JP5739486B2 - 分離方法及び分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、混合ガスから目的成分を分離するための分離方法及び分離装置に関するものである。
従来、混合ガスから目的成分を分離するための分離方法が知られており、例えば、下記特許文献1にこのような分離方法の一例が開示されている。
下記特許文献1では、混合ガスとしての排ガスから目的成分としての二酸化炭素を分離して回収する方法が示されている。また、当該分離回収方法を実施する分離装置として、排ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させるための吸収塔と、その吸収塔において二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を分離させて回収するとともにその吸収液をフレッシュな状態に再生するための再生塔とを備えた二酸化炭素回収装置が示されている。吸収塔では、吸収液に排ガスを接触させることにより排ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させ、その二酸化炭素を吸収した吸収液を再生塔において加熱することにより当該吸収液から二酸化炭素を放散させて分離させ、それによって吸収液を再生している。そして、この再生した吸収液を再び吸収塔での二酸化炭素の吸収に用いるというプロセスを繰り返し行っている。
特開2010−22986号公報
従来の分離方法では、再生塔において吸収液から二酸化炭素を放散させるために吸収液の加熱に多くのエネルギを要する。また、吸収塔における吸収液への二酸化炭素の吸収工程では、吸収液の単位液量当たりに吸収される二酸化炭素の量が少なく、吸収効率が悪い。仮にこのような吸収工程で二酸化炭素の十分な吸収量を確保しようとする場合には、吸収液の液量を増加させる必要があり、その場合には、分離装置を大型化する必要が生じる。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、消費エネルギを低減するとともに、吸収工程における目的成分の吸収効率を高めつつ、分離装置の大型化を防ぐことである。
上記目的を達成するために、本発明による分離方法は、分離対象としての目的成分を含有する混合ガスである原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させる吸収装置と、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液から前記目的成分を放散させてその吸収液を再生する再生装置と、原料ガスを圧縮するための第1圧縮機と、供給されるガスの膨張力により作動してエネルギを生み出す第1膨張機とを備えた分離装置を用いて、原料ガスから前記目的成分を分離する分離方法であって、前記吸収装置内で原料ガスと吸収液とを互いに接触させてその原料ガス中の前記目的成分を吸収液に吸収させる吸収工程と、前記吸収工程において前記目的成分を吸収した吸収液を前記再生装置内で加熱することによりその吸収液から前記目的成分を放散させてその吸収液を再生する再生工程と、前記再生工程において放散された前記目的成分と再生された吸収液との混合流体を前記目的成分のガスと吸収液とに分離する再生後分離工程と、前記吸収工程及び前記再生工程に先立って、原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを前記第1圧縮機により圧縮する第1圧縮工程と、前記再生後分離工程において分離された前記目的成分のガスを前記第1膨張機に供給してその目的成分のガスの膨張力で前記第1膨張機を作動させるとともに当該目的成分のガスを膨張させる第1膨張工程とを備え、前記再生工程では、前記第1圧縮工程で圧縮した原料ガスを前記再生装置へ供給して吸収液と熱交換させることにより当該吸収液を加熱し、前記吸収工程では、前記第1圧縮工程により圧縮された状態で且つ前記再生装置において吸収液と熱交換させた後の原料ガスを、前記吸収装置へ吸収液に前記目的成分を吸収させる原料ガスとして供給し、前記第1圧縮工程では、前記第1膨張機によって生み出されたエネルギを前記第1圧縮機に供給して原料ガスを圧縮するように前記第1圧縮機を作動させる。
この分離方法では、第1圧縮工程で原料ガスを圧縮することにより原料ガスに圧縮熱が生じて原料ガスが昇温し、その昇温した圧縮後の原料ガスを利用して、再生工程において吸収液から目的成分を放散させてその吸収液を再生させるために吸収液を加熱することができる。このため、再生工程で吸収液を加熱するために別途供給する熱量を低減することができ、その結果、消費エネルギを低減することができる。また、この分離方法では、第1圧縮工程において圧縮されて圧力が上昇した原料ガスが吸収装置に供給されるため、吸収装置における吸収工程では、圧力が高い条件下で原料ガスから目的成分を吸収液に吸収させることができる。その結果、原料ガスから吸収液への目的成分の吸収効率を高めることができる。そして、このように目的成分の吸収効率を高めることができることから、吸収液の液量を増加させる必要がなくなり、その結果、分離装置の大型化を防ぐことができる。また、この分離方法によれば、再生工程で吸収液から放散され、その後、再生後分離工程で分離された目的成分のガスの膨張力を利用して第1膨張機でエネルギを生み出し、そのエネルギで圧縮機を作動させて原料ガスを圧縮することができる。このため、第1圧縮機に別途エネルギを供給して第1圧縮機を作動させる場合に比べて、原料ガスの圧縮のために消費するエネルギを低減することができる。
上記分離方法において、前記分離装置は、前記吸収装置、前記再生装置、前記第1圧縮機及び前記第1膨張機に加えて、原料ガスを圧縮するための第2圧縮機と、供給されるガスの膨張力により作動してエネルギを生み出す第2膨張機とを備えており、前記分離方法は、前記吸収工程及び前記再生工程に先立って、原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを前記第2圧縮機により圧縮する第2圧縮工程と、前記吸収工程において吸収液に前記目的成分を吸収された後の原料ガスを前記第2膨張機に供給してその原料ガスの膨張力で前記第2膨張機を作動させるとともに当該原料ガスを膨張させる第2膨張工程とをさらに備え、前記再生工程では、前記第1圧縮工程で圧縮した原料ガス及び前記第2圧縮工程で圧縮した原料ガスを前記再生装置へ供給して吸収液と熱交換させることにより当該吸収液を加熱し、前記吸収工程では、前記再生装置において吸収液と熱交換させた後の原料ガスを、前記吸収装置へ吸収液に前記目的成分を吸収させる原料ガスとして供給し、前記第2圧縮工程では、前記第2膨張機によって生み出されたエネルギを前記第2圧縮機に供給して原料ガスを圧縮するように前記第2圧縮機を作動させることが好ましい
この構成によれば第2圧縮工程で原料ガスを圧縮することにより原料ガスに圧縮熱が生じて原料ガスが昇温し、その昇温した圧縮後の原料ガスを利用して、再生工程において吸収液から目的成分を放散させてその吸収液を再生させるために吸収液を加熱することができる。このため、再生工程で吸収液を加熱するために別途供給する熱量を低減することができ、その結果、消費エネルギを低減することができる。また、この構成では、第1圧縮工程において圧縮されて圧力が上昇した原料ガス及び第1圧縮工程において圧縮されて圧力が上昇した原料ガスが吸収装置に供給されるため、吸収装置における吸収工程では、圧力が高い条件下で原料ガスから目的成分を吸収液に吸収させることができる。その結果、原料ガスから吸収液への目的成分の吸収効率を高めることができる。そして、このように目的成分の吸収効率を高めることができることから、吸収液の液量を増加させる必要がなくなり、その結果、分離装置の大型化を防ぐことができる。また、この構成によれば、吸収工程において吸収液に目的成分を吸収された後の原料ガスの膨張力を利用して第2膨張機でエネルギを生み出し、そのエネルギで第2圧縮機を作動させて原料ガスを圧縮することができる。このため、第2圧縮機に別途エネルギを供給して第2圧縮機を作動させる場合に比べて、原料ガスの圧縮のために消費するエネルギを低減することができる。また、この構成によれば、第2膨張工程での膨張に伴って降温した目的成分のガスを利用して、吸収工程で生じる吸収熱を除熱することができる。このため、吸収熱の除熱に用いる冷却媒体の使用量を削減することができる。
上記分離方法において、前記第1膨張機は、供給されるガスの膨張力により回転する膨張機ロータと、この膨張機ロータの回転力を受けて発電する発電機とを有しており、前記第1圧縮工程では、前記発電機によって発電された電力を前記エネルギとして前記第1圧縮機に供給して当該第1圧縮機を作動させることが好ましい。
この構成では、第1膨張機の発電機で発電された電力を第1圧縮機に供給してその第1圧縮機を作動させるので、その電力の供給のために発電機と第1圧縮機とを電気配線で接続するといった簡単な構成を採用することができる。その結果、分離装置の構成を簡素化することができる。
上記分離方法において、前記吸収工程では、前記第1膨張工程で膨張した前記目的成分のガスを前記吸収装置へ供給して原料ガス及び吸収液と熱交換させることにより、原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱することが好ましい。
この構成によれば、第1膨張工程での膨張に伴って降温した目的成分のガスを利用して、吸収工程で生じる吸収熱を除熱することができる。このため、吸収熱の除熱に用いる冷却媒体の使用量を削減することができる。
上記分離方法において、マイクロチャネルである複数の吸収流路が配列された層とマイクロチャネルである複数の吸収装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を有する前記吸収装置を備えた前記分離装置を用い、前記吸収工程では、前記吸収流路に原料ガスと吸収液とを互いに接触させた状態で流通させながらその原料ガスから吸収液へ前記目的成分を吸収させるとともに、前記吸収装置温調流路に原料ガス及び吸収液よりも低温の流体を流通させてその流体と前記吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液との間で熱交換させることにより前記吸収流路での原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱することが好ましい。
この構成では、マイクロチャネルである複数の吸収流路内で原料ガスから吸収液への目的成分の吸収を行うので、単位体積当たりの原料ガスに対する吸収液の接触面積を増やした状態で目的成分の吸収を行うことができ、目的成分の吸収効率をより高めることができる。また、この構成では、吸収装置の積層体内においてマイクロチャネルである吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液とその積層体内において吸収流路に隣接するマイクロチャネルである吸収装置温調流路を流れる低温の流体との間で熱交換させるので、原料ガス及び吸収液と低温の流体との間での熱交換効率を高めることができ、吸収熱の除熱効率を高めることができる。
上記分離方法は、前記吸収工程において吸収液に前記目的成分を吸収された後の原料ガスと前記目的成分を吸収した後の吸収液との混合流体を原料ガスと吸収液とに分離する吸収後分離工程をさらに備え、前記吸収後分離工程において分離された吸収液をサイフォン現象を利用して前記再生装置へ供給することが好ましい。
この構成によれば、吸収工程において目的成分を吸収し、吸収後分離工程において分離された吸収液を送液ポンプを用いることなく再生装置へ供給することができる。このため、分離装置の構成を簡素化できるとともに、送液ポンプの作動に要するエネルギを削減できる。
上記分離方法において、マイクロチャネルである複数の再生流路が配列された層とマイクロチャネルである複数の再生装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を有する前記再生装置を備えた前記分離装置を用い、前記再生工程では、前記吸収工程において前記目的成分を吸収した吸収液を前記再生流路に流通させるとともに、前記第1圧縮工程で圧縮した原料ガスを前記再生装置温調流路に流通させてその原料ガスと前記再生流路を流れる吸収液との間で熱交換させることにより、前記再生流路を流れる吸収液を加熱してその吸収液から前記目的成分を放散させることが好ましい。
この構成では、再生装置の積層体内においてマイクロチャネルである再生流路を流れる吸収液とその積層体内において再生流路に隣接するマイクロチャネルである再生装置温調流路を流れる圧縮後の原料ガスとの間で熱交換させるので、吸収液と圧縮後の原料ガスとの間での熱交換効率を高めることができ、吸収熱の加熱効率を高めることができる。その結果、再生流路での吸収液からの目的成分の放散を促進することができる。
また、本発明による分離装置は、分離対象としての目的成分を含有する混合ガスである原料ガスから前記目的成分を分離する分離装置であって、原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させる吸収装置と、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液から前記目的成分を放散させてその吸収液を再生する再生装置と、前記再生装置において放散された前記目的成分のガスと再生された吸収液との混合流体が導入され、その混合流体を前記目的成分のガスと吸収液とに分離する再生側分離器と、原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを圧縮する第1圧縮機と、ガスの膨張力により回転する第1膨張機ロータを有していてその第1膨張機ロータが回転することによりエネルギを生み出す第1膨張機とを備え、前記再生装置は、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液が導入され、その吸収液から前記目的成分を放散させて当該吸収液を再生させる再生部と、前記第1圧縮機によって圧縮された原料ガスが導入され、その原料ガスと前記再生部に導入された吸収液とを熱交換させることにより前記再生部に導入された吸収液を加熱する再生装置温調部とを有し、前記吸収装置には、前記第1圧縮機によって圧縮された後、前記再生装置温調部において吸収液と熱交換した後の原料ガスが導入され、当該吸収装置は、その導入された原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させ、前記第1膨張機には、前記再生側分離器において分離された前記目的成分のガスが導入され、この導入された前記目的成分のガスの膨張力によって前記第1膨張機ロータが回転し、前記第1圧縮機は、前記第1膨張機によって生み出されたエネルギを受けて作動し、原料ガスを圧縮する。
この分離装置によれば、第1圧縮機が原料ガスを圧縮することにより圧縮熱が生じて原料ガスが昇温し、その昇温した圧縮後の原料ガスを利用して、再生装置において吸収液から目的成分を放散させてその吸収液を再生させるために吸収液を加熱することができる。このため、再生装置で吸収液を加熱するために別途供給する熱量を低減することができ、その結果、消費エネルギを低減することができる。また、この分離装置では、第1圧縮機によって圧縮されて圧力が上昇した原料ガスが吸収装置に導入されるため、吸収装置は、圧力が高い条件下で原料ガスから目的成分を吸収液に吸収させることができる。その結果、原料ガスから吸収液への目的成分の吸収効率を高めることができる。そして、このように目的成分の吸収効率を高めることができることから、吸収液の液量を増加させる必要がなくなり、その結果、分離装置の大型化を防ぐことができる。また、この分離装置によれば、再生装置で吸収液から放散され、その後、再生側分離器で分離された目的成分のガスの膨張力を利用して膨張機でエネルギを生み出し、そのエネルギで第1圧縮機を作動させて原料ガスを圧縮することができる。このため、第1圧縮機に別途エネルギを供給して第1圧縮機を作動させる場合に比べて、原料ガスの圧縮のために消費するエネルギを低減することができる。
上記分離装置において、原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを圧縮する第2圧縮機と、ガスの膨張力により回転する第2膨張機ロータを有していてその第2膨張機ロータが回転することによりエネルギを生み出す第2膨張機とをさらに備え、前記再生装置温調部は、前記第1圧縮機によって圧縮された原料ガス及び前記第2圧縮機によって圧縮された原料ガスが導入され、それらの原料ガスと前記再生部に導入された吸収液とを熱交換させることにより前記再生部に導入された吸収液を加熱、前記吸収装置には、前記再生装置温調部において吸収液と熱交換した後の原料ガスが導入され、当該吸収装置は、その導入された原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させ、前記第2膨張機には、前記吸収装置において吸収液に前記目的成分を吸収された後の原料ガスが導入され、前記第2膨張機ロータは、この第2膨張機に導入された原料ガスの膨張力によって回転し、前記第2圧縮機は、前記第2膨張機によって生み出されたエネルギを受けて作動して原料ガスを圧縮する
この構成によれば、第2圧縮機が原料ガスを圧縮することにより圧縮熱が生じて原料ガスが昇温し、その昇温した圧縮後の原料ガスを利用して、再生装置において吸収液から目的成分を放散させてその吸収液を再生させるために吸収液を加熱することができる。このため、再生装置で吸収液を加熱するために別途供給する熱量を低減することができ、その結果、消費エネルギを低減することができる。また、この構成では、第2圧縮機によって圧縮されて圧力が上昇した原料ガスが吸収装置に導入されるため、吸収装置は、圧力が高い条件下で原料ガスから目的成分を吸収液に吸収させることができる。その結果、原料ガスから吸収液への目的成分の吸収効率を高めることができる。そして、このように目的成分の吸収効率を高めることができることから、吸収液の液量を増加させる必要がなくなり、その結果、分離装置の大型化を防ぐことができる。また、この構成によれば、吸収装置において吸収液に目的成分を吸収された後の原料ガスの膨張力を利用して第2膨張機でエネルギを生み出し、そのエネルギで第2圧縮機を作動させて原料ガスを圧縮することができる。このため、第2圧縮機に別途エネルギを供給して第2圧縮機を作動させる場合に比べて、原料ガスの圧縮のために消費するエネルギを低減することができる。また、この構成によれば、第2膨張機での膨張に伴って降温した目的成分のガスを利用して、吸収部で生じる吸収熱を除熱することができる。このため、吸収熱の除熱に用いる冷却媒体の使用量を削減することができる。
上記分離装置において、前記第1膨張機は、前記第1膨張機ロータの回転力を受けて発電する発電機を有し、前記第1圧縮機は、前記発電機と電気的に接続されていて、前記発電機によって発電された電力を受けて作動することが好ましい。
この構成では、第1膨張機の発電機で発電された電力を第1圧縮機に供給してその第1圧縮機を作動させるので、その電力の供給のために発電機と第1圧縮機とを電気配線で接続するといった簡単な構成を採用することができる。その結果、分離装置の構成を簡素化することができる。
上記分離装置において、前記吸収装置は、原料ガスと吸収液が導入され、その導入された原料ガスと吸収液とを互いに接触させて当該原料ガスから当該吸収液に前記目的成分を吸収させる吸収部と、前記第1膨張機から排出された膨張後の前記目的成分のガスが導入され、その目的成分のガスと前記吸収部に導入された原料ガス及び吸収液とを熱交換させることにより、原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱する吸収装置温調部とを有することが好ましい。
この構成によれば、第1膨張機での膨張に伴って降温した目的成分のガスを利用して、吸収部で生じる吸収熱を除熱することができる。このため、吸収熱の除熱に用いる冷却媒体の使用量を削減することができる。
上記分離装置において、前記吸収装置は、原料ガスと吸収液が導入され、その導入された原料ガスと吸収液とを互いに接触させた状態で流通させながら当該原料ガスから当該吸収液に前記目的成分を吸収させるマイクロチャネルである複数の吸収流路が配列された層と、前記吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液よりも低温の流体が導入され、その導入された流体を流通させながらその流体と前記吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液との間で熱交換させることにより前記吸収流路での原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱するマイクロチャネルである複数の吸収装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を備えることが好ましい。
この構成では、マイクロチャネルである複数の吸収流路内で原料ガスから吸収液への目的成分の吸収を行うので、単位体積当たりの原料ガスに対する吸収液の接触面積を増やした状態で目的成分の吸収を行うことができ、目的成分の吸収効率をより高めることができる。また、この構成では、吸収装置の積層体内においてマイクロチャネルである吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液とその積層体内において吸収流路に隣接するマイクロチャネルである吸収装置温調流路を流れる低温の流体との間で熱交換させるので、原料ガス及び吸収液と低温の流体との間での熱交換効率を高めることができ、吸収熱の除熱効率を高めることができる。
上記分離装置において、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した後の吸収液とその吸収液によって前記目的成分を吸収された後の原料ガスとの混合流体が導入され、その混合流体を吸収液と原料ガスとに分離する吸収側分離器をさらに備え、前記吸収側分離器は、前記再生装置と接続されていて、当該吸収側分離器で分離された吸収液がサイフォン現象によって前記再生装置へ流れるように前記再生側分離器の高さ位置以上の高さ位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、吸収装置において目的成分を吸収し、吸収側分離器において分離された吸収液を送液ポンプを用いることなく再生装置に供給することができる。このため、分離装置の構成を簡素化できるとともに、送液ポンプの作動に要するエネルギを削減できる。
上記分離装置において、前記再生部は、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液が導入され、その導入された吸収液を流通させながらその吸収液から前記目的成分を放散させて当該吸収液を再生させるマイクロチャネルである複数の再生流路を有し、前記再生装置温調部は、前記第1圧縮機によって圧縮された原料ガスが導入され、その導入された原料ガスを流通させながらその原料ガスと前記再生流路を流れる吸収液との間で熱交換させることにより前記再生流路を流れる吸収液を加熱するマイクロチャネルである複数の再生装置温調流路を有し、前記再生装置は、複数の前記再生流路が配列された層と複数の前記再生装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を備えることが好ましい。
この構成では、再生装置の積層体内においてマイクロチャネルである再生流路を流れる吸収液とその積層体内において再生流路に隣接するマイクロチャネルである再生装置温調流路を流れる圧縮後の原料ガスとの間で熱交換させるので、吸収液と圧縮後の原料ガスとの間での熱交換効率を高めることができ、吸収熱の加熱効率を高めることができる。その結果、再生流路での吸収液からの目的成分の放散を促進することができる。
以上説明したように、本発明によれば、消費エネルギを低減することができるとともに、吸収工程における目的成分の吸収効率を高めつつ、分離装置の大型化を防ぐことができる。
本発明の一実施形態による分離装置の構成を示す概略図である。 図1に示した分離装置の吸収装置の斜視図である。 図2に示した吸収装置の積層体を構成する吸収プレートの一方の板面を示す平面図である。 図3に示した吸収プレートの反対側の板面を示す平面図である。 図2に示した吸収装置の積層体を構成する吸収装置第1温調プレートの平面図である。 図2に示した吸収装置の積層体を構成する吸収装置第2温調プレートの平面図である。 図1に示した分離装置の再生装置の積層体を構成する再生プレートの平面図である。 図1に示した分離装置の再生装置の積層体を構成する再生装置第1温調プレートの平面図である。 図1に示した分離装置の再生装置の積層体を構成する再生装置第2温調プレートの平面図である。 図1に示した分離装置の膨張機の内部構造を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態の第1変形例による分離装置の構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態の第2変形例による分離装置の構成を示す概略図である。 図12に示した分離装置の再生装置の積層体を構成する温調プレートの平面図である。 図12に示した分離装置の再生装置の積層体を構成する再生プレートの平面図である。 本発明の一実施形態の第3変形例による分離装置の構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態の第4変形例による分離装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態による分離方法に用いる分離装置1の構成について説明する。
図1には、本実施形態の分離装置1の全体構成が示されている。分離装置1は、この図1に示すように、吸収装置2と、再生装置4と、吸収側分離器6と、再生側分離器8と、吸収側ポンプ10と、再生側ポンプ12と、熱交換器14と、圧縮機16と、膨張機18とを備える。
吸収装置2は、混合ガスである原料ガスから分離対象としての目的成分のガスを吸収液へ吸収させる装置である。吸収装置2は、原料ガスから吸収液への目的成分の吸収工程が行われる吸収部22と、吸収部22内を流れる原料ガス及び吸収液の温度を調節するための吸収装置温調部24とを有する。図1では吸収部22及び吸収装置温調部24が模式的に示されているが、具体的には、吸収装置2は、図2に示すように、積層された多数のプレート19からなる積層体20を有し、この積層体20内に設けられた多数の流路によって吸収部22及び吸収装置温調部24が形成されている。
詳しくは、積層体20を形成する多数のプレート19には、複数の吸収プレート19aと、複数の吸収装置第1温調プレート19bと、複数の吸収装置第2温調プレート19cとが含まれており、吸収部22は、各吸収プレート19aに設けられた複数の吸収流路22a(図3参照)を有し、吸収装置温調部24は、各吸収装置第1温調プレート19bに設けられた複数の吸収装置第1温調流路23a(図5参照)及び各吸収装置第2温調プレート19cに設けられた複数の吸収装置第2温調流路24a(図6参照)を有する。吸収装置第1温調流路23a及び吸収装置第2温調流路24aは、本発明における吸収装置温調流路の一例である。各吸収流路22a、各吸収装置第1温調流路23a及び各吸収装置第2温調流路24aは、いわゆるマイクロチャネル(微細流路)である。吸収装置第1温調プレート19bと吸収装置第2温調プレート19cと吸収プレート19aは、この順で繰り返し積層されており、それにより、複数の吸収装置第1温調流路23aが配列された層と複数の吸収装置第2温調流路24aが配列された層と複数の吸収流路22aが配列された層とが積層体20内においてプレートの積層方向にこの順で繰り返し並ぶように配置されている。
各吸収プレート19aの厚み方向の一方の面には、図3に示すように、その面方向に並ぶ複数の溝22bが形成されている。各溝22bは、吸収プレート19aの四辺のうちの一辺に始端を有し、その始端から折り返しを繰り返しながら延び、前記始端が設けられた辺の対辺に終端を有する蛇行形状をなしている。各吸収プレート19aの一方の面と反対側の面である他方の面には、図4に示すように、一方の面側の複数の溝22bに対応する複数の溝22cが形成されている。各溝22cの始端は、吸収プレート19aのうち前記各溝22bの始端が設けられた辺の対辺に設けられている。各溝22cは、その始端が設けられた吸収プレート19aの辺から対辺へ向かって、対応する溝22bの始端から直線的に延びる部分と重なるように延びている。各溝22cの終端の位置には、吸収プレート19aを厚み方向に貫通し、対応する溝22bと繋がる貫通孔22dが設けられている。そして、各吸収プレート19aの一方の面に形成された各溝22bの開口及び各貫通孔22dの開口がその一方の面に積層された他のプレートによって封止されるとともに、他方の面に形成された各溝22cの開口及び各貫通孔22dの開口がその他方の面に積層された他のプレートによって封止されることにより、複数の吸収流路22aが形成されている。
各吸収流路22aのうち前記溝22bの始端に相当する部分がその吸収流路22aの原料ガス用の入口22eとなっており、各吸収流路22aのうち前記溝22cの始端に相当する部分がその吸収流路22aの吸収液用の入口22fとなっている。また、各吸収流路22aのうち前記溝22bの終端に相当する部分がその吸収流路22aの出口22gとなっている。
また、各吸収装置第1温調プレート19bの厚み方向の一方の面には、図5に示すように、その面方向に並ぶ複数の溝23bが形成されている。各溝23bは、吸収装置第1温調プレート19bの四辺のうち吸収流路22aの原料ガス用の入口22eが設けられた側の辺に直交する辺でその入口22eから近い位置に始端を有し、その始端から溝22bに直交する方向に延びるとともに折り返しを繰り返しながら延び、その始端が設けられた辺の対辺に終端を有する蛇行形状をなしている。そして、各吸収装置第1温調プレート19bの一方の面に形成された各溝23bの開口がその一方の面に積層された他のプレートによって封止されることにより、複数の吸収装置第1温調流路23aが形成されている。各吸収装置第1温調流路23aのうち前記溝23bの終端に相当する部分がその吸収装置第1温調流路23aの入口23cとなっており、各吸収装置第1温調流路23aのうち前記溝23bの始端に相当する部分がその吸収装置第1温調流路23aの出口23dとなっている。
各吸収装置第2温調プレート19cの厚み方向に一方の面には、図6に示すように、その面方向に並ぶ複数の溝24bが形成されている。各溝24bは、吸収装置第2温調プレート19cの四辺のうち吸収装置第1温調流路23aの入口23cが設けられた側の辺に始端を有し、その始端から吸収装置第1温調プレート19bに設けられた溝23bと同様に折り返しを繰り返しながら延び、その始端が設けられた辺の対辺に終端を有する蛇行形状をなしている。各吸収装置第2温調プレート19cの一方の面に形成された各溝24bの開口がその一方の面に積層された他のプレートによって封止されることにより、複数の吸収装置第2温調流路24aが形成されている。各吸収装置第2温調流路24aのうち前記溝24bの始端に相当する部分がその吸収装置第2温調流路24aの入口24cとなっており、各吸収装置第2温調流路24aのうち前記溝24bの終端に相当する部分がその吸収装置第2温調流路24aの出口24dとなっている。
また、吸収装置2は、図2〜図6に示すように、各吸収流路22aに原料ガスを供給するための原料ガス供給ヘッダ21aと、各吸収流路22aに吸収液を供給するための吸収液供給ヘッダ21bと、後述のように各吸収流路22aから排出される目的成分を吸収した後の吸収液と目的成分を吸収された後の原料ガスとの混合流体をまとめて排出するための吸収後混合流体排出ヘッダ21cと、後述のように膨張機18から排出された目的成分のガスを各吸収装置第1温調流路23aに温調流体として供給するための吸収装置第1温調供給ヘッダ21dと、各吸収装置第1温調流路23aから排出される目的成分のガスをまとめて排出するための吸収装置第1温調排出ヘッダ21eと、各吸収装置第2温調流路24aに冷却媒体を供給するための吸収装置第2温調供給ヘッダ21fと、各吸収装置第2温調流路24aから排出される冷却媒体をまとめて排出するための吸収装置第2温調排出ヘッダ21gとを備える。
原料ガス供給ヘッダ21aは、積層体20のうち吸収流路22aの原料ガス用の入口22eが設けられた側面に、全ての吸収流路22aの原料ガス用の入口22eを全体的に覆うように取り付けられている。吸収液供給ヘッダ21bは、積層体20のうち吸収流路22aの吸収液用の入口22fが設けられた側面に、全ての吸収流路22aの吸収液用の入口22fを全体的に覆うように取り付けられている。吸収後混合流体排出ヘッダ21cは、積層体20のうち吸収流路22aの出口22gが設けられた側面に、全ての吸収流路22aの出口22gを全体的に覆うように取り付けられている。吸収装置第1温調供給ヘッダ21dは、積層体20のうち吸収装置第1温調流路23aの入口23cが設けられた側面に、全ての吸収装置第1温調流路23aの入口23cを全体的に覆うように取り付けられている。吸収装置第1温調排出ヘッダ21eは、積層体20のうち吸収装置第1温調流路23aの出口23dが設けられた側面に、全ての吸収装置第1温調流路23aの出口23dを全体的に覆うように取り付けられている。吸収装置第2温調供給ヘッダ21fは、積層体20のうち吸収装置第2温調流路24aの入口24cが設けられた側面に、全ての吸収装置第2温調流路24aの入口24cを全体的に覆うように取り付けられている。吸収装置第2温調排出ヘッダ21gは、積層体20のうち吸収装置第2温調流路24aの出口24dが設けられた側面に、全ての吸収装置第2温調流路24aの出口24dを全体的に覆うように取り付けられている。吸収装置2は、積層体20のうち吸収装置第1温調排出ヘッダ21e及び吸収装置第2温調排出ヘッダ21gが取り付けられた側面が下を向くとともにその側面と反対側の側面が上を向くような姿勢で設置されている。
吸収部22では、原料ガスと吸収液が各吸収流路22aに導入されて前記貫通孔22dの部分で合流し、その合流した原料ガスと吸収液の混合流体が総体的には吸収部22(積層体20)の下部から上部へ向かって各吸収流路22a内を流れながら原料ガスから吸収液へ目的成分が吸収されるようになっている。なお、吸収部22では、目的成分の吸収によって吸収熱が生じる。吸収装置温調部24では、後述するように膨張機18から排出された目的成分のガスが吸収装置第1温調流路23aに導入されるとともに、低温の冷却媒体が吸収装置第2温調流路24aに導入される。吸収装置第1温調流路23aに導入された目的成分のガスは、吸収装置第1温調流路23aを流れながら吸収流路22aを流れる混合流体と熱交換し、吸収装置第2温調流路24aに導入された冷却媒体は、吸収装置第2温調流路24aを流れながら吸収流路22aを流れる混合流体と熱交換し、それによって前記吸収熱が除熱されるようになっている。このような除熱により、吸収流路22aを流れる混合流体の温度が目的成分の吸収に適切な温度に調節されるようになっている。
再生装置4(図1参照)は、吸収装置2で目的成分を吸収した後の吸収液から目的成分を放散させて当該吸収液をフレッシュな状態に再生する装置である。再生装置4は、吸収液から目的成分を放散させてその吸収液を再生させる再生工程が行われる再生部26と、再生部26内を流れる吸収液の温度を調節するための再生装置温調部28とを有する。図1では再生部26及び再生装置温調部28が模式的に示されているが、具体的には、再生装置4は、吸収装置2と同様、積層された多数のプレートからなる積層体を有し、この積層体内に設けられた多数の流路によって再生部26及び再生装置温調部28が形成されている。
詳しくは、再生装置4の積層体を形成する多数のプレートには、複数の再生プレート25a(図7参照)と、複数の再生装置第1温調プレート25b(図8参照)と、複数の再生装置第2温調プレート25c(図9参照)とが含まれており、再生部26は、各再生プレート25aに設けられた複数の再生流路26a(図7参照)を有し、再生装置温調部28は、各再生装置第1温調プレート25bに設けられた複数の再生装置第1温調流路27a(図8参照)及び各再生装置第2温調プレート25cに設けられた複数の再生装置第2温調流路28a(図9参照)を有する。再生装置第1温調流路27a及び再生装置第2温調流路28aは、本発明における再生装置温調流路の一例である。各再生流路26a、各再生装置第1温調流路27a及び各再生装置第2温調流路28aは、いわゆるマイクロチャネル(微細流路)である。再生装置第1温調プレート25bと再生装置第2温調プレート25cと再生プレート25aとは、この順で繰り返し積層されており、それにより、複数の再生装置第1温調流路27aが配列された層と複数の再生装置第2温調流路28aが配列された層と複数の再生流路26aが配列された層とが再生装置4の積層体内においてプレートの積層方向にこの順で繰り返し並ぶように配置されている。
各再生プレート25aの厚み方向の一方の面には、図7に示すように、その面方向に並ぶ複数の溝26bが形成されている。各溝26bは、再生プレート25aの四辺のうちの一辺に始端を有し、その始端から折り返しを繰り返しながら延び、前記始端が設けられた辺の対辺に終端を有する蛇行形状をなしている。そして、各再生プレート25aの一方の面に形成された各溝26bの開口がその一方の面に積層された他のプレートによって封止されることにより、複数の再生流路26aが形成されている。各再生流路26aのうち前記溝26bの始端に相当する部分がその再生流路26aの入口26cとなっており、各再生流路26aのうち前記溝26bの終端に相当する部分がその再生流路26aの出口26dとなっている。
また、各再生装置第1温調プレート25bの厚み方向の一方の面には、図8に示すように、その面方向に並ぶ複数の溝27bが形成されている。各溝27bは、再生装置第1温調プレート25bの四辺のうち再生流路26aの入口26cが設けられた側の辺に直交する辺でその入口26cから近い位置に始端を有し、その始端から溝26bに直交する方向に延びるとともに折り返しを繰り返しながら延び、その始端が設けられた辺の対辺に終端を有する蛇行形状をなしている。そして、各再生装置第1温調プレート25bの一方の面に形成された各溝27bの開口がその一方の面に積層された他のプレートによって封止されることにより、複数の再生装置第1温調流路27aが形成されている。各再生装置第1温調流路27aのうち前記溝27bの終端に相当する部分がその再生装置第1温調流路27aの入口27cとなっており、各再生装置第1温調流路27aのうち前記溝27bの終端に相当する部分がその再生装置第1温調流路27aの出口27dとなっている。
各再生装置第2温調プレート25cの厚み方向の一方の面には、図9に示すように、その面方向に並ぶ複数の溝28bが形成されている。各溝28bは、再生装置第2温調プレート25cの四辺のうち再生装置第1温調流路27aの入口27cが設けられた側の辺に始端を有し、その始端から再生装置第1温調プレート25bに設けられた溝27bと同様に折り返しを繰り返しながら延び、その始端が設けられた辺の対辺に終端を有する蛇行形状をなしている。各再生装置第2温調プレート25cの一方の面に形成された各溝28bの開口がその一方の面に積層された他のプレートによって封止されることにより、複数の再生装置第2温調流路28aが形成されている。各再生装置第2温調流路28aのうち前記溝28bの始端に相当する部分がその再生装置第2温調流路28aの入口28cとなっており、各再生装置第2温調流路28aのうち前記溝28bの終端に相当する部分がその再生装置第2温調流路28aの出口28dとなっている。
また、再生装置4は、吸収部22で原料ガスから目的成分を吸収した後の吸収液を各再生流路26aに供給するための吸収後吸収液供給ヘッダ29aと、後述のように各再生流路26aから排出される再生後の吸収液と目的成分のガスとの混合流体をまとめて排出するための再生後混合流体排出ヘッダ29bと、後述のように圧縮機16から排出された圧縮後の原料ガスを各再生装置第1温調流路27aに温調流体として供給するための再生装置第1温調供給ヘッダ29cと、各再生装置第1温調流路27aから排出される原料ガスをまとめて排出するための再生装置第1温調排出ヘッダ29dと、各再生装置第2温調流路28aに加熱媒体を供給するための再生装置第2温調供給ヘッダ29eと、各再生装置第2温調流路28aから排出される加熱媒体をまとめて排出するための再生装置第2温調排出ヘッダ29fとを備える。
吸収後吸収液供給ヘッダ29aは、再生装置4の積層体のうち再生流路26aの入口26cが設けられた側面に、全ての再生流路26aの入口26cを全体的に覆うように取り付けられている。再生後混合流体排出ヘッダ29bは、再生装置4の積層体のうち再生流路26aの出口26dが設けられた側面に、全ての再生流路26aの出口26dを全体的に覆うように取り付けられている。再生装置第1温調供給ヘッダ29cは、再生装置4の積層体のうち再生装置第1温調流路27aの入口27cが設けられた側面に、全ての再生装置第1温調流路27aの入口27cを全体的に覆うように取り付けられている。再生装置第1温調排出ヘッダ29dは、再生装置4の積層体のうち再生装置第1温調流路27aの出口27dが設けられた側面に、全ての再生装置第1温調流路27aの出口27dを全体的に覆うように取り付けられている。再生装置第2温調供給ヘッダ29eは、再生装置4の積層体のうち再生装置第2温調流路28aの入口28cが設けられた側面に、全ての再生装置第2温調流路28aの入口28cを全体的に覆うように取り付けられている。再生装置第2温調排出ヘッダ29fは、再生装置4の積層体のうち再生装置第2温調流路28aの出口28dが設けられた側面に、全ての再生装置第2温調流路28aの出口28dを全体的に覆うように取り付けられている。再生装置4は、再生装置第1温調供給ヘッダ29c及び再生装置第2温調排出ヘッダ29fが当該再生装置4の下部に配置されるとともに、再生装置第1温調排出ヘッダ29d及び再生装置第2温調供給ヘッダ29eが当該再生装置4の上部に配置されるような姿勢で設置されている。
再生部26では、吸収部22で原料ガスから目的成分を吸収した後の吸収液が各再生流路26aに導入され、その導入された吸収液が総体的には再生部26の下部から上部へ向かって各再生流路26aを流れながら目的成分を放散し、フレッシュな状態に再生するようになっている。再生装置温調部28では、後述するように圧縮機16から排出された圧縮後の原料ガスが再生装置第1温調流路27aに導入されるとともに、高温の加熱媒体(スチーム等)が再生装置第2温調流路28aに導入される。再生装置第1温調流路27aに導入された原料ガスは、再生装置第1温調流路27aを流れながら再生流路26aを流れる吸収液と熱交換し、再生装置第2温調流路28aに導入された加熱媒体は、再生装置第2温調流路28aを流れながら再生流路26aを流れる吸収液と熱交換し、それによってその吸収液が加熱されるようになっている。このような加熱により、再生流路26aを流れる吸収液の温度がその吸収液から目的成分を放散させるのに適切な温度に調節されるようになっている。再生装置第1温調流路27aの出口27dは、再生装置第1温調排出ヘッダ29d、配管、及び吸収装置2の原料ガス供給ヘッダ21aを介して吸収部22の各吸収流路22aの原料ガス用の入口22eと接続されている。このため、再生装置温調部28の再生装置第1温調流路27aから排出された原料ガスは、吸収部22の各吸収流路22aに導入されるようになっている。
吸収側分離器6(図1参照)は、吸収部22の各吸収流路22aの出口22gと吸収後混合流体排出ヘッダ21c及び配管を介して接続されている。各吸収流路22aの出口22gからは、各吸収流路22aにおいて目的成分を吸収した後の吸収液と吸収液に目的成分を吸収された後の原料ガスとの混合流体が排出され、吸収側分離器6には、この排出された混合流体が導入される。吸収側分離器6は、当該分離器6内に導入された混合流体を吸収液と原料ガスとに両者の比重差によって分離する。吸収側分離器6としては、公知である各種の気液分離器が用いられる。吸収側分離器6の上部にはガスの出口が設けられており、当該分離器6内で分離した原料ガスは、この出口から排出される。吸収側分離器6の下部には吸収液の出口が設けられており、当該分離器6内で分離した吸収液は、この出口から排出される。吸収側分離器6の吸収液の出口は、配管を介して吸収側ポンプ10に接続されている。
吸収側ポンプ10は、吸収側分離器6から排出された吸収液を送出するものである。吸収側ポンプ10は、吸収液を吐出する吐出部を有しており、この吐出部は、熱交換器14と接続されている。
再生側分離器8は、再生部26の各再生流路26aの出口26dと再生後混合流体排出ヘッダ29b及び配管を介して接続されている。各再生流路26aの出口26dからは、各再生流路26aにおいて再生された吸収液と各再生流路26aにおいて吸収液から放散された目的成分のガスとの混合流体が排出され、再生側分離器8には、この排出された混合流体が導入される。再生側分離器8は、当該分離器8内に導入された混合流体を吸収液と目的成分のガスとに両者の比重差によって分離する。再生側分離器8としては、公知である各種の気液分離器が用いられる。再生側分離器8の上部にはガスの出口が設けられており、当該分離器8内で分離した目的成分のガスは、この出口から排出される。再生側分離器8のガスの出口は、配管を介して膨張機18の後述する膨張室38の導入口42に接続されている。再生側分離器8の下部には吸収液の出口が設けられており、当該分離器8内で分離した吸収液は、この出口から排出される。再生側分離器8の吸収液の出口は、配管を介して再生側ポンプ12に接続されている。
再生側ポンプ12は、再生側分離器8から排出された吸収液を送出するものである。再生側ポンプ12は、吸収液を吐出する吐出部を有しており、この吐出部は、熱交換器14と接続されている。
熱交換器14は、間接式の熱交換器であり、吸収側分離器6から排出されて吸収側ポンプ10によって送出された吸収液と、再生側分離器8から排出されて再生側ポンプ12によって送出された吸収液とを熱交換させる。この熱交換により、吸収側分離器6から排出された吸収液はある程度温められ、再生側分離器8から排出された吸収液はある程度冷却されるようになっている。熱交換器14のうち吸収側分離器6からの吸収液が流れる流路は、配管を介して再生装置4の吸収後吸収液供給ヘッダ29aに繋がり、それによって再生部26の各再生流路26aの入口26cと接続されている。熱交換器14のうち再生側分離器8からの吸収液が流れる流路は、配管を介して吸収装置2の吸収液供給ヘッダ21bに繋がり、それによって吸収部22の各吸収流路22aの吸収液用の入口22fと接続されている。
圧縮機16は、原料ガス供給源20と接続されており、その供給源20から供給される原料ガスを圧縮するものである。圧縮機16は、圧縮後の原料ガスを排出する排出口を有する。この排出口は、再生装置4の再生装置第1温調供給ヘッダ29cに繋がり、それによって再生装置温調部28の再生装置第1温調流路27aの入口27cと繋がっている。これにより、圧縮機16での圧縮によって圧縮熱を生じ、昇温した圧縮後の原料ガスが、再生装置温調部28の再生装置第1温調流路27aに導入されるようになっている。
膨張機18は、圧縮機16を駆動するための電力をガスの膨張力を利用して生み出すものである。図10には、膨張機18の内部構造が概略的に示されている。膨張機18は、この図10に示すように、ケーシング32と、膨張機ロータ34と、発電機36とを有する。
ケーシング32内には、互いに隣接して配置された膨張室38と発電機室40とが設けられている。また、ケーシング32には、膨張室38内へ目的成分のガスを導入するための導入口42と、膨張室38から膨張後の目的成分のガスを導出するための導出口44とが設けられている。導入口42は、再生側分離器8のガスの出口と繋がっている。導出口44は、吸収装置第1温調供給ヘッダ21dに繋がっており、それによって吸収装置第1温調流路23aの入口23cと繋がっている。
膨張機ロータ34は、その軸回りに回転自在となるように膨張室38内に収容されている。膨張機ロータ34は、再生側分離器8から排出され、導入口42を通じて膨張室38に導入された目的成分のガスの膨張力を受けて回転する。一方、膨張室38に導入された目的成分のガスは、膨張機ロータ34を回転させるに伴って膨張する。この目的成分のガスは、膨張に伴って降温し、導出口44からは、低温となった膨張後の目的成分のガスが導出されるようになっている。
発電機36は、発電機室40内に設けられている。発電機36は、膨張機ロータ34の回転力を受けて発電を行うものである。具体的には、発電機36は、膨張機ロータ34の回転軸に同軸となるように取り付けられた発電機ロータ46と、その発電機ロータ46の径方向外側を囲むように配置されたステータ48とを有する。発電機ロータ46は、膨張機ロータ34が回転することによってその膨張機ロータ34と共に回転する。この発電機ロータ46の回転によって、当該発電機ロータ46とステータ48との間で発電が行われるようになっている。発電機36は、電気配線を介して圧縮機16(図1参照)と接続されている。発電機36において発電された電力は、電気配線を通じて圧縮機16へ供給され、圧縮機16は、この電力が供給されることにより作動して原料ガスの圧縮を行うようになっている。
次に、本実施形態による分離装置1を用いた原料ガスからの目的成分の分離方法について説明する。
図1を参照して、分離対象の目的成分を含む原料ガスが原料ガス供給源20から圧縮機16へ供給される。原料ガスは、例えば、火力発電所や各種燃焼機関等から排出される排ガスであり、目的成分は、例えば、その排ガス中に含まれる二酸化炭素である。圧縮機16は、供給された原料ガスを圧縮し、その圧縮によって圧縮熱が発生する(圧縮工程)。この圧縮熱の発生によって昇温した圧縮後の原料ガスは、圧縮機16から再生装置温調部28の再生装置第1温調流路27a(図8参照)へ供給されてその再生装置第1温調流路27aを流れる。その後、再生装置第1温調流路27aから排出された圧縮後の原料ガスは、吸収部22の各吸収流路22a(図3参照)へ導入される。また、各吸収流路22aには、図略の吸収液供給源から吸収液が導入される。吸収液としては、原料ガス中の目的成分のみを選択的に吸収する液体が用いられる。具体的には、例えば目的成分が二酸化炭素である場合には、アミン系溶剤、アミン系溶剤の水溶液、イオン性液体、又は、水等が吸収液として用いられる。
各吸収流路22aに導入された原料ガスと吸収液は、合流して互いに接触した状態で各吸収流路22aを流れ、その過程で原料ガスから吸収液に目的成分が吸収される(吸収工程)。この吸収工程では、吸収熱が発生する。
一方、吸収装置第1温調流路23a(図5参照)には、後述のように膨張機18から排出された膨張後の低温の目的成分のガスが導入されて流れる。各吸収流路22a(図3参照)を流れる吸収液及び原料ガスは、その目的成分のガスと熱交換する。また、吸収装置第2温調流路24a(図6参照)には、低温の冷却媒体が導入されて流れ、各吸収流路22aを流れる吸収液及び原料ガスは、この冷却媒体とも熱交換する。これらの熱交換により、前記吸収工程で生じた吸収熱が除熱される。
吸収部22の各吸収流路22aからは、目的成分を吸収した後の吸収液とその吸収液に目的成分を吸収された後の原料ガスとの混合流体が排出され、その排出された混合流体は吸収側分離器6(図1参照)に導入される。吸収側分離器6に導入された混合流体は、目的成分を含有する吸収液と吸収液に目的成分を吸収された後の原料ガスとに分離される(吸収後分離工程)。
目的成分を吸収された後の原料ガスは、吸収側分離器6の上部の出口から排出されて回収される。なお、吸収側分離器6から排出されるガスは、大気中に放出してもよい。目的成分を含有する吸収液は、吸収側分離器6の下部の出口から排出されて吸収側ポンプ10により熱交換器14を介して再生部26の各再生流路26a(図7参照)へ送られる。各再生流路26aに導入された吸収液は、その各再生流路26aを流れつつ、再生装置温調部28の再生装置第1温調流路27a(図8参照)を流れる前記昇温した圧縮後の原料ガスと熱交換する。また、再生装置第2温調流路28a(図9参照)には、高温の加熱媒体が導入されて流れ、各再生流路26aを流れる吸収液は、この加熱媒体とも熱交換する。これらの熱交換によって各再生流路26aを流れる吸収液は加熱され、それによって当該吸収液から目的成分のガスが放散される。そして、吸収液は、目的成分のガスを放散することにより、その目的成分のガスを吸収する前のフレッシュな状態に再生される(再生工程)。
再生部26の各再生流路26aからは、放散された目的成分のガスと再生された吸収液との混合流体が排出され、その排出された混合流体は再生側分離器8(図1参照)に導入される。再生側分離器8に導入された混合流体は、目的成分のガスと再生された吸収液とに分離される(再生後分離工程)。
再生側分離器8で分離された吸収液は、再生側分離器8の下部の出口から排出されて再生側ポンプ12により熱交換器14を介して吸収部22の各吸収流路22a(図3参照)へ送られる。これにより、再生された吸収液が、再度、各吸収流路22aでの原料ガスからの目的成分の吸収に用いられる。なお、再生された吸収液が熱交換器14(図1参照)を通るときには、その吸収液は、吸収側分離器6から排出されて吸収側ポンプ10により送出された目的成分を含有する吸収液と熱交換する。これにより、再生された吸収液は、ある程度冷却され、目的成分を含有する吸収液は、ある程度温められる。
一方、再生側分離器8で分離された目的成分のガスは、再生側分離器8の上部の出口から排出されて膨張機18の導入口42を通じて膨張室38(図10参照)に導入される。膨張室38に導入された目的成分のガスは、その膨張力により膨張機ロータ34を回転させつつ、自らは膨張する(膨張工程)。この膨張に伴って目的成分のガスは降温し、低温となる。
膨張機ロータ34の回転に応じて、発電機ロータ46が膨張機ロータ34と一体的に回転し、ステータ48との間で発電を行う。発電された電力は、圧縮機16(図1参照)に供給され、圧縮機16を作動させるのに用いられる。
膨張後の低温となった目的成分のガスは、膨張室38から導出口44を通じて排出され、吸収装置第1温調流路23a(図5参照)に導入される。吸収装置第1温調流路23aに導入された目的成分のガスは、上述のように吸収装置第1温調流路23aを流れながら吸収熱の除熱を行い、その後、吸収装置第1温調流路23aから排出されて回収される。
以上のようにして、本実施形態による分離装置1を用いた原料ガスからの目的成分の分離方法が行われる。
本実施形態では、圧縮機16による圧縮工程で原料ガスが圧縮されることにより原料ガスに圧縮熱が生じて原料ガスが昇温し、その昇温した圧縮後の原料ガスを利用して、再生装置4における再生工程で吸収液から目的成分を放散させてその吸収液を再生させるために吸収液を加熱することができる。このため、再生装置4で吸収液を加熱するために別途供給する熱量を低減することができ、その結果、消費エネルギを低減することができる。
また、本実施形態では、圧縮機16で圧縮されて圧力が上昇した原料ガスが吸収装置2に供給されるため、吸収装置2における吸収工程では、圧力が高い条件下で原料ガスから目的成分を吸収液に吸収させることができる。その結果、吸収液の単位液量当たりでの吸収液の吸収量を増加させることができる。すなわち、原料ガスから吸収液への目的成分の吸収効率を高めることができる。そして、このように目的成分の吸収効率を高めることができることから、吸収液の液量を増加させる必要がなくなり、その結果、分離装置1の大型化を防ぐことができる。
また、分離装置1内で循環する吸収液の液量を削減することが可能であることから、分離装置1内での吸収液の顕熱を小さくすることができる。このため、再生部26で吸収液を加熱してその吸収液から目的成分を放散させるときに必要な熱量を削減できる。この観点からも消費エネルギを低減することができる。
また、本実施形態では、再生部26で吸収液から放散され、その後、再生側分離器8で分離された目的成分のガスの膨張力を利用して膨張機18の発電機36で発電が行われ、その発電された電力により圧縮機16を作動させて原料ガスを圧縮する。このため、圧縮機16に別途エネルギを供給して圧縮機16を作動させる場合に比べて、原料ガスの圧縮のために消費するエネルギ(電力)を低減することができる。
また、本実施形態では、膨張機18の発電機36で発電された電力を圧縮機16に供給するために発電機36と圧縮機16とを電気配線で接続するといった簡単な構成を採用することができる。このため、仮に、膨張機ロータ34の回転力を回転軸や歯車等を用いた機械的な伝達機構によって圧縮機16に伝達して圧縮機16を作動させるような場合に比べて、分離装置1の構成を簡素化することができる。
また、本実施形態では、膨張機18で膨張した目的成分のガスが吸収装置第1温調流路23aへ供給されて吸収部22の吸収流路22aを流れる原料ガス及び吸収液と熱交換し、それによって、原料ガスから吸収液への目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱が除熱される。すなわち、本実施形態では、膨張機18での膨張に伴って降温した目的成分のガスを利用して、吸収装置2での吸収工程において生じる吸収熱を除熱することができる。このため、吸収熱の除熱に用いる冷却媒体の使用量を削減することができる。
また、本実施形態では、マイクロチャネルである複数の吸収流路22a内で原料ガスから吸収液への目的成分の吸収を行うので、単位体積当たりの原料ガスに対する吸収液の接触面積を増やした状態で目的成分の吸収を行うことができ、目的成分の吸収効率をより高めることができる。
また、本実施形態では、吸収装置2の積層体20内においてマイクロチャネルである吸収流路22aを流れる原料ガス及び吸収液とその積層体20内において吸収流路22aに隣接するマイクロチャネルである吸収装置第1温調流路23a及び吸収装置第2温調流路24aを流れる低温の流体(膨張後の目的成分のガス及び冷却媒体)との間で熱交換させるので、原料ガス及び吸収液と低温の流体との間での熱交換効率を高めることができ、吸収熱の除熱効率を高めることができる。
また、本実施形態では、再生装置4の積層体内においてマイクロチャネルである再生流路26aを流れる吸収液とその積層体内において再生流路26aに隣接するマイクロチャネルである再生装置第1温調流路27a及び再生装置第2温調流路28aを流れる高温の流体(圧縮後の原料ガス及び加熱媒体)との間で熱交換させるので、吸収液と高温の流体との間での熱交換効率を高めることができ、吸収熱の加熱効率を高めることができる。その結果、再生流路26aでの吸収液からの目的成分の放散を促進することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
例えば、図11に示す上記実施形態の第1変形例のように、吸収側分離器6を再生側分離器8の高さ位置以上の高さ位置に配置してもよい。この構成によれば、吸収側分離器6で分離された吸収液が、サイフォン現象によって再生側分離器8側、すなわち再生装置4の再生部26側へ流れる。このため、上記実施形態の吸収側ポンプ10(図1参照)を省略することができ、その吸収側ポンプ10を省略しても再生部26へ吸収液を供給することができる。その結果、分離装置1の構成を簡素化できるとともに、吸収側ポンプ10の作動に要するエネルギを削減できる。
また、図12に示す上記実施形態の第2変形例のように、圧縮機16から排出された圧縮後の原料ガスは、再生装置温調部28の上下方向の中間部から下端にかけての領域を流れ、加熱媒体は、再生装置温調部28の上端部から上下方向の中間部にかけての領域を流れるようにしてもよい。
図13には、この第2変形例における再生装置4の積層体を構成する再生装置温調プレート25dの平面図が示されている。この第2変形例では、温調プレートとして1種類の再生装置温調プレート25dが設けられており、その再生装置温調プレート25dに再生装置第1温調流路27aと再生装置第2温調流路28aとが形成されている。
具体的に、圧縮後の原料ガスが流れる再生装置第1温調流路27aは、再生装置4の積層体の下半部、すなわち再生装置温調プレート25dの下半部に形成されており、その再生装置温調プレート25dの上下の中間部の一側縁から折り返しを繰り返しながら再生装置温調プレート25dの下端部の他側縁へ延びている。また、加熱媒体が流れる再生装置第2温調流路28aは、再生装置温調部28の積層体の上半部、すなわち再生装置温調プレート25dの上半部に形成されており、その再生装置温調プレート25dの上端部の一側縁から折り返しを繰り返しながら再生装置温調プレート25dの上下の中間部の他側縁へ延びている。圧縮後の原料ガスを排出する圧縮機16の排出口は、再生装置温調部28の中間部の一側部に設けられた再生装置第1温調供給ヘッダ29cを介して、各再生装置第1温調流路27aの入口27cに接続されている。これにより、圧縮機16から排出された圧縮後の原料ガスは、各再生装置第1温調流路27aに導入され、その後、総体的には再生装置温調部28の中間部から下端部へ向かって各再生装置第1温調流路27aを流れる。そして、各再生装置第1温調流路27aを流れた圧縮後の原料ガスは、その再生装置第1温調流路27aの出口27dから排出されるとともに再生装置温調部28の下端部の他側部に設けられた再生装置第1温調排出ヘッダ29dを通って排出される。また、加熱媒体は、再生装置温調部28の上端部の一側部に設けられた再生装置第2温調供給ヘッダ29eを介して、再生装置第2温調流路28aの入口28cに導入される。これにより、その加熱媒体は、総体的には再生装置温調部28の上端部から中間部へ向かって各再生装置第2温調流路28aを流れる。そして、各再生装置第2温調流路28aを流れた加熱媒体は、その再生装置第2温調流路28aの出口28dから排出されるとともに再生装置温調部28の中間部の他側部に設けられた再生装置第2温調排出ヘッダ29fを通って排出される。
また、図14には、この第2変形例における再生装置4の積層体を構成する再生プレート25aの平面図が示されている。再生流路26aは、再生プレート25aのうち再生装置温調プレート25dの再生装置第1温調流路27a及び再生装置第2温調流路28aが設けられた領域と概ね重なる領域に設けられている。
再生部26の各再生流路26aには、吸収後吸収液供給ヘッダ29aを介してその入口26cから吸収液が導入され、その後、総体的には上部へ向かって吸収液が各再生流路26aを通って出口26d側へ流れる。この際、再生部26の下部では、比較的小さな熱量で吸収液から目的成分を放散させることが可能であるが、上部へ向かうに従って吸収液の加熱が進むとともに目的成分の放散が促進されると、目的成分をより放散させるために大きな熱量が必要になる。この第2変形例では、吸収液からの目的成分の放散に必要な熱量が比較的小さい再生部26の下部から中間部にかけての領域では、吸収液と圧縮熱により昇温した圧縮後の原料ガスとを熱交換させることにより吸収液を加熱して目的成分を放散させる。そして、吸収液からの目的成分の放散に必要な熱量が大きくなる再生部26の中間部から上部にかけての領域では、圧縮後の原料ガスよりも高温の加熱媒体と吸収液とを熱交換させることにより吸収液を加熱して目的成分を放散させる。
また、図15に示す第3変形例のように、再生側分離器8から排出される目的成分のガスの代わりに、吸収側分離器6から排出される目的成分を吸収された後の原料ガスを膨張機18へ供給するようにしてもよい。この第3変形例では、再生側分離器8のガスの出口は膨張機18の膨張室38の導入口42(図10参照)に繋がっておらず、その代わりに、吸収側分離器6のガスの出口が配管を介して膨張室38の導入口42に繋がる。吸収側分離器6から排出された原料ガスは、ある程度高圧であり、当該第3変形例では、この原料ガスを膨張室38へ導入してその原料ガスの膨張力により膨張機ロータ34(図10参照)を回転させる。これにより、発電機ロータ46が回転し、発電機36にて発電が行われる。発電機36によって発電された電力は、圧縮機16に供給されて圧縮機16を作動させるのに用いられる。この第3変形例によっても、原料ガスの圧縮のために消費するエネルギを低減することができる。
また、圧縮機16を作動させるための電力を発電するのに、再生側分離器8から排出される目的成分のガスと吸収側分離器6から排出される目的成分を吸収された後の原料ガスとを両方とも利用してもよい。図16には、このような場合の例である第4変形例の分離装置1が示されている。
この第4変形例の分離装置1は、第1圧縮機16と、第2圧縮機52と、第1膨張機18と、第2膨張機54とを備える。
第1圧縮機16と第1膨張機18の構成は、上記圧縮機16及び膨張機18の構成と同様である。第2圧縮機52には、原料ガス供給源20から原料ガスが供給される。第2圧縮機52は、その供給された原料ガスを圧縮する。圧縮後の原料ガスを排出する第2圧縮機52の排出口は、再生装置温調部28のうち圧縮後の原料ガスを流す再生装置第1温調流路27a(図13参照)の入口27cに接続されている。これにより、第1圧縮機16から排出される圧縮後の原料ガスと第2圧縮機52から排出される圧縮後の原料ガスの両方が、再生装置第1温調流路27aに導入されるようになっている。
第2膨張機54の内部構造は、上記した膨張機18の内部構造と同様である。第1膨張機18の膨張室38の導入口42(図10参照)には、再生側分離器8のガスの出口が繋がり、第2膨張機54の膨張室の導入口には、吸収側分離器6のガスの出口が繋がっている。第1膨張機18では、上記膨張機18と同様に、再生側分離器8から排出されて膨張室38に導入された目的成分のガスの膨張力により膨張機ロータ34(図10参照)が回転し、それに伴って発電機36が発電する。第1膨張機18の発電機36が発電した電力は、第1圧縮機16に供給されて第1圧縮機16を作動させるために用いられる。一方、第2膨張機54では、吸収側分離器6から排出されてその第2膨張機54の膨張室に導入された、目的成分を吸収された後の原料ガスの膨張力により膨張機ロータが回転し、それにともなって第2膨張機54の発電機が発電する。第2膨張機54の発電機は、電気配線を介して第2圧縮機52に接続されている。第2膨張機54の発電機が発電した電力は、第2圧縮機52に供給されて第2圧縮機52を作動させるために用いられる。
この第4変形例によれば、再生側分離器8から排出される目的成分のガスと吸収側分離器6から排出される目的成分を吸収された後の原料ガスの両方を利用して、原料ガスを圧縮する圧縮機16,32を作動させるための電力を生み出すことができるため、より消費エネルギを削減することができる。
また、上述のように膨張機の発電機で発電した電力を圧縮機へ供給して圧縮機を作動させる代わりに、膨張機で生み出された運動エネルギ、すなわち膨張機ロータの回転力を回転軸や歯車等からなる機械的な伝達装置により圧縮機へ伝達して圧縮機を作動させるようにしてもよい。
また、本発明の参考例として、分離装置は、必ずしも膨張機を備えていなくてもよい。具体的には、圧縮機に電力を供給するために、必ずしも、再生側分離器で分離された目的成分のガス、又は、吸収側分離器で分離された目的成分を吸収された後の原料ガスを利用して膨張機の発電機で発電を行わなくてもよく、圧縮機を作動させるための全ての電力を電源から圧縮機に供給してもよい。
1 分離装置
2 吸収装置
4 再生装置
6 吸収側分離器
8 再生側分離器
16 圧縮機
18 膨張機
22 吸収部
24 吸収装置温調部
26 再生部
28 再生装置温調部
34 膨張機ロータ
36 発電機

Claims (14)

  1. 分離対象としての目的成分を含有する混合ガスである原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させる吸収装置と、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液から前記目的成分を放散させてその吸収液を再生する再生装置と、原料ガスを圧縮するための第1圧縮機と、供給されるガスの膨張力により作動してエネルギを生み出す第1膨張機とを備えた分離装置を用いて、原料ガスから前記目的成分を分離する分離方法であって、
    前記吸収装置内で原料ガスと吸収液とを互いに接触させてその原料ガス中の前記目的成分を吸収液に吸収させる吸収工程と、
    前記吸収工程において前記目的成分を吸収した吸収液を前記再生装置内で加熱することによりその吸収液から前記目的成分を放散させてその吸収液を再生する再生工程と、
    前記再生工程において放散された前記目的成分と再生された吸収液との混合流体を前記目的成分のガスと吸収液とに分離する再生後分離工程と、
    前記吸収工程及び前記再生工程に先立って、原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを前記第1圧縮機により圧縮する第1圧縮工程と、
    前記再生後分離工程において分離された前記目的成分のガスを前記第1膨張機に供給してその目的成分のガスの膨張力で前記第1膨張機を作動させるとともに当該目的成分のガスを膨張させる第1膨張工程とを備え、
    前記再生工程では、前記第1圧縮工程で圧縮した原料ガスを前記再生装置へ供給して吸収液と熱交換させることにより当該吸収液を加熱し、
    前記吸収工程では、前記第1圧縮工程により圧縮された状態で且つ前記再生装置において吸収液と熱交換させた後の原料ガスを、前記吸収装置へ吸収液に前記目的成分を吸収させる原料ガスとして供給し、
    前記第1圧縮工程では、前記第1膨張機によって生み出されたエネルギを前記第1圧縮機に供給して原料ガスを圧縮するように前記第1圧縮機を作動させる、分離方法。
  2. 前記分離装置は、前記吸収装置、前記再生装置、前記第1圧縮機及び前記第1膨張機に加えて、原料ガスを圧縮するための第2圧縮機と、供給されるガスの膨張力により作動してエネルギを生み出す第2膨張機とを備えており、
    前記分離方法は、前記吸収工程及び前記再生工程に先立って、原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを前記第2圧縮機により圧縮する第2圧縮工程と、前記吸収工程において吸収液に前記目的成分を吸収された後の原料ガスを前記第2膨張機に供給してその原料ガスの膨張力で前記第2膨張機を作動させるとともに当該原料ガスを膨張させる第2膨張工程とをさらに備え、
    前記再生工程では、前記第1圧縮工程で圧縮した原料ガス及び前記第2圧縮工程で圧縮した原料ガスを前記再生装置へ供給して吸収液と熱交換させることにより当該吸収液を加熱し、
    前記吸収工程では、前記再生装置において吸収液と熱交換させた後の原料ガスを、前記吸収装置へ吸収液に前記目的成分を吸収させる原料ガスとして供給し、
    前記第2圧縮工程では、前記第2膨張機によって生み出されたエネルギを前記第2圧縮機に供給して原料ガスを圧縮するように前記第2圧縮機を作動させる、請求項1に記載の分離方法。
  3. 前記第1膨張機は、供給されるガスの膨張力により回転する膨張機ロータと、この膨張機ロータの回転力を受けて発電する発電機とを有しており、
    前記第1圧縮工程では、前記発電機によって発電された電力を前記エネルギとして前記第1圧縮機に供給して当該第1圧縮機を作動させる、請求項1又は2に記載の分離方法。
  4. 前記吸収工程では、前記第1膨張工程で膨張した前記目的成分のガスを前記吸収装置へ供給して原料ガス及び吸収液と熱交換させることにより、原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分離方法。
  5. マイクロチャネルである複数の吸収流路が配列された層とマイクロチャネルである複数の吸収装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を有する前記吸収装置を備えた前記分離装置を用い、
    前記吸収工程では、前記吸収流路に原料ガスと吸収液とを互いに接触させた状態で流通させながらその原料ガスから吸収液へ前記目的成分を吸収させるとともに、前記吸収装置温調流路に原料ガス及び吸収液よりも低温の流体を流通させてその流体と前記吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液との間で熱交換させることにより前記吸収流路での原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離方法。
  6. 前記吸収工程において吸収液に前記目的成分を吸収された後の原料ガスと前記目的成分を吸収した後の吸収液との混合流体を原料ガスと吸収液とに分離する吸収後分離工程をさらに備え、
    前記吸収後分離工程において分離された吸収液をサイフォン現象を利用して前記再生装置へ供給する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分離方法。
  7. マイクロチャネルである複数の再生流路が配列された層とマイクロチャネルである複数の再生装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を有する前記再生装置を備えた前記分離装置を用い、
    前記再生工程では、前記吸収工程において前記目的成分を吸収した吸収液を前記再生流路に流通させるとともに、前記第1圧縮工程で圧縮した原料ガスを前記再生装置温調流路に流通させてその原料ガスと前記再生流路を流れる吸収液との間で熱交換させることにより、前記再生流路を流れる吸収液を加熱してその吸収液から前記目的成分を放散させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分離方法。
  8. 分離対象としての目的成分を含有する混合ガスである原料ガスから前記目的成分を分離する分離装置であって、
    原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させる吸収装置と、
    前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液から前記目的成分を放散させてその吸収液を再生する再生装置と、
    前記再生装置において放散された前記目的成分のガスと再生された吸収液との混合流体が導入され、その混合流体を前記目的成分のガスと吸収液とに分離する再生側分離器と、
    原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを圧縮する第1圧縮機と、
    ガスの膨張力により回転する第1膨張機ロータを有していてその第1膨張機ロータが回転することによりエネルギを生み出す第1膨張機とを備え、
    前記再生装置は、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液が導入され、その吸収液から前記目的成分を放散させて当該吸収液を再生させる再生部と、前記第1圧縮機によって圧縮された原料ガスが導入され、その原料ガスと前記再生部に導入された吸収液とを熱交換させることにより前記再生部に導入された吸収液を加熱する再生装置温調部とを有し、
    前記吸収装置には、前記第1圧縮機によって圧縮された後、前記再生装置温調部において吸収液と熱交換した後の原料ガスが導入され、当該吸収装置は、その導入された原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させ、
    前記第1膨張機には、前記再生側分離器において分離された前記目的成分のガスが導入され、この導入された前記目的成分のガスの膨張力によって前記第1膨張機ロータが回転し、
    前記第1圧縮機は、前記第1膨張機によって生み出されたエネルギを受けて作動し、原料ガスを圧縮する、分離装置。
  9. 原料ガスに圧縮熱を生じさせるようにその原料ガスを圧縮する第2圧縮機と、
    ガスの膨張力により回転する第2膨張機ロータを有していてその第2膨張機ロータが回転することによりエネルギを生み出す第2膨張機とをさらに備え、
    前記再生装置温調部は、前記第1圧縮機によって圧縮された原料ガス及び前記第2圧縮機によって圧縮された原料ガスが導入され、それらの原料ガスと前記再生部に導入された吸収液とを熱交換させることにより前記再生部に導入された吸収液を加熱
    前記吸収装置には、前記再生装置温調部において吸収液と熱交換した後の原料ガスが導入され、当該吸収装置は、その導入された原料ガスから前記目的成分を吸収液に吸収させ、
    前記第2膨張機には、前記吸収装置において吸収液に前記目的成分を吸収された後の原料ガスが導入され、前記第2膨張機ロータは、この第2膨張機に導入された原料ガスの膨張力によって回転し、
    前記第2圧縮機は、前記第2膨張機によって生み出されたエネルギを受けて作動して原料ガスを圧縮する、請求項8に記載の分離装置。
  10. 前記第1膨張機は、前記第1膨張機ロータの回転力を受けて発電する発電機を有し、
    前記第1圧縮機は、前記発電機と電気的に接続されていて、前記発電機によって発電された電力を受けて作動する、請求項8又は9に記載の分離装置。
  11. 前記吸収装置は、原料ガスと吸収液が導入され、その導入された原料ガスと吸収液とを互いに接触させて当該原料ガスから当該吸収液に前記目的成分を吸収させる吸収部と、前記第1膨張機から排出された膨張後の前記目的成分のガスが導入され、その目的成分のガスと前記吸収部に導入された原料ガス及び吸収液とを熱交換させることにより、原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱する吸収装置温調部とを有する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の分離装置。
  12. 前記吸収装置は、原料ガスと吸収液が導入され、その導入された原料ガスと吸収液とを互いに接触させた状態で流通させながら当該原料ガスから当該吸収液に前記目的成分を吸収させるマイクロチャネルである複数の吸収流路が配列された層と、前記吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液よりも低温の流体が導入され、その導入された流体を流通させながらその流体と前記吸収流路を流れる原料ガス及び吸収液との間で熱交換させることにより前記吸収流路での原料ガスから吸収液への前記目的成分の吸収に伴って生じる吸収熱を除熱するマイクロチャネルである複数の吸収装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を備える、請求項8〜11のいずれか1項に記載の分離装置。
  13. 前記吸収装置において前記目的成分を吸収した後の吸収液とその吸収液によって前記目的成分を吸収された後の原料ガスとの混合流体が導入され、その混合流体を吸収液と原料ガスとに分離する吸収側分離器をさらに備え、
    前記吸収側分離器は、前記再生装置と接続されていて、当該吸収側分離器で分離された吸収液がサイフォン現象によって前記再生装置へ流れるように前記再生側分離器の高さ位置以上の高さ位置に配置されている、請求項8〜12のいずれか1項に記載の分離装置。
  14. 前記再生部は、前記吸収装置において前記目的成分を吸収した吸収液が導入され、その導入された吸収液を流通させながらその吸収液から前記目的成分を放散させて当該吸収液を再生させるマイクロチャネルである複数の再生流路を有し、
    前記再生装置温調部は、前記第1圧縮機によって圧縮された原料ガスが導入され、その導入された原料ガスを流通させながらその原料ガスと前記再生流路を流れる吸収液との間で熱交換させることにより前記再生流路を流れる吸収液を加熱するマイクロチャネルである複数の再生装置温調流路を有し、
    前記再生装置は、複数の前記再生流路が配列された層と複数の前記再生装置温調流路が配列された層とが積層された積層体を備える、請求項8〜13のいずれか1項に記載の分離装置。
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