JP5740983B2 - ユニットバスおよびその組立方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ユニットバスおよびその組立方法に関する。
ユニットバスの洗い場床を建築床上に水平に設置するため、例えば四隅に高さ調整可能な支持脚を備えたものが利用されている。また、洗い場床を設置する際に支持脚の高さ調整作業を簡便に行えるようにするため、上方に開口する作業口(洗い場点検口)を備えた洗い場床も利用されている。作業口がない場合、床と建築床の間の側方から支持脚の高さ調整や配管接続をする必要があるため作業性に劣るが、作業口を利用すればこれらの作業を床の上方から楽な姿勢で行うことができる(例えば特許文献1〜4参照)。
その一方で、洗い場防水床パンに作業口を設けると、当該洗い場防水床パンの他に作業口を水密に塞ぐ蓋が必要となり、構造が複雑化しやすい。また、作業口付き防水パンおよび洗い場蓋の2つの部材を共に防水性材料(型成形品)で成形する必要があり、コストがかさみやすい。したがって、コスト面を考慮すれば、洗い場防水床パンに作業口を設けず、尚かつ上方から楽な姿勢で高さ調整や配管接続を行えるようにしたバスユニット構造は望ましい。このような構造の一つとしては、床支持材に設けられた支持脚の高さを調整した後に洗い場防水床パンを設置する組立構造が考えられる。
特開2010−121381号公報 特開2006−233439号公報 特開2008−25122号公報 特開2002−88847号公報
しかしながら、上述のごとき構造を実現しようとすると、以下に説明するように別の大きな課題に直面する。
すなわち、ドア枠(ユニットバスの浴室ドアの枠)が載置されるドア枠載置部(さらには、壁パネルが載置される壁パネル載置部)は、洗い場防水床パンに一体形成しておくことが、コストおよび防水性の観点から好ましい。ところが、上述のように、支持脚の高さを調整した後に洗い場防水床パンを設置することとすれば、支持脚の高さ調整時にはドア枠載置部が存在しない状態となるため、実際にドア枠を置いて支持脚の高さ調整を行うことができない。この場合の高さ調整手法としては、例えば、床支持材と脱衣室床の上面との高さ方向の差分をメジャーで測定して調整するというものがある。しかし、調整後、洗い場防水床パンのドア枠載置部にドア枠を最終的に載置した段階で、測定誤差等によりドア枠が垂直に建てられない事態が生じれば、再度、洗い場防水床パンを取り外して支持脚の高さ調整をやり直さなければならず、煩雑である。
本発明は、ユニットバス組立の際、支持脚の高さ調整を行った後、ドア枠載置部が一体形成された洗い場防水床パンを設置するという工程を採用する場合に、支持脚の高さ調整を精度よく行うことを可能としたユニットバスおよびその組立方法を提供することを目的とする。
本発明者は、先行技術にはなかった上述の新規な課題に着目して種々の検討を行った。上述した特許文献1〜4のいずれも、作業口から高さ調整する際には、ドア枠が載置されるドア枠載置部が存在しているため、特別な工夫をせずとも、ドア枠載置部にドア枠を載置した状態として支持脚の高さ調整を精度よく行うことができる。要は、従来は、高さ調整する際の基準となるドア枠を実際に載置した状態で高さ調整を行うことができたのに対し、本願では、コストや構造の改善を図ったため、高さ調整時、ドア枠を実際に載置することができなくなっている。この点にも着目してさらに検討を重ねた本発明者は、課題の解決に結び付く知見を得るに至った。
本発明にかかるユニットバスの組立方法はこのような知見に基づくものであり、高さ調整可能な支持脚と、支持脚の高さ調整作業をする際に用いる上方に開口した作業口とが設けられた床支持材を建築床上に設置し、床支持材の設置高さの基準を示す高さ基準部材が床支持材に取り付けられた状態で支持脚の高さ調整をし、高さ基準部材の目印部を隣室の基準面に合わせ、ドア枠載置部と洗い場床部とが一体形成され、作業口を有しない洗い場防水床パンを床支持材の上に設置し、ドア枠載置部と隣室の基準面とを跨るようにドア枠を載置することを特徴とする。
この組立方法においては、床支持材の作業口を利用して支持脚を操作することが可能であるから、当該床支持材の上方から楽な姿勢で高さ調整作業を行うことができる。しかも、高さ基準部材の目印部を隣室の基準面に合わせて高さ調整を行えばよいので簡便であり、測定時に読み取り間違いを起こすといったミスが生じるおそれがなく、精度よく高さ調整を行うことが可能となっている。
また、本発明によれば、ドア枠が載置されるドア枠載置部と洗い場床部とが一体成形されており尚かつ作業口を有しない洗い場防水床パンを用いることができる。この場合、一体構造である当該洗い場防水床パンのみで洗い場床の防水性能を実現することができるため、床支持材にまで防水性能を求める必要がなくなる。したがって床支持材として安価な部材を採用することが可能となり、この結果、コストおよび防水性の観点からも好ましいユニットバスを実現することが可能となる。
このような組立方法においては、高さ基準部材を、床支持材の水平出しを行う際の位置基準部若しくはその近傍に取り付けることが好ましい。床支持材の位置基準部に高さ基準部材が設けられた状態とすることによって床支持材の高さ出しと水平出しとを精度よく両立することができ、ドア枠を垂直に載置することができる。
さらに、この組立方法においては、位置基準部に対して洗い場防水床パンのドア枠載置部の裏側が密接するように沿わせることで、当該ドア枠載置部を所定高さで水平化することがより好ましい。仮に洗い場防水床パンに反りが発生している場合であっても、このように密接するように沿わせることで、ドア枠載置部が床支持材の位置基準部に対して沿うように矯正することができるため、目印部に対してドア枠載置部を狙いの位置に精度よく配置することができる。
また、高さ基準部材を、洗い場防水床パンと干渉させずに配置することも好ましい。洗い場防水床パンを設置する際、高さ基準部材を取り外さなくても良いため、取り外し作業が不要な点で作業性に優れる。
また、支持脚の高さ調整をする際に、目印部を起点に隣室の側端部との水平方向距離が所定距離となるよう測定することも好ましい。洗い場防水床パンと隣室とは、通常、所定のクリアランスを空けて配置する必要があるが、本発明によれば、目印部を利用して床支持材の水平方向位置を規定することができる。また、従来、隣室の基準面に対する床支持材の相対位置を鉛直方向、水平方向ともにメジャー測定する必要があったが、本発明によれば、水平方向のメジャー測定のみで済むため、ドア枠を載置することなく床支持材の高さ調整を精度よく行うことができる。
この組立方法においては、目印部として、メジャーの端部に形成された爪を引っ掛けることが可能な係止部を有するものを用いることが好ましい。メジャーの一端部が目印部に保持可能であるため、水平方向のメジャー測定が行いやすくなる。
さらに、組立方法において、高さ基準部材として、ドア枠載置部に載置されたドア枠を支持する支柱部材が取り付けられているものを用いることが好ましい。この場合、高さ基準部材を支柱部材の取付材として機能させることができるため、構成を簡素化することができる。
また、本発明にかかるユニットバスは、高さ調整可能な支持脚と、支持脚の高さ調整作業をする際に用いる上方に開口した作業口とが設けられており、建築床上に設置される床支持材と、床支持材の設置高さの基準を示す高さ基準部材と、ドア枠載置部と洗い場床部とが一体形成され、作業口を有しない洗い場防水床パンと、ドア枠載置部と隣室の基準面とを跨るように載置されるドア枠と、を備え、高さ基準部材が床支持材に取り付けられた状態で支持脚の高さ調整が行われ、高さ基準部材の目印部が隣室の基準面に合わされることによって床支持材が基準高さに設置されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、ユニットバス組立の際、支持脚の高さ調整を行った後、ドア枠載置部が一体形成された洗い場防水床パンを設置するという工程を採用する場合に、支持脚の高さ調整を精度よく行うことができる。
ユニットバスの一例を示す平面図である。 床支持材、洗い場防水床パン、浴槽排水管等の一例を示す分解斜視図である。 建築床上に設置された床支持材、架台、浴槽排水管等の一例を示す斜視図である。 床支持材上に設置された床支持材等の一例を示す斜視図である。 高さ基準部材の一例を示す斜視図である。 高さ基準部材の他の例を示す斜視図である。 洗い場防水床パンのドア枠載置部、脱衣室の床、およびこれらの間に跨るように載置されたドア枠の一例を示す側面図である。 床支持材、洗い場防水床パン、ドア枠載置部、ドア枠などの一例を示す斜視図である。 洗い場防水床パンの反りを抑えて水平化する手段の一例を示す側面図である。 洗い場防水床パンの反りを抑えて水平化する手段の他の例を示す斜視図である。 目印部に係止部を備えた高さ基準部材の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1等に本発明にかかるユニットバスおよびその組立方法の一例を示す。本発明にかかるユニットバス1は、床支持材2、洗い場防水床パン3、高さ基準部材4、ドア枠5等を備えており、高さ基準部材4の目印部41を基準面に合わせることによって床支持材2を基準高さに設置することが可能となっているものである。
ユニットバス1内のスペースは、洗い場スペースと浴槽設置スペースとに大きく分けられる(図1参照)。洗い場スペースには洗い場12が設置される。浴槽設置スペースは洗い場スペースに隣接し、その建築床(図3等において符号200で示す)上には架台(浴槽支持台)300が設置され(図3等参照)、その架台300上に浴槽11が設置される。
架台300は、柱状の金属材(鋼材)を縦横に組み合わせて構成され、浴槽水を溜めた状態で且つ入浴者が存在している状態の浴槽荷重を支えるのに十分な強度および耐久性を有する。この架台300によって支持される浴槽11には、浴槽水を貯留可能な内槽部11aが形成されており、該内槽部11aの底面に浴槽排水口11bが設けられている(図1参照)。図1に示す本実施形態の浴槽11は、平面視形状が略四角形(もしくは長円形状等でもよい)であり、一対の長辺側浴槽壁のうちの一方を洗い場12側に向けて設置されている。
洗い場12は、床支持材2、洗い場防水床パン3等によって構成されている。これらのうち、床支持材2は、高さ調整可能な支持脚22と、支持脚22の高さ調整作業をする際に用いる上方に開口した作業口21とが設けられているもので、建築床200上に設置されて洗い場防水床パン3を支持する(図2参照)。床支持材2のうち、洗い場防水床パン3の洗い場排水口33と対応した位置には、排水用の開口24が設けられている。後述するように、本実施形態の床支持材2は、防水性は特に実現されていなくても強度のみが実現されていれば足りる。
洗い場防水床パン3は、洗い場12の表面(床面)を構成する部材で、床支持材2によって支持されている。本実施形態の洗い場防水床パン3には、床支持材2の作業口21に対応する開口が形成されていない(図4等参照)。このため、本実施形態の洗い場防水床パン3は全体を防水性材料で一体成形することができることから、全体として防水性を確保しやすい。また、本実施形態の洗い場防水床パン3には、ドア枠載置部31、洗い場床部32、洗い場排水口33等が一体成形されている。洗い場排水口33には、該洗い場排水口33を覆う排水口カバー34が載置される。さらに、洗い場排水口33には排水トラップ35が設けられる。また、浴槽排水口11bと、洗い場排水口33に設けられた排水トラップ35とは、浴槽排水管13によって接続されている(図2、図3参照)。浴槽排水管13は、浴槽11の排水を排水トラップ35の内部に合流させる。
高さ基準部材4は、床支持材2の設置高さの基準を示す部材としてユニットバス1に設けられているものである(図5等参照)。このように床支持材2の設置高さの基準を示すものである限り、高さ基準部材4の具体例は特に限定されることはなく、例示すれば、目印部41を備えた板状部材であって床支持材2の端部等に取り付けられたものであってもよい。例えば図5に示す高さ基準部材4は、途中が折り曲げられた板状の高さ基準部材4であって、外側平面が床支持材2の側面2aと面一となるよう、該床支持材2の上面に取り付けられている。また、高さ基準部材4は、床支持材2の上に設置される洗い場防水床パン3とは干渉しないように形成されていれば、洗い場防水床パン3を設置する際、当該高さ基準部材4をいちいち取り外さなくてもよいので好適である。高さ基準部材4の板状部の側部には目印部41となる切り込みが設けられている(図5参照)。
目印部41は、該目印部41が隣室の基準面(例えば脱衣室400の床面401)に合わされることによって床支持材2が基準高さに設置されるような位置に設けられている。このような目印部41を複数設けることも好ましい。例えば同じ高さに複数の目印部41を設けておけば、いずれの目印部41を利用しても床支持材2を基準高さに設置することができるため便宜である。
また、目印部41は、床支持材2の水平出しを行う際の位置基準部あるいはその近傍に設けられていることが好ましい。こうすることにより、床支持材2の高さ出し(高さ調整)と水平出し(水平度の調整)とを、当該床支持材2の位置基準部を中心として精度よく実施することができる。
ここでいう位置基準部は当該ユニットバス1の形態に合わせて適宜設定可能であり、具体的な位置に限定されることはない。例えば、図5に示したように床支持材2の側面2a付近を位置基準部に設定してもよいし、あるいは床支持材2の隅部またはその近傍を位置基準部に設定して高さ基準部材4を設置してもよい(図6参照)。例示すれば、ユニットバス1を構成する部材の中でも特に高さ出し、水平出しの調整が重要である部材(例えば浴室壁部材(図示省略)や、ドアが載置されるドア載置面に設置されるドア枠5、あるいは該ドア枠5を支持する支柱部材7など)の調整に有利なようにこれら位置基準部を設定すれば、これら部材をさらに精度よく設置するという点で有利である。
さらには、位置基準部を複数設定することもできる。例えば、上述の浴室壁部材やドア枠5のような特に高さ出し、水平出しの調整が重要である部材の調整に有利なようにこれら位置基準部を設定することが好ましい。ドア枠5は、浴室ドア(図示省略)の枠を形成する部材で、例えば図8等に示す下側部材(ドア枠のうち床部分を形成する部材)は、洗い場防水床パン3に設けられたドア枠載置部(洗い場防水床パン3上においてドア枠5が載置される部分)31と脱衣室400の床面401とを跨ぐように載置される(図7、図8参照)。このようなユニットバス1において、ドア枠5の両端付近にそれぞれ位置基準部を設定しておけば、特に水平出し・垂直出しが重要であるドア枠5を精度よく設置するための調整が可能となる。具体的には、上述のドア枠載置部31の近傍に位置基準部を設定することによってドア枠5を精度よく設置することが可能となる。なお、図7において、洗い場防水床パン3の洗い場床部の床面(水上表面)、および脱衣室400の床面401の表面をそれぞれ▽印で示している(図7参照)。
また、床支持材2の隅部に壁部材や支柱等を取り付けるための部材が設けられている場合、該部材を高さ基準部材4として用いることもできる。例えば図6に示す形態例では、ドア枠5を支持する支柱部材7が取り付けられるジョイナー6を高さ基準部材4として利用している。一般に、支柱部材7の取付材として機能するジョイナー6は通常のユニットバス1における必須部材といえるところ、この形態によれば、高さ基準部材4が支柱部材7の取付材としても機能することになるため、構成の簡素化という点でも有利である(図10等参照)。
続いて、上述した構成のユニットバス1の組立工程を以下に一例を挙げつつ説明する。
まず、床支持材2の所定位置に、高さ基準部材4が取り付けられた状態とする。上述したように、高さ基準部材4としてジョイナー6を利用することもできる。
床支持材2を建築床200上に設置し、支持脚22を操作して、当該支持脚22および床支持材2の高さ調整をする。高さ調整は、高さ基準部材4の目印部41を脱衣室400の床面(基準面)401に合わせるようにして行う。このとき、組立作業者等は、作業口21の上方から手を差し込んで高さ調整作業をすることが可能である。
高さ調整を終えたら、洗い場防水床パン3を床支持材2の上に載置する(図4等参照)。さらに、洗い場防水床パン3のドア枠載置部31と脱衣室400の床面401とを跨ぐようにドア枠5を載置する(図7、図8等参照)。この時点で既に床支持材2の高さ調整が済んでいるため、該床支持材2上に載置される洗い場防水床パン3、さらにその後に載置されるドア枠5等は、それぞれ所定の位置に所定の高さで載置された状態となる。
ところで、洗い場防水床パン3は板状であるため、例えばFRP等で一体成形された場合に反りが生じる可能性がある。このような洗い場防水床パン3については、少なくとも所定箇所を床支持材2へと密着させることによって水平となるようにする(水平化する)ことが好ましい。例えば本実施形態では、予め設定されている位置基準部に対して洗い場防水床パン3のドア枠載置部31の裏側が密接するように沿わせるようにし、これによって当該洗い場防水床パン3のドア枠載置部31を反りがある場合にも所定高さで水平化するようにしている。水平化するための手段(水平化手段)は特に限定されないが、例えば側面視クランク形状の押さえ部材8をジョイナー6や支柱部材7にビス止め等により取り付け、これによって洗い場防水床パン3の反りを抑えて水平化することが可能である(図9参照)。あるいは、ユニットバス1の支柱部材7を利用したものとして、該支柱部材7をジョイナー6に取り付け、該支柱部材7の一部で洗い場防水床パン3を押さえ付けることにより、当該洗い場防水床パン3の一部を床支持材2へと押し付けて反りを抑止することも可能である(図10等参照)。
ここまで説明したように、本実施形態のユニットバス1およびその組立方法においては、床支持材2の作業口21を利用して支持脚22を操作することが可能であるから、組立作業者等にとってみれば当該床支持材2の上方から楽な姿勢で高さ調整作業を行うことができる。したがって、このような作業口21がなく隙間等を使っての作業を余儀なくされていた従来型のユニットバス1と比較して作業がしやすく、作業性に優れる。しかも、高さ基準部材4の目印部41を脱衣室400の床面401に合わせるという調整で済み、ドア枠5等を実際の位置に置くことなく作業を行うことができるため簡便である。
また、本実施形態のユニットバス1およびその組立方法においては、作業口を有しない洗い場防水床パン3を用いることが可能であることから、一体成形された一体的構造の当該洗い場防水床パン3のみで洗い場12の防水性能を実現しやすい。そうすると、防水性能のない床支持材2であっても採用することが可能であり、結果、安価な床支持材2を採用することが可能となるから、構造がシンプルでありコスト面に優れたユニットバス1を実現することが可能となる。
また、通常、いわゆるリモデル等におけるようにユニットバス1を入れ替える場合には、床支持材2の設置時における高さ基準面(例えば脱衣室400の床面401)が存在するが、新築等の場合には脱衣室400よりも先にユニットバス1が設置されることがあり、このような場合には床支持材2の設置時における高さ基準面が存在しない。この点、本実施形態のユニットバス1およびその組立方法においては、何かしらの基準面が存在すれば高さ基準部材4を用いて高さ調整を行うことが可能であるため有利である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態では高さ基準部材4の目印部41を基準面(例えば脱衣室400の床面401)に合わせるよう調整したが、支持脚22の高さ調整をする際、目印部41を起点に脱衣室400の床側端部との水平方向距離が所定距離となるよう測定するようにしてもよい。通常、脱衣室400の床面401と洗い場防水床パン3とは所定のクリアランスを設けて配置される必要があるが、このように測定してユニットバス1を組み立てる手法によれば、目印部41を利用して床支持材2の水平方向位置を規定することができる。また、従来であれば、脱衣室の床に対する床支持材2の相対位置を鉛直方向、水平方向ともにメジャー測定する必要があったが、この形態によれば水平方向のメジャー測定のみで済み、ドア枠5を実際に載置することなく床支持材2の高さ調整を精度よく行うことができる。さらに、上述のごとくメジャー測定する場合には、目印部41として、メジャーの端部に形成された爪を引っ掛けることが可能な係止部41aを有するものを用いれば、メジャーの一端部を当該係止部41aに引っ掛けてメジャーを保持することが可能となり、水平方向のメジャー測定が行いやすくなる点で好適である(図11参照)。
また、上述の実施形態では高さ基準部材4の目印部41を脱衣室の床面に合わせる形態を例示したがこれも好適例にすぎない。脱衣室は隣室の一例にすぎず、要は、基準面は高さ基準部材4の目印部41を合わせることが可能な基準として存在していれば足り、具体的形態は限定されない。
また、ここまで説明した高さ基準部材4だけでなく、高さ等の調整時にドア枠5を実際に載置できる仮置き台9を併設することもできる(図5、図6参照)。高さ基準部材4と仮置き台9の両方を設けておけば、ユニットバス1の構造や調整時の状況に応じて両者を適宜使い分けることが可能である。
1:ユニットバス
2:床支持材
3:洗い場防水床パン
4:高さ基準部材
5:ドア枠
6:ジョイナー(高さ基準部材)
7:支柱部材
8:押さえ部材
21:作業口
22:支持脚
31:ドア枠載置部
32:洗い場床部
41:目印部
41a:係止部
200:建築床
400:脱衣室(隣室)
401:脱衣室の床面(隣室の基準面)

Claims (8)

  1. 高さ調整可能な支持脚と、前記支持脚の高さ調整作業をする際に用いる上方に開口した作業口とが設けられた床支持材を建築床上に設置し、
    前記床支持材の設置高さの基準を示す高さ基準部材が前記床支持材に取り付けられた状態で前記支持脚の高さ調整をし、前記高さ基準部材の目印部を隣室の基準面に合わせ、
    ドア枠載置部と洗い場床部とが一体形成され、作業口を有しない洗い場防水床パンを前記床支持材の上に設置し、
    前記ドア枠載置部と前記隣室の基準面とを跨るようにドア枠を載置することを特徴とするユニットバスの組立方法。
  2. 前記高さ基準部材を、前記床支持材の水平出しを行う際の位置基準部若しくはその近傍に取り付けることを特徴とする請求項1記載のユニットバスの組立方法。
  3. 前記位置基準部に対して前記洗い場防水床パンの前記ドア枠載置部の裏側が密接するように沿わせることで、当該ドア枠載置部を所定高さで水平化することを特徴とする請求項2記載のユニットバスの組立方法。
  4. 前記高さ基準部材を、前記洗い場防水床パンと干渉させずに配置することを特徴とする請求項2記載のユニットバスの組立方法。
  5. 前記支持脚の高さ調整をする際に、前記目印部を起点に前記隣室の側端部との水平方向距離が所定距離となるよう測定することを特徴とする請求項2記載のユニットバスの組立方法。
  6. 前記目印部として、メジャーの端部に形成された爪を引っ掛けることが可能な係止部を有するものを用いることを特徴とする請求項5記載のユニットバスの組立方法。
  7. 前記高さ基準部材として、前記ドア枠載置部に載置されたドア枠を支持する支柱部材が取り付けられているものを用いることを特徴とする請求項2記載のユニットバスの組立方法。
  8. 高さ調整可能な支持脚と、前記支持脚の高さ調整作業をする際に用いる上方に開口した作業口とが設けられており、建築床上に設置される床支持材と、
    前記床支持材の設置高さの基準を示す高さ基準部材と、
    ドア枠載置部と洗い場床部とが一体形成され、作業口を有しない洗い場防水床パンと、
    前記ドア枠載置部と隣室の基準面とを跨るように載置されるドア枠と、
    を備え、
    前記高さ基準部材が前記床支持材に取り付けられた状態で前記支持脚の高さ調整が行われ、前記高さ基準部材の目印部が隣室の基準面に合わされることによって前記床支持材が基準高さに設置されていることを特徴とするユニットバス。
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