以下、本発明に係る情報抽出装置の一例であるカーナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と称する)について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるナビゲーション装置1を示している。ナビゲーション装置1は、図1に示すように、現在位置検出部10と、VICS(登録商標)情報受信部11と、入力操作部12と、画像メモリ部(選択肢表示手段、情報表示手段)13と、表示モニタ14と、タッチパネル部(選択操作手段)15と、地図データ記録部(情報記録手段)16と、スピーカ17と、制御部(選択肢表示手段、情報抽出手段、情報表示手段)18と、RAM(Random Access Memory)19と、ROM(Read Only Memory)20とを有している。
現在位置検出部10は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する役割を有している。現在位置検出部10は、振動ジャイロ10a、車速センサ10b、GPS(Global Positioning System)センサ10cを有している。振動ジャイロ10aは、車両の進行方向(進行方向の方位)を検出する機能を備えている。車速センサ10bは、車両に設置されるパルス発生器より車両の走行距離に応じて発せられるパルスを検出することにより車速を検出する役割を有している。GPSセンサ10cはGPS衛星からのGPS信号を検出する役割を有しており、制御部18では、受信したGPS信号によって、車両の現在位置を座標位置(例えば、世界測地系(WGS84)に基づく緯度・経度情報)に基づいて検出をすることが可能となっている。
VICS情報受信部11は、VICS情報を受信する役割を有している。VICS情報は、VICS情報センタ(図示省略)によって供給される情報であって、最新の渋滞情報などの道路状況を示した情報である。VICS情報は、主に高速道路上に設置される電波ビーコンや主に一般道路上に設置される光ビーコンによって発信される。このため、VICS情報受信部11を備えた車両は、電波ビーコンや光ビーコンの設置位置近傍を通過することにより、VICS情報受信部11で、確実にVICS情報を受信することが可能となっている。
一方で、VICS情報は、FM多重放送によって送信される場合も存在する。FM多重放送でVICS情報を送信することにより、電波ビーコンや光ビーコンよりも広域に対してVICS情報を送信することができる。VICS情報受信部11では、電波ビーコンや光ビーコンにより発信されるVICS情報の他に、FM多重放送によって送信されるVICS情報を受信することにより、広域での交通情報を確実に取得することが可能となっている。VICS情報受信部11によって受信されたVICS情報は、制御部18へ出力される。
入力操作部12は、タッチパネル部15によるタッチ操作以外の操作方法によって、ナビゲーション装置1における各種操作を行う際に用いられる。具体的には、ナビゲーション装置1の筐体に設けられる物理的なスイッチ・ボタンなど(例えば、図2に示す音調調節スイッチ22など)の他、リモコンなどが、入力操作部12に該当する。
画像メモリ部13は、表示モニタ14に表示するための画像データを一時的に格納する役割を有している。この画像データは、制御部18が、現在位置検出部10より取得した車両の現在位置情報や、ユーザにより設定された目的地の情報などに基づいて、地図データ記録部16より地図データを抽出し、各種画像情報を合成することによって適宜生成される。制御部18では、生成された画像データを画像メモリ部13に記録させ、画像メモリ部13に記録された画像データは順次、ナビゲーション装置1の表示モニタ14に地図表示等として表示されることになる。
表示モニタ14は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面に表示する役割を有している。表示モニタ14として、例えば、液晶モニタやCRTモニタなどを具体的に用いることができる。また、表示モニタ14には、ナビゲーション装置1における操作メニュー等をアイコンを用いて表示させることが可能となっている。このアイコンを用いた操作メニューの表示内容およびその処理内容については、後で詳しく説明する。
タッチパネル部15は、ユーザが指で表示モニタ14の表面をタッチしたか否かを判断し、タッチされた場合には、タッチ位置に基づいてユーザによる入力処理の判断を行う役割を有している。タッチパネル部15は、タッチ検出部15aと、タッチコントロール部15bとを有している。
タッチ検出部15aは、表示モニタ14の表面に積層される透明のタッチスイッチなどにより構成されている。タッチ検出部15aは、入力操作部12のような物理的なスイッチとは異なる検出手段であり、表示モニタ14の表示画面におけるタッチ操作の有無を、静電方式や感圧方式などの検出方式に基づいて検出する。タッチ検出部15aは、透明のタッチスイッチなどにより構成されるため、ユーザは、タッチ検出部15aを介して表示モニタ14に表示される画像、例えば後述するアイコンなどの画像を視認することが可能となっている。
タッチコントロール部15bは、タッチ検出部15aと制御部18との間に介在されている。タッチコントロール部15bは、タッチ検出部15aにおいて検出した信号(タッチ操作による信号)に基づいてタッチパネル部15におけるタッチ位置を算出し、制御部18へ出力する。
地図データ記録部16は、ハードディスク、SSD、DVD―ROM、CD−ROM、SDカードなど、地図データを記録可能な一般的な補助記憶装置により構成されている。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含んでおり、地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データとして、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データが用意されているため、この地図表示用データを用いることによって、ユーザの要求に応じて表示地図の縮尺を変更することが可能となっている。
また、地図データ記録部16には、次述するアイコンの選択操作に伴って表示モニタ14に表示される操作項目の一覧に関する情報が記録されている。具体的には、次述する2種類の枠体に属するアイコンの組み合わせに基づいて規定される操作項目などの情報が、アイコンの組み合わせに応じて予めデータベース化されて記録されている。地図データ記録部16では、制御部18の指示に応じて、該当する操作項目を一覧として出力することが可能となっている。
スピーカ17は、ユーザに対して、ナビゲーション中にルート誘導を行うための音声案内ガイドを出力したり、ナビゲーション装置1における様々な入力操作に伴う音声案内ガイドを出力したりする役割を有している。
制御部18は、ユーザによって設定される目的地までのルート検索や、検索されたルートに基づく画像生成処理や、案内音声出力処理など、ナビゲーション装置1における各種処理を行う役割を有している。制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。
RAM19は、制御部18の作業エリアとしての役割を有している。例えば、後述するように、制御部18が操作項目の一覧を表示する処理を行う場合において、RAM19は、表示モニタ14に表示される複数のアイコンのうちいずれのアイコンがユーザによりタッチ操作されたか否かの判断などを行うためのデータを記録するために利用される。制御部18では、RAM19の所定領域に記録されるデータ(特定のフラグのセット状態(特定のビットが0であるか1であるか))に基づいて、アイコンのタッチ操作状態を判断する。
また、ROM20は、制御部18において実行される各種のプログラム等が記録されている。制御部18は、ROM20よりプログラムを読み込んで実行することにより各種の制御処理を行うことが可能となる。例えば、ROM20には、次述する図7に示すようなプログラムが記録される。
本実施の形態に係る制御部18では、ROM20より各種プログラムを読み出して実行することにより、ナビゲーション装置1における道路案内処理を実行すると共に、実行される道路案内処理に伴って、誘導経路(案内経路:ルート)に用いられる地図情報を生成し、表示モニタ14に表示させる処理を行う。さらに、制御部18では、ナビゲーション装置1における様々な機能を実現させるため、ユーザに対して所望の操作項目を直感的に選択させるため処理を行う。
図2は、ユーザが操作項目の一覧を表示させる際に操作するアイコン画像を、表示モニタ14に表示させた状態を示している。アイコン画像は、2つの枠体31,32によって2種類に分類された複数のアイコンにより構成されている。各アイコンには、アイコン上部にアイコンの種類を示すイラストが示されており、また、下部にアイコンの種類を示す文字が示されている。
画面左側の枠体31(以下、左枠体31とする)には、5種類のアイコン(選択肢群)が示されている。左枠体31に示されたアイコンは、操作内容の目的語であって、いわゆる「何を」に該当する名詞系の語を示すアイコンによって構成されている。一方で、画面右側の枠体32(以下、右枠体32とする)には、6種類のアイコン(選択肢群)が示されており、右枠体32に示されたアイコンは、操作内容の動詞であって、いわゆる「どうする」に該当する動詞系の語を示すアイコンによって構成されている。
具体的に、左枠体31に示されるアイコンは、「地図」を示すアイコンと、「案内」を示すアイコンと、「目的地」を示すアイコンと、「ルート」を示すアイコンと、「情報」を示すアイコンとの5種類のアイコンによって構成されている。また、右枠体32に示されるアイコンは、「変更」を示すアイコンと、「設定」を示すアイコンと、「表示」を示すアイコンと、「消去」を示すアイコンと、「探す」を示すアイコンと、「登録」を示すアイコンとの6種類のアイコンによって構成されている。
なお、左枠体31に示されるアイコンの個数およびその内容と、右枠体32に示されるアイコンの個数およびその内容とは、図2に示すような個数およびその内容には限定されない。左枠体31に示されるアイコンは、5種類未満であってもよく、また6種類以上であってもよい。また、右枠体32に示されるアイコンは、6種類未満であってもよく、また7種類以上であってもよい。但し、アイコン数があまりにも多くなると、一見してアイコンの種類を判断することが困難となるおそれがあるため、ユーザの利便性を考慮してアイコンの数を決定することが望ましい。
さらに、各アイコンに示されるイラストは、アイコンに示される文字が読めない子供や外国人などにおいてもそのボタンの役割を識別できるように示されたものである。従って、アイコン数が多くなって各アイコンの大きさが小さくなってしまうと、アイコンのイラストを認識し難くなってしまうので、アイコンの視認性をも考慮してアイコンの数を決定することが好ましい。
なお、各アイコンには、アイコンを識別するためのイラストが示されているため、言語が異なる他の国々で本実施の形態に係るナビゲーション装置1を使用する(販売する)場合であっても共通したアイコンを用いることが可能である。また、アイコンに示されたイメージによって、各アイコンの違いを容易に判断することが可能となるので、直感的にアイコンの認識および選択を行うことが可能となる。
本実施の形態に係るナビゲーション装置1において、ユーザが、所定の機能を実行しようと考えた場合には、まず、その機能の内容を文章化して具体的に考える。そして、ユーザは、文章化された機能内容に基づいて、その目的語に最も近い意味内容を示すアイコンを左枠体31から選択し、文章化された機能内容の動詞に最も近い意味内容を示すアイコンを右枠体32から選択する。このようにして2種類のアイコンを選択することにより、選択されたアイコンから最も近い機能内容を実現することが可能な操作項目の一覧が、表示モニタ14に表示されることになる。
例えば、ナビゲーション装置1において「目的地を設定する」場合には、左枠体31より「目的地」を示すアイコンをタッチパネルで選択し、さらに、右枠体32より「設定」を示すアイコンをタッチパネルで選択する。このようにして所望の機能を文章化し、文章化された機能内容の目的語と動詞とを、左右の枠体31,32からアイコン選択によって指定することで、所望の機能を実現するための操作項目を求めることができる。
特に、ナビゲーション装置1の操作を行う状況は、例えば、車両の発車前や、信号などにより一時的に車両が停車されたとき等のように、ゆっくりと操作に時間をかけることができない状況であることが多い。このため、左枠体31のいずれかのアイコンと右枠体32のいずれかのアイコンとをタッチ操作するだけで、簡単に所望の機能を実現させるための操作方法を見つけ出して操作することができるので、操作処理の迅速化、簡易化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、2つのアイコンをタッチ操作するだけで(2アクションだけで)、所望の機能を実現するための操作項目の一覧を表示させることができる。従来のナビゲーション装置のように「名詞」「助詞」「動詞」からなる3つのアイコンをタッチ操作する場合に比べて、2つのアイコンを操作する場合には、アイコンにより抽出される操作項目の項目数の幅が広くなる(抽出される項目数が多くなる)傾向がある。
3つのアイコンを操作する場合には、抽出条件がアイコン数に比例して細かくなるため、正確にアイコンを選択(タッチ操作)することによって、精度良く操作項目の絞り込みを行うことができる。しかしながら、思い違いなどにより選択するアイコンを間違えてしまうと、絞り込まれた操作項目から所望の操作項目が外れてしまう可能性が高くなり、結果として再度、始めからアイコンの選択操作を行わなければならないという操作負担が生ずる場合があった。
しかしながら、2つのアイコンを操作する場合には、3つのアイコンを操作する場合に比べて、抽出条件が少なくなるため、操作項目の絞り込みが緩くなる傾向にある。このため、アイコンの選択を多少間違えても、あるいはアイコンの選択を迷った場合であっても、目的とする操作項目が絞り込み対象に含まれる可能性が高くなり、結果として再操作となる可能性を低減させることができ、操作負担の軽減を図ることが可能となる。
なお、ナビゲーション装置1の制御部18では、ユーザによりタッチ操作されたアイコンの種類に関する情報を、タッチパネル部15を介して取得する。制御部18は、左枠体31あるいは右枠体32のいずれか一方のアイコンのみが選択され、いずれか他方の枠体におけるアイコンの選択が行われていない場合には、選択されたアイコンの表示を選択されたことが視認できるようなアイコン画像に変更して表示モニタ14に表示させる。
例えば、図3(a)に示すように、左枠体31の「地図」のアイコン41がタッチ操作されて選択された場合、制御部18は、「地図」のアイコン41が選択されたことをユーザが視認できるように、アイコン41の表示を変更する処理を行う。また、同様に、図3(b)に示すように、右枠体32の「変更」のアイコン42がタッチ操作されて選択された場合、制御部18は、「変更」のアイコン42が選択されたことをユーザが視認できるように、アイコン42の表示を変更する処理を行う。
また、制御部18は、所定のアイコンがタッチ操作された場合に、タッチ操作されたアイコンと組み合わせることが不可能な他方の枠体におけるアイコンを求めて、不可能な組み合わせに該当するアイコンが存在する場合に、該当する他方の枠体におけるアイコンの表示を、選択することが不可能なアイコン画像に変更して表示モニタ14に表示させる。
例えば、図4(a)に示すように、左枠体31の「案内」のアイコン43がタッチ操作されて選択された場合、まず、制御部18は、「案内」のアイコン43の表示を変更する処理を行う。次に、制御部18は、「案内」のアイコン43と組み合わせることができないアイコンを、他方の枠体(右枠体32)のアイコンの中から求める。本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、次述するように、「案内」のアイコン43に対して、「探す」のアイコン44と、「登録」のアイコン45とを組み合わせることができない。このため、制御部18は、「探す」のアイコン44と、「登録」のアイコン45とを、ユーザによって選択することが不可能なアイコン画像に変更して表示モニタ14に表示させる処理を行う。
また、同様に、図4(b)に示すように、右枠体32の「登録」のアイコン46がタッチ操作されて選択された場合、まず、制御部18は、「登録」のアイコン46の表示を変更する処理を行う。次に、制御部18は、「登録」のアイコン46と組み合わせることができないアイコンを、他方の枠体(左枠体31)のアイコンの中から求める。本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、次述するように、「登録」のアイコン46に対して、「案内」のアイコン47と、「ルート」のアイコン48とを組み合わせることができない。このため、制御部18は、「案内」のアイコン47と、「ルート」のアイコン48とを、ユーザによって選択することが不可能なアイコン画像に変更して表示モニタ14に表示させる処理を行う。
このように、組み合わせることができないアイコンを、ユーザによって選択することが不可能なアイコン画像に変更して表示モニタ14に表示させることにより、ユーザが組み合わせることのできないそれぞれの枠体のアイコンを選択してしまうことを効果的に抑制することが可能となる。
本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、図5に示すように、左枠体31のアイコンと右枠体32のアイコンとの組み合わせに応じて操作項目の抽出を行うことができるか否かを示したデータテーブルが、地図データ記録部16に記録されている。図5において、左枠体31のアイコンと右枠体32とのアイコンとの組み合わせにおいて「×」で示されている組み合わせは、選択することができないアイコンの組み合わせを示している。
例えば、図4(a)に示したように、左枠体31において「案内」を示すアイコン43を選択した場合には、右枠体32における「探す」を示すアイコン44や、「登録」を示すアイコン45を選択することができない。一般的なカーナビゲーションシステムにおいて、「目的地」の「登録」を行うことは可能であっても、「案内」の「登録」を行うことはできない(「案内」を「登録」する機能は一般的に備えられていない)。このため、備えられていない機能に該当するアイコンの組み合わせは、図5に示すデータテーブルにおいて「×」で示されている。
一方で、図5において、左枠体31のアイコンと右枠体32とのアイコンとの組み合わせにおいて「○」で示されている組み合わせは、そのアイコンの組み合わせに基づいていくつかの操作項目を抽出することが可能であることを示している。このアイコンの組み合わせにより抽出され得る操作項目は、一覧として地図データ記録部16に記録されている。制御部18では、選択されたアイコンの組み合わせに基づいて、図5のデータテーブルを参照することにより、操作項目の一覧が抽出可能であるか否かを判断し、抽出可能である場合には、表示モニタ14に求められた操作項目の一覧を表示させる処理を行う。
図6は、左枠体31において「地図」を示すアイコンを選択し、右枠体32において「変更」を示すアイコンを選択した場合に遷移表示された操作項目の一覧画面を示している。図2等に示されるアイコンの表示画面から2種類のアイコンを選択することにより、図6に示すように、選択されたアイコンに基づいて抽出され得る操作項目の一覧が求められ、表示モニタ14に遷移表示されることになる。
本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、操作項目の一覧画面において10〜12項目程度の操作項目が表示されることになっている。一般的なカーナビゲーション装置の表示モニタの大きさは、5〜7インチ程度である。このため、抽出された操作項目の文字の大きさを小さくして多数の操作項目を一画面に表示させようにすると、文字があまりに小さいために、視認性・操作性が損なわれてしまうおそれがある。一方で、文字を大きく表示しすぎると、一画面に表示可能な操作項目が少なくなってしまうため、操作項目の表示が複数ページに渡ってしまい、操作項目の確認および選択を円滑に行うことが困難になってしまうおそれがある。
このような点を考慮すると、抽出される操作項目は、図6に示すように、一画面当たり5〜6項目程度表示させることが好ましく、5〜6項目程度であれば、各操作項目の内容を容易かつ瞬時に判断することが可能になる。さらに、一画面に5〜6項目程度の操作項目を表示させるようにすることによって、表示モニタ14に設けられる一覧切り替えボタン(例えば、図6に示す矢印ボタン50,51など)を一度操作するだけで、残りの全ての操作項目を画面に示すことができるので、操作負担を増大させることなく操作項目の認識と選択とを容易に行わせることが可能となる。
図7は、制御部18が、タッチパネル部15より取得したユーザのタッチ操作に関する情報に基づいて、表示モニタ14に操作項目の一覧を表示させる処理を示したフローチャートである。
本実施の形態に係るナビゲーション装置1の標準画面(経路案内時やナビゲーション装置1の起動時に表示される画面であって、一般的に、車両の周囲の地図データが表示された表示画面が該当する。)には、アイコンの表示画面へ画面を遷移させるためのアイコンボタンが表示されている。ユーザは、必要に応じて、表示モニタ14の標準画面に表示されるアイコンボタンをタッチ操作することにより、図2等に示すような、アイコンの表示画面へと画面を遷移させることができる。
図3に示すアイコンの表示画面に画面が遷移された場合、制御部18は、タッチ操作されたアイコンの判断処理に利用されるRAM19の所定領域を初期化する処理(初期設定処理)を行う(ステップS.1)。具体的には、アイコンのタッチ操作判断に利用するために、RAM19の所定領域を確保し、確保された領域のデータを初期化する。ここでデータの初期化とは、該当する領域におけるフラグをオフにする(該当する領域のビットを全てゼロに設定する)処理を意味している。いずれかのアイコンがタッチ操作された場合に、制御部18は、後述する処理(例えば、ステップS.14の処理)において、アイコン毎に予め規定されている所定のフラグをセットすることにより、ユーザにタッチ操作されたアイコンがどのアイコンであるかを記録する。
次に、制御部18は、タッチパネル部15よりタッチ操作に関する情報を取得し(ステップS.2)、取得された情報に基づいて、いずれかのアイコンがタッチ操作されたか否かを判断する(ステップS.3)。いずれのアイコンもタッチ操作されていないと判断される場合(ステップS.3においてNoの場合)、制御部18は、繰り返しタッチパネル部15よりタッチ操作に関する情報を取得して(ステップS.2)、いずれかのアイコンがタッチ操作されたか否かの判断を繰り返し実行する(ステップS.3)。
いずれかのアイコンがタッチ操作されたと判断される場合(ステップS.3においてYesの場合)、制御部18は、タッチ操作されたアイコンの種類に該当するフラグの状態を、RAM19の所定領域より読み出して(ステップS.4)、タッチ操作されたアイコンのフラグがセットされているか否かの判断を行う(ステップS.5)。
タッチ操作されたアイコンのフラグがセットされている場合(ステップS.5においてYesの場合)、制御部18は、既に、アイコンがタッチ選択された状態において、さらに該当するアイコンがタッチされたものと判断する。このように一度タッチ操作されたアイコンが再度タッチ操作された場合には、該当するアイコンが取り消された状態、つまり、該当するアイコンが選択されていない状態となるように表示モニタ14の表示内容を修正(変更)する処理を行う。
具体的に、制御部18は、選択(タッチ操作)された枠体だけでなく、選択されたアイコンの枠体とは異なる枠体に属するアイコンを含めた全てのアイコンに関するフラグをオフにする(ステップS.6)。そして、制御部18は、オフにされたフラグに基づいて、全てのアイコンの表示を、全て選択されていないアイコン画像に修正して、表示モニタ14に表示させる(ステップS.7)。この表示モニタ14におけるアイコンの修正表示処理は、上述したように、地図データ記録部16に記録されているアイコン画像データに基づいて、制御部18によって表示画像が生成されて画像メモリ部13に記録され、さらに画像メモリ部13に記録された表示画像が表示モニタ14に出力されることにより実行される。
その後、制御部18は、上述したアイコンがタッチ操作されたか否かの判断処理(ステップS.2およびステップS.3)を繰り返し実行する。
一方で、タッチ操作されたアイコンのフラグがセットされていないと判断される場合(タッチ操作されたアイコンのフラグがオフになっている場合:ステップS.5においてNoの場合)、制御部18は、まず始めに、タッチ操作されたアイコンの枠体と異なる枠体であって、その異なる枠体に属するアイコンのフラグの状態を、RAM19の所定領域より読み出す(ステップS.8)。そして、制御部18は、読み出されたフラグの状態に基づいて、異なる枠体に属するアイコンにおいてセットされたフラグが存在するか否かの判断を行う(ステップS.9)。いずれかのアイコンのフラグが既にセットされている場合(ステップS.9においてYesの場合)には、タッチ操作されたアイコンの枠体とは異なる枠体に属するいずれかのアイコンが、既にタッチ操作されて選択された状態になっていると判断することができる。
このように、異なる枠体のアイコンが既に選択されている場合(ステップS.9においてYesの場合)、制御部18は、タッチ操作されたアイコンと、異なる枠体であって既に選択されているアイコンとの組み合わせが可能であるか否かを、RAM19に記録されている図5に示すデータテーブルから判断する(ステップS.10)。
RAM19に記録されたデータテーブルに基づいて、アイコン同士の組み合わせが可能であると判断した場合(ステップS.10においてYesの場合)、制御部18は、タッチ操作されたアイコンのフラグをセットする(ステップS.11)。そして、制御部18は、タッチ操作されたアイコンの表示を、タッチ操作によりアイコンが選択されたことをユーザに認識させることが可能な画像(例えば、図4(a)に示す「案内」アイコンの画像など)に変更して、表示モニタ14に表示させる(ステップS.12)。その後、制御部18は、表示モニタ14に表示させる画面を、図6に示すように、選択されたアイコンに基づいて抽出され得る操作項目の一覧画面に遷移表示させ(ステップS.13)、機能一覧表示処理を終了する。
一方で、RAM19に記録されたデータテーブルに基づいて、アイコン同士の組み合わせが不可能であると判断した場合(ステップS.10においてNoの場合)、制御部18は、表示モニタ14に表示されている表示内容を変更することなく、処理を前述したアイコンのタッチ操作判断処理(ステップS.2およびステップS.3)に移行させる。
アイコンの組み合わせが不可能な場合には、タッチ操作に関する情報に基づいてアイコンのタッチ操作が検出されたときであっても、制御部18が表示モニタ14の画面遷移処理を行わないことによって、タッチ操作が受け入れられなかったものとユーザに認識させることができる。
また、ステップS.9において、異なる枠体のいずれのアイコンのフラグもセットされていないと判断される場合(ステップS.9においてNoの場合)、制御部18は、タッチ操作されたアイコンのフラグをオンにセットし(ステップS.14)、表示モニタ14におけるアイコン画像を、アイコンが選択されたことを認識可能な画像に変更する(ステップS.15)。
その後、制御部18は、フラグをオンにしたアイコンの選択によって、このアイコンに組み合わせることが不可能な他の枠体のアイコンが存在するか否かを、図5に示したデータテーブルに基づいて判断する(ステップS.16)。データテーブルにより、組み合わせることが不可能なアイコンが存在する場合(ステップS.16においてYesの場合)、制御部18は、組み合わせることが不可能となる他の枠体のアイコンの表示を、選択することができないアイコン画像に変更して、表示モニタ14に表示させる(ステップS.17)。
例えば、図4(a)、図4(b)および図5に示したように、「案内」のアイコンと「探す」のアイコンとの組み合わせ、「案内」のアイコンと「登録」のアイコンとの組み合わせ、「ルート」のアイコンと「登録」のアイコンとの組み合わせに関しては、操作項目の一覧候補が存在しない。このため、上述したように、これらのアイコンの組み合わせに関しては、一方の枠体のアイコンの選択時に、対応し得る他方の枠体のアイコンが選択できないように、アイコン画像を変更して、表示モニタ14に表示させる。
そして、ステップS.16において、組み合わせることが不可能なアイコンが存在しないと判断された場合(ステップS.16においてNoの場合)、あるいは、ステップS.17において、他の枠体のアイコンの表示を選択することができないアイコン画像に変更した場合、制御部18は、前述したアイコンのタッチ操作判断処理(ステップS.2およびステップS.3)を繰り返し実行する。
このようにして、制御部18は、アイコンのタッチ操作によって図5に示すように組み合わせが許容される2種類のアイコンが選択されるまで処理を繰り返し実行し、適式にアイコンが組み合わされた場合に、ステップS.13に示したように、操作項目の一覧表示処理を行うことによって、表示処理を終了する。
また、本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、アイコン同士の組み合わせが異なっている場合であっても、同じ操作項目が一覧として抽出されるように、操作項目の一覧が規定されている。図8は、左枠体31の「地図」アイコンと、右枠体32の「変更」アイコンとが選択された場合に抽出される操作項目の一覧と、左枠体31の「地図」アイコンと、右枠体32の「設定」アイコンとが選択された場合に抽出される操作項目の一覧と左枠体31の「地図」アイコンと、右枠体32の「表示」アイコンとが選択された場合に抽出される操作項目の一覧とを示した表である。
この3パターンのアイコンの組み合わせにおいて、「地図の表示方法を変える」(図8における符号W1)、「地図の向きを変える」(符号W2)、「地図に表示させる文字を設定する」(符号W3)、「地図上のアイコンの設定をする」(符号W4)は、共通して抽出される操作項目に該当する。
このように、本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、2種類のアイコン(左枠体31に属するアイコンと、右枠体32に属するアイコンと)の組み合わせにより、対象となる操作項目の一覧を表示させる場合において、操作項目の抽出は、必ずしも1種類のアイコン同士の組み合わせだけに対応して抽出されるのではない。ナビゲーション装置1では、アイコン同士の組み合わせが異なるように選択された場合であっても、選択されたアイコンの「動詞」および「名詞」の組み合わせにより、共通する操作内容がイメージされ得る場合には、同じ操作項目が一覧として抽出されることになる。
このように、本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、「名詞」と「動詞」との2種類のアイコンを選択することにより操作項目の抽出を行うため、3種類以上のアイコンを選択する従来のナビゲーション装置よりも高い確率で、所望の操作項目を抽出することが可能となる。このため、ユーザは、2種類のアイコンを選択することにより、1回目のアイコン選択で、所望の操作項目を含む操作一覧を表示モニタ14に表示させる可能性が高くなり、操作項目が抽出されないことによって再度アイコンの選択処理をやり直さなければならない事態を回避することが可能となる。
さらに、本実施の形態に係るナビゲーション装置1では、図7においてフローチャートで示したように、2種類のアイコンの選択を、左枠体31のアイコンから選択することも、右枠体32のアイコンから選択することも可能となっている。このように、いずれのアイコンを始めに選択しても所望の操作項目一覧を抽出して表示モニタ14に表示させることができるため、ユーザにおける操作の自由度を高めることが可能となる。
以上、本発明に係る情報抽出装置について、図面を用いて説明を行ったが、本発明に係る情報抽出装置は、上述した実施の形態に係るナビゲーション装置1の構成のみに限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明に係る情報抽出装置は、複数の項目の情報を2つのアイコン選択だけで効率的、直感的かつ迅速に抽出することができるため、本実施の形態において一例として示したカーナビゲーション装置だけに限られず、携帯電話や銀行のATMなど様々な機器に応用することが可能である。