JP5737845B2 - 振動型駆動装置の制御装置 - Google Patents
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Description
電気−機械エネルギー変換素子と、前記電気−機械エネルギー変換素子に接合され突起部が設けられた弾性体と、を備える振動子を有する振動型駆動装置の制御装置であって、前記振動子は、前記振動子に駆動信号が印加されることで、前記突起部に接触する被駆動体と相対移動し、前記被駆動体は、前記相対移動方向に端部を有し、前記振動子には、前記相対移動に寄与する振動に前記相対移動には寄与しない振動が重畳され、前記振動子の振動状態を示す信号と、前記被駆動体の一部に設けられ前記被駆動体の振動を検出する被駆動体側振動検出部から出力される信号のうち前記相対移動に寄与しない振動に対応する信号と、に基づいて求められる、前記被駆動体内における、前記突起部との接触部から前記被駆動体側振動検出部までの振動の伝搬時間に基づいて、前記振動子と前記被駆動体との相対位置を検出する位置検出手段を有する。
また、本発明の制御装置は、
電気−機械エネルギー変換素子と、前記電気−機械エネルギー変換素子に接合され突起部が設けられた弾性体と、を備える振動子を有する振動型駆動装置の制御装置であって、前記振動子は、駆動信号が印加されることで、前記突起部に接触する被駆動体と相対移動し、前記被駆動体は、前記相対移動方向に端部を有し、前記振動子には、前記相対移動に寄与する振動に前記相対移動には寄与しない振動が重畳され、前記振動子の振動状態を示す信号と、前記被駆動体の一部に設けられ前記被駆動体の振動を検出する被駆動体側振動検出部から出力される信号のうち前記相対移動に寄与しない振動に対応する信号と、に基づいて求められる、前記被駆動体内を伝搬するの、前記突起部との接触部と前記被駆動体側振動検出部出の位相差に基づいて、前記振動子と前記被駆動体との相対位置を検出する位置検出手段を有する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る振動型駆動装置と制御装置の構成を示す図である。本発明の第1の実施形態では、図1に示す、振動子の振動状態を示す信号として圧電素子5から出力される信号と、被駆動体側振動検出部8から出力される信号と、を用いて振動子と被駆動体側振動検出部の相対位置を検出する装置について説明する。
図1(a)に示す振動型駆動装置の制御装置は、振動型駆動装置に駆動信号を印加する駆動信号生成手段21を有し、その出力側には昇圧回路31が接続され昇圧回路により昇圧された信号が圧電素子5に印加されている。昇圧回路は駆動に寄与する周波数帯域において振動型駆動装置が動作可能な電圧まで昇圧する。電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子5は、矩形の板状に形成された金属材料から成る弾性体4の裏面に接合されている。圧電素子5が接合された面と反対側の弾性体4の表面には、駆動部としての突起部6が複数設けられており、突起部6に被駆動体7が加圧接触している。
位置検出手段17の機能について図2を用いて説明する。位置検出手段17は、振動振幅検出電極S1の検出する振動の信号と被駆動体側振動検出部の検出する振動の信号との位相差を検出する機能を持っている。
距離L=材料を伝播する振動の周期×材料の伝播速度×位相差/360度 (1)
図2(a)に示す振動振幅検出電極S1の時間―振幅における信号がサイン波形である時、図2(b)に示す被駆動体側振動検出回路19の出力側の時間―振幅における信号は中心値を閾値とする2値の信号に変換し出力された矩形の信号となる。同様に、図2(c)に示す被駆動体側振動検出部8の時間―振幅における信号がサイン波形である時、図2(d)に示す被駆動体側振動検出回路18の出力側の時間―振幅における信号は中心値を閾値とする2値の信号に変換し出力されるため矩形の信号となる。図2(c)に示す検出振動周期Tは図2に示す振動の周期であり、マイコン又はロジック回路で検出できる。
位相差=遅れ時間P/検出振動周期T (2)
つまり、位相差は、カウンタやロジック回路を用いて検出することができる。また、D/Aコンバータを用いて振動振幅検出電極S1と被駆動体側振動検出部8から出力される信号を比較して位相差を求めてもよい。
第1の実施形態では振動子と被駆動体側振動検出部が相対移動している時に距離Lを検出する形態に関して述べたが、本実施形態では振動子と被駆動体側振動検出部が相対移動せず停止している時に位置を検出する形態について述べる。
図3に示す振動型駆動装置の制御装置は、振動型駆動装置に伝播信号を印加する伝播信号生成手段22を有し、その出力側には圧電素子5が接続されている。伝播信号生成手段22から出力する信号は振動子と被駆動体の相対移動に寄与しない周波数の信号である。伝播信号生成手段22により圧電素子5に信号が印加され、突起部6に振動が励振される。突起部6の振動が被駆動体7を伝播し被駆動体側振動検出部8に到達する。被駆動体7の端部には、被駆動体7の振動を検出する被駆動体側振動検出部8が設けられている。被駆動体側振動検出部は電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子により構成されており、出力側には被駆動体側振動検出回路18が接続されている。被駆動体側振動検出回路18は、被駆動体側振動検出部8から出力された信号の中心値を閾値とする2値の信号に変換し出力側に出力する。被駆動体側振動検出回路の出力側には位置検出手段17が接続されている。
位置検出手段17の機能について図4を用いて説明する。位置検出手段17は、振動振幅検出電極S1が振動を検出する時間と、被駆動体側信号検出部が振動を検出する時間と、の時間差(振動の伝播時間TD)を検出する機能を持っている。
距離L=伝播時間TD×材料の伝播速度 (3)
このように、本実施形態では、振動子と被駆動体の相対移動に寄与しない周波数の信号を圧電素子に印加し、振動振幅検出電極S1の出力する信号と被駆動体側信号検出部8の出力する信号を用いて、振動振幅検出電極S1が振動を検出した時間と被駆動体側信号検出部8の振動を検出した時間との時間差(伝播時間TD)を検出する。このような時間差を検出することにより、振動型駆動装置が停止状態であっても、振動子と被駆動体側振動検出部の相対位置を検出することができる。
本実施形態では、振動子と被駆動体の相対移動に寄与する振動とは異なる振動(相対移動に寄与しない振動)を重畳して、距離Lを検出する形態について述べる。
実施形態1〜3では振動振幅検出電極S1を用いて振動子の振動を検出し、振動振幅検出電極S1から出力された信号を振動子の振動状態を示す信号として用いていた。本実施形態では、振動振幅検出電極S1を用いず、振動子に印加する信号を直接利用し、振動子の振動状態を示す信号として用いる。そして、振動子に印加する信号と被駆動体側信号検出部から出力される信号とから、距離Lを検出する。本実施形態に係る振動型駆動装置の構成を図8に示す。図1に示す振動子側振動検出回路19を除き第1の実施形態の構成と同様である。
図8に示す振動型駆動装置の制御装置は、振動型駆動装置に信号を印加する駆動信号生成手段21を有し、その出力側には昇圧回路31が接続され昇圧回路により昇圧された信号が圧電素子5に接続されている。駆動信号生成手段21から出力される信号は振動子と被駆動体の相対移動に寄与する周波数の信号である。駆動信号生成手段21により出力される信号が圧電素子5に印加されて突起部6に振動が印加され被駆動体7を伝播し被駆動体側振動検出部に到達する。また、駆動信号生成手段21の出力側には位置検出手段17が接続されている。位置検出手段17は被駆動体側振動検出回路18が出力する信号と駆動信号生成手段21の印加する信号との位相差を検出する機能を持っている。
本実施形態の振動型駆動装置の制御装置の構成は、図10を用いて説明する。本実施形態は複数の被駆動体側振動検出部を設けた形態であり、図10に示す被駆動体側振動検出部8bを除き第3の実施形態の構成と同様である。
位置検出手段17は、距離Lを伝播時間TDaと伝播時間TDbの比率から導出する。距離Lは伝播時間TDaと伝播時間TDbの比率と被駆動体長さLsの関係式(4)から導出できる。
距離L=(伝播時間TDa/(伝播時間TDa+伝播時間TDb))×被駆動体長さLs(4)
このように、本実施形態では、被駆動体に複数の振動検出部を設けることにより、複数の伝播時間を検出することができ、複数の伝播時間を比較することにより相対位置を検出することができる。また、前述の実施形態においては、材料の伝播速度が距離Lを求める関係式に表れていたが、本実施形態においては伝播時間同士の比率を用いるため材料の伝播速度は距離Lを求める関係式に表れない。よって温度環境下の変動やバラツキ等の影響を受けず精度を向上させることができる。また、本実施形態は、第1、第2、第4の実施形態においても同様に適用でき、複数の被駆動体側振動検出部の出力する複数の信号を用いて振動子と被駆動体側振動検出部の相対位置の検出が可能となる。
4 弾性体
5 圧電素子
6 突起部
7 被駆動体
8 被駆動体側振動検出部
17 位置演算手段
18 被駆動体側振動検出回路
19 振動子側振動検出回路
20 信号生成手段
21 駆動信号生成手段
22 伝播信号生成手段
23 信号重畳手段
24 駆動信号
25 伝播信号
26 重畳信号
28 伝播信号帯域通過手段
30 伝播時間検出手段
31 昇圧回路
Claims (11)
- 電気−機械エネルギー変換素子と、
前記電気−機械エネルギー変換素子に接合され、突起部が設けられた弾性体と、
を備える振動子を有する振動型駆動装置の制御装置であって、
前記振動子は、駆動信号が印加されることで、前記突起部に接触する被駆動体と相対移動し、
前記振動子には、前記相対移動に寄与する振動に前記相対移動には寄与しない振動が重畳され、
前記振動子の振動状態を示す信号と、前記被駆動体の一部に設けられ前記被駆動体の振動を検出する被駆動体側振動検出部から出力される信号のうち前記相対移動に寄与しない振動に起因する信号と、に基づいて求められる、前記被駆動体内における、前記突起部との接触部から前記被駆動体側振動検出部までの振動の伝搬時間に基づいて、前記振動子と前記被駆動体との相対位置を検出する位置検出手段を有することを特徴とする振動型駆動装置の制御装置。 - 前記位置検出手段は、前記伝搬時間と、前記被駆動体の材料の伝搬速度に基づいて前記相対位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の振動型駆動装置の制御装置。
- 電気−機械エネルギー変換素子と、
前記電気−機械エネルギー変換素子に接合され突起部が設けられた弾性体と、
を備える振動子を有する振動型駆動装置の制御装置であって、
前記振動子は、駆動信号が印加されることで、前記突起部に接触する被駆動体と相対移動し、
前記振動子には、前記相対移動に寄与する振動に前記相対移動には寄与しない振動が重畳され、
前記振動子の振動状態を示す信号と、前記被駆動体の一部に設けられ前記被駆動体の振動を検出する被駆動体側振動検出部から出力される信号のうち前記相対移動に寄与しない振動に起因する信号と、に基づいて求められる、前記被駆動体内を伝搬する振動の、前記突起部との接触部と前記被駆動体側振動検出部での位相差に基づいて、前記振動子と前記被駆動体との相対位置を検出する位置検出手段を有することを特徴とする振動型駆動装置の制御装置。 - 前記振動子の振動状態を示す信号は、前記振動子に印加する信号であり、
前記位置検出手段は、前記振動子に印加する信号と、前記被駆動体側振動検出部から出力される信号と、を用いて前記相対位置を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動型駆動装置の制御装置。 - 前記振動子の振動状態を示す信号は、前記振動子に設けられ前記振動子の振動を検出する振動子側振動検出部から出力される信号であり、
前記位置検出手段は、前記振動子側振動検出部から出力される信号と、前記被駆動体側振動検出部から出力される信号と、を用いて前記相対位置を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動型駆動装置の制御装置。 - 前記位置検出手段は、前記振動子に印加する信号もしくは前記振動子側振動検出部から出力される信号と、前記被駆動体側振動検出部から出力される信号と、の位相差から前記相対位置を検出することを特徴とする請求項4又は5に記載の振動型駆動装置の制御装置。
- 前記位置検出手段は、前記振動子に信号を印加する時間もしくは前記振動子側振動検出部が振動を検出する時間と、前記被駆動体側振動検出部の振動を検出する時間と、の時間差から前記相対位置を検出することを特徴とする請求項4又は5に記載の振動型駆動装置の制御装置。
- 前記位置検出手段は、前記振動子の振動状態を示す信号と、前記被駆動体に設けられた複数の前記被駆動体側振動検出部から出力される複数の信号と、を用いて前記相対位置を検出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動型駆動装置の制御装置。
- 前記振動子には、前記駆動信号が印加されることで2つの振動モードの振動が励振されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動型駆動装置の制御装置。
- 前記2つの振動モードの振動が組み合わさることにより前記突起部に楕円運動が生じることを特徴とする請求項9に記載の振動型駆動装置の制御装置。
- 前記振動子を有する前記振動型駆動装置と、
前記振動型駆動装置を制御する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の制御装置を有することを特徴とする装置。
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