JP5737840B2 - ミスト化防止成分を有する組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、、ミスト抑制剤組成物を含む組成物、およびミスト化またはアエロゾル化の減少されたレベルが望まれるコーティングプロセスにおけるその特定の使用に関する。
シリコーン系の紙剥離コーティング製剤が、充分に高い回転運動または並進運動にさらされる作業では、例えば、柔軟な担体と紙の高速ロールコーティングにおいて、ミスト化および/またはアアエロゾル化が重要な問題になりうることは周知である。これら問題は、剥離コーティング剤を1,000フィート/分に達するロールコーティング速度で塗布するとき、特に重要になるが、一方で、紙コーティング産業における傾向では、1,500フィート/分を超える速度、例えば、2,000から3,000フィート/分の速度を使用している。このミストとアアエロゾルの粒子は、製造作業に悪影響を及ぼす上に、コーティング装置の近くで作業したり労働したりする人々に対して産業衛生上および安全上の課題を提起する。
そのような作業中のミストの生成を減少させるために、「ミスト抑制剤」として一般的に既知である特定の化学物質製剤が、一般に使用されてきた。例えば、米国特許第6,805,914号および第6,489,407号(以下「’914号特許」および「’407号特許」)は、ケイ素に結合された水素基を分子当たり少なくとも3つ有する有機水素化ケイ素化合物(成分(a))の少なくとも1つを過剰量で、アルケニル基を分子当たり少なくとも2つ有する化合物(成分(b))の少なくとも1つと反応させることにより誘導されたシリコーンミスト抑制剤組成物を開示し、ここで、成分(b)のアルケニル基の数に対する成分(a)のケイ素に結合された水素原子の数の比は、少なくとも4.6:1であり、そしてより好ましくは、4.6:1から500:1までである。
米国特許第6,586,535号は、「’914号特許」および「’407号特許」と本質的には逆のものである、すなわち、ケイ素に結合された水素基を少なくとも2つ有する有機水素化ケイ素化合物の少なくとも1つを、ケイ素に結合されたアルケニル基を少なくとも3つ有する有機アルケニルシロキサン化合物の少なくとも1つの過剰量と、反応させることにより誘導されたシリコーンミスト抑制剤組成物を開示し、ここで、成分(b)のアルケニル基の数に対する成分(a)のケイ素に結合された水素原子の数の比は、1:4.6以下であり、そして好ましくは1:4.6から1:500まである。
米国特許第6,764,717号および6,956,096号は、:(a)少なくとも3つの脂肪族二重結合を有する炭化水素を、ケイ素に結合された水素原子を端末にもつオルガノシロキサン化合物の化学量論的に過剰量と、反応させる工程、(ここで脂肪族二重結合に対するケイ素に結合された水素の比は、1.3から10まで、そして好ましくは1.5から5まである);そして(b)生成した、ケイ素に結合された水素原子を有する炭化水素−シロキサン共重合体を、α,ω−ジアルケニルシロキサン重合体の化学量論的に過剰量と、反応させる工程、(ここで最初の工程で得られた炭化水素−シロキサン共重合体中のケイ素に結合された水素に対する、α,ω−ジアルケニルシロキサン重合体中の脂肪族二重結合の比は、1.2から10まで、好ましくは1.5から5.0までである)を含む二工程プロセスから誘導された、シリコーン系のミスト抑制剤組成物を開示する
米国特許第6,887,949号、第6,774,201号および第6,727,338号は、ミスト防止添加剤としてのシリコーンポリマーを開示し、ここで不飽和炭化水素化合物は、シリコーン重合体の合成に使われている。
米国特許第5,625,023号は、有機ケイ素化合物、オキシアルキレン含有化合物、および触媒を反応させることによって誘導されたミスト抑制剤組成物を開示する。
米国特許第5,399,614号は、アルケニル末端ポリジオルガノシロキサンと、シリルヒドリド末端有機水素化ポリシロキサンを含む接着剤組成物を開示する。
しかしながら、ミスト発生プロセスにおいて、特に高速コーティングプロセスで用いる場合にミスト化の減少されたレベルを持ち、一方ではコスト削減、製造の容易さ、そして使いやすさのような他の利点を提供するコーティング組成物、特に剥離紙組成物に対する必要性が依然としてある。
この目的や他の目的は、第一に、:
(i)ミスト発生の条件下でミスト化されやすい、シリコーン系コーティング成分;および、
(ii)、ミスト化防止量の分岐ポリシロキサン成分であって、:
(a)分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素官能基を有する、1つ以上の有機ケイ素化合物、この不飽和炭化水素官能基は、ヒドロシリル化条件下で、シリルヒドリド含有化合物によりヒドロシリル化反応を受けることが可能である;そして
(b)分子当たり少なくとも2つのシリルヒドリド官能基を有する、1つ以上のシリルヒドリド含有化合物。
を含有する成分混合物のヒドロシリル化条件下での共重合から生成する、分岐ポリシロキサン成分、
を含有する組成物(すなわち、コーティング製剤)を調製することによって達成された。
ただし、(i)成分(a)または(b)の少なくとも1つは、分子当たり少なくとも3つの官能基を有する;(ii)成分(a)または(b)の1つが、分子当たり、より小さい数の官能基を持つもう1つの成分(a)または(b)より、分子当たり、より大きい数の官能基を持つ場合、そのとき、分子当たり、より大きい数の官能基を持つ成分(a)または(b)は、分子当たり、より小さい数の官能基を持つ成分(a)または(b)のモル量と等しいかそれより小さいモル量で存在する;そして、(iii)不飽和炭化水素化合物は、成分混合物から除外される、という条件である。
1つの実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、式(6−s):1または1:(1+t)に従う範囲内であり、式中、sは0と等しいかもしくはそれより大きく、そして5より小さい数を表し、tは0より大きく、そして5と等しいかもしくはそれより小さい数を表す。
別の実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、式(4.6−s):1または1:(1+s)に従う範囲内であり、式中、sは0より大きく、そして3.6未満である数を表す。
別の実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、式(4.25−s):1または1:(1+t)に従う範囲内であり、式中、sは0と等しいかもしくはそれより大きく、そして3.25より小さい数を表し、tは0より大きく、そして3.25と等しいかもしくはそれより小さい数を表す。
さらに別の実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、約4.5:1から約2:1までの範囲内である。
特定の実施態様において、成分(a)または(b)の1つは、分子当たり少なくとも4つの、または少なくとも6つの、または少なくとも8つの、またはより大きい数の官能基を持ち、そして分子当たり2つまたは3つの官能基を持つもう1つの成分(a)または(b)より少ないモル量である。
本発明は、前記のコーティング製剤を、ミスト発生の条件下で基体(substrate)に塗布することを含有するコーティングプロセスも指向する。コーティング製剤は、ミスト化防止量の分岐ポリシロキサン成分がないことを除いて他は同じ組成物と比較して、このミスト発生の条件に置かれた場合に減少されたミスト化を示す。
本発明はまた、前記のように、コーティング製剤で被覆された基体を1つもしくはそれ以上の硬化工程にかけることによって生成する硬化されたシリコーン系のコーティングまたはフィルムを指向する。
本発明は、有利には、新規である分岐ポリシロキサンのミスト抑制剤を含む、剥離紙、接着剤、および関連コーティング組成物を提供する。このミスト抑制剤を含む組成物は、使用や製造が、経済的で、簡単であるという付加的な利点を提供する一方で、高速のコーティング作業のあいだミスト化を著しく減少させることが可能である。
本発明の組成物は、最低限で2つの成分、すなわち、(i)ミスト発生の条件下でミスト化されやすいシリコーン系コーティング成分;と、(ii)ミスト化防止量の分岐ポリシロキサン成分(ミスト化防止成分)とを含む。
シリコーン系コーティング成分は、例えば、ロールコーティング、吹付けなどによって、コーティングとして基体に塗布できるような、流動性の粘稠度をもつ必要がある。例えば、シリコーン系コーティング成分は、基体上のコーティングとして容易に塗布することができるように充分低い粘度をもつ、未硬化の、または部分的に硬化された液体であってよい。典型的には、シリコーン系コーティング成分は、1,500センチポアズ(cPs)未満の粘度を、より典型的には50から1,000cPsまでの範囲の、そしてさらに典型的には50から500cPsまでの範囲の粘度を持ち、ここで、1センチポアズ(cPs)=1ミリパスカル・秒(mPa.s)である。
シリコーン系コーティング成分は、シリコーン系のコーティングが、例えば、離型材、潤滑剤、保護剤、接着剤など、として有用である任意の用途を指向してよい。特に適切なタイプのシリコーン系コーティング成分は、周知の感圧粘着剤の類であり、これは表面に接着し、そして基体表面に痕跡量より多くの接着剤を残さずに、表面から容易に除去される特性をもつ。
例えば、シリコーン系コーティング成分は、技術上既知である任意の硬化可能なシリコーンのコーティングまたは剥離紙組成物であってよい。硬化可能なシリコーンのコーティング組成物の類の幾つかの例は、ヒドロシリル化反応による架橋、ペルオキシド硬化、光硬化(例えば、UV硬化)、および電子ビーム硬化によって硬化可能な組成物である。
1つの実施態様において、シリコーン系コーティング成分は、以下でさらに議論されるように、ヒドロシリル化反応の条件下で、例えば、ヒドロシリル化触媒の存在下で、架橋が可能な成分を含む。ヒドロシリル化反応の条件下で架橋が可能な成分は、(i)分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素官能基を有する1つもしくはそれ以上の有機ケイ素化合物、と(ii)分子当たり少なくとも2つのシリルヒドリド官能基を有する1つもしくはそれ以上のシリルヒドリド含有化合物とを含む。成分(i)の不飽和炭化水素基の幾つかの例は、ビニル、アリル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル、7−オクテニル、8−ノネイル、9−デケニル、10−ウンデケニル、4,7−オクタジエニル、5,8−ノナジエニルなどを含む。
成分(i)の不飽和有機ケイ素化合物、および成分(ii)のシリルヒドリド含有化合物は、独立して、例えば、低分子量の、シラン、ジシラン、トリシラン、シロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロトリシロキサン、またはシクロテトラトリシロキサンの化合物などであってよく、これらは、成分(i)に関しては少なくとも2つの不飽和炭化水素基、または成分(ii)に関しては少なくとも2つのシリルヒドリド官能基のいずれか一方をもつ。ミスト化防止成分用のこのタイプの化合物の各々に関して、以下に本明細書に記載する例にも同様にあてはまる。
その代わりに、成分(i)および/または(ii)は、M基、D基、T基、およびQ基の任意の2つもしくはそれ以上の組合せをもつ、任意の線状、分岐および/または架橋の重合体であってよく、ここで当業者に既知であるように、M基は、式RSiO1/2の単官能基を表し、D基は、式RSiO2/2の二官能基を表し、T基は、式RSiO3/2の三官能基を表し、そしてQ基は、式SiO4/2の四官能基を表し、ここで、R基は、水素、(例えば、CからCの)炭化水素基、ハロゲン基、アルコキシ基、および/またはアミノ基を含む任意の適切な基であってよく、ここで前記のシロキサンにおいてR基の少なくとも2つは、成分(i)に関しては少なくとも2つの不飽和炭化水素基、または成分(ii)に関しては少なくとも2つのシリルヒドリド官能基のいずれか一方である。成分(a)に適切なポリシロキサンの類の幾つかの例は、MDM、TD、MT、MDT、MDTQ、MQ、MDQ、およびMTQの類ポリシロキサン、そしてそれらの組合せを含み、これらは、成分(i)に関しては少なくとも2つの不飽和炭化水素基、または成分(ii)に関しては少なくとも2つのシリルヒドリド官能基のいずれか一方をもつ。
例えば、シリコーン系コーティング成分は、シリコーン系コーティング成分の全重量に基づいて、90から99重量%のビニル化されたポリジメチルシロキサン重合体と、1から10重量%のシリルヒドリドで官能基化されたシロキサン系化合物または重合体とを含む標準シリコーン剥離紙製剤であってよく、ここで、ビニル含有成分とシリルヒドリド含有成分の各々は、典型的には約20から500cPsの範囲の粘度をもつ。
典型的には、触媒阻害剤は、処理のあいだ触媒による硬化を防ぐために、または保管のあいだ製剤の容器内での寿命や安定性を延ばすために、コーティング製剤に含まれる。触媒阻害剤は、硬化させたい場合には硬化を妨げないのに、一方ではコーティングプロセスのあいだ硬化しないように触媒を阻害できる、当業者に既知の任意の化学薬品であってよい。例えば、触媒阻害剤は、コーティング製剤を塗布するあいだ室温で硬化しないように触媒を充分に阻害するが、硬化をさせたい場合に昇温すると阻害効果を失う化学薬品であってよい。この阻害剤は、典型的には組成物の重量の約5部から約15部までの量で組成物に含まれる。触媒阻害剤の幾つかの例は、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、不飽和アミド、アセチレン化合物、不飽和イソシアナート、不飽和炭化水素ジエステル、ヒドロペルオキシド、ニトリル、およびジアジリジンを含む。
ミスト化防止成分(すなわち、分岐ポリシロキサン成分)は、ミスト化防止量で本発明の組成物(すなわち、コーティング製剤)に含まれる。ミスト化防止量(ミスト抑制剤の量)は、本発明の組成物が、組成物のミスト化またはアアエロゾル化を通常は引き起こすプロセスで使用する場合に、ミスト化またはアアエロゾル化を減少させる量である。典型的には、ミスト化防止成分は、コーティング製剤の約0.1から約15重量パーセントの量で、そしてより典型的には、約0.5から約5重量パーセントの量でコーティング製剤に含まれる。
ミスト化防止成分は、分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素官能基を有する1つもしくはそれ以上の有機ケイ素化合物、すなわち成分(a)を、分子当たり少なくとも2つのシリルヒドリド官能基を有する1つもしくはそれ以上のシリルヒドリド含有化合物、すなわち成分(b)と、ヒドロシリル化反応条件下で、共重合させることから生成する。
成分(a)の有機ケイ素化合物は、低分子量化合物、ならびに、1つもしくはそれ以上のケイ素原子を有し、そして少なくとも2つの不飽和炭化水素官能基を持つ高分子量のオリゴマーおよび重合体をも含む。成分(a)の有機ケイ素化合物の類の幾つかの例は、少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有する(すなわち、ケイ素−酸素結合はないが、ケイ素−炭素結合を有する)オルガノシラン、シロキサンおよびシラザンを含む。
成分(a)の有機ケイ素化合物において不飽和炭化水素基は、ヒドロシリル化条件下でシリルヒドリド基との反応が可能な少なくとも1つの炭素−炭素二重結合または三重結合をもつ、任意の直鎖、分岐または環状の炭化水素基を含む。より典型的には、不飽和炭化水素基は、2から6の炭素原子を有する。不飽和炭化水素基の幾つかの例は、置換されたおよび無置換のビニル、アリル、ブテニル、ブタジエニル、4−ペンテニル、2,4−ペンタジエニル、5−ヘキセニル、シクロブテニル、シクロヘキセニル、アクリロイル、およびメタクリロイルを含む。
成分(a)の低分子量の有機シラン化合物の幾つかの例は、ジビニルジメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルメチルプロピルシラン、ジビニルジプロピルシラン、ジビニルジイソプロピルシラン、ジビニルジフェニルシラン、ジビニルフェニルプロピルシラン、トリビニルメチルシラン、トリビニルエトキシシラン、トリビニルクロロシラン、トリビニルフェニルシラン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、アリルビニルジメチルシラン、トリビニルフェニルシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシリルメタン、1,4−ジビニルテトラメチルジシリルエタン、1,1−ジビニルテトラメチルジシリルエタン、1,1,4−トリビニルトリメチルジシリルエタン、1,1,1−トリビニルトリメチルジシリルエタン、1,1,4,4−テトラビニルジメチルジシリルエタン、1,1,4,4−テトラビニルジメチルジシリルエタン、1,1,1,4,4,4−ヘキサビニルジシリルエタン、1,3−ジビニルテトラフェニルジシリルメタン、1,4−ジビニルテトラフェニルジシリルエタン、1,1−ジビニルテトラフェニルジシリルエタン、1,1,4−トリビニルトリフェニルジシリルエタン、1,1,1−トリビニルトリフェニルジシリルエタン、1,1,4,4−テトラビニルジフェニルジシリルエタン、および1,1,1,4−テトラビニルジフェニルジシリルエタンを含む。
成分(a)の低分子量のシロキサン化合物の幾つかの例は、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルエトキシシラン、ジアリルジエトキシシラン、トリアリルエトキシシラン、ビニルジメチルシロキシビニルジメチルカルビノール(CH=C−C(CH−O−Si(CH(C=CH)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラエチルジシロキサン、1,1−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,1,3−トリビニルトリメチルジシロキサン、1,1,1−トリビニルトリメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラビニルジメチルジシロキサン、1,1,1,3−テトラビニルジメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラフェニルジシロキサン、1,1−ジビニルテトラフェニルジシロキサン、1,1,3−トリビニルトリフェニルジシロキサン、1,1,1−トリビニルトリフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラビニルジフェニルジシロキサン、1,1,1,3−テトラビニルジフェニルジシロキサン、ヘキサビニルジシロキサン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)メトキシシラン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)フェニルシラン、およびテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シランを含む。
成分(a)の線状のシロキサンオリゴマーの幾つかの例は、1,5−ジビニルヘキサメチルトリシロキサン、1,3−ジビニルヘキサメチルトリシロキサン、1,1−ジビニルヘキサメチルトリシロキサン、3,3−ジビニルヘキサメチルトリシロキサン、1,5−ジビニルヘキサフェニルトリシロキサン、1,3−ジビニルヘキサフェニルトリシロキサン、1,1−ジビニルヘキサフェニルトリシロキサン、3,3−ジビニルヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,1−トリビニルペンタメチルトリシロキサン、1,3,5−トリビニルペンタメチルトリシロキサン、1,1,1−トリビニルペンタフェニルトリシロキサン、1,3,5−トリビニルペンタフェニルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラビニルテトラメチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラビニルテトラメチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラビニルテトラフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラビニルテトラフェニルトリシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタビニルトリメチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタビニルトリメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサビニルジメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサビニルジメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサビニルジフェニルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサビニルジメトキシトリシロキサン、1,7−ジビニルオクタメチルテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルヘキサメチルテトラシロキサン、および1,1,7,7−テトラビニルヘキサメチルテトラシロキサンを含む。
成分(a)の環状のシロキサンオリゴマーの幾つかの例は、1,3−ジビニルテトラメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、1,3−ジビニルテトラフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリビニルトリフェニルシクロトリシロキサン、1,3−ジビニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニルペンタメチルシクロテトラシロキサン、および1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンを含む。
成分(a)のシラザンの幾つかの例は、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシラザン、1,3,5−トリビニルトリメチルシクロトリシラザン、1,3,5−トリビニルトリフェニルシクロトリシラザン、1,3,5−トリビニルペンタメチルシクロテトラシラザン、および1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシラザンを含む。
成分(a)の重合体のシロキサン(ポリシロキサン)は、M基、D基、T基、およびQ基の任意の2つもしくはそれ以上の組合せを持つ、任意の線状、分岐および/または架橋の重合体を含み、ここで、当業者に既知のように、M基は、式RSiO1/2の単官能基を表し、D基は、式RSiO2/2の二官能基を表し、T基は、式RSiO3/2の三官能基を表し、そして、Q基は、式SiO4/2の四官能基を表し、そしてここで少なくともR基の2つは、不飽和炭化水素基であり、そしてR基の残りは、(例えば、CからCの)炭化水素基、ハロゲン基、アルコキシ基、および/またはアミノ基を含む任意の適切な基であってよい。
成分(a)に適切なポリシロキサンの類の幾つかの例は、MDM、TD、MT、MDT、MDTQ、MQ、MDQ、およびMTQの類のポリシロキサン、そしてそれらの組合せを含み、これらは少なくとも2つの不飽和炭化水素基を持つ。
特定の実施態様において、成分(a)は、1つもしくはそれ以上のD基および/またはDvi基と組み合せて、1つもしくはそれ以上のM基および/またはMVi基をもつMDタイプのポリシロキサンであり、ここでMはSi(CHO−を表し、Mviは(CH=C)Si(CHO−を表し、Dは−Si(CHO−を表し、そして、Dviは−Si(C=CH)(CH)O−を表し、「vi」は、「ビニル」の略語であり、そしてここで、MDタイプのポリシロキサンは、少なくとも2つのビニル基を有する。
成分(a)に適切なMDタイプのポリシロキサンの幾つかの例は、Mvivi、Mvivi M、Mvivi M、Mvivi vi、Mvivi vi、MDvi M、およびMDvi Mの類の、MDタイプのポリシロキサンを含み、式中、mおよびnは各々少なくとも1を表す。MDポリシロキサンのこれらの類の任意の1つ、または組合せは、成分(a)に使用してよい。様々な実施態様において、mおよびnは、独立して、例えば1から10、11から20、50から100、101から200、201から500、501から1500の範囲内の数、そしてより大きい数を表すことができる。
vi基は、D基の中に不規則に(すなわち、ブロックとしてではなく)組み込まれてもよい。例えば、Mvivi Mは、重合体を表すことができる。式中、nは5から20を表し、そしてmは50から1500を表す。そしてここで5から20のDvi基は、50から1500のD基の中に不規則に組み込まれる。
他の実施態様において、Mvi基およびDvi基は、各々独立して、例えばMviに対しては(CH=C(CH)SiO−基および(CH=CSiO−基、またはDviに対しては−Si(C=CHO−のような、より大きい数の不飽和官能基を含んでもよい。
成分(b)の1つもしくは以上のシリルヒドリド含有化合物は、分子当たり少なくとも2つのシリルヒドリド官能基を有する任意の低分子量化合物、オリゴマー、または重合体を含む。成分(b)のシリルヒドリド含有化合物の類の幾つかの例は、少なくとも2つのシリルヒドリド官能基を有する、有機シラン、シロキサン、およびシラザンを含む。
成分(b)の低分子量化合物の幾つかの例は、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジ−(n−プロピル)シラン、ジイソプロピルシラン、ジフェニルシラン、メチルクロロシラン、ジクロロシラン、1,3−ジシラプロパン、1,3−ジシラブタン、1,4−ジシラブタン、1,3−ジシラペンタン、1,4−ジシラペンタン、1,5−ジシラペンタン、1,6−ジシラヘキサン、ビス−1,2−(ジメチルシリル)エタン、ビス−1,3−(ジメチルシリル)プロパン、1,2,3−トリシリルプロパン、1,4−ジシリルベンゼン、1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1、1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、および1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサンを含む。
成分(b)のシリルヒドリド含有シラザンの幾つかの例は、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3,5−トリエチル−2,4,6−トリメチルシクロトリシラザン、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、および1,2,3,4,5,6,7,8−オクタメチルシクロテトラシラザンを含む。
成分(b)のシリルヒドリド含有のオリゴマーおよび重合体の幾つかの例は、オリゴマーまたは重合体において、前記のM基、D基、T基、およびQ基の任意の2つもしくはそれ以上の組合せをもち、そして少なくとも2つのシリルヒドリド官能基をもつ、任意の線状、分岐および/または架橋の重合体を含む。
特定の実施態様において、成分(b)は、1つもしくはそれ以上のD基および/またはD基と組み合せて、1つもしくはそれ以上のM基および/またはM基をもつ、MDタイプのポリシロキサンであり、ここで、MはSi(CHO−を表し、MはHSi(CHO−を表し、Dは−Si(CHO−を表し、そしてDは−Si(H)(CH)O−を表し、そしてここで、MDタイプのポリシロキサンは、少なくとも2つのシリルヒドリド基を有する。
成分(b)に適切なMDタイプのポリシロキサンの幾つかの例は、M、M M、M M、M 、M 、MD M、およびMD Mの類の、MDタイプのポリシロキサン、そしてそれらの組合せを含み、式中、mおよびnは、各々少なくとも1を表し、そして上に記載した任意の数値を持ってよい。
基は、D基の中に不規則に(すなわち、ブロックとしてではなく)組み込まれてもよい。例えば、M Mは、重合体を表すことができ、式中、nは5から20を表し、そしてmは50から1500を表し、そしてここで、5から20のD基は、50から1500のD基の中に不規則に組み込まれる。
他の実施態様において、MおよびD基は、独立して、例えば、Mに対してはHSi(CH)O−およびHSiO−基、またはDに対しては−Si(H)O−のような、より大きい数のシリルヒドリド官能基を持ってよい。
本発明によれば、成分(a)または(b)の少なくとも1つは、分子当たり少なくとも3つの官能基を有する。例えば、成分(a)または(b)の1つは、分子当たり3つの官能基を持ってよいが、その一方でもう1つの成分(a)または(b)は、分子当たり2つの官能基を有する;または、成分(a)および(b)の両方が、分子当たり3つの官能基を各々有してよい;または、成分(a)または(b)の1つは、分子当たり3つの官能基をもってよいが、その一方でもう1つの成分(a)または(b)は、分子当たりの4つの官能基を有する;または、成分(a)および(b)の両方が、分子当たりの4つの官能基を各々有してよい;などである。
1つの実施態様において、成分(a)および(b)は、等しい数の官能基を有し、そして相互に関しては等しいかまたは同じようなモル量を含む任意のモル比である。別の実施態様において、成分(a)または(b)の1つは、もう1つの成分(a)または(b)より大きい数の官能基を有し、そして両方の成分は等しいモル量である。
別の実施態様において、分岐ポリシロキサンは、星形重合体に類似した分岐パターン(branching pattern)に従い、ここで、より大きい数の官能基をもつ成分(a)または(b)のどちらか一方の分子(すなわち、架橋剤)は、より小さい数の官能基をもつ成分(a)または(b)のどちらか一方の分子(すなわち、増量剤)より、少ないモル量である。前記の星形重合体のパターンは、分岐がたくさんある樹枝状パターン(dendritic pattern)とは異なる。
例えば、成分(a)または(b)の1つは、少なくとも4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、またはそれより大きい数の官能基を持つことができ、そして分子当たり2つまたは3つの官能基を有する他の成分(a)または(b)より小さい数のモル量であってよい。
成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対する任意の適切なモル比であってよく、例えば、100:1、50:1、25:1、20:1、10:1、1:10、1:20、1:25、1:50、1:100、およびそれの間の比の範囲であってよい。
特定の実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、式(6−s):1または1:(1+t)に従う範囲内にあり、式中、sは0と等しいかもしくはそれより大きく、そして5より小さい数を表し、そしてtは0より大きく、そして5と等しいかもしくはそれより小さい数を表す。(b)の官能基に対する(a)の官能基のそのようなモル比の幾つかの例は、6:1、5.5:1、5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、2.5:1、2:1、1.5:1、1.4:1、1.2:1、1:1.2、1:1.4、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、および1:6、そしてそれの間の比の範囲を含む。
例えば、1つの実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、式(4.6−s):1または1:(1+s)に従う範囲内であり、式中、sは0より大きく、そして3.6より小さい数を表す。別の実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、式(4.25−s):1または1:(1+t)に従う範囲内であり、式中、sは0と等しいかもしくはそれより大きく、そして3.25より小さい数を表し、そしてtは0より大きく、そして3.25より小さい数を表す。さらに、別の実施態様において、成分(a)の不飽和炭化水素官能基は、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、約4.5:1から約2:1の範囲内である。
分岐ポリシロキサンの粘度は、典型的には1,500センチポアズ(cPs)より大きく、ここで、1cPs=1ミリパスカル秒(mPa.s)である。より典型的には、分岐ポリシロキサンの粘度は、約3,000cPsであるかもしくはそれ以上であり、そして、さらにより典型的には、約5,000cPsである。他の実施態様において、分岐ポリシロキサンの粘度は、約10,000cPsであるかもしくは以上、約25,000cPsであるかもしくはそれ以上、約50,000cPsであるかもしくはそれ以上、またはより高い粘度であってよい。
1つの実施態様において、4価のSiC4/2基(すなわち、Q基)は、分岐ポリシロキサン組成物から除外される。
別の実施態様において、例えば、アルファ−オレフィンのような不飽和炭化水素化合物は、分岐ポリシロキサンへ誘導されることになる成分混合物から除外される。そのような不飽和炭化水素化合物の幾つかの例は、式CH=CHRのアルファ−オレフィンを含み、式中、Rは、ハロゲン、水素、または1から60の炭素原子をもつヘテロ原子で置換されたまたは無置換の炭化水素基から選択される。幾つかのヘテロ原子は、酸素(O)原子および窒素(N)原子を含む。
さらに別の実施態様において、オキシアルキレン含有および/またはエステル含有の、飽和または不飽和の化合物のようなオキシ置換炭化水素化合物は、分岐ポリシロキサン組成物から除外される。
ミスト化防止成分の分岐ポリシロキサンは、ヒドロシリル化条件下で成分(a)と成分(b)との共重合から生成する。「ヒドロシリル化条件」は、不飽和基を有する化合物とシリルヒドリド基を有する化合物との間のヒドロシリル化による架橋に関して、当業者に既知の条件を意味する。
当業者に既知であるように、ヒドロシリル化触媒は、成分を混合する間に、または混合した後に、適切な温度で成分(a)と(b)との間のヒドロシリル化反応を促進するか、または達成するのに必要である。ヒドロシリル化触媒は、典型的には1つもしくはそれ以上の白金族金属または白金族金属錯体を含む。例えば、ヒドロシリル化触媒は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、または白金の金属形態または錯体形態であってよい。より典型的には、ヒドロシリル化触媒は白金系である。白金系触媒は、例えば、白金の金属、担体(例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、または炭素)上に析出させた白金の金属、塩化白金酸、または白金の錯体であってよく、ここで白金は、ジビニルテトラメチルジシロキサンのような弱く結合する配位子と錯体を形成する。白金触媒は、例えば、1から100ppmの濃度範囲で含まれてよいが、より典型的には約5から約40ppmの濃度で含まれる。
補助的な成分および他の成分は、本発明のコーティング製剤において、必要に応じて含まれてよい。幾つかのタイプの補助的な成分は、(前記のような)触媒阻害剤、界面活性剤、および希釈剤を含む。希釈剤の幾つかの例は、炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、およびキシレン)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、およびハロゲン化炭化水素(例えば、トリクロロエテンおよびテトラクロロエチレン)を含む。
別の態様において、本発明は、コーティング製剤のミスト化またはアアエロゾル化が生じることが知られている条件下で、本発明のコーティング製剤が基体に塗布するコーティングプロセスを指向する。そのようなミスト発生の条件のあいだで本発明のコーティング製剤は、分岐ポリシロキサンのミスト化防止量がないコーティング製剤と比較して、減少されたミスト化を示すことになる。
コーティング製剤は、例えば、ロールコーティングによって、その代わりに、適切な塗布用具(例えば、ノズル)からの噴霧によって、塗布してよく、ここで、塗布用具は、基体に関して静止状態または移動状態であってよい。ミスト化またはアアエロゾル化は、主に基体に対する塗布用具の移動によってしばしば引き起こされるが、ミスト化またはアエロゾル化は、塗布用具または基体の移動以外の要因によっても引き起こされうる。例えば、ミスト化は、基体に関して塗布用具の任意の移動によってというより、むしろ塗布の方法によって(例えば、静止した、またはゆっくりとした噴霧プロセスで)部分的にまたは大部分は引き起こされうる。
本発明のコーティングプロセスは、移動がミスト化またはアエロゾル化の主な原因となる、動いている基体にコーティング製剤が塗布されるプロセスに特に適する。この移動は、ミスト化またはアエロゾル化を引き起こすことのできる移動の類、例えば、並進運動および/または回転運動のミスト発生のレベル、であってよい。
基体は、前記のコーティング製剤をコーティングしたい任意の基体であってよい。適切な基体の幾つかの例は、紙、厚紙、木製品、重合体製品、プラスチック製品、ガラス製品、および金属製品を含む。
別の態様において、本発明は、前記のコーティング製剤を基体上に塗布した後に、それを硬化する(hardening)または硬化する(curing)ことによって得られる硬化された(hardened)(すなわち、硬化された;cured)コーティングを指向する。コーティング製剤は、一旦基体に塗布されると、例えば、ヒドロシリル化反応による架橋、過酸化物硬化、光硬化(例えば、紫外線硬化)、および電子ビーム硬化を含む、当業者に既知の適切な任意の硬化方法によって硬化してよい。
硬化されたコーティングは、もし望むなら、基体のないコーティング自体が、例えば、応用できるフィルムとしての用途に有用な製品であるような場合に、基体からはがしてもよい。基体からコーティングの、すなわち硬化されたフィルムの分離を助けるために、剥離添加剤がコーティング製剤に、または基体とコーティング製剤との間で使われる剥離フィルムに含まれてもよい。
実施例は、例証を目的として以下に説明されている。本発明の範囲は、ここに説明された実施例によって決して制限されるものではない。
実施例1
ミスト化防止成分(分岐ポリシロキサン)の合成
本実施例において、成分Aと称される成分は、市販の200から300cPsの粘度をもつ、式Mvi110viの二官能性ビニル末端のポリシロキサンである。成分Bと称される成分は、市販の6,000から15,000cPsの粘度、および155から180ppmの水素化物含量をもつ、式MD500 6.5Mの六官能性シリルヒドリド含有ポリシロキサンであり、式中、6.5は、D基中で不規則に組み合わされたD基の平均数を表す。成分Cと称される成分は、市販の10重量%の白金を含む触媒製剤である。
頂部のかくはん器、窒素ガス注入口、温度計、および油浴を備えた1リットルの反応器に、168.7g(約20.2mmol)の成分Aおよび約0.05gの成分Cを入れた。混合物を周囲条件下で1時間かくはんした。次に、54.4g(約1.4mmol)の成分Bを4℃まで冷却し、次にかくはんしながら前記の成分に加えた。混合物を周囲条件下で15分間かくはんし、その後ゆっくりと90℃に加熱した。30分後、多少のゲル化が観察された。この反応混合物に、90℃で255.5gの成分Aを加えた。混合物を90℃で2時間かくはんし、室温(およそ25℃)に冷却し、そして反応器から取り出した。生成物の量は、430.9gであり、収率90%に相当した。ずり粘性と剛性率を12Hzで測定したところ、それぞれ2.813Pa.sと201.2Paであった。
実施例2
ミスト化防止成分を含むコーティング製剤の合成
2ガロンのプラスチック製ペール缶に、100ppmの白金と0.4%のジアリルマレアート阻害剤を含む市販のMVi110Vi溶液94部(1,880g)を入れた。ミスト防止添加剤を、6部(120g)の量でペール缶に入れ、そしてドリル形の攪拌翼を取り付けたかくはん機で混合した。架橋剤、市販の水素化物(MD30 15M)を、5.5部(110g)の量でペール缶に加えた。この混合物をドリル形の攪拌翼を取り付けたかくはん機で充分に混合した。
実施例3
ミスト化防止成分を含むコーティング製剤の合成
2ガロンのプラスチック製ペール缶に、l00ppmの白金と0.4%のジアリルマレアート阻害剤を含む市販のMVi100Vi 2.5Vi溶液87.8部(1,656g)を入れた。ミスト防止添加剤を、6部(113g)の量でペール缶に入れ、そしてドリル形の攪拌翼を取り付けたかくはん機で混合した。架橋剤、市販の水素化物(MD30 15M)を、6.0部(113g)の量でペール缶に加えた。この混合物をドリル形の攪拌翼を取り付けたかくはん機で充分に混合した。
実施例4
コーティングプロセス
パイロットスケールのコーティング機を、総てのコーティングとミスト化の研究に使用した。5本ロールのコーティング機を毎分3,000フィートで運転した。基体は、幅18インチのオーティスミル(Otis Mill)UV350の紙であった。コーティング機には、3x5フィートの空気浮遊−ガス加熱式乾燥機を装備し、550°Fに設定した。被膜重量は、約0.8ポンド/リーム(lb/ream)に設定した。ミストの測定は、紙の基体を毎分3,000フィートでコーティングしながら、TSI社(TSI Incorporated, Shoreview, Minnesota)によって製造されたDUSTTRAK8520アエロゾル監視装置で行った。この測定は、バックアップロールと塗布ロールとの間の接触点に相当する高さで、インナーゲートロールとアウターゲートロールの上部で行った。
上で述べたように、本発明の好ましい実施態様であると現在考えられることを記載したが、本発明の趣旨から逸脱しないで、他の実施態様およびさらなる実施態様がなされうることを、当業者なら明確に理解しよう。ここで説明した真の特許請求の範囲内に入る、そのような更に進んだ修飾および変更の総てを含むことを意図するものである。

Claims (5)

  1. 組成物であって、
    (i)ミスト発生の条件下でミスト化されやすい、シリコーン系コーティング成分;および、
    (ii)分岐ポリシロキサンミスト化防止成分であって:
    (a)分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素官能基を有する、1つ以上の有機ケイ素化合物、ここでこの不飽和炭化水素官能基は、ヒドロシリル化条件下で、シリルヒドリド含有化合物によりヒドロシリル化反応を受けることが可能であるそして
    (b)分子当たり少なくとも2つのシリルヒドリド官能基を有する、1つ以上のシリルヒドリド含有化合物;
    を含有する成分混合物のヒドロシリル化条件下での共重合から生成する、分岐ポリシロキサンミスト化防止成分、
    (ただし、
    (i)成分(a)または(b)の少なくとも1つは、分子当たり少なくとも3つの官能基を有する;
    (ii)成分(a)、分子当たり、より小さい数の官能基を持つもう1つの成分b)より、分子当たり、より大きい数の官能基をもつ場合、そのとき、分子当たり、より大きい数の官能基をもつ成分(a)、分子当たり、より小さい数の官能基をもつ成分b)のモル量と等しいかもしくは少ないモル量で存在し、成分(b)が、分子当たり、より小さい数の官能基を持つもう1つの成分(a)より、分子当たり、より大きい数の官能基をもつ場合、そのとき、分子当たり、より大きい数の官能基をもつ成分(b)は、分子当たり、より小さい数の官能基をもつ成分(a)より少ないモル量で存在し;そして、
    (iii)不飽和炭化水素化合物は、組成物から除外される;
    (iv)ここで成分(a)の不飽和炭化水素官能基が、成分(b)のシリルヒドリド官能基に対するモル比において、4.25:1から2:1までの範囲内であり;
    (v)成分(ii)は、組成物の全量に基づいて0.1〜15重量パーセントの量で組成物に含まれる、
    という条件である)
    を含有する、組成物。
  2. 成分(a)または(b)の1つが、分子当たり少なくとも4つの官能基を持ち、そして分子当たり2つまたは3つの官能基を持つもう1つの成分(a)または(b)より少ないモル量である、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(a)または(b)の1つが、分子当たり少なくとも6つの官能基を持ち、そして分子当たり2つまたは3つの官能基を持つもう1つの成分(a)または(b)より少ないモル量である、請求項1に記載の組成物。
  4. コーティングプロセスであって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物をミスト発生の条件下で基体に塗布することを含有し、前記組成物が、分岐ポリシロキサン成分は無いが他は同じである組成物と比較して、前記ミスト発生の条件に置かれた場合に減少されたミスト化を示し、前記組成物を硬化することを含有する、コーティングプロセス。
  5. 硬化されたシリコーン系コーティングまたはフィルムであって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物で被覆された基体を1つもしくはそれ以上の硬化工程にかけることによって生成した、硬化されたシリコーン系コーティングまたはフィルム。
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