JP5741021B2 - 磁場測定装置およびセル - Google Patents

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Description

本発明は、磁場を測定する技術に関する。
光ポンピングを利用した磁気センサーが、MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像法)装置などに用いられている。この磁気センサーにおいては、円偏光成分を有するポンプ光と直線偏光成分を有するプローブ光とが交差するように(望ましくは、直交するように)セルに照射され、さらに、これらの光の照射方向に対して直交する方向の磁場が印加される(例えば、特許文献1参照)。
ポンプ光とプローブ光が照射されるセルには、アルカリ金属などの原子が気体の状態で封入されている。この原子は、ポンプ光により励起されると外部から印加された磁場に応じてプローブ光に含まれる直線偏光の偏光面を回転させる。磁気センサーは、このセルを透過したプローブ光の偏光面の回転角を計測することで、磁場を測定する。
ところで、磁場の測定に先駆けて、上述した原子が気体の状態を保つようにセルが加熱されるが、測定の最中や、測定が終了した後に、セルの温度制御がなされない期間があるために、セル内の原子が露点以下に冷やされて壁面等に析出(結露)することがある。このとき、セルの壁面のうち、磁場測定のための光(ポンプ光やプローブ光)が照射される領域に原子が析出すると、析出したその原子が光を吸収して測定の妨げとなる。このような領域への原子の析出を低減させるために、例えば、特許文献2は、容器の窓部以外の部分(特に窓部近傍)に、容器内部に向かって凹部を有する複数の突起部を設けるとともに、容器を加熱するヒーターを設けることを開示する。特許文献2に記載の技術は、突起部を冷却するとともにヒーターによって容器の窓部を加熱することで、その突起部にアルカリ金属を集める。
特開2009−14708号公報 特開2010−205875号公報
本発明は、セルの温度制御を行わなくても、光の照射される領域に原子が析出することを抑制することを目的とする。
本発明は、原子を内部に封入し、光を透過させるセルと、前記セルを透過する光の回転角を計測する計測部と、前記セルを覆う層と、を備え、前記セルは、前記内部に光を透過する第一領域を含む第1部材と、前記第1部材以外の部材であって、前記第1部材より熱抵抗が低い第2部材と、により構成され、前記層は、前記第1部材のうち前記第一領域を除く外表面を覆うことを特徴とする磁場測定装置を提供する。この構成によれば、セルの温度制御を行わなくても、光の照射される領域に原子が析出することを抑制することができる。
上記磁場測定装置において、前記層の熱容量は、前記第2部材の熱容量よりも大きいものにするとよい。この構成によれば、光の透過率に関わらず種々の材質をこの層に採用することができる。
また、上記磁場測定装置において、前記層には、前記第一領域に対応する部分に光を透過させる孔が設けられていてもよい。
また、本発明は、原子を内部に封入し、光を透過させるセルと、前記セルを透過する光の回転角を計測する計測部と、を備え、前記セルは、前記内部に光を透過する第一領域を含む第1部材と、前記第1部材以外の部材であって、前記第1部材より熱抵抗が低い第2部材と、により構成され、前記第1部材と前記第2部材とは、共通の材質からなり、前記第1部材の厚みは前記第2部材の厚みよりも厚いことを特徴とする磁場測定装置を提供する。
上記磁場測定装置において、前記原子を励起させる光である第1の光を、前記セルに第1の方向に照射する第1の照射部と、前記セルに前記第1の光に交差させる方向である第2の方向に第2の光を照射する第2の照射部とを備え、前記計測部は、前記第2の光のうち、前記セルを透過する光の回転角を計測するようにしてもよい。この構成によれば、第1の光と第2の光とが干渉してしまうことを防止することができる。
また、本発明は、光を透過する第一領域を含む第1部材と、前記第1部材以外の部材であって、前記第1部材よりも熱抵抗が低い第2部材と、により構成され、原子を内部に封入したことを特徴とするセルを提供する。この構成によれば、セルの温度制御を行わなくても、光の照射される領域に原子が析出することを抑制することができる。
また、本発明は、光を透過する第一領域を含む第1部材と、外部からの加熱を停止させた場合に前記第1部材より速く冷却される第2部材と、により構成され、原子を内部に封入したことを特徴とするセルを提供する。この構成によれば、セルの温度制御を行わなくても、光の照射される領域に原子が析出することを抑制することができる。
磁場測定装置の構成を示す図である。 セルの構成を示す斜視図である。 被覆層によってセルが覆われた様子を示す図である。 図3における矢視IV−IVからセルおよび被覆層を見た断面図である。 図3における矢視V−Vからセルおよび被覆層を見た断面図である。 変形例におけるセルをyz平面に平行な平面で切り取った断面図である。 変形例におけるセルおよび被覆層の構成を示す斜視図および断面図である。
1.実施形態
1−1.構成
図1は、磁場測定装置9の構成を示す図である。磁場測定装置9は、例えば心磁(心臓からの磁気)や脳磁(脳からの磁気)などの生体から発生する微弱な磁場の測定に用いられる。磁場測定装置9は、セル1と、被覆層2と、ポンプ光照射部3と、プローブ光照射部4と、プローブ光計測部5と、加熱部7とを備える。
磁場測定装置9の各構成の配置を説明するため、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。図1に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。また、後述する図4に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に交差する2本の線分を描いた記号は、紙面手前側から奥側に向かう矢印を表している。空間においてx成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。同様に、y、z成分についても、+y方向、−y方向、+z方向、−z方向を定義する。
図1に示すように、セル1は被覆層2に覆われており、セル1の−x方向には、ポンプ光照射部3(第1の照射部の一例)が設置される。ポンプ光照射部3は円偏光成分を有するポンプ光(第1の光の一例)を、+x方向に平行な矢印D1方向に沿ってセル1に照射する。
プローブ光照射部4(第2の照射部の一例)は、セル1の−y方向に設置されており、直線偏光成分を有するプローブ光(第2の光の一例)を、+y方向に平行な矢印D2方向に沿ってセル1に照射する。プローブ光計測部5は、セル1の+y方向に設置される。プローブ光計測部5は、プローブ光照射部4から矢印D2方向に沿って照射され、セル1を透過したプローブ光を受ける。磁場測定装置9は、測定対象の磁場の中にセル1が位置するように配置される。具体的には、磁場測定装置9は、セル1から見て−z方向に測定対象が位置するように配置される。
図2は、セル1の構成を示す斜視図である。セル1は、中空の立方体の一面から末端が閉ざされた管が延びた形状をしており、ガラス等の光を透過する材料で形成される。セル1の上述した中空の立方体は、外部と内部とを仕切り、光を透過する少なくとも4枚の部材を有している。この光を透過する4枚の部材とは、セル1の+x方向、−x方向、+y方向、および−y方向に面した各部材であり、−x方向の部材を壁面11a(図2において図示せず)と、+x方向の部材を壁面11bという。また、セル1の部材のうち、−y方向の部材を壁面12aと、+y方向の部材を壁面12b(図2において図示せず)という。また、セル1を構成する部材のうちポンプ光およびプローブ光が照射されない+z方向の部材を壁面13bといい、−z方向の部材を壁面13aという(図2において図示せず)。そして、壁面13bから+z方向に延びてさらに−x方向に曲がる、末端の閉塞された筒状の部材を筒状部14という。なお、セル1の形状は、他の立体形状であってもよい。
セル1の内部には、例えばアルカリ金属の原子が気体の状態(すなわちガス状態)で封入される。このアルカリ金属は、例えばリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)である。セル1内の原子は、円偏光により励起されて原子の外殻電子のスピンが偏極される。なお、セル1の内部には、典型的には単一種類のアルカリ金属の原子が封入されるが、複数種類のアルカリ金属の原子が含まれていてもよい。また、セル1内の原子は、常時気体の状態である必要はなく、磁場の測定を行うときに気体の状態であればよい。さらに、セル1の内部には、セル1の壁との衝突等によるアルカリ金属の原子の緩和を穏やかにするために、ヘリウム(He)、窒素(N)などが緩衝ガスとして含まれていてもよい。
加熱部7は、例えば電熱ヒーターであり、セル1と壁面13aで接触し、その接触面を介してセル1の内部に封入された気体を加熱する。
被覆層2は、+z方向および−z方向にそれぞれ正方形の開口部を有する四角柱状の部材であり、セル1を−z方向に移動させてその開口部に嵌め込むことで、壁面11a、壁面11b、壁面12a、および壁面12bに接し、これらをそれぞれ外側から覆う。図3は、被覆層2によってセル1が覆われた様子を示す図である。被覆層2には、ポンプ光を透過させるための孔21a(図2において図示せず)および孔21bと、プローブ光を透過させるための孔22aおよび孔22b(図2において図示せず)が設けられている。
図4は、図3における矢視IV−IVからセル1および被覆層2を見た断面図である。そして、図5は、図3における矢視V−Vからセル1および被覆層2を見た断面図である。これらに示すように、セル1の壁面は厚さがL1であるのに対して、被覆層2の厚さはL1よりも厚いL2である。そして、孔21a,21b,22a,22bの開口面積は、被覆層2に覆われていない壁面13a,13bおよび筒状部14が外気に接する面積に比べて小さい。
被覆層2は、材質として例えば炭化ケイ素などを含んでおり、セル1内に封入された原子をガス状態にするために加熱部7が壁面13aからセル1を加熱するときに、セル1とともに加熱される。被覆層2は、例えばセル1を構成する部位のうちポンプ光およびプローブ光が照射されない+z方向の壁面(壁面13bという)または−z方向の壁面(壁面13aという、図2において図示せず)、ならびに壁面13bから延びた、末端の閉塞された筒状の部位(筒状部14という)に比べて大きい熱容量を有する。
ポンプ光照射部3は、光源と、半波長板と、偏光ビームスプリッターと、四分の一波長板とを備える。光源は、レーザー光を図1に示す矢印D1方向に照射する。半波長板は、光源から照射された光の偏光面を回転させる。偏向ビームスプリッターは、半波長板を透過した光のp偏光成分(入射面に対して平行な成分)を透過させ、s偏光成分(入射面に対して垂直な成分)を反射させる。このs偏光成分は、例えばレーザー光の出力のモニタリングに用いられてもよいし、光を吸収する部材により吸収されてもよい。四分の一波長板は、偏向ビームスプリッターを透過した光を円偏光に変化させる。これにより、四分の一波長板を透過した光は、円偏光成分を有するポンプ光となる。
プローブ光照射部4は、光源と、半波長板と、偏向ビームスプリッターと、偏光板とを備える。光源は、レーザー光を図1に示す矢印D2方向に照射する。半波長板は、光源から照射された光の偏光面を回転させる。偏向ビームスプリッターは、半波長板を透過した光のp偏光成分を透過させ、s偏光成分を反射させる。偏光板は、偏向ビームスプリッターを透過した光のうち特定方向に偏光した光だけを透過させる。これにより、偏光板を透過した光は、直線偏光成分を有するプローブ光となる。なお、ポンプ光とプローブ光とは、互いに直交する関係であることが好ましいが、交差する関係であれば完全に直交しなくてもよい。
プローブ光計測部5は、プローブ光照射部4から照射されセル1を透過したプローブ光を検出する。プローブ光計測部5は、ウォラストンプリズムと、光センサーと、A/D変換器と、メモリーと、演算部とを備える。ウォラストンプリズムは、セルを通過したプローブ光のp偏光成分とs偏光成分とを、開き角を持って取り出す。
光センサーは、例えばフォトダイオードであり、ウォラストンプリズムを透過したプローブ光を電気信号に変換して出力する。A/D変換器は、光センサーから出力された電気信号をデジタルデータに変換して出力する。メモリーは、A/D変換器から出力されたデータを記憶する。演算部は、メモリーに記憶されたデータを用いて、光センサーにより検出されたプローブ光のp偏光成分とs偏光成分との差分を算出する。なお、プローブ光計測部5は、偏光ビームスプリッターを用いて、セル1を透過したプローブ光をp偏光成分とs偏光成分に分離し、これらの差分を算出してもよい。
磁場測定装置9は、これらの構成のほかに、例えば、測定対象以外の磁場を遮蔽するための磁気シールドや、外部からの磁場に対する補正用の磁場を印加するコイルなどを備えていてもよい。
1−2.動作
次に、磁場測定装置9の動作を説明する。ポンプ光照射部3は、セル1にポンプ光を照射する。これにより、セル1内の原子は励起状態となる。このとき、セル1内の原子は、セル1に印加された測定対象の磁場に応じたトルクを受けて歳差運動を行う。続いて、プローブ光照射部4は、セル1にプローブ光を照射する。このプローブ光は、セル1の内部を通過するときに、セル1内の原子の歳差運動により、その偏光面が回転される。この偏光面の回転角は、セル1に印加された測定対象の磁場に応じた大きさを有する。つまり、この原子は、光により励起されるとセル1の外部から印加される磁場に応じて直線偏光の偏光面を回転させる原子の一例である。セル1を透過したプローブ光は、半波長板により偏光面が回転され、プローブ光計測部5に備えられたウォラストンプリズムに到達する。プローブ光計測部5は、到達したプローブ光をs偏光成分とp偏光成分とに分離し、p偏光成分とs偏光成分との差分を算出する。これにより、セル1の内部を通過するときに回転されたプローブ光の偏光面の回転角が得られる。この偏光面の回転角は、セル1に印加された測定対象の磁場に応じた大きさを有する。従って、磁場測定装置9は、プローブ光の偏光面の回転角を求めることにより、測定対象の磁場を測定する。
磁場の測定に際して加熱部7により加熱され沸点を超える温度になると、セル1内に封入された原子はガス状態となる。一方、磁場を測定している最中や、測定が終了した後には、加熱部7による加熱が停止され、セル1および被覆層2は自然放冷される。これによりガス化した原子は、露点以下に冷却された時点でセル1内部に析出する。このとき被覆層2は、セル1を構成する部位のうちポンプ光およびプローブ光が照射されない部位よりも熱容量が大きいため、これらの部位に比べて大きい熱を蓄積している。そして、被覆層2が接触している壁面11a,11b,12a,12bには孔21a,21b,22a,22bを除いて外気に接触する部分がないため、セル1のこれら壁面に蓄えられた熱は、孔21aに相当する領域を除いて、外気へ直接に散逸するのではなく、被覆層2に蓄積された熱とともに被覆層2を通して散逸する。一方、被覆層2によって覆われていない壁面13a,13bおよび筒状部14は、直接外気にさらされるので、これらの部位に蓄積された熱は外気へ直接散逸する。
以上により、セル1および被覆層2が自然放冷されると、被覆層2が接触している壁面11a,11b,12a,12bは、被覆層2に蓄えられた熱と被覆層2自体の熱抵抗により、壁面13a,13bおよび筒状部14に比べて熱の散逸が緩慢になる。そのため、壁面13a,13bおよび筒状部14の方が、壁面11a,11b,12a,12bよりも速く冷却されるので、セル1内でガス化した原子は、壁面11a,11b,12a,12bよりも壁面13a,13bまたは筒状部14において析出しやすくなる。
また、上述したように、被覆層2の厚さを、セル1の厚さであるL1よりも厚いL2となるように設定したり、孔21a,21b,22a,22bの開口面積を、被覆層2に覆われていない壁面13a,13bおよび筒状部14が外気に接する面積に比べて小さく設定したりすることにより、放冷時においてセル1のうち被覆層2に覆われた壁面は、それ以外の部位に比べて緩やかに冷却される。
したがって、セル1を再加熱して磁場測定装置9による磁場の測定を行う際に、ポンプ光およびプローブ光が照射される領域に結露がない状態で動作させることが可能になり、磁場測定装置9の測定精度の低下が抑制され、装置寿命が延びる。
2.変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のように変形させて実施してもよい。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.セル1に照射されるポンプ光及びプローブ光は、出射されてからセル1に入射するまでの進行方向が一定である必要はない。つまり、ポンプ光及びプローブ光は、セル1に入射するときに所定の方向になっていればよく、途中でミラー等によって反射され、進行方向が変更されてもよい。したがって、例えば、光の照射位置や検出位置を1箇所に集中させることも可能である。
また、プローブ光がポンプ光を兼ねてもよい。この場合、プローブ光照射部4により照射された光により、セル1に封入された原子が励起し、その励起された原子によって、その光に含まれた直線偏光成分が回転すればよい。なお、この変形例において、ポンプ光照射部3はなくてもよい。
2−2.磁場測定装置9は、セル1を透過したポンプ光を検出してもよい。また、磁場測定装置9には、セル1を透過したポンプ光を吸収する部材を設けてもよい。この部材は、シート状であるとより好ましい。
2−3.磁場測定装置9は、プローブ光計測部5で検出した光に応じた信号を可視化し、これを表示する手段を備えてもよい。また、磁場測定装置9は、プローブ光計測部5で検出した光に応じた信号を生成し、これを外部装置(表示装置、コンピュータ装置など)に出力する構成を備えていてもよい。
2−4.被覆層2が透明な材質である場合、または、磁場測定に影響を与えない程度に光を吸収する材質である場合には、被覆層2に孔21aなどを設けなくてもよい。
2−5.また、セル1に代えて、壁面11a,11b,12a,12bから外気への熱の散逸速度が、他の部位から外気への熱の散逸速度よりも遅くなるように形成されたセル1aを用いてもよい。このセル1aは、例えば、+x方向、−x方向、+y方向、および−y方向の厚みがそれぞれ+z方向および−z方向よりも厚くなるように、各方向の部材が形成されていてもよい。均一な材質でセル1aを製造するのであれば、厚い部位の方が薄い部位よりも蓄熱量が大きく、放冷における冷却速度が緩慢になるからである。なお、この場合、被覆層2はなくてもよい。
図6は、この変形例におけるセル1aをyz平面に平行な平面で切り取ったときの断面図である。この場合、同図に示すように、壁面13aの厚みがL11であり、壁面13bの厚みがL1であるところ、壁面12bの厚みがL1およびL11のいずれよりも厚いL10である。そのため、例えば、セル1の壁面12bから+y方向に流出する熱量は、壁面13aから+z方向に流出する熱量や、壁面13bから−z方向に流出する熱量に比べて小さくなる。
2−6.また、セル1aの壁面11a,11b,12a,12bを構成する部材の材質は、その熱伝導率が他の部位を構成する材質の熱伝導率よりも小さいものを採用するようにしてもよい。これにより、壁面11a,11b,12a,12bから、セル1の外部を取り囲む外気への熱抵抗が、これ以外の部位から外気への熱抵抗よりも高く設定される。この場合、壁面11a,11b,12a,12bの厚みは、他の部位にと同じかそれ以下であってもよい。要するに、壁面11a,11b,12a,12bから外気への熱の散逸速度が、これ以外の部位から外気への熱の散逸速度よりも遅くなるように、各部位の材質が選択されていればよい。なお、壁面12a,12bは、セル1の内部に面した壁面のうち直線偏光が透過する第1領域を含む第1部材の一例であり、壁面13a,13bまたは筒状部14は、前記内部に面した壁面のうち外部までの熱抵抗が前記第1領域よりも低い第2領域を含む第2部材の一例である。
2−7.上述の実施形態において、セル1および被覆層2は、加熱部7による加熱が停止されたときに自然放冷されていたが、これらを冷却する手段は自然放冷に限られない。例えば、ペルティエ素子などの冷却手段を利用してこれらを冷却してもよい。この場合であっても、壁面11a,11b,12a,12bは、被覆層2に蓄えられた熱と被覆層2自体の熱抵抗により、壁面13a,13bおよび筒状部14に比べて熱の散逸が緩慢になるので、磁場測定装置9による磁場の測定を行う際に、ポンプ光およびプローブ光が照射される領域に結露がない状態で動作させることが可能になる。なお、上記の冷却手段は、セル1の全体を外部から冷却してもよいが、特にポンプ光またはプローブ光が照射されない部位を冷却してもよい。
2−8.上述の実施形態において、磁場の測定に先駆けて、加熱部7が加熱する部位を壁面13aとしたが、例えば、被覆層2の内部や、セル1と被覆層2との境界面、外気と被覆層2との境界面などに加熱部7を設けてもよい。要するに、被覆層2が熱を蓄積していて、放冷時においてその熱が外気へ散逸されるために、セル1の壁面のうち被覆層2が接している壁面の冷却速度が、被覆層2の接していない部位の冷却速度に比べて遅くなるように、磁場測定装置9が構成されていればよい。
2−9.上述の実施形態において、セル1には、筒状部14が設けられていたが、筒状部14はなくてもよい。要するに、セル1は、磁場測定のための光が照射されない部位を有しており、この部位が磁場測定のための光が照射される部位に比べて放冷時における冷却速度が速くなるように、これらの部位に接する被覆層2の熱容量や、これらの部位そのものの熱容量が決定されていればよい。なお、壁面12a,12bは、セル1の内部に面した壁面のうち直線偏光が透過する第1領域を含む第1部材の一例であり、壁面13a,13bまたは筒状部14は、外部からの加熱を停止させた場合に前記第1部材より速く冷却される第2部材の一例である。
2−10.上述の実施形態において、壁面13a,13bおよび筒状部14は、被覆層2によって覆われておらず、直接外気にさらされていたが、被覆層2により覆われていてもよい。この場合であっても、例えば、被覆層2のうち、壁面13a,13bおよび筒状部14を覆う部位が、光の照射される壁面11a,11b,12a,12bを覆う部位に比べて薄くなるように被覆層2が形成されていればよい。また、壁面13a,13bおよび筒状部14を覆う部位の熱伝導率が、光の照射される壁面11a,11b,12a,12bを覆う部位の熱伝導率よりも大きくなるように、それぞれの材質を決定してもよい。
2−11.上述の実施形態において、セルの形状は、中空の立方体の一面から末端が閉ざされた管が延びた形状であったが、例えば、中空の球体の一部から末端の閉じた管が延びている形状であってもよい。図7は、この変形例におけるセル1bおよび被覆層2bの構成を示す斜視図および断面図である。図7に示すように、セル1bは中空の球体の一部から末端の閉じた管が延びている形状をしており、被覆層2bは、セル1bの球体を被覆する帯状の形状をしている。図7(a)における矢視VIIb−VIIbからセル1および被覆層2bを見ると、図7(b)に示すような断面図となる。同図に示すように、被覆層2bには、セル1bに磁場計測のための光を透過させるため孔22a,22bが設けられている。セル1bのうち、これらの孔22a,22bに相当する部分が光の照射される領域(ここでは、被照射領域という)である。被覆層2は、筒状部14よりもこれら被照射領域の近くにあるため、筒状部14よりも被照射領域の方が冷却されにくい。したがって、筒状部14に比べて被照射領域には、封入された原子の結露が起こりにくくなる。
1,1a,1b…セル、11a,11b,12a,12b,13a,13b…壁面、14…筒状部、2,2b…被覆層、21a,21b,22a,22b…孔、3…ポンプ光照射部、4…プローブ光照射部、5…プローブ光計測部、7…加熱部、9…磁場測定装置。

Claims (7)

  1. 原子を内部に封入し、光を透過させるセルと、
    前記セルを透過する光の回転角を計測する計測部と
    前記セルを覆う層と、
    を備え、
    前記セルは、
    前記内部に光を透過する第一領域を含む第1部材と、
    前記第1部材以外の部材であって、前記第1部材より熱抵抗が低い第2部材と、により構成され、
    前記層は、前記第1部材のうち前記第一領域を除く外表面を覆う
    ことを特徴とする磁場測定装置。
  2. 記層の熱容量は、前記第2部材の熱容量よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場測定装置。
  3. 記層には、前記第一領域に対応する部分に光を透過させる孔が設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の磁場測定装置。
  4. 原子を内部に封入し、光を透過させるセルと、
    前記セルを透過する光の回転角を計測する計測部と、
    を備え、
    前記セルは、
    前記内部に光を透過する第一領域を含む第1部材と、
    前記第1部材以外の部材であって、前記第1部材より熱抵抗が低い第2部材と、により構成され、
    前記第1部材と前記第2部材とは、共通の材質からなり、
    前記第1部材の厚みは前記第2部材の厚みよりも厚い
    ことを特徴とする磁場測定装置。
  5. 前記原子を励起させる光である第1の光を、前記セルに第1の方向に照射する第1の照射部と、
    前記セルに前記第1の光に交差させる方向である第2の方向に第2の光を照射する第2の照射部と
    を備え、
    前記計測部は、前記第2の光のうち、前記セルを透過する光の回転角を計測する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁場測定装置。
  6. 光を透過する第一領域を含む第1部材と、
    前記第1部材以外の部材であって、前記第1部材よりも熱抵抗が低い第2部材と、により構成され
    原子を内部に封入したことを特徴とするセル。
  7. 光を透過する第一領域を含む第1部材と、
    外部からの加熱を停止させた場合に前記第1部材より速く冷却される第2部材と、により構成され
    原子を内部に封入したことを特徴とするセル。
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