JP5752727B2 - 部品実装フレキシブルプリント基板 - Google Patents

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Description

本発明は、部品実装フレキシブルプリント基板及びその製造方法に関する。
可撓性を有する基板上に実装部品を半田付けしてなる部品実装フレキシブルプリント基板が知られている。この様な部品実装フレキシブルプリント基板においては、配線等の保護の為に、部品実装部分以外の部分をカバーレイによって覆っている。ここで、部品実装部分であるカバーレイの開口部では、実装部品と電極パッドとが半田により接続されるため、カバーレイと半田の間に存在する配線部分は、フレキシブルプリント基板を曲げた時に発生する応力が集中し易い。このため、カバーレイと半田の間に存在する配線部が短いと、応力集中によって配線が比較的断線しやすい、と言う問題があった。特に、近年、回路の高集積化、小型化に伴い、実装部品の実装スペースも小さくなり、カバーレイの部品実装開口部に露出する電極の大部分を半田が覆うことになり、カバーレイの開口縁部と半田との間の配線に応力が集中し、断線に至るケースが増大している。
この様な問題は、フレキシブルプリント基板の裏面に補強材を配置したり、例えば、下記特許文献1のように、フレキシブルプリント基板の裏面に実装部品を配置することによって部品実装部分の変形を抑え、上記断線の問題を回避している。しかし、この場合、製造工程の増加及びこれに伴う製造コストの増大、更に部品配置の自由度の低下を招いていた。
特開2003−78228号公報
本発明はこの様な課題に鑑みてなされたものであり、コスト増大や部品配置自由度の低減を招くことなく、断線を防止して高集積化を図ることが可能な部品実装フレキシブルプリント基板及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、可撓性を有する基板と、基板上形成され、一部に実装パッドが形成された配線と、配線の実装パッドを含む一部を露出させる部品実装開口を有し、配線の露出した部分以外の部分を覆う表面カバーレイと、実装パッドに実装された実装部品とを備える。また、本発明に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、部品実装開口の周縁部の曲げ剛性よりも小さな曲げ剛性を有する部分が、部品実装開口の周縁部で部品実装開口から所定の位置だけ離れた距離に存在する。
このような構成によれば、部品実装開口の周縁部の曲げ剛性よりも小さな曲げ剛性を有する部分が、部品実装開口の周辺部で部品実装開口から所定の距離だけ離れた位置に存在するので、これによって、当該小さな曲げ剛性を有する部分に応力を分散させ、実装部品の実装部分と表面カバーレイとの界面における応力集中を防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板において、上記実装部品は半田によって実装パッドに接続され、この半田は部品実装開口の境界で表面カバーレイに接している。即ち、本発明によれば、フレキシブルプリント基板の更なる高集積化を、断線の問題を回避しつつ実現可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、基板上に、部品実装開口の実装パッドから配線が延びる方向と直交する方向の両側の表面カバーレイに覆われた部分に、配線が延びる方向の部品実装開口の幅よりも長い範囲で部品実装開口に沿って配線が延びる方向に一対の第1の表面補強配線が形成されている。このような場合には、上記部品実装開口の周縁部をこの表面補強配線で補強することにより、他の部分の断面曲げ剛性を相対的に小さくする事が可能である。更に、当該第1の表面補強配線は上記配線と同時に形成することが可能であり、製造コストを上昇させること無く実現可能である。またこの場合には、基板上の、第1の表面補強配線から配線が延びる方向に所定の距離だけ離れた位置に、配線に沿って配線が延びる方向に第2の表面補強配線が形成されていてもよい。この様な構成によれば、上記第1の表面補強配線と第2の表面補強配線との間の配線部分の断面の曲げ剛性を小さくする事が可能である。尚、当該第2の表面補強配線も上記配線と、上記第1の表面補強配線と共に形成することが可能であり、製造コストの上昇を招くことなく実現可能である。
また、本発明の他の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板においては、表面カバーレイに、部品実装開口から配線の延びる方向に所定の距離だけ離れた位置の配線を挟んだ両側に一対の第1の曲げ剛性低減用開口とが設けられていてもよい。即ち、表面カバーレイに第1の曲げ剛性低減用開口を設けることにより、この開口が設けられた部分の断面の曲げ剛性を小さくしている。このような構成は上記第1の曲げ剛性低減用開口を有するカバーレイを製造するための金型を製造する必要が生じるが、製造工程数は変わらない為、製造コストの上昇は極めて少ない。
また、本発明の他の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、基板の裏面のうち、部品実装開口に相当する部分を含む領域に形成された第1の裏面補強配線を更に備えていてもよい。このような構成においては、半田部分と表面カバーレイとの界面部分の配線の曲げ剛性を裏面補強配線によって大きくしている。また、第1の裏面補強配線も、他の構成と同時に製造可能であり、製造コストが増大することは無い。またこの場合においては、基板裏面の、第1の裏面補強配線から所定の距離だけ離れた位置から第2の裏面補強配線が形成されていても良い。
また、本発明の他の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、基板の裏面に更に裏面カバーレイを有し、裏面カバーレイは、裏面カバーレイのうち、部品実装開口に相当する部分から所定の距離だけ離れた位置から形成された第2の曲げ剛性低減用開口を有していても良い。
また、本発明の他の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、部品実装開口から所定の距離だけ離れた上記配線の近傍に基板及び表面カバーレイを貫通する開口又は切り欠きを有していてもよい。即ち、表面カバーレイだけでなく、基板にも開口や切り欠きを設けることによって、更に効果的に当該部分の曲げ剛性を低減させ、応力の分散を図ることが可能である。
本発明に係る部品実装フレキシブル基板の製造方法においては、まず可撓性を有する基板上に、一部に実装パッドが形成された配線を形成し、配線の実装パッドを含む一部を部品実装開口により露出させ、その他の部分を覆う様に表面カバーレイ及び裏面カバーレイのうち少なくとも表面カバーレイを形成し、配線の実装パッドに実装部品をはんだ付けする。また、本発明に係る部品実装フレキシブルプリント基板の製造方法においては、基板に配線と共に表面補強配線を形成するか、又は表面カバーレイ又は裏面カバーレイに部品実装開口部から所定距離だけ離れた位置に曲げ剛性低減用開口を形成することにより、部品実装開口の周縁部の曲げ剛性よりも小さな曲げ剛性を有する部分を、配線の表面カバーレイに覆われた部分に形成する。
本発明によれば、コスト増大や部品配置自由度の低減を招くことなく、断線を防止して高集積化を図ることが可能な部品実装フレキシブルプリント基板及びその製造方法の提供が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 同実施形態の、他の態様に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 同実施形態の、他の態様に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 同部品実装フレキシブルプリント基板の一部の断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 同部品実装フレキシブルプリント基板の一部の断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 同部品実装フレキシブルプリント基板の一部の断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。 従来の部品実装フレキシブルプリント基板の構成例を示す平面図である。 同部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す断面図である。 同部品実装フレキシブルプリント基板を折り曲げた時の様子を示す断面図である。 同部品実装フレキシブルプリント基板において、断線が生じた時の様子を示す断面図である。 同部品実装フレキシブルプリント基板の一部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、それに先立ち、まず部品実装フレキシブルプリント基板の高集積化に伴う断線の問題点について検討する。
[高集積化に伴う断線についての検討]
発明者らは、部品実装フレキシブルプリント基板の高集積化に伴い、上記断線が生じる理由について調査した。以下、その結論について説明する。図13は、従来の部品実装フレキシブルプリント基板の構成例を示す平面図であり、図14は、同部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す断面図である。部品実装フレキシブルプリント基板は、可撓性を有する基板101上に、部品を実装する為の一対の実装パッド102がそれぞれ形成された配線103を形成し、その上を覆うように表面カバーレイ104を基板101に接着材で接着する。表面カバーレイ104には、実装パッド102のみを露出させるための開口104aが形成されている。開口104aによって露出された実装パッド102には、半田106によって実装部品105が実装されている。回路の集積化が進み、開口104aが小さくなると、半田106は、配線103に沿って開口104aの境界まで覆うこととなる。
ここで、当該部品実装フレキシブルプリント基板の実装時や取り外し時等には、図15に示すように、部品実装フレキシブルプリント基板が曲がることがある。この際、半田106は可撓性を有しない為、配線103の半田106が固着している部分の曲げ剛性が大きくなる。従って、半田106と表面カバーレイ104の界面の配線103には、応力が集中する。ここで、半田106は表面カバーレイ104との界面において、図16の(a)から(b)に示すように、表面カバーレイ104から剥がれ易い。半田106が表面カバーレイ104から剥がれた場合、配線103のうち、表面カバーレイ104に覆われた部分は接着材104bを介して表面カバーレイ104に強固に接続され、半田106に覆われた部分は半田106に強固に固着している為、配線103の、半田106と表面カバーレイ104との界面に該当する部分には更に応力が集中し、図16(c)に示す通り、ここを起点として配線103にクラックが入り、断線を生じやすいことが分かった。
そこで本実施形態では、半田106と表面カバーレイ104との界面を通る断面の曲げ剛性よりも小さな曲げ剛性を有する部分を、配線103のうちカバーレイ104に覆われた部分であって、部品実装開口104aの周辺部で部品実装開口104aから所定の距離だけ離れた位置に設け、当該部品実装フレキシブルプリント基板が曲がった際に生じる応力をそこに分散させるようにしている。
ここで、一種類の材料で構成される構造体の曲げ剛性Mは、材料の弾性率をE、断面二次モーメントIをI=∫(y−ydAとすると、下記数1で表すことが可能である。

一方、図17に示すように、複合材の場合には、弾性率Eが中立軸y0からの距離yによって異なる。いま、中立軸y0からカバーレイ104の上面までの距離をy1、中立軸y0からカバーレイ104の下面までの距離をy2、中立軸y0から配線103上面までの距離をy3、中立軸y0から基板101上面までの距離をy4、中立軸y0から基板101下面までの距離をy5とし、基板101及びカバーレイ104の幅をW、配線103の幅をLとし、更にカバーレイ104の弾性率をE1、カバーレイ104と基板101を接着する接着剤104bの弾性率をE2、配線103の弾性率をE3、基板101の弾性率をE4とすると、図17に示すカバーレイ104によって覆われた部分の曲げ剛性M1は、下記数2で表される。
一方、半田106とカバーレイ104の界面における曲げ剛性M2は、部品実装開口の幅をw、半田106と表面カバーレイ104との界面自体の構成を無視すると、下記数3で表される。
従って、下記種々の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、曲げ剛性M1又はM2を調整し、曲げ剛性M1が曲げ剛性M2よりも小さくなる部分が存在する様に構成される。
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板について説明する。図1は、本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を説明する為の平面図である。本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、可撓性を有する基板1と、基板1上に対向して一対の実装パッド2が形成され、実装パッド2からそれぞれ反対方向に引き出された配線3と、この配線3を覆うように基板1に接着材によって接着された表面カバーレイ4とを有する。表面カバーレイ4には、実装パッド2を含む配線3の一部を露出させる部品実装開口4aが形成されている。この部品実装開口4aから露出する実装パッド2に実装部品5が半田6によって実装されている。部品実装開口4aが小さいため、半田6は表面カバーレイ4に接している。
更に、本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、基板1上に、部品実装開口4aに相当する部分を挟んで形成された一対の第1の表面補強配線7を更に備えている。第1の表面補強配線7は、部品実装開口4aの配線3と交差する方向の両側に配置され、配線3の延びる方向に延び、部品実装開口4aの配線3の延びる方向の幅よりも長く形成され、部品実装開口4aを全体的に覆うように形成されている。即ち、本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板においては、この第1の表面補強配線7によって半田6とカバーレイ4との界面部分を補強し、この部分における曲げ剛性を大きくしている。従って、本実施形態においては、この一対の第1の表面補強配線7によって囲われた領域よりも、その外の領域に応力を分散させることが可能である。また、本実施形態においてはこの第1の表面補強配線7を配線3と同様の材料、同一プロセスで形成している。従って、製造プロセスの増加を招くことなく実現可能である。
次に、この第1の表面補強配線7の幅を規定する。本実施形態においては、一対の第1の表面補強配線7の横幅の合計をL7とすると、部品実装フレキシブルプリント基板の中立点から第1の表面補強配線7の上面、下面までの距離及び弾力係数は、全て配線3と同じである。従って、本実施形態において、半田6と表面カバーレイ4の界面における曲げ剛性M2−1は、上記数3の第2項のLをL+L7とすれば良く、下記数4によって規定される。
本実施形態においては、このM2−1が数2のM1より大きくなれば良いため、第1の表面補強配線7の横幅の合計L7は、下記数5で表される。
また、本実施形態においては、第1の表面補強配線7は配線3と同じ材質から構成されており、更にいかなる配線にも接続されていない。従って、第1の表面補強配線7は電気的にはフローティング状態であるから、寄生容量を生じる可能性もある。しかしながら、液晶やLED等に使用する場合には、特に問題を生じない。また、例えば配線3の一端が接地されていたような場合には、図2に示す通り、この接地端子側の配線3と第1の表面補強配線7とを接続することにより、かかる寄生容量の問題を解決し、半田6と表面カバーレイ4とのねじれを防止することによって機械的強度も更に強化し、更に第1の表面補強配線7をシールドとして使用することも可能である。
また、本実施形態においては、一つの開口4a及び一対の第1の表面補強配線7について、一対の電極2が配置される。しかしながら、一つの開口4a及び一対の第1の表面補強配線7について、複数対の電極2を配置することも可能である。図3には、2対の電極2を配置した例を示している。尚、一つの開口4a及び一対の第1の表面補強配線7について、n対の電極2を配置する場合、第1の表面補強配線7の幅の合計L7はn倍する必要がある。
次に、本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の製造方法について説明する。本実施形態においては、まず可撓性を有する基板1上に、電極2、配線3及び第1の表面補強配線7を形成する。電極2と、配線3の一部が露出するように、配線3の一部以外の部分と、第1の表面補強配線7とを表面カバーレイ4によって覆う。次に、実装部品5を半田付けする。この際、半田6は、電極2、配線3の露出した部分及び実装部品5の端子を覆う。即ち、本実施形態においては電極2、配線3及び第1の表面補強配線7を一括して製造することが可能であり、製造工程数の増大を招くことなく実現することが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板について説明する。本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は基本的には第1の実施形態と同様であるが、本実施形態においては、図4に示す通り、配線3の両端に、配線3に沿って第2の表面補強配線8を設けている。従って、本実施形態においては、第1の表面補強配線7と第2の表面補強配線8との間の領域に応力を集中させることが可能である。この様な構成にする場合には、例えばこの部分においてのみ配線3の幅を太くしたり、膜厚を厚くする等、集中的に断線対策を施すことも可能である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板について説明する。第1及び第2の実施形態においては、半田6と表面カバーレイ4との界面を含む断面における曲げ剛性を補強し、これによって当該断面における曲げ剛性M2−1を、その他の配線部分の曲げ剛性M1よりも大きくしていた。本実施形態においては、その他の配線部分の曲げ剛性を、半田6と表面カバーレイ4−3とを含む断面の曲げ剛性M2よりも小さくすることによって、半田6と表面カバーレイ4−3との界面に生じる応力を低減する。
図5は、本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成は、基本的には第1の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板と同様であるが、本実施形態においては第1の表面補強配線7が設けられていない。また、本実施形態に係るフレキシブルプリント基板においては、表面カバーレイ4−3の構成が異なっている。即ち、本実施形態においては、表面カバーレイ4−3は、部品実装開口4−3aの他に、配線3を挟んで第1の曲げ剛性低減用開口4−3cが設けられている。即ち、本実施形態においては、この第1の曲げ剛性低減用開口4−3cを含む断面における曲げ剛性M1−3を上記曲げ剛性M2よりも小さくすることによって、半田6と表面カバーレイ4−3との界面に生じる応力を低減するのである。本実施形態に係る構成を実現する為には、第1の曲げ剛性低減用開口4−3cを有する表面カバーレイを製造する為の金型を準備する必要があるが、製造工程数は変わらない為、製造コストの上昇は極めて少ない。
次に、この第1の曲げ剛性低減用開口4−3cの幅を規定する。第1の曲げ剛性低減用開口4−3cの幅の合計をW4−3とすると、第1の曲げ剛性低減用開口4−3cを含む断面の曲げ応力M1−3は、上記数2の第1項におけるWのうち、表面カバーレイ4−3及び接着剤に該当する部分をW−W4−3として、下記数6のように表すことが可能である。
本実施形態においては、このM1−3が数3のM2よりも小さくなれば良いため、開口4−3bの幅の合計W4−3は、下記数7のように決定してもよい。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板について説明する。本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、基本的には第1の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板と同様に構成されるが、図6及び図7に示す通り、本実施形態においては第1の表面補強配線7が設けられておらず、フレキシブルプリント基板裏面に、第1の裏面補強配線9が設けられており、この第1の裏面補強配線9によって半田6と表面カバーレイ4との界面部分の配線の曲げ剛性を大きくしている。本実施形態において、第1の裏面補強配線9は、部品実装開口4a内の半田6と表面カバーレイ4とを全て含む領域にわたって形成される。この構成においては、例えば部品実装フレキシブルプリント基板の裏面に他の構成を製造する場合には、当該他の構成と同時に製造可能であり、製造コストが増大することは無い。また、第1の裏面補強配線9は電気的にはフローティング状態となるが、液晶やLED等に使用する場合には、特に問題を生じない。
第1の裏面補強配線9の幅をL8、弾性率をE5、中立軸から第1の裏面補強配線9下面までの距離をy6とすると、半田6と表面カバーレイ4との界面を含む断面の曲げ剛性M2−4は、下記数8において表すことが可能である。
当該実施形態においては、このM2−4が、数2のM1よりも大きくなれば良い。従って、裏面補強部材9の幅L8は、下記数9によって決定しても良い。
[第5の実施形態]
図8は、本発明の第5の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図、図9は、同部品実装フレキシブルプリント基板の断面図である。本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、基本的には第4の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板と同様に構成されているが、本実施形態においては基板1裏面の、第1の裏面補強配線9から所定の間隔だけ離れた部分であって、配線3の裏面に相当する部分に第2の裏面補強配線10が設けられている。即ち、本実施形態においては、この第1の裏面補強配線9に相当する部分と、第2の裏面補強配線10に相当する部分の間に応力が集中する。尚、第2及び第3の実施形態と同様、この応力が集中する部分においてのみ配線3の幅を太くしたり、膜厚を厚くする等、集中的に断線対策を施すことも可能である。
[第6の実施形態]
図10は、本発明の第6の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図、図11は、同部品実装フレキシブルプリント基板の断面図である。本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、基本的には第1の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板と同様に構成されているが、本実施形態においては実施形態においては第1の表面補強配線7が設けられていない。また、本実施形態においては基板1の裏面に裏面カバーレイ11が設けられている。裏面カバーレイ11は、表面カバーレイ4の部品実装開口4aを含む領域については、全面を覆っている。しかしながら、この部品実装開口4aを含む領域から所定の距離だけ離れた場所には第2の曲げ剛性低減用開口11aが設けられており、一部しか覆われていない。この構成においては、例えば部品実装フレキシブルプリント基板の裏面に当初から裏面カバーレイ11を形成する予定であった場合には、専用の金型を用意するだけでこの様な構成を実現可能である。
裏面カバーレイ11の裏面開口11aの横幅は、以下のように規定することが可能である。即ち、裏面カバーレイ11の弾性率をE6、中立軸から裏面カバーレイ11までの距離をy7とし、裏面開口11aの横幅をL11とすると、第2の曲げ剛性低減用開口11aを含む断面の曲げ剛性M1−6は下記数10によって、半田6と表面カバーレイ4との界面を含む断面の曲げ剛性M2−6は下記数11によって表される。

従って、上記数10及び数11において、M2−6がM1−6より大きくなる様な裏面開口11aの横幅L10は、下記数12によって規定することが可能である。
[第7の実施形態]
図12は、本発明の第7の実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板の構成を示す平面図である。本実施形態に係る部品実装フレキシブルプリント基板は、第3の実施形態とほぼ同様に構成されているが、第3の実施形態においては表面カバーレイ4−3のみに第1の曲げ剛性低減用開口4−3aが形成されていたのに対し、本実施形態においては基板1−7及び表面カバーレイ4−7の両方に開口又は切り欠き1−7a及び4−7aが設けられている。従って、より好適に曲げ剛性を調整することが可能である。本実施形態においては、開口又は切り欠き1−7a及び開口4−7aの幅の合計をL1とすると、開口1−7a,4−7aを含む断面の曲げ剛性M1−7は、下記数13のように表すことが可能である。
本実施形態においては、このM1−7が上記数3のM2よりも小さくなれば良い。従って、開口又は切り欠き1−7a及び開口又は切り欠き4−7aの幅の合計は下記数14のように表すことが可能である。
1,1−7,101…基板、1−7a…開口、2,102…実装パッド、3,103…配線、4,4−3,4−7,104…表面カバーレイ、4a,4−3a,4−7a,104a…部品実装開口、4b,104b…接着剤、4−3c…第1の曲げ剛性低減用開口、5,105…実装部品、6,106…半田、7…第1の表面補強配線、8…第2の表面補強配線、9…第1の裏面補強配線、10…第2の裏面補強配線、11…裏面カバーレイ、11a…第2の曲げ剛性低減用開口。

Claims (1)

  1. 可撓性を有する基板と、
    前記基板上に形成され、一部に実装パッドが形成された配線と、
    前記配線の前記実装パッドを含む一部を露出させる部品実装開口を有し、前記配線の露出した部分以外の部分を覆う表面カバーレイと、
    前記実装パッドに実装された実装部品と、
    前記基板上に、前記部品実装開口の前記実装パッドから前記配線が延びる方向と直交する方向の両側の前記表面カバーレイに覆われた部分に、前記部品実装開口に沿って前記配線が延びる方向に形成された一対の第1の表面補強配線と、
    前記基板上の、前記第1の表面補強配線から前記配線が延びる方向に所定の距離だけ離れた位置に、前記配線に沿って前記配線が延びる方向に形成された第2の表面補強配線と
    を備え、
    前記配線が延びる方向において、前記第1の表面補強配線の長さは、前記部品実装開口の幅よりも長く、
    前記一対の第1の表面補強配線は、前記部品実装開口を全体的に覆う様に形成され、
    前記部品実装開口の周縁部の曲げ剛性よりも小さな曲げ剛性を有する部分が、前記部品実装開口の周辺部で、前記第1の表面補強配線と前記第2の表面補強配線との間の位置に存在し、
    前記実装部品は、半田によって前記実装パッドに接続され、
    前記半田は、前記部品実装開口の境界で前記表面カバーレイに接している
    ことを特徴とする部品実装フレキシブルプリント基板。
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