JP5739761B2 - 相分離構造を有するシンチレータ結晶体及び放射線検出器 - Google Patents
相分離構造を有するシンチレータ結晶体及び放射線検出器 Download PDFInfo
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Description
図1に本発明のシンチレータ結晶体の模式的構造を示す。
本発明の相分離構造を有するシンチレータ結晶体は、一方向性を有する多数の柱状晶をなす第一の結晶相11と、第一の結晶相11の側面を埋める第二の結晶相12の2相から構成されている。第一の結晶相11を構成する柱状晶の形状は円形に限らず、複数の結晶面から構成され、多角形であってもよい。また、柱状晶の直径13は、50nm以上30μm以下の範囲であることが好ましい。さらに近接する柱状結晶間の周期14は、500nm以上50μm以下の範囲であることが好ましい。ただし、本発明のシンチレータ結晶体と検出器または検出器アレイとを組み合わせた場合、光検出器の受光部領域上に多数の柱状晶が配置されるような構造サイズを有したものを組み合わせることが好ましい。例えば、受光領域が正方形で一辺が20μmであった場合、柱状晶の直径で5μm、周期で8μmというような構造サイズを有しているなどである。従って、受光領域のサイズに合わせて、上記構造サイズの範囲にとらわれず、構造サイズの小さいものを組み合わせることが好ましい。また、構造体のサイズの範囲は、材料系の選択と製造時の条件で決定されるものであり、傾向については後述する。
本発明のシンチレータ結晶体の作製は、所望の材料系を最適組成にて一方向性を持たせて熔融凝固する方法であればいずれの方法でも可能である。特に、固液界面を平らにするよう温度勾配を制御することが要求され、30℃/mm程度またはそれ以上の温度勾配が必要である。
本発明のシンチレータ結晶体は、光検出器と組み合わせることで医療用・産業用・高エネルギー物理用・宇宙用の放射線検出器として用いることが可能である。特に、隔壁等を設けずとも光の導波機能を有しているために、検出器に向けて特定の方向に光を導波する必要がある状況に適用することが好ましい。また、隔壁形成が必要なX線CT装置での使用や、X線フラットパネルディテクタ(FPD)のCsI針状結晶の代替においても有効である。この場合、検出器の受光感度特性に適合するように、シンチレータの発光波長を母材への多材料を添加したり、発光中心の添加を通して調整することも可能である。
本実施例は、本発明のシンチレータ結晶体の作製に関する。
本実施例は、本発明のシンチレータ結晶体の組成に関する。
本発明のシンチレータ結晶体の組成に関して、図5に示す状態図の矢印が示すZnO-ZnF2(25mol%)の系とZnO-ZnF2(23mol%)、ZnO-ZnF2(10mol%)の3種類の試料を、図2(A)に示す実施例1と同様の装置にて作製した場合と、図2(B)に示すようにヒーター部分が狭く局所的に熔融させて作製する場合のものを合計6種類準備した。
本実施例は、本発明のシンチレータ結晶体の光導波に関する。
実施例1で作製された試料片の透過光学顕微鏡による観察結果を図3に示す。明らかに、ZnOの柱状晶が最も明るく見えていることから、高屈折率であるZnO側を光が導波してきていることが分かる。ただし、図3の画像では試料への光の入射具合により、ZnO柱状晶への入射条件が整わない場合には、間欠的に暗く見えることがある。このことは試料への光の入射条件が関係しており、放射線で励起され内部で発せられる光にはそのような制約を与えないため、導波上全く問題にならない。
よって、本発明のシンチレータ結晶体は、確実に柱状晶方向にのみ導波する特性を有していることが示された。
本実施例は、本発明のシンチレータ結晶体を用いた放射線検出に関する。
厚み1mmに切り出したシンチレータ結晶体を光検出器の上に配置して、X線を照射した場合、隔壁の無い単結晶体に照射した場合には結晶面内に光が拡散伝播していくのに対して、広がりが抑制されていることが検出器の出力より確認できる。
さらに、シンチレータ結晶体と光検出器の接合において、1層以上の保護相として、樹脂にて空間が空かないように接続した場合は、検出器の出力が増すことが確認され、結晶体から検出器部への光の取り出しを考慮した層構成を採ることができる。
12 第二の結晶相
13 柱状晶の直径
14 近接柱状晶間の周期
15 シンチレータ結晶体の厚み
16 柱状晶の厚み方向
21 ヒーター部
22 水冷部
23 試料
61 第一の主面
62 第二の主面
63 基板
64 光検出器
65 シンチレータ結晶体
Claims (5)
- 一方向性を有する柱状晶をなす第一の結晶相と、第一の結晶相の側面を埋める第二の結晶相とからなる相分離構造体を有し、前記第一の結晶相と前記第二の結晶相のいずれか一方が酸化物を含むとともに、他方がフッ化物を含み、酸化物を含む相が放射線で発光することを特徴とするシンチレータ結晶体。
- シンチレータ結晶体を構成する組成は、共晶点における組成であることを特徴とする、請求項1に記載のシンチレータ結晶体。
- 酸化物がZnOであることを特徴とする、請求項1または2に記載のシンチレータ結晶体。
- フッ化物がZnF2であることを特徴とする、請求項3に記載のシンチレータ結晶体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシンチレータ結晶体を、直接または1層以上の保護層を介して光検出器上に配置したことを特徴とする放射線検出器。
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