JP2002536116A - 外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブ - Google Patents

外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブ

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ギレルモ・リベロ・ロドリゲス
マルタ・ムルティグネル・ドミンゲス
ホセ・マリア・ガルシア・パエス
ホアキン・カルバリド・ロドリゲス
エドゥアルド・ホルヘ・エレロ
フランシスコ・ハビエル・テンディリョ・コルティホ
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Abstract

(57)【要約】 泌尿器失禁や尿閉を患っている人の尿調節を外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブに外部磁場を加えることにより可能にする。本発明にかかるバルブを患者の尿道９に配設すると、患者は排尿を調節することができる。患者の身体に永久磁石３を近づけると、尿が排出される。閉止は自動的に行われる。装置には安全システムが設けられており、膀胱８における過圧を防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 技術分野 本発明は、人間の尿道内に配置される人工泌尿器括約筋用バルブモデルに関し
、外部泌尿器括約筋の機能を果たし、泌尿器の失禁及び／又は尿閉を治療するた
めのものである。このバルブの開度は、人体の外側より永久磁石で作り出された
磁場を加えることにより制御される。バルブは、バルブ内部に配設された永久磁
石により自動的に閉止される。
【０００２】 背景技術 従来、泌尿器の失禁あるいは尿閉に悩む人々は、おむつカバーや尿採集バッグ
を備えたカテーテルによりこの問題に対処していた。前者は不快感や重大な社会
的問題を引き起こす一方、後者はしばしば感染を引き起こし、腎臓疾患により致
命的な結果をもたらすこともある。泌尿器括約筋の機能を果たす人工補装器の設
計の研究が長くなされているが、広範囲に使用されるものはまだない。
【０００３】 尿道の随意嵌頓を伴う人工補装器は幾つか存在する（特許ＵＳ３７４４０６３
、ＵＳ３８５４４６９、ＵＳ３９０３８４９、ＥＰ０３１４２５８）。最も使用
されているものは、アメリカ・メディカル・システム（American Medical Syste
m）のＡＭＳ−８００という名称で商品化されている。この種の人工補装器の移
植には侵襲性手術を必要とする。また、ウロクエスト社（firm Uroquest）は泌
尿器疾患に対処するために尿道の端部に出口オリフィスを持つカテーテルを備え
たシステムを開発しているが、外部から触れることができず外部磁石により開放
している。
【０００４】 本発明の目的は、排尿の自制力を失った人に人工補装器を移植することにより
その自制力を回復することであり、患者による排尿調節が可能で、細胞検査によ
り手術を必要とすることなく移植することができる。
【０００５】 発明の開示 尿道内人工括約筋用の外部磁界により作動するバルブは、基本的には、尿道カ
テーテルに使用されるシステムと同様な安全システムを備え、確実にシールされ
た流体バルブであり、細胞検査により移植することができる。「バルブ１」と「
バルブ２」と称し形状の異なる二つのバルブモデルが提案されており、上述した
ように作動原理は同じである。
【０００６】 バルブは以下のものを備えている（図１及び図４）。 １．生物学的適合性材料（例えば、テフロン（登録商標））で製作されるととも に弁体を構成し、その内部を流体が流れる中空の円筒状本体１。 ２．円筒状本体内を移動し、生物学的適合性材料（例えば、テフロン）が被覆さ
れた軟質磁性材料（例えば、Fe-Si ３％）のピストン６。その一端は円錐状ある
いは半球状で、円筒の入口オリフィス２のシール性を改善している。 ３．生物学的適合性材料（例えば、テフロン）が被覆され、バルブの円筒状本体
の入口オリフィスに取り付けられた永久磁石３（例えば、NdFeB）。
【０００７】 図３に示されるように、以下のように作動する。 内部ピストン６は永久磁石３に引き寄せられており、円錐状のピストン端部が
円筒状弁体１の入口オリフィス２にあれば、後者は閉止している。
【０００８】 バルブを開放するには、外部磁石１１が使用される。この磁石が、体外からバ
ルブが移植されている場所に近づくと、ピストン６の磁気モーメントの再配向に
よりドーナツ状の内部磁石３よりも大きな反対方向の吸引力をピストン６に加え
る。その結果、バルブが開放し、外部に排尿される。外部磁石６が取り除かれる
と、ピストン６に加わるドーナツ状の磁石３の力によりバルブの入口オリフィス
が再び閉止され、外部への排尿が遮断される。
【０００９】 このバルブには、距離により磁場が弱くなることに基づく安全システムがさら
に設けられている。ピストン６には軟質磁性材料が選択され、ドーナツ状の内部
磁石３には硬質磁性材料が選択されており、これら二つを分離する距離に応じて
、ピストンには尿からある圧力が常に加わっており、結果的にバルブは自動的に
開放する。したがって、なんらかの理由で外部磁場を加えることができない場合
でも、膀胱内はある限度以上の圧力に到達することはなく、膀胱に過度の圧力が
加わわることに起因する泌尿器系の損傷が防止される。
【００１０】 発明の好ましい実施例 本発明は、外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブに関し、
以下の実施例に基づいて説明する。
【００１１】 装置の六つの異なる原型が作製された。使用された軟質磁性材料は、軟鉄、Fe
-Si、Fe-Pであった。硬質磁性材料は、NdFeB、SmCo、AlNiCoの磁石であった。こ
れらの原型は生体外の流体力学的設備内で、確実なシール性、安全システムの作
動、外部磁場を加えることによるバルブの開放、排出、自動閉止がテストされた
。
【００１２】 生体内テストのため、２つの同一の原型が作製された。弁体に相当する中空の
円筒状本体はテフロンで作製された。この本体には、入口オリフィスにキャビテ
ィが設けられ、そこに加圧して内部磁石を配設した。内部永久磁石をNdFeBで作
製しテフロンコーティングして生物学的不適合性を避けた。三角柱の基部と円錐
状の端部を有するピストンは軟鉄で作製され、上述した理由でテフロンコーティ
ングが施された。外部永久磁石はNdFeBで作製した。
【００１３】 原型は、泌尿器の慢性的失禁を引き起こした２匹の豚−一匹は雄で一匹は雌−
に外科術を使用して泌尿器系外科医により挿入された。バルブのシール性は、４
０ｃｍの水圧でテストされた。動物の尿道に既に設けられたバルブの近傍に外部
磁石が配置されると、動物の尿が排出された。
【図面の簡単な説明】
【図１】 基部の一つで入口オリフィスに永久磁石３が配設され内部を流体
が通過する中空の円筒状本体１を備えたバルブ１を示している。
【図２】 ピストン４と永久磁石５が配設されるスペースを示す円筒状本体
１の縦断面図である。
【図３】 ピストン６と永久磁石３を収容した円筒状本体の縦断面図である
。
【図４】 バルブ２の円筒状本体１を示している。
【図５】 図４の中空円筒状本体の断面図であり、流体入口オリフィス２と
三つの側部流体出口オリフィス７を示している。
【図６】 バルブ２の中空円筒状本体１の縦断面図であり、ピストン４と永
久磁石５が配設されるスペースを示している。
【図７】 円筒状本体１と内部ピストン６と永久磁石３とを有するバルブ２
の縦断面図である。
【図８】 閉止したバルブの作動図であり、１は円筒状弁体、６はピストン
、３は内部永久磁石、８は膀胱、９は尿道、１０は磁石３の磁力線である。
【図９】 開放したバルブの作動図であり、１は円筒状弁体、６はピストン
、３は内部永久磁石、８は膀胱、９は尿道、１１は外部永久磁石、１０は磁石１
１の磁力線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルタ・ムルティグネル・ドミンゲス スペイン、エー−28230マドリッド、ラ ス・ロサス、アパルタド155、インスティ トゥト・デ・マグネティスモ・アプリカド (72)発明者 ホセ・マリア・ガルシア・パエス スペイン、エー−28035マドリッド、カリ ェ・サン・マルティン・デ・ポレス２番、 クリニカ・プエルタ・デ・イエロ (72)発明者 ホアキン・カルバリド・ロドリゲス スペイン、エー−28035マドリッド、カリ ェ・サン・マルティン・デ・ポレス２番、 クリニカ・プエルタ・デ・イエロ (72)発明者 エドゥアルド・ホルヘ・エレロ スペイン、エー−28035マドリッド、カリ ェ・サン・マルティン・デ・ポレス２番、 クリニカ・プエルタ・デ・イエロ (72)発明者 フランシスコ・ハビエル・テンディリョ・ コルティホ スペイン、エー−28035マドリッド、カリ ェ・サン・マルティン・デ・ポレス２番、 クリニカ・プエルタ・デ・イエロ Ｆターム(参考） 4C097 AA14 AA28 BB01 CC18 CC19 DD06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 生物学的適合性材料製の中空円筒状本体と、軟質磁性材料製
    で円錐状あるいは半球状の一端を持ち、円筒状本体内で移動するピストンと、円
    筒状本体の入口オリフィスに配設されたドーナツ状の内部永久磁石とを備えたこ
    とを特徴とする外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブ。
  2. 【請求項２】 ピストンが三角形あるいは円形断面を有することを特徴とす
    る上記請求項に記載の外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブ
    。
  3. 【請求項３】 バルブが永久磁石により内部ピストンに加わった吸引力で閉
    止することを特徴とする請求項１に記載の外部磁界により作動する尿道内人工泌
    尿器括約筋用バルブ。
  4. 【請求項４】 外部磁石を近づけてドーナツ状の内部磁石よりも大きい力を
    反対方向にピストンに加えることにより外部からバルブを開放し、尿を排出する
    ようにしたことを特徴とする上記請求項に記載の外部磁界により作動する尿道内
    人工泌尿器括約筋用バルブ。
  5. 【請求項５】 内部磁石とピストン間の距離が増大するにつれて磁場が弱く
    なり力が弱くなることに基づく安全システムをさらに備えたことを特徴とする上
    記請求項に記載の外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブ。
  6. 【請求項６】 細胞検査により移植されることを特徴とする上記請求項に記
    載の外部磁界により作動する尿道内人工泌尿器括約筋用バルブ。
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