JP5748818B2 - 使い捨ておむつの製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱風処理を施して嵩高にした使い捨ておむつの製造方法に関するものである。
使い捨ておむつは着用者の肌に当接するため、肌触りの良さが求められる。特に幼児の肌はデリケートで被れやすいため、成人用よりも肌触りの良さが求められる。
肌触りを向上する手段としては、例えば下記特許文献1に記載のものがある。
これは、薄型の吸収シートの表面層に畝部と溝部を賦型したものを用い、表面シートの下にクッション層が設けられている。このクッション層は熱可塑性繊維を主体としたエアレイド不織布を加熱処理して嵩を回復させた後、冷却処理したものが用いられる。この処理を行ったクッション層は低密度で弾力があるため、外部からの圧力によって表面シートの畝部と溝部を賦型したものが潰れにくくなり、ソフト感を呈することができるとの効果が示されている。
特開2003−339761号公報
しかしながら、前記特許文献1記載の発明は、肌当接面の柔らかさが十分でないという問題がある。さらに、肌当接面の液残りや、いわゆる逆戻りの発生を防止するのに十分でないという問題もある。
そこで、本発明の主たる課題は、肌当接面の柔らかさを担保しつつ、肌当接面の液残りや逆戻りの発生を防止することができる使い捨て紙おむつの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
肌当接面に設けた、不織布からなる透液性トップシートと、
前記透液性トップシートの裏面側に配置され、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部まで延在するように設けた吸収体と、
前記透液性トップシートの裏面と前記吸収体の表面に臨んで設けられた、不織布からなる中間要素と、
を備えた使い捨ておむつの製造方法において、
前記透液性トップシートと中間要素を重ね合わせた後、透液性トップシート側から風を吹きつけることによって、透液性トップシートと中間要素の嵩を高くするとともに、前記透液性トップシートと中間要素の繊維密度を透液性トップシートから中間要素へかけて逓増させる
ことを特徴とする使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
透液性トップシートと中間要素を重ね合わせた後、透液性トップシート側から風を吹きつけることによって、透液性トップシートと中間要素の繊維の中に含まれる空気の量が増え、嵩高になる。より詳しくは、透液性トップシート側から風を吹きつけると、透液性トップシートのほうが中間要素よりも空気を含む量が多くなり、透液性トップシートの密度が中間要素の密度よりも小さくなる。
透液性トップシートに含まれる空気の量が増えるため、透液性トップシートが体液を中間要素や吸収体へ透過する性能を向上させることができる。また、中間要素の密度が透液性トップシートの密度よりも大きくなるため、吸収体が吸収した体液が透液性トップシートへ戻る現象(いわゆる「逆戻り」)を防止することができる。さらに、透液性トップシートおよび中間要素が嵩高になるため、柔らかさを向上させることができる。
<請求項2記載の発明>
少なくとも前記透液性トップシートと中間要素の間にホットメルト接着剤を塗布し、
透液性トップシート側から風を吹きつけることによって前記ホットメルト接着剤が溶解し、
透液性トップシートと中間要素をホットメルト接着剤によって接着する請求項1記載の使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
本発明のように、ホットメルト接着剤を溶解させると、溶解したホットメルト接着剤が透液性トップシートや中間要素の繊維の間に入り込んで接着する。そのため、溶解させない場合と比べて接着力を強化することができる。
また通常は、透液性トップシートと中間要素の間に微細な空隙が空いている。透液性トップシートから中間要素へ体液が移行するのをこの微細な空隙が妨げてしまう。本発明のようにホットメルト接着剤を溶解させて透液性トップシートと中間要素を接着すると、透液性トップシートと中間要素の間に微細な空隙が生じにくくなるため、透液性トップシートから中間要素へ体液が移行しやすくなり、吸収性能を向上させることができる。
以上のとおり、本発明によれば、肌当接面の柔らかさを担保しつつ、肌当接面の液残りや逆戻りの発生を防止することができる使い捨て紙おむつ及びその製造方法を提供することができる。
使い捨ておむつの内面を示す、おむつの自然長状態における平面図である。 使い捨ておむつの外面を示す、おむつの自然長状態における平面図である。 図1の3−3線断面図である。 図1の4−4線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 図1の6−6線断面図である。 本発明の使い捨ておむつの製造方法を示した図である。 エアスルー加工前の透液性トップシートおよび包被シートの断面図である。 エアスルー加工後の透液性トップシートおよび包被シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分と背側部分を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に幅方向と直交する方向を意味する。また、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味し、用語「展開状態」とは、おむつを完全に広げた状態、即ち、おむつが前後方向及び幅方向に完全に伸長した状態を意味する。
図1〜図6はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示している。図3及び図4は、図1における3−3線断面及び4−4線断面をそれぞれ示した図であり、図5及び図6は、図1における5−5線断面及び6−6線断面をそれぞれ示した図である。
このテープタイプ使い捨ておむつは、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性トップシート30と、外面側に位置する液不透過性シート11との間に吸収体56が介在する部分である吸収性本体部10を有するとともに、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収体56を有しない部分であるエンドフラップ部EF,EFと、この吸収性本体部10の左右両側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収体56を有しない部分であるサイドフラップ部SF,SFとを有する。
より詳細には、吸収性本体部10ならびに背側および腹側の各サイドフラップ部SFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収性本体部10においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等82により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に包被シート58、吸収体56、包被シート58、セカンドシート40および透液性トップシート30がこの順に積層されている。液不透過性シート11と吸収体56の間の包被シート58と、セカンドシート40は設けなくても良い。透液性トップシート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収体56よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、透液性トップシート30における吸収体56の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収体56の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤等82により固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、透液性トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する立体ギャザー60,60が設けられており、この立体ギャザー60,60を形成する立体ギャザーシート62,62が、各サイドフラップ部SF,SFの内面を含め、吸収性本体部10の幅方向外側の全体にわたり延在されている。
以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は吸収体56を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状になっており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等82により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シート11が構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(透液性トップシート)
透液性トップシート30は液透過性を有し、後述のエアスルー加工によって、嵩高になる、有孔又は無孔の不織布を用いることができる。このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。特に、長繊維からなる不織布が好ましく、巻縮していることが好ましい。
また、透液性トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、透液性トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
また、カトーテック株式会社の自動化圧縮試験機「KES FB−3A」により2cm2の円形の加圧板によって、計測対象となる不織布に0.5g/cm2の圧力をかけたときの厚み(mm)を初期厚み(TM)といい、本例の透液性トップシート30の初期厚みが0.1〜2mmの範囲になるようにするとよい。
本形態においては、この透液性トップシート30にエアスルー加工を施し、当該透液性トップシート30を嵩高にしている。このエアスルー加工とは、不織布などに風を吹きつけて、不織布などを構成する繊維の間に含まれる空気の量を増やし、嵩を高くする加工のことをいう。
吹きつける風は、嵩を高くする目的上、熱風が好ましい。より詳細には、その温度は80℃〜100℃の風を吹きつけるのが好ましい。
熱風を吹きつけた後、15℃〜25℃の常温風または10℃〜25℃の冷風を吹きつけ、嵩が高くなった状態を維持させる。なお、冷風を吹きつける場合は、室温(約15℃〜25℃)で、風量、吹きつける時間は、熱風と同等にするとよい。
本形態においては、透液性トップシート30にエアスルー加工を施すことで、透液性トップシート30を構成する繊維の間に含まれる空気の量を増やすことができる。その結果、エアスルー加工を施す前と比べて、透液性トップシート30の嵩を高くすることができ、ふっくらと柔らかくすることができる。
(立体ギャザー)
透液性トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する立体ギャザー60、60が設けられている。
この立体ギャザー60、60は、実質的に幅方向に連続する立体ギャザーシート62と、この立体ギャザーシート62に前後方向に沿って伸張状態で固定された細長状弾性伸縮部材63とにより構成されている。この立体ギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材63は、各複数本設ける他、各1本設けることができる。
立体ギャザーシート62の内面は、透液性トップシート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤等82により固着されている。
脚周りにおいては、立体ギャザー60、60の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部では透液性トップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性伸縮部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、弾性伸縮部材63の収縮力により立体ギャザー60、60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、立体ギャザーシート62の幅方向内側の部分における前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(平面ギャザー)
立体ギャザー60、60の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、立体ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向に沿って糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64がそれぞれ前後方向に伸長した状態で固定されて平面ギャザー80が形成されている。
脚周り弾性伸縮部材64としては糸状、紐状、帯状等の細長状の合成又は天然ゴムを用いることができ、太さ400〜1100dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.1〜3.0mm2程度)のものを、1〜20mm程度の間隔で、1〜6本程度、それぞれ伸長率170〜300%程度で固定することが望ましい。また、脚周り弾性伸縮部材64を設ける領域、つまり平面ギャザー80の領域は適宜定めることができるが、通常の場合、その前後方向範囲は、抑制部材81による抑制の無い状態でのおむつの展開状態の前後方向長さ(全長)L1の25〜80%程度とすることができ、その幅は、抑制部材81による抑制の無い状態でのおむつの展開状態の全幅Xの0.2〜30%程度とすることができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包被シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包被シート)
包被シート58を用いる場合、その素材としては、不織布を用いる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。特に、長繊維からなる不織布が好ましく、巻縮していることが好ましい。また、エアスルー不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
また、カトーテック株式会社の自動化圧縮試験機「KES FB−3A」により2cm2の円形の加圧板によって、計測対象となる不織布に0.5g/cm2の圧力をかけたときの厚み(mm)を初期厚み(TM)といい、本例の包被シート58の初期厚みが0.1〜2mmの範囲になるようにするとよい。
この包被シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみを不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シート11で覆う形態、吸収体56の上面を不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シート11で覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
本形態においては、包被シート58にエアスルー加工を施し、当該包被シート58を嵩高にしている。このエアスルー加工とは、不織布などに風を吹きつけて、不織布などを構成する繊維の間に含まれる空気の量を増やし、嵩を高くする加工のことをいう。
吹きつける風は、嵩を高くする目的上、熱風が好ましい。より詳細には、その温度は80℃〜100℃の風を吹きつけるのが好ましい。
熱風を吹きつけた後、15℃〜25℃の常温風または10℃〜25℃の冷風を吹きつけ、嵩が高くなった状態を維持させる。なお、冷風を吹きつける場合は、室温(約15℃〜25℃)で、風量、吹きつける時間は、熱風と同等にするとよい。
本形態においては、包被シート58にエアスルー加工を施すことで、包被シート58を構成する繊維の間に含まれる空気の量を増やすことができる。その結果、エアスルー加工を施す前と比べて、透液性トップシート30の嵩を高くすることができ、ふっくらと柔らかくすることができる。
なお、前記高吸収性ポリマー粒子の形状は繊維状であって、目付けが10〜30g/m2であるようにすると良い。特に、前記高吸収性ポリマー粒子の形状を繊維状にすることにより、包被シート58から高吸収性ポリマー粒子が抜け出にくくなるという効果がある。
(セカンドシート)
表面シート30を透過した排泄物を吸収体56へ移動させ、逆戻りを防ぐために、表面シート30と吸収体56との間にセカンドシート40を設けることができる。このセカンドシート40は、排泄物を速やかに吸収体56へ移行させて吸収体56による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体56からの逆戻りを防止し、透液性トップシート30表面の肌触りを良くするものである。
セカンドシート40としては、透液性トップシート30と同様の素材を用いることができる。セカンドシート40は透液性トップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、セカンドシート40の素材は透液性トップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならばセカンドシート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、透液性トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、セカンドシート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、透液性トップシート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、セカンドシート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
図示の形態のセカンドシート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。セカンドシート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
また、カトーテック株式会社の自動化圧縮試験機「KES FB−3A」により2cm2の円形の加圧板によって、計測対象となる不織布に0.5g/cm2の圧力をかけたときの厚み(mm)を初期厚み(TM)といい、本例のセカンドシート40の初期厚みが0.1〜2mmの範囲になるようにするとよい。
なお、本形態においては、このセカンドシート40にエアスルー加工を施し、当該セカンドシート40を嵩高にしている。このエアスルー加工とは、不織布などに風を吹きつけて、不織布などを構成する繊維の間に含まれる空気の量を増やし、嵩を高くする加工のことをいう。
吹きつける風は、嵩を高くする目的上、熱風が好ましい。より詳細には、その温度は80℃〜100℃の風を吹きつけるのが好ましい。
熱風を吹きつけた後、15℃〜25℃の常温風または10℃〜25℃の冷風を吹きつけ、嵩が高くなった状態を維持させる。なお、冷風を吹きつける場合は、室温(約15℃〜25℃)で、風量、吹きつける時間は、熱風と同等にするとよい。
本形態においては、セカンドシート40にエアスルー加工を施すことで、セカンドシート40を構成する繊維の間に含まれる空気の量を増やすことができる。その結果、エアスルー加工を施す前と比べて、透液性トップシート30の嵩を高くすることができ、ふっくらと柔らかくすることができる。
また、包被シート58にエアスルー加工を施すことにより、包被シート58の嵩が高くなる。そして、セカンドシート40がなくても前述の逆戻りが生じにくくなるため、セカンドシート40は省略しても良い。セカンドシート40を省略すると、製品のコスト低減、ホットメルト接着剤等82の使用量低減、通気性の向上、製品の軽量化等を図ることができる。
(中間要素)
本形態においては、前記吸収体56の透液性トップシート30側に位置する包被シート58と、前記セカンドシート40を含めて中間要素95という。
なお、セカンドシート40は省略することもできるので、セカンドシート40を設けない場合は、前記吸収体56の透液性トップシート30側に位置する包被シート58のみを中間要素95という。また、セカンドシート40を設け、吸収体56の表面側に包被シート58を設けないようにしても良い。この場合は、セカンドシート40が、包被シート58の代わりになり、セカンドシート40のみを中間要素95という。
さらに、透液性トップシート30と吸収体56の間に、セカンドシート40および包シート58以外のシートを含むようにしてもよく、その場合はそのシートも含めて中間要素95という。
本形態の実験結果を下記表1に示す。
実験例においては、使い捨ておむつの3つのサンプル(SampleA、B、C)と、使い捨ておむつを用意した。
3つのサンプルは、透液性トップシート30、セカンドシート40、包被シート58からなる。透液性トップシート30およびセカンドシート40が不織布からなり、包被シート58がクレープ紙からなる使い捨ておむつを使用した。
一方、使い捨ておむつは、透液性トップシート30と包被シート58からなり、セカンドシート40がないものを使用した。当該透液性トップシート30と包被シート58には、前記のエアスルー加工を行い、嵩高にしている。エアスルー加工後の不織布の密度は、透液性トップシート30が0.0076g/cm2であり、包被シート58が0.0096g/cm2であった。
実験においては、尿に類似する液体(尿素:20%、塩化ナトリウム:8%、塩化カルシウム二水和物:0.2%、硫酸マグネシウム七水和物:0.8%、イオン交換水:71%からなる。)を前記各使い捨ておむつに50ccずつ滴下した。そして、当該液体を滴下してから、吸収体56に完全に水分が吸収されるまでの速度(吸収スピード(秒))を計測した。また、当該液体を滴下してから5分経過後と30分経過後に、トップシート表面にろ紙とおもりを置き、ろ紙に戻ってきた水分量を測定することで、水分の逆戻り量(g)を測定した。
その結果を表した表1において、セカンドシート40がない製品であっても、従来品であるSampleA、B、Cと比べて、その吸収性能および逆戻り量に遜色がないことが分かった。すなわち、セカンドシート40を設けなくても、包被シート58に不織布を用いて、当該不織布にエアスルー加工をすることで、逆戻りを防ぐことができる。そのため、セカンドシート40を省略することができ、製品のコスト低減、ホットメルト接着剤等82の使用量の低減、通気性の向上、製品の軽量化等を図ることができる。
また、エアスルー加工をすることで、不織布を構成する繊維間に含まれる空気の量が増え、吸収スピードを上げることができる。
また、下記の表2に、透水性トップシート30と包被シート58の密度と親水度を示す。
透水性トップシート30と包被シート58の繊維密度が、前者が粗、後者が密となるようにするのが良い。このような粗密関係を設けることにより、吸収体56側に体液が吸収され、透液性トップシート30の肌当接面に液残りが発生しにくくなる。また、前記粗密関係により、吸収体56で吸収した体液が透液性トップシート30へ漏れ出す現象(いわゆる「逆戻り」)を防ぐことができる。
このエアスルー加工後の繊維密度の好ましい範囲、より好ましい範囲、透液性トップシート30と包被シート58の繊維密度差については、表2のようにするのが良い。
この表2の範囲は、表3に示す実験結果により定めた。
具体的には、目付けおよび厚みが異なる透液性トップシート30および包被シート58の組み合わせ(SampleD、E、F)を用意し、これにエアスルー加工を施し、エアスルー加工後の密度を計測した。
そして、前記表1と同じ実験を行い、吸収スピード、一定時間経過後の水分の逆戻り量を計測した。
その結果、吸収スピードが最も早く、5分後および30分後の逆戻り量が最も少ないSampleEが最も好ましいことが分かった。
また、前記エアスルー加工は、透液性トップシート30および中間要素95のうち着用者の股間部に位置する部分に施し、透液性トップシート30および中間要素95のうち着用者の下腹部および臀部に位置する部分には施さないようにするのが好ましい。
そのようにすることで、透液性トップシート30および中間要素95のうち着用者の股間部に位置する部分の嵩が高くなり、下腹部および臀部に位置する部分の嵩が高くない使い捨ておむつができる。
その結果、着用者の股間部付近は柔らかい肌触りとすることができ、その他のお腹や背周り部分はもたつきを抑えることができる。
より具体的には、前記表3の実験結果より、下記の値にするのが好ましい。
前記透液性トップシート30の股間部の初期厚みを1〜3mm、下腹部および臀部の初期厚みを0.5〜1.5mmにし、透液性トップシート30の股間部の初期厚みが、下腹部および臀部の初期厚みよりも厚くなるようにするのが好ましい。
また、前記中間要素95の股間部の初期厚みを1〜2mm、下腹部および臀部の初期厚みを0.5〜0.15mmにし、中間要素95の股間部の初期厚みが、下腹部および臀部の初期厚みよりも厚くなるようにするのが好ましい。
また、前記透液性トップシート30と前記中間要素95をエンボス加工によって固着するようにしても良い。
透液性トップシート30および中間要素95にエアスルー加工を施すと嵩高になるため、ホットメルト接着剤を用いて固着しているだけでは、透液性トップシート30と中間要素95との固着力が弱い。そこで、透液性トップシート30と中間要素95をエンボス加工で熱接着させることにより、固着力を向上させることができる。
この場合のエンボス加工は、嵩高になった一部分に線状に施すのではなく、嵩高になった部分全体に点状に施すようにすると良い。嵩高になった部分全体の固着力を上げるためには、嵩高になった部分全体にエンボス加工を施したほうが良いからである。また、エンボス加工を線状に施すとエンボス部分が硬くなり、肌触りが悪くなるとともに、当該エンボス部分の透液性能が低下するからである。
前記のように透液性トップシート30および中間要素95にエアスルー加工を施すと、透液性トップシート30および中間要素95を構成する繊維が溶けて互いに溶着するようにしても良い。そのためには、前記透液性トップシート30および中間要素95は、熱溶着性繊維からなることが好ましく、吹きつけられる風の温度は、当該熱溶着性繊維の融点を超える温度、例えば160℃以上が好ましい。
(ファスニングテープ)
図1及び図2に示されるように、ファスニングテープ13は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるシート基材13Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材13Aが設けられている。フック材13Aはシート基材13Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
乳幼児用おむつにおいては、ファスニングテープ13の取り付け部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さX1は10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さY1は、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、ファスニングテープ13の先端側部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ13の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ13の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。フック材13Aは、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。フック材13Aに代えて、ファスニングテープ13の係止部として粘着材層を設けることもできる。
おむつの装着に際しては、背側サイドフラップ部BFを腹側サイドフラップ部FFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープを腹側F外面の適所に係止する。ファスニングテープ13の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止箇所は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
ファスニングテープ13は、背側エンドフラップ部と吸収要素50の境界線上にファスニングテープ13の取り付け部分が重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ13の取り付け部分が、おむつの背側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の取り付け部分間に働く張力がおむつの背側端部にまで及ばないため、おむつの背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、背側エンドフラップの前後方向長さは、ファスニングテープ13の基部の前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。
(ターゲットシート)
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。 また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部EFは、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部EFであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部EFである。
背側エンドフラップEFの前後方向長さは、ファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFの前後方向長さは、展開状態のおむつ全長L1の5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
(背側伸縮シート)
図示形態では、両ファスニングテープ13間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等82の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側では立体ギャザーシート62と外装シート12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装シート12との間に設けても良いし、外装シート12の外面に設けても良く、また透液性トップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70は透液性トップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側では立体ギャザーシート62の上に設けても良い。また、外装シート12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装シート12のシート基材間に設けても良い。
(凹部)
本形態において、図1のように前記透液性トップシート30と吸収体56の少なくとも股間部には、幅方向中央に前後へ延在する凹部90が設けられている。
前記透液性トップシート30と吸収体56にエアスルー加工が施された場合、エアスルー加工された部分の嵩が高くなるため、着用者が椅子やベビーカーなどに座った場合に股間部にもたつきが発生してしまう。前記凹部90を設けたことにより、当該凹部近辺のトップシート30等が着用者の股部に突出するため、股間部のもたつきを防止することができる。
(製造方法)
さて、上記の使い捨ておむつを製造するための本実施形態の製造方法例について、図7を参照しながら説明する。
ラインに上流側から包被シート58が供給される。続いて、積繊ドラム100から吸収体56が供給され、セーラー92を通すことにより吸収体56を包被シート58により包み込む。次に、カッター装置94によりライン方向に分割され、吸収体56を包被シート58によって包み込んだ物品が1つ1つできあがる。
その後、透液性トップシート30とセカンドシート40が上方から間欠的に供給され、吸収体56を包被シート58によって包み込んだ1つ1つの物品の上に載せられる。
そして、上方から透液性トップシート30へ向けて熱風が吹きつけられる(エアスルー加工)。その結果、熱風を吹きつける前と比べて、透液性トップシート30と中間要素95(セカンドシート40および包被シート58)の嵩が高くなる。
その後、上方から透液性トップシート30へ向けて常温風または冷風が吹きつけられる。その結果、透液性トップシート30と中間要素95(セカンドシート40および包被シート58)の嵩が高くなった状態を維持する。
このように、透液性トップシート30の側から熱風を吹きかけることによって、透液性トップシート30と中間要素95のエアスルー加工後の繊維密度は、前記透液性トップシート30から中間要素95へかけて逓増するようになる。
このように、透液性トップシート30から中間要素95へかけて繊維密度が逓増するように、透液性トップシート30内や中間要素95内でそれぞれ繊維密度を変えることによって、透液性トップシート30内や中間要素95内の繊維密度がそれぞれ均一である場合よりも、吸収体56の表面側全体に一体的なクッション性を持たせることができる。
続いて、液不透過性シート11及び外装シート12が下方から間欠的に供給される。その結果、液不透過性シート11及び外装シート12の上に、エアスルー加工後の前記物品が載せられる。
その後、両ファスニングテープ13および立体ギャザー60、60が取り付けられ、本実施形態にかかる使い捨ておむつができあがる。
前記の例においては、セカンドシート40を設ける使い捨ておむつの製造方法を示した。本実施形態においては、それ以外にも、セカンドシート40を設けない使い捨ておむつを製造する場合にも使用できる。その場合はセカンドシート40を巻いたドラムを省略することで、当該使い捨ておむつを製造できる。
また、前記例においては、吸収体56を包被シート58で包み込む使い捨ておむつの製造方法を示した。本実施形態においては、吸収体56の表面側に包被シート58が設けられ、吸収体56の裏面側に包被シート58が設けられない使い捨ておむつを製造する場合にも使用できる。その場合は、例えば、セーラー92によって包被シート58が折畳まれる過程をなくし、吸収体56の表面側に包被シート58が載せられる過程に変更することで、前記の使い捨ておむつを製造できる。
さらに、前記製造方法において、透液性トップシート30と中間要素95の間や、中間要素95を構成する部材間にホットメルト接着剤等82を塗布し、透液性トップシート30側から熱風を吹きかけることによって前記ホットメルト接着剤等82が溶解し、透液性トップシート30と中間要素95がホットメルト接着剤等82によって接着されるようにすると良い。この時の前記透液性トップシート30および中間要素95に吹きつけられる風の温度は、当該ホットメルトの融点を超える温度が好ましい。
そのようにすると、ホットメルト接着剤等82が溶解し、溶解した等82が透液性トップシート30や中間要素95の繊維の間に入り込んで接着する。そのため、溶解させない場合と比べて接着力を強化することができる。
また通常は、透液性トップシート30と中間要素95の間に微細な空隙が空いている。この微細な空隙が、体液が透液性トップシート30から中間要素95へ移行するのを妨げてしまう。本実施形態において、ホットメルト接着剤等82を溶解させて透液性トップシート30と中間要素95を接着すると、透液性トップシート30と中間要素95の間に微細な空隙が生じにくくなるため、透液性トップシート30から中間要素95へ体液が移行しやすくなり、吸収性能を向上させることができる。
図8および図9にエアスルー加工前後の透液性トップシート30および包被シート58の断面図を示した。
図8はエアスルー加工前の断面図であるが、透液性トップシート30および包被シート58の間に空間があることが分かる。図9はエアスルー加工後の断面図であるが、透液性トップシート30および包被シート58の間に空間が無くなっていることが分かる。そして、透液性トップシート30および包被シート58の嵩が高くなっており、繊維密度が透液性トップシート30から包被シート58へかけて逓増していることが分かる。
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに利用可能なものである。
11…液不透過性シート、12…外装シート、30…透液性トップシート、40…セカンドシート、56…吸収体、58…包被シート、60…立体ギャザー、62…立体ギャザーシート、70…背側伸縮シート、12T…ターゲットシート、80…平面ギャザー、82…ホットメルト接着剤等、94…カッター装置、95…中間要素、100…積繊ドラム

Claims (2)

  1. 肌当接面に設けた、不織布からなる透液性トップシートと、
    前記透液性トップシートの裏面側に配置され、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部まで延在するように設けた吸収体と、
    前記透液性トップシートの裏面と前記吸収体の表面に臨んで設けられた、不織布からなる中間要素と、
    を備えた使い捨ておむつの製造方法において、
    前記透液性トップシートと中間要素を重ね合わせた後、透液性トップシート側から風を吹きつけることによって、透液性トップシートと中間要素の嵩を高くするとともに、前記透液性トップシートと中間要素の繊維密度を透液性トップシートから中間要素へかけて逓増させる
    ことを特徴とする使い捨ておむつの製造方法。
  2. 少なくとも前記透液性トップシートと中間要素の間にホットメルト接着剤を塗布し、
    透液性トップシート側から風を吹きつけることによって前記ホットメルト接着剤が溶解し、
    透液性トップシートと中間要素をホットメルト接着剤によって接着する請求項1記載の使い捨ておむつの製造方法。
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