JP5741146B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、ノズルと連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板上に設けられた圧電素子の変位によりノズルからインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
従来から、圧電素子等の圧力発生手段によって液体に圧力を付与することで、ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドが知られており、その代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このようなインクジェット式記録ヘッド(ユニット)としては、例えば、圧力発生室が形成された流路形成基板に、ノズル開口が穿設されたノズルプレート、ヘッドケース等が接合されてヘッド本体が構成され、これら複数のヘッド部材(ヘッド本体)が固定部材(固定板)に接着固定されると共に、ヘッドケースによって覆われているものがある(例えば、特許文献1参照)。
このように複数のヘッド部材を有するインクジェット式記録ヘッドにおいては、ヘッド部材間の隙間にインクが溜まってしまい、例えば、そのインクが記録媒体に付着してしまい、印刷不良が発生するといった問題があった。
このような問題を解決するために、例えば、固定部材(カバープレート)上に複数のヘッド部材(フロントヘッドユニット)が並設されて固定された構成において、これらヘッド部材間の隙間に接着剤が充填されているものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−096419号公報 特開2006−62373号公報
しかしながら、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、ヘッド部材間の隙間を埋めた接着剤によって固定部材、つまりノズル面が湾曲してしまう虞がある。具体的には、接着剤は硬化させると若干収縮するため、この収縮に伴って固定部材が湾曲してしまう虞がある。そして、固定部材が湾曲してしまうと、インク滴の吐出方向にばらつきが生じてしまい、印刷品質を良好に維持することができなくなる虞がある。
例えば、ヘッド部材間の隙間に充填する接着剤として比較的粘度の高いものを用いることで固定部材の湾曲を小さく抑えることはできるかもしれない。しかしながら、ヘッド部材間の隙間は狭いため、粘度の高い接着剤を良好に充填することができない虞がある。またヘッド部材間の間隔を広げることで、このような問題は解消することはできるが、ヘッドが大型化してしまうため好ましくない。さらに、ヘッド部材間の隙間に充填した接着剤によってヘッド部材と固定部材とを接着していることもあり、このような場合には、接着剤が良好に充填されていないとヘッド部材と固定部材との接合不良が生じる虞もある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、近接して配置した各ヘッド部材間の隙間を接着剤によって確実に塞ぐことができ且つ各ヘッド部材と固定部材とをその接着剤によって良好に固定することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、圧力発生素子の駆動によって圧力発生室内の液体をノズルから噴射するヘッド本体及び前記圧力発生室に液体を供給するための流路が形成されて前記ヘッド本体の液体噴射面とは反対の面に接合されるヘッドケースを有する複数のヘッド部材と、前記複数のヘッド部材が所定間隔で前記液体噴射面を接着されて位置決め固定される固定部材と、前記複数のヘッド部材の隙間に充填されて硬化した充填部と、
を備え、前記ヘッドケースは、前記充填部に接する壁部に前記充填部の収縮を吸収するコンプライアンス部を有することを特徴とする。
前記コンプライアンス部は、前記壁部に形成された溝部を有することを特徴とする。
前記溝部は、前記ヘッドケースの前記ヘッド本体に接合される面とは反対側の面側から、前記壁部に沿って形成されたスリット溝であることを特徴とする。
前記スリット溝の一部は、前記壁部の外面又は内面まで貫通することを特徴とする。
前記コンプライアンス部は、前記充填部に接しない位置に形成されることを特徴とする。
本発明に係る液体噴射装置は、上述したいずれかの液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする。
本実施形態に係るインクジェット式記録装置Aの概略構成を示した斜視図である。 本実施形態に係る記録ヘッド1の構成を示す分解斜視図である。 記録ヘッド1を示す斜視図である。 記録ヘッド1の要部断面図である。 ヘッド部材200の分解斜視図である。 ヘッド部材200の断面図である。 記録ヘッド1の要部断面図である。 ヘッドケース250を示す平面図及び断面図である。 ヘッドケース250の変形例(カートリッジケース100への接着面)を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[インクジェット式記録装置A]
図1は、本実施形態に係るインクジェット式記録装置Aの概略構成を示した斜視図である。
インクジェット式記録装置(液体噴射装置)Aは、インクを噴射する記録ヘッド1、記録ヘッド1を搭載するキャリッジ2及びインクが着弾する記録紙Sを支持するプラテン3等を備えている。
キャリッジ2は、キャリッジモータ4により駆動されるタイミングベルト5を介して、キャリッジ軸6に案内されて往復移動するように構成されている。
プラテン3は、記録媒体である記録紙Sをその裏面から支持して、記録ヘッド1に対する記録紙Sの位置を規定する。
記録ヘッド1は、キャリッジ2の記録紙Sに対向する面側に搭載される。そして、キャリッジ2には、記録ヘッド1にインクを供給する複数のインクカートリッジ7が着脱可能に装着されている。
[記録ヘッド1]
図2は、本実施形態に係る記録ヘッド1の構成を示す分解斜視図である。
図3は、記録ヘッド1を示す斜視図である。
図4は、記録ヘッド1の要部断面図である。
インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)1は、カートリッジケース100と、ヘッド部材200と、複数のヘッド部材200が位置決め固定される固定板300と、カバーヘッド400とを有する。
カートリッジケース100は、例えば、樹脂材料で形成され、インクを供給するインクカートリッジ7がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部101を有する。
また、カートリッジケース100の底面側には、一端が各カートリッジ装着部101に開口し、他端がヘッド部材200側に開口する複数のインク連通路102が設けられている。さらに、カートリッジ装着部101のインク連通路102の開口部分には、インクカートリッジに挿入されるインク供給針103が固定されている。
このカートリッジケース100の底面に、所定間隔で位置決めされた複数(例えば4個)のヘッド部材200が固定されて記録ヘッド1が構成されている。記録ヘッド1の各ヘッド部材200は、各色のインクに対応してそれぞれ設けられている。
また、各ヘッド部材200は、固定板(固定部材)300に接着固定されることにより互いに位置決めされている。このように位置決めされた状態で各ヘッド部材200はカートリッジケース100の底面に固定されている。
[ヘッド部材200]
図5は、ヘッド部材200の分解斜視図である。
図6は、ヘッド部材200の断面図である。
図7は、記録ヘッド1の要部断面図である。
ヘッド部材200は、ヘッド本体210とヘッドケース250とで構成されている。
ヘッド本体210を構成する流路形成基板211は、例えば、シリコン単結晶基板からなり、その一方面側には予め熱酸化することによって二酸化シリコンからなる弾性膜212が形成されている。また、流路形成基板211には複数の圧力発生室213が、流路形成基板211をその他方面側から異方性エッチングすることにより形成されている。例えば、流路形成基板211には、圧力発生室213が幅方向に並設された列が2列形成されている。
また、各列の圧力発生室213の長手方向外側には連通部214が形成され、連通部214は後述する保護基板に設けられるリザーバ部と連通し、各圧力発生室213の共通のインク室となるリザーバ215を構成している。また、連通部214は、インク供給路216を介して各圧力発生室213の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
流路形成基板211の開口面側には、インク滴を吐出する複数のノズル217が穿設されたノズルプレート218が接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。つまり、本実施形態に係るヘッド部材200の構成においては、このノズルプレート218の表面がインク吐出面(液体吐出面)となる。
ノズルプレート(液体噴射面)218は、例えば、ステンレス鋼(SUS)によって形成されている。
一方、流路形成基板211の表面に形成された弾性膜212上には、例えば白金、イリジウム等の金属材料からなる下電極膜219と、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層220と、例えばイリジウム等の金属材料からなる上電極膜221とからなる圧電素子222が形成されている。
このような圧電素子(圧力発生素子)222が形成された流路形成基板211上には、圧電素子222に対向する領域に圧電素子222を保護するための圧電素子保持部223を有する保護基板224が接合されている。
また、この保護基板224には、上述したように流路形成基板211の連通部214と連通されて各圧力発生室213の共通のインク室となるリザーバ215を構成するリザーバ部225が形成されている。
保護基板224上には、各圧電素子222を駆動するための駆動IC226が実装されている。この駆動IC226の各端子は、ボンディングワイヤ等(不図示)を介して各圧電素子222の個別電極から引き出されたリード電極と接続されている。
そして、駆動IC226の各端子には、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線227が接続され、この外部配線227を介して印刷信号等の各種信号が供給されるようになっている(図2参照)。
保護基板224上のリザーバ215に対応する領域には、例えば、ステンレス材料(SUS)からなるコンプライアンス基板228が接合され、これら各部材でヘッド本体210が構成されている。
コンプライアンス基板228には、リザーバ215に対応する領域に、他の領域よりも厚さが薄い可撓部229が設けられており、リザーバ215内の圧力変化が、この可撓部229が変形することで吸収されるようになっている。また、コンプライアンス基板228には、リザーバ215に連通するインク導入口230が形成されている。
ヘッドケース250は、ヘッド本体210の流路形成基板211側の面であるコンプライアンス基板228の表面に接合されている。
そして、このヘッドケース250とヘッドケース250の下面に接合されたヘッド本体210とでヘッド部材200が構成されている。
ヘッドケース250には、コンプライアンス基板228のインク導入口230に連通すると共にカートリッジケース100のインク連通路102に連通するインク供給連通路(流路)253が設けられている。そして、これらインク連通路102、インク供給連通路253及びインク導入口230を介してインクがリザーバ215内に供給されるようになっている。
さらにヘッドケース250には、駆動IC226に対向する領域に、厚さ方向に貫通する駆動IC保持部256が設けられており、この駆動IC保持部256内には各駆動IC226を覆うようにポッティング剤(不図示)が充填される。
なお、ヘッドケース250の成形材料としては、例えば変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)を用いることができる。
ヘッド部材200では、リザーバ215からノズル217に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC226からの記録信号に従い、圧力発生室213に対応するそれぞれの圧電素子222に電圧を印加し、弾性膜212及び圧電素子222をたわみ変形させて各圧力発生室213内のインクに圧力を付与することにより、ノズル217からインク滴が噴射される。
複数個(例えば4個)のヘッド部材200が所定間隔で互いに位置決めされた状態で固定板300に接着固定される(図7参照)。
固定板300には、ノズル217を露出する開口部301が、例えば各ヘッド部材200に対応して設けられている。すなわち、固定板300には、各ヘッド部材200の間に対応する領域に梁部302が設けられる。その結果、各ヘッド部材200に対応して開口部301が形成されている。
このような梁部302を有する固定板300に各ヘッド部材200のインク吐出面側、例えばノズルプレート218側の表面の周縁部が接着剤350によって接合されている。
また、固定板300の周縁部には、ヘッド部材200側に折り曲げられた折り曲げ部303が設けられている。すなわち、本実施形態に係る固定板300は、一方面側が開口する略箱形に形成されており、折り曲げ部303を側壁とする凹部304を有し(図2参照)、各ヘッド部材200のノズルプレート218は、この凹部304の底面に接着固定されている。
なお、固定板300の材料は、特に限定されないが、ヘッド部材200の固定板300に接合される部分、すなわちノズルプレート218と同等か若しくはそれよりも低い線膨張率を有する材料を用いることが好ましい。例えば、固定板300の材料として、ノズルプレート218と同一材料であるステンレス鋼(SUS)を用いている。
そしてこのように固定板300に固定された複数のヘッド部材200の周囲には、これら複数のヘッド部材200をインク等から保護するためのカバーヘッド400が設けられている。
このカバーヘッド400は、各ヘッド部材200をそれぞれ露出させる複数の露出開口部401を有しているが、勿論、複数のヘッド部材200を露出させる1つの露出開口部を有するようにしてもよい。
このカバーヘッド400は、ヘッド部材200が固定されたカートリッジケース100に固定されている。詳しくは、図3及び図4に示すように、カバーヘッド400は、ヘッド部材200側の端部にフランジ部403を有し、このフランジ部403には、当該フランジ部403を貫通する固定孔404が設けられている。
一方、カートリッジケース100のヘッド部材200側の面には、カバーヘッド400の固定孔404に対応する位置に突起部104が設けられている。そして、このカートリッジケース100の突起部104をカバーヘッド400の固定孔404に挿入し、この突起部104の先端を加熱してかしめることによって、カバーヘッド400をカートリッジケース100に固定している。
固定板300に所定間隔で接着された各ヘッド部材200間の隙間には、接着剤が充填されて硬化されてなる充填部270が設けられている。充填部270は、固定板300の周縁部にも連続的に設けられている。つまり、充填部270が、固定板300の折り曲げ部303と各ヘッド部材200との隙間にも連続的に設けられる。
充填部270のうち固定板300側は、各ヘッド部材200と固定板300とを固定する役割を果たす。一方、充填部270のうちヘッド部材200側は、各ヘッド部材200間の隙間を埋めることを目的として設けられる。
ヘッド部材200間等の隙間が充填部270によって確実に塞がれることで、印刷品質を常に良好に維持することができる。すなわち、ノズル217から吐出したインク滴のミスト等がヘッド部材200間の隙間に入り込んで溜まってしまうと、記録媒体に付着する等の問題が生じる虞がある。しかし、このような充填部270が設けられていることで、ヘッド部材200間の隙間にインクが溜まることがないため、記録媒体の汚れ等の発生を防止することができ、常に良好な印刷品質を維持することができる。
充填部270は、各ヘッド部材200を固定板300に位置決めして固定した後、各ヘッド部材200間の隙間に所定の接着剤を充填して硬化させることによって形成される。
充填部270となる接着剤としては、硬化収縮が小さいものが好ましい。充填部270となる接着剤の硬化収縮によってヘッド本体210(流路形成基板211、保護基板224)が変形して破損する虞があるからである。具体的には、充填部270となる接着剤が硬化収縮すると、ヘッドケース250同士が引っ張り合って傾き、このヘッドケース250に接着されたヘッド本体210が変形して、流路形成基板211と保護基板224とが剥離してしまう。
充填部270としての接着剤は、例えばエポキシ系接着剤を用いることができる。
もっとも、充填部270となる接着剤の硬化収縮は少なからず発生する。そこで、後述するように、ヘッドケース250にコンプライアンス部260を設けている。すなわち、充填部270となる接着剤の硬化収縮によって、ヘッドケース250同士が引っ張り合って傾くことなく、ヘッドケース250にコンプライアンス部260のみ変形する。これにより、ヘッド本体210が変形して流路形成基板211と保護基板224とが剥離する不具合を防止している。
図8は、ヘッドケース250を示す図であって、(a)は端面(カートリッジケース100への接着面)を示す平面図、(b)は(a)におけるb−b線に沿う断面図である。
ヘッドケース250には、ヘッド部材200の並設方向における壁部257内に、スリット溝(溝部)261が壁部257に沿って形成される。スリット溝261は、ヘッドケース250の壁部257の中央に形成されたインク供給連通路253を挟んで、その両側(長手方向側)にそれぞれ形成される。
スリット溝261は、ヘッドケース250の厚さ方向に、下面に達することなく形成されている。つまり、スリット溝261は、ヘッドケース250を厚さ方向に貫通することなく形成されている。
具体的には、スリット溝261は、カートリッジケース100への接着面から、固定板300の折り曲げ部303の端部(周縁部)付近まで形成される。
壁部257にスリット溝261を設けることにより、壁部257が外壁258と内壁259とに分割される。このように、壁部257を外壁258と内壁259に分割することで、スリット溝261が存在しない場合に比べて壁厚を薄くすることができる。これにより、壁部257(外壁258、内壁259)の剛性を低下させて、変形しやすくしている。
そして、上述するように、外壁258は、ヘッドケース250の周囲に配置(充填)される充填部270の硬化収縮を吸収する。すなわち、外壁258は、充填部270の硬化収縮に連動して変形するコンプライアンス部260として機能する。
具体的には、ヘッドケース250の周辺に配置(充填)された充填部270が硬化収縮すると、充填部270がヘッドケース250の壁部257に接着され始めていることから、壁部257を外側(近接するヘッドケース250側)に向けて引っ張る力が加わる。
しかし、ヘッドケース250では、充填部270に接触する壁部257に、剛性を低下させた外壁258(コンプライアンス部260)が設けられているので、ヘッドケース250自体が移動したり傾いたりすることなく、外壁258のみが変形する。これにより、充填部270の硬化収縮によるヘッド本体210の変形、特に流路形成基板211と保護基板224との剥離が防止される。
なお、壁部257の厚みを単に薄くして外壁258のみとする形状を採用しないのは、壁部257の端面にカートリッジケース100が接着されるからである。つまり、壁部257の端面の面積を、カートリッジケース100への接着のために必要とされる面積以上にする必要があるからである。
上述したように、壁部257に形成されたスリット溝261は、固定板300の折り曲げ部303の端部(周縁部)付近まで形成される。したがって、コンプライアンス部260としての外壁258は、充填部270に接触する位置まで形成されているとは限らない。つまり、コンプライアンス部260としての外壁258は、必ずしも充填部270に接触する必要はない。コンプライアンス部260としての外壁258が充填部270に接触していなくても、充填部270に接触する部位の周辺にコンプライアンス部260を配置するだけで、ヘッドケース250自体が移動したり傾いたりすることが防止できる。
本実施形態の記録ヘッド1によれば、各ヘッド部材200と固定板300とを固定すると共にインク滴のミスト等の浸入を防止するための充填部270が硬化収縮しても、ヘッドケース250の壁部257にコンプライアンス部260としての外壁258を設けているので、ヘッドケース250自体が移動したり傾いたりすることが防止できる。すなわち、充填部270の硬化収縮をコンプライアンス部260としての外壁258が吸収する。これにより、充填部270の硬化収縮に起因するヘッド本体210の変形、特に流路形成基板211と保護基板224との剥離が防止できる。
したがって、このような記録ヘッド1を備えるインクジェット式記録装置Aによれば、高い印刷品質を得ることができる。すなわち、ヘッド部材200間の隙間にインクが溜まることがないため、記録媒体の汚れ等の発生を防止することができ、常に良好な印刷品質を維持することができる。
[ヘッドケースの変形例]
図9は、ヘッドケース250の変形例(カートリッジケース100への接着面)を示す図である。
図9(a),(b),(c)に示すように、ヘッド部材200の並設方向における壁部257内に、スリット溝(溝部)263を形成して外壁258と内壁259とに分割し、更にスリット溝263が外壁258又は内壁259の一方又は両方の一部を貫通するようにしてもよい。つまり、スリット溝263が壁部257の外面又は内面に貫通するようにしてもよい。
このように、外壁258又は内壁259の一方(又は両方)を片持ち梁形状に形成することで、更にコンプライアンス部260としての外壁258及び内壁259の剛性を低下させて、変形しやすくすることができる。また、スリット溝263が壁部257の外面又は内面を貫通する位置は、任意に設定することができる。
このように、壁部257に形成するコンプライアンス部260の形状は、壁部257の一部を薄くした形状であれば任意の形状を採用することができる。
もっとも、上述したように、壁部257の端面は、カートリッジケース100に接着されるので、所定の表面積を確保する必要がある。
また、上述の実施形態では、各ヘッド部材の周囲、具体的には、各ヘッド部材間の隙間及び各ヘッド部材と折り曲げ部との間に充填部を設けるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち充填部は、少なくとも各ヘッド部材間の隙間に設けられていればよい。
また、上述した実施形態では、圧力発生室内の液体に圧力を付与する圧力発生素子として、撓み振動型の圧電素子を例示したが、特に限定されない。例えば、圧力発生素子として、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子であってもよいし、発熱素子等であってもよい。
また、上述の実施形態では、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドを例示して本発明を説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
A…インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 S…記録紙、 1…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 200…ヘッド部材、 210…ヘッド本体、 211…流路形成基板、 213…圧力発生室、 217…ノズル、 218…ノズルプレート(液体噴射面)、 222…圧電素子(圧力発生素子)、 224…保護基板、 250…ヘッドケース、 253…インク供給連通路(流路)、 256…保持部、 257…壁部、 258…外壁、 259…内壁、 260…コンプライアンス部、 261…スリット溝(溝部)、 263…スリット溝(溝部)、 270…充填部、 300…固定板(固定部材)

Claims (4)

  1. 圧力発生素子の駆動によって圧力発生室内の液体をノズルから噴射するヘッド本体及び前記圧力発生室に液体を供給するための流路が形成されて前記ヘッド本体の液体噴射面とは反対の面に接合されるヘッドケースを有する複数のヘッド部材と、
    前記複数のヘッド部材が所定間隔で前記液体噴射面を接着されて位置決め固定される固定部材と、
    前記複数のヘッド部材の隙間に充填されて硬化した充填部と、
    を備え、
    前記ヘッドケースは、前記充填部に接する壁部に前記充填部の収縮を吸収するコンプライアンス部を有し、
    前記コンプライアンス部は、前記壁部に形成された溝部を有し、
    前記溝部は、前記ヘッドケースの前記ヘッド本体に接合される面とは反対側の面側から、前記壁部に沿って形成されたスリット溝であることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記スリット溝の一部は、前記壁部の外面又は内面に貫通することを特徴とする請求項に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記コンプライアンス部は、前記充填部に接しない位置に形成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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