JP5740283B2 - 配管厚測定装置 - Google Patents
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Description
しかし、この方法では、局部的な傷や減肉を見落とし易い上に、その形状や分布を正確に把握することができない。その上、検査の信頼性は、検査員の技量に左右される。その他にも、検査のために、配管の外側を覆う保温材の撤去や足場の架設等を行う必要があり、コストも増大する。
そこで、例えば、特許文献1には、配管の内面に吸着しながら自走可能なマグネット車輪を備えた作業台車(以下、単にマグネット台車という)に、配管の内面上を走行させながら、その肉厚を測定する装置が開示されている。なお、配管の肉厚測定は、超音波探触子が設けられたアームを、マグネット台車を中心として配管の周方向に回動させながら行っている。
なお、上記した問題を解消するため、マグネット台車の規模を大きくし、アームの回動中心位置と配管の軸心位置とを合わせることも考えられるが、この場合、配管の内径に応じて複数種類のマグネット台車やアームを準備する必要があり、製造コストの増大を招く。また、マグネット台車の規模を大きくした場合、マグネット台車が配管の内面から落下しないように、吸着の磁力を大きくする必要もある。
前記台車の前端部又は後端部に設けられ、前記配管の軸心に対して直交する方向に向いて設けられたXYテーブルと、
前記XYテーブルによってX、Y方向に調整移動される移動架台に設けられた回転テーブルと、
前記回転テーブルの回転中心を基準として、半径方向外側に押圧状態で移動可能に設けられた複数の探触子搭載台と、
前記各探触子搭載台に搭載され、前記配管の肉厚を測定する超音波探触子と、
前記各探触子搭載台の前記回転中心からの距離を測定する距離センサーと、
前記各距離センサーからの測定値に基づき、前記XYテーブルを駆動して前記回転テーブルの回転中心を前記配管の軸心に一致させる制御手段とを有する配管厚測定装置において、
前記台車は、それぞれ前後に車輪を備える直列配置された3台以上の駆動台車と、隣り合う該駆動台車を連結するアームを備える連結機構とを有し、前記各駆動台車が前記アームにより、前記配管の対向する二面間の間隔に応じてV字状に突っ張りながら、該二面間を走行する。
ここで、前記各探触子搭載台には、前記超音波探触子と前記配管の内壁との間に、媒質となる水を供給する水供給口が設けられていることが好ましい。
従って、検査対象物である配管の肉厚を、精度よく連続的に測定できる。
ここで、各探触子搭載台に、超音波探触子と配管の内壁との間に、媒質となる水を供給する水供給口が設けられている場合、配管への超音波の浸透性を良好にでき、測定精度の向上が図れる。
ここで、各駆動台車の車輪にステアリング機構が設けられている場合、例えば、配管内を走行中の台車が傾いても、全車輪を回動(ローリング)させることで、台車の傾きを修正して、回転テーブルの回転中心を配管の軸心に一致させることができる。
図1〜図20に示すように、本発明の一実施の形態に係る配管厚測定装置(以下、単に測定装置ともいう)10は、検査対象物である配管10aの肉厚を、精度よく連続的に測定できる装置である。以下、詳しく説明する。
台車10bは、それぞれ前後に車輪11、12を備える直列配置された3台の第1〜第3の駆動台車13〜15と、隣り合う第1の駆動台車13と第2の駆動台車14を連結するアーム16、17を備える連結機構18と、隣り合う第2の駆動台車14と第3の駆動台車15を連結するアーム16、17を備える連結機構19とを有し、第1〜第3の駆動台車13〜15がアーム16、17により、配管10aの内径に応じてV字状に突っ張りながら、配管10a内を走行するものである。
なお、本実施の形態においては、測定装置10(台車10b)の前側を第1の駆動台車13側とし、後ろ側を第3の駆動台車15側として、これを測定装置10の前後方向、またこれと直交する方向を左右方向として、以下説明する。
なお、第1の駆動台車13には、前側に肉厚測定手段10cが設けられ、第3の駆動台車15に肉厚測定手段10cは設けられていないが、その構成は略同一であるため、第3の駆動台車15についてのみ説明する。
図4〜図9に示すように、第3の駆動台車15は、各種計測手段(図示しない)が取付け可能な台車本体22と、台車本体22の下方前後に取付けられた車輪11、12とを有し、この第3の駆動台車15と第2の駆動台車14が連結機構19により連結されている。
図4、図5(A)、(B)、及び図6(A)〜(C)に示すように、各車輪11、12に取付けられたシャフト24は、正面視して逆U字状となった固定台25に、ベアリング26を介して回転可能に取付けられている。このシャフト24には、駆動用モータ(例えば、DCモータ)27と、この駆動用モータ27の出力を車輪11、12に伝達する伝達手段(減速機)28を有する駆動機構29が接続されている。
このように構成することで、駆動用モータ27からの出力を、伝達手段28を介して車輪11、12に伝達し回転させることができる。このため、第3の駆動台車15に設けられた各車輪11、12は、それぞれ別個独立の駆動機構29によって駆動する。
また、固定台25の上部には、固定台25を台車本体22に回動自在に取付ける回動上部36及び回動下部37が設けられ、その間には、第3の駆動台車15の上下方向に軸心を合わせたウォームホイール38が取付けられている。更に、ウォームホイール38と異なる位置には、固定台25の回動角度を決定するストッパー39が設けられている。
上板部40の前後には、車輪11、12の固定台25の回動上部36が取付けられる貫通孔42が形成され、また下板部41の前後には、固定台25の回動下部37が取付けられる貫通孔43と、固定台25のストッパー39が移動するガイド孔44が形成されている。
ガイド孔44は、7/24円弧状に形成され、ウォームホイール38の軸心回りに回動する固定台25の回動角度を、初期位置(第3の駆動台車15を前後方向へ進行させる位置)から一方側へ15度、かつ他方側へ90度(第3の駆動台車15を左右方向へ進行させる位置)の範囲内にしている。なお、ガイド孔の形状は、これに限定されることなく、例えば、初期位置を中心として±90度とした1/2円弧状(半円弧状)に形成してもよい。
また、前側のステアリング用モータ47の軸心は、台車本体22の前後方向に対し傾斜して取付けられ、後ろ側のステアリング用モータ47の軸心は、台車本体22の前後方向と同一方向となるように取付けられている。なお、第1の駆動台車13は、第3の駆動台車15とは前後が逆となっている。
以上に示した固定台25の回動上部36及び回動下部37、ウォームホイール38、ストッパー39、上板部40及び下板部41の貫通孔42、43、ガイド孔44、及びウォームギヤ46が取付けられたステアリング用モータ47で、ステアリング機構が構成されている。
このように構成することで、ステアリング用モータ47を作動させ、ウォームギヤ46を正転又は逆転させることにより、固定台25を回動させて、第3の駆動台車15の進行方向を変えることができる。
なお、下板部41の上面には、走行する第3の駆動台車15の前後方向の傾きを検出するポテンショメータ(前後方向姿勢検出器の一例)48が設けられている。このポテンショメータ48は、従来公知のものであり、回転リミットなしの単回転ポテンショメータに、やじろべえを取付けて、水平方向に対する傾きを検出するセンサーである。
図10、図11(A)、(B)、及び図12(A)〜(C)から明らかなように、第2の駆動台車14の駆動機構は、第3の駆動台車15に使用した駆動機構29と同一構成となっており、その配置位置のみが異なる。このため、これに応じて、第2の駆動台車14に使用する固定台50が、第3の駆動台車15に使用した固定台25とは、その形状が異なっている。
また、車輪11、12のうち、一方の車輪11のシャフト24にはプーリ51が取付けられ、その上方位置の固定台50には、プーリ52が取付けられたロータリーエンコーダ(距離測定手段)53が取付けられている。これらのプーリ51、52は、プーリベルト54を介して連結されており、これにより、第2の駆動台車14、即ち測定装置10の走行距離を測定可能な構成となっている。
この台車本体22の下板部41の上面には、更に第2の駆動台車14の左右方向の傾きを検出するポテンショメータ(左右方向姿勢検出器の一例)55が設けられている。このポテンショメータ55は、前後方向の傾きを検出するポテンショメータ48と同一構成のものであり、その向きを、ポテンショメータ48と直交する方向にしたものである。
なお、左右方向の傾きを検出するポテンショメータ55は、第2の駆動台車14だけでなく、更に第1の駆動台車13又は第3の駆動台車15のいずれか一方又は双方に設けてもよく、また第2の駆動台車14に設けることなく、第1の駆動台車13又は第3の駆動台車15のいずれか一方又は双方に設けてもよい。
図1〜図3に示すように、連結機構19は、第3の駆動台車15に取付けられた連結手段60と、第2の駆動台車14に取付けられた連結手段61と、連結手段60と連結手段61とを繋ぐアーム16、17を有している。
まず、図4、図5、図8(A)、(B)、図9(A)、(B)を参照しながら、第3の駆動台車15に取付けられた連結手段60について説明する。
台車本体22の前後方向中央位置、即ち前後の車輪11、12の間には、連結手段60の取付け台62が設けられている。
取付け台62の両側に突出する回転軸63には、それぞれ平歯車65がベアリング66を介して回動可能に設けられ、その先側にねじり角が調整可能なねじりばね(ばね材の一例)67が差し込まれている。更に、回転軸63の両端部には、アーム取付け部68、69を介して、一対のアーム16、17の先側が取付けられている。
このねじりばね67は、その先端(一端)がアーム取付け部68、69の固定部70に取付けられ、基端(他端)が平歯車65の固定部71に取付けられている。なお、常時は、アーム16、17が垂直状態になろうとする方向へ、ねじりばね67の力が作用している。
伝達手段73は、ばね調整用モータ72の出力軸に取付けられた平歯車74と、この平歯車74と螺合する平歯車75と、その先側に取付けられたウォームギヤ76と、このウォームギヤ76に螺合するウォームホイール77と、このウォームホイール77が取付けられた回転軸78に設けられた平歯車79を有している。更に、この平歯車79は、前記した各平歯車65に螺合する平歯車80が両側に取付けられ、取付け台62にベアリング81を介して回動可能に設けられた回転軸82の中央部に取付けられた平歯車83に螺合している。なお、伝達手段の構成は、これに限定されるものではない。
また、ウォームホイール77が取付けられた回転軸78の先側には、平歯車84が取付けられ、この平歯車84に螺合する平歯車85に取付けられたポテンショメータ(角度検出器の一例)86により、ねじりばね67のねじり角を検出している。
このように構成することで、ばね調整用モータ(例えば、DCモータ)72からの出力を、伝達手段73を介してねじりばね67に伝達させ、ポテンショメータ86による検出値を確認しながら、ねじりばね67のねじり角を調整する。そして、ねじりばね67に加える力を強める又は弱めることで、第3の駆動台車15を配管10aの内面に所定の押圧力で押し付けることができる。
台車本体22の前後方向中央位置、即ち前後の車輪11、12の間には、連結手段61の取付け台90が設けられている。
取付け台90は、台車本体22の下方から、その左右方向を挟み込むように取付けられており、この取付け台90の下部には、台車本体22の幅方向に配置された回転軸(アームの連結部の一例)91が、ベアリングを介して回動自在に取付けられている。
取付け台90の両側に突出する回転軸91には、それぞれ平歯車93がベアリング94を介して回動可能に設けられ、その先側にねじり角が調整可能なねじりばね(ばね材の一例)95が差し込まれている。更に、回転軸91の両端部には、アーム取付け部96、97を介して、一対のアーム16、17の先側が取付けられている。
このねじりばね95は、その先端(一端)がアーム取付け部96、97の固定部98に取付けられ、基端(他端)が平歯車93の固定部99に取付けられている。なお、常時は、アーム16、17が垂直状態になろうとする方向へ、ねじりばね95の力が作用している。
伝達手段101は、ばね調整用モータ100の出力軸に取付けられた平歯車102と、この平歯車102と螺合する平歯車103と、その先側に取付けられたウォームギヤ104と、このウォームギヤ104に螺合するウォームホイール105と、このウォームホイール105が取付けられた回転軸106に設けられた平歯車107を有している。この平歯車107は、平歯車108が両側に取付けられ、取付け台90にベアリング109を介して回動可能に設けられた回転軸110の中央部に取付けられた平歯車111に螺合している。更に、回転軸110の両側に設けられた平歯車108には、取付け台90に回転可能に設けられた各平歯車112が螺合し、この各平歯車112が前記した各平歯車93に螺合する。なお、伝達手段の構成は、これに限定されるものではない。
また、ウォームホイール105が取付けられた回転軸106の先側には、プーリ113が取付けられ、その上方位置の取付け台90には、プーリ114が取付けられたポテンショメータ(角度検出器の一例)115が取付けられている。これらのプーリ113、114は、プーリベルト116を介して連結されており、これにより、ねじりばね95のねじり角を検出している。
このように構成することで、ばね調整用モータ(例えば、DCモータ)100からの出力を、伝達手段101を介してねじりばね95に伝達させ、ポテンショメータ115による検出値を確認しながら、ねじりばね95のねじり角を調整する。
取付け台90の下部には、回転軸91と間隔を有して平行に配置された回転軸(アームの連結部の一例)121が、ベアリング122を介して回動自在に取付けられている。
取付け台90の両側に突出する回転軸121には、それぞれ平歯車123がベアリング124を介して回動可能に設けられ、その先側にねじり角が調整可能なねじりばね(ばね材の一例)125が差し込まれている。更に、回転軸121の両端部には、アーム取付け部126、127を介して、一対のアーム16、17の先側が取付けられている。
このように構成することで、ばね調整用モータ100からの出力を、伝達手段101を介してねじりばね95に伝達させることで、ばね調整用モータ100からの出力がねじりばね125にも伝達し、ポテンショメータ115による検出値を確認しながら、ねじりばね95、125のねじり角を調整する。なお、ねじりばね125のねじり角を調整する機構を、別個に設けてもよい。
そして、ねじりばね95及びねじりばね125に加える力を強める又は弱めることで、第2の駆動台車14を配管10aの内面に所定の押圧力で押し付けることができる。
このとき、各駆動台車がアームにより、配管の対向する二面間の間隔に応じてV字状に突っ張っていれば、各駆動台車の配置位置は特に限定されない。例えば、駆動台車が4台の場合、両側に配置された駆動台車を一方側の面に押し付けるならば、その間に配置された2台の駆動台車を他方側の面に押し付けてもよく、また、各駆動台車を二面に交互にジグザグ状に配置してもよい。
なお、対向面は平行であることが好ましいが、測定装置が対向面間で突っ張ることができるならば、対向面が平行でない場合、例えば、測定装置の進行方向へ向けて、対向面間の距離が徐々に狭くなる場合、又は広くなる場合についても、測定装置を適用できる。
更に、測定装置の台車は、上記したV字状に突っ張る台車に限定されるものではなく、配管の肉厚測定を実施できる台車であれば、例えば、配管の内面に吸着しながら自走可能なマグネット車輪を備えた台車を使用することもできる。
従って、配管厚測定装置は、磁性を有する金属で構成された配管内のみならず、他の材質、例えば、磁性を有しない金属、セラミックス、プラスチック、又はゴムで構成された配管内も走行できるため、配管の材質による影響を受けることなく、各種配管の肉厚測定を行うことができる。
肉厚測定手段10cは、XYテーブル130、回転テーブル131、複数の探触子搭載台132、超音波探触子133、スライド式のポテンショメータ(距離センサーの一例)134、及び図示しない制御基板(制御手段の一例)を有している。なお、肉厚測定手段10cのXYテーブル130は、台車10bを構成する第1の駆動台車13の前端部に設けられているが、台車10bを構成する第3の駆動台車15の後端部に設けることもできる。
図1(A)、(B)、図2、図3、及び図16〜図18に示すように、XYテーブル130は、配管10aの軸心に対して直交する方向に向いて設けられ、第1の駆動台車13の台車本体22の前端部に取付け固定される取付け部材135と、この取付け部材135に対して(台車10bの)上下方向に移動するY方向移動部材136と、このY方向移動部材136に対して(台車10bの)左右方向に移動するX方向移動部材137とを有している。
取付け板138には、Y方向駆動用モータ(例えば、DCモータ)140と、このY方向駆動用モータ140の出力を、Y方向移動部材136に伝達する伝達部(減速機)141を備えたY方向駆動機構142とが設けられている。この伝達部141は、取付け部材135とY方向移動部材136を接続するラック機構(図示しない)と、このラック機構にY方向駆動用モータ140の出力を伝達するかさ歯車143、144、ウォームギヤ145、及びウォームホイール146で構成されている。なお、Y方向駆動機構の構成は、これに限定されるものではない。
スライドガイド148には、X方向駆動用モータ(例えば、DCモータ)149と、このX方向駆動用モータ149の出力を、X方向移動部材137に伝達する伝達部(減速機)150を備えたX方向駆動機構151が設けられている。この伝達部150は、Y方向移動部材136とX方向移動部材137を接続するラック機構(図示しない)と、このラック機構にX方向駆動用モータ149の出力を伝達する平歯車152、153、ウォームギヤ154、及びウォームホイール155で構成されている。なお、X方向駆動機構の構成は、これに限定されるものではない。
以上の構成により、Y方向駆動用モータ140を駆動させてY方向移動部材136を移動させ、またX方向駆動用モータ149を駆動させてX方向移動部材137を移動させることで、移動架台157を、取付け部材135に対してX方向又はY方向のいずれか一方又は双方に調整移動できる。
移動架台157の前側には、円筒状の回転テーブル131が、その回転中心を、Y方向移動部材136及びX方向移動部材137の移動方向に対して直交する方向となるように、軸受け(図示しない)を介して回転可能に取付けられている。
従って、回転駆動用モータ158からの出力を、伝達部159を介して回転テーブル131に伝達することで、回転テーブル131を移動架台157に対して回転させることができる。
各探触子搭載台132は、拡縮機構169と押圧機構170を介して、回転テーブル131に取付け固定されている。
図16及び図19に示すように、拡縮機構169は、間隔を有して平行で、かつ配管10aの半径方向に配置された2本のガイドロッド171と、各ガイドロッド171の長手方向両端部(基端部と先端部)に取付け固定された固定板部172、173と、2つの固定板部172、173間をガイドロッド171に沿って移動可能に設けられた移動板部174とを有している。
また、ガイドロッド171の基側に取付け固定された固定板部172と、先側に取付け固定された固定板部173と、移動板部174には、すべりねじ部材175が設けられている。このすべりねじ部材175は、ねじ溝が軸周囲に形成され、2本のガイドロッド171とは間隔を有して平行に配置されたすべりねじ176と、このねじ溝に係合するねじ溝が内周部に形成されたすべりねじ用ナット177で構成されている。すべりねじ用ナット177は、移動板部174に取付け固定され、すべりねじ176は移動板部174を貫通して、すべりねじ176の先端部は固定板部173に、また、すべりねじ176の基端部は固定板部172に、それぞれ回転可能に取付けられている。
これにより、すべりねじ176を回転させることで、移動板部174は2つの固定板部172、173間を移動できる。
これにより、移動板部駆動用モータ178からの出力を、伝達部179を介してすべりねじ176に伝達することで、移動板部174をガイドロッド171に沿って移動させることができる。
2本の支持ロッド186は、間隔を有して平行に、しかも前記した各ガイドロッド171とも間隔を有して平行となるように、固定台185の前側下部を貫通した状態で設けられ、その先部は、探触子搭載台132の幅方向両側にねじ187によって回動可能に取付けられ、その基部は、固定板188に取付け固定されている。また、固定台185から探触子搭載台132側へ突出した各支持ロッド186の部分は、圧縮ばね189内に挿通され、探触子搭載台132を固定台185から離れる方向に付勢している。
これにより、配管10aの半径方向(回転テーブル131の回転中心と直交する方向)に配置される各ガイドロッド171及び各支持ロッド186によって、各探触子搭載台132は、配管10aの半径方向外側に、押圧状態で移動可能に設けられる。
この探触子搭載台132には、配管10a内の内側に沿って走行する4つの車輪190が設けられ、しかも配管10aの肉厚を測定する従来公知の超音波探触子133が搭載されている。更に、各探触子搭載台132には、超音波探触子133と配管10aの内壁との間に、媒質となる水を供給する水供給口(図示しない)が設けられている。この車輪190と水供給口は、上記したように各探触子搭載台132に設けることが好ましいが、必要に応じて設けなくてもよい。
これにより、各ポテンショメータ134からの測定値に基づき、制御基板によって、Y方向駆動用モータ140とX方向駆動用モータ149を駆動させることができる。従って、XYテーブル130によって、移動架台157をX、Y方向に調整移動でき、この移動架台157に設けられた回転テーブル131の回転中心位置を、配管10aの軸心位置に一致させることができる。
まず、4つのポテンショメータ134により、4台の各探触子搭載台132について、図20に示すように、回転テーブル131の回転中心からの距離の変位、即ちdL、dR、dA、及びdBを測定する。ここで、式(1)に示す関係式を用いることにより、上記した距離の変位dL、dR、dA、dBから、配管10aの軸心位置(原点)に対する回転テーブル131の回転中心位置のずれxp、ypが得られる。なお、角度θは、正面視して(配管10aを軸方向に見て)、x軸とy軸に対する、対向配置される探触子搭載台132を結ぶ線の傾斜角度である。
これにより、回転テーブル131の回転中心位置を、配管10aの軸心位置に一致させることができる。
まず、測定装置10を配管10a近傍で組み立てる。
この組み立てに際しては、図4に示す第1、第3の駆動台車13、15のアーム取付け部68、69に取付けられたアーム16、17の先側を、図10に示す第2の駆動台車14のアーム取付け部96、97、126、127に差し込み、第1〜第3の駆動台車13〜15を、図1に示すように、直列状態に配置する。このとき、第1〜第3の駆動台車13〜15は、各車輪11、12がそれぞれ配管10aの半径方向外側を向くように配置されている。
そして、この測定装置10に、図示しない電力供給用ケーブル及び制御用ケーブルを接続し、例えば、使用者がコンピュータにより制御可能な状態にすると共に、測定装置10からの各種情報(制御基板の情報)がコンピュータに入力可能な状態にする。なお、測定装置を構成する駆動台車のいずれか1又は2以上にバッテリーを取付け、無線による遠隔操作を行うこともできる。
台車10bの押圧力は、第1〜第3の駆動台車13〜15にそれぞれ設けたポテンショメータ86、115の検出値を確認しながら、各ばね調整用モータ72、100を個別に作動させて調整する。この押圧力の調整は、例えば、測定装置10が垂直状態の配管10a内を走行する際に落下しない程度に、ねじりばね67、95、125に力が加わるように行う。
これにより、第1〜第3の駆動台車13〜15は、アーム16、17により、対向する二面(下面20と上面21)間に側面視してV字状に突っ張ることができる。
各探触子搭載台132の押圧力は、回転テーブル131の回転中心位置が、配管10aの軸心位置近傍となるように、Y方向駆動用モータ140とX方向駆動用モータ149を駆動させ、XYテーブル130によって移動架台157をX、Y方向に調整移動した後に調整する。この押圧力の調整は、例えば、配管10aの内径が変化しても、圧縮ばね189により、各探触子搭載台132が配管10a内面に接触した状態を維持できる程度となるように、移動板部174の位置を調整する。なお、各移動板部174の位置は、回転テーブル131の回転中心を基準として同一位置にする。
これにより、各探触子搭載台132は、配管10a内面への接触状態を維持できる。
この調整は、前記した式(1)の関係式から、配管10aの軸心位置に対する回転テーブル131の回転中心位置のずれxp、ypを求め、このずれxp、ypが「0」となるように、制御基板によって、XYテーブル130を移動させることで行う。なお、この調整は、配管10aの肉厚測定を行う前に、予め行うことが好ましいが、肉厚測定の開始と共に行ってもよい。
これにより、回転テーブル131の回転中心位置を、配管10aの軸心位置に一致させることができる。
ここで、台車10bを構成する第1〜第3の駆動台車13〜15は、それぞれ独立して運転できるため、例えば、同期運転させることなく、第1〜第3の駆動台車13〜15の走行(前進又は後退)、停止、又は速度の制御を個別に行うことで、測定装置10の走行を制御してもよい。また、特定の駆動台車の走行と停止、又は前進と後退を切り替えることと、ねじりばね67、95、125による突っ張り力の調整とを連動させることにより、配管10a内での突っ張り力をコントロールすることが可能である。
なお、測定装置10の台車10bを構成する第1〜第3の駆動台車13〜15の各車輪11、12を、ステアリング機構により回動させることで、例えば、測定装置10のその場での回転走行又は螺旋走行が可能になり、マンホール又はバルブなどの障害物を避けて走行することが可能である。
なお、配管10aの肉厚測定は、これに限定されるものではなく、台車10bを走行させながら、回転テーブル131を移動架台157に対し回動させて、行ってもよい。
上記した方法で、配管10aの肉厚測定を行うと、配管10aの内径の変化等で、回転テーブル131の回転中心位置が、配管10aの軸心位置からずれる場合がある。そこで、このような場合は、4つのポテンショメータ134からの測定値に基づき、制御基板により、XYテーブル130を駆動して、回転テーブル131の回転中心位置を、配管10aの軸心位置に一致させながら、配管10aの肉厚測定を行う。
なお、配管10aの周方向の肉厚測定位置は、例えば、台車10b(第1〜第3の駆動台車13〜15)に設けられたジャイロセンサー(加速度センサー又は重力センサーともいう)と、回転テーブル131に設けられたロータリーエンコーダ(角度検出器)により、検出できる。
また、配管10aの軸方向(配管厚測定装置10の進行方向)の肉厚測定位置(測定装置10の走行距離)は、台車10b(ここでは、第2の駆動台車14に取付けられたロータリーエンコーダ53)により、検出できる。
また、前記実施の形態においては、探触子搭載台を、回転テーブルの回転中心を中央にして、等角度で4台設けた場合について説明したが、等角度又は異なる角度で、2台、3台、又は5台以上設けてもよい。この場合、回転テーブルの回転中心の位置調整は、探触子搭載台の台数に応じて行う。
Claims (5)
- 検査対象物である配管内を走行する台車と、
前記台車の前端部又は後端部に設けられ、前記配管の軸心に対して直交する方向に向いて設けられたXYテーブルと、
前記XYテーブルによってX、Y方向に調整移動される移動架台に設けられた回転テーブルと、
前記回転テーブルの回転中心を基準として、半径方向外側に押圧状態で移動可能に設けられた複数の探触子搭載台と、
前記各探触子搭載台に搭載され、前記配管の肉厚を測定する超音波探触子と、
前記各探触子搭載台の前記回転中心からの距離を測定する距離センサーと、
前記各距離センサーからの測定値に基づき、前記XYテーブルを駆動して前記回転テーブルの回転中心を前記配管の軸心に一致させる制御手段とを有する配管厚測定装置において、
前記台車は、それぞれ前後に車輪を備える直列配置された3台以上の駆動台車と、隣り合う該駆動台車を連結するアームを備える連結機構とを有し、前記各駆動台車が前記アームにより、前記配管の対向する二面間の間隔に応じてV字状に突っ張りながら、該二面間を走行することを特徴とする配管厚測定装置。 - 請求項1記載の配管厚測定装置において、前記探触子搭載台は、前記回転テーブルの回転中心を中央にして、等角度で4台設けられていることを特徴とする配管厚測定装置。
- 請求項1又は2記載の配管厚測定装置において、前記各探触子搭載台には、該探触子搭載台を前記配管内の内側に沿って走行させる車輪が設けられていることを特徴とする配管厚測定装置。
- 請求項3記載の配管厚測定装置において、前記各探触子搭載台には、前記超音波探触子と前記配管の内壁との間に、媒質となる水を供給する水供給口が設けられていることを特徴とする配管厚測定装置。
- 請求項1記載の配管厚測定装置において、前記各駆動台車の前後の車輪にはステアリング機構が設けられ、該各駆動台車の進行方向を変えることを特徴とする配管厚測定装置。
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