JP5747670B2 - 成形部材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、所望のパターン(線、模様等の図形)を備えた成形部材と、このような成形部材の製造方法に関する。
マイクロ〜ナノオーダーの微細パターニング技術として、マイクロコンタクトプリント法がある。マイクロコンタクトプリント法では、例えば、シリコンやニッケル、石英等の基板に凹凸構造を有するマスター版としての型部材(モールド)に、ポリジメチルシロキサン(PDMS:2液硬化性のシリコーン樹脂)等の液状材料を流し込み硬化させ、その後、モールドと硬化したPDMSとを引き離して、モールドの凹凸構造の反転パターンを有するPDMSからなるスタンプを作製する。そして、このようなスタンプの転写凸部上にインクを載せ、被加工物にインクを転写するものである。
また、マイクロ〜ナノオーダーの微細パターニング技術として、インプリント法も挙げられる。このインプリント法は、基材の表面に微細な凹凸構造を形成した型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被加工物に接触、あるいは押し付け、被加工物を硬化させた後に剥離して転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術であり、例えば、被加工物として光硬化性の樹脂を使用する光インプリント法、被加工物として熱硬化性あるいは熱可塑性の樹脂を使用する熱インプリント法が知られている。
ここで、上記のマイクロコンタクトプリント法に使用するスタンプの作製におけるモールドとスタンプの剥離、あるいは、上記のインプリント法におけるモールドと被加工物の剥離のような、モールドと成形部材との剥離に際し重要となるのは、剥離を開始するためのきっかけである。剥離の際、モールドと成形部材との界面に対し、垂直方向に力を加えてモールドと成形部材との界面を一時に剥離(垂直剥離)するよりも、斜め方向に力を加えて剥離の領域を徐々に広げる方が、剥離は容易である。さらに、垂直剥離の場合、成形部材が有するパターンへの応力が大きすぎると、パターンの破損を生じるという問題があった。一方、斜め方向に力を加えた剥離では、成形部材が有するパターンに斜め方向の力が加わった場合、パターンが倒れ破損するという問題があった。このような観点から、モールドに対して成形部材を湾曲あるいは傾斜させるようにして剥離を行うことが提案されている(特許文献1、特許文献2等)。
国際公開第2008/142958号 特開2010−234669号公報
しかし、上記の特許文献1は、一方向に沿う方向性を有する溝状のパターンを有するモールドを想定したものであり、溝状パターンの方向性に直交する方向での剥離、あるいは、複数方向の溝状のパターンを有するモールドには有効ではないという問題があった。
また、上記の特許文献2では、モールドに接触しているレジスト層(成形部材)を均質な材料で構成している。このため、斜め方向の力が加わってもパターンが倒れて破損しないような可撓性に優れた材料をレジスト層(成形部材)に用いた場合、モールドから剥離された成形部材のパターンが自立できず倒れるという問題、および、レジスト層を備えた転写用基板を湾曲するための機構が存在するので、モールドの形状、寸法に制限があるという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、高精細なパターンを備えた成形部材と、剥離性とパターンの自立性という背反する要求に応えた成形部材の製造方法とを提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の成形部材の製造方法は、モールドの凹凸構造を有する主面において該凹凸構造が位置する領域を含むように設定された第1領域に、転写材料を配設する第1配設工程と、前記第1領域の周囲に位置するようにモールドの前記主面に設定された第2領域の所望の領域に、前記転写材料と接触するように転写材料を配設する第2配設工程と、前記第1配設工程にて配設した転写材料を硬化することにより前記凹凸構造の凹部に位置するパターンと該パターンと一体化され前記モールドの主面上に位置する接合部を形成し、また、前記第2配設工程にて配設した転写材料を硬化することにより周辺部を形成する硬化工程と、前記パターンと前記接合部と前記周辺部とが一体となった成形部材と前記モールドとを引き離す離型工程と、を備え、前記凹凸構造が位置する領域の最外周部から前記第1領域の最外周部までの距離Lと、前記凹凸構造の凹部の深さdと、前記離型工程における引き離し時の前記接合部と前記モールドの主面とのなす角度θと、の間に、L≧d/tanθの関係が成立し、前記第1配設工程にて使用する転写材料と前記第2配設工程にて使用する転写材料は、前記パターンと前記接合部の弾性よりも前記周辺部の弾性を大きくすることができるものであり、前記離型工程では、前記第2領域に位置する前記周辺部に剥離力を作用させて周辺部から前記接合部方向に引き離しを進めるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記第1配設工程では、転写材料の周縁部が第1領域の中心方向に傾斜するように転写材料を配設するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記第1配設工程では、前記凹凸構造の凹部にパターン用の転写材料を配設し、その後、該パターン用の転写材料と接触するように接合部用の転写材料を配設し、前記パターン用の転写材料と前記接合部用の転写材料は、前記パターンの弾性よりも前記接合部の弾性を大きくすることができるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記第1配設工程の後、前記硬化工程にて前記パターンと前記接合部を形成し、その後、前記第2配設工程に移り、次いで、前記硬化工程にて前記周辺部を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記第1配設工程で使用する転写材料と前記第2配設工程で使用する転写材料を光硬化性の転写材料とし、前記硬化工程にて第1領域と第2領域の光照射量を調整して硬化率を変えることにより、前記パターンと前記接合部の弾性よりも前記周辺部の弾性を大きくする構成とし、また、前記第1配設工程にて使用する転写材料と前記第2配設工程にて使用する転写材料を同じものとし、前記第1配設工程と前記第2配設工程を同時に行うような構成とした。
本発明の他の態様として、前記第1配設工程では、転写材料の周縁部が第1領域の中心方向に傾斜するように転写材料を配設するような場合において、前記第1配設工程で使用する転写材料と前記第2配設工程で使用する転写材料を光硬化性の転写材料とし、前記硬化工程にて第1領域と第2領域の光照射量を調整して硬化率を変えることにより、前記パターンと前記接合部の弾性よりも前記周辺部の弾性を大きくするような構成とした。
本発明の成形部材は、接合部と、該接合部の主面上に位置するパターンと、前記接合部の前記主面と連続した同一平面をなす主面を有し、前記接合部の少なくとも周縁部に固着している周辺部と、を備え、前記パターンの弾性は前記接合部の弾性よりも小さく、前記周辺部の弾性は前記接合部の弾性よりも大きいような構成とした。
本発明の他の態様として、前記成形部材は、マイクロコンタクトプリント法に用いるスタンプであるような構成とした。
本発明の成形部材の製造方法では、離型工程にて、成形部材の中で、第2領域に位置する弾性の大きい周辺部に剥離力を作用させるので、モールドと成形部材との引き離しが確実に開始され、周辺部の弾性の大きさに応じた弾性変形を生じて周辺部から接合部方向に引き離しが進み、周辺部よりも弾性の小さい接合部では弾性変形の程度が小さくなり、モールドの凹部からパターンを垂直剥離に近い状態で引き離すことができ、パターンの倒れ、破損を防止することができ、これにより、剥離性とパターンの自立性という背反する要求に応えることができ、また、モールドと成形部材との形状、寸法の自由度が大きいものとなり、種々の用途に対応した高精細なパターンを有する成形部材の製造が可能となる。
本発明の成形部材は、パターンの弾性が接合部の弾性以下であり、周辺部の弾性が接合部の弾性よりも大きいので、周辺部に作用した外力は、周辺部で吸収されてパターンに及ぶことが防止され、また、パターンに外力が作用しても、接合部を介して周辺部に吸収されるので、パターンの変形が抑制されて精度が維持され、例えば、マイクロコンタクトプリント法におけるスタンプとして高精度のパターン形成が可能となる。
本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するためのモールドの平面図である。 本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するためのモールドの平面図である。 本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するためのモールドの平面図である。 本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するためのモールドと転写材料の状態を示す断面図である。 本発明の成形部材の製造方法の他の実施形態を説明するためのモールドと転写材料の状態を示す断面図である。 本発明の成形部材の製造方法の他の実施形態を説明するためのモールドと転写材料の状態を示す断面図である。 本発明の成形部材の製造方法の他の実施形態を説明するためのモールドと転写材料の状態を示す断面図である。 本発明の成形部材の製造方法の他の実施形態を説明するためのモールドの平面図である。 本発明の成形部材の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 本発明の成形部材の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 本発明の成形部材の一実施形態を示す断面図である。 本発明の成形部材の他の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[成形部材の製造方法]
図1〜図3は、本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するためのモールドの平面図であり、図4〜図5は、本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、図4(A)は図1のI−I線における縦断面図、図4(B)は図2のII−II線における縦断面図、図4(C)は図3のIII−III線における縦断面図である。図1〜図5を参照して本発明の成形部材の製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態は、円形の主面1aに凹凸構造2(図1では砂地模様で示している)を有するモールド1を使用する例である。尚、本発明に使用するモールドは円形のモールド1に限定されるものではなく、矩形や多角形など種々の形状のモールドを使用することが可能である。
このようなモールド1の材質は適宜選択することができるが、後述の転写材料21、転写材料22が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いて形成してもよく、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する転写材料が光硬化性ではない場合には、光透過性の材料でなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、モールド1は、主面1aに離型剤層を備えていてもよい。
モールド1の厚みは凹凸構造2の形状、基材の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。また、モールド1は、凹凸構造2を有する主面1aが、その周囲の領域に対して1段、あるいは、2段以上の凸構造となっている、いわゆるメサ構造であってもよい。
このようなモールド1において、凹凸構造2を有する主面1aに、凹凸構造2が位置する領域3を含む第1領域11と、この第1領域11の周囲に位置する第2領域12とが設定されている(図1および図4(A)参照)。
第1領域11は、後述する離型工程において、パターンの倒れ、損傷を防止する目的で設定されるものである。例えば、凹凸構造2が位置する領域3の最外周部から第1領域11の最外周部までの距離をLとし(図1および図4(A)参照)、凹凸構造2の凹部の深さをdとし、後述する離型工程における引き離し時の接合部33とモールド1の主面1aとのなす角度をθとしたときに、L≧d/tanθの関係が成立するように上記の距離Lを設定することができる。これについては後述する。
また、第2領域12は、主面1aに設定された第1領域11を除く領域であり、第1領域11を設定することにより自動的に設定される。
本発明では、第1配設工程にて、第1領域11に転写材料21を配設する(図2および図4(B)参照)。図2では、転写材料21に斜線を付して示している。図示例では、転写材料21は面21aと、その周囲の周縁部21bとを有している。転写材料21の周縁部21bは、モールド1の主面1aに対して垂直であってよく、また、図示のように、周縁部21bが第1領域11の中心方向に傾斜したテーパー形状であってもよい。周縁部21bがテーパー形状である場合、モールド1の主面1aの垂直方向からの第1領域11の中心方向への傾斜の程度は、例えば、45°以下の範囲で設定することができる。
転写材料21の厚み(モールド1の主面1aから面21aまでの厚み)は、製造する成形部材の用途、転写材料21の材質等により適宜設定することができ、例えば、100μm〜10mmの範囲で設定することができる。モールド1の主面1aの第1領域11へ転写材料21を配設する手段としては、ディスペンサ、インクジェット、スクリーン印刷等を挙げることができる。さらに、第1領域11への転写材料21の配設を、別のリソグラフィ技術、例えば、フォトリソグラフィで行うのであれば、スピンコートを用いてもよい。この場合には、スピンコートにより転写材料21を塗布し硬化させた後、露光、現像という工程を経るか、あるいは、予めモールド1の主面1aの一部にマスク材を形成し、転写材料21を塗布した後、マスク材を除去してリフトオフを実施することで、第1領域11への転写材料21の配設を行うことができる。尚、前者の場合、第1配設工程の後、後述する第2配設工程の前に、後述する硬化工程を行うことに相当する。
また、図示例では、モールド1の凹凸構造2が一様であるように示されているが、凹凸構造2が複数の異なる凹凸構造からなるものであってもよい。
次いで、第2配設工程にて、第2領域12の所望の領域に、転写材料21と接触するように転写材料22を配設する(図3および図4(C)参照)。図示例では、転写材料21の周縁部21bとの界面23の端部がモールド1の主面1aに接するように、転写材料22を配設している。尚、図3では、転写材料21に鎖斜線を付し、転写材料22には斜線を付して示している。また、図示例では、第2領域12の外周側を除く領域に転写材料22を配設しており、さらに、転写材料21上にも転写材料22を配設している。したがって、転写材料21は、モールド1の主面1aと接触している部分を除く部位が転写材料22と連続した界面23を形成しており、この界面23の端部がモールド1の主面1aと接している。転写材料21の周縁部21bと転写材料22との界面23の端部がモールド1の主面1aに接しておらず、例えば、図6に示すように、転写材料21の周縁部21bが露出するような場合、後述する離型工程において、接合部33と外周部34との分離を生じるおそれがあり好ましくない。
尚、本発明では、モールド1の主面1aの第1領域11に配設された転写材料21と、第2領域12に配設された転写材料22とが接触すればよく、上記の図示例のように、転写材料21の周縁部21bと転写材料22との界面23が明確な場合のみに限定されるものではない。例えば、転写材料21と転写材料22との接触部位で両者が融合あるいは混合しあって、界面が明確でないものであってもよく、この場合、両者が融合あるいは混合した部位の端部がモールド1の主面1aに接することになる。
また、図示例のように、第2領域12の全域ではなく、転写材料21の周縁部21bから外側方向に所望の領域までの範囲で転写材料22を配設する場合、転写材料21の周縁部21bから転写材料22の外側周端部までの距離は、後述する離型工程における周辺部34(転写材料22の硬化物)とモールド1の主面1aとの引き離しに支障が生じないような距離とすることができる。例えば、周辺部34の最外周部分に力Fを加え、その後、周辺部34の引き離しを完了し、後述する接合部33の引き離しへと移行する際には、少なくとも接合部33が剥がれるためのきっかけとなる応力を加える必要がある。この応力がモーメントであるとすると、モールド1の主面1aから周辺部34の外側周端部までの距離と、周辺部34の最外周部分に加えた力Fとの積が、接合部33が剥がれるためのきっかけとなる応力の値以上となるように、周辺部34(転写材料22の硬化物)の弾性を考慮して設定することができる。
上記の転写材料22の配設手段としては、ディスペンサ、インクジェット、スクリーン印刷等を挙げることができる。また、転写材料21の粘性が高い場合には、転写材料21が所望の領域より広がらない程度の回転数を設定してスピンコートにより転写材料22を配設することもできる。
上記の第1配設工程にて使用する転写材料21と、第2配設工程にて使用する転写材料22は、後述する硬化工程において形成されるパターン32、接合部33の弾性よりも、周辺部34の弾性を大きくすることができる材料とする。そして、このような条件を満足する転写材料21と転写材料22とを使用することにより、弾性の小さいパターン32が離型工程後に自立可能となる。
ここで、上記の弾性の大小関係は、比較対象物について同一形状の試料を作成し、これらの試料に同じ荷重を付加したときの弾性変形の大きさで判定する。この意味で、弾性が大きいこととは、荷重により大きく変形する状態を指している。
このような転写材料21と転写材料22の選択においては、パターン32、接合部33の弾性と、周辺部34の弾性とが上記のような関係となるように、転写材料21と転写材料22とをそれぞれ選択することができる。本発明では、パターン32の自立を可能とし、また、後述する離型工程での成形部材とモールドとの安定した引き離しを可能とするために、上記のような弾性の大小関係の指標として、ヤング率を使用し、パターン32、接合部33のヤング率が、周辺部34のヤング率よりも大きくなるような条件とすることができる。例えば、パターン32、接合部33では、ヤング率が10〜100MPaの範囲となり、周辺部34では、ヤング率が5〜30MPaの範囲となるように転写材料21と転写材料22とを選択することができる。
尚、ヤング率の測定は、例えば、ゴムの硬度から推定することが簡便であり、好ましい。具体的には、試験体の硬度をデュロメータにより測定し、ヤング率が既知であるゴムのデュロメータにおける硬度測定値との比較からヤング率を算出することができる。しかも、この方法であれば、仮にヤング率が既知のゴムが存在しなくても、少なくとも試験体(使用する転写材料)同士のヤング率の相対値を知ることが可能である。尚、デュロメータによる測定に供する試験体の厚みは6mm以上とする。また、デュロメータは計測対象物の硬さにより使い分ける必要があり、本発明で用いるヤング率の転写材料にはタイプAを用いることが好ましい。
また、幅W(mm)、厚さt(mm)である板状試験片を用意して両端を支持(支持部間の距離はD(mm))し、中央部に荷重P(N)をかけたときに生じたたわみh(mm)を検出し、下記の式(1)から弾性率E(MPa)を算出し、ヤング率としてもよい。
E=(1/4)×(D3/Wt3)×(P/h) … 式(1)
また、転写材料21と転写材料22として同じ転写材料を使用し、第1領域11に配設する転写材料21の厚みよりも、第2領域12に配設する転写材料22の厚みを小さくして、接合部33の弾性よりも、周辺部34の弾性を大きくするようにしてもよい。
また、熱可塑性の転写材料を使用する場合には、転写材料21のガラス転移温度(Tg)よりも、転写材料22のガラス転移温度(Tg)が低くなるように転写材料を選択することができ、後述する離型工程における転写材料21の硬化物(パターン32、接合部33)の温度よりも、転写材料22の硬化物(周辺部34)の温度を高い状態として、パターン32、接合部33の弾性と、周辺部34の弾性とが上記のような関係となるようにしてもよい。
さらに、光硬化性の転写材料を使用する場合には、後述する硬化工程において、第1領域11の光照射量と第2領域の光照射量を調整して硬化率に違いを生じさせることにより、パターン32、接合部33の弾性と、周辺部34の弾性とが上記のような関係となるようにしてもよい。このような光照射量の調整は、例えば、第1領域11と第2領域12の光透過率が異なるモールドを使用すること、光源からの光の面内に照度分布差をつけること等により行うことができる。尚、転写材料21と転写材料22として同じ転写材料を使用する場合、上記の第1配設工程と第2配設工程とを同時に行ってもよい。
また、離型工程後におけるパターン32の自立には、パターン32の弾性の他にも、パターン32のアスペクト比(パターン幅Wに対するパターン高さHの比(H/W))、塑性、および、後述する接合部33(転写材料21の硬化物)の塑性、厚みが影響するので、これらを考慮して転写材料21を選択することができる。また、本実施形態のように、転写材料21上にも転写材料22を配設している場合、後述の成形部材31では、周辺部34(転写材料22の硬化物)が接合部33を介して間接的にパターン32の自立に影響を与えるので、周辺部34の塑性、弾性(剛性)、厚みを考慮して、パターン32の自立を補助するように転写材料22を選択することができる。
次いで、硬化工程にて、転写材料21および転写材料22を硬化する。すなわち、転写材料21を硬化することにより、凹凸構造2の凹部に位置するパターン32と、パターン32と一体化されモールド1の主面1a上に位置する接合部33とを形成する。また、転写材料22を硬化することにより、周辺部34を形成する(図4(D)参照)。転写材料21および転写材料22の硬化は、転写材料21および転写材料22が光硬化性であり、モールド1がこれらを硬化させるための照射光を透過可能である場合には、モールド1側から光照射することができる。また、転写材料21および転写材料22が熱硬化性、あるいは、熱可塑性である場合には、それぞれ転写材料21および転写材料22に対して加熱処理、あるいは、冷却(放冷)処理を施すことができる。
次に、離型工程にて、パターン32と接合部33と周辺部34とが一体となった成形部材31とモールド1とを引き離す。この離型工程では、第2領域12に位置する周辺部34に剥離力を作用させて周辺部34から接合部33方向に引き離しを進める(図5(A)参照)。このように、弾性の大きい成形部材の周辺部34に剥離力を作用させるので、モールド1と成形部材31(周辺部34)との引き離しが確実に開始され、周辺部34の弾性の大きさに応じた弾性変形を生じて第2領域12から第1領域11方向に引き離しが進むことになる。周辺部34に剥離力を作用させる手段としては、先端に吸引吸着機構を備えた部材による引っ張り、先端に粘着性あるいは接着性を有する材料を備えた部材による引っ張り等が挙げられる。また、周辺部34が導電性を有している場合には、静電引力や磁力による引っ張り等も使用することができる。さらに、楔等によって周辺部34とモールド1の主面1aとの間に強制的に空隙を形成し、この空隙部位から周辺部34を持ち上げることによって引っ張りを実施してもよい。
成形部材31とモールド1との引き離しが更に進むと、接合部33の引き離しが開始され、接合部33の弾性の大きさに応じた弾性変形を生じて引き離しが進むことになる(図5(B)参照)。第2領域12に位置する周辺部34の引き離しから、第1領域11に位置する接合部33への引き離しへの移行では、周辺部34と接合部33との界面がモールド1の主面1aに接した状態であり、モールド1の主面1aに接する周辺部34の表面と接合部33の表面とが段差のない一つの面となっているので、周辺部34と接合部33の界面への応力集中が抑制され、界面剥離が防止される。また、上記のように、転写材料21の周縁部21bを第1領域11の中心方向に傾斜したものとすることにより、接合部33の周縁部33bが第1領域11の中心方向に傾斜したものとなり、周辺部34と接合部33の界面への応力集中を更に抑制することができる。そして、第1領域11に位置する接合部33の引き離しを経て、凹凸構造2が位置する領域3に引き離しが進み、パターン32がモールド1の凹凸構造2の凹部から引き離される。
ここで、図5(A)に示されるように、第2領域12における周辺部34とモールド1との界面の点P1まで引き離しが進み、点P1より外側のモールド1の主面1aの点P2から周辺部34の表面の点P3までの距離が、モールド1の凹凸構造2の凹部深さdに相当するときの角P213の大きさを、図示のようにθ1とする。また、図5(B)に示されるように、凹凸構造2が位置する領域3における接合部33とモールド1との界面の点P4まで引き離しが進み、点P4より外側のモールド1の主面1aの点P5から接合部33の表面の点P6までの距離が、モールド1の凹凸構造2の凹部深さdに相当するときの角P546の大きさを、図示のようにθとする。上述のように、接合部33の弾性は、周辺部34の弾性よりも小さいので、接合部33の弾性の大きさに応じた弾性変形は、周辺部34の弾性の大きさに応じた弾性変形よりも小さいものとなる。したがって、θ<θ1の関係となり、モールド1の凹凸構造2の凹部からパターン32を垂直剥離に近い状態で引き離すことができ、パターン32の倒れ、破損を防止することができる。
尚、接合部33の弾性と周辺部34の弾性との差が大きすぎると、周辺部34と接合部33の界面への応力集中による界面剥離を生じるおそれがある。このため、例えば、上記のθ1(角P213)とθ(角P546)との差が3°〜60°の範囲、好ましくは10°〜45°の範囲となるように転写材料21と転写材料22を選択することが望ましい。
また、モールド1の凹凸構造2の凹部からのパターン32の引き離しに際して、接合部33からパターン32を分離しようとする応力が作用する。例えば、モールド1の凹凸構造2の凹部の面積をSA、この凹部とパターン32との密着強度をPMAとし、一方、パターン32と接合部33との境界部の面積をSB、この境界部におけるパターン32と接合部33との接合強度をPMBとすると、接合部33からパターン32が分離されることなく凹凸構造2の凹部からパターン32を引き離すための条件は、PMB×SB>PMA×SAの関係が成立することとなる。このため、形成目的のパターン32のアスペクト比、幅、高さを考慮して、転写材料21を選択することが望ましい。
そして、上記のようなモールド1の凹凸構造2が位置する領域3の引き離しを経て、第1領域11に位置する接合部33の引き離しへと進む(図5(C)参照)。ここで、パターン32がモールド1の凹凸構造2の凹部から全て抜けきるときを想定する。すなわち、接合部33とモールド1との界面の点P7まで引き離しが進み、凹凸構造2が位置する領域3の最外周部である主面1aの点P8から接合部33の点P9までの距離が、モールド1の凹凸構造2の凹部深さdに相当するときの角P879の大きさを図示のようにθとする。このとき、tanθ=d/距離P78となり、距離P78=d/tanθとなる。そして、パターン32がモールド1の凹凸構造2の凹部から全て抜けきるまでは、同じ引き離し状態、すなわち、周辺部34の引き離しに至ることなく、接合部33がモールド1から引き離される状態(垂直剥離に近い状態)が維持されることが好ましい。したがって、凹凸構造2が位置する領域3の最外周部から第1領域11の最外周部(接合部33の最外周部)までの距離をLとすると、距離L≧距離P78の関係、すなわち、L≧d/tanθの関係が成立することが好ましい。このような距離Lは、接合部33の弾性、厚み、モールド1と接合部33との密着性等を考慮して上記の角度θを設定することにより決定することができる。このように、接合部33がモールド1から引き離される状態を垂直剥離に近い状態とし、パターン32の倒れ、破損を防止するためには、上記の角度θを30°以下、好ましくは3°〜15°の範囲で設定することが望ましい。
尚、凹凸構造2の凹部の深さが一定ではない場合、上記の凹部深さdは、パターン32がモールド1の凹凸構造2の複数の凹部から全て抜けきるときの対象となる最後の凹部の深さとする。例えば、引き離し方向において最も外側に位置し、最後にパターン32の引き離しが開始される凹部が浅く、これよりも引き離し方向において内側の近傍に位置し、既にパターン32の引き離しが開始されている凹部が深い状況において、パターン32がモールド1の凹凸構造2の凹部から全て抜けきるときの対象となる最後の凹部が、前者(浅い凹部)である場合には、この凹部の深さを上記の凹部深さdとし、対象となる最後の凹部が後者(深い凹部)である場合には、この凹部の深さを上記の凹部深さdとする。
このような本発明の成形部材の製造方法では、離型工程にて、成形部材31の中で、第2領域12に位置する弾性の大きい周辺部34に剥離力を作用させるので、モールド1と成形部材31との引き離しが確実に開始される。その後、周辺部34の弾性の大きさに応じた弾性変形を生じて周辺部34から接合部33方向に引き離しが進む。そして、周辺部34よりも弾性の小さい接合部33の引き離しでは、弾性変形の程度が小さくなり、モールド1の凹凸構造2の凹部からパターン32を垂直剥離に近い状態で引き離すことができ、パターンの倒れ、破損を防止することができる。
上述の実施形態において、転写材料21と転写材料22として、硬化させる手段が異なる材料を用いてもよい。例えば、転写材料21に光硬化性材料、転写材料22に熱硬化性材料を用いてもよく、また、その逆の組み合わせであってもよい。これらの場合には、必要に応じて、モールドや硬化条件、モールドからの成形部材の引き離し時の条件を適宜設定することができる。
更に、上述の実施形態では、使用するモールドの形状、寸法等に特に制限はない。また、第2配設工程について、例えば、図7に示されるように、第2領域12の全領域に転写材料22を配設し、さらに、転写材料21の面21a上にも転写材料22を配設してもよい。また、図8に示されるように、第2配設工程において、第2領域12のみに転写材料22を配設し、転写材料21の面21a上には転写材料22を配設せず、第2領域12に配設された転写材料22は、転写材料21の周縁部21bを全て被覆するように接触するものであってもよい。また、図9に示されるように、第2配設工程において、第2領域12のみに転写材料22を配設し、転写材料21の面21a上には転写材料22を配設せず、転写材料21と転写材料22との界面23の端部がモールド1の主面1aと接しているものの、転写材料21の周縁部21bの一部が露出するものであってもよい。さらに、図10に示すように、離型工程における引き離しを矢印で示す方向に行うことを前提に、第2配設工程において、第2領域12のうち転写材料21を介して引き離し方向の両側に相当する領域に転写材料22を配設してもよい。尚、図10では、転写材料21に鎖斜線を付し、転写材料22には斜線を付して示している。
図11〜図12は、本発明の成形部材の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図である。この実施形態は、第1配設工程が異なる他は、上述の実施形態と同様である。
本実施形態では、上述の実施形態と同様に、モールド1において、凹凸構造2を有する主面1aに、凹凸構造2が位置する領域3を含む第1領域11と、この第1領域11の周囲に位置する第2領域12とが設定されている(図11(A)参照)。また、凹凸構造2が位置する領域3の最外周部から第1領域11の最外周部までの距離をLとし、凹凸構造2の凹部の深さをdとし、後述する離型工程における引き離し時の接合部63とモールド1の主面1aとのなす角度をθとしたときに、L≧d/tanθの関係が成立するように上記の距離Lを設定することができることも、上述の実施形態と同様である。
本実施形態の第1配設工程では、使用する転写材料が硬化物の弾性が異なる複数種の転写材料からなり、まず、パターン用の転写材料51を凹凸構造2の凹部内に配設する(図11(B)参照)。
尚、図示例では、モールド1の凹凸構造2が一様であるように示されているが、凹凸構造2が複数の異なる凹凸構造からなるものであってもよい。この場合、各凹凸構造に適した複数種の転写材料51を使用してもよく、また、同じ転写材料51を使用してもよく、適宜に設計することができる。
凹凸構造2の凹部内へのパターン用の転写材料51の供給手段としては、例えば、インクジェット、ディスペンサ、スクリーン印刷等を挙げることができ、凹部の大きさや、転写材料51の充填量に応じて適宜選択することができる。また、凹凸構造2の凹部と転写材料51との濡れ性が良好である場合には、モールド1と転写材料51とを接触させることで、毛細管現象により凹部に転写材料51を配設することも可能である。また、凹部以外にも転写材料51を供給し、その後、不要な転写材料51を削除する方法も用いることができる。例えば、ドライエッチングや化学機械研磨(CMP)等の方法によりモールド1上の不要な転写材料を一様かつ同時に除去してもよく、また、スクレイパーを用いてモールド1上の不要な転写材料をこそぎ落としてもよい。
次に、第1領域11に、パターン用の転写材料51と接触するように、接合部用の転写材料52を配設する(図11(C)参照)。図示例では、接合部用の転写材料52は面52aと、その周囲の周縁部52bとを有している。接合部用の転写材料52の周縁部52bは、モールド1の主面1aに対して垂直であってよく、また、図示のように、周縁部52bが第1領域11の中心方向に傾斜したテーパー形状であってもよい。周縁部52bがテーパー形状である場合、モールド1の主面1aの垂直方向からの第1領域11の中心方向への傾斜の程度は、例えば、45°以下の範囲で設定することができる。
接合部用の転写材料52の厚み(モールド1の主面1aから面52aまでの厚み)は、製造する成形部材の用途、接合部用の転写材料52の材質等により適宜設定することができ、例えば、100μm〜10mmの範囲で設定することができる。モールド1の主面1aの第1領域11へ接合部用の転写材料52を配設する手段としては、ディスペンサ、インクジェット、スクリーン印刷等を挙げることができる。さらに、第1領域11への転写材料21の配設を、別のリソグラフィ技術、例えば、フォトリソグラフィで行うのであれば、スピンコートを用いてもよい。この場合には、スピンコートにより塗布し硬化させた後、露光、現像という工程を経るか、あるいは、予めモールド1の主面1aの一部にマスク材を形成し、転写材料21を塗布した後、マスク材を除去してリフトオフを実施することで、第1領域11への転写材料21の配設を行うことができる。尚、前者の場合、第1配設工程の後、後述する第2配設工程の前に、後述する硬化工程を行うことに相当する。
次いで、第2配設工程にて、第2領域12の所望の領域に、接合部用の転写材料52と接触するように転写材料53を配設する(図11(D)参照)。図示例では、接合部用の転写材料52の周縁部52bと転写材料53との界面54の端部がモールド1の主面1aに接するように、転写材料53を配設する(図11(D)参照)。図示例では、第2領域12の外周側を除く領域に転写材料53を配設しており、さらに、接合部用の転写材料52上にも転写材料53を配設している。このような転写材料53の配設は、上述の実施形態の第2配設工程における転写材料22の配設と同様とすることができる。
上記の第1配設工程にて使用するパターン用の転写材料51と接合部用の転写材料52は、後工程において形成されるパターン62の弾性よりも接合部63の弾性を大きくすることができる材料とする。また、第1配設工程にて使用する転写材料51、転写材料52と第2配設工程にて使用する転写材料53は、後工程において形成されるパターン62、接合部63の弾性よりも、周辺部64の弾性を大きくすることができる材料とする。そして、このような条件を満足する転写材料51、転写材料52および転写材料53を使用することにより、弾性の小さいパターン62が離型工程後に自立可能となる。
ここで、転写材料の硬化物とは、転写材料が光硬化性、熱硬化性である場合には、それぞれ硬化処理を施したものであり、転写材料が熱可塑性である場合には、冷却(放冷)処理を施したものであり、転写材料の硬化物の弾性の大小関係の判定は、上述の実施形態と同様である。
上記のパターン用の転写材料51、接合部用の転写材料52、および、転写材料53の選択においては、弾性が上記のような関係となるように、異なる転写材料から選択することができる。本発明では、パターン62の自立を可能とし、また、後述する離型工程での成形部材とモールドとの安定した引き離しを可能とするために、上記のような弾性の大小関係の指標として、ヤング率を使用し、パターン62、接合部63のヤング率が、周辺部64のヤング率よりも大きくなるような条件とすることができる。例えば、パターン62では、ヤング率が10〜100MPaの範囲となり、接合部63では、ヤング率が10〜30MPaの範囲となり、周辺部64では、ヤング率が5〜30MPaの範囲となるようにパターン用の転写材料51、接合部用の転写材料52、および、転写材料53とを選択することができる。尚、ヤング率の測定は、上述の実施形態と同様である。
また、接合部用の転写材料52と第2配設工程で使用する転写材料53を同じ転写材料とし、第1領域11に配設する接合部用の転写材料52の厚みよりも、第2領域12に配設する転写材料53の厚みを小さくして、接合部63の弾性よりも、周辺部64の弾性を大きくするようにしてもよい。
また、熱可塑性の転写材料を使用する場合には、ガラス転移温度(Tg)がパターン用の転写材料51、接合部用の転写材料52、転写材料53の順に低くなるように転写材料を選択することができ、また、後述する離型工程において転写材料51,52の硬化物の温度よりも、転写材料53の硬化物の温度を高い状態として、硬化物の弾性が上記のような関係となるようにしてもよい。
さらに、光硬化性の転写基材を使用する場合には、接合部用の転写材料52と転写材料53として同じ転写材料を使用し、後述する硬化工程において、第1領域11の光照射量と第2領域の光照射量を調整して硬化率に違いを生じさせることにより、硬化物の弾性が上記のような関係となるようにしてもよい。このような光照射量の調整は、例えば、第1領域11と第2領域12の光透過率が異なるモールドを使用すること、光源からの光の面内に照度分布差をつけること等により行うことができる。
また、離型工程後におけるパターン62の自立については、上述の実施形態での離型工程後におけるパターン32の自立と同様である。すなわち、パターン62(パターン用の転写材料51の硬化物)の弾性の他にも、パターン62のアスペクト比(パターン幅Wに対するパターン高さHの比(H/W))、塑性、および、後述する接合部63(接合部用の転写材料52の硬化物)の塑性、弾性(剛性)、厚みが影響するので、これらを考慮してパターン用の転写材料51および接合部用の転写材料52を選択することができる。また、本実施形態のように、接合部用の転写材料52上にも転写材料53を配設している場合、後述の成形部材61では、周辺部64(転写材料53の硬化物)が接合部63を介して間接的にパターン62の自立に影響を与えるので、周辺部64の塑性、弾性(剛性)、厚みを考慮し、パターン62の自立を補助するように転写材料53を選択することができる。
次いで、硬化工程にて、パターン用の転写材料51、接合部用の転写材料52、および、転写材料53を硬化する。すなわち、パターン用の転写材料51の硬化物であり凹凸構造2の凹部に位置するパターン62と、接合部用の転写材料52の硬化物でありパターン62と一体化されモールド1の主面1a上に位置する接合部63と、転写材料53の硬化物であり接合部63と一体化された周辺部64とを形成する(図11(E)参照)。パターン用の転写材料51、接合部用の転写材料52および転写材料53の硬化は、これらの転写材料が光硬化性であり、モールド1がこれらを硬化させるための照射光を透過可能である場合には、モールド1側から光照射することができる。また、これらの転写材料が熱硬化性、あるいは、熱可塑性である場合には、加熱処理、あるいは、冷却(放冷)処理を施すことができる。
次に、離型工程にて、パターン62と接合部63と周辺部64とが一体となった成形部材61とモールド1とを引き離す。この離型工程は、上述の実施形態の剥離工程と同様であり、第2領域12に位置する周辺部64に剥離力を作用させ、周辺部64から接合部63方向に引き離しを進める(図12(A)参照)。このように、弾性の大きい成形部材の周辺部64に剥離力を作用させるので、モールド1と成形部材61(周辺部64)との引き離しが確実に開始され、周辺部64の弾性の大きさに応じた弾性変形を生じて第2領域12から第1領域11方向に引き離しが進むことになる。周辺部64に剥離力を作用させる手段としては、上述の実施形態で挙げたものと同様のものが挙げられる。
成形部材61とモールド1との引き離しが更に進むと、接合部63の引き離しが開始され、接合部63の弾性の大きさに応じた弾性変形を生じて引き離しが進むことになる(図12(B)参照)。第2領域12に位置する周辺部64の引き離しから、第1領域11に位置する接合部63への引き離しへの移行では、周辺部64と接合部63との界面がモールド1の主面1aに接した状態であり、モールド1の主面1aに接する周辺部64の表面と接合部63の表面とが段差のない一つの面となっているので、周辺部64と接合部63の界面への応力集中が抑制され、界面剥離が防止される。また、上記のように、転写材料52の周縁部52bを第1領域11の中心方向に傾斜したものとすることにより、接合部63の周縁部63bが第1領域11の中心方向に傾斜したものとなり、周辺部64と接合部63の界面への応力集中を更に抑制することができる。そして、第1領域11に位置する接合部63の引き離しを経て、凹凸構造2が位置する領域3に引き離しが進み、パターン62がモールド1の凹凸構造2の凹部から引き離される。
ここで、図12(A)に示されるように、第2領域12における周辺部64とモールド1との界面の点P1まで引き離しが進み、点P1より外側のモールド1の主面1aの点P2から周辺部64の表面の点P3までの距離が、モールド1の凹凸構造2の凹部深さdに相当するときの角P213の大きさを図示のようにθ1とする。また、図12(B)に示されるように、凹凸構造2が位置する領域3における接合部63とモールド1との界面の点P4まで引き離しが進み、点P4より外側のモールド1の主面1aの点P5から接合部63の表面の点P6までの距離が、モールド1の凹凸構造2の凹部深さdに相当するときの角P546の大きさを図示のようにθとする。上述のように、接合部63の弾性は、周辺部64の弾性よりも小さいので、接合部63の弾性の大きさに応じた弾性変形は、周辺部64の弾性の大きさに応じた弾性変形よりも小さいものとなる。したがって、θ<θ1の関係となり、モールド1の凹凸構造2の凹部からパターン62を垂直剥離に近い状態で引き離すことができ、パターン62の倒れ、破損を防止することができる。
尚、接合部63の弾性と周辺部64の硬化物の弾性との差が大きすぎると、周辺部64と接合部63の界面への応力集中による界面剥離を生じるおそれがある。このため、例えば、上記のθ1(角P213)とθ(角P546)との差が3°〜60°の範囲、好ましくは10°〜45°の範囲となるように接合部用の転写材料52と転写材料53を選択することが望ましい。
また、モールド1の凹凸構造2の凹部からのパターン62の引き離しに際して、接合部63からパターン62を分離しようとする応力が作用する。例えば、モールド1の凹凸構造2の凹部の面積をSA、この凹部とパターン62との密着強度をPMAとし、一方、パターン62と接合部63との境界部の面積をSB、この境界部におけるパターン62と接合部63との接合強度をPMBとすると、接合部63からパターン62が界面剥離されることなく凹凸構造2の凹部からパターン62を引き離すための条件は、PMB×SB>PMA×SAの関係が成立することとなる。このため、形成目的のパターン62のアスペクト比、幅、高さを考慮して、パターン用の転写材料51および接合部用の転写材料52を選択することが望ましい。
そして、上記のようなモールド1の凹凸構造2が位置する領域3の引き離しを経て、第1領域11に位置する接合部63の引き離しへと進む(図12(C)参照)。ここで、パターン62がモールド1の凹凸構造2の凹部から全て抜けきるときを想定する。すなわち、接合部63とモールド1との界面の点P7まで引き離しが進み、凹凸構造2が位置する領域3の最外周部である主面1aの点P8から接合部63の点P9までの距離が、モールド1の凹凸構造2の凹部深さdに相当するときの角P879の大きさを図示のようにθとする。このとき、tanθ=d/距離P78となり、距離P78=d/tanθとなる。そして、パターン62がモールド1の凹凸構造2の凹部から全て抜けきるまでは、同じ引き離し状態、すなわち、周辺部64の引き離しに至ることなく、接合部63がモールド1から引き離される状態(垂直剥離に近い状態)が維持されることが好ましい。したがって、凹凸構造2が位置する領域3の最外周部から第1領域11の最外周部(接合部63の最外周部)までの距離をLとすると、距離L≧距離P78の関係、すなわち、L≧d/tanθの関係が成立することが好ましい。このような距離Lは、接合部63の弾性、厚み、モールド1と接合部63との密着性等を考慮して上記の角度θを設定することにより決定することができる。このように、接合部63がモールド1から引き離される状態を垂直剥離に近い状態とし、パターン62の倒れ、破損を防止するためには、上記の角度θを30°以下、好ましくは3°〜15°の範囲で設定することが望ましい。
尚、凹凸構造2の凹部の深さが一定ではない場合、上記の凹部深さdは、上述の実施形態と同様に設定することができる。
このような本発明の成形部材の製造方法では、離型工程にて、成形部材61の中で、第2領域12に位置する弾性の大きい周辺部64に剥離力を作用させるので、モールド1と成形部材61との引き離しが確実に開始される。その後、周辺部64の弾性の大きさに応じた弾性変形を生じて周辺部64から接合部63方向に引き離しが進む。そして、周辺部64よりも弾性の小さい接合部63の引き離しでは、弾性変形の程度が小さくなり、モールド1の凹凸構造2の凹部からパターン62を垂直剥離に近い状態で引き離すことができ、パターンの倒れ、破損を防止することができる。
上述の実施形態において、転写材料51、転写材料52、転写材料53として、硬化させる手段が異なる材料を用いてもよい。例えば、転写材料51と転写材料52に光硬化性材料を用い、転写材料53に熱硬化性材料を用いてもよく、また、その逆の組み合わせであってもよい。これらの場合には、必要に応じて、モールドや硬化条件、モールドからの成形部材の引き離し時の条件を適宜設定することができる。
さらに、上述の実施形態では、使用するモールドの形状、寸法等に特に制限はない。また、接合部用の転写材料52と転写材料53について、上述の実施形態の転写材料21と転写材料22について図7〜図10に例示したような態様とすることも可能である。
上述の成形部材の製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、第1配設工程の後、第2配設工程の前に、硬化工程を入れて、転写材料22,51,52の硬化物でありモールド1の凹凸構造2の凹部に位置するパターン32,62と、このパターン32,62と一体化されモールド1の主面1a上に位置する接合部33,63を形成し、その後、第2配設工程に移り、次いで、転写材料22,53の硬化物である周辺部34,64を形成するようにしてもよい。
[成形部材]
図13は、本発明の成形部材の一実施形態を示す断面図である。図13において、成形部材101は、接合部103と、この接合部103の主面103a上に位置するパターン102と、接合部103の主面103aと連続した同一平面をなす主面104aを有し、かつ、接合部103の他の主面103bおよび周縁部103cに固着している周辺部104と、を備えている。また、パターン102の弾性は接合部103の弾性以下であり、周辺部104の弾性は接合部103の弾性よりも大きいものとなっている。尚、上記のパターン102、接合部103および周辺部104の弾性の大小関係は、比較対象物について同一形状の試料を作成し、これらの試料に同じ荷重を付加したときの弾性変形の大きさで判定する。
本発明の成形部材101を構成するパターン102は樹脂材料からなり、光硬化性あるいは熱硬化性の樹脂組成物を成型し硬化させたもの、または、熱可塑性の樹脂組成物を成型した後に冷却(放冷)したものである。パターン102は、自立可能であることが必要であり、このため、パターン102を構成する樹脂材料は、パターン102のアスペクト比(パターン幅Wに対するパターン高さHの比(H/W))と、硬化後の塑性、弾性(剛性)を考慮して選択することが望ましい。このようなパターン102は、成形部材の使用目的に応じて適宜設計することができ、例えば、パターン幅Wが50nm以上、パターン高さHが20nm以上であり、アスペクト比(H/W)が0.4〜3の範囲で適宜設計することができる。
本発明の成形部材101を構成する接合部103も樹脂材料からなり、光硬化性あるいは熱硬化性の樹脂組成物を成型して硬化させたもの、または、熱可塑性の樹脂組成物を成型した後に冷却(放冷)したものである。そして、接合部103の弾性がパターン102の弾性よりも大きい場合、接合部103はパターン102の重さによりたわみを生じないことが必要であり、パターン102の支持が可能となるように塑性、弾性(剛性)を考慮して、接合部103を構成する樹脂材料を選択し、また、接合部103の厚みを設定することが望ましい。また、本発明では、接合部103がパターン102と同一の樹脂材料からなるものであってもよい。
本発明の成形部材101を構成する周辺部104も樹脂材料からなり、光硬化性あるいは熱硬化性の樹脂組成物を成型して硬化させたもの、または、熱可塑性の樹脂組成物を成型した後に冷却(放冷)したものである。図示例のように、パターン102が位置していない接合部103の主面103b上にも周辺部104が位置している場合、周辺部104が接合部103を介して間接的にパターン102の自立に影響を与えるので、塑性、弾性(剛性)を考慮して、周辺部104を構成する樹脂材料を選択することが望ましい。
図14は、本発明の成形部材の他の実施形態を示す断面図である。図14において、成形部材111は、接合部113と、この接合部113の主面113a上に位置するパターン112と、接合部103の主面113aと連続した同一平面をなす主面114aを有し、かつ、接合部113の周縁部113cに固着している周辺部114と、を備えている。この成形部材111では、パターン112と接合部113は同一の樹脂材料からなり、パターン112の弾性と接合部113の弾性は同じであり、周辺部114の弾性は接合部113の弾性よりも大きいものとなっている。尚、上記のパターン112、接合部113および周辺部114の弾性の大小関係は、比較対象物について同一形状の試料を作成し、これらの試料に同じ荷重を付加したときの弾性変形の大きさで判定する。
本発明の成形部材111を構成するパターン112、接合部113は、上述の成形部材101を構成するパターン102、接合部103と同様とすることができる。
本発明の成形部材111を構成する周辺部114は、接合部113の周縁部113cに固着しており、パターン112が位置していない接合部113の主面113b上には位置しておらず、接合部113の主面113bは露出したものとなっている。このような周辺部114は、上述の成形部材101を構成する周辺部104と同様に、樹脂材料からなっている。
このような成形部材101,111は、上述したような本発明の成形部材の製造方法によって製造することができる。
このような本発明の成形部材101,111は、パターン102,112の弾性が接合部103,113の弾性以下であり、周辺部104,114の弾性が接合部103,113の弾性よりも大きいので、周辺部104,114に作用した外力は、周辺部104,114で吸収されてパターン102,112に及ぶことが防止される。また、パターン102,112に外力が作用しても、接合部103,113を介して周辺部104,114に吸収されるので、自立可能なパターン102,112の変形が抑制されて精度が維持される。したがって、例えば、マイクロコンタクトプリント法におけるスタンプとして高精度のパターン形成が可能となる。
上述の成形部材の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の成形部材111において、パターン112と接合部113を異なる樹脂材料で構成してもよい。また、上述の成形部材111では、接合部113の主面113aと周辺部114の主面114aが同一平面をなしていればよく、したがって、接合部113の周縁部113cの一部が露出する(周辺部114が接合部113よりも薄い)ものであってもよい。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
<モールド(マスター版)の作製>
Cr薄膜(厚み100nm)付きの石英ガラス基板(6025:152.4mm角、厚み6.35mm)を準備し、この石英ガラス基板のCr薄膜上に化学増幅型ポジレジスト(富士フイルム(株)製 FEP−171)をスピンコート法で塗布し、130℃で5分間乾燥させた。次に、化学増幅型ポジレジストに対して日本電子(株)製 JBX3040を使用して電子線露光を行い、露光後の加熱処理(PEB(135℃、5分間))、現像を行って、1辺500nmの正三角形の各頂点に位置するように直径250nmの開口部が三角格子配置されたレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとしてCrをドライエッチングし、その後、レジストパターンを剥離してハードマスクを形成した。
次に、このハードマスクを介して石英ガラス基板をドライエッチングし、その後、ハードマスクを除去して、上記の三角格子配置された開口部に対応した凹部(直径250nm、深さ250nm)を石英ガラス基板の中央部の直径20mmの円形領域に備えたモールド(マスター版)を作製した。
<成形部材(スタンプ)の作製>
上記のように作製したモールド(マスター版)の凹凸構造が位置する領域(直径20mm)と同心円の外周を有する領域(直径50mm)を第1領域として設定し、この第1領域の周囲に、第1領域と同心円の外周を有する領域(直径150mm)を第2領域として設定した。したがって、凹凸構造が位置する領域(直径20mm)の最外周部から第1領域の最外周部までの距離L(図1および図4(A)参照)は、15mmとなった。
次に、第1配設工程にて、転写材料としてPDMS(信越化学工業(株)製 X−32−3094−2)を、ディスペンサを用いて第1領域に配設した。その後、この転写材料を硬化(硬化条件:150℃、30分間加熱)させた。これにより、モールドの凹凸構造の凹部に位置するパターンと、このパターンと一体化されモールドの主面上に位置する接合部を形成した。形成した接合部は、モールドの主面上に位置する部位の厚みが1mmであり、周縁部はモールドの主面の垂直方向よりも接合部の中心方向に30°傾斜したものであった。
次いで、第2配設工程にて、転写材料としてPDMS(信越化学工業(株)製 KE−106)を、ディスペンサを用いて第2領域の全域と上記の接合部を被覆するように配設した。その後、この転写材料を硬化(硬化条件:150℃、30分間加熱)させた。これにより、周辺部を形成した。
尚、上記のように形成したパターン、接合部と、上記のように形成した周辺部について、それぞれ厚み10mmの同一形状で試験体を作成し、デュロメータ(タイプA)にて硬度を測定し、ヤング率が既知のゴムのデュロメータAによる硬度測定値との比較からヤング率を算出し、このヤング率の相対比較により弾性を判定した。その結果、パターン、接合部の弾性よりも周辺部の弾性が大きい(ヤング率が小さい)ことを確認した。
また、上記のように形成したパターン、接合部と、上記のように形成した周辺部について、下記の曲げ試験によって別途にヤング率を測定した。その結果、パターン、接合部のヤング率は52MPaであり、周辺部のヤング率は20MPaであった。
(ヤング率の測定条件)
幅W(mm)、厚さt(mm)である板状試験片を用意して両端を支持(支持部
間の距離はD(mm))し、中央部に荷重P(N)をかけたときに生じたたわみ
h(mm)を三次元形状測定器(三鷹光器(株)製 NH−4N)にて検出し、
下記の式(1)から弾性率E(MPa)を算出し、ヤング率とする。
E=(1/4)×(D3/Wt3)×(P/h) … 式(1)
次いで、パターン、接合部および周辺部が一体となった成形部材の周辺部を把持して、周辺部から接合部方向に、モールド(マスター版)からの引き離しを開始した。この引き離しでは、モールド(マスター版)は剥離の際にかかる応力により変形が起こらないよう、裏面全体を真空吸着により保持した。また、引き離しにおけるモールド(マスター版)の主面に対する周辺部の角度(図5(A)におけるθ1に相当し、d=0.25μm)は20°であった。
上記のような周辺部からのモールドとの引き離しが更に進むと、接合部の引き離しに移行した。この引き離しにおけるモールド(マスター版)の主面に対する接合部の角度(図5(B)におけるθに相当し、d=0.25μm)は45°であった。そして、この角度θにおけるd/tanθは0.25μmであり、上記の凹凸構造が位置する領域の最外周部から第1領域の最外周部までの距離L(15mm)との関係(L≧d/tanθ)を満足するものであることが確認された。
モールドからの接合部の引き離しは、パターンがモールドの凹凸構造の凹部から全て抜けきるまで上記の角度45°で進行し、その後、周辺部の引き離しに進み、モールドからの引き離しが完了して、パターン、接合部および周辺部が一体となった成形部材(スタンプ)が得られた。
上記のような工程で100個の成形部材(スタンプ)を作製し、各成形部材のパターンを光学顕微鏡で観察した結果、モールド(マスター版)の反転パターン(直径250nmの円柱形状の凸部が三角格子配置されたパターン)であり、パターンに破損はなく、また、たわみもなく、良好な自立状態であることが確認された。
<マイクロコンタクトプリント>
上記のように作製した本発明の成形部材(スタンプ)を用いてマイクロコンタクトプリントを行った。すなわち、作製したスタンプに、パターン形成用のインク(Agナノインキ)をスピンコート法で塗布して、転写凸部の頂部平面上にインクを載せた。その後、23℃、1分間の条件でインクを半乾燥状態とした。
次いで、被加工物であるシリコン基板上にインクを接触させた後、スタンプを剥離して、シリコン基板上にインクパターンを転写し、180℃、30分間の乾燥を行ってドット状のパターンを形成した。
形成したドット状のパターンを光学顕微鏡で観察した結果、直径が240〜260nmでありバラツキが極めて小さく、スタンプのパターン(円柱形状の凸部)の再現性に優れており、高い精度でパターンが形成されていることが確認された。
[比較例1]
成形部材(スタンプ)の作製において、第1配設工程にて使用する転写材料として、第2配設工程にて使用した転写材料と同じ転写材料を使用した他は、実施例1と同様にして、100個の成形部材(スタンプ)を作製した。
このように作製された各成形部材のパターンを光学顕微鏡で観察した結果、モールド(マスター版)の反転パターンであり、パターンに破損はないものの、75個の成形部材においてパターン(円柱形状の凸部)のたわみが確認された。
次に、上記のように作製した成形部材(スタンプ)の中で、パターンのたわみがないスタンプを使用して、実施例と同様に、ドット状のパターンを形成した。
形成したドット状のパターンを光学顕微鏡で観察した結果、直径が150〜350nmであり、スタンプのパターン(円柱形状の凸部)の再現性が悪く、実施例1に比べてパターン精度が劣るものであった。
[比較例2]
成形部材(スタンプ)の作製において、第2配設工程にて使用する転写材料として、第1配設工程にて使用した転写材料と同じ転写材料を使用した他は、実施例1と同様にして、100個の成形部材(スタンプ)を作製した。
この場合、成形部材とモールド(マスター版)との引き離しが困難であり、作製された各成形部材のパターンを光学顕微鏡で観察した結果、80個の成形部材にパターンの破損が見られた。
次に、上記のように作製した成形部材(スタンプ)の中で、パターンの破損がないスタンプを使用して、実施例と同様に、ドット状のパターンを形成した。
形成したドット状のパターンを光学顕微鏡で観察した結果、直径が240〜260nmでありバラツキが極めて小さく、スタンプのパターン(円柱形状の凸部)の再現性に優れており、高い精度でパターンが形成されていることが確認された。しかし、このようなパターン形成に供し得る成形部材(スタンプ)の作製における収率は、上記のように極めて低いものであった。
[比較例3]
モールド(マスター版)の第1領域の設定において、凹凸構造が位置する領域の最外周部から第1領域の最外周部までの距離Lを0.2μmとした他は、実施例1と同様にして、100個の成形部材(スタンプ)を作製した。この場合、モールドの凹凸構造が位置する領域の最外周部から第1領域の最外周部までの距離Lとd/tanθとの間に、L≧d/tanθの関係が成立しないものであった。
成形部材とモールド(マスター版)との引き離しでは、パターンがモールドの凹凸構造の凹部から全て抜けきる前に、接合部の引き離しから周辺部の引き離しに移行し、その後にモールドの凹凸構造の凹部から抜けたパターンを光学顕微鏡で観察した結果、30個の成形部材においてパターンの破損が見られた。
次に、上記のように作製した成形部材(スタンプ)の中で、パターンの破損がないスタンプを使用して、実施例と同様に、ドット状のパターンを形成した。
形成したドット状のパターンを光学顕微鏡で観察した結果、直径が240〜260nmでありバラツキが極めて小さく、スタンプのパターン(円柱形状の凸部)の再現性に優れており、高い精度でパターンが形成されていることが確認された。しかし、このようなパターン形成に供し得る成形部材(スタンプ)の作製における収率は、上記のように極めて低いものであった。
モールドを用いた種々の成形部材の製造、および、製造した成形部材を用いた微細加工等に利用可能である。
1…モールド
1a…主面
2…凹凸構造
3…凹凸構造が位置する領域
11…第1領域
12…第2領域
21…第1配設工程で使用する転写材料
21b…転写材料の周縁部
22…第2配設工程で使用する転写材料
51…第1配設工程で使用するパターン用の転写材料
52…第1配設工程で使用する接合部用の転写材料
52b…転写材料の周縁部
53…第2配設工程で使用する転写材料
35,51…成形部材
32,52…パターン
33,53…接合部
34,54…周辺部
101,111…成形部材
102,112…パターン
103,113…接合部
103a,113a…接合部の主面
103c,113c…接合部材の周縁部
104,114…周辺部
104a,114a…周辺部の主面

Claims (9)

  1. モールドの凹凸構造を有する主面において該凹凸構造が位置する領域を含むように設定された第1領域に、転写材料を配設する第1配設工程と、
    前記第1領域の周囲に位置するようにモールドの前記主面に設定された第2領域の所望の領域に、前記転写材料と接触するように転写材料を配設する第2配設工程と、
    前記第1配設工程にて配設した転写材料を硬化することにより前記凹凸構造の凹部に位置するパターンと該パターンと一体化され前記モールドの主面上に位置する接合部を形成し、また、前記第2配設工程にて配設した転写材料を硬化することにより周辺部を形成する硬化工程と、
    前記パターンと前記接合部と前記周辺部とが一体となった成形部材と前記モールドとを引き離す離型工程と、を備え、
    前記凹凸構造が位置する領域の最外周部から前記第1領域の最外周部までの距離Lと、前記凹凸構造の凹部の深さdと、前記離型工程における引き離し時の前記接合部と前記モールドの主面とのなす角度θと、の間に、L≧d/tanθの関係が成立し、
    前記第1配設工程にて使用する転写材料と前記第2配設工程にて使用する転写材料は、前記パターンと前記接合部の弾性よりも前記周辺部の弾性を大きくすることができるものであり、
    前記離型工程では、前記第2領域に位置する前記周辺部に剥離力を作用させて周辺部から前記接合部方向に引き離しを進めることを特徴とする成形部材の製造方法。
  2. 前記第1配設工程では、転写材料の周縁部が第1領域の中心方向に傾斜するように転写材料を配設することを特徴とする請求項1に記載の成形部材の製造方法。
  3. 前記第1配設工程では、前記凹凸構造の凹部にパターン用の転写材料を配設し、その後、該パターン用の転写材料と接触するように接合部用の転写材料を配設し、前記パターン用の転写材料と前記接合部用の転写材料は、前記パターンの弾性よりも前記接合部の弾性を大きくすることができるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形部材の製造方法。
  4. 前記第1配設工程の後、前記硬化工程にて前記パターンと前記接合部を形成し、その後、前記第2配設工程に移り、次いで、前記硬化工程にて前記周辺部を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の成形部材の製造方法。
  5. 前記第1配設工程で使用する転写材料と前記第2配設工程で使用する転写材料を光硬化性の転写材料とし、前記硬化工程にて第1領域と第2領域の光照射量を調整して硬化率を変えることにより、前記パターンと前記接合部の弾性よりも前記周辺部の弾性を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の成形部材の製造方法。
  6. 前記第1配設工程にて使用する転写材料と前記第2配設工程にて使用する転写材料を同じものとし、前記第1配設工程と前記第2配設工程を同時に行うことを特徴とする請求項5に記載の成形部材の製造方法。
  7. 前記第1配設工程で使用する転写材料と前記第2配設工程で使用する転写材料を光硬化性の転写材料とし、前記硬化工程にて第1領域と第2領域の光照射量を調整して硬化率を変えることにより、前記パターンと前記接合部の弾性よりも前記周辺部の弾性を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の成形部材の製造方法。
  8. 接合部と、該接合部の主面上に位置するパターンと、前記接合部の前記主面と連続した同一平面をなす主面を有し、前記接合部の少なくとも周縁部に固着している周辺部と、を備え、前記パターンの弾性は前記接合部の弾性よりも小さく、前記周辺部の弾性は前記接合部の弾性よりも大きいことを特徴とする成形部材。
  9. 前記成形部材は、マイクロコンタクトプリント法に用いるスタンプであることを特徴とする請求項8に記載の成形部材。
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