JP5741202B2 - 通信装置および発熱抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報通信を行う通信装置および発熱を抑制する発熱抑制方法に関する。
キャリアが提供するネットワークにおいて、従来ではSONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)による電話の音声信号の通信が主流であったが、近年ではIP(Internet Protocol)によるパケット通信が増大している。
また、インターネット・ユーザの急増によるトラフィックの増加により、40Gbpsまたは100Gbpsといった高速・大容量のネットワークの構築が進んでいる。
パケット通信が高速、大容量になるにつれて、通信機器内の個々の機能ブロックにおける処理頻度が増大し、消費電力が増加してデバイスが発熱することになる。所定値を超えて発熱すると、デバイスが熱暴走を起こして正常に動作できなくなる等の障害が発生するため、適切な発熱抑制対策を行うことが重要である。
国際公開番号WO2008/129638A1
消費電力の増加に伴う発熱抑制対策としては、測定された温度に応じて、伝送レート制御を行う従来技術があり、例えば、上記の特許文献1(WO2008/129638A1)では、測定温度に応じて、フレームの送出量を制御する内容が開示されている。
しかし、従来技術の場合は、ポート単位や伝送フロー単位に対する伝送レートの組合せを列挙した、可変設定可能な組合せ群(プロファイル)を管理する構成を有していなかった。このため、発熱温度に対してどのように伝送レートを可変するかといった、伝送レートの変更設定を容易に行うことができなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、温度変化の状態に応じて可変設定可能な伝送レートのプロファイルを管理して、発熱抑制の設定制御の簡便化を図った通信装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、温度変化の状態に応じて可変設定可能な伝送レートのプロファイルを管理して、発熱抑制の設定制御の簡便化を図った発熱抑制方法を提供することである。
上記課題を解決するために、通信装置が提供される。通信装置は、温度を測定する温度センサと、ポート単位または伝送フロー単位の少なくとも一方と、前記単位におけるパケットの伝送レートとを対応付けた組合せを記憶するメモリと、測定温度にもとづいて、発熱の抑制を図る前記組合せを選択し、前記ポート単位または前記伝送フロー単位の少なくとも一方に対して、選択した前記組合せによる前記伝送レートで受信レート制御を行うプロセッサと、受信パケットの送信元装置を登録した送信元管理テーブルと、を備え、前記プロセッサは、前記送信元管理テーブルから前記送信元装置を認識して、前記送信元装置へ現在の測定温度を通知し、前記送信元装置に対して送信レート制御を実行させる
発熱抑制を行う設定制御の簡便化を図ることが可能になる。
通信装置の構成例を示す図である。 ネットワーク構成例を示す図である。 通信装置の構成例を示す図である。 回線IFカードの構成例を示す図である。 プロファイルテーブルの構成例を示す図である。 プロファイルテーブルの構成例を示す図である。 プロファイルと温度との関係を示す図である。 プロファイルと温度との関係を示す図である。 プロファイルの適用動作を示すフローチャートである。 回線IFカードの構成例を示す図である。 回線IFカードの構成例を示す図である。 送信元カード管理テーブルの構成例を示す図である。 プロファイルの適用動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は通信装置の構成例を示す図である。なお、以降では、イーサネット(登録商標)のフレーム形式等も含めて情報伝送単位をパケットと呼ぶ。
通信装置1は、温度センサ1a、プロファイルテーブル1bおよびプロセッサ1cを備える。温度センサ1aは、例えば、発熱の大きなデバイス近傍に置かれて、該デバイスの温度を測定する。プロファイルテーブル1bは、ポート単位または伝送フロー単位の少なくとも一方に対する、該単位におけるパケットの伝送レートの組合せを列挙した組合せ群を管理するテーブルである。また、プロファイルテーブル1bは、外部アクセスなどにより可変設定可能である。プロファイルテーブル1bは、例えばメモリ等の記憶媒体に記憶される。
プロセッサ1cは、測定温度にもとづいて、発熱の抑制を図る組合せを選択する。そして、ポート単位または伝送フロー単位の少なくとも一方に対して、選択した組合せによる伝送レートで受信レート制御を行う(受信パケットに対して、選択した組合せの受信レートになるように、所定の割合で廃棄(間引き)する)。
このように、プロファイルテーブル1bを備えて、測定温度に応じて任意の伝送レートを自由に設定して、発熱抑制のための受信レート制御を行うことにより、発熱抑制に関する制御の柔軟性および利便性の向上を図ることが可能になる。
次に通信装置1が適用されるネットワーク構成について説明する。図2はネットワーク構成例を示す図である。ネットワーク100は、通信装置1−1〜1−6および外部装置(保守端末など)5a−1〜5a−n、5b−1〜5b−n、5c−1〜5c−n、5d−1〜5d−nを備える。
通信装置1−1は、通信装置1−2、1−3、1−4と接続し、通信装置1−2は、通信装置1−1、1−3、1−4と接続する。通信装置1−3は、通信装置1−1、1−2、1−4、1−5、1−6と接続し、通信装置1−4は、通信装置1−1、1−2、1−3、1−5、1−6と接続する。通信装置1−5は、通信装置1−3、1−4、1−6と接続し、通信装置1−6は、通信装置1−3、1−4、1−5と接続する。
また、通信装置1−1には、外部装置5a−1〜5a−nが接続し、通信装置1−2には、外部装置5b−1〜5b−nが接続している。また、通信装置1−5には、外部装置5c−1〜5c−nが接続し、通信装置1−6には、外部装置5d−1〜5d−nが接続している。
通信装置1は、外部装置から送信されるパケットを受信し、パケット内に格納されたアドレス情報等をもとに、所定の宛先へパケットの転送処理を行う。例えば、外部装置がパケットを送信すると、通信装置1は、パケット内に格納されたMAC(Media Access Control)アドレスやIPアドレス等をもとにしてパケットの転送処理を行う。
図3は通信装置の構成例を示す図である。通信装置1は、回線IFカード10−1〜10−a、10−b〜10−k、スイッチカード20および制御カード30を備える。回線IFカード10−1〜10−a、10−b〜10−k、スイッチカード20および制御カード30は、任意に着脱可能なカードである。
回線IFカード10−1〜10−a、10−b〜10−kは、回線ポートを収容し、外部装置とのインタフェース機能、受信パケット処理、送信パケット処理等を行う。スイッチカード20は、回線IFカード10−1〜10−a、10−b〜10−kとデータ信号線で接続し、回線IFカード間のパケット転送のスイッチ処理を行う。
制御カード30は、回線IFカード10−1〜10−a、10−b〜10−kおよびスイッチカード20に対して、制御信号線で接続し、通信装置1内の各カードの各種設定、アラームや統計情報の収集を司る。また、保守端末等の外部装置と接続して、外部装置とのユーザインタフェース処理などを実行する。
なお、回線IFカード10−1〜10−a、10−b〜10−k、スイッチカード20および制御カード30は、通信装置1のマザーボードと一体化される装置形態としてもよい。
次に回線IFカードの構成について説明する。図4は回線IFカードの構成例を示す図である。回線IFカード10−1は、光モジュール11−1〜11−n、NPU (Network Processor Unit)12、TM(Traffic Manager)13、BWBIF(Back Wiring Board Interface)14、メモリ群15a、15b、CPU16、温度センサ17a、17bおよびプロファイルテーブル18a、18bを備える。回線IFカード10−1〜10−kは、同一の機能構成を有しているカードである。なお、図1に示したプロセッサ1cのプロファイル選択機能は、CPU16で行われ、プロセッサ1cの受信レート制御機能は、NPU12で実行される。
光モジュール11−1〜11−nは、ポート(物理ポート)P1〜Pnを介して光パケットを受信し、O/E変換を行って、O/E変換後のパケットをNPU12へ送信する。NPU12は、メモリ群15aに保存されているアドレステーブルにより、宛先アドレスの検索を行い、優先度やタグ情報といったパケットの解析を行う。
TM13は、NPU12で解析されたパケットを、宛先アドレスや優先度にもとづいて、メモリ群15b内の該当するキュー(Queue)へ転送する。その後、TM13は、所定のキューからパケットを読み出して、キューから読み出したパケットを、BWBIF14へ出力する。
BWBIF14は、受信したパケットをスイッチカード20へ送信し、スイッチカード20は、宛先にもとづいて該当の回線IFカードへパケットを送信する。
なお、CPU16は、プロファイル選択機能の他に、制御カード30を介して、外部装置5と接続し、外部装置5から指示された設定にもとづき、回線IFカード10−1内の各構成要素の設定制御を行う。また、回線IFカード10−1内の各構成要素の監視制御を行って、監視結果を外部装置5へ送信制御する。
ここで、回線IFカード10−1が受信するパケットの流量が増えると、NPU12がメモリ群15aに格納されているアドレステーブルを介して、宛先アドレスを検索する頻度が増加する。
また、TM13がメモリ群15b内のキューへパケットを転送する頻度も増加する。すると、NPU12を構成するデバイス、TM13を構成するデバイス、さらには、メモリ群15a、15bの消費電力が増大して発熱が生じることになる。
このため、回線IFカード10−1では、NPU12の近傍に温度センサ17aを設け、温度センサ17aによりNPU12の温度を測定する。また、TM13の近傍に温度センサ17bを設け、温度センサ17bによりTM13の温度を測定する。
さらに、受信パケットの伝送レート制御に用いるプロファイルテーブル18a、18bを備える。プロファイルテーブル18aは、ポートP1〜Pn単位の受信パケットに対する伝送レート制御を行うためのテーブルである。また、プロファイルテーブル18bは、VLAN(Virtual Local Area Network)単位の受信パケットに対する伝送レート制御を行うためのテーブルである。プロファイルテーブル18a、18bは、例えばメモリ等の記憶媒体に記憶される。プロファイルテーブル18a、18bは、それぞれ異なるメモリに記憶させてもよいし、または各テーブルを1個のメモリに記憶させることもできる。
なお、VLAN単位の受信パケットに対する伝送レート制御とは、パケット内に格納されているVLAN−IDを単位にして、許容レートの制御を行うことを意味する。ここではVLANを例にしているが、他の伝送フロー単位に伝送レート制御を行ってもよい。
なお、温度センサ17a(NPU用)、温度センサ17b(TM用)、プロファイルテーブル18a(ポート)、プロファイルテーブル18b(VLAN)およびCPU16は、制御バスで互いに接続される。CPU16は、プロファイルテーブル18a、18bに所定データの書き込みを行い、または所定データの読み出しを行う。
上記のように、受信パケットが多量となり高負荷状態となると、NPU12およびTM13の消費電力が増大し発熱するため、温度センサ17a、17bで温度状態を監視し、CPU16は、温度センサ17a、17bから、温度データを周期的に読み出す。
そして、得られた温度測定結果に応じて、受信ポート単位またはVLAN単位で受信レート制御を行う。受信レート制御は、プロファイルテーブル18a、18bに設定されているプロファイルにもとづき、NPU12に対して、CPU16により実行される。
NPU12は、CPU16より設定された伝送レートに従い、ポート単位またはVLAN単位に受信パケットの伝送レート制御を行い、設定レート値を超えて入力されたパケットに対して、NPU12の入力側で廃棄する。
このような制御を行うことにより、メモリ群15aへのアクセス回数を低減し、後段のTM13で行われる処理頻度も低減させるので、消費電力を低下させて、温度上昇を抑制することができる。
次にプロファイルテーブルについて説明する。図5、図6はプロファイルテーブルの構成例を示す図である。図5のプロファイルテーブル18aは、ポートP1〜Pnごとに許容する伝送レートが設定されており、プロファイル番号(#)に応じて、各ポートに対して複数の許容レートが設定可能となっている。
例えば、ポートP1、P2の優先度が高く、ポートPnの優先度が低いとした場合、プロファイル#1では、ポートP1、P2は1Gbpsの許容レート、ポートPnは800Mbpsの許容レートが設定される。なお、0bpsは、プロファイルにもとづく伝送レート制御を行わないことを示しており、例えば、プロファイル#5の0bpsでは、全ポートに対して伝送レート制御を行わないことになる。
図6のプロファイルテーブル18bは、VLAN−0〜VLAN−4095ごとに許容する伝送レートが設定されており、プロファイル番号に応じて、各VLANに対して複数の許容レートが設定可能となっている。
例えば、VLAN−0、VLAN−1の優先度が高く、VLAN−4095の優先度が低いとした場合、プロファイル#1では、VLAN−0、VLAN−1は1Gbpsの許容レート、VLAN−4095は800Mbpsの許容レートが設定される。なお、上記の許容レート値の設定については、外部装置5を通じて任意の値を設定可能である。
次にプロファイルと温度の関係について説明する。図7、図8はプロファイルと温度との関係を示す図である。縦軸は、温度(℃)、横軸はプロファイル番号である。図7は温度上昇時のプロファイルと温度との関係(第1の対応関係)を示し、図8は温度下降時のプロファイルと温度との関係(第2の対応関係)を示している。
図7において、温度に対するしきい値として45℃、55℃、65℃の3つを持っている(温度値は、外部装置5から変更可能)。温度上昇時に示す例では、45℃まではプロファイル#0が適用され、45℃〜55℃ではプロファイル#1が適用される。また、55℃〜65℃ではプロファイル#2が適用され、65℃以上ではプロファイル#3が適用されるとしている。
図8において、温度に対するしきい値としてしきい値40℃、50℃、60℃の3つを持っている。温度下降時に示す例では、60℃まではプロファイル#3が適用され、50℃〜60℃ではプロファイル#2が適用される。また、40℃〜50℃ではプロファイル#1が適用され、40℃未満はプロファイル#0が適用されるとしている。
ここで、図7の温度上昇時に設定したしきい値と、図8の温度下降時に設定したしきい値とには、この例では5℃のヒステリシス(差分)を持たせている。温度上昇方向と温度下降方向でヒステリシスを持たせておくことで、プロファイル適用時の発振状態を回避することを可能としている。
例えば、ヒステリシスを持たずに、温度上昇時でも下降時でも55℃のしきい値があり、55℃以下をプロファイル#1、55℃を超えるとプロファイル#2とすると、測定温度が55℃の近傍にあるときは、プロファイル#1、#2が交互に繰り返される現象が生じてしまう。このような現象を抑制するために、温度上昇方向と温度下降方向でヒステリシスを持たせておく。
なお、温度に対するプロファイルの設定例として、トラフィックの利用状況に応じたプロファイルを設定し、消費電力を低減する方法もとることができる。例えば、昼間のトラフィックは多いが、夜は少ないといった場合、それに応じたプロファイルを設定することで、パケットの処理負荷を低減させることができる。
次に温度測定に応じたプロファイルの適用動作について説明する。図9はプロファイルの適用動作を示すフローチャートである。温度センサ17aの測定値にもとづく動作について示す。
〔S1〕CPU16は、温度センサ17aの温度値の読み出しを行う。
〔S2〕CPU16は、読み出した温度値が、65℃以下かどうかを判定する。65℃以下の場合はS3へ行き、65℃以下でない場合はS8へ行く。
〔S3〕CPU16は、今回の測定温度(現在の測定温度)が前々回の測定値より高温か否かを判定する。高温の場合はS4へ行き、そうでない場合はS6へ行く。
〔S4〕CPU16は、今回の測定温度が前回の測定値より高温か否かを判定する。高温の場合はS5へ行き、そうでない場合はS10へ行く。
〔S5〕CPU16は、前回の測定温度が前々回の測定値より高温か否かを判定する。高温の場合はS8へ行き、そうでない場合はS10へ行く。
〔S6〕CPU16は、今回の測定温度が前回の測定値より低温か否かを判定する。低温の場合はS7へ行き、そうでない場合はS10へ行く。
〔S7〕CPU16は、前回の測定温度が前々回の測定値より低温か否かを判定する。低温の場合はS9へ行き、そうでない場合はS10へ行く。
〔S8〕CPU16は、温度上昇時のプロファイル(プロファイル番号)を適用する。
〔S9〕CPU16は、温度下降時のプロファイル(プロファイル番号)を適用する。
〔S10〕CPU16は、前々回に測定された温度値を消去し、今回測定された温度値を保持する。
上記において、S2では、65℃以下かどうかの判定を行っている。これは最上位チェック温度を65℃としており、65℃を超えている場合は、すぐさま受信レートの制御を実施するとしたためである。
また、S3〜S7では、一定時間内における温度の変動状態、すなわち、測定温度が上昇傾向であるか下降傾向であるか、または上昇と下降とを繰り返すふらついた状態であるかを判定している。判定方法は、今回の測定値(現在の測定値)、前回の測定値、前々回の測定値の3値を比較することにより判断している。
以下、具体的な測定数値を挙げて説明する。なお、ポート単位の受信レート制御を行うものとし、プロファイルテーブル18aを使用するものとする。
(測定温度が65℃を超える場合)
S2において、例えば、今回の測定値=70℃であったとすると、S8へ行き、温度上昇時のプロファイルが適用されることになる。
このとき、図7に示すプロファイルから、65℃を超える場合は、プロファイル#3である。したがって、図5に示すプロファイルテーブル18aから、プロファイル#3の伝送レートにもとづく受信レート制御が、ポートP1〜Pnの受信パケットに対して実行されることになる。
(温度上昇傾向の場合)
前々回の測定値=43℃、前回の測定値=57℃、今回の測定値=62℃であったする。分岐処理の流れは、S2のYES分岐→S3のYES分岐→S4のYES分岐→S5のYES分岐→S8となる。温度上昇傾向と判断して、図7に示す温度上昇時のプロファイルを適用する。
(温度下降傾向の場合)
前々回の測定値=62℃、前回の測定値=57℃、今回の測定値=43℃であったとする。分岐処理の流れは、S2のYES分岐→S3のNO分岐→S6のYES分岐→S7のYES分岐→S9となる。温度下降傾向と判断して、図8に示す温度下降時のプロファイルが適用される。
このとき、図8に示すプロファイルから、43℃の場合は、プロファイル#1である。したがって、図5に示すプロファイルテーブル18aから、プロファイル#1の伝送レートにもとづく受信レート制御が、ポートP1〜Pnの受信パケットに対して実行されることになる。
(温度上昇の状態から下降する場合)
この場合は、2パターンある。すなわち、今回の測定温度が前々回の測定値と前回の測定値との間の温度である場合(パターン1)と、今回の測定温度が前々回の測定値より低い温度である場合(パターン2)とがある。
(パターン1の場合)
前々回の測定値=43℃、前回の測定値=62℃、今回の測定値=57℃であったとする。分岐処理の流れは、S2のYES分岐→S3のYES分岐→S4のNO分岐→S10となる。
(パターン2の場合)
前々回の測定値=57℃、前回の測定値=62℃、今回の測定値=43℃であったとする。分岐処理の流れは、S2のYES分岐→S3のNO分岐→S6のYES分岐→S7のNO分岐→S10となる。
上記のパターン1、2共に、前々回の測定値から前回の測定値で温度が上昇し、前回の測定値から今回の測定値では温度が下降しており、一定時間内において温度がふらついている状態である。
このような場合は、プロファイルを適用せずに、S10の処理により、前々回の測定値を消去し、前回の測定値を前々回の測定値とあらたに設定し、今回の測定値を前回の測定値とあらたに設定する。そして、次の周期で読み出された温度値を今回の測定値として、再度、プロファイルの適用動作フローを実行することになる。
(温度下降の状態から上昇する場合)
この場合は、2パターンある。すなわち、今回の測定温度が前々回の測定値と前回の測定値との間の温度である場合(パターン1)と、今回の測定温度が前々回の測定値より高い温度である場合(パターン2)とがある。
(パターン1の場合)
前々回の測定値=62℃、前回の測定値=43℃、今回の測定値=57℃であったとする。分岐処理の流れは、S2でYES分岐→S3でNO分岐→S6でNO分岐→S10となる。
(パターン2の場合)
前々回の測定値=57℃、前回の測定値=43℃、今回の測定値=62℃であったとする。分岐処理の流れは、S2でYES分岐→S3でYES分岐→S4でYES分岐→S5でNO分岐→S10となる。
上記のパターン1、2共に、前々回の測定値から前回の測定値で温度が下降し、前回の測定値から今回の測定値では温度が上昇しており、一定時間内において温度がふらついている状態である。
このような場合も、上記と同様にプロファイルを適用せずに、S10の処理により、前々回の測定値を消去し、前回の測定値を前々回の測定値とあらたに設定し、今回の測定値を前回の測定値とあらたに設定する。そして、次の周期で読み出された温度値を今回の測定値として、再度、プロファイルの適用動作フローを実行することになる。
このように、通信装置1では、時間経過に伴って、温度が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか、または上昇下降を繰り返しているのかといった、一定時間内の温度変化の状態を認識して、温度変化の状態に応じた段階的な伝送レート制御を行う構成とした。
測定温度がしきい値を超えているか否かの単純な判断で、固定的な伝送レート設定を行うと、デバイスの発熱は抑制されたとしても、必要以上に伝送レートを制限してしまうおそれがある。これに対し、通信装置1では、上記のような制御を行うことにより、温度が上昇傾向にあれば、伝送レートも段階的に小さく設定し、温度が下降傾向にあれば伝送レートも段階的に大きく設定することが可能になり、発熱を抑制するための適切な伝送レート値を設定することが可能になる。
また、今回の測定温度、前回の測定温度および前々回の測定温度から、一定時間内で温度上昇と温度下降が繰り返される温度変化(温度のふらつき)を認識した場合は、プロファイルの選択を停止する構成とした。すなわち、一定時間内において、温度がふらついている状態の場合はプロファイルにもとづく伝送レート設定を停止し、一定時間内において、温度上昇または下降の状態になった場合はプロファイルにもとづく伝送レート設定を行う構成とした。これにより、温度がふらついている状態のときの伝送レート変更を停止することで、安定した受信レート制御を行うことが可能になる。
次に変形例について説明する。上記に示した回線IFカードでは、温度センサ17a、17b、プロファイルテーブル18a、18bが制御バスに接続し、CPU16で測定温度にもとづくプロファイル番号を選択する。そして、選択したプロファイル番号をNPU12に通知し、NPU12が、プロファイル番号にもとづく受信レート制御を行うものであった。
これに対し、第1の変形例では、温度センサ17a、17b、プロファイルテーブル18a、18bをNPU12に接続し、NPU12が、測定温度にもとづくプロファイル番号の選択およびプロファイル番号にもとづく受信レート制御の両方を行うものである(すなわち、図1のプロセッサ1cの機能をNPU12で実行させる)。
図10は回線IFカードの構成例を示す図である。回線IFカード10a−1は、光モジュール11−1〜11−n、NPU12、TM13、BWBIF14、メモリ群15a、15b、CPU16、温度センサ17a、17bおよびプロファイルテーブル18a、18bを備える。
温度センサ17a、17b、プロファイルテーブル18a、18bをNPU12に接続している。その他の内部構成は図4と同じなので説明は省略する。このような構成により、NPU12が周期的にプロファイルを読み出し、受信レート制御を自律的に行うことが可能になる。また、CPU16の負荷を軽減することも可能になる。なお、温度センサ17a、17b、プロファイルテーブル18a、18bを、NPU12の内部に取り込む構成にしてもよい。
次に第2の変形例について説明する。図4に示す構成では、発熱抑制を行う場合、送信されてきたパケットに対して、受信側の回線IFカード10−1のみで受信レート制御を行うものであった。
これに対し、第2の変形例では、送信側の回線IFカードに対してバックプレッシャをかけることで、送信側の回線IFカードでも伝送レート制御(送信レート制御)を行うものである。
図11は回線IFカードの構成例を示す図である。回線IFカード10b−1は、光モジュール11−1〜11−n、NPU12、TM13、BWBIF14、メモリ群15a、15b、CPU16、温度センサ17a、17b、プロファイルテーブル18a、18bおよび送信元カード管理テーブル(送信元管理テーブル)19を備える。図4と異なる構成は、送信元カード管理テーブル19が追加されている点である。送信元カード管理テーブル19は、制御バスに接続される。送信元カード管理テーブル19は、メモリ等の記憶媒体に記憶される。プロファイルテーブル18a、18bおよび送信元カード管理テーブル19は、それぞれ異なるメモリに記憶させてもよいし、または各テーブルを1個のメモリに記憶させることもできる。
送信元カード管理テーブル19は、回線IFカード10b−1が、スイッチカード20を介して、他のどの回線IFカードと通信をしているかを管理するテーブルである(対向の送信元カードとの通信状態を管理するテーブルである)。
図12は送信元カード管理テーブルの構成例を示す図である。送信元カード管理テーブル19は、カード番号19−1、送信元カード19−2の項目属性を有している。カード番号19−1は、回線IFカードの識別番号である。送信元カード19−2は、自カードに対して現在通信を行っている“通信中”または現在通信を行っていない“非通信”を示す。
図の場合、回線IFカードとして20枚有しており、アップリンク側の回線IFカード1がダウンリンク側の回線IFカード3〜19の17枚のカードと通信していることを表している。
次に第2の変形例における、温度測定に応じたプロファイルの適用動作について説明する。図13はプロファイルの適用動作を示すフローチャートである。温度センサ17aの測定値にもとづく動作について示す。
〔S1〕CPU16は、温度センサ17aの温度値の読み出しを行う。
〔S2〕CPU16は、読み出した温度値が、65℃以下かどうかを判定する。65℃以下の場合はS3へ行き、65℃以下でない場合はS8へ行く。
〔S3〕CPU16は、今回の測定温度(現在の測定温度)が前々回の測定値より高温か否かを判定する。高温の場合はS4へ行き、そうでない場合はS6へ行く。
〔S4〕CPU16は、今回の測定温度が前回の測定値より高温か否かを判定する。高温の場合はS5へ行き、そうでない場合はS11へ行く。
〔S5〕CPU16は、前回の測定温度が前々回の測定値より高温か否かを判定する。高温の場合はS8へ行き、そうでない場合はS11へ行く。
〔S6〕CPU16は、今回の測定温度が前回の測定値より低温か否かを判定する。低温の場合はS7へ行き、そうでない場合はS11へ行く。
〔S7〕CPU16は、前回の測定温度が前々回の測定値より低温か否かを判定する。低温の場合はS9へ行き、そうでない場合はS11へ行く。
〔S8〕CPU16は、温度上昇時のプロファイル(プロファイル番号)を適用する。
〔S9〕CPU16は、温度下降時のプロファイル(プロファイル番号)を適用する。
〔S10a〕CPU16は、送信元カードへ現在の温度を通知し、送信元カードの温度上昇時のプロファイル番号の適用を指示する。
〔S10b〕CPU16は、送信元カードへ現在の温度を通知し、送信元カードの温度下降時のプロファイル番号の適用を指示する。
〔S11〕CPU16は、前々回に測定された温度値を消去し、今回測定された温度値を保持する。
このように、受信パケットの送信元カードを登録した送信元カード管理テーブル19を備えて、送信元カード管理テーブル19から送信元カードを認識する。そして、送信元カードへ現在の温度を通知し、送信元カードに対して送信レート制御を実行させる構成とした。これにより、受信側の伝送レート制御だけでなく、送信側での伝送レート制御も行われることになるので、より短時間で発熱抑制を行うことが可能になる。
なお、上記の説明では、伝送レート制御を行うことで発熱を抑制するとしたが、発熱を抑制するための他の制御としては、例えば、プロセッサ1cにおいて、温度上昇時には、対向装置に対してポーズ(pause)パケットを送信し、対向装置から送信パケットを停止させるような制御を行う構成にしてもよい。
または、プロセッサ1cにおいて、温度上昇時には、呼受付制御(CAC:Call Admission Control)を行って、新規の呼受付の設定(例えば、ポート開設および新規VLAN設定等)を停止する制御を行う構成にしてもよい。さらに、これらの制御を適宜組み合わせて、発熱抑制の制御を行うことも可能である。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
1 通信装置
1a 温度センサ
1b プロファイルテーブル
1c プロセッサ

Claims (8)

  1. 温度を測定する温度センサと、
    ポート単位または伝送フロー単位の少なくとも一方と、前記単位におけるパケットの伝送レートとを対応付けた組合せを記憶するメモリと、
    測定温度にもとづいて、発熱の抑制を図る前記組合せを選択し、前記ポート単位または前記伝送フロー単位の少なくとも一方に対して、選択した前記組合せによる前記伝送レートで受信レート制御を行うプロセッサと、
    受信パケットの送信元装置を登録した送信元管理テーブルと、
    を備え、
    前記プロセッサは、前記送信元管理テーブルから前記送信元装置を認識して、前記送信元装置へ現在の測定温度を通知し、前記送信元装置に対して送信レート制御を実行させる、
    ことを特徴とする通信装置。
  2. 前記プロセッサは、一定時間内の温度上昇時における、前記測定温度と、前記組合せとの第1の対応関係と、一定時間内の温度下降時における、前記測定温度と前記組合せとの第2の対応関係とを保持し、
    現在の測定温度、前回の測定温度および前々回の測定温度から、温度が上昇傾向にあることを認識した場合は、前記第1の対応関係に示される前記測定温度から前記組合せを段階的に選択し、
    現在の測定温度、前回の測定温度および前々回の測定温度から、温度が下降傾向にあることを認識した場合は、前記第2の対応関係に示される前記測定温度から前記組合せを段階的に選択する、
    ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記プロセッサは、温度上昇時の前記第1の対応関係に設定した温度のしきい値と、温度下降時の前記第2の対応関係に設定した温度のしきい値とには、ヒステリシスを持たせることを特徴とする請求項2記載の通信装置。
  4. 前記プロセッサは、現在の測定温度、前回の測定温度および前々回の測定温度から、一定時間内で温度上昇と温度下降が繰り返される温度変化を認識した場合は、前記組合せの選択を停止することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  5. 発熱抑制方法において、
    ポート単位または伝送フロー単位の少なくとも一方と、パケットの伝送レートとを対応付けて記憶する第1メモリと、受信パケットの送信元装置を記憶する第2メモリとを備え、
    測定温度にもとづいて、発熱の抑制を図る前記対応付けを選択し、
    前記ポート単位または前記伝送フロー単位の少なくとも一方に対して、選択した前記対応付けによる前記伝送レートで受信レート制御を行
    前記第2メモリから前記送信元装置を認識して、前記送信元装置へ現在の測定温度を通知し、前記送信元装置に対して送信レート制御を実行させる、
    ことを特徴とする発熱抑制方法。
  6. 一定時間内の温度上昇時における、前記測定温度と組合せとの第1の対応関係と、一定時間内の温度下降時における、前記測定温度と前記組合せとの第2の対応関係とを保持し、
    現在の測定温度、前回の測定温度および前々回の測定温度から、温度が上昇傾向にあることを認識した場合は、前記第1の対応関係に示される前記測定温度から前記組合せを段階的に選択し、
    現在の測定温度、前回の測定温度および前々回の測定温度から、温度が下降傾向にあることを認識した場合は、前記第2の対応関係に示される前記測定温度から前記組合せを段階的に選択する、
    ことを特徴とする請求項記載の発熱抑制方法。
  7. 温度上昇時の前記第1の対応関係に設定した温度のしきい値と、温度下降時の前記第2の対応関係に設定した温度のしきい値とには、ヒステリシスを持たせることを特徴とする請求項記載の発熱抑制方法。
  8. 現在の測定温度、前回の測定温度および前々回の測定温度から、一定時間内で温度上昇と温度下降が繰り返される温度変化を認識した場合は、前記組合せの選択を停止することを特徴とする請求項6記載の発熱抑制方法。
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