JP3129182B2 - 電線路監視制御方法 - Google Patents

電線路監視制御方法

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JP3129182B2
JP3129182B2 JP08044202A JP4420296A JP3129182B2 JP 3129182 B2 JP3129182 B2 JP 3129182B2 JP 08044202 A JP08044202 A JP 08044202A JP 4420296 A JP4420296 A JP 4420296A JP 3129182 B2 JP3129182 B2 JP 3129182B2
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啓一郎 高田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、とくに架空送電線
等のより線構造の電線路の熱的限界に基づく負荷制限を
行う電線路監視制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種より線構造の電線路の監視
制御においては、電線温度そのものを検出してその熱的
限界を直接握把することができないため、一般に、電線
路の通電電流を検出し、この通電電流の大小に基づいて
負荷制限の要,不要を判定し、この判定の結果により負
荷側の各フィーダを予め設定した順序で選択的に遮断
し、負荷制限を実施している。
【0003】この場合、電線温度が通電電流及び気温,
日射等の気象条件によって変化し、例えば熱的限界から
は夏季と冬季とでは送電可能な電流量(通電電流量)が
異なるため、一定の電流値を基準にして通電電流のみか
ら負荷制限の要,不要を判定するのでは、通常、基準の
電流値が過酷な夏季を想定して設定されることから、冬
季には限界に達するかなり前の電流量で負荷制限が作用
し、電線路の有効利用が図れない不都合がある。
【0004】一方、本出願の出願人は、特願平7−67
09号の出願の願書に添付の明細書,図面に記載のよう
に、通電電流及び気象条件を考慮してこの種電線路の現
在の電線温度を推定する電線路の温度監視方法を既に発
明し、出願している。
【0005】この既出願の温度監視方法においては、監
視対象の電線路(以下監視線路という)の通電電流から
監視線路の電線内部温度の推定値を演算して求め、気
温,日射強度等の周囲の気象条件から監視線路の電線表
面温度の推定値を演算して求め、両推定値の差から監視
線路の電線内部と電線表面との温度差を求め、監視線路
の電線表面温度の気温に前記温度差を加算して監視線路
の温度を求める。
【0006】この場合、監視線路の電線内部の温度と電
線表面の温度とにより電線温度が電線路の通電電流及び
気象条件を考慮して推定されるため、監視線路の現在の
温度が気象条件をも考慮して推定される。
【0007】この推定温度に基づいて負荷制限の要,不
要を判定すれば、通電電流のみに基づいて判定する場合
より現実の電線温度に合致した条件で判定が行え、より
適切な負荷制限が行える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の電線路監視
制御方法の場合、前記既出願の温度監視方法により気象
条件を考慮して現在の電線温度を推定し、この推定温度
に基づいて負荷制限の要,不要を判定したとしても、電
線路の現在の温度を推定するのみであるため、電線温度
が実際に負荷制限が必要な温度以上になってからでなけ
れば負荷制限の要判定がなされず、その逆の判定につい
ても同様であり、判定の遅れが生じる。
【0009】したがって、負荷制限の遅れが生じる問題
点があるとともに、負荷制限が頻繁にくり返されててい
わゆる制御のハンチング現象等を招来し、適切な負荷制
限が行えない問題点がある。
【0010】本発明は、気象条件を考慮した電線路の現
在の推定温度及び一定時間後の予測温度に基づき、迅速
にしかも過不足なく必要量のフィーダを遮断して理想的
な負荷制限が行えるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明の電線路監視制御方法においては、請求項
1の場合、電線路の現在の通電電流に基づく発生熱量で
の温度上昇量を求めて前記電線路の前回の推定演算で求
めた通電電流に基づく推定温度に加算し、前記電線路の
通電電流に基づく現在及び前記一定時間後の温度を推定
することを周期的にくり返し、 前記電線路の現在の気象
条件としての気温,日射強度に基づく発生熱量での温度
上昇量を求めて前記電線路の前回の推定演算で求めた気
象条件に基づく推定温度に加算し、前記電線路の現在の
気象条件に基づく現在及び前記一定時間後の温度を推定
することを周期的にくり返し、 前記電線路の現在の通電
電流に基づく現在及び前記一定時間後の推定温度と、前
記電線路の現在の気象条件に基づく現在及び一定時間後
の推定温度とを加算して周期的に前記電線路の現在の通
電電流及び気象条件から前記電線路の現在の温度を推定
するとともに前記一定時間後の温度を予測し、 少なくと
も前記電線路の現在の推定温度が連続して設定した危険
温度以上になること、又は前記一定時間後の予測温度が
連続して前記危険温度以上で上昇傾向を示すことを、前
記電線路の熱的限界に基づく負荷制限の要判定条件とし
て、周期的な負荷制限の判定により、前記電線路の現在
の推定温度及び前記一定時間後の予測温度から前記電線
路の熱的限界に基づく負荷制限の要,不要を事前予測し
て判定することをくり返し、 前記負荷制限の要判定によ
り、フィーダ遮断指令を前記負荷制限の不要判定になる
まで出力し、前記フィーダ遮断指令の出力中に、最初の
要判定に基づく負荷制限により前記電線路の通電電流
が、現在の推定温度と前記電線路の最高許容温度との差
に相当する遮断率で減少し、2回目以降の要判定に基づ
く負荷制限により前記電線路の通電電流が所定の最小率
で遮断されて減少するように、前記電線路の通電中の各
フィーダを選択的に遮断し、 前記電線路の負荷を前記電
線路の温度に応じて制限する。また、請求項2の場合、
電線路の通電電流に基づく現在の温度を、つぎの式 の演
算から推定し、 θin={Δθimax(In/Imax) k −θi n-1 }・[1−e
xp{−(tn−t n-1 )/Ti}]+θi n-1 =(Δθi−
θi n-1 )・{1−exp(−Δt/Ti)}+θi n-1 tn,t n-1 :n回目(今回),n-1回目(前回)の演算
時刻 Δt:演算の時間間隔(=tn−t n-1 ),例えば0.5
θin,θi n-1 :時刻tn,t n-1 の電線路の通電電流に基
づく推定温度 In:時刻tnの通電電流値 Imax :通電電流の基準値(公称許容電流値) Δθimax:Imaxにおける飽和温度上昇値 Ti:通電電流変化による温度変化時定数 k:電流換算指数 気象条件としての気温,日射強度に基づく前記電線路の
現在の温度を、つぎの2式の演算から推定し、 θan=(An−θa n-1 )・{1−exp(−Δt/Ta)}
+θa n-1 θsn=(Δθsmax・Sn−θs n-1 )・[1−exp{−(t
n−t n-1 )/Ts }]+θs n-1 =(Δθs−θs n-1 )・
{1−exp(−Δt/Ts)}+θs n-1 θan,θa n-1 :時刻tn,t n-1 の気温に基づく推定温度 θsn,θs n-1 :時刻tn,t n-1 の日射に基づく推定温度 An :時刻tnの計測温度 Sn :時刻t n の計測日射強度 Δθsmax:日射強度飽和温度上昇値 Ta :気温変化による温度変化時定数 Ts :日射強度変化による温度変化時定数 前記各推定温度θin,θan,θsnを加算して通電電流及
び気象条件を考慮した前記電線路の時刻tn(現在)の推
定温度θnを周期的に求め、 前記各式のtn=t n+J1
t n-1 ,t n-1+j1 として、前記各式から前記電線路の一定
時間J1後の時刻t n+J1 ,の通電電流, 気温, 日射強度
それぞれに基づく推定温度θi (n+J1) ,θa (n+J1) ,θ
(n+J1) を求めて加算し、前記電線路の通電 電流及び気
象条件を考慮した一定時間J1後の予測温度θn +J1 を周
期的に求め、 少なくとも前記電線路の現在の推定温度θ
nが連続して設定した危険温度以上になること、又は一
定時間後の予測温度θ n+J1 が連続して前記危険温度以上
で上昇傾向を示すことを、前記電線路の熱的限界に基づ
く負荷制限の要判定条件として、周期的な負荷制限の判
定により、前記電線路の現在の推定温度θn及び一定時
間後の予測温度θ n+J1 から前記電線路の熱的限界に基づ
く負荷制限の要, 不要を事前予測して判定することをく
り返し、 前記負荷制限の要判定により、フィーダ遮断指
令を前記負荷制限の不要判定になるまで出力し、前記フ
ィーダ遮断指令の出力中に、最初の要判定に基づく負荷
制限により前記電線路の通電電流が、現在の推定温度θ
nと前記電線路の最高許容温度との差に相当する遮断率
で減少し、2回目以降の要判定に基づく負荷制限により
前記電線路の通電電流が所定の最小率で遮断されて減少
するように、前記電線路の通電中の各フィーダを選択的
に遮断し、 前記電線路の負荷を前記電線路の温度に応じ
て制限する。
【0012】したがって、負荷制限の要,不要が少なく
とも電線路の気象条件を考慮した現在の推定温度及び一
定時間後の予測温度の変化傾向から事前に予測して判定
され、従来のような判定の遅れが生じない。
【0013】そして、負荷制限が必要になると、最初の
フィーダ遮断指令に対しては、そのときの推定温度が高
くなる程通電電流の遮断率を大きくしてその遮断量が多
くなるように各フィーダが選択的に遮断され、迅速に負
荷制限が行われる。
【0014】さらに、2回目以降のフィーダ遮断指令が
引続き出力されるときは、これらの指令に対する通電電
の遮断率を所定の最小率に固定し、通電電流をさらに
少しずつ遮断するように、残りのフィーダが選択的に遮
断され、行過ぎた遮断を防止して電線路の通電電流がさ
らに低減される。そのため、迅速にかつ過不足を極力防
止して理想的な負荷制限が行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態について、
図1ないし図10を参照して説明する。まず、通電電流
及び気象条件を考慮した電線路の温度(電線温度)の推
定及び予測について説明する。
【0016】この電線温度の推定及び予測は、現在の電
線温度をつぎに説明するように推定し、さらに、現在の
事象(電流,日射,気温等)が一定時間J1経過するま
で継続するとして予測するものである。
【0017】 現在温度の推定 一般に、単位時間dtに物体内に発生する熱量(発生熱
量)は、物体温度を単位温度dθだけ上昇させる熱量と
外部に放出される熱量との和になり、物体の温度の時間
変化は、単位時間内に物体内で発生する熱量(発生熱
量)Q[KW],物体の熱容量C[KW秒/℃]及び熱
放散係数H[KW/℃]をパラメータとし、温度をθ
[℃],経過時間をt[秒]とすれば、つぎの数1の熱
移動式〈1〉で示される。
【0018】
【数1】 Q・dt=C・dθ+H・θ・dt …〈1〉
【0019】そして、この熱移動式〈1〉は、Q/H=
θmax とすれば、その一般解θがつぎの数2の式〈2〉
で示される。
【0020】
【数2】 θ=θmax ・{1−exp(−t/T)} …〈2〉
【0021】この式〈2〉からも明らかなように、物体
の温度θはその上昇飽和温度θmax(=Q/H),時定
数T(=C/H)を定数とする関数式にしたがい時間t
に対して指数関数的に変化する。
【0022】そして、より線構造の電線路の電線温度も
その熱量変化により、式〈2〉の指数関数特性にしたが
って一定の時定数で変化し、その電線温度は式〈2〉の
温度θについての簡単な指数関数式の温度演算から推定
することができる。
【0023】この場合、通電電流に基づく電線温度の変
化と気象条件に基づく電線温度の変化とを個別に予測し
て加算合成すれば、通電電流及び気象条件を考慮した電
線温度の推定が行える。
【0024】そして、通電電流に基づく現在の電線温度
θinは、つぎの数3の指数関数式〈3〉の演算により推
定することができる。
【0025】
【数3】 θin={Δθimax(In/Imax)k−θin-1}・[1−exp{−(tn−tn-1 )/Ti}]+θin-1=(Δθi−θin-1)・{1−exp(−Δt/Ti)}+ θin-1 …〈3〉 式中のtn,tn-1,…はつぎの各値である。
【0026】tn,tn-1:n回目(今回),n-1回目
(前回)の演算時刻[分] Δt:演算(サンプリング・制御)の時間間隔(=tn
−tn-1),例えば0.5分 θin,θin-1:時刻tn,tn-1の推定温度[℃] In:時刻tnの電流センサの検出値(計測線路電流値)
[A] Imax :通電電流の基準値(公称許容電流値)[A] Δθimax:Imaxにおける飽和温度上昇値[℃] Ti:通電電流変化による温度変化時定数 k:電流換算指数
【0027】なお、式中の(In/Imax )のべき指数
kは電流換算指数であり、電線路の場合ほぼ2である。
【0028】また、前記既出願においてはΔθmax ,θ
inを熱量として電線温度を求めているが、温度と熱量と
が比例関係にあるため、この熱量の演算式は実質的には
指数関数式〈3〉と同じである。
【0029】つぎに、気象条件として気温と日射強度と
を考慮する場合、気温,日射強度に基づく現在の電線温
度θan,θsnは指数関数式〈3〉と同様のつぎの数4,
数5の指数関数式〈4〉,〈5〉の演算により推定する
ことができる。
【0030】
【数4】 θan=(An−θan-1)・{1−exp(−Δt/Ta)}+θan-1 …〈4〉
【数5】 θsn=(Δθsmax・Sn−θsn-1)・[1−exp{−(tn−tn-1)/Ts } ]+θsn-1=(Δθs−θsn-1)・{1−exp(−Δt/Ts)}+θsn-1 …〈5〉 両指数関数式〈4〉,〈5〉のθan-1,θsn-1,…はつ
ぎの各値である。
【0031】θan,θan-1:時刻tn,tn-1の気温に基
づく推定温度[℃] θsn,θsn-1:時刻tn,tn-1の日射に基づく推定温度
[℃] An :時刻tnの計測温度[℃] Sn :時刻tnの計測日射強度[KW/m2] Δθsmax:日射強度飽和温度上昇値 Ta :気温変化による温度変化時定数 Ts :日射強度変化による温度変化時定数
【0032】そして、つぎの数6の推定演算式〈6〉に
したがって各電線温度θin,θan,θsnを加算すること
により、通電電流及び気象条件を考慮した時刻tn(現
在)の電線温度(推定温度)θnが求まる。
【0033】
【数6】θn=θin+θan+θsn …〈6〉
【0034】一定時間後の温度予測 現在(時刻tn)から例えば1〜数分程度の一定時間J
1後の時刻tn+J1 の通電電流,気温,日射強度それぞ
れに基づく電線温度(予測温度)θi(n+J1),θa
(n+J1),θs(n+J1)は、指数関数式〈3〉のパラメータ
Δθimax,(In/Imax )2 ,Ti及び指数関数式
〈4〉,〈5〉のパラメータAn,Ta,ΔSmax ・S
n,Tsを現在の値に固定し、式中のtnをtn+J1
tn-1をtn-1+ J1 として予測することができる。
【0035】さらに、予測温度θi(n+J1),θ
(n+J1),θs(n+J1)を推定演算式〈6〉のθin,θa
n,θsnに代入すれば、通電電流及び気象条件を考慮し
た一定時間J1後の予測温度θn+J1 が求まる。
【0036】そして、設定された時間間隔(例えば0.
5分)で式〈3〉〜〈6〉の演算をくり返すことによ
り、時々刻々の現在の推定温度及びそれから一定時間後
の予測温度が求まる。
【0037】つぎに、推定,予測された電線温度に基づ
く負荷制限の要,不要の判定について説明する。
【0038】この実施形態においては、高精度の判定を
行うため、負荷制限の判定レベルとして第1段判定レベ
ル,第2段判定レベルを設定し、つぎに説明する2段判
定により負荷制限の要,不要を判定する。
【0039】そして、電線路が送電線路の場合、第1段
判定レベルは送電線路の最高許容温度(短時間使用レベ
ル)θL (例えば硬銅より線では100℃)に設定し、
第2段判定レベルは第1段判定レベルより高温(例えば
硬銅より線では120℃)の危険温度θH に設定する。
【0040】さらに、負荷制限の要判定の条件として、
つぎに説明する第1,第2,第3の主条件及び副条件を
設定する。
【0041】第2段判定レベル(危険温度θH )を判
定基準とする即遮断用の第1,第2の主条件 (i)第1の主条件(事象1の判定条件) この条件は、例えば0.5分間隔の時刻tn-2,tn-1
tnの連続3回の推定温度をθn-2,θn-1,θnとし、
それぞれの一定時間J1後の予測温度をθn-2+ J1 ,θn
-1+J1 ,θn+J1 とすると、この連続した3回の予測温
度θn-2+J1 ,θn-1+J1 ,θn+J1 が図3に示すよう
に、上昇傾向(θn-2+J1 <θn-1+J1 <θn+ J1 )を示
し、かつ、いずれも第2段判定レベル(危険温度θH
以上になることである。
【0042】(ii)第2の主条件(事象1の判定条件を
バックアップする条件) この条件は、図4に示すように例えば時刻txに推定温
度が第2段判定レベルに上昇し、その後も推定温度が第
2段判定レベル以上に保たれ、時刻txから例えば1〜
数分程度の一定時間J2が経過した後の時刻tn-2(T
1n-2時間後),tn-1(T1n-1時間後),tn(T1n
時間後)の連続3回の推定温度θn-2 ,θn-1,θnがい
ずれも第2段判定レベル以上になることであり、換言す
ると、第2段判定レベル(危険温度θH )以上の状態が
第1の所定時間,すなわち一定時間J2以上継続するこ
とである。
【0043】なお、この場合はその間の推定温度が上昇
傾向を示すことは条件でなく、図4のように途中で下降
傾向を示しても危険温度θH 以上であれば条件に該当す
る。
【0044】 第1段判定レベル(最高許容温度
θL )を判定基準とする第3の主条件(事象2の判定条
件) この条件は、第1,第2の主条件の場合より余裕がある
状態での制限条件であり、図5に示すように例えば時刻
tyに推定温度が第1段判定レベル(最高許容温度
θL )に上昇し、その後推定温度が第1段判定レベル以
上に保たれ、時刻tyから前記一定時間J2より長い第
2の所定時間としての一定時間J3が経過した後の時刻
tn-2(T2n-2時間後),tn-1(T2n-1時間後),t
n(T2n時間後)の連続3回の推定温度θn-2,θ
n-1,θnがいずれも第1段判定レベル以上になること
であり、換言すると、第1段判定レベル(最高許容温度
θL )以上の状態が一定時間J3以上継続することであ
る。
【0045】 過大な通電電流を判定基準とする副条
件(電流非常値の判定条件) この条件は、電線路の時刻tn(現在)の通電電流In
が非常値Im・βmax以上になることである。
【0046】なお、Imは電線種別基準電流値であり、
βmax は電線路の電流最低保証係数βmin より大きい電
線非常値係数であり、いずれも電線路に固有の定数値で
ある。
【0047】また、この副条件は、冬季等の気温が低く
日射強度も弱い状況下では前記の電線路の一定時間J1
後の予測温度が低くなり、予測温度,推定温度のみから
判定すると、電線路の許容電流をはるかに超える過大な
電流が流れるようになっても負荷制限が行われない事態
が生じるおそれがあるため、この事態を回避すべく設け
られたものである。
【0048】そして、これらの判定条件のいずれかに該
当するか否かが一定の時間間隔ΔTでくり返し判定さ
れ、熱的限界に基づく電線路の負荷制限の要,不要が周
期的に判定される。
【0049】つぎに、負荷制限の要,不要の判定結果に
基づく負荷制限の実行について説明する。まず、負荷制
限が必要であると判定されたときは、この判定に基づく
フィーダ遮断指令の出力とその他の実行条件の成立とに
より、負荷側のフィーダの遮断実行条件が成立する。
【0050】なお、前記のその他の実行条件とは、例え
ば、つぎの(a)〜(i)の条件である。
【0051】(a)初期整定が完了していること (b)温度監視の開始設定が完了していること (c)初期の監視除外時間が経過していること (d)制御対象の電線路(監視線路)が決定済みである
こと (e)監視・制御の装置異常が無いこと (f)順位遮断の遮断対象の遮断器が閉(オン)状態で
あること (g)前段(1つ前の順位)の遮断器が開(オフ)状態
であること (h)現在の推定温度θnが第1段判定レベル(最高許
容温度)θL に対してθn>θL の関係にあること (i)保護リレーが動作していないこと
【0052】そして、遮断実行条件が成立すれば、電線
路の負荷側のフィーダをつぎの手法で遮断する。
【0053】すなわち、電線路が図6に示すように母線
1及びその負荷側の複数のフィーダ(負荷回線)2a,
2b,2c,…,2zからなる場合、従来と同様の順位
遮断を行うのであれば、初期設定等により各フィーダ2
a〜2zの遮断順序(順位)が予め定められる。
【0054】そして、前記の遮断実行条件が成立し、1
回目(実行開始時)のフィーダ遮断指令が出力される
と、現在の推定温度θnに応じて電線路の電流遮断率を
決定する。
【0055】この電流遮断率は、電線路の負荷制限後の
電流量を定めるつぎの数7の係数算出式〈7〉の電流係
数Fcutnを求め、この係数Fcutnが設定した上限係数F
b(既定値)以下か否かにより、電流係数Fcutn又は上
限係数Fbを基準にして決定する。
【0056】
【数7】 Fcutn=1−(θn−θL )/100 …〈7〉
【0057】すなわち、電流係数Fcutnが上限係数Fb
以下(Fcutn≦Fb)になって必要な遮断量が大きいと
判断したときは、迅速な負荷制限を行うため、電流遮断
率を(1−Fcutn)・100(%)に決定し、電流係数
Fcutnが上限係数Fbより大(Fcutn>Fb)になって
必要な遮断量が少ないと判断したときは、遮断制御のハ
ンチングを防止するため、電流遮断率を(1−Fb)・
100(%)に決定する。
【0058】具体的には、電線路が硬銅より線HDCC
の場合、第1段判定レベルθL が100℃でtn時の推
定温度θnが110℃(θn>θL )になったとする
と、1回目の判定に基づく電流遮断率は、電流Fcutnが
0.9≦Fbになるため、10(%)(=110−10
0)に決定する。なお、最小率Fbは例えば0.95前
後に設定する。
【0059】そして、図7に示すようにつぎ(2回目)
の判定が行われるまでの時間ΔT(演算制御時間間隔)
内に、母線1の通電電流が決定した電流遮断率以下の電
流になるように、各フィーダ2a〜2zを整定時間間隔
Tpで順位遮断する。
【0060】さらに、遮断量の不足により2回目以降の
判定で引続きフィーダ遮断指令が出力されるときは、フ
ィーダ遮断指令が出力される毎に、行過ぎた遮断を防止
すべく電流遮断率を上限係数Fbに対応する最小率(1
−Fb)・100(%)に固定し、つぎの判定までの期
間ΔT内に残りのフィーダ2a〜2zの順位遮断をくり
返す。
【0061】なお、フィーダ遮断指令が出力されなくな
ると、負荷制限を終了し、つぎに期間ΔTより長い適当
な期間が経過してからフィーダ遮断指令が出力される
と、この指令を1回目の遮断指令として残りのフィーダ
2a〜2zを順位遮断する。
【0062】そして、前記の判定及び負荷制限を行う監
視・制御装置は、例えば図1に示すように構成される。
【0063】図1において、3は判定装置であり、判定
部4及び指令出力部5からなる。6は負荷制限装置であ
り、遮断率決定部7及び遮断実行部8からなる。
【0064】さらに、判定部4は図2に示すようにアン
ドゲート9,10,11を有する主条件判定部12,副
条件判定部13及び判定出力部14からなり、この判定
出力部14はオアゲート15,16及び信号保持部1
7,18,19からなる。
【0065】そして、判定部4は例えば0.5分の時間
間隔ΔTで動作し、そのアンドゲート9,10,11は
第1,第2,第3の主条件に一致したときに負荷制限指
令用の論理1(以下“1”という)の要判定信号を判定
出力部14に出力する。
【0066】このとき、第2段判定レベルを基準とする
第1,第2の主条件の要判定信号はオアゲート15を介
して信号保持部17にラッチされ、第1段判定レベルを
基準とする第3の主条件の要判定信号は単独で信号保持
部18にラッチされる。
【0067】そして、両信号保持部17,18にラッチ
された“1”の要判定信号は、オアゲート16を介して
次段の指令出力部5に供給される。
【0068】また、判定部4の第1のリセット条件は、
一度は推定温度が第2段判定レベル(危険温度θH )に
上昇しても、その後の予測温度すなわち時刻tnにおけ
る一定時間J1後の予測温度θn+J1が第2段判定レベル
より低くなることである。
【0069】そして、このリセット条件を満足すれば、
このままの負荷状態で現在(tn)から一定時間J1経
過したときの電線温度が確実に危険温度θH より低くな
ると予測されるため、信号保持部17をリセットして第
1,第2の主条件の要判定信号をオフし、無駄な負荷制
限を防止する。
【0070】さらに、判定部4の第2のリセット条件
は、一度は推定温度が第1段判定レベル(最高許容温度
θL )に上昇しても、その後の予測温度,すなわち時刻
tnにおける一定時間J1後の予測温度θn+J1が第1段
判定レベルより低くなることである。
【0071】そして、このリセット条件を満足すれば、
現在(tn)から一定時間J1経過したときの電線温度
が確実に最高許容温度θL より低くなると予測されるた
め、信号保持部18をリセットして第3の主条件の要判
定信号をオフし、無駄な負荷制限を防止する。
【0072】また、副条件判定部13は前記の副条件に
基づく要判定及びそのリセットを行う。
【0073】このリセットは、副条件に基づく負荷制限
をリセットするものであり、その条件は、通電電流In
の1.1倍(In・1.1)がIm・βmax より小さくな
り、通電電流Inが非常値より十分に小さくなることで
ある。
【0074】そして、通電電流が副条件を満足するよう
な過大な電流になれば、電線温度によらず、副条件判定
部13から信号保持部19に“1”の要判定信号を出力
し、この要判定信号を信号保持部19からオアゲート1
6を介して指令出力部5に供給する。
【0075】また、副条件を満足しなくなると、副条件
判定部13のリセット出力により信号保持部19をリセ
ットし、その要判定信号をオフする。
【0076】したがって、判定部4は、各主条件又は副
条件のいずれかを満足し、負荷制限の必要があると予測
されるときに、リセット信号で解除されるまで“1”の
要判定信号を出力する。
【0077】つぎに、指令出力部5は図1に示すように
縦列接続状態のアンドゲート20,21を有し、前段の
アンドゲート20はオアゲート16を介した要判定信号
と,端子22の受電中等の前記他の実行条件のθn>θ
L を除く各条件の成立により“1”になる信号とが供給
され、この“1”の信号の供給中の要判定信号を後段の
アンドゲート21に供給する。
【0078】さらに、アンドゲート21はアンドゲート
20の“1”の出力信号と,端子23のθn>θL のと
きに“1”になる信号とが供給され、θn>θL の条件
下でアンドゲート20の出力信号が“1”になり、確実
に負荷制限が必要になるときに“1”のフィーダ遮断指
令を次段の負荷制限装置6の遮断率決定部7に供給す
る。
【0079】そして、遮断率決定部7はフィーダ遮断指
令が供給されると、直ちに係数算出式〈7〉の演算を行
って電流係数Fcutnを求め、1回目の電流遮断率とし
て、Fcutn≦Fbであれば電流係数Fcutnのデータを遮
断実行部8に出力し、Fcutn>Fbであれば電流係数F
bを遮断実行部8に出力する。
【0080】さらに、遮断実行部8は供給された電流係
数Fcutnと母線1の現在の通電電流Inとに基づき、
0.5分後のつぎ(2回目)の判定タイミングまでの間
に、母線1の通電電流がIn・Fcutn以下になるまで各
フィーダ2a〜2zの遮断器を所定の整定時間間隔Tp
で順位遮断する。
【0081】そして、2回目の判定タイミングになって
も判定部4から要判定信号が出力されていれば、遮断率
決定部7は2回目以降の電流遮断率として、最小率に相
当する電流係数Fb(固定値)を遮断実行部8に出力
し、遮断実行部8はつぎ(3回目)の判定タイミングま
での間に、母線1の通電電流がIn・Fb以下に低減さ
れるまで残りの各フィーダ2a〜2zの遮断器を順位遮
断する。
【0082】以降、判定部4の要判定信号がオフするま
で、判定タイミング毎に、遮断率決定部7が電流遮断率
として電流係数Fbを遮断実行部8に出力し、遮断実行
部8がつぎの判定タイミングまでの間に、残りの各フィ
ーダ2a〜2zの遮断器を順位遮断し、母線1の通電電
流を電流係数Fbに相当する量ずつ低減する。
【0083】したがって、熱的限界の面から電線路の負
荷制限の要,不要が気象条件をも加味した実際温度に即
した電線温度の予測から判定される。
【0084】さらに、この判定に基づき、つぎの判定が
行われるまでに、最初は推定された現在の温度θnが高
い程大きな電流遮断率で母線1の通電電流が低減される
ように各フィーダ2a〜2zが遮断され、迅速に負荷制
限が行われる。
【0085】しかも、1回目の負荷制限が不足し、2回
目以降の判定結果が引続き負荷制限の要判定になるとき
は、残りの各フィーダ2a〜2zが所定の最小率の電流
遮断で徐々に遮断され、負荷制限の行過ぎが防止され
る。
【0086】そのため、電線温度の予測に基づき、迅速
にしかも過不足なく適切な負荷制限が行われる。
【0087】そして、例えば図6の電線路における母線
1の過負荷耐容量を200%(I20 0 )とし、その線材
を硬銅より線HDCC100mm2 とし、線路電流(負荷
制限前),風速,気温,日射強度が図8に示すように時
間変化して許容電流の2倍の電流通電状態で激しい風速
等の気象変化が発生する条件下において、演算制御時間
間隔ΔT=0.5分,電流係数Fb=0.96に設定し
て前記の負荷制限をシミュレーションしたところ、図
9,図10の結果が得られた。
【0088】図9は負荷制限に伴う線路電流(通電電
流)の変化を示し、図10は実線イが現在(tn)から
J1分後の予測温度,実線ロが現在(tn)の推定温
度,実線ハが第1の主条件に基づく要判定信号(2値信
号)を示し、この要判定信号は121.5分〜125分
の間出力される。
【0089】そして、両図からも明らかなように、母線
1の線路電流は121.5分の1回目の要判定に基づく
最初の負荷制限で約840A(=I200 )から約630
Aに迅速に低減され、2回目以降の要判定に基づく12
5分までの負荷制限で次第に約480Aに低減され、し
かも、その間に負荷制限の過不足による制御のハンチン
グが生じることもなく、迅速にかつ過不足なく適切な負
荷制限が行えることが確かめられた。
【0090】また、この実施形態の電線温度の推定によ
ると、第1,第2段判定レベルを基準とするいわゆる2
段判定により、従来は行われていなかった予測的な判定
も行って負荷制限の必要性の有無の判定が遅れなく正確
に行え、この判定に基づき過不足なく負荷フィーダを遮
断し、電線路の通電電流量を気象条件を考慮して許容さ
れる最大温度の電流量に制限することができる利点があ
る。
【0091】しかも、通電電流量が異常に大きくなる
と、副条件の判定によっても負荷制限の必要性があると
判定されて負荷フィーダが遮断されるため、判定及び制
御の精度が一層向上する。
【0092】なお、判定の簡略化等を図る場合は、即遮
断の条件である第2段判定レベル(危険温度θH )に基
づく第1,第2の主条件の判定のみを行って負荷制限の
要,不要を判定するようにしてもよい。
【0093】また、電線温度を前記既出願と同様の手法
で推定してもよい。そして、気象条件として図8の様に
風の影響を〈数3〉,〈数4〉ならびに〈数5〉に加味
すれば、さらに精度の高い推定,判定が行えるのは勿論
である。
【0094】つぎに、負荷制限の要判定に基づいて各フ
ィーダ2a〜2zを遮断する際、例えば各フィーダ2a
〜2zの通電電流が既知であれば、順位遮断をする代わ
りに、遮断量に相当するフィーダ2a〜2zを選択して
遮断するようにしてもよい。
【0095】そして、図1の各部の構成はどのようであ
ってもよく、各判定レベル,時間間隔ΔT等は電線路に
応じて設定すればよい。
【0096】
【発明の効果】本発明は、以下に説明する効果を奏す
る。負荷制限の要,不要が少なくとも電線路の気象条件
を考慮した現在の推定温度及び一定時間後の予測温度の
変化傾向から事前に予測して判定され、従来のような判
定の遅れが生じることがない。
【0097】そして、負荷制限が必要になると、最初の
フィーダ遮断指令に対しては、そのときの推定温度が高
くなる程通電電流の遮断率を大きくして各フィーダを選
択的に遮断することができ、迅速な負荷制限を行うこと
ができる。
【0098】しかも、2回目以降のフィーダ遮断指令が
引続き出力されるときは、これらの指令に対する通電電
の遮断率を所定の最小率に固定して残りのフィーダを
選択的に遮断し、行過ぎた遮断を防止して電線路の通電
電流をさらに低減することができる。
【0099】したがって、迅速にかつ過不足を極力防止
して電線路の熱的制限に対する理想的な負荷制限を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態のブロック図である。
【図2】図1の一部の詳細なブロック図である。
【図3】図1の判定部の第1の主条件の判定説明用の電
線温度の時間変化の説明図である。
【図4】図1の判定部の第2の主条件の判定説明用の電
線温度の時間変化の説明図である。
【図5】図1の判定部の第3の主条件の判定説明用の電
線温度の時間変化の説明図である。
【図6】図1の負荷制限が施される電線路の系統図であ
る。
【図7】図6の各フィーダの遮断説明図である。
【図8】図6の電線路の通電電流及び気象条件の1例の
説明図である。
【図9】図8の条件下での負荷制限による線路電流(通
電電流)の時間変化の演算結果図である。
【図10】図8の条件下での電線路の現在の推定温度,
一定時間後の予測温度,要判定信号の時間変化の演算結
果図である。
【符号の説明】
1 母線 2a〜2z フィーダ θn,θn-1,θn-2 推定温度 θn+J1 ,θn-1+J1 ,θn-2+J1 予測温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 6/00 H02H 5/04 H02J 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線路の現在の通電電流に基づく発生熱
    量での温度上昇量を求めて前記電線路の前回の推定演算
    で求めた通電電流に基づく推定温度に加算し、前記電線
    路の通電電流に基づく現在及び前記一定時間後の温度を
    推定することを周期的にくり返し、 前記電線路の現在の気象条件としての気温,日射強度に
    基づく発生熱量での温度上昇量を求めて前記電線路の前
    回の推定演算で求めた気象条件に基づく推定温度に加算
    し、前記電線路の気象条件に基づく現在及び前記一定時
    間後の温度を推定することを周期的にくり返し、 前記電線路の通電電流に基づく現在及び前記一定時間後
    の推定温度と、前記電線路の気象条件に基づく現在及び
    一定時間後の推定温度とを加算して周期的に前記電線路
    の現在の通電電流及び気象条件から前記電線路の現在の
    温度を推定するとともに前記一定時間後の温度を予測
    し、 少なくとも前記電線路の現在の推定温度が連続して設定
    した危険温度以上になること、又は前記一定時間後の予
    測温度が連続して前記危険温度以上で上昇傾向を示すこ
    とを、前記電線路の熱的限界に基づく負荷制限の要判定
    条件として、周期的な負荷制限の判定により、前記電線
    路の現在の推定温度及び前記一定時間後の予測温度から
    前記電線路の熱的限界に基づく負荷制限の要,不要を事
    前予測して判定することをくり返し、 前記負荷制限の要判定により、フィーダ遮断指令を前記
    負荷制限の不要判定になるまで出力し、前記フィーダ遮
    断指令の出力中に、最初の要判定に基づく負荷制限によ
    り前記電線路の通電電流が、現在の推定温度と前記電線
    路の最高許容温度との差に相当する遮断率で減少し、2
    回目以降の要判定に基づく負荷制限により前記電線路の
    通電電流が所定の最小率で遮断されて減少するように、
    前記電線路の通電中の各フィーダを選択的に遮断し、 前記電線路の負荷を前記電線路の温度に応じて制限する
    ことを特徴とする電線路監視制御方法。
  2. 【請求項2】 電線路の通電電流に基づく現在の温度
    を、つぎの数1の式の演算から推定し、 【数1】 θin={Δθimax(In/Imax) k −θi n-1
    ・[1−exp{−(tn−t n-1 )/Ti}]+θi n-1
    (Δθi−θi n-1 )・{1−exp(−Δt/Ti)}+
    θi n-1 tn,t n-1 :n回目(今回),n-1回目(前回)の演算
    時刻 Δt:演算の時間間隔(=tn−t n-1 ),例えば0.5
    θin,θi n-1 :時刻tn,t n-1 の電線路の通電電流に基
    づく推定温度 In:時刻tnの通電電流値 Imax :通電電流の基準値(公称許容電流値) Δθimax:Imaxにおける飽和温度上昇値 Ti:通電電流変化による温度変化時定数 k:電流換算指数 気象条件としての気温,日射強度に基づく前記電線路の
    現在の温度を、つぎの数2,数3の2式の演算から推定
    し、 【数2】 θan=(An−θa n-1 )・{1−exp(−Δt/
    Ta)}+θa n-1 【数3】 θsn=(Δθsmax・Sn−θs n-1 )・[1−exp
    {−(tn−t n-1 )/Ts }]+θs n-1 =(Δθs−θs
    n-1 )・{1−exp(−Δt/Ts)}+θs n-1 θan,θa n-1 :時刻tn,t n-1 の気温に基づく推定温度 θsn,θs n-1 :時刻tn,t n-1 の日射に基づく推定温度 An :時刻tnの計測温度 Sn :時刻t n の計測日射強度 Δθsmax:日射強度飽和温度上昇値 Ta :気温変化による温度変化時定数 Ts :日射強度変化による温度変化時定数 前記各推定温度θin,θan,θsnを加算して通電電流及
    び気象条件を考慮した前記電線路の時刻tn(現在)の推
    定温度θnを周期的に求め、 前記各式のtn=tn +J1 ,tn -1 ,t n-1+j1 として、前
    記各式から前記電線路 の一定時間J1後の時刻tn +j1
    の通電電流, 気温, 日射強度それぞれに基づく推定温度
    θi (n+J1) ,θa (n+J1) ,θs (n+J1) を求めて加算し、
    前記電線路の通電電流及び気象条件を考慮した一定時間
    J1後の予測温度θn +J1 を周期的に求め、 少なくとも前記電線路の現在の推定温度θnが連続して
    設定した危険温度以上になること、又は一定時間後の予
    測温度θn +J1 が連続して前記危険温度以上で上昇傾向を
    示すことを、前記電線路の熱的限界に基づく負荷制限の
    要判定条件として、周期的な負荷制限の判定により、前
    記電線路の現在の推定温度θn及び一定時間後の予測温
    度θ n+J1 から前記電線路の熱的限界に基づく負荷制限の
    要, 不要を事前予測して判定することをくり返し、 前記負荷制限の要判定により、フィーダ遮断指令を前記
    負荷制限の不要判定になるまで出力し、前記フィーダ遮
    断指令の出力中に、最初の要判定に基づく負荷制限によ
    り前記電線路の通電電流が、現在の推定温度θnと前記
    電線路の最高許容温度との差に相当する遮断率で減少
    し、2回目以降の要判定に基づく負荷制限により前記電
    線路の通電電流が所定の最小率で遮断されて減少するよ
    うに、前記電線路の通電中の各フィーダを選択的に遮断
    し、 前記電線路の負荷を前記電線路の温度に応じて制限する
    ことを特徴とする電線路監視制御方法。
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