以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る電子部品用接続材料は、光の照射により硬化を進行させた後、加熱により更に硬化させる電子部品用接続材料である。該電子部品用接続材料は、電子部品の接続に用いられる接続材料である。
本発明に係る電子部品用接続材料は、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物からなる群から選択された少なくとも2種の硬化性化合物を含有するか、又はQ値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を含有する。本発明に係る電子部品用接続材料は、光ラジカル開始剤と、熱ラジカル開始剤とを含有する。本発明に係る電子部品用接続材料は、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物からなる群から選択された少なくとも2種の硬化性化合物を含有していてもよく、Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を含有していてもよい。少なくとも2種の硬化性化合物は、反応消費率が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を含むことが好ましい。Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物は、反応消費率が異なる。メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とアクリロイル基を有する硬化性化合物とは一般にQ値及び反応消費率が異なり、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とは一般にQ値及び反応消費率が異なり、アクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とは一般にQ値及び反応消費率が異なる。
上記組成の採用により、光の照射及び加熱により、電子部品用接続材料を複数の段階で硬化させることができる。すなわち、電子部品用接続材料を光の照射により硬化を進行させた後に、更に加熱により硬化させることで、電子部品用接続材料を良好に硬化させることができる。適切な時期に電子部品用接続材料に光を照射し、更に加熱することにより、電子部品用接続材料の流動を抑制して、硬化させることが可能である。従って、電子部品用接続材料が硬化した硬化物層を特定の領域に配置できる。このため、硬化物層の幅や厚みのばらつきを低減できる。従って、本発明に係る電子部品用接続材料を用いて接続された接続対象部材の接続信頼性を高めることができる。
本発明に係る電子部品用接続材料は、導電性粒子を更に含有し、異方性導電材料であることが好ましい。従って、本発明に係る電子部品用接続材料は、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物からなる群から選択された少なくとも2種の硬化性化合物を含有するか、又はQ値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を含有し、光ラジカル開始剤と、熱ラジカル開始剤と、導電性粒子とをさらに含有し、異方性導電材料であることが好ましい。この場合には、適切な時期に電子部品用接続材料に光を照射し、更に加熱することにより、電子部品用接続材料中の硬化性成分だけでなく、導電性粒子の流動をも抑制して、硬化させることが可能である。従って、硬化物層に含まれている導電性粒子も特定の領域に配置できる。このため、本発明に係る電子部品用接続材料を用いて接続された接続対象部材の接続信頼性を高めることができると共に、接続対象部材における電極間の導通信頼性も高めることができる。
以下、先ず、本発明に係る電子部品用接続材料に含まれている各成分の詳細を説明する。
(硬化性化合物)
上記電子部品用接続材料は、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物からなる群から選択された少なくとも2種の硬化性化合物を含有するか、又はQ値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を含有する。上記電子部品用接続材料は、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物以外の硬化性化合物を更に含んでいてもよい。
上記電子部品用接続材料に含まれている上記硬化性化合物としては、光硬化性化合物、並びに熱硬化性化合物が挙げられる。上記光硬化性化合物は光硬化性を有する。上記熱硬化性化合物は熱硬化性を有する。上記光硬化性化合物は、光硬化性と熱硬化性とを有していてもよく、光及び熱硬化性化合物であってもよい。上記硬化性化合物は、上記光及び熱硬化性化合物を少なくとも含むか、又は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを含む。
上記電子部品用接続材料に使用可能な上記硬化性化合物は特に限定されない。上記硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、ビニル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味する。
本発明に係る電子部品用接続材料では、硬化性化合物の全部又は一部として、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物からなる群から選択された少なくとも2種の硬化性化合物が用いられるか、又はQ値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物が用いられる。
メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物からなる群から選択された少なくとも2種の硬化性化合物を用いる場合に、上記電子部品用接続材料は、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とアクリロイル基を有する硬化性化合物とを含有していてもよく、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とを含有していてもよく、アクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とを含有していてもよく、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とアクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とを含有していてもよい。
光照射による反応消費率を適正に制御することが容易であるので、上記Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物はそれぞれ、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、又はビニル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物として、上記電子部品用接続材料は、メタアクリロイル基を有する2種以上の硬化性化合物を含有していてもよく、アクリロイル基を有する2種以上の硬化性化合物を含有していてもよく、ビニル基を有する2種以上の硬化性化合物を含有していてもよく、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とを含有していてもよく、アクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とを含有していてもよく、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とアクリロイル基を有する硬化性化合物とビニル基を有する硬化性化合物とを含有していてもよい。
光照射による反応消費率を適正に制御することがより一層容易であるので、上記Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物は、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物、アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びビニル基を有する硬化性化合物からなる群から選択された少なくとも2種の硬化性化合物であることが好ましい。
上記メタアクリロイル基を有する硬化性化合物としては、例えば、後述する硬化性化合物の中で、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物等が用いられる。光硬化性を良好にし、接続信頼性及び導通信頼性をより一層良好にする観点からは、上記メタアクリロイル基を有する硬化性化合物は、メチルメタクリレートであることが好ましい。
上記アクリロイル基を有する硬化性化合物としては、例えば、後述する硬化性化合物の中で、アクリロイル基を有する硬化性化合物等が用いられる。光硬化性を良好にし、接続信頼性及び導通信頼性をより一層良好にする観点からは、上記アクリロイル基を有する硬化性化合物は、エポキシアクリレート又はウレタンアクリレートであることが好ましい。
上記ビニル基を有する硬化性化合物としては、酢酸ビニルモノマー等が挙げられる。光硬化性を良好にし、接続信頼性及び導通信頼性をより一層良好にする観点からは、上記ビニル基を有する硬化性化合物は、酢酸ビニルモノマーであることが好ましい。
上記硬化性化合物が、メタアクリロイル基を有する硬化性化合物と、アクリロイル基を有する硬化性化合物とを含み、上記硬化性化合物が、ビニル基を有する硬化性化合物を含まないか又は含むことが好ましい。メタアクリロイル基を有する硬化性化合物とアクリロイル基を有する硬化性化合物との併用により、光硬化性の制御が容易になり、光硬化性をより一層良好にすることができ、接続対象部材の接続信頼性及び電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。
上記Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物のうち、Q値が最も高い第1の硬化性化合物のQ値は、上記Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物のうち、Q値が最も低い第2の硬化性化合物のQ値よりも0.1以上高いことが好ましい。この場合には、接続対象部材の接続信頼性及び電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。また、電子部品用接続材料に光を照射させると、硬化性化合物全体での光硬化の進行度合いを適度に調整できる。例えばQ値が最も高い第1の硬化性化合物を光の照射により選択的に硬化させることができる。Q値が最も低い第2の硬化性化合物は、熱硬化性を有する硬化性化合物であることが好ましい。
上記Q値が高い硬化性化合物は、硬化性化合物としての反応性は高く、一方でラジカルとしての活性は低い。上記Q値が低い硬化性化合物は、硬化性化合物としての反応性は低く、一方でラジカルとしての活性は高い。硬化性化合物の反応性が低いと、他の硬化性化合物が消費されるまで反応しにくい。また、硬化性化合物が一度ラジカルになると、残存する硬化性化合物の反応を促進する。
電子部品用接続材料を用いて様々な接続対象部材を接続する際には、光硬化を制御及び管理するために、光照射時の反応は比較的穏やかに進行することが求められ、接続信頼性を高めたりするために、加熱時の反応は比較的速やかに進行することが求められる。
図3(a)〜(c)に、電子部品用接続材料に光を照射して硬化を進行させた後、加熱して更に硬化させたときの反応時間と硬化性化合物の反応率との関係を示す。
Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を用いない場合には、図3(a)に示すように、電子部品用接続材料を光の照射により硬化を進行させる際には、反応が比較的速やかに進行し(点Aから点B)、一方で、光の照射により硬化を進行させた後、加熱により更に硬化させる際には、反応が比較的穏やかに進行する(点Bから点C)。
Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を用いることにより、Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物を用いない場合と比べて、図3(b)に示すように、電子部品用接続材料を光の照射により硬化を進行させる際に、反応を穏やか進行させることができ(点Aから点B)、一方で、光の照射により硬化を進行させた後、加熱により更に硬化させる際には、反応を早く進行させることができる(点Bから点C)。
さらに、上記Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物のうち、Q値が最も高い第1の硬化性化合物のQ値は、上記Q値が異なる少なくとも2種の硬化性化合物のうち、Q値が最も低い第2の硬化性化合物のQ値よりも0.1以上高い場合には、図3(c)に示すように、電子部品用接続材料を光の照射により硬化を進行させる際に、反応をかなり穏やかに進行させることができ(点Aから点B)、一方で、光の照射により硬化を進行させた後、加熱により更に硬化させる際には、反応をかなり速やかに進行させることができる(点Bから点C)。従って、光硬化の制御及び管理が容易になり、熱硬化を速やかに進行させることよって接続信頼性を高めることができる。
硬化性化合物の反応性の差を利用して、反応速度が低く、反応消費面で優先するQ値が高い硬化性化合物によって、接続材料の光硬化を進行させた後、反応消費面では劣るが、反応速度が高く、Q値が低い硬化性化合物によって、光硬化が進行した接続材料を熱硬化させることで、図3(b)に示すような反応時間と硬化性化合物の反応率との関係を実現でき、更に適切にQ値を選択することで、図3(c)に示すような反応時間と硬化性化合物の反応率との関係も実現できる。
本発明に係る電子部品用接続材料に光を照射したときに、電子部品用接続材料に含まれている硬化性化合物全体の反応率が20%に達したときの、上記少なくとも2種の硬化性化合物の内の光照射後の反応消費率が最も高い第1の硬化性化合物の光照射後の反応消費率R1は、上記少なくとも2種の硬化性化合物の内の光照射後の反応消費率が最も低い第2の硬化性化合物の光照射後の反応消費率R2の3倍以上であることが好ましい。この場合には、接続対象部材の接続信頼性及び電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。また、電子部品用接続材料に光を照射させると、硬化性化合物全体での光硬化の進行度合いを適度に調整できる。例えば反応消費率が高い第1の硬化性化合物を光の照射により選択的に硬化させることができる。光照射後の反応消費率が最も低い上記第2の硬化性化合物は、熱硬化性を有する硬化性化合物であることが好ましい。
また、電子部品用接続材料に含まれている硬化性化合物全体の反応率が20%に達したときの、上記少なくとも2種の硬化性化合物の内の光照射後の反応消費率が最も高い第1の硬化性化合物の光照射後の反応消費率は、上記少なくとも2種の硬化性化合物の内の光照射後の反応消費率が最も低い第2の硬化性化合物の光照射後の反応消費率の3倍以上である場合には、図3(c)に示すように、電子部品用接続材料を光の照射により硬化を進行させる際に、反応をかなり穏やかに進行させることができ(点Aから点B)、一方で、光の照射により硬化を進行させた後、加熱により更に硬化させる際には、反応をかなり速やかに進行させることができる(点Bから点C)。
上記硬化性化合物中の上記第1の硬化性化合物量をA1(重量%)、GC−MS(ガスクロマトグラフ重量分析計)を使用して、上記硬化性化合物に光を照射したときの、上記硬化性化合物それぞれの反応に関与しなかった残量を定量し、上記第1の硬化性化合物の反応に関与しなかった残量をB1(重量%)、上記硬化性化合物中の上記第2の硬化性化合物量をA2(重量%)、A1とA2との合計を100重量%とする。
上記硬化性化合物中の上記第2の硬化性化合物量をA2(重量%)、GC−MS(ガスクロマトグラフ重量分析計)を使用して、上記硬化性化合物に光を照射したときの、上記硬化性化合物それぞれの反応に関与しなかった残量を定量し、上記第2の硬化性化合物の反応に関与しなかった残量をB2(重量%)、上記硬化性化合物中の上記第1の硬化性化合物量をA1(重量%)、A1とA2との合計を100重量%とする。
光照射後のそれぞれの硬化性化合物は、上記第1の硬化性化合物であったり、上記第2の硬化性化合物であったりする。
また、上記硬化性化合物全体の反応率Cとは、下記により計算される値を意味する。
硬化物全体の反応率C(%)=[{1−(B1/A1)}+{(1−B2/A2)}]×100
上記硬化性化合物全体の反応率Cを求める際の光照射後のそれぞれの硬化性化合物は、上記第1の硬化性化合物であったり、上記第2の硬化性化合物であったりする。
[光硬化性化合物]
本発明に係る電子部品用接続材料は、光の照射によって硬化するように、光硬化性化合物を含有することが好ましい。光の照射により光硬化性化合物を半硬化させ、電子部品用接続材料の流動性を低下させることができる。
上記光硬化性化合物としては特に限定されず、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物であることが好ましい。
上記光硬化性化合物は、光を照射したときに、優先的に反応し消費されるために、上記光硬化性化合物の全部又は一部は、メタアクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも用いることができる。
また、上記光硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[熱硬化性化合物]
上記電子部品用接続材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をより一層高めたりする観点から、上記電子部品用接続材料は、加熱によって硬化するように、熱硬化性化合物を含有することが好ましい。
上記熱硬化性化合物としては特に限定されず、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する熱硬化性化合物であることが好ましい。
上記熱硬化性化合物は、光を照射したときに優先的に反応にくく、消費されにくいために、上記熱硬化性化合物の全部又は一部は、アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基を有する熱硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも用いることができる。
また、上記熱硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。接続信頼性及び導通信頼性をより一層高める観点からは、架橋性化合物が好ましい。
上記熱硬化性化合物である架橋性化合物及び非架橋性化合物の具体例としては、上記光硬化性化合物である架橋性化合物及び非架橋性化合物として挙げた化合物が挙げられる。
光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを併用する場合には、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを併用する場合には、上記電子部品用接続材料は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜60:40で含むことがより好ましく、10:90〜50:50で含むことが更に好ましく、10:90〜40:60で含むことが特に好ましい。
[光ラジカル開始剤]
上記光ラジカル開始剤は特に限定されない。上記光ラジカル開始剤として、従来公知の光ラジカル開始剤を用いることができる。上記光ラジカル開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光ラジカル開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光ラジカル開始剤、ベンゾフェノン光ラジカル開始剤、チオキサントン、ケタール光ラジカル開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記アセトフェノン光ラジカル開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光ラジカル開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記光ラジカル開始剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物の全量100重量部に対して、上記光ラジカル開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光ラジカル開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電子部品用接続材料を適度に光硬化させることができる。電子部品用接続材料に光を照射し、Bステージ化することにより、電子部品用接続材料の流動を抑制できる。
[熱ラジカル開始剤]
上記熱ラジカル開始剤は特に限定されない。上記熱ラジカル開始剤として、従来公知の熱ラジカル開始剤を用いることができる。上記熱ラジカル開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ここで、「熱ラジカル開始剤」とは、加熱によってラジカル種を生成する化合物を意味する。
上記熱ラジカル開始剤としては、特に限定されず、アゾ化合物及び過酸化物等が挙げられる。上記過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、パーオキシジカーボネート化合物、パーオキシケタール化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、及びケトンパーオキサイド化合物等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二水和物、及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
上記ジアシルパーオキサイド化合物としては、過酸化ベンゾイル、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、及びDisuccinic acid peroxide等が挙げられる。上記パーオキシエステル化合物としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5―ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシオクトエート及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。上記ハイドロパーオキサイド化合物としては、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。上記パーオキシジカーボネート化合物としては、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、及びジ(2−エチルヘキシル)パーオキシカーボネート等が挙げられる。また、上記過酸化物の他の例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、カリウムパーサルフェイト、及び1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
上記熱ラジカル開始剤の10時間半減期を得るための分解温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、好ましく80℃以下、より好ましくは70℃以下である。上記熱ラジカル開始剤の10時間半減期を得るための分解温度が、30℃未満であると、電子部品用接続材料の貯蔵安定性が低下する傾向があり、80℃を超えると、電子部品用接続材料を充分に熱硬化させることが困難になる傾向がある。
上記熱ラジカル開始剤の含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物の全量100重量部に対して、上記熱ラジカル開始剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記熱ラジカル硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電子部品用接続材料を充分に熱硬化させることができる。
[導電性粒子]
上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材における電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。導電性粒子の導電層の表面が絶縁層により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、並びに実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記金属層は特に限定されない。上記金属層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層及び錫を含有する金属層等が挙げられる。
電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に設けられた導電層とを有することが好ましい。
上記導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。電子部品用接続材料(異方性導電材料)100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは19重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。更に、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
(他の成分)
上記電子部品用接続材料は、溶剤を含有していてもよい。該溶剤の使用により、電子部品用接続材料の粘度を容易に調整できる。更に、例えば、上記硬化性化合物が固形である場合に、固形の硬化性化合物に溶剤を添加し、溶解させることにより、硬化性化合物の分散性を高めることができる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
上記電子部品用接続材料の硬化物の接着力を高めることができるので、上記電子部品用接続材料は、接着力調整剤を含有することが好ましい。接着力をより一層高める観点からは、上記接着力調整剤は、シランカップリング剤であることが好ましい。
上記電子部品用接続材料は、フィラーを含有することが好ましい。該フィラーの使用により、電子部品用接続材料の硬化物の潜熱膨張を抑制できる。
後述する粘度η2及び後述する粘度比(η1/η2)を好適な範囲に制御するために、フィラーは、表面処理されていることが好ましく、親水性フィラーであることが好ましい。
上記フィラーは特に限定されない。上記フィラーとしては、シリカ、窒化アルミニウム及びアルミナ等が挙げられる。上記フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記親水性フィラーとは、表面が親水基で覆われているフィラーを示す。該親水基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシレート基及びカルボキシル基等の極性基、並びにカルボキシレートイオン基、スルホン酸イオン基及びアンモニウムイオン基等のイオン性基等が挙げられる。上記親水性フィラーとしては、従来の上記フィラーが親水性表面処理剤で表面処理された親水性フィラーが挙げられる。
上記親水性表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン及びステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。中でも、上記親水性表面処理剤として、シランカップリング剤が好適に用いられる。
上記フィラーの含有量は特に限定されない。上記硬化性化合物の全量100重量部に対して、上記フィラーの含有量は好ましくは5重量部以上、より好ましくは15重量部以上、好ましくは300重量部以下、より好ましくは200重量部以下である。上記フィラーの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電子部品用接続材料の硬化物の潜熱膨張を充分に抑制でき、更に電子部品用接続材料中にフィラーを充分に分散させることができる。
(電子部品用接続材料の他の詳細)
本発明に係る電子部品用接続材料の製造方法としては、特に限定されず、上記硬化性化合物と上記熱ラジカル硬化剤と上記光ラジカル開始剤と、必要に応じて添加される他の成分とを配合し、遊星式攪拌機等を用いて充分に混合する製造方法が挙げられる。
本発明に係る電子部品用接続材料について、光の照射により硬化が進行されて、Bステージ化した後の粘度(以下、η3’と略記することがある)は好ましくは2000Pa・s以上、好ましくは2250Pa・s以上、好ましくは15000Pa・s以下、より好ましくは12000Pa・s以下、更に好ましくは10000Pa・s以下、特に好ましくは3500Pa・s以下、最も好ましくは3250Pa・sである。上記粘度η3’の測定温度は、好ましくは20℃以上、好ましくは30℃以下である。上記粘度η3’の測定温度は25℃であることが特に好ましい。
本発明に係る電子部品用接続材料は、25℃及び2.5rpmでの粘度をη1とし、かつ25℃及び5rpmでの粘度をη2としたときに、上記η2が20Pa・s以上、200Pa・s以下であり、かつ上記η1の上記η2に対する粘度比(η1/η2)が0.9以上、1.1以下であることが好ましい。すなわち、本発明に係る電子部品用接続材料は、下記式(X)及び(Y)をいずれも満たすことが好ましい。
20Pa・s≦η2≦200Pa・s ・・・式(X)
0.9≦η1/η2≦1.1 ・・・式(Y)
特開2003−064330号公報に記載のような従来の異方性導電材料を、ディスペンサー等により塗布対象部材に塗布する際に、安定に塗布できないことがある。特開2003−064330号公報に記載のような粘度特性を示す異方性導電材料では、塗布の開始直後に粘度が大きく低下し、異方性導電材料が部分的に多量に塗布されることがある。このため、塗布幅が一定にならず、結果として、異方性導電材料により形成された硬化物層の幅又は厚みにばらつきが生じやすい。これに対して、本発明に係る電子部品用接続材料において、上記η2及び上記比(η1/η2)が特定の上記範囲内にあることにあることによって、電子部品用接続材料を、ディスペンサー等により塗布対象部材に塗布する際に、より一層安定にかつ均一に塗布できる。更に、塗布の開始直後に粘度が大きく低下することなく、電子部品用接続材料が部分的に多量に塗布されるのを抑制できる。このため、塗布幅を一定にすることができ、結果として、電子部品用接続材料が硬化した硬化物層の幅又は厚みにばらつきが生じ難くなる。
上記電子部品用接続材料をより一層均一に塗布する観点からは、上記η2は好ましくは50Pa・s以上、より好ましくは100Pa・s以上、好ましくは180Pa・s以下、より好ましくは150Pa・s以下である。
上記η2及び上記粘度比(η1/η2)は、硬化性化合物として結晶性樹脂を用いたり、親水性を高めるために表面処理されたフィラーを用いたりすることにより、調整可能である。上記η2及び上記粘度比(η1/η2)を上記範囲内に容易に制御する観点からは、上記硬化性化合物は、結晶性樹脂を含むことが好ましい。
本発明に係る電子部品用接続材料を硬化させる方法として、電子部品用接続材料に光を照射することにより硬化を進行させた後、加熱して硬化させる方法が用いられる。光硬化と熱硬化との併用により、電子部品用接続材料を短時間で硬化させることができ、更に接続対象部材の接続信頼性及び電極間の導通信頼性を高めることができる。
なお、上記電子部品用接続材料は、導電性粒子を含んでいなくてもよい。この場合には、第1,第2の接続対象部材を導電性粒子により電気的に接続することなく、第1,第2の接続対象部材を接着して接続するために、上記電子部品用接続材料を用いることができる。
(接続構造体及び接続構造体の製造方法)
本発明に係る電子部品用接続材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を接続している硬化物層とを備えており、該硬化物層が上記電子部品用接続材料を硬化させることにより形成されている。上記硬化物層は、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部である。上記第1の接続対象部材が、第1の電極を上面に有する第1の接続対象部材であり、上記第2の接続対象部材が、第2の電極を下面に有する第2の接続対象部材であり、上記電子部品用接続材料が、導電性粒子を含む異方性導電材料であり、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されていることが好ましい。本発明に係る電子部品用接続材料の使用により、上記第1の電極と上記第2の電極との導通信頼性を高めることができる。
上記電子部品用接続材料は、電子部品の接続に用いられる接続材料である。上記第1,第2の接続対象部材の内の少なくとも一方は電子部品であり、上記第1,第2の接続対象部材の双方が電子部品であることが好ましい。
次に、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る電子部品用接続材料を用いた接続構造体、及び該接続構造体の製造方法をより詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る電子部品用接続材料を用いた接続構造体の一例を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、第1,第2の接続対象部材2,4を接続している硬化物層3とを備える。硬化物層3は、特定の上記硬化性化合物と光ラジカル硬化剤と熱ラジカル開始剤と導電性粒子5とを含む電子部品用接続材料を硬化させることにより形成されている。ここでは、電子部品用接続材料として、異方性導電材料が用いられている。該異方性導電材料は、複数の導電性粒子5を含む。
第1の接続対象部材2は上面2aに、複数の第1の電極2bを有する。第2の接続対象部材4は下面4aに、複数の第2の電極4bを有する。第1の電極2bと第2の電極4bとが、1つ又は複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。
接続構造体1では、第1の接続対象部材2としてガラス基板が用いられており、第2の接続対象部材4として半導体チップが用いられている。第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板及びガラス基板等の回路基板である電子部品等が挙げられる。
図1に示す接続構造体1は、例えば、以下のようにして得ることができる。
図2(a)に示すように、第1の電極2bを上面2aに有する第1の接続対象部材2を用意する。次に、第1の接続対象部材2の上面2aに、複数の導電性粒子5を含む異方性導電材料(電子部品用接続材料)を配置し、第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電材料層3A(接続材料層)を形成する。このとき、第1の電極2b上に、1つ又は複数の導電性粒子5が配置されていることが好ましい。上記異方性導電材料として異方性導電ペーストを用いる場合には、異方性導電ペーストの配置は、異方性導電ペーストの塗布により行われる。また、上記異方性導電材料層は、異方性導電ペースト層になる。
次に、異方性導電材料層3Aに光を照射することにより、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させる。異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化する。図2(b)に示すように、異方性導電材料層3AのBステージ化により、第1の接続対象部材2の上面2aに、Bステージ化された異方性導電材料層3B(Bステージ化された接続材料層)を形成する。
上記Bステージ化された接続材料層において、上記少なくとも2種の硬化性化合物の内の光照射後の反応消費率が最も高い第1の硬化性化合物の光照射後の反応消費率を、上記少なくとも2種の硬化性化合物の内の光照射後の反応消費率が最も低い第2の硬化性化合物の光照射後の反応消費率の3倍以上にすることが好ましい。この場合には、光硬化性を良好にし、接続信頼性及び導通信頼性をより一層良好にすることができる。
異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化する際には、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの粘度η3が2000Pa・s以上、15000Pa・s以下であるように、異方性導電材料層3AをBステージ化することが好ましい。上記粘度η3を上記下限以上及び上記上限以下にすることにより、異方性導電材料層の流動を充分に抑制できる。このため、第1,第2の電極2b,4b間に、導電性粒子5が配置されやすくなる。更に、第1の接続対象部材2又は第2の接続対象部材4の外周面よりも側方の領域に、異方性導電材料層が意図せずに流動するのを抑制できる。
異方性導電材料層及び導電性粒子5の流動をより一層抑制する観点からは、上記粘度η3は好ましくは2000Pa・s以上、好ましくは2250Pa・s以上、好ましくは15000Pa・s以下、より好ましくは12000Pa・s以下、更に好ましくは10000Pa・s以下、特に好ましくは3500Pa・s以下、最も好ましくは3250Pa・sである。上記粘度η3の測定温度は好ましくは20℃以上、好ましくは30℃以下である。上記粘度η3の測定温度は25℃であることが特に好ましい。
第1の接続対象部材2の上面2aに、異方性導電材料を配置しながら、異方性導電材料層3Aに光を照射することが好ましい。更に、第1の接続対象部材2の上面2aへの異方性導電材料の配置と同時に、又は配置の直後に、異方性導電材料層3Aに光を照射することも好ましい。配置と光の照射とが上記のように行われた場合には、異方性導電材料層の流動をより一層抑制できる。このため、得られた接続構造体1における導通信頼性をより一層高めることができる。第1の接続対象部材2の上面2aに異方性導電材料を配置してから光を照射するまでの時間は、0秒以上、好ましくは3秒以下、より好ましくは2秒以下である。
光の照射により異方性導電材料層3AをBステージ化させる場合には、異方性導電材料層3Aの硬化を適度に進行させるための光照射強度は、例えば、好ましくは0.1〜100mW/cm2程度である。また、異方性導電層3Aの硬化を適度に進行させるための光の照射エネルギーは、好ましくは50mJ/cm2以上、より好ましくは100mJ/cm2以上、好ましくは10000mJ/cm2以下、より好ましくは2000mJ/cm2以下である。
光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ及びLEDランプ等が挙げられる。
次に、図2(c)に示すように、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの上面3aに、第2の接続対象部材4を積層する。第1の接続対象部材2の上面2aの第1の電極2bと、第2の接続対象部材4の下面4aの第2の電極4bとが対向するように、第2の接続対象部材4を積層する。
更に、第2の接続対象部材4の積層の際に、異方性導電材料層3Bを加熱することにより、異方性導電材料層3Bを更に硬化させ、硬化物層3を形成する。但し、第2の接続対象部材4の積層の前に、異方性導電材料層3Bを加熱してもよい。更に、第2の接続対象部材4の積層の後に、異方性導電材料層3Bを加熱して硬化させることが好ましい。
加熱により異方性導電材料層3Bを硬化させる場合には、異方性導電材料層3Bを充分に硬化させるための加熱温度は好ましくは160℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
異方性導電材料層3Bを硬化させる際に、加圧することが好ましい。加圧によって第1の電極2bと第2の電極4bとで導電性粒子5を圧縮することにより、第1,第2の電極2b,4bと導電性粒子5との接触面積を大きくすることができる。このため、導通信頼性を高めることができる。
異方性導電材料層3Bを硬化させることにより、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とが、硬化物層3を介して接続される。また、第1の電極2bと第2の電極4bとが、導電性粒子5を介して電気的に接続される。このようにして、図1に示す接続構造体1を得ることができる。本実施形態では、光硬化と熱硬化とが併用されているため、異方性導電材料を短時間で硬化させることができる。
接続構造体1を得る際に、異方性導電材料層3Aに光を照射し、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを形成した後、異方性導電材料層3Bに熱を付与することが好ましい。
本発明に係る電子部品用接続材料は、ペースト状又はフィルム状の電子部品用接続材料であり、ペースト状の電子部品用接続材料であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。異方性導電材料が異方性導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む異方性導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されてもよい。
ペースト状の電子部品用接続材料又は異方性導電ペーストを用いる場合には、フィルム状の電子部品用接続材料又は異方性導電フィルムを用いる場合と比較して、硬化性成分及び導電性粒子が流動しやすく、接続信頼性及び導通信頼性が低くなりやすい傾向がある。本発明に係る電子部品用接続材料における上記組成の採用により、ペースト状の電子部品用接続材料又は異方性導電ペーストを用いたとしても、接続信頼性及び導通信頼性を十分に高めることができる。
本発明に係る接続構造体及び本発明に係る接続構造体の製造方法は、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用できる。なかでも、本発明に係る電子部品用接続材料である異方性導電材料は、COG用途に好適である。本発明に係る電子部品用接続材料は、半導体チップとガラス基板とを接続するための接続材料であることが好ましい。本発明に係る接続構造体及び本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材として、半導体チップとガラス基板とを用いることが好ましい。
COG用途では、特に、半導体チップとガラス基板との電極間を、異方性導電材料の導電性粒子により確実に接続することが困難なことが多い。例えば、COG用途の場合には、半導体チップの隣り合う電極間、及びガラス基板の隣り合う電極間の間隔が10〜20μm程度であることがあり、微細な配線が形成されていることが多い。微細な配線が形成されていても、本発明に係る接続構造体及び本発明に係る接続構造体の製造方法により、導電性粒子を電極間に精度よく配置することができることから、半導体チップとガラス基板との電極間を高精度に接続することができ、導通信頼性を高めることができる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)異方性導電ペーストの調製
光及び熱硬化性化合物であるメチルメタクリレート20重量%と、光及び熱硬化性化合物であるエポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL3702」)80重量%を含む硬化性化合物を用意した。
上記硬化性化合物100重量部に、光ラジカル開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物(チバ・ジャパン社製「DAROCUR TPO」)0.5重量部と、熱ラジカル開始剤である2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(和光純薬工業社製「V−65」、10時間半減期を得るための分解温度51℃)0.1重量部と、フィラーである平均粒子径0.25μmのシリカ20重量部及び平均粒子径0.5μmのアルミナ20重量部とを配合し、更に平均粒子径3μmの導電性粒子を配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、配合物を得た。
なお、用いた上記導電性粒子は、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子である。
得られた配合物を、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過することにより、導電性粒子の含有量が10重量%である異方性導電ペーストを得た。
(2)接続構造体の作製
L/Sが30μm/30μmのITO電極パターンが上面に形成された透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが30μm/30μmの銅電極パターンが下面に形成された半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層に紫外線照射ランプを用いて、波長365nmの紫外線を照射エネルギーが1000mJ/cm2となるように照射し、光重合によって異方性導電ペースト層を半硬化させ、Bステージ化した。次に、Bステージ化された異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、Bステージ化された異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で完全硬化させ、接続構造体を得た。
(実施例2)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子を上記配合物100重量%中での含有量を5重量%となるように用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子の含有量が5重量%である異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例3)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子を上記配合物100重量%中での含有量を15重量%となるように用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子の含有量が15重量%である異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例4)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子を上記配合物100重量%中での含有量を1重量%となるように用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子の含有量が1重量%である異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例5)
異方性導電ペーストの調製の際に、上記熱ラジカル開始剤を、tert−ヘキシルパーオキシピバレート(日油社製「パーヘキシルPV」、10時間半減期を得るための分解温度54.6℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例6)
異方性導電ペーストの調製の際に、光及び熱硬化性化合物であるエポキシアクリレートを、光及び熱硬化性化合物であるウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック社製「EBECRYL8804」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
(実施例7)
異方性導電ペーストの調製の際に、光及び熱硬化性化合物であるエポキシアクリレートを、光及び熱硬化性化合物である6官能アクリレート(日本化薬社製「KAYARAD DPCA−120」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
(実施例8)
異方性導電ペーストの調製の際に、光及び熱硬化性化合物であるメチルメタクリレートを、光及び熱硬化性化合物であるエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業社製「BPE−100」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
(実施例9)
異方性導電ペーストの調製の際に、光及び熱硬化性化合物であるメチルメタクリレートを、光及び熱硬化性化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学工業社製「TMPT」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を得た。
(実施例10〜13)
接続構造体を作製する際に、紫外線の照射エネルギーを下記のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
照射エネルギー
実施例10:500mJ/cm2
実施例11:800mJ/cm2
実施例12:1200mJ/cm2
実施例13:1500mJ/cm2
(比較例1)
異方性導電ペーストの調製の際に、光硬化性化合物であるメチルメタクリレートと、光ラジカル開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物とを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペースト100重量%中、導電性粒子の含有量は10重量%であった。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(比較例2)
比較例1で得られた異方性導電材料を用意した。
L/Sが30μm/30μmのITO電極パターンが上面に形成された透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが30μm/30μmの銅電極パターンが下面に形成された半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板の上面に、ディスペンサーのシリンジから、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗布し、異方性導電ペースト層を形成した。塗布の際及び塗布の後に光を照射せず、かつ熱重合せず、異方性導電材料層をBステージ化しなかった。
次に、Bステージ化されていない異方性導電ペースト層の上面に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で完全硬化させ、接続構造体を得た。
(比較例3)
異方性導電ペーストの調製の際に、熱硬化性化合物であるエポキシアクリレートと、熱ラジカル開始剤である2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルとを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペースト100重量%中、導電性粒子の含有量は10重量%であった。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
(実施例及び比較例の評価)
(2)粘度
E型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃及び2.5rpmの条件で、得られた異方性導電ペースト(塗布前の異方性導電ペーストの粘度)の粘度η1を測定した。また、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃及び5rpmの条件で、得られた異方性導電ペーストの粘度η2を測定した。
(3)リークの有無
得られた接続構造体を用いて、隣り合う電極20個においてリークが生じているか否かを、テスターで測定した。
(4)ボイドの有無
得られた接続構造体において、異方性導電ペースト層により形成された硬化物層にボイドが生じているか否かを、透明ガラス基板の下面側から目視により観察した。
(5)Bステージ化された異方性導電ペースト層の粘度
光重合によって異方性導電ペースト層をBステージ化させた後であって、Bステージ化された異方性導電ペースト層の上面に半導体チップを積層する直前のBステージ化された異方性導電ペースト層の粘度η3を、レオメーター(Anton Paar社製)を用いて、25℃及び2.5rpmの条件で測定した。
(6)塗布幅のばらつき
得られた異方性導電ペーストをノズル径1.1mmのシリンジに充填し、ディスペンサーを用いて、圧力300Pa、塗布厚み30μm、移動スピード10mm/s、塗布ライン距離20mm及び塗布幅1mmの条件で、異方性導電ペーストをガラス基板上に塗布した。
異方性導電ペーストの塗布開始地点から2mmの距離、5mmの距離、10mmの距離の各地点での塗布幅を、測長機能付きのマイクロスコープで測定した。
(7)硬化物層の高さ(厚み)
上記(6)の評価と同様にして、異方性導電ペーストをガラス基板上に塗布した。塗布の直後に紫外線を照射し、異方性導電ペーストの光硬化を開始させた。更に、紫外線の照射から10秒後に、異方性導電ペーストが塗布されたガラス基板を150℃のオーブン内に5分間入れ、異方性導電ペーストを熱硬化させた。異方性導電ペーストの硬化により形成された硬化物層の高さを、マイクロメーターで測定した。
上記(2)〜(7)の各評価項目の評価結果を下記の表1に示す。