JP5753608B2 - コーティング剤組成物 - Google Patents
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即ち、本発明の目的は、硬化前は保存安定性および塗工性に優れ、硬化後は高撥水性かつ高硬度であり、基材との密着性に優れた透明皮膜を形成するコーティング剤組成物を提供することにある。
CH2=C(R1)−COO−Q−SiR2 n(OR3)3−n (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、Qは炭素原子数2〜6の二価脂肪族炭化水素基であり、R2は非置換もしくは置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、nは0〜2の整数)で示されるシラン化合物 1モルに対して、
(A2)アクリル系化合物(但し、(A1)成分を除く)、ビニル系化合物及びスチレン系化合物から選ばれる1種又は2種以上のビニル重合性不飽和結合含有化合物 3.70〜6.20モル、
(A3)一般式(2):
CH2=C(R1)−COO−Q−Si(OSiR4 3)3 (2)
(式中、R1およびQは前記と同じであり、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基)で示されるシロキシシラン化合物 1.05〜1.80モル
を、(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}=0.11〜0.17となる物質量比でラジカル共重合して得られた重量平均分子量10,000〜100,000のアクリル系共重合体 100重量部、
(B)縮合反応促進触媒 触媒量
からなることを特徴とするコーティング剤組成物により達成される。
「[1] (A)(A1)一般式(1):
CH2=C(R1)−COO−Q−SiR2 n(OR3)3−n (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、Qは炭素原子数2〜6の二価脂肪族炭化水素基であり、R2は非置換もしくは置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、nは0〜2の整数)で示されるシラン化合物 1モルに対して、
(A2)アクリル系化合物(但し、(A1)成分を除く)、ビニル系化合物及びスチレン系化合物から選ばれる1種又は2種以上のビニル重合性不飽和結合含有化合物 3.70〜6.20モル、
(A3)一般式(2):
CH2=C(R1)−COO−Q−Si(OSiR4 3)3 (2)
(式中、R1およびQは前記と同じであり、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基)で示されるシロキシシラン化合物 1.05〜1.80モル
を、(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}=0.11〜0.17となる物質量比でラジカル共重合して得られた重量平均分子量10,000〜100,000のアクリル系共重合体 100重量部、
(B)縮合反応促進触媒 触媒量
からなることを特徴とするコーティング剤組成物。
[2] さらに、(C)有機溶剤を(A)成分を溶解するのに十分な量含有することを特徴とする[1]に記載のコーティング剤組成物。
[3] さらに(D)アミノシランカップリング剤を(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする、[1]または[2]に記載のコーティング剤組成物。
[4] (D)成分が3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、および3−アニリノプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれてなることを特徴とする[3]に記載のコーティング剤組成物。
[5] (A1)成分〜(A3)成分の合計量100モルに対して0.30〜0.99モルとなる量のアゾ化合物を用いてラジカル共重合したアクリル系共重合体であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のコーティング剤組成物。
[6] (A2)成分がアルキルメタクリレートであることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のコーティング剤組成物。
[7] (A1)成分が3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれるシラン化合物である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のコーティング剤組成物。」により達成される。
CH2=C(R1)−COO−Q−SiR2 n(OR3)3−n (1)
で示されるシラン化合物であり、上式中、R1は水素原子またはメチル基である。Qは炭素原子数2〜6の二価脂肪族炭化水素基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基が好ましい。R2は非置換もしくは置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基が挙げられる。R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基が例示される。nは0〜2の整数であり、0または1が好ましい。このような(A1)成分としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シランが例示され、最も好適には3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが例示される。
CH2=C(R1)−COO−Q−Si(OSiR4 3)3 (2)
で示されるシロキシシラン化合物であり、上式中、R1およびQは前記と同様である。R4は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示される。かかる(A3)成分は、他の(A1)成分および(A2)成分と共に、(A)成分であるアクリル系共重合体を構成する成分であり、本発明において、(A3)成分は、(A1)成分であるシラン化合物1モルに対して1.05〜1.80モルをラジカル共重合反応させる必要があり、特に1.20〜1.60モルをラジカル共重合反応させることが好ましい。(A3)成分の反応量が前記下限未満では、得られたアクリル系共重合体を硬化させてなる硬化皮膜の対汚染性(特に撥水性)、耐久性(特に耐擦傷性)等が不十分となる。一方、(A3)成分の反応量が前記上限を超えると、硬化皮膜の硬さが不十分となる。
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiPr3)3
・重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて標準ポリスチレン換算でもとめた。
・不揮発分:アクリル系共重合体(トルエン溶液)1gをアルミ皿に秤取り、150℃で1時間加熱した後の重量を測定して、次式に従って算出した。
不揮発分(%)=(加熱前の重量−加熱後の重量)×100/加熱前の重量
・屈折率(RI):エルマ販売株式会社製アツベ屈折率計で測定した。
・塗膜の鉛筆硬度(以下、単に「鉛筆硬度」という):JIS−K5400に準じて測定し、以下に示す基準により評価した。
◎:3H以上, ○:F〜2H, ×:HB以下
・撥水性:水に対する接触角により評価し、接触角計[協和界面科学(株)製;CA−Z]を用いて測定し、以下の基準により評価した。
◎:95°より大, ○:90〜95°, ×:90°未満
・塗膜耐久性:硬化皮膜表面を、日本スチールウール株式会社製ボンスタースチールウールNo.0000で10回擦り、硬化皮膜表面のキズの発生の有無を以下の基準により評価した。
◎:変化なし, ○:微かに傷あり(微かに白化), ×:傷あり(白化)
撹拌機付きフラスコに38.7gのヘキサメチルジシロキサン、0.05gのトリフルオロメタンスルホン酸、および28.6gの酢酸を投入して、50℃まで昇温した。ついで、これに3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン26.3gを滴下し、2時間反応を継続した。水洗を2度繰り返した後、60℃まで再び昇温し、0.016gのトリフルオロ酢酸および6.32gのヘキサメチルジシラザンを加え、反応を完結させた。水洗を2度繰り返し、最後に100℃、10Torrで、2時間かけて残留しているヘキサメチルジシロキサン、酢酸、その他の低沸点物をストリッピングして、目的生成物を得た。
撹拌機付きフラスコにトルエンを、表1に記載の(初期トルエン)量を投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いで、(a1)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(a2−1)メチルメタクリレート、(a2−2)2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートおよび(a3)式:
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
(式中、Meはメチル基である。)で示される参考例1で調製した3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを、下表1に示す量投入し、滴下終了後、さらに、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリルをトルエン10gに溶解した溶液を加えて、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させて、表1に示す重量平均分子量を有するメタクリル系共重合体を得た。これら得られた各メタクリル系共重合体をトルエンで希釈することにより、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が14重量%になるように調製した(アクリル系共重合体1〜6)。このようにして得られた共重合体溶液の粘度、屈折率および比重を表1に示す。また、これらのメタクリル系共重合体溶液を室温で3ヶ月間放置したところ、外観の変化は認められなかった。
(a1)MPTMSi:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(分子量248.4)
(a2−1)MMA:メチルメタクリレート
(分子量101.1)
(a2−2)DMAEMA:2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
(分子量157.2)
(a3)MPT(TMS)Si:3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン
(分子量422.8)
AMBN;2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル
(分子量182.2)
トルエン33.3g、(b1)テトラブチルチタネート(50%リグロイン溶液)0.47g、合成例1で得たメタクリル系共重合体溶液(アクリル系共重合体1,不揮発分14%)46.7gを混合して、コーティング剤組成物を調製した。これをステンレス鋼鈑に流し塗りした後、200℃で1時間加熱して、透明な硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜はヨリの発生もなく均一であり、基材に対し良好な密着性を有するものであった。得られた硬化皮膜の特性を表2に示した。
実施例1において、合成例1で得たメタクリル系共重合体溶液を、合成例2で得たメタクリル系共重合体溶液(アクリル系共重合体2,不揮発分14%)に変えた他は、実施例1と同様にして、透明な硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜はヨリの発生もなく均一であり、基材に対し良好な密着性を有するものであった。得られた硬化皮膜の特性を表2に示した。
実施例1において、縮合反応促進触媒として(b1)テトラブチルチタネート(50%リグロイン溶液)の代わりに、(b2)ジブチルスズジラウレート 0.23gを用いる他は実施例1と同様にして、透明な硬化皮膜を得た。得られた硬化皮膜はヨリの発生もなく均一であり、基材に対し良好な密着性を有するものであった。得られた硬化皮膜の特性を表2に示した。
実施例1において、合成例1で得たメタクリル系共重合体溶液を、表2に示す通り合成例3〜8で得たメタクリル系共重合体溶液(アクリル系共重合体3〜8,不揮発分14%)に各々変えた他は、実施例1と同様にして、透明な硬化皮膜を得た。ここで得られた硬化皮膜の特性を表2に示した。
Claims (2)
- (A)(A1)一般式(1):
CH2=C(R1)−COO−Q−SiR2 n(OR3)3−n (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、Qは炭素原子数2〜6の二価脂肪族炭化水素基であり、R2は非置換もしくは置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、nは0〜2の整数)で示されるシラン化合物 1モルに対して、
(A2)アクリル系化合物(但し、(A1)成分及び(A3)成分を除く)、ビニル系化合物及びスチレン系化合物から選ばれる1種又は2種以上のビニル重合性不飽和結合含有化合物 3.70〜6.20モル、
(A3)一般式(2):
CH2=C(R1)−COO−Q−Si(OSiR4 3)3 (2)
(式中、R1およびQは前記と同じであり、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基)で示されるシロキシシラン化合物 1.05〜1.80モル
を、(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}=0.11〜0.17となる物質量比でラジカル共重合して得られた重量平均分子量10,000〜100,000のアクリル系共重合体 100重量部、
(B)縮合反応促進触媒 触媒量
からなることを特徴とするコーティング剤組成物。 - 水に対する接触角が95°より大きい硬化皮膜を形成する請求項1に記載のコーティング剤組成物。
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