JP5745400B2 - 排尿制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、尿失禁を防止するための排尿制御装置に関する。
尿失禁は、客観的に証明できる不随意的な尿漏れで、社会的、衛生的にも生活に密着した尿漏れと定義され(International Incontinence Society)、現在、とくに40歳以上の男女において増加しつつある。尿失禁のうち、腹圧性尿失禁の頻度が最も高く、殊に、女性の尿失禁ではその半数以上を占めると言われる。腹圧性尿失禁は、せき、くしゃみ、重いものを持ち上げる、長時間の歩行、歌う、笑う、大声をあげるなどで腹圧のかかるときに、不随意的に出現して苦痛を与える。殊に女性においては、更年期以降に患者数が著しく増えてくるが、原因は、骨盤底筋肉の虚弱化にあるとされ、老化現象の一つと考えられており、妊娠、出産の既往歴がある婦人では頻度が高いと考えられる。
一方、尿失禁の別の要因として近年注目される過活動性膀胱は、「尿意切迫を主症状とし、通常これに頻尿、夜間頻尿を伴い、場合によっては切迫性尿失禁を伴なう症候群。だが、明らかな原因疾患が認められない」(国際尿禁制学会,2002)と定義されており、40歳以上の男女の12.4%に認められるという。この症状は、加齢によって増加し、70歳台では20%に、80歳台では35%以上に発現すると言われる。また、膀胱炎、間質性膀胱炎を伴う尿失禁も増加している。
また一方では、男性特有の尿失禁の原因として、前立腺がん全摘手術を受けた患者に頻発する、膀胱括約筋の障害またその支配神経の不可避的な切断による後遺症、前立腺がんの放射線照射治療、前立腺肥大症に対する手術などの際の後遺症、あるいは手術施行に伴う神経切断により発症する場合などがある。
このように尿失禁を主症状とする疾患群は、男女ともに50歳をこえると患者数が著しく増加し、社会的問題となってきた。骨盤底筋群、及び靭帯など支持組織の緩みは、インテグラル理論に基づき、女性の尿失禁に対する手術法が考案され、実施されている。
しかし一方で、手術するほど重篤でない患者や、その他事情で手術を希望しないような患者からは、観血的手術にたよることなく、比較的容易な処置によって、尿失禁の苦痛から解放し、男女両性に適用できる手段が強く求められている。消極的な手段としては、尿失禁が起こった場合に備えて装着したナプキン等によって尿を吸収する、陰茎に装着した袋に集尿する、外陰部に装着したパッド等によって尿を吸収するといった手段があるが、交換が頻繁に必要になり、装着及び交換の際の違和感や悪臭による不快感が嫌悪の原因となる。そのため積極的な手段として、排尿そのものを制御して尿失禁を抑える方法が求められている。その例として、尿道内に設置され、閉鎖した際には尿の漏出をふせぐことができ、また随時開放し尿を排出することができるような装置による方法が各種考案されている。
例えば特許文献1には、尿道内に嘴状のスリット型バルブ、あるいはボール、バルブ付きのカテーテルを設けた、女性の排尿を制御するための装置が開示されている。この装置は、カテーテルを女性の尿道内に設置するためのスタイレットを用いて、カテーテル内のバルブを開け、外部から排尿用の機器をスリット型バルブに挿入することで膀胱内の内容物を排泄可能にしようとするものである。
特許文献2には、膀胱に係止する膀胱バルーンと、尿流を誘導し排出する導管、導管を閉鎖する作動バルブとを備えた失禁コントロール装置が開示されている。この装置は、バネと手動の作動部材による作動バルブの開閉装置を備え、作動部材の操作によって金属性のバルブヘッドが導管から離れて排尿が行われ、手を離すとバネによってバルブヘッドが導管を閉鎖することで、随意に失禁コントロールを行おうとするものである。
特許文献3には、尿道内の膀胱に近い位置に配置される、バルブを主とする排尿制御装置が開示されている。この装置は、膀胱内の膀胱内圧とバネの応力差によってバルブが開放され、患者が筋肉を収縮させる腹圧に応じて排尿を制御しようとするものである。
特許文献4には、尿道内に挿入された導管内にコイル、磁石による開閉手段を備え、外部から開閉操作を可能とする排尿制御装置が開示されている。この装置によって尿路の閉鎖、排尿の制御を確実に行おうとするものである。
一方で、体内に装置を配置するほかに、尿道に閉塞用の薬剤を設置し、随意に溶解して排尿を制御する手段も開発されている。特許文献5には、アルギン酸ポリマー、又はボロン酸ポリマーにポリビニールアルコール(PVA)を混合させた薬剤を尿道に注入することで閉鎖し、尿失禁を防ぐゲル・プラグを作製することが記載されている。排尿の際には、このゲル・プラグにブドウ糖液などを注入することで、ゲルの安定性を壊して溶解させ排尿を行えるようにしようとするものである。
特開平10−507652号公報 特開平6−14950号公報 特開平7−204217号公報 国際公開WO2006/115225号 特表2004−523296号公報
しかしながら、従来のこれら公知技術では、排尿の制御の信頼性が充分とはいえず、加えて装置の安全性や快適性において不足するものがあり、患者のQOLを好転させるには至っていない。
即ち、特許文献1に開示された装置では、スリット型のバルブで液流を閉鎖し、そのバルブに機器を挿入して開き排尿するという構造となっている。そのため、機器を挿入していない場合でも、スリット型の構造上バルブが膀胱内圧で閉じている際も完全に閉鎖が行われないことがあり、排尿を制御して尿失禁を完全に防止するには困難があった。
特許文献2の装置では、金属性バルブヘッドで導管を塞ぐ開閉装置であり、尿漏れを完全に防止するのは困難であった。さらに、膀胱バルーンの係止のための部材が多く、開閉装置も複雑であり、全体的に装置が複雑であるという問題点があった。また、金属性部材を多用し、複雑な構造、形状によって尿道を汚染し、粘膜を傷つける懸念も生じ得た。
さらに、特許文献1及び2の装置は女性用として開発されているものであるが、形状が複雑なこれらの技術を、尿道の長い男性用にこのままの形で応用することには困難があった。
特許文献3に開示された装置は、構造がかなり複雑であり、尿道内の一部に設置する小型の装置であるためもあって精緻さを必要とし、コストの問題や、排尿制御の確実性や安定性、排尿のコントロールに必要とされる精度の問題が生じることが考えられた。さらに、常に老廃物に触れる機器であることもあって、使用のうちに汚れや、汚れに対する雑菌の付着による衛生上の問題が生じることや、装置の寿命の問題が起こることが予測された。特に、膀胱内圧に応じて開閉する制御にはバネが用いられており、構造の複雑さによる汚れ等が特に懸念され、構成材料の劣化によるバネ係数の変化など性能に大きく影響が出ることも考えられた。
特許文献4で開示された装置は、排尿制御の確実性、安定性は高いが、コイルを用いた開閉手段を採用した装置はやや複雑であり、コストや精度についてさらに改善することが望まれていた。
特許文献5の技術は、機器を体内に設置せずにゲル・プラグを形成するため、ゲルの材料と機器を準備し、尿道に注入し、ゲルを定着、固化させるといった時間と手間を要するものであり、閉塞に際して時間を要するため、急な尿失禁のおそれが生じた場合に対応できない可能性が予測できた。また、ゲル・プラグによる尿道の閉塞には、特に膀胱内圧が高い場合の閉塞の信頼性に問題があった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排尿を開始する際の膀胱内圧を腹圧で調節することによる自律的な排尿が可能で、尿失禁が防止できる排尿制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、開放、閉塞する際の膀胱内圧を様々に設計でき、安定性及び高い精度を得ることができ、確実な閉塞、開放によって排尿の制御が確保される排尿制御装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、簡易な構造と安全な構成材料によって感染や汚染を防ぐことができ、男女双方の患者に設置でき、患者のQOLを向上させることのできる排尿制御装置を提供することにある。
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の排尿制御装置を提供する。
本発明の排尿制御装置では、尿道内に挿入される導管と、この導管内に固定して設けられると共に少なくとも一部に磁石を備え、導管の中央部に貫通孔を有する環状の上流制止部材と、導管内でその上流制止部材の下流に設けられ導管に沿って移動可能な制御部材と、導管内の制御部材の下流に固定して設けられた環状の下流制止部材とを備え、上流制止部材の磁石と制御部材との間で発生する磁力によって上流制止部材と制御部材とが互いに引き合うように制御部材は磁性材料で形成されており、制御部材は磁力による引き合う力と制御部材の上流側の尿圧とに応じて上流制止部材に当接するか又は離れるように構成されており、制御部材と上流制止部材の磁石とは、膀胱内圧に対応する制御部材の上流側の尿圧が、腹圧の上限によって定まる第1の値以上となった際に制御部材が上流制止部材の貫通孔の開口から離れて下流制止部材に当接し、尿圧が第1の値より小さい第2の値以下となった際に制御部材が開口に当接するように構成されており、制御部材が上流制止部材の開口に当接することにより貫通孔を介する導管内の尿の通過を阻止し、制御部材が上流制止部材の貫通孔の開口から離れて下流制止部材に当接することにより導管内の尿の通過を許可するように構成されている。特に本発明では、制御部材が当接する下流制止部材の略中央部の周囲に、下流制止部材の外周である円周に沿って多数の通液孔が配置されており、通液孔は、制御部材が下流制止部材の略中央に当接して係止した状態においても通液孔を介して尿を通液可能に構成されている
この排尿制御装置では、排尿制御装置にかかる尿圧すなわち膀胱内圧が弱い時は、制御部材が上流制止部材の貫通孔の開口に磁力により当接し、制御部材が上流制止部材の通液を閉塞して、導管の尿の流れを塞いでいる。この開口を塞いでいる制御部材の上部には膀胱内圧がかかっている。膀胱内圧が強くなり当接が磁力で支えられなくなると、制御部材は上流制止部材から外れて、膀胱内圧により下流制止部材に押し付けられたまま係止される。上流制止部材の閉塞が解かれ、さらに下流制止部材は通液が可能なので、導管を通じて排尿が行われる。排尿によって膀胱内圧が低くなると、磁力が膀胱内圧に抗して、再び制御部材が上流制止部材の貫通孔の開口に当接し、導管を閉塞する。上流制止部材と制御部材に働く磁力によって閉塞の強さ、すなわち開放される際の膀胱内圧が調節され、制御部材と下流制止部材との間の距離によってふたたび閉塞する際の膀胱内圧が調節される。さらに、本発明では、下流制止部材の、制御部材が当接する部分の周囲に多数の通液孔が設けられているため、制御部材がその部分に当接して係止した状態であってもこれら通液孔を介して尿が通液可能となる。
本発明の排尿制御装置では、制御部材は上流制止部材における貫通孔の開口の内径よりも大きい径を備えた制御球体であることが好ましい。略真球型の制御球体は、どの方向においても上流制止部材に対して当接する形状が略同一となる。環状の上流制止部材よりも内径が大きい制御球体は当接することで上流制止部材を閉塞する。よって、制御部材が閉塞するための構造を設けなくとも、磁力によって当接するのみで上流制止部材が確実に閉塞される。
本発明の排尿制御装置では、上流制止部材が磁石を備えており、制御部材の少なくとも一部が磁性体材料によって形成されていることが好ましい。上流の磁石の磁力が、磁性体材料を備える制御部材を上流制止部材に引き付ける。制御部材には磁極がないので位置する方向にかかわらず磁石の磁力によって引き付けられ、上流制止部材に引き付けられやすい。
本発明の排尿制御装置では、制御部材の上流側にかかる尿圧が2451.6625〜19613.3Pa(25〜200cmHO)の範囲から選ばれた第1の値以上となった際に制御部材が上流制止部材から離れ、上述の第1の値以下であり98.0665〜4993.325Pa(1.0〜50cmHO)の範囲から選ばれた第2の値以下となった際に制御部材が上流制止部材に当接することも好ましい。制御部材が上流制止部材から離れる尿圧すなわち膀胱内圧の第1の値を日常生活で腹圧が上昇する上限に設定することで、日常生活での尿漏れが防がれる。制御部材が上流制止部材に当接する第2の値について、第1の値より小さい値に設定することで、排尿が終わって尿圧が減少した際に確実に導管の閉塞が行われる。これらの作用によって、排尿の開始と終了が制御される。
本発明の排尿制御装置では、第1の値が9806.65〜17651.97Pa(100〜180cmHO)の範囲から選ばれていることが好ましい。膀胱内圧が、日常生活での変動の範囲では上回ることが稀で、かつ腹圧を加えることで容易に上回る値なので、日常生活では不随意な尿漏れが起こらないと共に排尿を行う際は腹圧を加えることによって随意に行うことができる。
本発明の排尿制御装置では、第2の値が1961.33〜2941.995Pa(20〜30cmHO)の範囲から選ばれていることが好ましい。排尿によって膀胱内圧が減少し排尿が終了した際にすみやかに導管の閉塞が行われる。
本発明の排尿制御装置によれば、外部からの操作や器具などを用いなくとも自然の尿圧、又は排尿を開始する際に排尿制御装置にかかる尿圧すなわち膀胱内圧を腹圧で調節することで排尿制御されることにより、患者の自律的な排尿が可能で自然な排尿に近づけることができる。安定性、精度と確実な閉塞、開放の制御が確保され尿失禁が防止される。調節弁を開放、閉塞する際の膀胱内圧を様々に設計でき、病状にあわせて対応できる。
また、男女双方の患者に設置でき、バネなどを用いていないため構造が複雑化せず、安定性、精度と確実な閉塞、開放が確保される。簡易な構造によって、尿中に排泄されるべき沈殿物などの不純物がたまりにくく、汚れが生じにくく、安全な構成材料によって感染や汚染を防ぐことができ、体内に留置する装置として良好であり、患者のQOLを保つことができる。
また、形態、構造が簡素でスペースを取らず、手術等によらず尿道を通じて膀胱近くに設置できる。尿道口部即ち膀胱括約筋部に容易に設置し、副作用が無くまた容易に着脱できるため、患者のQOLを著しく向上させることができる。
手術に依存するほど重篤でない患者、事情により手術できない患者又は手術を欲しない患者の、前立腺がんによる前立腺全摘出手術の際に頻発する膀胱括約筋の傷害またそれの支配神経の切断による後遺症、又は膀胱括約筋の麻痺による尿失禁あるいは尿道の過可動、腹圧性尿失禁に対して、患者が自発的に腹圧を加えることによって排尿を制御できる。排尿に備えて排尿を吸収するためのナプキンやその他の装備を必要とせず、これらの装着による不快感や悪臭に煩わされることもない。これらの効果により、患者のQOLを向上させることができる。
本発明の第1の実施形態における排尿制御装置の要部の一部断面斜視図である。 図1の排尿制御装置の側断面図である。 (a)は図2のIII−III線断面図、(b)は図2の保定器を示す平面図、(c)は第1の実施形態で用いる着脱用器具を示す正面図である。 図2の排尿制御装置の作用を示す要部断面図である。 図2の排尿制御装置の設置法を示す要部断面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態における排尿制御装置の要部断面図、(b)は図6(a)のVI−VI線断面図である。 本発明の第3の実施形態における排尿制御装置の要部の側断面図である。 図7の排尿制御装置の要部の一部断面斜視図である。 図7の排尿制御装置のIX−IX線断面図である。 図7の排尿制御装置の作用を示す要部断面図である。 (a)は図7の排尿制御装置の保定器が拡開した状態を示す平面図である。(b)は図11(a)のXI−XI線断面図である。 図7の排尿制御装置を設置した状態を示す要部断面図である。 図12の排尿制御装置の保定部が拡開した状態を示す要部断面図である。
第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態における排尿制御装置の要部の一部断面斜視図、図2は図1の排尿制御装置の側断面図、図3(a)は図2のIII−III線断面図、図3(b)は図2の保定器を示す平面図、図3(c)は第1の実施形態で用いる着脱用器具を示す正面図である。
図1及び2に示すように、排尿制御装置10は、尿道12内に挿入する導管13と、導管13内の上流側に設けられた上流制止部材14と、導管13内の上流制止部材14よりも下流側に設けられた本発明の制御部材である制御球体16と、導管13内の制御部材よりも下流側に設けられた下流制止部材17とを備えて概略構成される。
導管13は尿道12内に挿入され、排尿を行うためのいわゆるカテーテルである。導管13の太さ及び長さは患者の尿道12の状況や制御する排尿の状況によって異なってくるが、目安として、長さは2〜7cm、外径は9〜24Fr(French)から選択することができる。望ましくは16〜24Frである。構成材料はカテーテルに利用できるものが適宜選択できるが、生体適合性にすぐれ破損しづらく、汚染などを招きにくいポリエチレン、ポリプロピレン又はシリコーン樹脂などの軟質プラスチックのものが望ましい。本実施形態では、導管13は、上流部材13aと下流部材13bからなる。上流部材13aと下流部材13bは、いずれも軟質プラスチックを構成材料とし、一体成形されてなる部材である。
上流制止部材14及び制御球体16の全て又は一部は、磁性体材料で構成されている。また、これら上流制止部材14及び制御球体16は磁力によって互いに引き合い可能に設けられている。周知のように、磁性体材料は、着磁することによって、少なくともその一部が磁石となる。磁性体材料としては、種々の金属磁性体材料を選択できる。上流制止部材14及び/又は制御球体16は着磁されることにより少なくとも一方が磁力により他方の磁性体を引き付ける性質を有する磁石となり、これによって磁力によって双方が引き合い、両者が当接可能となる。なお、上流制止部材14の全体を磁石15とするか、又はその一部に磁石15を備えるようにし、制御球体16を磁性体とすることが望ましい。制御球体16に磁極のある磁石15が設けられるよりも、磁極がなく球形のいずれの箇所でも当接しやすいように磁性のみ有し上流制止部材14に引き付けられ当接することが望ましいためである。
上流制止部材14は、導管13の内壁に設けられ、排尿を行わない際には制御球体16と嵌合、密着して、尿道を閉塞する役割を果たす。排尿を行う際には制御球体16にかかる尿圧を高めることによって制御球体16との嵌合が解除されるようになっているものである。なお、ここで上流とは、尿道での上流側を意味し、尿道内を尿が通常流下する場合における上流側、すなわち膀胱に近い方向を指す。尿圧とは液体の圧力で、本実施形態では尿道内に設置された排尿制御装置10に上流からかかる尿の圧力ないし膀胱内圧を指す。
上流制止部材14は、円盤状又は円筒状の環状に形成されている。また、上流制止部材14の少なくとも略中央に円形の貫通孔14aが設けられている。円形の貫通孔14aは、その開口が後述する制御球体16と当接することで閉塞されるようになっている。貫通孔14aが小さすぎると当接が外れやすく閉塞を確保できず、貫通孔14aが大きいと上流制止部材14と制御球体16の接触面が大きくなり閉塞が確保されるが、大きすぎると隙間が生じる可能性が高くなる。貫通孔14aの内径の大きさは、排尿を調節する膀胱内圧(後述する一定の圧力の値P1)によっても決まってくるが、3.0〜2.0mm以下、特に2.5〜2.0mmが望ましい。上流制止部材14の下流端は、制御球体16と当接しやすいよう、制御球体16の表面の球面に応じた曲面となっていてもよい。上流制止部材14の上流端はどのような形状でも構わない。
上流制止部材14は、その主要部が導管13の一部として形成されているか、あるいは導管13とは別個の部材をこの導管13の内部に取付けるように構成しても良い。上流制止部材14の構成材料は金属磁性体でもよいが、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はその他の軟質プラスチックで、生体適合性が高いものが望ましく、抗菌性プラスチックを用いることが最も望ましい。
本実施形態では、上流制止部材14の主要部は、プラスチックなどの、下流部材13bと一体的に成形された環状の部材からなっている。この主要部に、単一又は複数の環状又はその他の形状の磁石15が埋め込まれて、上流制止部材14が構成されている。磁石15は、永久磁石等の磁力を持つ部材である。例えば、部材数を少なくするために、環状の永久磁石自体をそのまま上流制止部材14となるように構成してもよい。なお、本実施形態における上流制止部材14の外径は、例えば3.5〜5.5mmである。
制御球体16は、本発明の制御部材に相当する。制御部材は、磁力によって引き合う力と加えられる膀胱内圧とに応じて上流制止部材14に当接又は離れることによって尿の流れを制御する部材である。制御球体16は、上流制止部材14とその球面の一部で嵌合可能な、上流制止部材14における貫通孔14aの内径より大きな径を備えた略真球形の部材である。この制御球体16は、少なくとも上流側にかかる膀胱内圧が無い状態では、磁力によって上流制止部材14の貫通孔14aの開口に当接し、この開口を塞ぐ位置に収まり上流制止部材14の通液を閉塞するようになっている。制御球体16の径は、貫通孔14aの開口径と制御する膀胱内圧とによっても変わってくるが、前述した貫通孔14aの開口径よりも大きく、目安として3.0〜4.0mmである。
制御球体16が磁石15を備えていない場合、制御球体16全体を磁性体材料で構成し、これに着磁すれば良い。制御球体16の構成材料として、金属磁性体材料、例えば鉄やニッケルを含むステンレスなどが使用でき、例えばマルテンサイト系ステンレスは磁性が強く錆びが生じにくいので特に望ましい。金属をプラスチックやゴム、ビニルなどで被覆(コーティング)することで、磁性を下げずに、錆びや汚れを防ぐことができる。例えば、金属性の球体を軟質プラスチックなどの樹脂で被覆し、全体としては軟質の球、例えばゴム球に上述の磁性金属粉を混合したものなども用いることができる。制御球体16は尿に晒される状態にあり剥落細胞残滓やカルシウム等の塩類又は細菌などが蓄積しやすく、これらの蓄積は感染の原因となる。そのため、制御球体16は金属性の球体の表面に除菌性能を持つAu(金)、Ag(銀)、Zn(亜鉛)、Sn(スズ)等の金属によるメッキを施してなることも望ましい。本実施形態では、制御球体16は、鋼球を被覆した軟質の球状体を構成材料とし、その直径は3.0〜4.0mmである。
制御球体16は、上流制止部材14と当接した状態から、上流制止部材14に印加される尿圧、すなわち制御球体16に対して上流制止部材14の貫通孔14aを介して印加される尿圧が第1の値P1以上となった際に、この当接した状態から離れるように構成されている。この第1の値P1は、磁石15の磁力の強さ、制御球体16及び上流制止部材14の構成、例えばこれらに用いる構成材料における磁性体材料の含有量、重さ及び大きさ、これらの間の距離、上流制止部材14の貫通孔14aの大きさなどによって定まる。この実施形態では、排尿制御装置10が配置された状態で制御球体16にかかる尿圧とは膀胱内圧にあたり、第1の値P1は、排尿が防がれる範囲の膀胱内圧であり、後述する日常生活での腹圧などで予測できる範囲の値である。
第1の値P1は目安として9806.65〜17651.97Pa(100〜180cmHO)、望ましくは11767.98〜13729.31Pa(120〜140cmHO)前後に設定しておけば、尿失禁を起こすことはなく、また意識的に腹圧を加えて設定値以上の膀胱内圧を加えることも容易であるから、排尿を自主的に行うことが可能となる。本実施形態では、第1の値P1として、P1=11767.98Pa(120cmHO)を選択している。
下流制止部材17は、導管13内の、制御球体16の尿道下流側に設けられている。下流制止部材17は、排尿時に、膀胱内圧によって上流制止部材14から外れた制御球体16が、尿流の流圧によって押し付けられることで係止される部材である。制御球体16を係止した下流制止部材17は、この状態で通液が可能となるように例えば多孔や線状部材や網状などで構成されている。下流制止部材17は制御球体16を係止しやすいよう、略中央に制御球体16の直径よりもやや小さい径の孔や、受け皿となる窪みを有していてもよい。本実施形態では、図3(a)に示すように、下流部材13bの下流は管が閉じて底面17bが形成されているが、通液孔17aがその底面17bの円周に沿って配置されており、底面17bが下流制止部材17となっている。下流制止部材17は略中央に窪みを有し、その周囲に制御球体16の直径よりも小さい径の通液孔17aを多数配置したことで、制御球体16を係止しつつ通液が可能である。
下流制止部材17、制御球体16及び上流制止部材14の位置関係は、制御球体16の上流側に印加される尿圧が第2の値P2以下となったときに、制御球体16が上流制止部材14に当接されるように構成されている。すなわち、膀胱内圧が第2の値P2をこえているときは、制御球体16は下流制止部材17に当接しているが、膀胱内圧が第2の値P2となるか下回ったとき(すなわち第2の値P2以下となったとき)には制御球体16は磁石15の磁力によって引き付けられて下流制止部材17から離れ、上流制止部材14に当接するように構成される。上流制止部材14と下流制止部材17との距離Lが大きくなると、この圧力の第2の値P2は小さくなる。制御球体16と磁石15の間に働く磁力は、両者の距離に反比例するため、制御球体16と下流制止部材17が当接した状態で距離Lが大きいと、制御球体16に上流からかかる圧力が低くても制御球体16が上流制止部材の方向に引き付けられにくいためである。制御球体16と磁石15の間に働く磁力の強さでも、圧力の第2の値P2は左右される。この圧力の第2の値P2は、上述した上流制止部材14と制御球体16とが離れる第1の値P1以下の、98.0665〜4993.325Pa(1.0〜50cmHO)の範囲から選ばれた値から選択され、排尿が終わった際に尿道を閉塞する際の膀胱内圧である。第2の値P2としては、望ましくは1961.33〜2941.995Pa(20〜30cmHO)であり、本実施形態では2451.6625Pa(25cmHO)以下である。
排尿制御装置10は図2に示すように、導管13の尿道12上流側に縮径可能な保定器22を備えている。保定器22は、導管13の上流部を構成する軟質プラスチック製の上流部材13aと同一材料で一体成形されている。本実施形態において、保定器22は、図3(b)に示すように、導管13から水平方向に耳状に伸長した2枚の翼部22aを備えている。翼部22aは、力のかからない状態では水平方向に拡がった状態に維持されるようになっている。上流部材13aの上流の、翼部22aが形成されている尿道口の付近は弾力を維持するために厚く構成されており、排尿路22bが設けられている。翼部22aは導管13の中心軸方向の力がかかると、上流部材13aの構成材料の弾力性によって折れ曲がり、後述する外套管(シース)21の内径未満の外径に収まることができるように構成されている。
保定部22は、拡がった状態では、膀胱の内壁を傷つけないようゆるやかに当接できるように、下面が例えば傘形状やキノコ形状などのものを用いることが望ましい。翼部22aの厚さを薄くし、かつ、その中央部に貫通孔をあけることによって、翼部22a全体を柔軟にすることもできる。これによって、図5(c)に示すように、翼部22a部分が装置の着脱に際して容易に折れ曲って保定部22の外径が縮小し、尿道を傷つけることがない。本実施形態では、保定部22が軟質プラスチック材料で形成されているが、保定部22をステンレススチールのような曲がりやすい材質を有する金属の弾性体材料による線材や板で形成しても良い。また、保定部22として、複数の棒状材を弾性体によって放射状に連結し、弾性によって収縮するように構成されたものも用いることができる。
図1、2及び5(a)に示すように、導管13の下流部材13bの下端部には、導管13を尿管から着脱するために用いられる着脱用部位17cが設けられている。本実施形態においては、着脱用部位17cは後述する着脱用器具23の着脱構造23aとして設けられた雄ネジ部に螺合することができる雌ネジ部から構成されている。
着脱に用いる着脱用器具23は、柔軟なプラスチック製であって、着脱用部位17cと螺合により連結可能な着脱構造23aを有している。螺合以外に、噛み合わせ、掴み又は引っ掛けなどの方法で、着脱用器具23の着脱構造23aと下流部材13bの着脱用部位17cとを連結しても良い。
排尿制御装置10は、体内に設置する前には、外套管21内に挿入されている。外套管21は、導管13の外径よりもわずかに内径が大きい軟質プラスチック製又は金属製の管である。図2に示した例では、外套管21は、内径18〜24Fr、長さ10〜30cmであり、導管13は外径16〜20Fr、長さ2〜7cmである。
なお、上述したいずれの部材も、体内に設置され、代謝老廃物を含有する尿に晒されるものであり、剥落脱落した細胞又はその部分、微生物、カルシウム等の無機物質、塩類などの尿沈渣物の付着による汚れ、また金属部材では錆びなどを生じやすいが、またそれらが原因で雑菌が繁殖するなどさらなる汚染の原因ともなるので、それらが生じにくいことが望ましい。表面は付着を最小限とするためできるだけ平滑とするか、コーティング、抗菌処理などを施すことが望ましい。例えば部材を被覆するコーティング剤としては、カテーテル、注射針、ステント等に用いられるのと同質の物質が使用でき、フッ素樹脂加工、テフロン(登録商標)加工、フロロカーボンなどを用いてもよい。この場合、コーティングは導管13の内外面の部材、その他本発明の装置を構成するすべての部品、部分など尿と接触する部分すべてに対して行うことができる。コーティングのほかにも、ポリマー表面を円滑に加工することで、付着や汚染を防ぐこともできる。また防菌・抗菌性能を持つポリマーを用いてもよい。抗菌性を有し錆を生じない金属、例えばAuで表面処理を行うこともできる。
次に、体内に設置された排尿制御装置10の動作について説明する。図4(a)に示すように、膀胱内圧U1が低い時は、上流制止部材14と制御球体16とが、磁石15と制御球体16との間に働く磁力により当接している。このとき、制御球体16が上流制止部材14の貫通孔14aの開口を塞ぐことによって、導管を閉塞している。この開口を塞いでいる制御球体16の上部は、貫通孔14aを通じて上流側に露出しているので、上流からの膀胱内圧U1がかかっている。
膀胱に尿がたまると膀胱内圧U1は強くなっていく。膀胱内圧U1が前述した第1の値P1以上となると、図4(b)に示すように、制御球体16は上流制止部材14から外れる。外れた制御球体16は、尿流の流圧U2により下流制止部材17に押し付けられたまま係止される。上流制止部材14の閉塞が解かれ、さらに下流制止部材17は制御球体16が当接していても通液孔17aを介して通液が可能なので、貫通孔14aと通液孔17aを通じて尿流Fが生じ、導管13を通じて排尿が行われる。
排尿が行われるにしたがって、尿流の流圧U2は低くなっていく。尿流Fの流圧U2が低くなり、前述した第2の値P2以下となると、図4(c)に示すように、制御球体16と磁石15の間に働く磁力が流圧U3に抗して、再び制御球体16が上流制止部材14に当接し、導管13を閉塞する。
この構成によれば、磁石15と制御球体16に働く磁力の強さや、上流制止部材14と下流制止部材17との間の距離Lの設計によって、開放される際の膀胱内圧、膀胱内圧が弱まった際に再び閉塞する際の膀胱内圧を調節できる。また、上流制止部材14の貫通孔14aの開口と制御球体16自体の大きさや、下流制止部材17の通液孔17aの大きさ及び数により、設計段階で流量を調節することもでき、様々な患者に対応することができる。
排尿が行われる膀胱内圧を設計によって調整することができるので、患者の状態やその他必要に応じて排尿のされやすさを変更することができる。また手術によらず設置や除去が簡便に行えることから、装置を交換して変更することも容易である。
次に、本実施形態の排尿制御装置10の尿道への設置方法について図5に示して説明する。設置前において、図5(a)に示すように、導管13は外套管21内に挿入されており、保定器22も折畳まれて外套管21内に収納された状態となっている。外套管21を尿道12内に挿入し、図5(b)に示すように、内部の導管13を押し込み方向Pへ押し込んで、膀胱内に挿入する。このとき、例えば着脱用器具23の着脱構造23aとは反対側の棒状部を押し込み棒23bとして用いてもよいし、着脱用部位17cとは特に適合しない細長い機器を用いて押し込んでもよい。導管13の上端が膀胱括約筋部である膀胱の尿道口12aの付近まで進むと、保定器22が弾性によって開く方向Eに拡開し、膀胱内に定位する。こうして、患者の膀胱や尿道12などを傷つけることなく、安全かつ容易に設置が可能となっている。外套管21は排尿制御装置10の設置後、引き抜くことにより除去する。
次に、本実施形態の排尿制御装置10の尿道からの除去方法について説明する。排尿制御装置10を除去する際には、着脱用器具23の着脱構造23aを下流部材13bの着脱用部位17cに連結し、排尿制御装置10を下流側の除去方向Qに引き出す。図5に示した例では、着脱構造23aの雄ネジ部を着脱用部位17cの雌ネジ部に螺合させて、しかる後に引き出している。保定器22は強く引かれると収縮して閉じる方向Cに収縮しつつ尿道12の内径以下の径に収まる。ついで、導管13を尿道12から抜く。この際、保定器22はその柔軟な構造のために、膀胱の尿道口12aや、尿道12を傷つけることは無い。こうして、患者の膀胱や尿道などを傷つけることなく、容易に除去が可能となっている。外套管21を尿道12内に挿入し、着脱用器具23を着脱用部位17cに連結したのち、外套管21を膀胱内腔に押し込んでから、着脱用器具23を引いて保定器22全体を外套管21に収納し、外套管21を抜去すればより安全である。
第2の実施形態
図6(a)は本発明の第2の実施形態における排尿制御装置を示す要部断面図であり、図6(b)は図6(a)のVI−VI線断面図である。第1の実施形態に係る排尿制御装置10の場合と同様の構造を有する要素に関しては、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の排尿制御装置60において、導管63は軟質プラスチック製の管の一部からなり、その管の内部に上流制止部材64及び下流制止部材67が、溶接や凹凸の嵌め込み構造を用いて設けられている。
上流制止部材64は、導管63と同構成材料の軟質プラスチック製であり、略中央に円形の貫通孔64aが設けられた環状部材である。軟質プラスチックの内部に、磁石65が埋め込まれている。また、制御球体16の球面と当接しやすいよう、下流側の面における貫通孔64aの開口の回りには、円周方向に沿って、制御球体16の表面に略合わせた曲面が形成されている。
磁石65は、制御球体16を支えるに充分な磁力を与えられるように上流制止部材64の下流の表面からの距離を調節されて上流制止部材64内に埋め込まれている。本実施形態では、上流制止部材64の円周に沿って互いに対向する位置に2つの矩形の永久磁石が、上流、下流ともに表面に露出しない位置に埋め込まれている。なお、3つ以上の永久磁石が設けられていても、環状の永久磁石が円周に沿って埋め込まれていても、これら永久磁石が上流下流のいずれか又は両方に露出していてもよい。
下流制止部材67は、制御球体16を係止できる係止孔67bと、係止した状態で通液性を確保する通液孔67aとを備えており、軟質プラスチック材料により円盤状に形成されている。特に本実施形態では、下流制止部材67は導管63と一体成形されてなる。係止孔67bは、その内径が制御球体16の直径よりも大きく、上流からの膀胱内圧がかかると制御球体16が自然に係止孔67bに嵌り込み係止されるようになっている。
この排尿制御装置60を尿道に対して着脱する際には、図6(b)に示す着脱用器具73を用いる。この着脱用器具73は、先端の着脱構造73aが鉤状になっている。着脱用器具73の先端を係止孔67bを通過させ、鉤状の着脱構造73aを係止孔67bに引っ掛け、排尿制御装置60を引き出して除去することができる。本実施形態では、着脱用器具73の後端73bは、係止孔67bよりやや径が大きくなっており、排尿制御装置60の設置時にこの後端73bで下流制止部材67を押し込むこともできる。
本実施形態では、磁石65が、上流制止部材64とは別個の部材として埋め込まれているので、磁石65として様々な形状、大きさや数の永久磁石を選択することができる。また、磁石65が露出していないので、尿流に晒されることなく劣化が少ない。上流制止部材64は磁石ではなく樹脂製の部材であるため加工しやすく、制御球体16と当接しやすく、尿流を止めやすくなっている。下流制止部材67は単純な形状となっており加工しやすい。また、排尿制御装置60の着脱も容易に行えるようになっている。
第3の実施形態
図7は本発明の第3の実施形態における排尿制御装置の要部の側断面図、図8は図7の排尿制御装置の要部の一部断面斜視図、図9は図7の排尿制御装置のIX−IX線断面図、図10は図7の排尿制御装置の作用を示す要部断面図、図11の(a)は図7の排尿制御装置の保定器が拡開した状態を示す平面図、図11(b)は図11(a)のXI−XI線断面図、図12は図7の排尿制御装置を設置した状態を示す要部断面図、図13は図12の排尿制御装置の保定部が拡開した状態を示す要部断面図である。
図7及び図8に示すように、排尿制御装置80は、尿道内に挿入する導管83を備え、導管83の尿道上流側に本発明の支持部材に相当する保定器92を備え、保定器92は形状記憶合金からなる変形部94を備えている。
導管83は尿道12内に挿入され、排尿を行うためのいわゆるカテーテルである。導管83の太さ及び長さは患者の尿道12の状況や制御する排尿の状況によって異なってくるが、目安として、長さは2〜7cm、外径は9〜24Fr(French)から選択することができる。望ましくは16〜24Frである。構成材料はカテーテルに利用できるものが適宜選択できるが、生体適合性にすぐれ破損しづらく、汚染などを招きにくいポリエチレン、ポリプロピレン又はシリコーン樹脂などの軟質プラスチックのものが望ましい。
本実施形態では、導管83は、上流部材83aと下流部材83bとから概略構成されている。上流部材83aはシリコンゴムを構成材料とし、上部に保定器92が一体成形されている。
上流制止部材84及び制御球体86の全て又は一部は、磁性体材料で構成されている。また、これら上流制止部材84及び制御球体86は磁力によって互いに引き合い可能に設けられている。周知のように、磁性体材料は、着磁することによって、少なくともその一部が磁石となる。磁性体材料としては、種々の金属磁性体材料を選択できる。上流制止部材84及び/又は制御球体86は着磁されることにより少なくとも一方が磁力により他方の磁性体を引き付ける性質を有する磁石となり、これによって磁力によって双方が引き合い、両者が当接可能となる。なお、上流制止部材84の全体を磁石85とするか、又はその一部に磁石85を備えるようにし、制御球体86を磁性体とすることが望ましい。制御球体86に磁極のある磁石85が設けられるよりも、磁極がなく球形のいずれの箇所でも当接しやすいように磁性のみ有し上流制止部材84に引き付けられ当接することが望ましいためである。
上流制止部材84は、導管83の内壁に設けられ、排尿を行わない際には制御球体86と嵌合、密着して、尿道を閉塞する役割を果たす。排尿を行う際には尿圧を高めることによって制御球体86との嵌合が解除されるようになっているものである。なお、ここで上流とは、尿道での上流側を意味し、尿道内を尿が通常流下する場合における上流側、すなわち膀胱に近い方向を指す。尿圧とは液体の圧力で、本実施形態では尿道内に設置された排尿制御装置10に上流からかかる尿の圧力となるため、膀胱内圧を指す。上流制止部材84は、円盤状又は円筒状の環状に形成されている。また、上流制止部材84の少なくとも略中央に円形の貫通孔84aが設けられている。円形の貫通孔84aは、その開口が後述する制御球体86と当接することで閉塞されるようになっている。貫通孔84aが小さすぎると当接が外れやすく閉塞を確保できず、貫通孔84aが大きいと上流制止部材84と制御球体86の接触面が大きくなり閉塞が確保されるが、大きすぎると隙間が生じる可能性が高くなる。貫通孔84aの内径の大きさは、排尿を調節する膀胱内圧(後述する一定の圧力の値P1)によっても決まってくるが、3.5mm以下、特に3.0mm以下が望ましい。上流制止部材84の下流端は、制御球体86と当接しやすいよう、制御球体86の表面の球面に応じた曲面となっていてもよい。上流制止部材84の上流端はどのような形状でも構わない。上流制止部材84の構成材料は金属磁性体でもよいが、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はその他の軟質プラスチックで、生体適合性が高いものが望ましく、抗菌性プラスチックを用いることが最も望ましい。
本実施形態では、上流制止部材84は、シリコンゴムを材料とし、略中央に貫通孔84aが設けられている。この貫通孔84aの内径は2.0〜3.0mmであり、上流制止部材84の厚みは1.5mm以下である。磁石85は上流制止部材84の上流に備えられている。磁石85は環状で貫通孔85aを備え、下流部材83bの上端にはめ込まれ、上流部材83aの下端の嵌込部89と、下流部材83bにはめ込まれた環状の上流制止部材84とによって挟み込まれている。
制御球体86は、本発明の制御部材に相当する。制御部材は、磁力によって引き合う力と加えられる膀胱内圧とに応じて上流制止部材84に当接又は離れることによって尿の流れを制御する部材である。制御球体86は、上流制止部材84とその球面の一部で嵌合可能な、上流制止部材14における貫通孔14aの内径より大きな径を備えた略真球形の部材である。この制御球体86は、少なくとも上流側にかかる膀胱内圧が無い状態では、磁力によって上流制止部材84の貫通孔84aの開口に当接し、この開口を塞ぐ位置に収まり上流制止部材84の通液を閉塞するようになっている。制御球体86の径は、貫通孔84a及び85aの開口径と制御する膀胱内圧とによっても変わってくるが、前述した貫通孔84aの開口径よりも大きく、かつ5.0mm以下である。目安として2.0〜3.0mmの範囲内が望ましい。
制御球体86は、上流制止部材84と当接した状態から、上流制止部材84に印加される圧力、すなわち制御球体86に対して上流制止部材84の貫通孔84aを介して印加される尿圧が第1の値P1以上となった際に、この当接した状態から離れるように構成されている。この第1の値P1は、磁石85の磁力の強さ、制御球体86及び上流制止部材84の構成、例えばこれらに用いる構成材料における磁性体材料の含有量、重さ及び大きさ、これらの間の距離、上流制止部材84の貫通孔84a及び85aの大きさなどによって定まる。第1の値P1は、排尿が防がれる範囲の膀胱内圧であり、後述する日常生活での腹圧などで予測できる範囲の値である。
本実施形態では、制御球体86は、鋼球にAu、Ag、Zn、Snを含む除菌性能を持つ金属のメッキを施した軟質の球状体を用いている。
制御球体86に対して上流制止部材84の貫通孔84a及び磁石の貫通孔85aを介して印加される圧力が第1の値P1以上となった際に、この当接した状態から離れるように構成されている。第1の値P1は、排尿が防がれる範囲の膀胱内圧であり、日常生活での腹圧などで予測できる範囲の値で、2451.6625〜19613.3Pa(25〜200cmHO)の範囲が予測できる。
排尿制御のためには、膀胱内圧及び日常生活での腹圧などで予測できる負荷を加えた膀胱内圧に対応できる必要がある。排尿の生理については未だ不明なことが多いが、通常、尿が膀胱に一定量溜まるまではラプラスの法則に従い、膀胱内圧が低圧に保たれている。大声を上げる、笑う、咳やくしゃみをするといった要因によって膀胱内圧が高まり、健常人では膀胱括約筋が閉鎖されているため尿漏れを起こすことがないのに対して、疾患や後遺症によって膀胱括約筋の閉鎖が不完全である患者の場合は、膀胱内に尿の貯留が少なくても尿漏れを起こすことになると考えられている。そのため、前述の日常の要因で膀胱内圧が高まった際の負荷に対応するよう設定することで、尿漏れを防ぐことが可能である。膀胱内圧は2451.6625〜19613.3Pa(25〜200cmHO)の範囲が予測でき、目安として、尿意を催す際の膀胱内圧はウロフロロメトリーによって示されるが、正常人の平常時が2451.6625Pa(25cmHO)であり、咳や大声や各種ショックといった日常的な要因による加圧によっても9806.65〜11767.98Pa(100〜120cmHO)を上回ることは稀である。したがって、上述した第1の値P1を目安として9806.65〜17651.97Pa(100〜180cmHO)、望ましくは11767.98〜13729.31Pa(120〜140cmHO)前後に設定しておけば、尿失禁を起こすことはなく、また意識的に腹圧を加えて設定値以上の膀胱内圧を加えることも容易であるから、排尿を自主的に行うことが可能となる。本実施形態では、第1の値P1として、P1=11767.98Pa(120cmHO)を選択している。
下流制止部材87は、導管83内の、制御球体86の尿道下流側に設けられている。下流制止部材87は、排尿時に、膀胱内圧によって上流制止部材84から外れた制御球体86が、尿流の流圧によって押し付けられることで係止される部材である。制御球体86を係止した下流制止部材87は、この状態で通液が可能となるように例えば多孔や線状部材や網状などで構成されている。下流制止部材87は制御球体86を係止しやすいよう、略中央に制御球体86の直径よりもやや小さい径の孔や、受け皿となる窪みを有していてもよい。
本実施形態では、導管83の下流部を構成する下流部材83bはアクリル材料で形成されており、この下流部材83bに、下流制止部材87が一体的に形成されている。下流制止部材87は上端に上流制御部材84との距離を調節するための突起87cが設けられている。図8及び図9に示すように、下流制止部材87は厚さが導管83の径よりも薄い板状の部材で、下流部材83bとの隙間である通液孔87dを通じて上流側からの通液が可能となっている。制御球体86の径と下流制止部材83の厚さは、制御球体86がこの通液孔87dを通過できないように調整されるので、下流制止部材87は制御球体86を係止可能となっている。下流制止部材87には、導管83を尿道12の尿道括約筋部に定位装着するために用いられる糸通し孔87aが設けられており、この糸通し孔87aに着脱糸87bが通されている。本実施形態では着脱糸87bは長さ40cmのナイロン糸を環状としたものである。
下流制止部材87、制御球体86及び上流制止部材84の位置関係は、制御球体86の上流側に印加される膀胱内圧が第2の値P2以下となったときに、制御球体86が上流制止部材84に当接されるように構成されている。すなわち、膀胱内圧が第2の値P2をこえているときは、制御球体86は下流制止部材87に当接しているが、膀胱内圧が第2の値P2となるか下回ったとき(すなわち第2の値P2以下となったとき)には制御球体86は磁石85の磁力によって引き付けられて下流制止部材87から離れ、上流制止部材84に当接するように構成される。上流制止部材84と下流制止部材87との距離Lが大きくなると、この圧力の第2の値P2は小さくなる。制御球体86と磁石85の間に働く磁力は、両者の距離に反比例するため、制御球体86と下流制止部材87が当接した状態で距離Lが大きいと、制御球体86に上流からかかる圧力が低くても制御球体86が上流制止部材の方向に引き付けられにくいためである。制御球体16と磁石15の間に働く磁力の強さでも、圧力の第2の値P2は左右される。この圧力の第2の値P2は、上述した上流制止部材14と制御球体16とが離れる第1の値P1以下の、98.0665〜4993.325Pa(1.0〜50cmHO)の範囲から選ばれた値から選択され、排尿が終わった際に尿道を閉塞する際の膀胱内圧である。第2の値P2としては、望ましくは1961.33〜2941.995Pa(20〜30cmHO)であり、本実施形態では2451.6625Pa(25cmHO)以下である。
保定器92は、導管83から水平方向に伸びる翼状の2枚の翼部92aを備えている。上流部材83aの、尿道12上流側の端はU字型の切り込み88が設けられ、翼部92aが折畳まれやすいように構成されている。
変形部94の形状記憶合金は、その変態点が膀胱内温度より低温に設定されている。このため、変態点以上の温度では、記憶された定まった形状を維持するが、変態点より低い温度では、軟化して自由に変形可能となる金属である。本実施形態では、膀胱内温度以上となると、記憶された形状を維持し、より低温で軟化して変形するよう設定されている。形状記憶合金の変態点は、膀胱内温度を鑑みて32〜37℃から選択されるのが好ましい。より具体的には、変形部94は、径0.3mmの細線であり、変態点である35℃以上では硬化し、記憶された形状であるL字型をとり、それ以下の温度、特に24℃以下では軟化して変形可能となる。この変形部94を構成する3つの細線は、翼部92aの長手方向に沿って形成された3つの溝92b内にそれぞれ嵌めこまれており、上流部材83aの内部を通り、その下端部において、上流部材83aより若干径の小さいアクリル製の嵌込部89に差し込まれ固定されている。
排尿制御装置80は、設置前においては、導管83が外套管(シース)91内に挿入されている。外套管91は、導管83の外径よりもわずかに内径が大きい軟質プラスチック製の管である。図7に示した例では、外套管21は、内径18〜24Fr、長さ10〜30cmである。保定器92の翼部92aは、材料が軟質のシリコンゴムなので芯となる変形部94の形状に応じて変形するが、特に24℃以下の室温では変形部94の形状記憶合金は軟化した状態にあり、従って、翼部92aはほぼ自由に変形する。そのため、この時には保定器92の翼部92aが導管83と直線状をなすように折畳まれ、外套管91内に収納されている。
次に、体内に設置された排尿制御装置80の動作について説明する。図10(a)に示すように、排尿制御装置80が尿道内に設置されているとき、膀胱内圧U1が低い時は、上流制止部材84と制御球体86とが、磁石85と制御球体86との間に働く磁力により当接している。このとき、制御球体86が上流制止部材84の貫通孔84a及び磁石85の貫通孔85aを塞ぐことによって、導管を閉塞している。この開口を塞いでいる制御球体86の上部は、貫通孔84a及び85aを通じて上流側に露出しているので、上流からの膀胱内圧U1がかかっている。
膀胱に尿がたまると膀胱内圧U1は強くなっていく。尿が膀胱内に溜まり、尿意を覚えると、装着者によって自主的に腹圧が加えられる。それにより、膀胱内圧U1が前述した第1の値P1以上となると、図10(b)に示すように、制御球体86は上流制止部材84から外れる。外れた制御球体86は、尿流の流圧U2により下流制止部材87に押し付けられたまま係止される。上流制止部材84の閉塞が解かれ、さらに下流制止部材87は制御球体86が当接していても通液が可能なので、尿流Fが生じ、導管83を通じて排尿が行われる。
排尿が行われるにしたがって、尿流の流圧U2は低くなっていく。尿流Fの流圧U2が低くなり、前述した第2の値P2以下となると、図10(c)に示すように、制御球体86と磁石85の間に働く磁力が流圧U3に抗して、再び制御球体86が上流制止部材84に当接し、導管83を閉塞する。なお、尿流量は排尿制御装置80が膀胱内に開く導管83の太さによって決まるが、本実施形態においては12〜15ml/秒となるよう調整した。
次に、本実施形態の排尿制御装置80の設置方法について説明する。まず、保定部92の作用について図7及び図11を参照して説明する。室温に置かれている排尿制御装置80は、図7に示すように保定器92が折畳まれた状態にある。図11に示すように、排尿制御装置80は外套管91が除去され、変態点以上の温度条件、本実施形態では35℃をこえる温度に置かれると、変形部94が形状記憶合金の記憶された形状であるL字型をとる。このときシリコンゴムの翼部92aは芯となる変形部94の形状に応じて変形し、保定器92が拡開した状態をとる。
排尿制御装置80を尿道に設置する際は、まず変形部94が変態点以下で充分に軟化し、翼部92aが変形可能な状態であることを確認する。なお、室温が24℃よりも高いときは、排尿制御装置80をあらかじめ冷却してから設置を開始してもよい。ついで、排尿制御装置80を尿道12内に押し込み設置する。このときは、目安として導管83のいずれかの部位を、外套管91よりも径の細い押し棒を用いて押し込むことができ、一方で着脱糸87bを引くことで押し込んだ位置を調節することもできる。外套管91を尿道12内に挿入して排尿制御装置80を膀胱近くまで押し込み、導管83の上端が膀胱括約筋部である膀胱の尿道口12aの付近になるよう、位置を調整する。ついで外套管91を引き抜き除去して、図12に示すように、排尿制御装置80を膀胱内に定着させる。
図13に示すように、膀胱内に定着した排尿制御装置80はまもなく体温によって温められ、保定器92が開く方向Eに拡開する。ついで糸87bを引き、拡開した保定器92によって排尿制御装置80が尿道口12aに当接するようにし、抵抗があることを確認して、排尿制御装置80が尿道内に保定されたことを確かめる。こうして、患者の膀胱や尿道12などを傷つけることなく、安全かつ容易に設置が可能となっている。着脱糸87bは設置後、切断し除去する。
排尿制御装置80の装着時には、以下のように膀胱尿道口での位置を調節してもよい。押し棒により導管83を一旦膀胱内に突き落とし、保定器92が拡開したのちに、着脱糸87bを引くことで翼部92aが尿道口12aに当接するようにして排尿制御装置80を定位置に導き、尿道口12a近くの膀胱括約筋部に保定することができる。
次に、本実施形態の排尿制御装置80の除去方法について説明する。排尿制御装置80の除去には、柔軟な管を装着し、内視、把持及び液体の注入が可能な膀胱鏡を用いる。予め膀胱鏡により、排尿制御装置80と膀胱内には24℃以下の冷却水を注入しておく。変形部94を芯とする翼部92aが冷却されることにより軟化したことを膀胱鏡で確認したのち、膀胱鏡で糸通し孔87aを把持して排尿制御装置80を尿道12の外に引き出す。翼部92aは軟化して変形可能なので、患者の膀胱や尿道12に沿って閉じる方向Cに変形する。そのため、排尿制御装置80を引き出す過程で患者の膀胱や尿道などを傷つけることなく、抵抗もなく容易に除去が可能となっている。
この排尿制御装置80は、体内に設置された状態では体温である35℃以上の温度が保たれているので、変形部94は記憶されている形状であるL字型を保ち、排尿制御装置80が尿道口12aの近傍に保定されている。疾患や後遺症によって膀胱括約筋の尿道閉鎖能力が衰えている患者では、尿道口12a付近で排尿制御装置80を保持する能力も劣化していることが危惧され、尿の圧力によって排尿制御装置80が尿道内に流下することを防止する手段を確保する必要がある。この排尿制御装置80は、保定器92を備えることで、体温の条件にある限り確実に尿道口12aの近傍に保定される。さらに、排尿制御装置80を冷却するのみの手段で保定器92を軟化させ、安全かつ容易に着脱を行うことができる。
変更態様
制御部材は、上流制止部材を閉塞可能な形状であれば制御球体16及び86のほか、円盤状、円錐状などの形状であってもよい。第3の実施形態の上流制止部材84は、第1及び第2の実施形態にも当接のスペーサとして追加して設けることができ、厚みによって磁石と制御部材との磁力での当接の強さを調節することができる。下流制止部材に磁石15、65及び85よりも磁力の弱い磁石を備えることで、制御部材が上流制止部材に当接する際の一定の圧力を高くすることができ、排尿が行われる圧力を調節することができる。
以上、本発明に係る実施形態及び変更態様について図面を参照し説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限度で種々の設計変更や工程変更が可能であり、そのような変更を技術的範囲に含むものである。
上述した排尿制御装置は、制御部材が表面にAu、Ag、Zn又はSnを含有し除菌性能を持つ金属皮膜を備えることが好ましい。制御部材は尿などの排泄物に晒されることで細菌の付着やそれによる腐食が起こりやすく上流制止部材との嵌合に狂いが生じやすい制御部材が、細菌等の付着から守られる。
上述した排尿制御装置は、導管の上流側に膀胱内温度より低温の変態点を有する形状記憶合金から形成された変形部を有する支持部材を備え、支持部材が膀胱内において拡開しこの排尿制御装置を尿道内に保持可能に構成されてなることも好ましい。変形部は膀胱内温度より低温の変態点を有する形状記憶合金からなるため、膀胱内の温度では、記憶されている一定の形状を保持し、変態点より低い温度下では軟化して変形する。そのため、排尿制御装置が体内に設置され、膀胱尿道口に定位されている状態では、支持部材は記憶された一定形状である拡開を保って排尿制御装置の尿道内からの脱落を防ぎ、設置及び除去の作業の時には温度を変化させることで支持部材が変形軟化し、設置及び除去の作業が容易で、膀胱や尿道粘膜を傷つけないよう構成することができる。
上述した排尿制御装置は、支持部材が複数の翼部を有し、変形部は複数の翼部に沿って線状の形状をなし、変形部は膀胱内温度以上においてL字状軸断面となって支持部材の複数の翼部を膀胱内において拡開させることが好ましい。支持部材の翼部は膀胱内の温度ではL字型をとる変形部と共に拡開し、排尿制御装置を膀胱内に保持して尿道内への脱落を防ぐ。
上述した排尿制御装置は、支持部材は32〜37℃の変態点を有する形状記憶合金で形成されていることが好ましい。体温よりやや低い温度から選択されていることで、体内に設置されたときに確実に支持部材が拡開して排尿制御装置を保持する。
本発明は、男性における前立腺がん全摘出手術の後遺症としての尿失禁や、老化に伴う尿失禁症を代表とする、尿失禁症を抱えた両性の患者の排尿制御装置として、しかも手術により装・着脱する必要がなく、簡易に男女問わず広く利用することができ、ナプキンその他の排尿吸収用具着用の煩雑さや悪臭等による不快感を排除できるので、高齢化社会において増加する要介護者の尿失禁への対応として、要介護者の自立、QOL向上に役立ち、労力軽減を可能とするため、広く普及し社会に貢献する可能性を持ったものである。
10、60、80 排尿制御装置
12 尿道
12a 尿道口
13、83 導管
13a、83a 上流部材
13b、83b 下流部材
14、64、84 上流制止部材
14a、64a、84a、85a 貫通孔
15、65、85 磁石
16、86 制御球体
17、67、87 下流制止部材
17a、67a、87d 通液孔
17b 底面
17c 着脱用部位
21、91 外套管
22、92 保定器
22a、92a 翼部
22b 排尿路
23、73 着脱用器具
23a、73a 着脱構造
23b 押し込み棒
24 変形部
67b 係止孔
73b 後端
87a 糸通し孔
87b 着脱糸
87c 突起
88 切り込み
89 嵌込部
C 閉じる方向
E 開く方向
F 尿流
L 距離
P 押し込み方向
Q 除去方向
U1、U2、U3 尿流の流圧

Claims (6)

  1. 尿道内に挿入される導管と、前記導管内に固定して設けられると共に少なくとも一部に磁石を備え、前記導管の中央部に貫通孔を有する環状の上流制止部材と、前記導管内の前記上流制止部材の下流に設けられ前記導管に沿って移動可能な制御部材と、前記導管内の前記制御部材の下流に固定して設けられた環状の下流制止部材とを備え、
    前記上流制止部材の前記磁石と前記制御部材との間で発生する磁力によって前記上流制止部材と前記制御部材とが互いに引き合うように前記制御部材は磁性材料で形成されており、前記制御部材は前記磁力による前記引き合う力と前記制御部材の上流側の尿圧とに応じて前記上流制止部材に当接するか又は離れるように構成されており、前記制御部材と前記上流制止部材の前記磁石とは、膀胱内圧に対応する前記制御部材の上流側の尿圧が、腹圧の上限によって定まる第1の値以上となった際に前記制御部材が前記上流制止部材の前記貫通孔の開口から離れて前記下流制止部材に当接し、前記尿圧が前記第1の値より小さい第2の値以下となった際に前記制御部材が前記開口に当接するように構成されており、前記制御部材が前記上流制止部材の前記開口に当接することにより前記貫通孔を介する前記導管内の尿の通過を阻止し、前記制御部材が前記上流制止部材の前記貫通孔の開口から離れて前記下流制止部材に当接することにより前記導管内の尿の通過を許可するように構成されている排尿制御装置であって、
    前記制御部材が当接する前記下流制止部材の略中央部の周囲に、前記下流制止部材の外周である円周に沿って多数の通液孔が配置されており、前記通液孔は、前記制御部材が前記下流制止部材の前記略中央部に当接して係止した状態においても当該通液孔を介して尿を通液可能に構成されていることを特徴とする排尿制御装置。
  2. 前記制御部材は前記上流制止部材における前記貫通孔の前記開口の内径よりも大きい径を備えた制御球体であることを特徴とする請求項1に記載の排尿制御装置。
  3. 前記上流制止部材が磁石を備えており、前記制御部材の少なくとも一部が磁性体材料によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排尿制御装置。
  4. 前記制御部材の上流側にかかる尿圧が2451.6625〜19613.3Paの範囲から選ばれる前記第1の値以上となった際に前記制御部材が前記上流制止部材から離れ、前記第1の値以下であり98.0665〜4993.325Paの範囲から選ばれる前記第2の値以下となった際に前記制御部材が前記上流制止部材に当接することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の排尿制御装置。
  5. 前記第1の値が9806.65〜17651.97Paの範囲から選ばれていることを特徴とする請求項4に記載の排尿制御装置。
  6. 前記第2の値が1961.33〜2941.995Paの範囲から選ばれていることを特徴とする請求項4又は5に記載の排尿制御装置。
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