JP2013001852A - 硬化性組成物およびそれを用いた接着剤 - Google Patents

硬化性組成物およびそれを用いた接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線などの活性エネルギー線および空気中の湿分により硬化可能で、強度・伸びに優れ、かつ活性エネルギー線照射の有無に関わらず良好な硬化状態を有する硬化性組成物およびそれより得られる接着剤の提供。
【解決手段】(a)一般式(1):−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y)で表わされる基を1分子あたり平均して1個以上有する重合体、(b)分子内に、一般式(2):−OC(O)C(R)=CHおよび一般式(3):−Si(OR3−n(Rをそれぞれ1個以上有し、一般式(2)で表される基と一般式(3)で表される基が9本以上の共有結合を隔てて結合している化合物、(c)光ラジカル発生剤、(d)硬化触媒、を含有する硬化性組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、活性エネルギー線および空気中の湿分により硬化させることができ、また活性エネルギー線が照射されない場合にも充分な硬化性が得られることを特徴とする硬化性組成物に関する。
紫外線などの活性エネルギー線硬化性および湿分硬化性を有する硬化性組成物は活性エネルギー線により即座に硬化させることが可能で、かつ活性エネルギー線が照射されなかった部分、照射が不足していた部分についても空気中の湿分により化学反応が進行して硬化させることができる。接着剤などの用途において、接着部に影部が生じるような場合に非常に有用である。このような機能を有する接着剤組成物については以前から報告されており、特に、3−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシランやγ−(メタ)アクリロイルプロピルトリエトキシシランなどといった、1つの分子構造中に活性エネルギー線硬化性および湿分硬化性を有する官能基を有するモノマーを用いた組成物については特に有用な報告がなされている。例えば特許文献1は加水分解性ケイ素基を有する高分子化合物と(メタ)アクリルシリケートを用いた組成物が報告されている。また特許文献2では(メタ)アクリロイル基および加水分解性ケイ素基を両方有するモノマー化合物を含有する組成物に関して記載されている。いずれの組成物も活性エネルギー線硬化性および湿分硬化性について良好であるが、当該の化合物の官能基密度が大きくなるため、硬化物が脆くなり、充分な伸び性が得られない場合がある。
特開2007−126513号公報 特開2005−8693号公報
本発明は、紫外線などの活性エネルギー線および空気中の湿分により硬化可能で、強度・伸びに優れ、かつ活性エネルギー線照射の有無に関わらず良好な硬化状態を有する硬化性組成物およびそれより得られる接着剤の提供を目的とする。
上述の現状に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、(a)加水分解性シリル基を含有する重合体、(b)分子内に(メタ)アクリロイル基および加水分解性シリル基を含み、両方の官能基間に共有結合を9本以上有する化合物、(c)光ラジカル発生剤、(d)硬化触媒を含有する硬化性組成物を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち
(a)一般式(1):
−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y)
(式中、RおよびRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R′)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。RまたはRがそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示す。Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を示す。bは0、1、または2を示す。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足する。)
で表わされる基を1分子あたり平均して1個以上有する重合体、
(b)分子内に、
一般式(2):−OC(O)C(R)=CH
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
および
一般式(3):−Si(OR3−n(R
(式中、RおよびRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。nは0、1、2を示す。)
をそれぞれ1個以上有し、一般式(2)で表される基と一般式(3)で表される基が9本以上の共有結合を隔てて結合している化合物、
(c)光ラジカル発生剤
(d)硬化触媒
を含有する硬化性組成物に関する。
(a)成分がビニル系重合体であることが好ましい。
(a)成分が(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。
(a)成分の重合体の分子量分布が1.8未満であることが好ましい。
(b)成分が一般式(4)で表されることが好ましい。
一般式(4):
CH=C(R)C(O)O−(R)−X−(R)−Si(OR3−n(R
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。RおよびRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。RおよびRは炭素数1〜30からなる有機分子鎖を表す。また、炭素以外の成分として、水素・酸素・窒素・ケイ素・ホウ素・ハロゲン類などを含むことが可能である。Xは何もないか、もしくはOC(=O)、OC(=O)NH、−CH(OH)NH、のいずれかを表す。また、(R)−X−(R)のユニットは7本以上連なった共有単結合からなる分子鎖を少なくとも1組有し、その分子鎖の末端原子が一般式(2)のカルボニル基に隣接する酸素原子および一般式(3)のケイ素原子と結合する構造となっている。nは0、1、2を示す。)
(b)成分が、一般式(2)で表される基および水酸基を有する化合物と、一般式(3)で表される基およびイソシアネート基を有する化合物のウレタン化反応によって得られることが好ましい。
(b)成分の添加量が、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましい。
(c)成分の添加量が、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部であることが好ましい。
(d)成分が、光酸発生剤とそれ以外の硬化触媒を共に含有することが好ましい。
(d)成分の添加量が、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部であることが好ましい。
前記記載の硬化性組成物を用いた接着剤に関する。
本発明の硬化性組成物により得られる硬化物は、活性エネルギー線および空気中の湿分により硬化させることが可能で、強度・伸び・基材接着性に優れる。また、活性エネルギー線照射の有無に関わらず良好な硬化状態を有する。
以下に本発明の硬化性組成物について詳述する。
<<(a)成分>>
(a)成分は、一般式(1):
−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y)
(式中、RおよびRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R′)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。RまたはRがそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示す。Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を示す。bは0、1、または2を示す。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足する。)
で表わされる基を有する重合体である。中でも硬化物の物性の観点より、ビニル系重合体が好ましく、さらには(メタ)アクリル系重合体を使用することが好ましい。
(a)成分における(1)式の構造は、架橋点間分子量を均一かつ大きく(好ましくは500〜100000)にすることで良好なゴム弾性が得られるという観点から、各重合体の分子末端に存在することが好ましい。
(1)式中のRおよびRは、水素原子または炭素数1〜20の有機基を表わす。前記炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、ニトリル基などがあげられ、これらは水酸基などの置換基を有していてもよい。
前記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基など、炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基など、炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基などがあげられる。
の具体例としては、例えば−H、−CH、−CHCH、−(CHnCH(nは2〜19の整数を表わす)、−C、−CHOH、−CNなどがあげられ、好ましくは−H、−CHである。
(a)成分におけるYの加水分解性基としては、たとえば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基が特に好ましい。
(a)成分の主鎖を構成するための原料に特に限定はなく、各種のものを用いることができる。例示するならばビニル系重合体に関しては、(メタ)アクリル系重合体、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、イソブチレン重合体などが挙げられ、特に分子設計の自由度、同程度の平均分子量における重合体の粘度が低くなるといった観点で(メタ)アクリル系重合体を用いることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体の重合原料としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。また、これらは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
(a)成分の分子量分布(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)には、特に限定はないが、好ましくは1.8未満、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.5以下、特別に好ましくは1.4以下、最も好ましくは1.3以下である。
なお、本発明におけるGPC測定の際には、通常は、クロロホルムまたはテトラヒドロフランを移動相として、ポリスチレンゲルカラムを使用し、分子量の値はポリスチレン換算値で求めている。
(a)成分の数平均分子量の下限は、好ましくは500、より好ましくは3,000であり、上限は、好ましくは100,000、より好ましくは40,000である。分子量が500未満であると、重合体の本来の特性が発現されにくくなる傾向があり、100,000を超えると、ハンドリングが困難になりやすい傾向がある。
<<(a)成分の製造方法>>
<重合方法>
(a)成分の製法については特に限定はないが、ビニル系重合体の場合には一般にラジカル重合によって製造される。ラジカル重合の中でも、リビングラジカル重合あるいは連鎖移動剤を用いたラジカル重合によって製造されるのが好ましく、特に前者が好ましい。
(a)成分のビニル系重合体の製造に用いられるラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーと(メタ)アクリル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と、末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類することができる。
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量の使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題がある。また、フリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。
「制御ラジカル重合法」は、さらに、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行なうことにより末端に官能基を有する系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに、分類することができる。「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また、前記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができる。「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、前記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。その例としては、例えばジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。リビングラジカル重合法の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物などを開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合するATRPは、前記のリビングラジカル重合法の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲンなどを末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としては、さらに好ましい。
前記ATRPとしては、例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁、サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号パンフレット,WO97/18247号パンフレットあるいはSawamotoら、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁などに記載の方法があげられる。
<官能基の導入>
(a)成分を得るために、重合体へ架橋性シリル基を導入する方法としては特に限定はないが、例えば特開2004−210858号公報段落[0102]〜[0112] 記載の方法が挙げられる。これらの方法の中でも制御がより容易である点から、架橋性シリル基を持つヒドロシラン化合物によるヒドロシリル化反応により、末端アルケニル基を有する重合体のアルケニル基を架橋性シリル基に変換する方法により製造されたものであることが好ましい。
<<(b)成分>>
(b)成分は分子内に、
一般式(2):−OC(O)C(R)=CH
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
および
一般式(3):−Si(OR3−n(R
(式中、RおよびRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。nは0、1、2を示す。)
をそれぞれ1個以上有し、一般式(2)で表される基と一般式(3)で表される基が9本以上の共有結合を隔てて結合している化合物である。さらに(b)成分を用いて得られる硬化物の強度・伸びを向上させる観点で9本以上50本以下あることが好ましく、11本以上40本以下であることがより好ましい。9本未満の場合、得られる硬化物の強度・伸びが悪くなるため好ましくない。また50本を超える場合、分子量が大きくなって反応性が悪くなったり、組成物の粘度が上がったりするため好ましくない。
一般式(2)、一般式(3)で表される基は何個あってもかまわないが、それぞれ1個有することが好ましい。
(b)成分の製造方法について特に限定はないが、例えば以下の1〜4に示す方法が挙げられる。1.ハロゲン化アルキル変性アルコキシシランを(メタ)アクリル酸塩の求核置換反応による方法。2.エポキシ末端(メタ)アクリレートにアミノ基含有アルコキシシランをMichael付加反応させる方法。3.水酸基またはカルボン酸基を有する(メタ)アクリレートとイソシアネート基を有するアルコキシシランのウレタン化反応による方法。4.水酸基を有する(メタ)アクリレートとカルボン酸基、酸無水物基、ハロゲン化アシル基のいずれかを有するアルコキシシランのエステル化反応による方法。5.アミノ基を有する(メタ)アクリレートとカルボン酸基、酸無水物基、ハロゲン化アシル基のいずれかを有するアルコキシシランのアミド化反応による方法。これらのうち、反応選択性などの観点から、1、3、4、5の方法が好ましい。さらに副生成物が生成しないことから、3の方法が特に好ましい。3の方法のなかでも、一般式(2)で表される基および水酸基を有する化合物と、一般式(3)で表される基およびイソシアネート基を有する化合物のウレタン化反応によって得られるものであることがより好ましい。
3の方法についてさらに詳細を述べると、水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。カルボン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては(メタ)アクリル酸または、多価カルボン酸および上記水酸基含有(メタ)アクリレートの変性体などが挙げられる。多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロフタル酸、ヒドロイソフタル酸、ヒドロテレフタル酸、トリメリット酸、ヒドロトリメリット酸、ピロメリット酸、ヒドロピロメリット酸などが挙げられる。
イソシアネート基を有するアルコキシシランとしては、イソシアナートメチルトリメトキシシラン、イソシアナートメチルトリエトキシシラン、イソシアナートメチルトリフェノキシシラン、2−イソシアナートエチルトリメトキシシラン、2−イソシアナートエチルトリエトキシシラン、2−イソシアナートエチルトリフェノキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリフェノキシシランなどが挙げられる。
ウレタン化反応を行う場合は反応を促進させるために有機金属化合物、酸−アミン塩化合物、アミンなどの触媒を用いることが可能である。例えば、有機金属化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のアルキルオキシチタネート等が挙げられる。酸−アミン塩としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン(DBU)−フェノール塩、DBU−オクチル酸塩、DBU−オレイン酸塩、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−ギ酸塩、などが挙げられる。アミンとしては、テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。触媒の使用量は1反応当量あたり1〜1000ppmであることが好ましく、さらには1〜100ppmであることが好ましい。1ppm未満だと触媒使用の効果が見られないため好ましくなく、1000ppmを超えると反応制御が困難となるため好ましくない。
(b)成分としては一般式(4)
一般式(4):
CH=C(R)C(O)O−(R)−X−(R)−Si(OR3−n(R
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。RおよびRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。RおよびRは炭素数1〜30からなる有機分子鎖を表す。また、炭素以外の成分として、水素・酸素・窒素・ケイ素・ホウ素・ハロゲン類などを含むことが可能である。Xは何もないか、もしくはOC(=O)、OC(=O)NH、−CH(OH)NH、のいずれかを表す。また、(R)−X−(R)のユニットは7本以上連なった共有単結合からなる分子鎖を少なくとも1組有し、その分子鎖の末端原子が一般式(2)のカルボニル基に隣接する酸素原子および一般式(3)のケイ素原子と結合する構造となっている。nは0、1、2を示す。)で表される化合物であることが好ましい。
(b)成分の添加量は特に制限はないが、UV硬化性および硬化物の引張特性の点から、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、5〜40重量部がより好ましい。
<<(c)光ラジカル発生剤>>
本発明の硬化性組成物には、光ラジカル発生剤を使用する。
光ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾイル等が挙げられる。
これらのうち、α−ヒドロキシケトン化合物(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等)、フェニルケトン誘導体(例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン等)が好ましい。
これらの光ラジカル発生剤は、単独、又は2種以上混合して用いても、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
他の化合物との組み合わせとしては、具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩を組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。
なお、前記光ラジカル発生剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。
光ラジカル発生剤の添加量は特に制限はないが、硬化性と貯蔵安定性の点から、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましく、0.01〜1重量部がより好ましい。
<<(d)硬化触媒>>
本発明で使用される(a)成分および(b)成分は、従来公知の各種縮合触媒(硬化触媒、硬化剤と言うこともある)の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。硬化物の性状としては、重合体の分子量と主鎖骨格に応じて、ゴム状のものから樹脂状のものまで幅広く作製することができる。
このような縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫ジカルボキシレート類、例えば、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド等のジアルキル錫アルコキサイド類、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、例えば、ジブチル錫オキサイドやジオクチル錫オキサイド等のジアルキル錫オキサイドと例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、メチルマレエート等のエステル化合物との反応物、ジアルキル錫オキサイド、カルボン酸およびアルコール化合物を反応させて得られる錫化合物、例えば、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジオクチル錫ビストリエトキシシリケート等のジアルキル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、およびこれらジアルキル錫化合物のオキシ誘導体(スタノキサン化合物)等の4価の錫化合物類;例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸錫等の2価の錫化合物類、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物;例えば、モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジ−イソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セリウム、カルボン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウム等のカルボン酸(2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレイン酸、ナフテン酸等)金属塩、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジブトキシジルコニウムジアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらにはフェルザチック酸等の脂肪酸や有機酸性リン酸エステル化合物等他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
酸性触媒の有機酸性リン酸エステル化合物としては、(CHO)−P(=O)(−OH)、(CHO)−P(=O)(−OH)、(CO)−P(=O)(−OH)、(CO)−P(=O)(−OH)、(CO)−P(=O)(−OH)、(CO)−P(=O)(−OH)、(CO)−P(=O)(−OH)、(CO)−P(=O)(−OH)、(C17O)−P(=O)(−OH)、(C17O)−P(=O)(−OH)、(C1021O)−P(=O)(−OH)、(C1021O)−P(=O)(−OH)、(C1327O)−P(=O)(−OH)、(C1327O)−P(=O)(−OH)、(C1633O)−P(=O)(−OH)、(C1633O)−P(=O)(−OH)、(HO−C12O)−P(=O)(−OH)、(HO−C12O)−P(=O)(−OH)、(HO−C16O)−P(=O)(−OH)、(HO−C16O)−P(=O)(−OH)、[(CHOH)(CHOH)O]−P(=O)(−OH)、[(CHOH)(CHOH)O]−P(=O)(−OH)、[(CHOH)(CHOH)CO]−P(=O)(−OH)、[(CHOH)(CHOH)CO]−P(=O)(−OH)などがあげられるが、例示物質に限定されるものではない。
これら有機酸類とアミンの併用系は、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。有機酸とアミン併用系の中では、酸性リン酸エステルとアミン、有機カルボン酸とアミン、特に有機酸性リン酸エステルとアミン、脂肪族カルボン酸とアミンの併用系は、触媒活性がより高く、速硬化性の観点で好ましい。詳細は以下に示す。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。これらの硬化触媒の添加量は特に制限はないが湿分硬化性の点から、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましい。
また、本発明の硬化触媒として光酸発生剤を使用することも可能である。
光酸発生剤としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、フルオロアルキルホスフェート(PF(RF)6-m -(RFはフッ素化アルキル基を表す。mは0〜5の整数を示す。))、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl )、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等のアニオンを有するスルホニウム塩またはヨードニウム塩を使用することができる。
光酸発生剤の添加量は特に制限はないが充分な活性エネルギー線硬化性を得るために、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して0.001〜10重量部が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましい。
上述の硬化触媒は、単独で用いることも可能であるし複数を用いても良い。
特に、光酸発生剤とそれ以外の硬化触媒を共に用いることで活性エネルギー線照射により酸すなわち硬化触媒の濃度が上昇して(a)成分および(b)成分の硬化反応を促進するため好ましい。
<<反応性希釈剤>>
本発明の硬化性組成物には必要に応じて一般式(3)の構造を有する反応性希釈剤を用いることができる。
一般式(3):
−OC(O)C(R)=CH (3)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
本剤を使用することにより、粘度・反応性・接着性・モジュラスなの諸物性を任意に制御することが可能である。
一般式(3)の構造を1個以上有する化合物であれば、特に限定はないが、例えば、単官能(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート類などが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリレート、1−メトキシエチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート 、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、3−トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能アクリレートとしては、1、3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。本発明においてはこれらの化合物を単独で用いても良いし、複数を用いることも可能である。
反応性希釈剤の添加量は特に制限はないが、活性エネルギー線硬化性の点から、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましい。
<<その他の添加剤>>
本発明に用いられる硬化性組成物においては、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。例えば、金属石鹸、充填材、微小中空粒子、酸化防止剤、可塑剤、光安定剤、接着性付与剤、シランカップリング剤、溶剤、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
<<用途>>
本発明の硬化性組成物は硬化物の弾性率や伸びが良好で接着強度が高いため、紫外線(UV)、可視光線、電子線など活性エネルギー線硬化性および/または湿分硬化性の接着剤として用いることが可能である。
また、活性エネルギー線が照射されない領域でも湿分硬化により硬化させることが可能なため複雑な形状を有する基材のコーティング剤やポッディング剤などとしての利用も可能である。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
また、下記実施例中、「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804およびK-802.5;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
下記実施例中、「平均末端(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりに導入された(メタ)アクリロイル基数」であり、H−NMR分析及びGPCにより求められた数平均分子量より算出した。
(ただし、H−NMRはBruker社製ASX−400を使用し、溶媒として重クロロホルムを用いて23℃にて測定した。)
なお、下記実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
(製造例1):(a)成分(アクリル系重合体)の製造
各原料の使用量を表1に示す。
(1)重合工程
アクリル酸エステル混合液(アクリル酸n−ブチル25部、アクリル酸エチル46部、アクリル酸2−メトキシエチル29部)1000gを脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅を4.1gおよびアクリル酸エステル混合液の20%を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル80g、開始剤としてジエチル2,5−ジブロモアジペート(DBAE)を27.8g添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を0.33g添加し、重合反応を開始させた。残りのアクリル酸エステルを逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。
(2)酸素処理工程
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上となった時点で反応容器気相部に酸素‐窒素混合ガスを導入し、内温を約80℃〜約90℃に保ちながら反応液を数時間加熱攪拌して、反応液中の重合触媒を酸素失活させ、反応を停止させた。その後アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
(3)第一粗精製
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100部に対して100〜150部程度の酢酸ブチルで(2)の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラジオライトR900、昭和化学工業製)および/または吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。反応容器気相部に酸素‐窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
(4)第二粗精製
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、数平均分子量16500、分子量分布1.13のほぼ無色透明の重合体を得た。
(5)ジエン反応工程
上記重合体濃縮物100部に、1,7−オクタジエン21部、アセトニトリルを35部添加し、トリアミンを適宜追加した。内温を約80℃〜約90℃に調節しながら数時間加熱攪拌させて、重合体末端に1,7−オクタジエンを反応させた。アセトニトリル及び未反応のオクタジエンを減圧脱揮して除去し、末端にアルケニル基を有する重合体を含有する濃縮物を得た。
(6)粗精製工程
上記濃縮物をトルエンで希釈し、ろ過助剤1部、吸着剤(キョーワード700SEN:協和化学工業(株)製)、ハイドロタルサイト(キョーワード500SH:協和化学工業(株)製)を添加し、80〜100℃程度に加熱攪拌した後、固形成分をろ別した。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
(7)高温加熱処理・吸着精製工程
重合体粗精製物、熱安定剤(スミライザーGS:住友化学(株)製)、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加し、減圧脱揮、加熱攪拌しながら昇温し、約170℃〜約200℃の高温状態で数時間程度加熱攪拌、減圧脱揮を行った。吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)、を追加し、重合体に対して約10部のトルエンを添加し、約170℃〜約200℃の高温状態で更に数時間程度加熱攪拌した。
処理液を更にトルエンで希釈し、吸着剤をろ別した。ろ液を濃縮し、両末端にアルケニル基を有する重合体を得た。
(8)シリル化工程
上記方法により得られた重合体に、メチルジメトキシシラン(DMS)1.7部、オルト蟻酸メチル(MOF)0.9部、白金錯体触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)のイソプロパノール溶液:以下白金触媒という]700ppmを添加し、約100℃に加熱攪拌した。1時間程度加熱攪拌後、未反応のDMS等の揮発分を減圧留去し、両末端にメトキシシリル基を有する重合体[P1]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.8、数平均分子量は16900、分子量分布は1.14であった。
(製造例2):(b)成分の製造
4−ヒドロキシブチルアクリレート100mmol(14.42g)および適量の脱水トルエンを300mLフラスコに入れ、撹拌を行いながら、重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(H−TEMPO)を0.003g添加し溶解させた。その後、触媒としてジブチル錫ビス(メルカプト酸エステル)(商品名;ネオスタンU−360、日東化成製)を錫の原子量換算で50ppm添加し、さらに撹拌した。この溶液に、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランを滴下し、全量滴下し終わってから80℃で2時間撹拌を行った。1H−NMR分析により、反応が終結していることを確認した後、蒸留によりトルエンを除去して反応物[M1]を得た。同様にして、4−ヒドロキシブチルアクリレートの代わりにポリエチレングリコールモノアクリレート(平均ユニット数4.5)(商品名;ブレンマーAE−200、日油製)を使用して反応物[M2]を、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(平均ユニット数6)(商品名;ブレンマーAP−400、日油製)使用して反応物[M3]をそれぞれ得た。
(実施例1)
(a)成分として、製造例1で得られた重合体[P1]を100部、(b)成分として、製造例2で得られた反応物[M1]20部、光ラジカル開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名;Darocur1173、BASF製)を0.2部、光酸発生剤としてスルホニウム塩アンチモネート(商品名;SP-172、アデカ製)1部、トリメトキシビニルシラン(商品名;A171、モメンティブ製)3部、硬化触媒としてジブチル錫オキサイドフタル酸イソノニル溶液(商品名;MSCAT−01、日本化学産業製)1部を加え、2Lのプラネタリーミキサー(井上製作所製)で2時間混練して、硬化性組成物を得た。
次に、得られた組成物をUV照射装置(Fusion製Light Hammer6)にて1000mJ/cmの積算光量の紫外線を照射し、硬化させた。それから23℃55%の恒温恒湿条件で3日間養生し、完全な硬化物を得た。得られた硬化物の弾性率、伸び、硬度、抗張力は以下の条件で測定した。硬度はE型硬度計(高分子計器製)を用いて、JISK6253の方法に準拠して測定した。弾性率、伸び、抗張力はAUTOGRAPH AG−10TB(島津製作所製)を用いて測定し、弾性率、伸びはJISK6251の方法に準拠して測定した。抗張力の測定方法について説明する。サンプルは25mm×50mm、厚さ5mmの強化ガラス板に組成物を厚さ30μmとなるよう塗布して、同じガラス板を中心部で直交するように貼り合わせてから上記同様UV照射を行い、3日間養生させて作製した。そのサンプルを上記装置にて圧縮モードで破壊させ、そのとき要した強度を抗張力とした。
(実施例2〜4、比較例1〜2)
表1に示す配合比で、実施例1同様の方法で硬化性組成物を作製し、得られた硬化物の弾性率、伸び、硬度、抗張力を測定した。
表1における原料の正式名称を以下に示す。
KBM5103:3−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン製。
IBXA:イソボロニルアクリレート、大阪有機化学製
Figure 2013001852
本発明の硬化性組成物より得られる硬化物は活性エネルギー線照射の有無に関わらず、比較例に対して強度または伸びに優れ、高い接着強度(高い抗張力)を有していた。

Claims (11)

  1. (a)一般式(1):
    −[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y)
    (式中、RおよびRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R′)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。RまたはRがそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示す。Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を示す。bは0、1、または2を示す。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足する。)
    で表わされる基を1分子あたり平均して1個以上有する重合体、
    (b)分子内に、
    一般式(2):−OC(O)C(R)=CH
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
    および
    一般式(3):−Si(OR3−n(R
    (式中、RおよびRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。nは0、1、2を示す。)
    をそれぞれ1個以上有し、一般式(2)で表される基と一般式(3)で表される基が9本以上の共有結合を隔てて結合している化合物、
    (c)光ラジカル発生剤
    (d)硬化触媒
    を含有する硬化性組成物。
  2. (a)成分がビニル系重合体である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. (a)成分が(メタ)アクリル系重合体である請求項1〜2のいずれかに記載の硬化性組成物。
  4. (a)成分の重合体の分子量分布が1.8未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. (b)成分が一般式(4)で表される請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
    一般式(4):
    CH=C(R)C(O)O−(R)−X−(R)−Si(OR3−n(R
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。RおよびRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表す。RおよびRは炭素数1〜30からなる有機分子鎖を表す。また、炭素以外の成分として、水素・酸素・窒素・ケイ素・ホウ素・ハロゲン類などを含むことが可能である。Xは何もないか、もしくはOC(=O)、OC(=O)NH、−CH(OH)NH、のいずれかを表す。また、(R)−X−(R)のユニットは7本以上連なった共有単結合からなる分子鎖を少なくとも1組有し、その分子鎖の末端原子が一般式(2)のカルボニル基に隣接する酸素原子および一般式(3)のケイ素原子と結合する構造となっている。nは0、1、2を示す。)
  6. (b)成分が、一般式(2)で表される基および水酸基を有する化合物と、一般式(3)で表される基およびイソシアネート基を有する化合物のウレタン化反応によって得られる請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. (b)成分の添加量が、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、1〜50重量部である請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. (c)成分の添加量が、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部である請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. (d)成分が、光酸発生剤とそれ以外の硬化触媒を共に含有する請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. (d)成分の添加量が、(a)成分のビニル系重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部である請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかの硬化性組成物を用いた接着剤。
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