JP5743713B2 - 積層体、フォトクロミックレンズ、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルム(A2)の間に、フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)を有するフォトクロミック積層体(A)と、
少なくとも一方の前記光学シート又は光学フィルム(A2)上に形成される塗膜層(B)と、
前記塗膜層(B)上に(メタ)アクリレート系モノマー組成物、アリル系モノマー組成物、チオウレタン系モノマー組成物、ウレタン系モノマー組成物、チオエポキシ系モノマー組成物から選ばれるレンズ形成用モノマー組成物を硬化させた熱硬化性樹脂より形成される合成樹脂層(C)と
を有するフォトクロミックレンズであって、
前記塗膜層(B)が、プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、ポリエン化合物及びチオール化合物を含むエン/チオール系の光硬化性組成物、並びにオキセタン化合物を含む光硬化性組成物から選ばれる硬化性組成物の硬化体からなることを特徴とするフォトクロミックレンズである。
プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、ポリエン化合物及びチオール化合物を含むエン/チオール系の光硬化性組成物、並びにオキセタン化合物を含む光硬化性組成物から選ばれる硬化性組成物の硬化体からなる塗膜層(B)を有する積層体である。
互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルム(A2)の間に、フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)を有するフォトクロミック積層体(A)と、
該光学シート又は光学フィルム(A2)の少なくとも一方の面上に合成樹脂層(C)を有するフォトクロミックレンズである。そして、 該光学シート又は光学フィルム(A2)と合成樹脂層(C)との間に、特定の光硬化性組成物の硬化体からなる塗膜層(B)を有することを特徴とするフォトクロミックレンズである。
フォトクロミック積層体は、互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルム(A2)の間に、フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)を有するものである。本発明において、このフォトクロミック積層体(A)における密着性とは、1)母材となる合成樹脂層(C)と光学シート又は光学フィルム(A2)との密着性、さらには、2)ポリウレタン樹脂層(A1)と光学シート又は光学フィルム(A2)との密着性の両者を意味する。先ず、フォトクロミック積層体(A)を構成する、ポリウレタン樹脂層(A1)について説明する。
(ポリウレタン樹脂層(A1)を構成するポリウレタン樹脂)
フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)に使用される該ポリウレタン樹脂は、光学シート又は光学フィルム(A2)同士を接合する接着剤の役割を果たす。そのため、互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルム(A2)の間に存在し、両者を接合できる樹脂であれば、特に制限されるない。このポリウレタン樹脂は、熱硬化性ポリウレタン、または熱可塑性ポリウレタンであってもよい。
該ポリウレタン樹脂に使用されるポリイソシアネート化合物としては、耐候性の観点から脂肪族ポリイソシアネート化合物、または脂環式ポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。具体的には、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、オクタメチレン−1,8−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート化合物、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、2,4−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2,6−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート化合物を挙げることができ、特にイソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートを用いることが好ましい。
該ポリウレタン樹脂に使用されるポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオールなどのポリオール化合物を使用することできる。中でも、耐熱性、密着性、耐候性、耐加水分解性などの観点から、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールを使用することが好ましい。該ポリオール化合物の数平均分子量は、400〜3000であることが好ましい。中でも、得られるポリウレタン樹脂層の耐熱性、フォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)、特にフォトクロミック化合物の耐候性の観点から、数平均分子量は400〜2500であることが好ましく、400〜1500であることがより好ましい。
該ポリウレタン樹脂に使用される鎖延長剤としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基と反応しうる官能基を有する分子量50〜300の化合物である。具体的には、ジアミン化合物、トリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノカルボン酸化合物、アミノチオール化合物、ジオール化合物、及びトリオール化合物を使用できる。特に、密着性、耐熱性、及びフォトクロミック特性の観点から、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミンなどのジアミン化合物を使用することが好ましい。
上述のポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、及び鎖延長剤から得られるポリウレタン樹脂の末端は、イソシアネート基であってもよいし、該イソシアネート基を反応停止剤によりキャップしていてもよい。該反応停止剤は、1つのイソシアネート基と反応しうる基と、その他、様々な機能を発揮できる基、構造を有する化合物を使用することができる。具体的には、4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンのようなイソシアネート基と反応する基を有する化合物を反応停止剤として使用することができる。
該ポリウレタン樹脂は、前記成分を用い、公知の方法で製造することができる。具体的には、所謂ワンショット法又はプレポリマー法を採用することができる。例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物と反応させ、次いで、鎖延長剤を反応させ、必要に応じて、反応停止剤を反応させる方法を採用することができる。これら成分の反応条件は、公知の条件を採用することができる。また、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)のような有機溶媒中で反応を実施することができる。精製方法等も、公知の方法を採用することができる。
次に、このポリウレタン樹脂中に混合され、ポリウレタン樹脂層(A1)に含まれるフォトクロミック化合物について説明する。
本発明において、フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)は、前記方法で得られるポリウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物とを含むフォトクロミック組成物を用いて形成できる。
光学シート又は光学フィルム(A2)は、光透過性を有するシート又はフィルムが使用される。原料としてはポリカーボネート樹脂、ポリカーボネートアロイ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリレート樹脂、アリル樹脂、ポリスルフォン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等が挙げられる。また、偏光フィルム(例えば、ポリビニルアルコール製の偏光フィルムをトリアセチルセルロース樹脂フィルムではさんだもの)も、光学フィルム(シート)として使用できる。該偏光フィルムを用いることにより、偏光フォトクロミックレンズを得ることができる。
本発明で使用するフォトクロミック積層体(A)は、互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルム(A2)の間に、フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)を有してなる。このフォトクロ積層体(A)は、例えば、下記のような手順・条件により製造できる。具体的には、該ポリウレタン樹脂層(A)において説明したフォトクロミック組成物を使用してやればよい。例えば、光学シート又は光学フィルム(A2)上に直接、該フォトクロミック組成物を層状に積層してポリウレタン樹脂層(A1)を形成し、さらに、該ポリウレタン樹脂層(A1)の表面に、別の光学シート又は光学フィルム(A2)を積層してやればよい。
プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、ポリエン化合物及びチオール化合物を含むエン/チオール系の光硬化性組成物、エポキシ化合物を含む光硬化性組成物、並びにオキセタン化合物を含む光硬化性組成物から選ばれる硬化性組成物の硬化体よりなる塗膜層(B)を有することを特徴とする。次に、この塗膜層(B)について説明する。
本発明のフォトクロミックレンズにおいて、塗膜層(B)は、必ず、光学シート又は光学フィルム(A2)と下記に詳述する合成樹脂層(C)との間に介在するものである。そして、この塗膜層(B)は、プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、ポリエン化合物及びチオール化合物を含むエン/チオール系の光硬化性組成物、並びにオキセタン化合物を含む光硬化性組成物から選ばれる硬化性組成物の硬化体からなることを特徴とする。この塗膜層(B)を形成することにより、各種光学シート又は光学フィルム(A2)への密着性を向上させることができるため、優れた密着性を有するフォトクロミックレンズを得ることができる。
(プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物)
本発明において、プロペニルエーテル基含有化合物とは、一般式(1)で表されるプロペニルエーテル基を有する化合物である。
光重合開始剤としては、公知のものを使用することができる。具体的には、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,6−ジクロルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等のモノアシルフォスフィンオキシド系化合物;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6―トリメトキシベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノール、アセトフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン、9,10−フェナンスレンキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2(O−エトキシカルボニル)オキシム、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、オルソベンゾイル安息香酸、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等を挙げることができる。
プロぺニルエーテル基含有化合物100質量部に対して0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜2質量部の範囲で用いることが好適である。該光重合開始剤は、単独で使用しても良いし、複数を混合して用いても良い。
本発明において、ポリエン化合物とは、多官能性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である。また、チオール化合物とは、該ポリエン化合物と光照射時に反応する硫黄原子を分子内に有する化合物である。特に、チオール化合物は、分子内にメルカプト基を有する化合物であることが好ましい。これら化合物を含むエン/チオール系光硬化性組成物を使用することにより、ポリエン化合物とチオール化合物との付加反応(光マイケル付加反応)により硬化体が形成される。そのため、酸素による重合阻害が少なく、表面硬化性に優れた硬化体(塗膜層)を形成できる。
ポリエン化合物は、多官能性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である。該ポリエン化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などを分子内に1個以上、好ましくは2個以上6個以下有する化合物を挙げることができる。中でも、本発明においては光学シートへの密着性の観点から、アリル基などを分子内に1個以上有する化合物(アリル化合物)、特にアリル基などを分子内に2個以上6個以下有する化合物を好適に用いることができる。
(チオール化合物)
チオール化合物は、前記ポリエン化合物と反応する硫黄原子を分子内に有する化合物である。中でも、分子内にメルカプト基を2〜6個有するチオール化合物が好ましい。このようなポリチオール化合物としては、分子内にメルカプト基を2〜6個有するものであればよい。
前記ポリエン化合物とポリチオール化合物との配合比が、ポリエン化合物の炭素−炭素二重結合とチオール化合物のチオール基とが、モル比で3:1〜1:3となるように配合するのが好ましく、特にモル比で1:1となるように配合することが好ましい。
光カチオン発生剤は、公知の光カチオン発生剤を使用することができる。該光カチオン発生剤としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩またはヨードニウム塩等のオニウム塩を用いることができ、特に、芳香族オニウム塩を用いることが好ましい。その他、フェロセン誘導体等の鉄−アレーン錯体や、アリールシラノール−アルミニウム錯体等も好ましく用いることができる。
オキセタン化合物は、オキタセン基を有する化合物である。中でも、分子内に2つのオキセタン基を有する化合物が好ましい。具体例としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
以上のプロぺニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、エン/チオール系の光硬化性組成物、及びオキタセン化合物を含む光硬化性組成物(以上、まとめて単に「光硬化性組成物」とする場合もある)には、上記成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で公知の添加剤を配合することもできる。具体的には、界面活性剤、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェーノール酸化防止剤、フェノール系ラジカル補足剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料等を配合することもできる。また、均一な塗膜層を形成するため、有機溶媒を配合することもできる。これらその他成分の配合量は、通常、モノマーとなる化合物100質量部に対して、5質量部以下である。
本発明において、塗膜層(B)は、光学シート又は光学フィルム(A2)上に形成される。そのため、フォトクロミック積層体(A)を製造する前に、予め、光学シート又は光学フィルム(A2)上に塗膜層(B)を形成してもよい。また、フォトクロミック積層体(A)を形成した後、該フォトクロミック積層体(A)の合成樹脂層(C)を形成する面上に、塗膜層(B)を形成することもできる。以下、光学シート又は光学フィルム(A2)上に、塗膜層(B)を形成する場合の例を説明する。
合成樹脂層(C)は、通常のプラスチックレンズ材料となる熱可塑性樹脂、又はレンズ形成用モノマー組成物を硬化させた熱硬化性樹脂から形成することができる。中でも、塗膜層(B)を形成することの効果がより顕著に発揮されるのは、レンズ形成用モノマー組成物を硬化させた熱硬化性樹脂より合成樹脂層(C)を形成する場合である。レンズ形成用モノマー組成物としては、具体的には、(メタ)アクリレート系モノマー組成物、アリル系モノマー組成物、チオウレタン系モノマー組成物、ウレタン系モノマー組成物、チオエポキシ系モノマー組成物などの熱硬化性樹脂を形成しうるレンズ形成用モノマー組成物を挙げるとができる。
(メタ)アクリレート系モノマー組成物
(メタ)アクリレートモノマー組成物としては、下記に例示されるような(メタ)アクリレートモノマーを含んでなる組成物であり、さらには他の(メタ)アクリレートモノマー、や他の重合性モノマーを混合しても構わない。具体的な(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタンオリゴマーテトラ(メタ)アクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステルオリゴマーヘキサ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、平均分子量776の2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン、平均分子量475のメチルエーテルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチルメタアクリレート等の少なくとも一つの(メタ)アクリレート基を分子中に有する(メタ)アクリレートモノマーなどを挙げることができる。
アリル系モノマー組成物としては、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート等のアリル基を有するアリルモノマーを含んでなる組成物が挙げられる。
チオウレタン系モノマー組成物は、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物の混合物からなる。ポリイソシアネート化合物としては、前記ポリウレタン樹脂(A1)のポリイソシアネート化合物で例示したイソシアネート化合物に加えて、2,5−ジイソシアナートメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス(4−イソシアナート−2−チアブチル)−1, 4−ジチアン、2,5−ビス(3−イソシアナートメチル−4−イソシアナート−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−イソシアナート−2−チアプロピル)−1,4−ジチアン、1,3,5 − トリイソシアナートシクロヘキサン、1, 3,5−トリス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアネートメチルチオ)メタン、1,5−ジイソシアネート−2−イソシアネートメチル−3−チアペンタン、1,2,3−トリス(イソシアネートエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(イソシアネートメチルチオ)プロパン、1,1,6,6−テトラキス(イソシアネートメチル)−2,5−ジチアヘキサン、1,1,5,5 −テトラキス(イソシアネートメチル)−2,4−ジチアペンタン、1,2−ビス(イソシアネートメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアネート−3−イソシアネートメチル−2,4−ジチアペンタン、1,5−ジイソシアネート−3−イソシアネートメチル−2,4−ジチアペンタン等のポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネート類のビュレット型反応によるニ量体、これらのポリイソシアネート類の環化三量体およびこれらのポリイソシアネート類とアルコールもしくはチオールの付加物等が挙げられる。これら、ポリイソシアネート化合物は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
ニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3,4−チオフェンジチオール、1,2 −ジメルカプト−3−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、グリセリルジチオグリコーレート、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ) エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、3−メルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン等のポリチオール類を挙げることができる。これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
ウレタン系モノマー組成物としては、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、及びジアミン硬化剤を含んでなる混合物を好適に用いることができる。
チオエポキシ系モノマー組成物としては、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−3−(β−エピチオプロピルチオメチル)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)ペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕エタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−[〔2−(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオエチル〕チオ]エタン等の鎖状有機化合物等;テトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,5ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の分岐状有機化合物およびこれらの化合物のエピスルフィド基の水素の少なくとも1個がメチル基で置換された化合物等;1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン等の環状脂肪族有機化合物およびこれらの化合物のエピスルフィド基の水素の少なくとも1個がメチル基で置換された化合物;1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、4,4'−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族有機化合物およびこれらの化合物のエピスルフィド基の水素の少なくとも1個がメチル基で置換された化合物等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フォトクロミック積層体(A)の光学シート又は光学フィルムの塗膜層(B)上に、合成樹脂層(C)を形成(積層)する方法としては、以下の方法が挙げられる。具体的には、最表面に塗膜層(B)を有するフォトクロミック積層体(A)を、プラスチックレンズ製造の際に使用されるガラスモールドや金型の中に設置し、そこに該合成樹脂層(C)を形成するレンズ形成用モノマー組成物を充填する方法である。
(光硬化性モノマー)
(ポリエン化合物)
M1:ポリエチレングリコールジアリルエーテル(数平均分子量500)。
M2:ポリエチレングリコールジアリルエーテル(数平均分子量800)。
M3:ポリプロピレングリコールジアリルエーテル(数平均分子量3000)。
M4:トリメチロールプロパントリアリルエーテル
M5:ポリエチレングリコールジメタクリレート(数平均分子量550)。
M6:ウレタンオリゴマーヘキサメタアクリレート(分子量1019、新中村化学工業製「U−6HA」)。
M7:トリメチロールプロパントリアクリレート。
M8:1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート。
M9:ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトプロピオネート)。
M10:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス(β−メルカプトプロピオネート)。
M11:ポリエチレングリコールジプロペニルエーテル(数平均分子量630)。
M12:トリメチロールプロパントリプロペニルエーテル。
M13:2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル
(オキセタン化合物)
M14:ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル。
M15:1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン。
P1:ベンゾインエチルエーテル。
P2:UVR−6974(ユニオン・カーバイド社製、P−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート及びビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート混合物)。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量800のポリカーボネートジオール(1,5−ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール)252g、イソホロンジイソシアネート100gを仕込み、窒素雰囲気下、70℃で6時間反応させ、プレポリマーを得た。その後、テトラヒドロフラン(THF)1000mlを加えた後、窒素雰囲気下でイソホロンジアミン19gを滴下しながら加え、滴下終了後25℃で1時間反応させた。
・POLYCA;ポリカーボネート製シート(厚み 0.4mm)。
・PET;ポリエチレンテレフタレート製シート(厚み 0.3mm)。
・TAC;トリアセチルセルロース製シート(厚み 0.3mm)。
各々作製した、塗膜層(B)を有するフォトクロミック積層体(A)を、直径65mmの円形に裁断し、ガスケットを有するガラスモールド内(0.00D、レンズ径70mm、肉厚3.0mmに設定)に設置した。このガラスモールド内に、下記に記載するレンズ形成用モノマー組成物を注入し、下記条件により硬化させた。その後、外周を玉摺機にて研磨することにより、直径60mmのフォトクロミックレンズを得た。なお、比較例1〜3は、塗膜層(B)を有していないフォトクロミック積層体(A)を使用した。
レンズ形成用モノマー組成物として、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(重合開始剤)3質量部、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート100質量部を準備した。
ラジカル重合性単量体であるトリメチロールプロパントリメタクリレート 20質量部、平均分子量522のポリエチレングリコールジアクリレート 40質量部、ウレタンアクリレート(ダイセル化学工業製EBECRYL4858) 40質量部の混合物を準備した。
レンズ形成用モノマー組成物として、ジシクロヘキシルメタン−4 ,4 ’−ジイソシアネート43.5質量部、イソホロンジイソシアネート43.5質量部、1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパン63.0質量部、及び重合開始剤としてジブチルチンジラウレート0.1質量部の混合物を準備した。
レンズ形成用モノマー組成物として、ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン95質量部、2−メルカプトエタノール5質量部、及び重合触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0 . 1 重量部の混合物を準備した。
レンズ形成用モノマー組成物として、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールからなる数平均分子量1000のポリエステルポリオール 100質量部と4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物78質量部、及び芳香族ジアミン硬化剤としての2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン/2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン17質量部を準備した。
(塗膜層(B)の形成)
ポリエチレングリコールジプロペニルエーテル(数平均分子量630、M11)70g、トリメチロールプロパントリプロペニルエーテル(M12)15g、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル(M13)15g、及び光重合開始剤として、UVR−6974(P2)1gを、攪拌混合して塗膜層を形成するための光硬化性組成物を得た。この光硬化性組成物を、厚さ0.4mmのポリカーボネート製シート(光学シート又は光学フィルム(A2):POLYCA)の一方の面に塗布し、フュージョンUVシステムズ社製F3000SQ(Dバルブ)を用い、窒素フロー下において2分間光硬化させることにより、膜厚5μmの塗膜層を有する光学シートを得た。
ポリウレタン樹脂層(A1)形成用組成物の前記調製方法で得られたフォトクロミック組成物を、PET製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に塗布し、50℃で30分乾燥させた。その後、該PET製フィルムを剥離して、厚み約40μmのポリウレタン樹脂層(A1)を得た。次いで、前記方法により塗膜層(B)を形成した2枚のPOLYCAシート(ポリカーボネート製シート)で、得られたポリウレタン樹脂層(A1)を挟み、40℃で24時間静置した後、さらに110℃で60分加熱処理した。そして、目的のフォトクロミック特性を有するフォトクロミック積層体(A:(S1))を得た。得られたフォトクロミック積層体(A:(S1))は、ポリウレタン樹脂層(A1)と接していない面にのみ塗膜層(B)を有していた。この積層体の構成を表1に示した。
上記のアリル系モノマー組成物を用いて、上記の方法に従いフォトクロミックレンズを作製した。
得られたフォトクロミックレンズを試料とし、これに、(株)浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100を、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して23℃、積層体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2、245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させ、フォトクロミックレンズのフォトクロミック特性を測定した。
下記2点の観点から、目視評価を実施した。
得られたフォトクロミックレンズは、複数の界面を有しており、各層間の密着性評価を目視により実施した。この密着性評価、1)初期、2)前述の劣化促進試験(48時間)後、さらに3)蒸留水による煮沸試験(1時間、2時間、及び3時間)後に実施した。評価基準は、下記の通りである。
0;各層間でハガレが全く見られない。
1;塗膜層と合成樹脂層間の少なくとも一部でハガレが見られる。
2;光学シートとポリウレタン樹脂層間の少なくとも一部でハガレが見られる。
得られたフォトクロミックレンズの色調を、集光機を用いた目視評価により実施した。評価基準は、下記の通りである。
0;白濁や、黄変等の色調不良が見られず、透明性が高い。
1;集光機を当てることにより、わずかに白濁などの色調不良を確認することができるが、実用上問題ないレベル。
2;集光機を当てなくとも、白濁などの色調不良を確認することができる。
塗膜層(B)の形成
表3に示す光硬化性組成物、及び光学シート(A2)を用いた以外は、実施例1記載の方法と同様にして、光学シート(A2)表面(片面、または両面)に、塗膜層(B)を形成させた。表1の塗膜層の積層面の欄において、片面と記載したものは、光学シートの合成樹脂層が積層される面にのみ塗膜層を設けたものを指す。また、両面と記載したものは、光学シートの両面に塗膜層を設けたものを指す。
実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂層(A1)を作製し、次いで、上記で得た塗膜層(B)を有する光学シートを用いた以外は、実施例1と同様な方法でフォトクロミック積層体(A:(S2)〜(S11))を得た。表2にその結果を示す。
表1に示す塗膜層(B)を有するフォトクロミック積層体(A)、及び合成樹脂層(C)を用いた以外は、実施例1と同様な方法でフォトクロミックレンズを作製した。また、得られたフォトクロミックレンズの評価結果を表2に示す。
フォトクロミック積層体(A)の作製
実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂層(A1)を作製し、表1に示す光学シートを用いた以外は、実施例1と同様な方法でフォトクロミック積層体(A:(S12)〜(S14))を得た。得られたフォトクロミック積層体(A:(S12)〜(S14))は、塗膜層(B)を有していない。表3にその結果を示す。
表1に示すフォトクロミック積層体(A)、及び合成樹脂層(C)を用いた以外は、実施例1と同様な方法でフォトクロミックレンズを作製した。また、得られたフォトクロミックレンズの評価結果を表3に示す。
2 フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)
3 光学シート又は光学フィルム(A2)
4 フォトクロミック積層体(A)
5 塗膜層(B)
6 合成樹脂層(C)
Claims (5)
- 互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルム(A2)の間に、フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)を有するフォトクロミック積層体(A)と、
少なくとも一方の前記光学シート又は光学フィルム(A2)上に形成される塗膜層(B)と、
前記塗膜層(B)上に(メタ)アクリレート系モノマー組成物、アリル系モノマー組成物、チオウレタン系モノマー組成物、ウレタン系モノマー組成物、チオエポキシ系モノマー組成物から選ばれるレンズ形成用モノマー組成物を硬化させた熱硬化性樹脂より形成される合成樹脂層(C)と
を有するフォトクロミックレンズであって、
前記塗膜層(B)が、プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、ポリエン化合物及びチオール化合物とを含むエン/チオール系の光硬化性組成物、並びにオキセタン化合物を含む光硬化性組成物から選ばれる硬化性組成物の硬化体からなることを特徴とするフォトクロミックレンズ。 - 前記ポリウレタン樹脂層(A1)と前記光学シート又は光学フィルム(A2)との間に、さらに、前記塗膜層(B)を有することを特徴とする請求項1に記載のフォトクロミックレンズ。
- 請求項1に記載のフォトクロミックレンズを製造する方法であって、
プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、ポリエン化合物及びチオール化合物を含むエン/チオール系の光硬化性組成物、並びにオキセタン化合物を含む光硬化性組成物から選ばれる硬化性組成物を、光学シート又は光学フィルム(A2)上に塗布し、光硬化させることにより、前記硬化性組成物の硬化体よりなる塗膜層(B)を形成する工程を含むことを特徴とするフォトクロミックレンズの製造方法。 - 請求項1に記載のフォトクロミックレンズに用いる積層体であって、
互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルム(A2)の間に、フォトクロミック化合物を含むポリウレタン樹脂層(A1)を有するフォトクロミック積層体(A)の少なくとも一方の該光学シート又は光学フィルム(A2)上に、
プロペニルエーテル基含有化合物を含む光硬化性組成物、ポリエン化合物及びチオール化合物を含むエン/チオール系の光硬化性組成物、並びにオキセタン化合物を含む光硬化性組成物から選ばれる硬化性組成物の硬化体からなる塗膜層(B)を有する積層体。 - 請求項4に記載の積層体において、前記光学シート又は光学フィルム(A2)と前記ポリウレタン樹脂層(A1)との間に、さらに、前記塗膜層(B)を有する積層体。
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