JP2002194267A - コーティング剤組成物 - Google Patents

コーティング剤組成物

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JP2002194267A
JP2002194267A JP2000390814A JP2000390814A JP2002194267A JP 2002194267 A JP2002194267 A JP 2002194267A JP 2000390814 A JP2000390814 A JP 2000390814A JP 2000390814 A JP2000390814 A JP 2000390814A JP 2002194267 A JP2002194267 A JP 2002194267A
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coating composition
component
carbon atoms
monovalent hydrocarbon
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JP2000390814A
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Hideki Kobayashi
秀樹 小林
Motoi Sasaki
基 佐々木
Toru Masatomi
亨 正富
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種基材に対して密着性に優れ、かつ、撥水
性、耐久性に優れた皮膜を形成することができるコーテ
ィング組成物を提供する。 【解決手段】 (A)(a)数平均分子量が9000以下で
あり、水酸基および/または加水分解性シリル基を含有
するアクリル系重合体と(b)一般式; R1 ab SiO
(4-a-b)/2(式中、R1は炭素数1〜10の一価炭化水素
基またはハロゲン原子置換一価炭化水素基であり、Xは
水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルケノキシ
基、アシロキシ基およびケトキシム基か選択される基で
あり、a、bは0<a<2、0<b<3、0<a+b<
4を満たす正数である。)で示されるオルガノポリシロ
キサンとを(c)縮合反応促進触媒の存在下で反応させ
て得られる共重合体と(B)有機溶剤とからなるコーテ
ィング剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコーティング剤組成
物に関し、詳しくは、各種基材への密着性に優れ、か
つ、撥水性、耐久性に優れた硬化皮膜を形成し得るコー
ティング剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂を主剤とするコーティング
剤組成物は、各種建築外装用基材のコーティング材とし
て使用されている。しかし、この種のコーティング剤組
成物は耐侯性に劣り、また基材に対する密着性に劣ると
いう欠点があった。従来、このような欠点を解消するた
めに数多くのコーティング剤組成物が提案されている。
例えば、アルコキシ基含有アクリル系重合体、水酸基含
有オルガノポリシロキサンおよび縮合反応触媒からなる
組成物(特開平3−252414号公報参照)、水酸基
と加水分解性シリル基(メチルエチルケトオキシム基)
含有アクリル系重合体、水酸基含有オルガノポリシロキ
サン、オルガノアルコキシシランおよび縮合反応促進触
媒からなる組成物(特開平7−150105号公報参
照)が提案されている。しかし、これらの組成物から得
られたコーティング皮膜は、いずれも、撥水性、耐久性
が不十分であるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、各種基材に対して密着性に優
れ、かつ、撥水性、耐久性に優れた皮膜を形成すること
ができるコーティング剤組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)(a)数平
均分子量が9,000以下であり、水酸基および/また
は加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体と
(b) 一般式;R1 abSiO(4-a-b)/2 (式中、R1は炭素数1〜10の一価炭化水素基または
ハロゲン原子置換一価炭化水素基であり、Xは水酸基、
炭素数1〜6のアルコキシ基、アルケノキシ基、アシロ
キシ基およびケトキシム基か選択される基であり、a、
bは0<a<2、0<b<3、0<a+b<4を満たす
正数である。)で示されるオルガノポリシロキサンとを
(c)縮合反応促進触媒の存在下で縮合反応させて得ら
れる共重合体と、(B)有機溶剤とからなるコーティン
グ剤組成物組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】これを説明すると、本発明の組成
物に使用される(A)成分は本発明組成物の主剤であ
り、この(A)成分を構成する(a)成分は、数平均分子
量が9,000以下であり、水酸基および/または加水
分解性シリル基を含有するアクリル系共重合体であれば
よく、その種類等は特に限定されない。このような
(a)成分は公知であり、一般に、水酸基およびアクリ
ル基もしくはメタクリル基を有する化合物、または加水
分解性シリル基およびアクリル基もしくはメタクリル基
を有する化合物を、必要に応じて他の重合性化合物を加
えて重合させることによって得られる。このような化合
物としては、例えば、下記一般式(1)および一般式
(2)で表される化合物をラジカル重合させることによ
って得られたものが好適に用いられる。 一般式(1):CH2=CHR3COO-Q-OH 一般式(2):CH2=CHR3COO-Q-SiR4 d
4-d
【0006】上記式において、R3は水素原子またはメ
チル基であり、R4は炭素数1〜10、好ましくは1〜
7の一価炭化水素基またはハロゲン原子置換一価炭化水
素基であり、一価炭化水素基としてはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル
基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;アクリル
基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基
等のアリール基が例示され、ハロゲン原子置換一価炭化
水素基としてはクロロプロピル基、トリフルオロプロピ
ル基が例示される。Qは炭素数2〜20、好ましくは3
〜7の酸素原子が介在してもよい二価の有機基(代表例
はアルキレン基およびアルキレンオキシアルキレン基で
ある。)であり、具体的にはトリメチレン基、テトラメ
チレン基、ヘキサメチレン基、エチレンオキシプロピレ
ン基、プロピレンオキシプロピレン基が例示される。ま
た、dは0、1または2である。Zはアルコキシ基、ア
ルケノキシ基、アシロキシ基およびケトキシム基から選
択される基である。)
【0007】ここで、一般式(1)で示される化合物と
しては、具体的には2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエトキシエチル(メタ)アクリレートが例示
される。
【0008】一般式(2)で示される化合物としては、
3−メトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、3
−トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、
3−ジメトキシメチルシリルプロピル(メタ)アクリレ
ート、3−ジエトキシメチルシリルプロピル(メタ)ア
クリレートが例示される。
【0009】上記一般式(1)および一般式(2)で示
される化合物と共重合可能な他の重合性化合物として
は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、イタコン酸等のカルボン酸、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステ
ル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート等の官能基含有アクリル酸
エステルやメタクリル酸エステルなどが例示される。さ
らに、酢酸アクリル、2−ヒドロキシアクリルエーテ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、グリシジル(メタ)
アクリレートが例示される。
【0010】上記一般式(1)および一般(2)で示さ
れる化合物の重合または共重合は、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリ
ル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリロイル等周知の
ラジカル重合開始剤の存在下、必要に応じて有機溶剤の
存在下にラジカル重合させることにより行われる。そし
て、(a)成分の数平均分子量は、n−ドデシルメルカ
プタン、t−ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシランなどの連鎖移動剤を加えるこ
とにより、またラジカル重合開始剤の量、重合温度等を
調節することにより適宜調節することができる。本発明
に使用される(a)成分の数平均分子量は、9,000以
下であることが必要であり、6,000以下であること
がより好ましい。数平均分子量が9,000を超える
と、均一なコーティング皮膜が得られないことがあり、
また後記する(b)成分との共重合体を製造する際にゲ
ル化が起こりやすくなる。
【0011】(b)成分は、一般式; R1 abSiO
(4-a-b)/ 2(式中、R1は一価炭化水素基またはハロゲン
原子置換一価炭化水素基であり、一価炭化水素基として
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアル
キル基;アクリル基、アリル基等のアルケニル基;フェ
ニル基、トリル基等のアリール基が例示され、ハロゲン
原子置換一価炭化水素基としてはクロロプロピル基、ト
リフルオロプロピル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘプ
タデカフルオロオクチル基が例示される。これらの中で
も、メチル基、フェニル基が好ましい。Xは水酸基、炭
素数1〜6のアルコキシ基、アルケノキシ基、アシロキ
シ基およびケトキシム基か選択される基であり、具体的
には水酸基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロペニル
オキシ基、アセトキシ基、メチルエチルケトキシム基が
例示される。これらの中でも、水酸基、メトキシ基、エ
トキシ基が好ましい。a、bは0<a<2、0<b<
3、0<a+b<4を満たす正数である)で示されるオ
ルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサン
の分子構造は、直鎖状、分岐状、網状のいずれでもよ
く、重合度は2以上であればよく、好ましくは2〜10
0である。Xは分子鎖の末端、途中のいずれか、あるい
は両方に存在していてもよい。
【0012】このような(b)成分は、アルキルクロロ
シラン、フェニルクロロシラン、アルキルアルコキシシ
ラン、フェニルアルコキシシラン等のオルガノオルガノ
シランを加水分解して得ることができる。具体的には、
テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチ
ルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェ
ニルトリクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラ
ン、トリフルオロプロピルトリクロロシラン、トルフル
オロプロピルメチルジクロロシラン等のクロロシラン
類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン等のオルガノシランの単独
の加水分解物または部分加水分解物、あるいは2種類以
上の共加水分解物または部分共加水分解物が例示され
る。
【0013】(a)成分と(b)成分との配合量は、
(b)成分100重量部に対して(a)成分が1〜100
0重量部であることが好ましく、2〜80重量部がさら
に好ましい。配合量が1重量部未満では耐久性のある塗
膜強度が得られず、100重量部を越えると十分な撥水
性が得られない場合があるからである。
【0014】(c)縮合反応促進触媒としては、具体的
には、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレ
ート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジ
マレート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネー
ト、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセ
テートチタネート、テトラアルキルチタネートなどの有
機チタネート化合物;テトラブチルジルコネート、テト
ラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラ
イソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルア
セトナート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有
機アルミニウム化合物が例示される。
【0015】(A)成分は、上記のような(a)成分と
(b)成分を(c)縮合反応促進触媒の存在下で縮合反
応させて得られる共重合体であるが、この縮合反応は、
(d)有機溶媒の存在下に進行させることが好ましい。
このとき使用される(d)成分は(a)成分と(b)成分
を溶解するものでよく、その種類等は特に限定されな
い。このような(d)成分としては、具体的には、トル
エン、キシレン等の芳香族系炭化水素;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類;ヘキサン、オクタン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水
素;クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレ
ン、四塩化炭素等の有機塩素系溶剤;メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノー
ル等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソブチル等のエステルおよびこれらの混合物が例示され
る。本成分の量は、(a)成分と(b)成分を溶解し、
(a)成分と(b)成分のラジカル反応を進行させるに十
分な量であればよい。
【0016】(A)成分は、上記のような(a)成分と
(b)成分とを(c)縮合反応促進触媒の存在下で縮合
反応させて得られる共重合体からなるものであるが、
(a)成分および(b)成分が水酸基を含有するものであ
る場合は縮合反応時に水を添加しなくてもよく(b)成
分が加水分解性基を含有するオルガノポリシロキサンで
ある場合には、縮合反応時に水を添加することが必要で
ある。添加する水の量は、(b)成分のオルガノポリシ
ロキサンの加水分解性基のモル数以下であり、好ましく
は、加水分解性基のモル数の90重量%以下が好まし
い。この縮合反応において、(a)成分と(b)成分は非
相溶であるので、加熱下、攪拌下で反応させることが必
要である。好ましい反応条件としては、反応温度が
(c)成分の還流温度において、30分〜40時間の範
囲である。
【0017】(B)成分は(A)成分を希釈し、本発明
のコーティング剤組成物の各種基材への塗布性を向上さ
せるための成分である。このような有機溶剤としては、
トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類;ヘキサン、オクタン、ヘプタン等の脂肪族系炭化
水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール等のアルコール類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステルおよびこ
れらの混合物が例示される。本成分の量は、(A)成分
100重量部に対して、1〜1000重量部の範囲内で
使用され、本発明のコーティング剤組成物の固形分量が
0.1重量%〜90重量%の範囲になる量が好ましく、
0.1重量%〜30重量%の範囲になる量がさらに好ま
しい。
【0018】本発明組成物は、上記のような(A)成分
と(B)成分からなるが、これらの成分に加えて硬化性
の向上およびコーティング皮膜の硬度を向上する目的
で、(C)一般式;R2 cSiY4-C(式中、R2は炭素数
1〜10の一価炭化水素基であり、上記したものと同様
の基が例示され、Yは炭素数1〜6のアルコキシ基、ア
ルケノキシ基、アシロキシ基およびケトキシム基から選
択される基であり、cは0、1または2である。)で示
されるオルガノシランを添加することもできる。
【0019】このような(C)成分として具体的には、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
イソプロペノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、テトラキス(メチルエ
チルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチル
ケトキシム)シラン、メチルトリイソプロペノキシシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルビス(メチルエチルケトキシム)シラ
ン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、ジメチルジア
セトキシシラン、アクリルトリス(メチルエチルケトキ
シム)シラン、フェニルトリイソプロペノキシシランな
どが例示される。
【0020】本成分の配合量は、(a)成分と(b)成
分の合計100重量部に対して80重量部以下であるこ
とが好ましい。
【0021】また、本発明のコーティング組成物には、
必要に応じて脱水剤、レベリング剤、増粘剤、紫外線吸
収剤等の添加剤を添加することができる。脱水剤の具体
例としては、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オ
ルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等が挙げられ、レベ
リング剤としては、各種のポリエーテル変性シリコーン
オイルなどが例示される。また、各種顔料、染料等の着
色剤、カーボンブラック、電荷調整剤、アルミニウムペ
ースト、タルク、ガラスフリット、金属粉等を添加し、
塗料として用いることも可能である。
【0022】本発明のコーティング剤組成物は、これを
各種基材に塗布した後、室温下で放置するか、加熱すれ
ば、硬化してコーティング皮膜を形成する。ここで、本
発明のコーティング剤組成物を適用する基材としては、
モルタル板、スレート板、コンクリート、木材、プラス
チック基材、ガラス、アクリル系、アルキッド系、ポリ
エステル系、エポキシ系、ウレタン系等の塗料の塗装
面、各種金属板、金属粉末、金属酸化物粉末等が例示さ
れる。これらの中でも、鉄、ステンレススチール等の各
種金属板に対して優れた密着性を示す。これらの基材へ
の塗布方法としては、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フロ
ーコーター、ナイフコーター、スピンコーター等従来公
知の方法を用いることができる。コーティング皮膜の厚
さは任意であるが、0.1〜50μmとすることが好ま
しい。また、本発明のコーティング剤組成物に各種顔料
を添加配合して塗料組成物とした場合は、コーティング
皮膜の厚さは5〜100μmとすることが好ましい。
【0023】以上のような本発明のコーティング剤組成
物は、各種基材への密着性に優れ、かつ、撥水性、耐久
性に優れた硬化皮膜を形成し得るので、このような特性
の要求される用途に好適に使用される。
【0024】
【実施例】以下、実施例にて本発明を説明する。なお、
実施例中、%とあるのは重量%である。また、不揮発分
はコーティング剤組成物1gをアルミ皿に秤取り、15
0℃で1時間加熱した後の重量を測定し、式{不揮発分
(%)=(加熱前の重量−加熱後後の重量)×100/
加熱前の重量}にしたがって算出した。鉛筆硬度は、J
IS−K5400に準じて測定し、接触角は協和界面科
学(株)製接触角計CA−Zを用いて測定した。
【0025】
【合成例1】フラスコに、キシレン250gを投入して
95℃まで昇温した。この中に、200gのメタクリル
酸メチル、および42.8gの3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランおよびアゾビスイソブチロニト
リルのトルエン溶液(8gのアゾビスイソブチロニトリ
ルをトルエン45gに溶解した溶液)53gの混合物を
滴下漏斗から1時間かけて滴下した。滴下終了後、さら
に、アゾビスイソブチロニトリルのトルエン溶液(1g
のアゾビスイソブチロニトリルを5gのトルエンに溶解
した溶液)を滴下し95℃で3時間エージングを行い、
トリメトキシシリル基を含有するアクリル系共重合体の
キシレン溶液(固型分;約51%)を得た。得られたア
クリル系共重合体は、数平均分子量(ポリスチレン換
算)が4000であった。またその粘度は300mm2
/sであった。
【0026】
【合成例2】合成例1において、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランの替わりに、メタクリル酸−
2−ヒドロキシエチルを用いた以外は合成例1と同様に
して、数平均分子量4000のアクリル系重合体のキシ
レン溶液(固型分50%)を得た。
【0027】
【合成例3】合成例1においてアゾビスイソブチロニト
リルのトルエン溶液(8gのアゾビスイソブチロニトリ
ルをトルエン45gに溶解した溶液)53gの替わり
に、2.5gのアゾビスイソブチロニトリルをトルエン
45gに溶解した溶液47.5gを用いた以外は、合成
例1と同様にして、アクリル系重合体のキシレン溶液を
得た(固型分50%)。得られたアクリル系重合体の数
平均分子量(ポリスチレン換算)は13000であっ
た。
【0028】
【実施例1】フラスコに、トルエン200g、テトラブ
チルチタネート0.5g、合成例1で得たアクリル系重
合体のキシレン溶液(固型分;約51%)200g、メ
トキシ基を31%含有するポリメチルシルセスキオキサ
ンオリゴマー(粘度25mm2/s)200g、水5g
を加えて攪拌しながら100℃まで加熱し、5時間保持
したところ、粘度の上昇が見られた。反応混合物を室温
まで冷却して、ブタノール30gを加えて、アクリル系
重合体・オルガノポリシロキサン共重合体の溶液(不揮
発分は45%)を得た。この溶液にトルエン800gを
加えてのコーティング剤組成物(不揮発分20%)を得
た。このコーティング剤組成物をステンレス鋼鈑に流し
塗りし、200℃で1時間加熱して透明なコーティング
皮膜を得た。このコーティング皮膜の鉛筆硬度は5Hで
あった。また、このコーティング皮膜に対する水の接触
角は105度であり、ヘキサデカンの接触角は20度で
あった。
【0029】
【実施例2】実施例1において、ブタノール30gの替
わりに、メチルトリメトキシシラン30gを用いた以外
は実施例1と同様にして、アクリル重合体・オルガノポ
リシロキサン共重合体溶液(不揮発分47%)を得た。
この溶液にトルエン860gをさらに加えてコーティン
グ剤組成物(不揮発分20%)を得た。このコーティン
グ剤組成物をガラススライドに流し塗りし、200℃で
1時間加熱したところ、透明なコーティング皮膜が得ら
れた。このコーティング皮膜の鉛筆硬度は5Hであっ
た。また、この皮膜に対する水の接触角は106度であ
った。
【0030】
【実施例3】フラスコに、トルエン200g、テトラブ
チルチタネート0.5g、合成例2で得たアクリル系重
合体のキシレン溶液(固型分;約50%)200g、メ
トキシ基を32%含有するポリメチルシルセスキオキサ
ンオリゴマー(粘度26mm2/s)200gを加えて
攪拌しながら100℃まで加熱し5時間保持したとこ
ろ、粘度の上昇が見られた。室温まで冷却して、ブタノ
ール30gを加えて、アクリル系重合体・オルガノポリ
シロキサン共重合体の溶液(不揮発分は46%であっ
た)を得た。この溶液にトルエン825gを加えてコー
ティング剤組成物(不揮発分20%)を得た。この組成
物をガラススライドに流し塗りし、200℃で1時間加
熱したところ、透明なコーティング皮膜が得られた。こ
のものの鉛筆硬度(JIS−K5400に準じる)は、
4Hであった。また、この皮膜の水の接触角は104度
であった。
【0031】
【実施例4】フラスコに、トルエン200g、テトラブ
チルチタネート0.5g、合成例1で得られたアクリル
系共重合体のキシレン溶液(固型分、約51%)200
g、シラノール基を6%含有するポリフェニルシルセス
キオキサン/ポリイソプロピルセスキオキサン共重合オ
リゴマー(ポリフェニルシルセスキオキサン単位とポリ
イソプロピルセスキオキサン単位の比率7:3、分子量
2000)200gを加えて、攪拌しながら100℃ま
で加熱し5時間保持したところ、粘度の上昇が見られ
た。室温まで冷却して、ブタノール30gを加えて、ア
クリル樹脂・オルガノポリシロキサン共重合体の溶液を
得た(不揮発分は50%であった)。この溶液にトルエ
ンをさらに加えて不揮発分が20%であるコーティング
剤組成物を得た。このコーティング剤組成物をガラスス
ライド上に流し塗りして、200℃で1時間加熱したと
ころ、透明なコーティング皮膜が得られた。コーティン
グ皮膜の鉛筆硬度は3Hであった。また、この皮膜の水
の接触角は100度であった。
【0032】
【比較例1】実施例1において、テトラブチルチタネー
ト0.5gを配合しなかった以外は、実施例1と同様に
して、コーティング溶液(不揮発分は50%)を得た。
この溶液にトルエンをさらに加えてコーティング剤組成
物(不揮発分20%)を得た。このコーティング剤組成
物をガラススライド上に流し塗りし、200℃で1時間
加熱してコーティング皮膜を得た。このコーティング皮
膜は白濁していた。
【0033】
【比較例2】実施例1において、合成例1で得られたア
クリル系重合体のキシレン溶液(固型分、約51%)2
00gの替わりに、合成例3で得られたアクリル系重合
体のキシレン溶液(固型分;約50%)200gを配合
した以外は、実施例1と同様にして、十分に混合しなが
ら、100℃まで加熱し、5時間保持したところ、溶液
はプリン状にゲル化してしまった。
【0034】
【比較例3】合成例1で得たアクリル系共重合体のキシ
レン溶液(固型分;約51%)200g、メトキシ基を
31%含有するポリメチルシルセスキオキサンオリゴマ
ー(粘度25m2/s)200g、テトラブチルチタネ
ート0.5g、ブタノール30g、トルエン800gを
加えてのコーティング剤組成物(不揮発分20%)を得
た。このコーティング剤組成物100部に、3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン5部を加えて、コ
ーティング剤組成物を調製した。これをステンレス鋼鈑
に流し塗りし、200℃で1時間加熱したところ、この
コーティング皮膜は白濁していた。
【0035】
【発明の効果】本発明のコーティング剤組成物は、
(A)数平均分子量が9,000以下であり、水酸基お
よび/または加水分解性シリル基を含有するアクリル系
重合体と、(b)一般式で示される水酸基または加水分
解性基含有オルガノポリシロキサンとを(c)縮合反応
促進触媒の存在下で縮合反応させて得られる共重合体
と、(B)有機溶剤とからなるので、各種基材への密着
性に優れ、かつ、撥水性、耐久性に優れた硬化皮膜を形
成し得るという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正富 亨 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コ−ニング・シリコ−ン株式会社研究開発 本部内 Fターム(参考) 4J038 CG141 CH121 CL001 DL032 DL072 DL172 GA02 GA03 GA06 GA07 GA09 GA12 JA02 JA18 JA33 JA56 KA03 KA06 MA07 MA10 MA14 NA07 NA11 NA12 PA19 PB05 PC03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)数平均分子量が9,000以下
    であり、(a)水酸基および/または加水分解性シリル
    基を含有するアクリル系重合体と(b) 一般式;R1 abSiO(4-a-b)/2 (式中、R1は炭素数1〜10の一価炭化水素基または
    ハロゲン原子置換一価炭化水素基であり、Xは水酸基、
    炭素数1〜6のアルコキシ基、アルケノキシ基、アシロ
    キシ基およびケトキシム基か選択される基であり、a、
    bは0<a<2、0<b<3、0<a+b<4を満たす
    正数である。)で示されるオルガノポリシロキサンとを
    (c)縮合反応促進触媒の存在下で縮合反応させて得ら
    れる共重合体と、(B)有機溶剤からなるコーティング
    剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物に、 一般式;R2 cSiY4-c (式中、R2は炭素数1〜10の一価炭化水素基であ
    り、Yは炭素数1〜6のアルコキシ基、アルケノキシ
    基、アシロキシ基およびケトキシム基から選択される
    基、cは0、1または2である。)示されるオルガノシ
    ランを配合してなることを特徴とする請求項1記載のコ
    ーティング剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006025535A1 (ja) * 2004-09-03 2008-05-08 Jsr株式会社 コーティング用組成物および下塗り剤、ならびに該組成物からなる塗膜を有する積層体、光触媒コーティングフィルムおよび成形体

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JPWO2006025535A1 (ja) * 2004-09-03 2008-05-08 Jsr株式会社 コーティング用組成物および下塗り剤、ならびに該組成物からなる塗膜を有する積層体、光触媒コーティングフィルムおよび成形体

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