JP2017215226A - ガスセル、磁場計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1室及び、第1室に連通する第2室の温度を制御可能なガスセル、及び該ガスセルを備えた磁場計測装置を提供すること。【解決手段】ガスセル102は、第1室としての主室121と、主室121に連通する第2室としての副室122と、主室121を加熱する第1の加熱部としての第1ヒーター131と、副室122を加熱する第2の加熱部としての第2ヒーター132と、を備え、主室121及び副室122のうち、少なくとも主室121には、入射した光により励起されるアルカリ金属原子が封入されている。【選択図】図4

Description

本発明は、ガスセル、及びガスセルを備えた磁場計測装置に関する。
例えば人体などから発する微弱な磁場を測定可能な光ポンピング方式の磁場測定装置が知られている(特許文献1)。
上記特許文献1の磁場測定装置は、光により励起されると磁場に応じて直線偏光の偏光面を回転させる原子を含む物質を内部に封入したセルを有している。また、セルにおいて、上記直線偏光が透過する第1領域の温度と、上記直線偏光が透過しない領域であって、予め定められた第2領域の温度のうち、少なくとも一方の温度に関する値が予め定められた条件を満たす場合に、第1領域よりも第2領域の温度が低く、且つ、第1領域と第2領域との温度差が予め定められた閾値を上回るように、当該温度差を制御する温度差制御部を有している。
上記特許文献1には、温度差制御部として、第1領域を加熱する加熱部や、第2領域を冷却する冷却部が示されている。
特開2012−154876号公報
上記特許文献1の磁場測定装置は、光ポンピング方式を採用しているため、セル内において光により励起される原子の密度が変動すると、磁場測定の感度に影響を及ぼすおそれがある。具体的には、温度差制御部によって、セルの第1領域と第2領域との温度差を予め定められた閾値を上回るように制御することで、第1領域における原子の析出は抑制されるものの、例えば温度差制御部としての加熱部によって第1領域を加熱し続けると、その熱が第2領域に伝わって、第2領域に存在する原子が第1領域に拡散し、第1領域における原子の密度が増加するおそれがある。また例えば、温度差制御部としての冷却部によって第2領域を冷却し続けると、第2領域で原子が析出することで、第1領域と第2領域とにおける原子の濃度勾配が大きくなり、第1領域から第2領域に原子が移動することで、第1領域における原子の密度が減少するおそれがある。言い換えれば、第1領域における原子の密度を適正な状態とするために、セルの温度管理をより好ましい状態とする手段や方法が求められているという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係るガスセルは、第1室と、前記第1室に連通する第2室と、前記第1室を加熱する第1の加熱部と、前記第2室を加熱する第2の加熱部と、を備え、前記第1室及び前記第2室のうち、少なくとも前記第1室には、入射した光により励起されるアルカリ金属原子が封入されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1の加熱部と第2の加熱部とを備えていることから、第1室の温度と第2室の温度とを個別に制御することが可能なガスセルを提供できる。
上記適用例に記載のガスセルにおいて、前記第1室の温度を検出する第1の温度センサーと、前記第2室の温度を検出する第2の温度センサーと、を備えることが好ましい。
この構成によれば、第1の温度センサーの温度検出結果と第2の温度センサーの温度検出結果に基づいて、第1室の温度と第2室の温度とを個別に且つ精度よく制御することが可能なガスセルを提供できる。
上記適用例に記載のガスセルにおいて、前記第1室をビーム光が透過可能となるように被覆する第1の被覆層と、前記第2室を被覆する第2の被覆層と、を備えることが好ましい。
この構成によれば、第1の被覆層と第2の被覆層とを備えることで、第1室の温度と第2室の温度とを個別に制御するにあたり、第1室及び第2室からの熱の放出によるエネルギーのロスを低減して、それぞれの温度を制御できる。
上記適用例に記載のガスセルにおいて、前記第1の加熱部は、前記第1の被覆層の外側に配置され、前記第2の加熱部は、前記第2の被覆層の外側に配置され、前記第1の温度センサーは、前記第1室と前記第1の被覆層との間に配置され、前記第2の温度センサーは、前記第2室と前記第2の被覆層との間に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1室の温度と第2室の温度とを個別に、精度よく且つエネルギーのロスを低減して制御することが可能なガスセルを提供できる。
上記適用例に記載のガスセルにおいて、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部との間に、断熱部材を有することが好ましい。
この構成によれば、第1の加熱部と第2の加熱部との間の熱伝導が抑制されるので、第1室の温度と第2室の温度とを個別に、より高い精度で制御することが可能なガスセルを提供できる。
上記適用例に記載のガスセルにおいて、前記第1の被覆層と前記第2の被覆層との間に、断熱部材を有することが好ましい。
この構成によれば、第1の被覆層と第2の被覆層との間の熱伝導が抑制されるので、第1室の温度と第2室の温度とを個別に、より高い精度で制御することが可能なガスセルを提供できる。
[適用例]本適用例に係る磁場計測装置は、上記適用例に記載のガスセルと、プローブ光としての直線偏光を照射する光照射手段と、前記ガスセルを透過した前記プローブ光の偏光面の回転角を検出する検出手段と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1室の第1の温度と前記第2室の第2の温度とが同じ、または前記第1の温度よりも前記第2の温度が低く、前記第1の温度と前記第2の温度との差が所定の範囲内となるように、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部とを制御することを特徴とする。
本適用例によれば、制御部によって、ガスセルにおける第1室の第1の温度と第2室の第2の温度とが個別に制御され、第1の温度よりも第2の温度が低く、第1の温度と第2の温度との差が所定の範囲内となるため、第1室における原子密度の変動を抑えることができ、原子密度が安定する。すなわち、安定した感度で磁場の計測が可能な光ポンピング方式の磁場計測装置を提供できる。
上記適用例に記載の磁場計測装置において、前記第1室の温度を検出する第1の温度センサーと、前記第2室の温度を検出する第2の温度センサーと、を備え、前記制御部は、前記第1の温度センサー及び前記第2の温度センサーの温度検出結果に基づいて、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部とを制御することが好ましい。
この構成によれば、第1室の温度と第2室の温度とを高い精度で制御できるので、より安定した感度で磁場の計測が可能な磁場計測装置を提供できる。
上記適用例に記載の磁場計測装置において、前記制御部は、前記第1の温度と前記第2の温度との差が所定の範囲内となったときに、磁場の計測が可能と判断し、磁場の計測開始から計測終了まで、加熱を止めるように少なくとも前記第1の加熱部を制御することが好ましい。
この構成によれば、磁場の計測可能期間に、第1の加熱部による加熱が行われないので、第1の加熱部の加熱に伴って生ずる磁場が、計測対象の磁場の計測に影響を及ぼすことを避けることができる。つまり、高い精度で計測対象の磁場を計測することができる。
上記適用例に記載の磁場測定装置において、前記第1室の内壁の少なくとも一部に、励起されたアルカリ金属原子のスピン偏極の緩和を抑制するためのコーティング層を有し、前記制御部は、前記第1の温度が前記第1室におけるアルカリ金属原子の原子密度を考慮した温度以上であって、前記コーティング層の機能が低下し始める温度未満となるように、前記第1の加熱部を制御することが好ましい。
この構成によれば、励起されたアルカリ金属原子のスピン偏極の緩和を確実に抑制して、安定した感度で計測対象の磁場を計測することができる。
磁場計測装置の構成を示すブロック図。 ガスセルの主室と副室とを示す概略斜視図。 ガスセルの外観を示す概略斜視図。 ガスセルの構造を示す概略断面図。 ガスセルの温度制御方法の一例を示すグラフ。 ガスセルの温度制御方法の他の例を示すグラフ。 変形例のガスセルの構造を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
<磁場計測装置>
まず、本実施形態の磁場計測装置について、図1を参照して説明する。図1は磁場計測装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の磁場計測装置100は、光照射部101と、ガスセル102と、偏光分離器103と、受光部104と、信号処理部105と、表示部106と、制御部107とを有する。磁場計測装置100は、ガスセル102に封入されたガス状のアルカリ金属原子にポンプ光を照射することにより励起させ、励起によってスピン偏極が生じたアルカリ金属原子に直線偏光であるプローブ光を照射する。アルカリ金属原子のスピン偏極は磁場の影響を受けてアライメント方位が変化する。照射されたプローブ光は該スピン偏極のアライメント方位の影響を受けて偏光面の回転角が変化することから、上記偏光面の回転角を電気的に検出することにより、磁場の大きさ(強さ)を計測するものである。光照射部101は、上記ポンプ光及び上記プローブ光を兼ねるレーザー光Lを出力する構成となっている。つまり、本実施形態の磁場計測装置100は、光ポンピング方式且つワンビーム方式の磁場計測装置である。
光照射部101は、本発明における光照射手段の一例であって、光源111と、変換部112とを有する。光源111は、レーザー光Lを発生させる装置であり、例えばレーザーダイオードおよびその駆動回路を有する。レーザー光Lの周波数は、ガスセル102に封入されたアルカリ金属原子の超微細構造準位の遷移に対応した周波数に設定される。変換部112は、光源111から出力された直線偏光であるレーザー光Lの光学的な振動方向を所定の方向に変換する。つまり、変換部112は、レーザー光Lの偏光面の角度を所定の角度として光照射部101から射出させる。変換部112として、偏光板や波長板を例示することができる。光照射部101から射出されたレーザー光Lは、例えば光ファイバー(図示省略)などの導光部材を介してガスセル102に照射される。なお、導光部材を介さず直接に、光照射部101からガスセル102にレーザー光Lを照射してもよいが、導光部材を用いると光照射部101の大きさや配置などの制約を受け難くなる。
ガスセル102は、レーザー光Lが照射される第1室としての主室121と、主室121に連通する第2室としての副室122(図2参照)とを有する。少なくとも主室121の内部には、例えば、カリウム(K)、セシウム(Cs)などのアルカリ金属原子が封入される。本実施形態では、主室121にセシウム(Cs)が封入されている。主室121は、光透過性を有し、封入されるアルカリ金属と反応せず、かつアルカリ金属原子を透過しない材料、例えば石英ガラスまたはホウケイ酸ガラスなどを用いて形成される。なお、主室121の材質はガラスに限らず、前述の要件を満たすものであればよく、例えば樹脂であってもよい。ガスセル102の構造の詳細は後述する。
主室121を透過したレーザー光Lは、導光部材により偏光分離器103に導かれる。なお、導光部材を介さず直接に、主室121を透過したレーザー光Lを偏光分離器103に導いてもよい。
偏光分離器103は、例えば、屈折率が異なるプリズムを組み合わせた偏光プリズムが用いられる。偏光分離器103は、主室121を透過した直線偏光であるレーザー光Lが、プリズムの一方の面103aからプリズム界面103cに入射するように配置される。プリズム界面103cに入射したレーザー光Lは、プリズム界面103cの入射面と平行な第1の偏光面を有する偏光Lp(p偏光とも言う)と、第1の偏光面に直交する第2の偏光面を有する偏光Ls(s偏光とも言う)とに分離される。偏光Lpは、偏光分離器103を透過して受光部104に設けられた一方の受光素子141に入射する。偏光Lsは、プリズム界面103cで反射してプリズムの上記一方の面103aに隣り合う他方の面103bから射出され、受光部104に設けられた他方の受光素子142に入射する。なお、プリズム界面103cの入射面とは、プリズム界面103cの法線と、プリズム界面103cに入射するレーザー光Lの光軸とが含まれる平面である。
変換部112は、直線偏光であるレーザー光Lの振動方向(偏光面の向き)をプリズム界面103cの入射面と45度で交差するように変換する。言い換えれば、偏光分離器103は、プリズム界面103cの向きが、変換部112によって変換されたレーザー光Lの振動方向(偏光面の向き)と同じになるように主室121と受光部104との間のレーザー光Lの光軸上に配置される。これにより、主室121内に磁場が存在しないとき(ガスセル102に磁場が印加されないとき)、主室121を透過したレーザー光Lの偏光面の角度は変化しないので、偏光分離器103に入射したレーザー光Lは、それぞれに偏光の強度が等しいレベルで偏光Lpと偏光Lsとに分離される。ガスセル102に磁場が印加されると、磁場の影響を受けてレーザー光Lの偏光面の角度が変化することから、偏光分離器103によって分離された偏光Lpと偏光Lsとは強度に差が生ずることになる。つまり、偏光Lpと偏光Lsとの強度の差からレーザー光Lの偏光面の回転角、すなわち、印加された磁場の大きさ(強さ)を求めることができる。
受光部104は、レーザー光Lの波長に感度を有する受光素子141及び受光素子142を有する。受光素子141,142としては、例えば、フォトダイオードなどを挙げることができる。上述したように、受光素子141は偏光Lpを受光し、受光した光量に応じた信号を信号処理部105に出力する。受光素子142は偏光Lsを受光し、受光した光量に応じた信号を同じく信号処理部105に出力する。
本実施形態における偏光分離器103及び受光部104は、本発明のプローブ光の偏光面の回転角を検出する検出手段の一例である。
信号処理部105は、測定軸(本実施形態では、レーザー光Lの光軸に沿った方向)における磁場の大きさ(強さ)を算出する。上述したように、主室121を透過する前後のレーザー光Lにおける偏光面の回転角の変化量は、ガスセル102に印加された磁場の大きさ(強さ)に依存している。信号処理部105は、まず、受光素子141および受光素子142からの信号を用いて偏光面の回転角を計算し、次に、この回転角から磁場の大きさ(強さ)を計算する。具体的には、偏光Lpと偏光Lsとの光電流の差をとり、その差により磁場の大きさ(強さ)が計算される。
また、偏光Lpと偏光Lsとの光電流の差をとる方法によれば、磁場の向きも求めることができる。例えば、差を偏光Lpの光電流から偏光Lsの光電流を引いた値として符号を考える。ここでレーザー光Lが主室121を透過する方向の磁場が存在したとき、主室121を透過した後のレーザー光Lの偏光面が回転して、偏光Lpの光電流が増して偏光Lsの光電流が減じるように偏光分離器103を設置すると、差の符号はプラス(+)となる。この偏光分離器103の設置状態で、レーザー光Lが主室121を透過する方向と逆の向きに磁場が存在したとき、主室121を透過した後のレーザー光Lの偏光面は先の回転方向とは逆方向に回転して、偏光Lpの光電流が減じて偏光Lsの光電流が増すことになり、差の符号はマイナス(−)になる。このように差の符号により磁場の向きが分かる。なお符号が、プラス(+)またはマイナス(−)のどちらにおいても、差の絶対値が、磁場の大きさ(強さ)となる。
表示部106は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であって、信号処理部105により計算された磁場の大きさ(強さ)や向きを示す情報を表示する。
制御部107は、磁場計測装置100の各部を電気的に制御する。制御部107は、CPUなどの処理装置及びメモリーを有する。図示は省略したが、磁場計測装置100は、キーボードやタッチスクリーンなどの入力装置を備えていてもよい。
本実施形態の磁場計測装置100において、ガスセル102には、主室121を加熱する第1の加熱部としての第1ヒーター131と、副室122(図2参照)を加熱する第2の加熱部としての第2ヒーター132とが組み込まれている。制御部107は、第1ヒーター131と、第2ヒーター132とをそれぞれ独立して制御可能となっている。
<ガスセル>
次に、本実施形態の磁場計測装置100におけるガスセル102について、図2〜図4を参照して説明する。図2はガスセルの主室と副室とを示す概略斜視図、図3はガスセルの外観を示す概略斜視図、図4はガスセルの構造を示す概略断面図である。
図2に示すように、ガスセル102は、直方体の主室121と、主室121に接続された筒状の副室122とを有する。主室121に対する副室122の接続側は括れている。例えば石英ガラス製の主室121と副室122とからなるセル内にアルカリ金属原子が封入されている。セル内にアルカリ金属原子を封入する方法としては、例えば、所定量のアルカリ金属を秤量して封入したアンプルを、端部が開放された副室122からセル内に投入する。そして、副室122の開放端からセル内の気体を排出してセル内を所定の圧力の減圧状態とした後に、副室122の開放端を塞ぎ、投入されたアンプルに例えばレーザー光を照射してアンプルを開封することにより、アンプル内のアルカリ金属をセル内に蒸散させる方法が挙げられる。なお、セルの形状はこれに限定されず、例えば主室121は球状であってもよい。また、副室122を主室121に対して直線的に接続することに限定されず、上述したアンプルのセル内への投入やセル内の減圧を考慮して、アンプルを副室122に載置できるように副室122を途中で屈曲した状態で主室121に接続させてもよい。
なお、ガスセル102における主室121の大きさは、磁場計測において求められる感度と分解能とを考慮して決められる。本実施形態のガスセル102における主室121は、1辺の長さが例えば2cm程度の立方体である。また、副室122は、例えば内径が5mmφ、長さが1cm程度の円筒である。
図3に示すように、ガスセル102は、主室121を収容して被覆する第1の被覆層としての格納箱123と、同じく副室122を収容して被覆する第2の被覆層としての格納箱124とを有している。また、格納箱123に対応して設けられた第1の蓋125と、格納箱124に対応して設けられた第2の蓋126とを有している。それぞれに蓋がされた格納箱123と格納箱124との間の熱伝導を抑制するために、第1の蓋125と第2の蓋126との間に板状の断熱部材129が設けられている。
格納箱123の外側の底面に第1ヒーター131が取り付けられ、格納箱124の外側上面に第2ヒーター132が取り付けられている。第1ヒーター131、第2ヒーター132は、磁場計測に影響を及ぼさないように、例えば、セラミックなどの非磁性材料で形成されていることが好ましい。格納箱123及び格納箱124、並びに第1の蓋125及び第2の蓋126は、ヒーターから発した熱を効率的に伝えるため、熱伝導性に優れた金属などの材料を用いて形成されていることが好ましい。
図4に示すように、主室121は、格納箱123の内側に収容される。主室121が収容された格納箱123に第1の蓋125が装着され密閉される。第1の蓋125に断熱部材129が重ねられ、さらに、断熱部材129に第2の蓋126が重ねられる。第1の蓋125及び第2の蓋126並びに断熱部材129のそれぞれには、筒状の副室122を通すことができる貫通穴が設けられている。格納箱123から突出した副室122を覆うように、格納箱124が重ねられ、第2の蓋126によって格納箱124が密閉される。
前述したように、主室121に連通する副室122の接続側は括れており、当該括れた部分の内部は、狭窄部122aとなっている。狭窄部122aは、主室121と副室122との間のアルカリ金属原子の自由な流通を制限し、アルカリ金属原子の拡散を遅くする機能を有している。主室121を格納箱123に収納して第1の蓋125と断熱部材129とを装着すると、副室122の括れた部分は、第1の蓋125と断熱部材129とにより覆われた形態となる。
本実施形態では、格納箱123と第1の蓋125とを別構成としたが、格納箱123と第1の蓋125とを含めて第1の被覆層としてもよい。同様に、格納箱124と第2の蓋126とを含めて第2の被覆層としてもよい。また、ヒーターから主室121及び副室122への熱伝導性を確保できれば、第1の蓋125及び第2の蓋126に代えて断熱部材により蓋を構成してもよい。
格納箱123の内壁123cに第1の温度センサー127が設けられており、格納箱123に収容された主室121と接している。格納箱124の内壁124aに第2の温度センサー128が設けられており、格納箱124に収容された副室122と接している。図1には図示していないが、第1の温度センサー127及び第2の温度センサー128は、制御部107に接続されている。制御部107は、第1の温度センサー127及び第2の温度センサー128からの出力を参照して、第1ヒーター131及び第2ヒーター132の駆動(ON・OFFや通電量)を制御する。上記温度センサーは、0.1度単位の検出精度を有していることが好ましい。
図3及び図4に示すように、格納箱123の向かい合う側壁には、側壁を貫通する一対の貫通穴123a,123bが設けられている。これにより、例えば、一方の貫通穴123aから入射したビーム状のレーザー光Lは、主室121を透過して他方の貫通穴123bから射出される。
レーザー光Lの照射によって励起されるアルカリ金属原子のガスが存在する主室121の内壁121aの少なくとも一部には、励起されたアルカリ金属原子のスピン偏極の緩和を抑制するために、例えばパラフィンなどの有機化合物を用いたコーティング層121cが形成される。これにより、アルカリ金属原子が主室121の内壁121aに直接に衝突しないので、スピン偏極が緩和されることが抑制される。なお、副室122の少なくとも一部にも、コーティング層121cが形成されていることが望ましいが、形成されていなくてもよい。
レーザー光Lが透過する主室121には、ガス状のアルカリ金属原子が存在している。主室121の温度が所定の温度よりも低くなると、主室121の内壁121aでアルカリ金属原子が凝集して液体または固体として付着することになる。主室121の内壁121a、とりわけレーザー光Lが透過する部分にアルカリ金属原子が液体または固体として付着すると、主室121におけるレーザー光Lの透過率に影響を及ぼす。レーザー光Lの透過率が低下すると、レーザー光Lによるアルカリ金属原子の励起状態に影響を及ぼす。したがって、アルカリ金属原子の凝集が主室121では発生せずに、レーザー光Lが透過しない副室122で発生するように、通常は主室121の温度よりも副室122の温度が低くなるようにガスセル102の温度管理が行われる。なお、図4において、副室122にハッチングを施した部分は、凝集して析出したアルカリ金属原子を示すものである。
副室122の内壁にアルカリ金属原子が凝集して液体や固体の状態となれば、副室122のアルカリ金属原子の原子密度が低下することになる。そうすると、副室122に連通する主室121との間で原子密度の差(原子の濃度勾配)が生じ、主室121から副室122へアルカリ金属原子の移動が生じ、主室121におけるアルカリ金属原子の原子密度が変化する。
また、副室122において液体や固体の状態であったアルカリ金属原子が、副室122の温度上昇によって気化すると、副室122のアルカリ金属原子の原子密度が上昇する。そうすると、副室122に連通する主室121との間で原子密度の差(原子の濃度勾配)が生じ、副室122から主室121へアルカリ金属原子の移動が生じ、主室121におけるアルカリ金属原子の原子密度が変化する。副室122には前述したように狭窄部122aが設けられアルカリ金属原子の自由な流通が抑制されているものの、副室122における原子密度の変化が主室121における原子密度に影響を与え難くする必要がある。
主室121におけるアルカリ金属原子の原子密度の変化は、入射した直線偏光の偏光面の回転に寄与する原子数自体が変化するので、磁場計測装置100における磁場計測の感度に影響する。主室121におけるアルカリ金属原子の原子密度(蒸気圧)は主室121の温度に依存し、副室122におけるアルカリ金属原子の原子密度(蒸気圧)は副室122の温度に依存する。すなわち、安定した感度での磁場計測を実現するためには、主室121の温度及び副室122の温度を適正な状態に管理することが求められる。以降、本実施形態におけるガスセル102の温度制御方法について説明する。
上述したように、ガスセル102の主室121は格納箱123に収容され、副室122は格納箱124に収容されている。主室121の体積は副室122の体積よりも大きいため、格納箱123の体積も格納箱124の体積よりも大きい。一方で、第1ヒーター131の稼働による主室121の温度の上昇あるいは下降の状態と、第2ヒーター132の稼働による副室122の温度の上昇あるいは下降の状態とは、必ずしも同一ではない。格納箱123,124の熱容量や熱伝導状態、各ヒーター131,132の単位時間の発熱量などにより、主室121及び副室122の温度の上昇や下降の状態が異なることが一般的であると考えられる。
<ガスセルの温度制御方法の一例>
図5はガスセルの温度制御方法の一例を示すグラフである。図5に示した温度制御のグラフは、副室122が主室121よりも温度上昇の割合が大きい場合を示すものである。図5において、実線で示すのが主室121の温度変化の一例であり、一点鎖線で示すのが副室122の温度変化の一例である。主室121及び副室122における温度の上昇や下降は、必ずしも直線的に変化するとは限らないが、ここでは、温度の上昇と下降とをそれぞれ直線で示すこととする。
図5に示すように、加熱前の主室121及び副室122の温度をT0とし、主室121の温度(第1の温度)をT1とし、副室122の温度(第2の温度)をT2とする。まず、制御部107は、時間t0において第1ヒーター131をONとして、主室121を加熱し始める。続いて時間tsが経過した時間t1に第2ヒーター132をONとして、副室122を加熱し始める。制御部107は、第1の温度センサー127からの出力をモニターしつつ、主室121の温度T1が、主室121の原子密度を考慮した温度以上であり、且つ主室121に形成されたコーティング層121cの機能が低下し始める温度未満の所定の温度(すなわち磁場計測における感度を考慮した温度)となるまで第1ヒーター131の通電を行う。一方で、制御部107は、第2の温度センサー128からの出力をモニターしつつ、副室122の温度T2が、主室121の温度T1を超えないように第2ヒーター132を通電する。そして、制御部107は、温度T1と温度T2との差ΔTが、「0(ゼロ)」または所定の値となった時間t2の段階から、差ΔTを維持するように、第1ヒーター131及び第2ヒーター132の通電を制御する。
主室121の温度T1と副室122の温度T2とがそれぞれ一定の状態に維持され、且つ温度T1と温度T2とが同じ、または温度T2が温度T1よりも低く、温度T1と温度T2との差ΔTが所定の値以内である期間が、計測可能期間である。本実施形態では、制御部107は、計測可能期間における主室121の温度T1と副室122の温度T2との差ΔTが2℃〜3℃となるように、第1ヒーター131及び第2ヒーター132の通電状態を制御している。
加えて、制御部107は、計測可能期間において、実際に計測対象の磁場を計測する際(磁場計測中)には、第1ヒーター131の通電を止めている。これにより、第1ヒーター131の通電によって生ずる磁場が、計測対象の磁場の計測に影響を及ぼすことを避けるようにしている。
制御部107は、計測対象の磁場の計測を終了する時間t3に、第1ヒーター131及び第2ヒーター132を一旦OFFとする。通電による温度上昇の割合が主室121よりも副室122のほうが大きい分だけ、通電を止めた後の温度下降の割合は、主室121よりも副室122のほうが大きい。したがって、通電を止めた後、時間t4で副室122の温度T2は初期の温度T0となり、さらに時間が経過した時間t5で、主室121の温度T1は初期の温度T0となる。この後、制御部107は、主室121と副室122とが同じ温度T0を維持できるように、第1ヒーター131と第2ヒーター132とを駆動制御する。
<ガスセルの温度制御方法の他の例>
図6はガスセルの温度制御方法の他の例を示すグラフである。図6に示した温度制御のグラフは、副室122が主室121よりも温度上昇の割合が小さい場合を示すものである。図6において、実線で示すのが主室121の温度変化の他の例であり、一点鎖線で示すのが副室122の温度変化の他の例である。主室121及び副室122における温度の上昇や下降は、必ずしも直線的に変化するとは限らないが、この場合も、温度の上昇と下降とをそれぞれ直線で示すこととする。
図6に示すように、まず、制御部107は、時間t0において第1ヒーター131と第2ヒーター132とを共にONとして、主室121と副室122とを加熱し始める。副室122が主室121よりも温度上昇の割合が小さいので、副室122の温度に比べて主室121の温度が高い状態で双方の温度が上昇してゆく。制御部107は、第1の温度センサー127からの出力をモニターしつつ、主室121の温度T1が、主室121の原子密度を考慮した温度以上であり、且つ主室121に形成されたコーティング層121cの機能が低下し始める温度未満の所定の温度(すなわち磁場計測の感度を考慮した温度)となるまで第1ヒーター131の通電を行う。主室121の温度T1が上記所定の温度を維持するように、制御部107は第1ヒーター131を制御する。一方で、制御部107は、第2の温度センサー128からの出力をモニターしつつ、主室121の温度T1と副室122の温度T2との差ΔTが、「0(ゼロ)」または所定の値となった時間t2の段階から、差ΔTを維持するように、第2ヒーター132の通電を制御する。
この例においてもまた、主室121の温度T1と副室122の温度T2とがそれぞれ一定の状態に維持され、且つ温度T1と温度T2とが同じ、または温度T2が温度T1よりも低く、温度T1と温度T2との差ΔTが所定の値以内である期間が、計測可能期間である。制御部107は、計測可能期間における主室121の温度T1と副室122の温度T2との差ΔTが2℃〜3℃となるように、第1ヒーター131及び第2ヒーター132の通電状態を制御する。
加えて、制御部107は、計測可能期間において、実際に計測対象の磁場を計測する際(磁場計測中)には、第1ヒーター131の通電を止めている。これにより、第1ヒーター131の通電によって生ずる磁場が、計測対象の磁場の計測に影響を及ぼすことを避けるようにしている。
制御部107は、計測対象の磁場の計測を終了する時間t3に、まず、第2ヒーター132を一旦OFFとする。通電による温度上昇の割合が主室121よりも副室122のほうが小さい分だけ、通電を止めた後の温度下降の割合は、主室121よりも副室122のほうが小さい。したがって、第2ヒーター132の通電を先に止めて、時間tfが経過した時間t4で第1ヒーター131を一旦OFFとする。その後、時間t5で副室122の温度T2は初期の温度T0となり、さらに時間が経過した時間t6で、主室121の温度T1は初期の温度T0となる。この後、制御部107は、主室121と副室122とが同じ温度T0を維持できるように、第1ヒーター131と第2ヒーター132とを駆動制御する。
図5に示した第1ヒーター131と第2ヒーター132の通電開始の時間差ts、及び図6に示した第1ヒーター131と第2ヒーター132の通電停止の時間差tfは、格納箱123,124の構造や材質などで変わるので、実際には予め主室121と副室122とにおける温度の上昇や下降の温度変化を計測して求めて設定しておく。
上記実施形態のガスセル102によれば、格納箱123、第1の温度センサー127、第1ヒーター131のそれぞれが主室121に対応して設けられ、格納箱124、第2の温度センサー128、第2ヒーター132のそれぞれが副室122に対応して設けられていることから、主室121及び副室122のそれぞれの温度を精度よく制御することが可能なガスセル102を提供することができる。
このようなガスセル102を備えた磁場計測装置100おいて、制御部107は、計測可能期間に主室121の温度T1と副室122の温度T2とが同じ、または温度T1よりも温度T2が低く、温度T1と温度T2との差ΔTが所定の温度範囲内となるように、第1ヒーター131と第2ヒーター132とを制御する。したがって、主室121におけるアルカリ金属原子の原子密度の変動が抑制され、計測対象の磁場を精度よく且つ安定した感度で計測可能な磁場計測装置100を提供することができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うガスセルおよび該ガスセルを適用する磁場計測装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記実施形態のガスセル102において、格納箱123,124は必須な構成ではない。図7は変形例のガスセルの構造を示す概略断面図である。図7は上記実施形態において図4に示したガスセル102の概略断面図と対比するための概略断面図である。ガスセル102と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
例えば、図7に示すように、変形例のガスセル102Bは、主室121と、主室121に連通する副室122とを有している。また、主室121を加熱する第1ヒーター151と、副室122を加熱する第2ヒーター152とを有している。第1ヒーター151及び第2ヒーター152はそれぞれ箱状であって、第1ヒーター151の内側に主室121が収容され、第2ヒーター152の内側に副室122が収容される。主室121を収容した第1ヒーター151に第1の蓋125を被せ、第1の蓋125に断熱部材129と第2の蓋126とを重ねてから箱状の第2ヒーター152が重ねられてガスセル102Bが構成されている。
第1ヒーター151に主室121を収容して第1の蓋125と断熱部材129とを装着すれば、副室122の狭窄部122aを有する括れた部分は、第1の蓋125と断熱部材129とにより覆われた状態となる。
また、第1ヒーター151と主室121との間に第1の温度センサー127が介在し、第2ヒーター152と副室122との間に第2の温度センサー128が介在している。
第1ヒーター151の向かい合う側壁には、ビーム状のレーザー光Lが通過可能な一対の貫通穴151a,151bが設けられている。このような第1ヒーター151及び第2ヒーター152を構成可能な材料としては、セラミックやカーボングラファイトなどの材料を挙げることができる。
変形例1のガスセル102Bによれば、上記実施形態のガスセル102における格納箱123,124の代わりに各ヒーター151,152を箱状としたことにより、部品点数を削減して簡素な構成とすることができる。また、むらなく且つ素早く主室121及び副室122を加熱することができる。
(変形例2)主室121及び副室122の保温性を高めるために、上記実施形態のガスセル102では、格納箱123,124を覆うように保温部材を設けてもよい。同様に、上記変形例1のガスセル102Bでは、第1ヒーター151及び第2ヒーター152を覆うように保温部材を設けてもよい。
(変形例3)ガスセル102は、磁場計測装置100に適用されることに限定されず、例えば、原子発振器のセルとして用いてもよい。
100…磁場計測装置、101…光照射手段としての光照射部、102…ガスセル、103…偏光分離器、104…受光部、105…信号処理部、106…表示部、107…制御部、121…第1室としての主室、121a…主室の内壁、121c…コーティング層、122…第2室としての副室、123…第1の被覆層としての格納箱、124…第2の被覆層としての格納箱、127…第1の温度センサー、128…第2の温度センサー、129…断熱部材、131…第1の加熱部としての第1ヒーター、132…第2の加熱部としての第2ヒーター。

Claims (10)

  1. 第1室と、
    前記第1室に連通する第2室と、
    前記第1室を加熱する第1の加熱部と、
    前記第2室を加熱する第2の加熱部と、を備え、
    前記第1室及び前記第2室のうち、少なくとも前記第1室には、入射した光により励起されるアルカリ金属原子が封入されていることを特徴とするガスセル。
  2. 前記第1室の温度を検出する第1の温度センサーと、
    前記第2室の温度を検出する第2の温度センサーと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のガスセル。
  3. 前記第1室をビーム光が透過可能となるように被覆する第1の被覆層と、
    前記第2室を被覆する第2の被覆層と、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のガスセル。
  4. 前記第1の加熱部は、前記第1の被覆層の外側に配置され、
    前記第2の加熱部は、前記第2の被覆層の外側に配置され、
    前記第1の温度センサーは、前記第1室と前記第1の被覆層との間に配置され、
    前記第2の温度センサーは、前記第2室と前記第2の被覆層との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のガスセル。
  5. 前記第1の加熱部と前記第2の加熱部との間に、断熱部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のガスセル。
  6. 前記第1の被覆層と前記第2の被覆層との間に、断熱部材を有することを特徴とする請求項3または4に記載のガスセル。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガスセルと、
    プローブ光としての直線偏光を照射する光照射手段と、
    前記ガスセルを透過した前記プローブ光の偏光面の回転角を検出する検出手段と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1室の第1の温度と前記第2室の第2の温度とが同じ、または前記第1の温度よりも前記第2の温度が低く、前記第1の温度と前記第2の温度との差が所定の範囲内となるように、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部とを制御することを特徴とする磁場計測装置。
  8. 前記第1室の温度を検出する第1の温度センサーと、
    前記第2室の温度を検出する第2の温度センサーと、を備え、
    前記制御部は、前記第1の温度センサー及び前記第2の温度センサーの温度検出結果に基づいて、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部とを制御することを特徴とする請求項7に記載の磁場計測装置。
  9. 前記制御部は、前記第1の温度と前記第2の温度との差が所定の範囲内となったときに、磁場の計測が可能と判断し、磁場の計測開始から計測終了まで、加熱を止めるように少なくとも前記第1の加熱部を制御することを特徴とする請求項7または8に記載の磁場計測装置。
  10. 前記第1室の内壁の少なくとも一部に、励起されたアルカリ金属原子のスピン偏極の緩和を抑制するためのコーティング層を有し、
    前記制御部は、前記第1の温度が前記第1室におけるアルカリ金属原子の原子密度を考慮した温度以上であって、前記コーティング層の機能が低下し始める温度未満となるように、前記第1の加熱部を制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の磁場計測装置。
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