JP5741146B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Description
本発明に係る液体噴射ヘッドは、圧力発生素子の駆動によって圧力発生室内の液体をノズルから噴射するヘッド本体及び前記圧力発生室に液体を供給するための流路が形成されて前記ヘッド本体の液体噴射面とは反対の面に接合されるヘッドケースを有する複数のヘッド部材と、前記複数のヘッド部材が所定間隔で前記液体噴射面を接着されて位置決め固定される固定部材と、前記複数のヘッド部材の隙間に充填されて硬化した充填部と、
を備え、前記ヘッドケースは、前記充填部に接する壁部に前記充填部の収縮を吸収するコンプライアンス部を有することを特徴とする。
図1は、本実施形態に係るインクジェット式記録装置Aの概略構成を示した斜視図である。
インクジェット式記録装置(液体噴射装置)Aは、インクを噴射する記録ヘッド1、記録ヘッド1を搭載するキャリッジ2及びインクが着弾する記録紙Sを支持するプラテン3等を備えている。
キャリッジ2は、キャリッジモータ4により駆動されるタイミングベルト5を介して、キャリッジ軸6に案内されて往復移動するように構成されている。
プラテン3は、記録媒体である記録紙Sをその裏面から支持して、記録ヘッド1に対する記録紙Sの位置を規定する。
図2は、本実施形態に係る記録ヘッド1の構成を示す分解斜視図である。
図3は、記録ヘッド1を示す斜視図である。
図4は、記録ヘッド1の要部断面図である。
カートリッジケース100は、例えば、樹脂材料で形成され、インクを供給するインクカートリッジ7がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部101を有する。
また、カートリッジケース100の底面側には、一端が各カートリッジ装着部101に開口し、他端がヘッド部材200側に開口する複数のインク連通路102が設けられている。さらに、カートリッジ装着部101のインク連通路102の開口部分には、インクカートリッジに挿入されるインク供給針103が固定されている。
また、各ヘッド部材200は、固定板(固定部材)300に接着固定されることにより互いに位置決めされている。このように位置決めされた状態で各ヘッド部材200はカートリッジケース100の底面に固定されている。
図5は、ヘッド部材200の分解斜視図である。
図6は、ヘッド部材200の断面図である。
図7は、記録ヘッド1の要部断面図である。
ヘッド部材200は、ヘッド本体210とヘッドケース250とで構成されている。
ヘッド本体210を構成する流路形成基板211は、例えば、シリコン単結晶基板からなり、その一方面側には予め熱酸化することによって二酸化シリコンからなる弾性膜212が形成されている。また、流路形成基板211には複数の圧力発生室213が、流路形成基板211をその他方面側から異方性エッチングすることにより形成されている。例えば、流路形成基板211には、圧力発生室213が幅方向に並設された列が2列形成されている。
また、各列の圧力発生室213の長手方向外側には連通部214が形成され、連通部214は後述する保護基板に設けられるリザーバ部と連通し、各圧力発生室213の共通のインク室となるリザーバ215を構成している。また、連通部214は、インク供給路216を介して各圧力発生室213の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
ノズルプレート(液体噴射面)218は、例えば、ステンレス鋼(SUS)によって形成されている。
また、この保護基板224には、上述したように流路形成基板211の連通部214と連通されて各圧力発生室213の共通のインク室となるリザーバ215を構成するリザーバ部225が形成されている。
そして、駆動IC226の各端子には、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線227が接続され、この外部配線227を介して印刷信号等の各種信号が供給されるようになっている(図2参照)。
コンプライアンス基板228には、リザーバ215に対応する領域に、他の領域よりも厚さが薄い可撓部229が設けられており、リザーバ215内の圧力変化が、この可撓部229が変形することで吸収されるようになっている。また、コンプライアンス基板228には、リザーバ215に連通するインク導入口230が形成されている。
そして、このヘッドケース250とヘッドケース250の下面に接合されたヘッド本体210とでヘッド部材200が構成されている。
ヘッドケース250には、コンプライアンス基板228のインク導入口230に連通すると共にカートリッジケース100のインク連通路102に連通するインク供給連通路(流路)253が設けられている。そして、これらインク連通路102、インク供給連通路253及びインク導入口230を介してインクがリザーバ215内に供給されるようになっている。
なお、ヘッドケース250の成形材料としては、例えば変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)を用いることができる。
固定板300には、ノズル217を露出する開口部301が、例えば各ヘッド部材200に対応して設けられている。すなわち、固定板300には、各ヘッド部材200の間に対応する領域に梁部302が設けられる。その結果、各ヘッド部材200に対応して開口部301が形成されている。
このような梁部302を有する固定板300に各ヘッド部材200のインク吐出面側、例えばノズルプレート218側の表面の周縁部が接着剤350によって接合されている。
なお、固定板300の材料は、特に限定されないが、ヘッド部材200の固定板300に接合される部分、すなわちノズルプレート218と同等か若しくはそれよりも低い線膨張率を有する材料を用いることが好ましい。例えば、固定板300の材料として、ノズルプレート218と同一材料であるステンレス鋼(SUS)を用いている。
このカバーヘッド400は、各ヘッド部材200をそれぞれ露出させる複数の露出開口部401を有しているが、勿論、複数のヘッド部材200を露出させる1つの露出開口部を有するようにしてもよい。
一方、カートリッジケース100のヘッド部材200側の面には、カバーヘッド400の固定孔404に対応する位置に突起部104が設けられている。そして、このカートリッジケース100の突起部104をカバーヘッド400の固定孔404に挿入し、この突起部104の先端を加熱してかしめることによって、カバーヘッド400をカートリッジケース100に固定している。
ヘッド部材200間等の隙間が充填部270によって確実に塞がれることで、印刷品質を常に良好に維持することができる。すなわち、ノズル217から吐出したインク滴のミスト等がヘッド部材200間の隙間に入り込んで溜まってしまうと、記録媒体に付着する等の問題が生じる虞がある。しかし、このような充填部270が設けられていることで、ヘッド部材200間の隙間にインクが溜まることがないため、記録媒体の汚れ等の発生を防止することができ、常に良好な印刷品質を維持することができる。
充填部270となる接着剤としては、硬化収縮が小さいものが好ましい。充填部270となる接着剤の硬化収縮によってヘッド本体210(流路形成基板211、保護基板224)が変形して破損する虞があるからである。具体的には、充填部270となる接着剤が硬化収縮すると、ヘッドケース250同士が引っ張り合って傾き、このヘッドケース250に接着されたヘッド本体210が変形して、流路形成基板211と保護基板224とが剥離してしまう。
充填部270としての接着剤は、例えばエポキシ系接着剤を用いることができる。
ヘッドケース250には、ヘッド部材200の並設方向における壁部257内に、スリット溝(溝部)261が壁部257に沿って形成される。スリット溝261は、ヘッドケース250の壁部257の中央に形成されたインク供給連通路253を挟んで、その両側(長手方向側)にそれぞれ形成される。
具体的には、スリット溝261は、カートリッジケース100への接着面から、固定板300の折り曲げ部303の端部(周縁部)付近まで形成される。
具体的には、ヘッドケース250の周辺に配置(充填)された充填部270が硬化収縮すると、充填部270がヘッドケース250の壁部257に接着され始めていることから、壁部257を外側(近接するヘッドケース250側)に向けて引っ張る力が加わる。
図9は、ヘッドケース250の変形例(カートリッジケース100への接着面)を示す図である。
図9(a),(b),(c)に示すように、ヘッド部材200の並設方向における壁部257内に、スリット溝(溝部)263を形成して外壁258と内壁259とに分割し、更にスリット溝263が外壁258又は内壁259の一方又は両方の一部を貫通するようにしてもよい。つまり、スリット溝263が壁部257の外面又は内面に貫通するようにしてもよい。
このように、外壁258又は内壁259の一方(又は両方)を片持ち梁形状に形成することで、更にコンプライアンス部260としての外壁258及び内壁259の剛性を低下させて、変形しやすくすることができる。また、スリット溝263が壁部257の外面又は内面を貫通する位置は、任意に設定することができる。
このように、壁部257に形成するコンプライアンス部260の形状は、壁部257の一部を薄くした形状であれば任意の形状を採用することができる。
もっとも、上述したように、壁部257の端面は、カートリッジケース100に接着されるので、所定の表面積を確保する必要がある。
Claims (4)
- 圧力発生素子の駆動によって圧力発生室内の液体をノズルから噴射するヘッド本体及び前記圧力発生室に液体を供給するための流路が形成されて前記ヘッド本体の液体噴射面とは反対の面に接合されるヘッドケースを有する複数のヘッド部材と、
前記複数のヘッド部材が所定間隔で前記液体噴射面を接着されて位置決め固定される固定部材と、
前記複数のヘッド部材の隙間に充填されて硬化した充填部と、
を備え、
前記ヘッドケースは、前記充填部に接する壁部に前記充填部の収縮を吸収するコンプライアンス部を有し、
前記コンプライアンス部は、前記壁部に形成された溝部を有し、
前記溝部は、前記ヘッドケースの前記ヘッド本体に接合される面とは反対側の面側から、前記壁部に沿って形成されたスリット溝であることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記スリット溝の一部は、前記壁部の外面又は内面に貫通することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記コンプライアンス部は、前記充填部に接しない位置に形成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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