沈殿物を液相から分離するステップと
c)分離された沈殿物を80℃以下の温度で乾燥させて、残留低級アルコールを沈殿物から除去するステップと
を含む。
熱活性化型触媒を作製するこれらの方法は、それが凝集体の形成をほとんど又は全く伴うことなく、顕著なアミン臭を発生させずに調製されることを可能にする。驚くべきことに、これらの方法のいずれかで作製された熱活性化アミン触媒を含有する一成分エポキシ接着剤は、従来の、より高い温度の方法によって同じノボラック樹脂に封入されている類似のアミン触媒を含有するものより、しばしば貯蔵安定性が高い。
本発明の触媒は、特定の第三級アミン化合物及び少なくも3000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂を含有する。第三級アミン化合物は、少なくとも1つの第三級アミノ基を有することを特徴とし、ここでアミン窒素原子は、好ましくは脂肪族炭素に結合している。第三級アミン化合物は、室温(約23℃)で固体又は液体である。固体である場合、第三級アミン化合物は、60℃以下の融解温度を有するべきである。それはまた、少なくとも130℃、好ましくは少なくとも150℃、さらにより好ましくは少なくとも200℃の沸点を有する。
適切な第三級アミン化合物の例としては、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどのトリアルキルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、1,7−ビス(ジメチルアミノ)ヘプタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン及びトリエチレンジアミンなどの第三級ジアミン、N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、1−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フェニルイミダゾール及びキノリンなどの窒素含有ヘテロ環式化合物並びにアミノフェノールなどがある。
好ましいアミノフェノール触媒は、芳香族環構造の環炭素原子に直接結合しているヒドロキシル基を意味する、少なくとも1つのフェノール性ヒドロキシル基を含有する。アミノフェノール触媒は、少なくとも1つの脂肪族第三級アミノ基も含有する。アミノフェノール触媒は、2つ以上のそのような脂肪族第三級アミノ基を含有し得る。適切なアミノフェノール触媒の例としては、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,6−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール及び特に、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどがある。
ノボラックは、アルデヒド、特にホルムアルデヒドとフェノール化合物との縮合生成物である。フェノール化合物は、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール若しくはハロゲン化フェノールなどの一価フェノールから、又はレゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールM及び同類のものなどの多価フェノールから製造することができる。好ましくは、ビスフェノール化合物はヒドロキシル基に対して両メタ位又はメタ位及びパラ位が非置換であり、したがって、反応性部位が利用可能であって、そこで縮合反応が起こってフェノール化合物の分子間の架橋部位を生じることができる。
出発材料の比及び反応条件は、縮合反応で形成されるノボラックが少なくとも3000の重量分子量を有するように選択する。ノボラック樹脂の重量平均分子量は、少なくとも5000であってよく、30000以上であってもよい。分子量は、ノボラック樹脂をアミノフェノール化合物と混合して熱活性化型触媒を製造することができるように、ノボラック樹脂が妥当な温度で軟化又は融解する必要性によってのみ制限される。好ましくは、ノボラック樹脂は、約90〜約200℃、特に約130〜200℃の温度で軟化する。
好ましいノボラック樹脂は、10,000〜25,000の重量平均分子量を有するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂である。
熱活性化型触媒は、透明な液体が得られるまでノボラック樹脂及びアミノフェノールを一緒に加熱することによって調製することができる。ノボラック樹脂及び/又はアミノフェノールは、低級アルコールなどの非反応性溶媒に溶解することができる。混合比は、触媒によって供給される第三級アミン基1つ当たり少なくとも0.1のフェノール性ヒドロキシル基が供給されるようにすることが好ましい。触媒によって供給される第三級アミン基1つ当たり少なくとも1つのフェノール性ヒドロキシル基、さらにより好ましくは少なくとも2つのフェノール性ヒドロキシル基を供給するのに十分なノボラック樹脂が存在することがより好ましい。触媒によって供給される第三級アミン基1つ当たり最大10、より好ましくは最大3つのフェノール性ヒドロキシル基を供給することができる。20:80〜80:20、好ましくは70:30〜30:70、より好ましくは40:60〜70:30の触媒:ノボラック樹脂の重量比が有用である。透明な溶液が得られた後、存在する溶媒は、適切には蒸発により除去され、得られた混合物は冷却されて混合物を固化する。生成物は、第三級アミン触媒とノボラック樹脂との混合物であり、この混合物は、材料の固溶体の形をとると考えられる。ノボラック樹脂のフェノール基は、触媒材料の第三級アミン基と錯体を形成すると考えられ、錯体の形成が触媒の潜伏効果に、またエポキシ樹脂及び硬化剤の存在下でのその貯蔵安定性にも寄与するとさらに考えられる。
前述の方法により熱活性化型触媒を作製する1つの好ましい方法は、以下の通りである。
ノボラック樹脂を、175ミクロン以下、好ましくは150ミクロン以下の体積平均粒径を有する微粒子に形成する。好ましい粒径は、1〜150ミクロン、又は10〜150ミクロンである。10ナノメートルと小さい粒径のようなより小さい粒径の粒子を使用することができるが、付加的な利益はあったとしてもほとんど認められず、非常に小さいノボラック樹脂の粒子を形成することは困難である。粒子状ノボラック樹脂を第三級アミン触媒と組み合わせる。混合比は、アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり少なくとも0.1当量のフェノール性ヒドロキシル基がノボラック樹脂により供給されるようなものである。触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり少なくとも1当量のフェノール性ヒドロキシル基、さらにより好ましくは少なくとも2当量のフェノール性ヒドロキシル基を供給するのに十分なノボラック樹脂が存在することがより好ましい。触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり最大10、より好ましくは最大3当量のフェノール性ヒドロキシル基を供給することができる。アミン及びノボラック樹脂を組み合わせた後、それらを65〜130℃の温度に加熱して透明な混合物を生成する。この温度は、好ましくは100〜130℃、より好ましくは110〜130℃であり、いずれにしてもノボラック樹脂の融解温度未満である。混合物は、局所的ホットスポットの形成を避けるために混合法によりかき混ぜることができる。アミン及びノボラック樹脂は、ノボラック樹脂が述べたように微粒子の形で供給されるならば、またこのステップ中の温度がノボラック樹脂の融解温度未満であっても、これらの条件下では溶液の特徴を示す透明な混合物を形成する。2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールがアミン触媒である場合、動的走査熱量測定法による測定により、出発混合物を約60〜約90℃の温度範囲にしたとき発熱事象が起こることが示される。これは、アミン触媒とノボラック樹脂のフェノール基との間の水素結合の形成又は他の形の錯形成に起因する可能性がある。発熱が起こる温度は、個々のアミン触媒によって多少異なり得る。この発熱は、ゲル化反応に類似した粘度の大きい増加を伴う。混合物の温度を発熱が起こる温度を超えてさらに上昇させた場合、粘度の顕著な低下が認められる。粘度の低下は、単純な温度効果により説明することができるよりはるかに大きい。混合物は、粘度が低下するにつれて透明になり、これは、溶液又は錯体を形成する特徴を示している。ノボラック樹脂の粒子特性は、この時点に完全でないにしても大部分失われている。混合物をノボラック樹脂の融解温度を超える温度又は130℃超に加熱することは不必要である。
この方法において、加熱ステップ中の高温において必要とする時間は、一般的に約1分から60分程度であり、好ましくは5〜30分の範囲である。加熱ステップを実施する好都合な方法は、出発混合物の温度を2〜20℃/分の速度で、65℃未満のある出発温度(一般的に20〜30℃)から、温度が100〜130℃の範囲になるまで上昇させ、次に必要な場合、混合物の粘度が低下する且つ/又は透明な混合物が生成されるまで、混合物を100〜130℃の温度に保持することである。
加熱ステップの後、混合物を、生成物を固化する50℃以下の温度に冷却する。冷却生成物をそのまま使用することができるが、細断、粉砕又は他の適切な方法によりそれを小さい粒子に形成することが一般的に好ましい。175ミクロン以下の体積平均粒径が生成物粒子に適している。前述のように、粒子は、10又は100ナノメートルと小さくてもよいが、好ましい最小粒径は、1ミクロンであり、より好ましい粒径は、少なくとも10ミクロンである。
熱活性化型触媒を作製するこの好ましい方法において、工程ステップ(上述の工程ステップの間に割り込ませることができる任意の追加のステップを含む)は、好ましくはノボラック樹脂を130℃超の温度に曝露せずに実施される。そのようなより低い温度を維持することにより、凝集体の形成は最小限となり、より少ないアミン化合物が放出される。さらに、熱活性化型触媒を作製するこの方法は、ノボラック樹脂用の溶媒の実質的に非存在下(すなわち、ノボラック樹脂100重量部当たり5重量部未満、好ましくは1重量部未満の溶媒)で実施されることが好ましい。
熱活性化型触媒を作製する第2の好ましい方法は、以下の通りである。
ノボラック樹脂を低級アルコールに溶解させる。「低級アルコール」とは、23℃で液体であり、130℃以下の沸点を有する最大5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝脂肪族アルコールを意味する。エタノールが好ましく、メタノールがより好ましい。低級アルコールの量は、50℃以下の温度で液体であるノボラック樹脂の低級アルコール中溶液を生成するのに十分なものである。適切な量は、ノボラック樹脂1重量部当たり約2〜約30重量部、好ましくは5〜20重量部の低級アルコールである。
次にアミン触媒をノボラック樹脂溶液と組み合わせる。アミン触媒をノボラック樹脂に30秒間から10分間にわたって加えることが好ましい。ノボラック樹脂溶液をアミン触媒と組み合わせるときに、ノボラック樹脂溶液を35〜80℃の温度に加熱することが好ましい。アミン触媒をノボラック樹脂と組み合わせるときに、アミン触媒が35℃未満の温度であることも好ましい。特に好ましい方法において、ノボラック樹脂溶液は、35〜60℃、特に40〜50℃の温度であり、アミン触媒は、10〜35℃、好ましくは15〜35℃の温度であり、アミン触媒を、30秒間から10分間にわたってノボラック溶液に加える。
本出願者らは、ノボラック樹脂が少なくとも5000の分子量を有する場合、混合物は、低級アルコール溶媒を主として含有する液相とノボラック樹脂及びアミン触媒の沈殿物とを形成することを見出した。アミン化合物及びノボラックの一部は、液相中に残存する可能性があり、低級アルコールの一部は、沈殿物に含有される可能性がある。成分を混合した後の反応混合物の温度を調節してアミン触媒とノボラック樹脂との共沈を誘発する又はより多くのそれらの材料を沈殿させることが必要であり得る。材料が別個の液相と固相とにこのように分離することにより、デカント、ろ過、遠心分離などのような単純な液固分離技術を使用して固溶体を低級アルコール溶媒の大部分から除去することが可能になる。
次に回収された沈殿物を乾燥させて、残留溶媒を除去する。乾燥温度は、80℃以下である。好ましい温度は、約20〜60℃であり、より好ましい温度は35〜55℃である。所望又は必要な場合、低級アルコールの除去を促進するために乾燥ステップを減圧下で実施することができる。沈殿物は、乾燥ステップを行う前に粉砕、細断又は別の方法で粒径を減少させることができ、これにより、必要な乾燥時間が短縮される傾向がある。乾燥材料中の低級アルコール含量は、1重量%未満であるべきであり、より好ましくは0.1重量%以下である。
前述のように、ノボラック樹脂のフェノール基は、触媒材料の第三級アミン基と錯体を形成すると考えられ、錯体の形成が触媒の潜伏効果に、またエポキシ樹脂及び硬化剤の存在下でのその貯蔵安定性にも寄与するとさらに考えられる。
乾燥生成物は、細断、粉砕又は他の適切な方法により小さい粒子に形成することができる。175ミクロン以下の体積平均粒径が適切である。前述のように、粒子は、10ナノメートル又は100ナノメートルと小さくてもよいが、好ましい最小粒径は、1ミクロンであり、より好ましい粒径は、少なくとも10ミクロンである。
第2の方法において、述べた工程ステップ(及び示したステップの間に実施することができる任意の介在ステップ)のそれぞれは、80℃以下の温度で実施する。
本発明によるエポキシ接着剤は、少なくとも1種のエポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂のすべて又は一部は、下でさらに述べるように、ゴム修飾エポキシ樹脂の形で存在していてもよい。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,734,332号の第2欄66行目から第4欄24行目に記載されているものを含む広範囲のエポキシ樹脂を使用することができる。
適切なエポキシ樹脂としては、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールM、テトラメチルビフェノールなどの多価フェノール化合物のジグリシジルエーテル、脂肪族グリコール及びポリエーテルグリコールのジグリシジルエーテル、例えば、C2〜24アルキレングリコール及びポリ(エチレンオキシド)又はポリ(プロピレンオキシド)グリコールのジグリシジルエーテルなどの;フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキル置換フェノールホルムアルデヒド樹脂(エポキシノボラック樹脂)、フェノールヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、クレゾールヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂及びジシクロペンタジエン置換フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、並びにそれらの任意の組合せがある。
適切なジグリシジルエーテルとしては、D.E.R.(登録商標)330、D.E.R.(登録商標)331、D.E.R.(登録商標)332、D.E.R.(登録商標)383、D.E.R.661及びD.E.R.(登録商標)662樹脂の名称のもとにDow Chemicalにより販売されているようなビスフェノールA樹脂のジグリシジルエーテルがある。
市販のポリグリコールのジグリシジルエーテルとしては、Dow ChemicalによりD.E.R.(登録商標)732及びD.E.R.(登録商標)736として販売されているものがある。
エポキシノボラック樹脂を使用することができる。そのような樹脂は、Dow ChemicalからD.E.N.(登録商標)354、D.E.N.(登録商標)431、D.E.N.(登録商標)438及びD.E.N.(登録商標)439として市販されている。
他の適切な追加のエポキシ樹脂は、脂環式エポキシドである。脂環式エポキシドは、以下の式Iにより示されるような、炭素環における2個の隣接原子に結合したエポキシ酸素を有する飽和炭素環を含む:
式中、Rは、脂肪族、脂環及び/又は芳香族基であり、nは、1〜10、好ましくは2〜4の数である。nが1である場合、脂環式エポキシドは、モノエポキシドである。nが2以上である場合、ジ又はエポキシ樹脂が形成される。モノ、ジ及び/又はエポキシ樹脂の混合物を使用することができる。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,686,359号に記載されているような脂環式エポキシ樹脂を本発明において使用することができる。特に関心のある脂環式エポキシ樹脂は、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビニルシクロヘキサンモノオキシド及びそれらの混合物である。
他の適切なエポキシ樹脂としては、米国特許第5,112,932号に記載されているようなオキサゾリドン含有化合物がある。さらに、D.E.R.592及びD.E.R.6508(Dow Chemical)として市販されているものなどの高度なエポキシ−イソシアネートコポリマーを使用することができる。
エポキシ樹脂は、好ましくはビスフェノール型のエポキシ樹脂又は最大10重量パーセントの他の型のエポキシ樹脂とのその混合物である。好ましくはビスフェノール型のエポキシ樹脂は、液体エポキシ樹脂又は液体エポキシ樹脂中に分散した固体エポキシ樹脂の混合物である。最も好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノールAベースのエポキシ樹脂及びビスフェノールFベースのエポキシ樹脂である。
特に好ましいエポキシ樹脂は、170〜299、特に170〜225のエポキシ当量重量(epoxy equivalent weight)を有する少なくとも1種の多価フェノール、好ましくはビスフェノールA又はビスフェノールFのジグリシジルエーテル及び多価フェノール、ここでも好ましくはビスフェノールA又はビスフェノールFの少なくとも1種の第2のジグリシジルエーテル(これは少なくとも300、好ましくは310〜600のエポキシ当量重量を有する)の混合物である。2つの型の樹脂の割合は好ましくは、2つの樹脂の混合物が225〜400の平均エポキシ当量重量を有するようなものである。混合物は、最大20%、好ましくは最大10%の1種又は複数の他のエポキシ樹脂も場合によって含有してもよい。
エポキシ樹脂は、接着剤の少なくとも約10重量パーセント、より好ましくは少なくとも約15重量パーセント、最も好ましくは少なくとも約20重量パーセントを構成する。エポキシ樹脂は好ましくは、接着剤の最大約70重量パーセント、より好ましくは最大約60重量パーセント、最も好ましくは最大約50重量パーセントを構成する。
エポキシ接着剤は、エポキシ硬化剤をさらに含有する。硬化剤は、室温で固体であり、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも80℃の融解温度を有する。硬化剤は、オキシラン基と反応してそれへの結合を形成しポリマー鎖を延長させる官能基、一般的に第一級及び/又は第二級アミノ基を含有する。適切なそのような硬化剤としては、三塩化ホウ素/アミン及び三フッ化ホウ素/アミン錯体、ジシアンジアミド、メラミン、ジアリルメラミン、アセトグアナミン及びベンゾグアナミンなどのグアナミン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールなどのアミノトリアゾール、アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セミカルバジド、シアノアセトアミドなどのヒドラジド並びにジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミンがある。ジシアンジアミド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが特に好ましい。
硬化剤は、組成物を硬化させるのに十分な量で使用される。硬化剤は、適切には、接着剤の少なくとも約0.05重量パーセント、好ましくは接着剤の少なくとも約0.5重量パーセント、より好ましくは接着剤の少なくとも1.5重量パーセント、さらにより好ましくは接着剤の少なくとも約2.5重量パーセントを構成する。硬化剤は、好ましくは接着剤組成物の最大約15重量パーセント、より好ましくは最大約10重量パーセント、最も好ましくは最大約6重量パーセントを構成する。
本発明の好ましいエポキシ接着剤は、少なくとも1種のゴムを含有する。ゴムは、−25℃以下のガラス転移温度(T)を有するべきである。好ましくは、ゴムの少なくとも一部は、−40℃以下、より好ましくは−50℃以下、さらにより好ましくは−70℃以下のTを有する。ゴムのTは、−100℃と低くてもよく、又はさらにそれより低くてもよい。
ゴムは、好ましくは、ゴム修飾エポキシ樹脂の形、コア−シェル粒子の形又は両方のある組合せの形で存在する。
ゴム修飾エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂とアミノ又は好ましくはカルボキシル基などのエポキシド反応性基を有する少なくとも1種の液体ゴムとのエポキシ末端付加物である。この場合のゴムは好ましくは、共役ジエンのホモポリマー又はコポリマー、特にジエン/ニトリルコポリマーである。共役ジエンゴムは、好ましくはブタジエン又はイソプレンであり、ブタジエンが特に好ましい。好ましいニトリルモノマーは、アクリロニトリルである。好ましいコポリマーは、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマーである。ゴムは、好ましくは、全体として、30重量パーセント以下の重合不飽和ニトリルモノマー、好ましくは約26重量パーセント以下の重合不飽和ニトリルモノマーを含有する。
ゴムは、好ましくは1分子当たり平均で約1.5から、より好ましくは約1.8から、約2.5まで、より好ましくは約2.2までのエポキシド反応性末端基を含有する(エポキシ樹脂と反応して付加物を形成する前)。カルボキシル末端ゴムが好ましい。ゴムの分子量(M)は、適切には約2000〜約6000、より好ましくは約3000〜約5000である。
適切なカルボキシル官能性ブタジエン及びブタジエン/アクリロニトリルゴム出発材料は、商品名Hycar(登録商標)2000X162カルボキシル末端ブタジエンホモポリマー並びにHycar(登録商標)1300X31、Hycar(登録商標)1300X8、Hycar(登録商標)1300X13、Hycar(登録商標)1300X9及びHycar(登録商標)1300X18カルボキシル末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマーのもとにNoveonから市販されている。適切なアミン末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマーは、商品名Hycar(登録商標)1300X21のもとに販売されている。
ゴムは、過剰のエポキシ樹脂との反応によりエポキシ末端付加物に形成される。付加物が高分子量種を形成することを著しく進めることなく、ゴム上のエポキシド反応性基のすべてと反応し、得られる付加物上に遊離のエポキシド基をもたらすのに十分なエポキシ樹脂を供給する。ゴム上のエポキシ反応性基1当量当たり少なくとも2当量のエポキシ樹脂の比が好ましい。より好ましくは、得られる生成物が付加物とある遊離エポキシ樹脂化合物との混合物となるのに十分なエポキシ樹脂化合物を使用する。一般的に、ゴム及び過剰のエポキシ樹脂を重合触媒と一緒に混合し、付加物を形成するために約100〜約250℃の温度に加熱する。ゴムとエポキシ樹脂との間の反応を行うのに有用な触媒としては、下記のものがある。ゴム修飾エポキシ樹脂を形成するための好ましい触媒としては、フェニルジメチル尿素及びトリフェニルホスフィンがある。
ゴム修飾エポキシ樹脂を作製するために、前述のもののいずれかを含む様々なエポキシ樹脂を使用することができる。好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノールA又はビスフェノールFなどのビスフェノールの液体又は固体グリシジルエーテルである。所望の場合、難燃性を付与するためにハロゲン化、特に臭素化樹脂を使用することができる。液体エポキシ樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能なビスフェノールAのジグリシジルエーテルであるDER330及びDER331樹脂など)は、取扱いが容易であるため特に好ましい。
前述のように、ゴム修飾エポキシ樹脂が存在する場合、ゴム修飾エポキシ樹脂は、接着剤の成分(A)(エポキシ樹脂)及び(B)(ゴム)のそれぞれのすべて又は一部としての役割を果たす。したがって、ゴム修飾エポキシ樹脂が存在する場合、接着剤が追加のゴム又は追加のエポキシ樹脂を含む必要はない。しかし、1種又は複数のそのような追加のエポキシ樹脂も存在してもよく、1種又は複数の追加のゴム、特に下で述べるようなコア−シェルゴムもゴム修飾エポキシ樹脂と一緒に存在してもよい。
他の適切な型のゴムは、コア−シェルゴムである。コア−シェルゴムは、ゴム状コアを有する粒子状材料である。ゴム状コアは、好ましくは−25℃未満、より好ましくは−50℃未満、さらにより好ましくは−70℃未満のTを有する。ゴム状コアのTは、−100℃をはるかに下回ってもよい。コア−シェルゴムはまた、少なくとも50℃のTを好ましくは有する少なくとも1つのシェル部分を有する。「コア」とは、コア−シェルゴムの内側部分を意味する。コアは、コア−シェル粒子の中心部又はコア−シェルゴムの内側シェル若しくはドメインを形成し得る。シェルは、ゴム状コアの外側にあるコア−シェルゴムの部分である。シェル部分(又は複数の部分)は、一般的にコア−シェルゴム粒子の最外部分を形成する。シェル材料は、好ましくはコア上にグラフト化又は架橋されている。ゴム状コアは、コア−シェルゴム粒子の重量の50〜95%、特に60〜90%を構成し得る。
コア−シェルゴムのコアは、ブタジエンなどの共役ジエンのポリマー若しくはコポリマー、又はn−ブチル−、エチル−、イソブチル−若しくは2−エチルヘキシルアクリレートなどの低級アルキルアクリレートであり得る。コアポリマーは、さらにスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、メタクリル酸メチル及び同類のものなどの、最大20重量%の他の共重合一不飽和モノマーを含有し得る。コアポリマーは、場合によって架橋されている。コアポリマーは、マレイン酸ジアリル、フマル酸モノアリル、メタクリル酸アリル及び同類のものなどの不等反応性の不飽和の2つ以上の部位を有し反応性部位の少なくとも1つが非共役である、最大5%の共重合グラフト結合モノマーを場合によって含有する。
コアポリマーはまた、シリコーンゴムであり得る。これらの材料は、−100℃未満のガラス転移温度をしばしば有する。シリコーンゴムコアを有するコア−シェルゴムは、商品名Genioperl(商標)のもとにWacker Chemie(Munich、Germany)から市販されているものを含む。
ゴムコアに場合によって化学的にグラフト化又は架橋されているシェルポリマーは、好ましくは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル又はメタクリル酸t−ブチルなどの少なくとも1種のメタクリル酸低級アルキルから重合される。このようなメタクリレートモノマーのホモポリマーを使用することができる。さらに、最大40重量%のシェルポリマーを、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及び同類のものなどの他のモノビニリデンモノマーから形成することができる。グラフト化シェルポリマーの分子量は一般的に20,000から500,000の間である。
好ましい型のコア−シェルゴムは、エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂硬化剤と反応し得る反応性基を、シェルポリマー中に有する。グリシジル基が適している。これらは、メタクリル酸グリシジルなどのモノマーにより供給することができる。
特に好ましい型のコア−シェルゴムは、EP1632533A1に記載されている型のものである。EP1632533A1に記載されているようなコア−シェルゴム粒子は、ほとんどの場合にブタジエンの架橋コポリマーである架橋ゴムコア、及び好ましくはスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル及び場合によってアクリロニトリルのコポリマーであるシェルを含む。コア−シェルゴムは、EP1632533A1にも記載されているように、好ましくはポリマー又はエポキシ樹脂中に分散されている。
好ましいコア−シェルゴムは、Kaneka Kane Ace MX 156及びKaneka Kane Ace MX 120コア−シェルゴム分散体を含むKaneka Kane Aceという名称のもとにKaneka Corporationにより販売されているものを含む。製品は、エポキシ樹脂中に前分散されているコア−シェルゴム粒子を約25%の濃度で含有する。これらの製品に含有されているエポキシ樹脂は、本発明の接着剤のエポキシ樹脂成分のすべて又は一部を形成する。
アミンエポキシ付加物としては、例えば、WO01/94492に記載されているようにジアミンとカルボン酸無水物及びポリフェノール又はアミノフェノールとの反応生成物がある。脂肪酸エポキシ付加物としては、脂肪酸又はオリゴマー化脂肪酸(二量体脂肪酸を含む)とエピクロロヒドリン、グリシドール、ポリフェノールのジグリシジルエーテルなどとの反応生成物がある。
本発明の接着剤は、好ましくは少なくとも1重量パーセント、より好ましくは3〜15重量パーセント、特に4〜10重量パーセントの総ゴム含量、アミンエポキシ付加物及び脂肪酸エポキシ付加物含量を有する。本発明において、総ゴム含量は、コア−シェルゴム粒子(あるとすれば)の重量、プラスゴム修飾エポキシ樹脂(単数又は複数)の液体ゴム部分(あるとすれば)が寄与する重量、プラス存在し得る他のゴム(あるとすれば)の重量を求めることによって計算される。各場合において、コア−シェルゴム製品又はゴム修飾エポキシ樹脂に含有され得る未反応(非ゴム修飾)エポキシ樹脂及び/又は他の担体、希釈剤、分散剤又は他の配合成分は、含まれていない。コア−シェルゴムのシェル部分の重量は、本発明の目的のために総ゴム含量の一部として算入する。
本発明による好ましい接着剤は、少なくとも1種のエラストマー強靭化剤をさらに含有する。エラストマー強靭化剤は、キャップされた又はブロックされたイソシアネート基を含有する液体又は低融点エラストマー材料である。エラストマー強靭化剤のエラストマー部分は、ポリエーテル、ポリブタジエン又はポリエステルなどの1つ又は複数の軟質セグメントを含む。特に好ましい軟質セグメントとしては、ポリ(エチレンオキシド)ブロック、ポリ(プロピレンオキシド)ブロック、ポリ(エチレンオキシド−コ−プロピレンオキシド)ブロック、ポリ(ブチレンオキシド)ブロック、ポリ(テトラヒドロフラン)ブロック、ポリ(カプロラクトン)ブロックなどがある。これらの軟質セグメントは、一般的にそれぞれ1000〜10,000ダルトン、好ましくは約1500〜5000ダルトンの分子量を有する。特に好ましい型の軟質セグメントは、2200〜4500ダルトンの重量を有するポリ(テトラヒドロフラン)ブロックである。
エラストマー強靭化剤は、1分子当たり少なくとも1つのブロックされた又はキャップされたイソシアネート基を含有する。それは、好ましくは1分子当たり平均で少なくとも2つのそのような基を含有するが、1分子当たり一般的に6つ以下、好ましくは約4つ以下のブロックされた又はキャップされたイソシアネート基を含有する。キャッピング又はブロッキング基の例は、フェノール又はフェノールアミン、第一級脂肪族、脂環式、ヘテロ芳香族及びアラリファティックアミン;第二級脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族及びアラリファティックアミン、モノチオール、アルキルアミド及びヒドロキシル官能性エポキシド並びにベンジルアルコールである。キャッピング又はブロッキング基は、フェノール、芳香族アミノ、−OCN、エポキシドなどの官能基を含有してもよく、或いはそれは、さらなるポリウレタンエラストマーが結合していてもよいが、キャッピング又はブロッキング基は、むしろ、そのような基を欠き得る。好ましいキャッピング基としては、第二級脂肪族アミン、ヒドロキシアルキルエポキシド又はフェノール、アミノフェノール、ポリフェノール、アリルフェノール若しくはo,o−ジアリルビスフェノールAなどのポリアリルポリフェノールがある。
エラストマー強靭化剤を製造する好都合な方法は、イソシアネート末端プレポリマーを形成し、次に残りのイソシアネート基をキャッピング又はブロッキング剤と反応させることによる方法である。イソシアネート末端プレポリマーは、反応性強靭化剤の軟質セグメントの構造に対応するポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールを過剰なポリイソシアネートと反応させることにより調製される。ポリイソシアネートは、好ましくは脂肪族イソシアネート基を含有する。好ましいポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートである。
エラストマー強靭化剤は、エポキシ接着剤の残りの成分に可溶性又は分散性であるべきである。エラストマー強靭化剤は、好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは約800Pa・s以下である45℃における粘度を有する。好ましくは、強靭化剤の重量平均分子量は、約8,000以上、より好ましくは約10,000以上である。好ましくは、強靭化剤の重量平均分子量は、約80,000以下、より好ましくは約40,000以下である。本明細書で使用されている分子量は、GPC分析により決定される。
これらのエラストマー強靭化剤を調製する一般的方法は、例えば、米国特許第5,278,257号、WO2005/118734、米国公開特許出願第2005/0070634号、米国公開特許出願第2005/0209401号、米国公開特許出願第2006/0276601号、EP1602702A及びEP−A−0308664に記載されている。
エラストマー強靭化剤は、線状、分枝状又は軽い架橋型であり得る。
エラストマー強靭化剤は、動的荷重下でのそれを含有する接着剤組成物の性能を改善するのに十分な量で存在する。エラストマー強靭化剤は、適切には樹脂成分Aの少なくとも約10重量パーセント、好ましくは少なくとも約14重量パーセント、より好ましくは少なくとも約18重量パーセントを構成する。好ましくは、エラストマー強靭化剤は、接着剤の最大約38重量パーセント、エポキシ樹脂成分Aのより好ましくは最大約28重量パーセント、さらにより好ましくは最大約25重量パーセントを構成する。
一成分エポキシ接着剤は、他の任意選択の成分を含有してもよい。そのような任意選択の成分は、1分子当たり2つ以上、好ましくは2つのフェノール性ヒドロキシル基を有するビスフェノール化合物である。適切なビスフェノール化合物の例としては、例えば、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、テトラメチルビフェノールなどがある。ビスフェノール成分は、接着剤組成物に溶解することができ、又は微細粒子の形で存在し得る。好ましくは、ビスフェノール成分は、樹脂を多少促進するためにエポキシ樹脂(存在する場合、ゴム修飾エポキシ樹脂を含み得る)と予備反応させる。
使用される場合、ビスフェノール成分は、好ましくはゴム成分100重量部当たり約3〜約35重量部の量で使用される。好ましい量は、ゴム成分100重量部当たり約5〜約25重量部である。ビスフェノール成分を接着剤に直接加える場合、それは、通常接着剤の0.25〜2重量パーセント、特に0.4〜1.5重量パーセントを構成する。
本発明の一成分エポキシ接着剤は、様々な他の任意選択の成分を含有し得る。これらのうち、充填剤、レオロジー改良剤又は顔料、1種若しくは複数の追加のエポキシ樹脂及びコア−シェルゴムが特に好ましい。
充填剤、レオロジー改良剤及び/又は顔料は、一成分エポキシ接着剤中に存在することが好ましい。これらは、(1)接着剤のレオロジーを望ましく改良すること、(2)全費用を低減させること、(3)水分若しくは油を接着剤から若しくはそれが適用される基材から吸収すること、及び/又は(4)接着破壊ではなく凝集破壊を促進することなどのいくつかの機能を果たし得る。これらの材料の例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、タルク、コールタール、カーボンブラック、織物繊維、ガラス粒子又は繊維、アラミドパルプ、ホウ素繊維、炭素繊維、ケイ酸金属塩、雲母、粉末状石英、水和酸化アルミニウム、ベントナイト、硅灰石、カオリン、ヒュームドシリカ、シリカエーロゲル又はアルミニウム粉末若しくは鉄粉末などの金属粉末がある。これらのうち、単独又はある組合せで、炭酸カルシウム、タルク、酸化カルシウム、ヒュームドシリカ及び硅灰石が好ましく、その理由は、これらが所望の凝集破壊モードをしばしば促進させるからである。
特に関心のある充填剤は、最大200ミクロンの平均粒径及び最大0.2g/ccの密度を有するマイクロバルーンである。粒径は、好ましくは約25〜150ミクロンであり、密度は、好ましくは約0.05〜約0.15g/ccである。適切である拡張マイクロバルーンとしては、商品名Dualite(商標)のもとにDualite Corporationから市販されているもの、またLehmann & Voss(Hamburg、Germany)から市販されているものが挙げられる。適切なポリマーマイクロバルーンの特定の例としては、Dualite(商標)E065−135及びDualite E130−40Dマイクロバルーンがある。さらに、Akzo Nobelから市販されているExpancelマイクロスフェアなどの拡張性マイクロバルーン。マイクロバルーンは、好都合には接着剤の約1〜約5重量パーセント、好ましくは1.5〜3重量パーセントのレベルで存在する。マイクロバルーンは、好ましくは、タルク、酸化カルシウム、硅灰石、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ又はそれらの混合物などの1種又は複数の追加の充填剤とともに使用される。
一成分エポキシ接着剤は、希釈剤、可塑剤、増量剤、顔料及び染料、難燃剤、チキソトロピー剤、流動調整剤、熱可塑性ポリエステルなどの増粘剤、ポリビニルブチラールなどのゲル化剤、接着促進剤及び酸化防止剤などの他の添加剤をさらに含有し得る。
充填剤、レオロジー改良剤、ゲル化剤、増粘剤及び顔料は、好ましくは接着剤組成物100部当たり約5部以上、より好ましくは接着剤組成物100部当たり約10部以上の総量で使用される。それらは、好ましくは接着剤の最大約25重量パーセント、より好ましくは最大約20重量パーセントの量で存在する。本発明の利点は、接着剤が15〜25重量%もの充填剤を含有する場合でさえ、良好な接着強度及び衝撃強さを保持することである。
接着剤は、エポキシ樹脂、硬化剤、熱活性化型触媒及び任意選択の配合成分を任意の好都合な順序で混合することによって形成される。種々の材料をより容易に配合するために、高温を使用してそれらを軟化させることができるが、硬化剤を融解させ且つ/又は触媒を活性化するほどの高い温度を使用することを避けることが望ましい。したがって、温度は一般的に、硬化剤及び/又は熱活性化型触媒が存在する場合には、接着剤配合工程中50℃未満に保たれる。
接着剤組成物は、任意の好都合な技術により適用することができる。所望の場合、それを冷たいまま適用することができ又は温かいまま適用することができる。それは、ロボットから基材上にビードの形に押し出すことによって適用することができ、それは、コーキングガンなどの手動適用法又は任意の他の手動適用手段を使用して適用することができる。接着剤はまた、スチーミング(steaming)法又は旋回法(swirl technique)などのジェット噴霧法を使用して適用することができる。旋回法は、ポンプ、制御システム、計量供給ガン(dosing gun)アセンブリ、リモート計量供給装置(remote dosing device)及び施工用ガンなどの当業者に周知の装置を使用して適用される。接着剤は、ストリーミング法を使用して基材に適用することができる。一般的に、接着剤を一方又は両方の基材に適用する。基材は接触させて、接着剤が、接着しようとする基材の間に位置するようにする。
適用後、硬化剤がエポキシ樹脂組成物の硬化を開始する温度に加熱することにより、接着剤を硬化させる。一般的に、この温度は、約80℃以上、好ましくは100℃以上である。好ましくは、温度は、約220℃以下、より好ましくは約180℃以下である。
本発明の接着剤は、木材、金属、被覆金属、アルミニウム、様々なプラスチック及び充填プラスチック基材、ガラス繊維などを含む様々な基材を接着させるのに使用することができる。1つの好ましい実施形態において、接着剤は、自動車の部品を互いに接着させる又は部品を自動車に接着させるのに使用される。そのような部品は、鋼鉄、被覆鋼鉄、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、被覆アルミニウム、プラスチック及び充填プラスチック基材であり得る。
特に関心のある用途は、自動車フレーム構成部品の互いへの、又は他の構成部品への接着である。フレーム構成部品は、しばしば、冷間圧延鋼、亜鉛メッキ金属又はアルミニウムなどの金属である。フレーム構成部品に接着される構成部品は、前述のような金属でもあり得、又は他の金属、プラスチック、複合材料などであり得る。
ガルバニール(galvaneal)などの脆性金属への接着は、自動車産業において特に関心のあるものである。ガルバニールは、多少鉄含量が高い亜鉛−鉄表面を有する傾向があり、そのため脆い。本発明の特有の利点は、硬化した接着剤がガルバニールなどの脆性金属に十分に接着することである。特に関心のある他の用途は、航空宇宙用構成部品、特に飛行中に環境大気条件に曝露される外装金属構成部品又は他の金属構成部品の接着である。
一旦硬化した接着剤組成物は、好ましくは、DIN EN ISO 527−1に従って測定された約1000MPaのヤング率を有する。より好ましくは、ヤング率は、約1200MPa以上である。好ましくは、硬化した接着剤は、約25MPa以上、より好ましくは約30MPa以上、最も好ましくは約35MPa以上の引張強度を示す。好ましくは、1.5mm厚さの硬化した接着剤層のラップせん断強度は、DIN EN 1465に従って測定された約15MPa以上、より好ましくは約20MPa以上、最も好ましくは約25MPa以上である。
組成物のエポキシ接着剤は、優れた貯蔵安定性を有する。貯蔵安定性とは、一成分エポキシ接着剤が、貯蔵され硬化する一般的な条件下で硬化に抵抗する程度を指す。良好な貯蔵安定性を有する接着剤は、通常の貯蔵及び輸送条件下で、粘度が増すとしてもゆっくりと増すにすぎず、したがって、それが包装されたときから数週間又は数ヵ月間使用可能なままである。したがって、貯蔵安定性は、規定の条件下で材料を貯蔵し、粘度を定期的に測定することにより査定することができる。所与の期間におけるより小さい粘度の増加は、より良好な貯蔵安定性を示し、逆に、より不良な貯蔵安定性は、粘度のより大きい増加によって示される。
現実の実務において、輸送及び貯蔵条件は、しばしば厳格に制御されず、かなり変化し得る。接着剤製品が非冷却倉庫及び運送船内で夏の数ヵ月間40℃以上の貯蔵温度に遭遇することは、珍しいことではない。したがって、本発明の好ましい一成分エポキシ接着剤は、少なくとも40℃と高い温度で良好な貯蔵安定性も示す。
好ましくは、本発明による一成分エポキシ接着剤は、窒素などの不活性雰囲気下23℃の温度で24週間貯蔵した後、30%以下、より好ましくは25%以下の粘度増加を示す。
本発明による一成分エポキシ接着剤は、不活性雰囲気下30℃の温度で24週間貯蔵した後、好ましくは70%以下(すなわち、その出発粘度の1.7倍への)、さらにより好ましくは50%以下、さらにより好ましくは40%以下の粘度増加を示す。
本発明による一成分エポキシ接着剤は、不活性雰囲気下40℃の温度で24週間貯蔵した後、好ましくは400%以下(すなわち、その出発粘度の3倍への)、さらにより好ましくは350%以下の粘度増加を示す。
粘度測定は、好都合には、Bohlin CS−50又は同等のレオメーター及び4°/20mmプレート/コーンシステムを使用して行われる。粘度を測定するために、試料を45℃に加熱し、そこで5分間平衡させる。せん断速度を45℃で0.1/秒から20/秒まで5分間にわたって増加させ、次に再び45℃でさらに5分間にわたって0.1/秒に低下させる。粘度は、10/秒で決定される。
以下の実施例は、本発明を例示するために示すが、その範囲を限定するものではない。すべての部及び百分率は、特に示さない限り、重量によるものである。
実施例1〜2
130℃の軟化温度を有する44部の分子量10,000のフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(Resicure 3057、SI Group製)を140℃で融解させる。56部の2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを溶融ノボラック樹脂に加え、得られた混合物を140℃で30分間撹拌する。透明な溶液が得られ、これを室温に冷却し、粉末に粉砕する。得られた熱活性化型触媒を実施例1と呼ぶ。
実施例2は、180℃の軟化温度を有する44部の分子量24,000のフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(Resicure 5200、SI Group製)をメタノールに溶解させることにより調製する。得られた溶液を56部の2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールと組み合わせ、2時間還流して、透明な溶液を形成する。混合物を室温に冷却し、蒸発によりメタノールを除去する。得られた固体を乾燥させ、粉末に粉砕する。
実施例3
熱活性化型触媒実施例1及び2の硬化活性を評価するために、単純エポキシ接着剤配合物を調製する。配合物は、DER(商標)330エポキシ樹脂、ジシアンジアミド及び種々の量の熱活性化型触媒実施例1を含有する。DER(商標)331は、The Dow Chemical Companyから入手できるビスフェノールAの液体ジグリシジルエーテルである。それは、約187のエポキシ当量重量を有する。実施例3−Aから3−Eと呼ぶ3つの試料を調製する。これらの配合成分の比を表1に示す。
硬化特性は、TA Instruments製のQ2000機器で動的走査熱量測定法により評価する。5〜15mgの試料を乾燥窒素下で試験する。試料を10℃/分で20℃から250℃まで加熱し、250℃で30分間保持し、次いで10℃/分で室温に冷却し、次いで10℃/分で250℃に再加熱する。硬化開始温度、発熱ピーク温度、硬化樹脂のT及びエンタルピーをすべて決定する。結果を表1に示す。
実施例4及び比較試料A
54.65部のビスフェノールAの液体ジグリシジルエーテルの混合物、Schill and SeilacherからStruktol(商標)3914として市販されている13.22部のブタジエンアクリロニトリルゴム及びエポキシ樹脂の付加物、14部のキャップされた末端イソシアネート基を有するポリウレタン強靭化剤、1.49部の湿潤剤、0.72部のエポキシシラン、4.33部のジシアンジアミド、5.16部のヒュームドシリカ、1部の熱活性化型触媒並びに5.43部の充填剤を混合することにより、強靭化耐破壊性エポキシ接着剤を調製する。
実施例4については、熱活性化型触媒は、実施例1触媒である。比較試料Aについては、熱活性化型触媒は、ポリ(ビニルフェノールマトリックス)中2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールである。活性触媒レベルは、実施例4と比較試料Aとで同じである。
試験の開始時及び指定の温度で示した期間貯蔵した後に粘度測定を行うことにより、実施例4及び比較試料Aの貯蔵安定性を下の表2に示す種々の温度で評価する。試験は、Bohlin CS−50レオメーター及び4°/20mmプレート/コーンシステムで実施される。試料を45℃で5分間条件付けをする。試料をこの温度に保持しながら、せん断速度を5分間にわたって0.1/秒から20/秒まで増加させ、次いで同じ速度で0.1/秒に減少し戻す。10/秒における粘度を測定する。結果は、表2に示す通りである。
すべての場合において、本発明の触媒について著しくより良好な貯蔵安定性が認められる。
実施例5〜6
130℃の軟化温度を有する分子量10,000のフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(Resicure 3057、SI Group製)を、100USメッシュふるいを通過するまで粉砕する。2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(Ancamine K54、Air Products and Chemicals製)を等重量の粉砕ノボラック樹脂に加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌する。
次いで、この混合物の5〜15mgの部分をTA Instruments製のModel Q2000モジュレイテッドアナライザー(modulated anaylzer)でDSCにより評価する。試料を10℃/分の速度で20℃から200℃まで加熱する。発熱は、約64〜67℃の試料温度で始まり、約83〜84℃でピークに達することが認められる。この発熱は、ノボラック樹脂のフェノール基と触媒のアミン基との間の水素結合の形成又は他の錯形成と解釈される。
混合物の他の部分を、その粘度を測定しながら、23から130℃まで加熱する。混合物の粘度は、温度が約70℃に達するまで5000cP未満である。温度が70℃から約90℃まで上昇するとき、混合物の粘度は、250,000cP超に急速に増加する。粘度は、次に110℃で約14,500cpに、130℃で約4,000cpに低下する。
混合物の第3の部分を130℃に加熱し、室温に冷却し、100USメッシュふるいを通過する粉末に粉砕する。得られた熱活性化型触媒を実施例5と呼び、下で述べるようにエポキシ接着剤実施例5に配合する。
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールとノボラック樹脂との比が重量で44:56であることを除いて、同じ様式で実施例6を調製し、試験する。実施例5について述べた様式でDSCにより評価するとき、発熱が約63〜68℃の試料温度で始まり、約82〜84℃でピークに達することが認められる。実施例5について述べたように粘度を測定するとき、65℃で10,000cP未満から約85℃でほぼ600,000cPまで急速に増加し、その後、粘度は110℃で約52,000cPに、130℃で約18,000cPに低下することが認められる。
混合物の第3の部分を130℃に加熱し、室温に冷却し、粉末に粉砕する。得られた熱活性化型触媒を実施例6と呼び、下で述べるようにエポキシ接着剤実施例6に配合する。
表3に示す配合成分を混合することにより、それぞれ熱活性化型触媒5及び6を含有するエポキシ接着剤実施例5及び6を調製する:
衝撃剥離試験は、ISO 11343くさび衝撃法に従って23℃で接着剤実施例5及び6のそれぞれについて実施される。接着剤を冷間圧延鋼基材上で、165℃で20分間硬化させる。試験は、2m/秒の動作速度で実施される。結果を下の表4に示す。
接着剤実施例5及び6の貯蔵安定性は、接着剤を密閉容器中40℃で1週間貯蔵して評価される。粘度測定を試験の開始時及び貯蔵後に行う。試験は、ARES−G2せん断レオメーター及び25mm平行プレートシステムで、38℃で実施される。試料を38℃で1分間条件付けをする。試料をこの温度に保持しながら、せん断速度を4分間で30/秒のせん断速度にする。30/秒のせん断速度における粘度を測定する。結果を表4に示す。
表4におけるデータから、本発明による一液形エポキシ接着剤が良好な貯蔵安定性を示し、十分に硬化して強い接着剤結合を形成することが実証される。
実施例7〜8及び比較試料B
56重量部の130℃の軟化温度を有する分子量10,000のフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(Resicure 3057、SI Group製)を350部のメタノールと混合し、45℃に加熱することにより溶解させる。得られた溶液を撹拌し、44重量部の室温の2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30、The Dow Chemical Company製)を徐々に加える。触媒を加えるとき、ノボラック樹脂及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール)の混合物が溶液から沈殿して、固相及び主としてメタノールを含有する液相を形成する。メタノール性液相を流出させる。次いで、固相を微粉砕し、50℃で2時間乾燥させる。得られた材料を触媒実施例7と呼ぶ。
接着剤実施例5及び6に存在する触媒の代わりに触媒実施例7を用いていることを除いて、接着剤実施例5及び6と同一の一液形エポキシ接着剤(接着剤実施例7)を調製する。
接着剤実施例7の衝撃剥離強さを接着剤実施例5及び6について示した様式で測定する。3つの試料にわたる平均衝撃剥離強さは約31N/mmであり、凝集破壊がすべての場合において認められる。
触媒が、Resicure 3057ノボラック樹脂と2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールとの重量で44/56混合物(樹脂を融解させ、アミノフェノール触媒を溶融ノボラック樹脂に加え、得られた混合物を140℃で30分間撹拌し、得られた混合物を室温に冷却し、それを粉末に粉砕することにより作製した)であることを除いて、接着剤実施例7と同じ様式で接着剤実施例8を作製する。
触媒が市販の2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール/ポリ(ビニルフェノール)混合物(Huntsman Chemicals製のEP 796)であることを除いて、接着剤実施例7と同じ様式で比較例Bも作製する。
接着剤実施例7及び8並びに比較試料Bの貯蔵安定性を接着剤実施例5及び6について述べたように決定する。結果を表5に示す。
表5におけるデータからわかるように、本発明の熱活性化触媒を含有する接着剤は、第三級アミンがポリ(ビニルフェノール)マトリックス中に存在する市販の触媒をその代わりに含有するもの(比較試料B)より、40℃において貯蔵安定性が実質的に高い。驚くべきことに、接着剤実施例7はまた、貯蔵安定性が接着剤実施例8より著しく高く、これにより、熱活性化触媒を調製する様式がその貯蔵安定性に重要であり得ることが示される。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 少なくとも130℃の沸点を有する固体又は液体第三級アミン化合物と少なくとも約3000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂との混合物を含む熱活性化型触媒組成物。
[2] 第三級アミン化合物が少なくとも1種のアミノフェノールを含む、[1]に記載の熱活性化型触媒組成物。
[3] アミノフェノールが2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,6−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール又は2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールである、[2]に記載の熱活性化型触媒組成物。
[4] ノボラック樹脂が5000〜20,000の重量平均分子量を有する、[1]から[3]のいずれかに記載の熱活性化型触媒組成物。
[5] ノボラック樹脂がフェノールノボラック樹脂である、[1]から[4]のいずれかに記載の熱活性化型触媒組成物。
[6] 第三級アミン化合物とノボラック樹脂との重量比が40:60〜70:30である、[1]から[5]のいずれかに記載の熱活性化型触媒組成物。
[7] a)60℃以下の融解温度及び少なくとも130℃の沸点を有する第三級アミン触媒を少なくとも5000の重量平均分子量及び175ミクロン以下の体積平均粒径を有する粒子状ノボラック樹脂と、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で組み合わせるステップと;
b)ステップa)で形成された混合物を、透明な混合物が得られるまで、65〜130℃であるがノボラック樹脂の融解温度より低い温度に加熱するステップと;
c)透明な混合物を50℃以下の温度に冷却するステップと
を含む方法で作製される、[1]から[6]のいずれかに記載の熱活性化型触媒組成物。[8] a)60℃以下の融解温度を有する第三級アミン触媒を少なくとも5000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂の低級アルコール中液体溶液と、第三級アミン触媒の融解温度を超えるが80℃以下であって低級アルコールの沸点以下である温度で、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で混合し、それにより、反応混合物が、低級アルコールを主として含有する液相と第三級アミン触媒及びノボラック樹脂の沈殿物とに分離するステップと;
b)沈殿物の温度を80℃以下に維持しながら沈殿物を液相から分離するステップと
c)分離された沈殿物を80℃以下の温度で乾燥させて、残留低級アルコールを沈殿物から除去するステップと
を含む方法で作製される、[1]から[6]のいずれかに記載の熱活性化型触媒組成物。[9] A)1種又は複数のエポキシ樹脂;
B)少なくとも50℃の融解温度を有する少なくともエポキシ硬化剤;及び
C)[1]から[8]のいずれかに記載の熱活性化型触媒組成物
を含む、一成分エポキシ接着剤。
[10] A)1種又は複数のエポキシ樹脂;
B)少なくとも50℃の融解温度を有する少なくとも1種のエポキシ硬化剤;及び
C)[1]から[8]のいずれかに記載の熱活性化型触媒組成物;
D)少なくとも1種のゴム、アミンエポキシ付加物又は脂肪酸−エポキシ付加物;及び
E)ブロックされた又はキャップされたイソシアネート基を有する少なくとも1種のエラストマー強靭化剤
を含む、強靭化一成分エポキシ接着剤。
[11] ノボラック樹脂マトリックス中アミン触媒を調製する方法であって、
a)60℃以下の融解温度及び少なくとも130℃の沸点を有する第三級アミン触媒を少なくとも5000の重量平均分子量及び175ミクロン以下の体積平均粒径を有する粒子状ノボラック樹脂と、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で組み合わせるステップと;
b)ステップa)で形成された混合物を、透明な混合物が得られるまで、65〜130℃であるがノボラック樹脂の融解温度より低い温度に加熱するステップと;
c)透明な混合物を50℃以下の温度に冷却するステップと
を含む、方法。
[12] ステップb)において混合物が65〜130℃の温度で5〜30分間加熱される、[11]に記載の方法。
[13] ステップb)が、混合物の温度を2〜20℃/分の速度で、65℃未満の出発温度から、混合物の温度が100〜130℃の範囲になるまで上昇させ、次に混合物の粘度が低下する又は透明な混合物が生成されるまで、混合物を100〜130℃の温度に保持することによって実施される、[11]又は[12]に記載の方法。
[14] ステップa)〜c)が、ノボラック樹脂を130℃超の温度に曝露せずに実施される、[11]から[13]のいずれかに記載の方法。
[15] ノボラック樹脂マトリックス中アミン触媒を調製する方法であって、
a)60℃以下の融解温度を有する第三級アミン触媒を少なくとも5000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂の低級アルコール中液体溶液と、第三級アミン触媒の融解温度を超えるが80℃以下であって低級アルコールの沸点以下である温度で、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で混合し、それにより、反応混合物が、低級アルコールを主として含有する液相と第三級アミン触媒及びノボラック樹脂の沈殿物とに分離するステップと;
b)沈殿物の温度を80℃以下に維持しながら沈殿物を液相から分離するステップと
c)分離された沈殿物を80℃以下の温度で乾燥させて、残留低級アルコールを沈殿物から除去するステップと
を含む、方法。
[16] ステップa)において、第三級アミン触媒が30秒間から10分間にわたってノボラック樹脂に加えられる、[15]に記載の方法。
[17] ノボラック樹脂溶液が、第三級アミン触媒と組み合わされるときに35〜80℃の温度に加熱される、[15]又は[16]に記載の方法。
[18] 第三級アミン触媒が、ノボラック樹脂と組み合わされるときに35℃未満の温度である、[15]から[17]のいずれかに記載の方法。
[19] ステップa)において、ノボラック樹脂溶液及び第三級アミン触媒が組み合わされるときにノボラック樹脂溶液が40〜50℃の温度であり、第三級アミン触媒が15〜35℃の温度であり、第三級アミン触媒が、30秒間から10分間にわたってノボラック溶液に加えられる、[15]に記載の方法。

Claims (18)

  1. 少なくとも130℃の沸点を有する固体又は液体第三級アミン化合物と10,000〜25,000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂との混合物を含み、
    第三級アミン化合物とノボラック樹脂との重量比が40:60〜70:30である、熱活性化型触媒組成物。
  2. 第三級アミン化合物が少なくとも1種のアミノフェノールを含む、請求項1に記載の熱活性化型触媒組成物。
  3. アミノフェノールが2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,6−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール又は2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールである、請求項2に記載の熱活性化型触媒組成物。
  4. ノボラック樹脂が10,000〜20,000の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の熱活性化型触媒組成物。
  5. ノボラック樹脂がフェノールノボラック樹脂である、請求項1に記載の熱活性化型触媒組成物。
  6. a)60℃以下の融解温度及び少なくとも130℃の沸点を有する第三級アミン触媒を10,000〜25,000の重量平均分子量及び175ミクロン以下の体積平均粒径を有する粒子状ノボラック樹脂と、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で組み合わせるステップと;
    b)ステップa)で形成された混合物を、透明な混合物が得られるまで、65〜130℃であるがノボラック樹脂の融解温度より低い温度に加熱するステップと;
    c)透明な混合物を50℃以下の温度に冷却するステップと
    を含む方法で調製される、請求項1に記載の熱活性化型触媒組成物。
  7. a)60℃以下の融解温度を有する第三級アミン触媒を10,000〜25,000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂の低級アルコール中液体溶液と、第三級アミン触媒の融解温度を超えるが80℃以下であって低級アルコールの沸点以下である温度で、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で混合し、それにより、反応混合物が、低級アルコールを主として含有する液相と第三級アミン触媒及びノボラック樹脂の沈殿物とに分離するステップと;
    b)沈殿物の温度を80℃以下に維持しながら沈殿物を液相から分離するステップと
    c)分離された沈殿物を80℃以下の温度で乾燥させて、残留低級アルコールを沈殿物から除去するステップと
    を含む方法で調製される、請求項1に記載の熱活性化型触媒組成物。
  8. A)1種又は複数のエポキシ樹脂;
    B)少なくとも50℃の融解温度を有する少なくともエポキシ硬化剤;及び
    C)請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱活性化型触媒組成物
    を含む、一成分エポキシ接着剤。
  9. A)1種又は複数のエポキシ樹脂;
    B)少なくとも50℃の融解温度を有する少なくとも1種のエポキシ硬化剤;及び
    C)請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱活性化型触媒組成物;
    D)少なくとも1種のゴム、アミンエポキシ付加物又は脂肪酸−エポキシ付加物;及び
    E)ブロックされた又はキャップされたイソシアネート基を有する少なくとも1種のエラストマー強靭化剤
    を含む、強靭化一成分エポキシ接着剤。
  10. ノボラック樹脂マトリックス中アミン触媒を調製する方法であって、
    a)60℃以下の融解温度及び少なくとも130℃の沸点を有する第三級アミン触媒を10,000〜25,000の重量平均分子量及び175ミクロン以下の体積平均粒径を有する粒子状ノボラック樹脂と、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で組み合わせるステップと;
    b)ステップa)で形成された混合物を、透明な混合物が得られるまで、65〜130℃であるがノボラック樹脂の融解温度より低い温度に加熱するステップと;
    c)透明な混合物を50℃以下の温度に冷却するステップと
    を含む、方法。
  11. ステップb)において混合物が65〜130℃の温度で5〜30分間加熱される、請求項10に記載の方法。
  12. ステップb)が、混合物の温度を2〜20℃/分の速度で、65℃未満の出発温度から、混合物の温度が100〜130℃の範囲になるまで上昇させ、次に混合物の粘度が低下する又は透明な混合物が生成されるまで、混合物を100〜130℃の温度に保持することによって実施される、請求項10または11に記載の方法。
  13. ステップa)〜c)が、ノボラック樹脂を130℃超の温度に曝露せずに実施される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ノボラック樹脂マトリックス中アミン触媒を調製する方法であって、
    a)60℃以下の融解温度を有する第三級アミン触媒を10,000〜25,000の重量平均分子量を有するノボラック樹脂の低級アルコール中液体溶液と、第三級アミン触媒の融解温度を超えるが80℃以下であって低級アルコールの沸点以下である温度で、第三級アミン触媒により供給される第三級アミン基1当量当たり0.1〜10当量のフェノール基がノボラック樹脂により供給されるような割合で混合し、それにより、反応混合物が、低級アルコールを主として含有する液相と第三級アミン触媒及びノボラック樹脂の沈殿物とに分離するステップと;
    b)沈殿物の温度を80℃以下に維持しながら沈殿物を液相から分離するステップと
    c)分離された沈殿物を80℃以下の温度で乾燥させて、残留低級アルコールを沈殿物から除去するステップと
    を含む、方法。
  15. ステップa)において、第三級アミン触媒が30秒間から10分間にわたってノボラック樹脂に加えられる、請求項14に記載の方法。
  16. ノボラック樹脂溶液が、第三級アミン触媒と組み合わされるときに35〜80℃の温度に加熱される、請求項14または15に記載の方法。
  17. 第三級アミン触媒が、ノボラック樹脂と組み合わされるときに35℃未満の温度である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. ステップa)において、ノボラック樹脂溶液及び第三級アミン触媒が組み合わされるときにノボラック樹脂溶液が40〜50℃の温度であり、第三級アミン触媒が15〜35℃の温度であり、第三級アミン触媒が、30秒間から10分間にわたってノボラック溶液に加えられる、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
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